2005年05月31日

エンジン Lap7

『ホーム解散!』

ホームに春海の交際相手、高橋トシヤ(斎藤誠)に塩谷大輔(石田法嗣)が
襲いかかったと警察から電話が入る。
しかも、大輔は失踪中。大輔の身を案じる子供たち。
トシヤの怪我は殴られて転んだときに骨にヒビが入ったとのこと。「一体どんな教育をしてるんですか!
 責任を持って大輔を預かってくれるということではなかったんですか!
 これからどうするつもりです!?」
大輔の父(嶋田久作)が風の丘ホームに乗り込んでくる。
「申し訳ありません。
 大輔君が見つかり次第、事情を聞き警察に出頭するつもりです。」
元一郎(堺雅人)が答える。。
「とうとう警察沙汰だ。下手に騒がれたら裁判に持ち込まれる。
 先方への謝罪はしっかりしておいて下さい。」
大輔の父親は元一郎らにそう言う。
「じゃ、お父さんは一緒に謝りには行って下さらないんですね。」
園長・猛(原田芳雄)の言葉に当然と言い張る父。
「あいつは、私への反抗から家でも暴力を繰り返しました。
 今回のことも、私を困らせ、苦しめようとしてやったに
 決まっています。」
そんな大輔の父親に次郎(木村拓哉)はイライラ。
ダイニング・ルームから出ていく。

そこへホームの子供たちが大輔を心配して次郎に何があったのか
尋ねる。
「ケンカだよケンカ。
 お前らゲームばっかりでケンカなんかしたことないんだろう。」
次郎はそう言い、子供たちに寝るよう言う。

次郎が部屋で着替えようとすると、今度は中高生女子達が大輔を
心配してやってきた。
春海は自分のせいだと自分を責める。。
「相手怪我させてバックレてんだから警察行ったって
 しょうがないだろう。」
そう言い次郎は服を脱ぎ始める。
子供たちは「きゃぁ〜!」と悲鳴を上げながら部屋を出て行く。
美冴だけは暫くその場に立ち尽くしていたが
「お前何見てんだよ!」と次郎に言われ、慌てて部屋を出ていった。

そんな中、真夜中に神父・万里夫(角野卓造)から大輔が見つかったと
連絡が入る。
行くあてのなかった彼は、教会に行ったのだ。
大輔は、なぜか次郎一人で迎えに来て欲しいと言っているという。

ちひろ(松下由樹)は既に寝ていた次郎を叩き起こす。
「タイマン張るワケじゃないのに何言ってんの!」と次郎。
「似たようなことやってた癖に。高校のときケンカして補導されて、
 『ねーちゃん、一人で警察に、来てくれよ。』って言ったの。
 お父さんに怒られるのが怖くてさ、
 『ねーちゃん、一人で警察に来てくれよ。』って。」
ちひろが次郎のモノマネをしながら冷やかすようにそう言う。
「昔のこと持ち出すなよ!」
「私にとってはつい昨日のことなの。
 あんたの通信簿に卒倒したのも、
 女の子の電話に居留守使ったことも。
 大輔さ、お父さんでも元兄でも朋美先生でもなく、
 本当の親でも、もちろん私でもなく、
 あんたになら、話せることがあるんだよ、きっと。」
話を聞きながら眠ってしまう次郎にちひろのパンチが飛ぶ。
「起きた。起きた。」
次郎は早朝の町、バスで次郎を迎えにいく。

教会に着くと、神父が飛び出してくる。
次郎は必死に夕べのピアノの鍵盤は朋美がやったと訴える。
「おねがいしますよ。」神父はそれどころじゃない。
教会の中で二人のやり取りを聞いていた大輔。
だが次郎はまだ「俺じゃない。」と言い張る。

警察に捕まる大事件を起こした大輔。
そんな彼は、次郎の態度をどう思ったのかな。
きっと、落ち着きを取り戻すことが出来たのかも。


「よう。なんだよ?」次郎が大輔に問いかける。
「何だよ!」
「何だよじゃねーんだよ!用があって俺のこと呼んだんだろ?」
「・・・別に。」
『殴ってもいい?』次郎が神父にジェスチャーで訴える。
首を必死に横に振る神父。
「何でもいいから話せよ。先輩が聞いてやっから。」
「おめーに話すことなんかねーよ。」
大輔の言葉に怒って帰ろうとする次郎を神父が必死に止める。
「警察だよ。警察に連れてけ。あのボロバスで。」
「連れてけ?け?け?けだ?このやろ!
 ・・・
 俺じゃなくてバスですか?じゃぁ。」

次郎がバスの中で『セッティング・シート』を読んでいると、
大輔が乗り込んでくる。
連絡を受けた朋美が、園長らに伝える。
「とりあえず向こうで保護されることになるでしょう。
 だけど、次郎さん一人で本当に大丈夫なんでしょうか。」と元一郎。
ちひろが庇おうとすると、朋美が警察に着替えを届けに行くと言い出す。
猛は先方に挨拶に、元一郎は大輔の両親の元へと向かうことに。

その時、ホームには近隣の人々が詰めかけてきた。
猛が応対に出ると、主婦達は、地域の者の考えと言い、
『申入書』を差し出す。

バスの中。
何を言っても答えない大輔に
「お前、春海のことが好きなのか?」と次郎。
「そんなんじゃねーよ!」大輔がムキになる。
「大輔は春海が大好き!ダイスキ・・・お前名前変えれば?ダイスキに。」
次郎が大輔を冷やかす。
「喉!」大輔が言う。
「あっ!?」
「喉!」
「喉が何だよ。痛えのか?乾いたのか?撫でてほしいのか?出せよ、ほら。」
「乾いたんだよっ!!」
「だったらハッキリそう言えよ、バーカ。」

『申入書』には、ホームを廃園にするよう書かれていた。

 施設内児童の暴力問題。
 施設内児童の不純異性行為。
 施設の老朽化。
 調理師、牛久保瑛子、職員としての不適用。
 傷害罪、夫を刺傷、懲役1年6ヶ月の刑。

猛の顔色が変わる。

コンビニでコーラを一本買う次郎。
大輔がそれを取ろうとすると、次郎がふたを開け、見せびらかすように
飲み始める。
「俺のは?」
「知らねーよ。自分で買えよ。」
「金なんかねーよ!」
「そういう時なんて言うんだ?」
「奢れよ!先輩だろ!」
大輔の目の前で、わざと美味しそうにコーラをごくごく飲む次郎。
「早く何でもいいから奢れよ!」
「何でもいいんだな。」
次郎が大輔に買ったのは、『マムシいっぱつ』!!

コンビニで流れるBGM、先週朋美先生がピアノで弾いていた
『ABC』でしたね〜!
大輔と次郎のやり取り、いいな〜。
次郎ってちょっと意地悪なんだけど、でもちゃんと礼儀を
教えているんだな。
大人と子供でなく、先輩と後輩でもなく、不思議な関係です。(笑)


次郎はとっくに始業時間が過ぎていることに気づき、慌ててチーム・イチノセに
「寝坊した」電話をする。
電話に出たたまき(岡本綾)は次郎が持ち帰ったセッティング・シート
がないとみんなが仕事を出来ず、困ると訴える。

次郎がバスに戻ると、大輔は運転席に乗り込み
「オメーの世話にはなんねーよ。
 おい、鍵かせよ。」と言う。
次郎はポケットから別の鍵を出し、大輔に投げる。
それを鍵穴に入れようとする大輔。
「気づくだろ、バカ!
 無理無理無理。春海はお前には無理。」
次郎はそう言い、大輔を運転席から引きずり降ろし、
助手席に乗るよう言う。
だが大輔はバスには乗らず、歩き出す。

その頃、朋美は警察署の前で大輔と次郎を待っていた。

大輔の後をついて歩く次郎。
突然、大輔が走り出す。
フェンスを乗り越え、ラクロスの練習をする女子学生の中で
取り押さえる。
その時、朋美から「警察の前で待ってるんですが。」と電話が入る。
「だから、待てって言ってんだよ!」
電話に出ながら必死に大輔を押さえつける次郎。
「いいから待ってろ。」と朋美に言い、電話を切る。

突然電話を切られ訳のわからない朋美。警察署の花壇に腰を下ろす。
「君。君、君!そこ座らないで。」
警察署の入り口に立つ警察官(小市慢太郎)に注意される。

あなた様は、ひびや〜ん!
ドクター、和菓子職人の次は、お巡りさんですか〜!
どの職業もお似合いです♪


大輔を押さえつけながら
「お前、警察に行くっていったのはハッタリか!?
 マムシいっぱつ奢ってやったのに騙してんじゃねーぞ。
 そんなんだから親父にも見捨てられるんだよ!」
その言葉を悲しそうな表情で聞く大輔。だが抵抗をやめない。
「疲れること止めろ!
 俺だって仕事あんだよ。最後まで付き合ってらんねーぞ。」
その時又次郎の携帯が鳴る。
「だから朋美先生、待っててっていってんじゃん!」
「はい!?朋美先生!?
 私じゃ悪かったみたいねー。」
たまきの声に焦る次郎。
「近くにセッティング・シートある?最近のセッティングでフラップの角度
 知りたいんだけど。」
「フラップ?フラップは19。」
「よく勉強してるじゃない。」
たまきはそう言うと電話をガチャンと切ってしまう。

いつも冷静なたまきがヤキモチやいてます〜!
監督たちへのごまかし笑いも可愛いです。(笑)


立て続けに又電話が鳴る。
今度は相手をよーく確認する次郎。朋美からだ。
大輔が次郎の携帯を奪い、遠くへ投げ捨て、一目散に走り出す。
飛ばされた携帯の方向を確認し、次郎は大輔を追う。
携帯を拾った高校生の、
「次郎お兄さーん、とか言ってるよ。」も笑えました〜!


風の丘ホーム。
大輔はまだ警察に到着せず、電話も繋がらない。
元一郎は猛に
「我々は保育の専門家なんです。
 子供達の要求にそのまま答えるだけでなく、正しく導いてあげる
 べきなんじゃないですか?」
「いや、今回はなんとしても答えてあげたかった。 
 大輔は、父親に憎まれて育ったせいか誰も信じてないし
 誰も求めない。
 その大輔が一番苦しい時に、人を求めたんですよ。
 あんなバカですけども、そのバカだからいいのか・・・次郎のことをね。」

ブォーンブォーンとエンジン音をマネしながら、次郎が大輔を追う。
そして次郎を追い越し、ガッツポーズ。
大輔はその場に座り込む。
「お前俺に勝てると思ってんのか。俺レーサーだぞ!」
「メカニックだろ。」大輔が憎まれ口をたたく。
「お前警察に行くのビビってんだろー。」
「ビビってねーよ。」
「春海に言っとくからな。大輔が警察が怖くて逃げ回ってたーって。」
次郎にたてつく大輔。
好きにしろ、次郎はそう言い、歩き出す。
「おい!おい!!待てよ!行きたいとこがあんだよ!
 警察行く前に、行きたいとこあんだよ!」
大輔が大きな声で次郎に叫ぶ。

二人が向かった先は、塩谷内科クリニック。
大輔の父親の病院だ。
「でけーな。」次郎は病院の大きさに驚く。
「兄貴が継ぐんだ。」
病院についてもバスから降りようとしない大輔に、次郎は
「行けよ。」と言うが、
「入れてくんねーよ。
 午前の診療が終わったら、親父、出てくるから。」
大輔の言葉に、次郎は時計を見つめ、
「お前何言ってんの!?・・・本気かよ。」
砂だらけになってしまった携帯を指差し
「あ〜あ〜あ〜あ〜!」と大輔に嫌味っぽく訴えた。

チーム・イチノセ。
「セッティング・シートはどうなっているんだ!!」
ファースト・ドライバーの比呂人が怒りをあらわにする。

神父がホームにやってきた。
地主がホームの借地料を今までの4倍に上げたいと言ってきたと
猛とちひろの伝える。
「近所の連中はここに施設が来ることを大反対していたから、
 この機会を待っていたんだろう。」
猛がため息をつく。

バスの中。
セッティング・シートを見ながらため息をつく次郎。
「絶対まずいよ、これ。
 あのな、うちらの世界は、厳しいんだよ。
 ま、お前の親父も、厳しそうだけどさ。
 よくあんなのにつっかかる気になるな。」
「ずっと誤解されてきた。
 俺、親父や兄貴みたいに、何でもうまく出来なくて。
 いつも必死でやってんのに、
 恥をかかせたいのかって、何度も何度も言われて。
 だから言いたいんだ。
 親父やお袋を苦しめたくてやったんじゃないって。
 誤解されたまま、警察に行くのは嫌だから。」
「そっか。」次郎はそう答える。
そこへ、大輔の父が病院から出てきた。

バスの扉を開け、大輔が父の元へ駆け寄る。
車に乗り込もうとした父親が、大輔に気づき、言う。
「警察に行ったんじゃなかったのか?
 先方への見舞金なら送っとく。 
 だから、これで終わりにしてくれないか。
 頼む。これ以上私達に迷惑をかけないでくれ。
 心から頼むよ。」
そう言うと父親は車に乗り込み、その車が走り出す。

大輔は車を追うが、すぐに諦めてしまう。
次郎は車がバスの横を通る時にクラクションを鳴らす。
何度も何度も鳴らす。
大輔の父の運転手が車を止める。
次郎が大輔を見つめる。
大輔は車に駆け寄り、窓を叩きながら言う。
「親父、開けろよ!
 親父!親父!!
 開けてくれよ。
 父さん、開けてよ。
 父さん!
 話したいことがあるんだよ。
 父さん、開けてよ。お願いだから。」
だが父親は運転手に車を出すように言う。
車が見えなくなると、大輔はとぼとぼとバスに向かって歩いてくる。
次郎がその姿を見守る。
だが大輔はバスに乗ることなく、そのまま車道を真っ直ぐ歩いていく。
真っ直ぐな上り坂を、大輔は一人とぼとぼと歩き続ける。
その背中を見つめる次郎。
坂を下り始めたところで、大輔はバスを振り返り、そして又歩き出す。
ついには大輔の姿が見えなくなる。
そのまま、暫く待つ次郎。
すると、大輔の頭が見えた。
次郎がヘッドライトで合図を送る。
大輔が早歩きでバスに向かってやってくる。
次郎が嬉しそうに笑った。
コースの旗を振るように、まむしドリンクを振る次郎。
窓から顔を出し、
「轢かれんぞ。」
そしてドリンクを大輔に投げる。大輔がそれを受け取る。
大輔がバスに乗り込み、一番後ろの座席に座る。
次郎がバックミラーで確認すると、大輔は泣いていた。
『朋美センセイ』から着信のメッセージ。
次郎は泣いている大輔を気遣い、携帯の電源を切った。
大輔は声を上げて泣き続けた。

大輔の涙につられました。
二人のやり取りが切なくていじらしくて温かくて。
父親には大輔の想いを受け止めてほしかったなぁ。


警察署の前。
「水越朋美といいます。」
「年齢は?」とひびやん@警察
「何でそんなこと聞かれなきゃいけないんです?」
「ここで何してるんです?」
「人待ってるんです!」
「こんなに長い時間?おかしいじゃないですか。」
「本当です!」

そこへバスがやっと到着する。
「何してたんですか!?」
「まだいてくれたんだ。」
「まだってあなたがそこで待ってろって言ったんじゃないですか。
 どこ行ってたんですか!?」
「だから・・・あいつと、ドライブ。」
「ドライブ?
 すっごい非常識ですよね、いつもいつも!」
「ちょっと気分転換で、」
「行ってくるわ。」大輔がバスを降りていく。
朋美が大輔に付き添って署に入ろうとする。
大輔が振り返って次郎に聞く。
「俺・・・戻れるかな、ホームに。」
「戻れんじゃねーの?(春海)待ってるし。」
次郎が小指を立ててからかうと
「そんなんじゃねーって。」
大輔が大声で否定するのを楽しそうに笑う次郎。
再び歩き出した大輔に次郎が声をかける。
「大輔!待ってるぞ。」
そしてドリンクを飲むようにジェスチャーで伝える。
大輔が笑った。
朋美は警察官に勝ち誇ったような笑みを送り、大輔に付き添い
署に入っていった。

腕時計を見た次郎。
バスをチーム・イチノセへと走らせる。
呟いた言葉が英語なら、NGワードでは!?(笑)

「ごめん。」車に謝る次郎。
「長いシャワーだったわね。
 一体どこを洗っていたの?」たまきが声をかける。
「ごめんなさい。」と素直に謝る次郎。
セッティング・シートはエンジニアが作り直したと聞き、次郎は
工具箱の鍵を開け、リチェックを始める。
大輔に投げた鍵は、この鍵だったのか!
「ねぇ。ねぇ!今日何かあったの?」
「・・・いや。」
一之瀬監督(泉谷しげる)に見られていたことに気づき、
たまきはいつものポーカーフェイスに戻る。

「いつまで彼に、メカニックをさせるんですか?
 彼は今も走ることを諦めていません。
 どうか走らせてあげて下さい。
 お願いします。」
たまきが一之瀬に頼み込む。

大輔は2、3日で戻ってこれる、と朋美が子供達に説明する。
子供達が「やった〜!」と歓声を上げる。
「やった〜じゃないぞ。
 大輔がやったことは、本当にいけないことなんだ。
 暴力っていうのは、相手だけじゃなくて、」
元一郎が子供達に説明を続けようとしたところへ次郎が戻ってくる。
「次郎〜!」
子供達が次郎へと駆け寄る。
子供達に囲まれる様子を、元一郎は複雑な表情で見つめていた。

そんな中、猛はスーツを着込んで出かけていく。
その様子に、ちひろは事の重大さを感じていた。

朋美が次郎の部屋をノックする。
ドアを開けると、トレーニングにと頭にチューブをつけたまま
次郎が居眠りをしていた。
朋美は大輔から、「マムシドリンク美味しかった」と伝言を伝える。

「大輔君のお父さんの所へ行ったなら、先にそう言って下さいよ。
 怒った私がバカみたいじゃないですか。」と朋美。
「あ、ごめん。」
「でも・・・ホント言うと、あなたは、ちゃんと大輔君を連れてきて
 くれると思ってました。」
「俺も。
 ホント言うと、ちゃんと先生が待ってくれてるって思ってました。」
「そうですか。」朋美が嬉しそうに笑う。
朋美はチューブに興味を持ち、自分もやってみると言い出す。
部屋のドアを開けたちひろが、その光景に驚く。
朋美も慌てて、「大輔君のマムシの、」と言い、部屋を出ていく。

「何だよ。」
「あぁ・・・何って訳じゃないんだけど・・・
 まだ諦めてないんだ、レース。」
「何回も同じこと聞くなよ。」
「ま、頑張んなよ。
 お父さんも本当はそう思っているのかもしれないね。
 私は応援しないけどね、ぜんぜん!」
いつもと違うちひろの様子に戸惑う次郎。

猛が申入書を見つめていると、瑛子(高島礼子)がやってくる。
「もしかしたら、私のことも問題になっているんじゃないでしょうか。
 わが子を守ろうとしてしたことです。
 結果、手放すことになり。
 今またここの子供たちに迷惑がかかろうとは・・・。
 もっと早くに申し上げるべきでした。
 でも、前科を話すと雇ってもらえないことが多くて・・・。
 辞めさせていただきます。」
瑛子は猛に退職願を渡した。

その日、外では強風が吹き荒れていた。
猛は一人、考え事をする。

翌日。
いつもと変わらない子供達の様子。大輔も戻ってきていた。
外出していた猛が戻ってきた。
「ちょっとみんな聞いてくれるかね。
 みんなに話しておかなきゃならないことがあるんだ。
 この、風の丘ホーム、を、残念ながら、閉じることいなった。
 びっくりさせて申し訳ない。
 急にここを出ていかなければならないことになってね。
 これは誰の責任でもない。私一人で決めたことだ。
 みんなの行き先は、私が責任を持って探すので心配ない。
 ただ、全員の卒業を、最後まで守ってやれなくて
 その点は本当に申し訳ない。」
「ちょっと待て。急に何言ってんの?」次郎が言う。
「これは、よくよく考えたことだ。」
猛は、これは地主の希望で、ほかの方法もお願いの余地もないと
答える。
「冗談でしょう?
 じゃ、俺はどこに行けばいいんですか?」次郎が尋ねる。
「お前はどこだって暮らせるだろう。」
「じゃ、こいつらは?
 こいつらどうすんの?」
「だから、」
「だから何?」
「さっき言ったろう。」
「そりゃ勝手だろう!
 どうすんだよ、こいつら。
 な、姉ちゃんどうすんだよ!
 元兄さんも黙ってないで。
 ね、朋美先生も。
 わかんないでしょ、今いきなり言われたって。
 じゃ何、こいつらバラバラに放り出すってこと?」
「止めなさい、次郎!」ちひろが言う。
「そういうことだ。本当に申し訳ない。」
猛がみんなに頭を下げ、食堂を出ていく。

次郎は猛を追う。
「親父!待てよ。
 わかんねーよ。ちゃんと話せよ。」
「そりゃ俺だって、バラバラなんかにしたくはなかったよ。
 だけど世の中、どうにもならないことだってあるんだ。」
「どうにもならないって何簡単に諦めてるんだよ。」
「簡単じゃないさ、知らないくせに言うな!
 この数日間、地主の前で何度頭下げたと思ってんだ。
 近所が雇った弁護士とも徹底的に話したよ。
 でも警察沙汰やいろんなことを盾にして、全然耳を傾けようと
 しないだ。」
「俺が話しつけてくる。」と次郎。
「止めとけ。お前が行ったら元も子もなくなるわ。」
「こんな話、通していいのかよ!」
二人の会話を子供達も職員もただ黙って見守っている。
「借地料だって、そりゃ、法的手段をとれば、
 ひょっとしたら出て行かなくたって済んだかもしれない。
 近所の誹謗中傷だって徹底的に戦って、認めさせたケースもある。
 でもそれは、ものすごく時間がかかることで、
 その間中は泥沼だよ。地獄だよ。
 そんな揉め事を子供達に見せられるか!
 出てけ出てけって言われてる場所にいて、子供が、どんな思いを
 するか、考えてみろ!」
「だからって、それで出てくなんて、ただ負けじゃねーかよ。
 なんだそれ!」
「どうしたんだよ次郎。
 お前は、子供が嫌いだったんじゃなかったのか?」
部屋のむこうの子供達を見つめる次郎。
「次郎よ。
 この仕事には、勝ちってことはいらないんだよ。
 子供達を守るために、敢えて負けるんだ。」
父の涙に、次郎は何も言い返すことが出来なくなる。
次郎は、子供達一人一人と朋美のことをもう一度見つめた。

ホーム解散を聞き、次郎は父親と言い合いに。
あの言葉は、子供達や職員の誰もが言いたいけれど言えないことの
代弁のように思いました。
次郎だから言えた言葉。
それは園長先生の苦しみに輪をかける言葉だったけれど、
誰かが言わなければ、子供達は納得出来なかったでしょう。

レーサーという職業のせいか、いつも勝ち負けを気にする次郎。
子供達のために敢えて負ける、という父の言葉を彼はどう
受け止めるんでしょう。

瑛子さんがまさか傷害事件を起こしていたとは。
子供を手放した裏には、そんなことがあったんですね。
いつか子供と再会するシーンはあるのかな。

朋美と次郎、いい雰囲気になってきましたね〜!
でもたまきの一途さも、いいよな〜。
もしかしたら、ちひろも次郎を好きかもしれないし。



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23:51 | CM(7) | TB(0) | エンジン | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。PC治ったんですね!良かった。ちひろもかなり怪しいと思います、なんとなく。起こしに行く時の意識の仕方(押し入れの回)などを見ても。
Posted by lovelytelly at 2005年06月01日 08:07
いつも楽しみに拝見しています。
文章化するのって大変ですよね、すごい!!と思います。
感想が書いてあるのが楽しいです。
ちょっと間違い発見

申入書の 傷害罪、夫を
×死傷
○刺傷

「次郎お兄さーん、とか言ってるよ。」も笑えました〜! の次の行

×風の子ホーム
○風の丘ホーム

今後の展開が気になります。
Posted by こんにちは at 2005年06月01日 10:18
lovelytellyさん、こんにちは!
おかげ様でやっとPCが帰ってきました。
1週間、本当に不便だった!(笑)
あとでlovelytellyさんのブログにお伺いしますね!

こんにちはさん。
訂正ありがとうございます!
実はまだ読み直ししていませんでした。
こうやって、自分の記事の間違いに気づいていただけると、
長い文章をちゃんと読んでいただけるんだなぁと
感激します。
また気づかることがあれば、教えて下さると
嬉しいです。
Posted by ちーず at 2005年06月01日 11:54
TBありがとうございました。

子供嫌いだったはずの次郎が、子供たちのために親父とケンカをしたとき、次郎の子供たちへの気持ちが確実に変わったことに本人も気づいたでしょうねぇ。
仕事は頑張りましょう^-^;
Posted by chany at 2005年06月02日 00:10
chanyさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
次郎は自分でも気づかない間に、子供達に情が移っていたようですね。
確かにあれじゃ、監督にクビって言われても
おかしくないですね。
Posted by ちーず at 2005年06月02日 21:48
ちーずさん、コンニチハ!
ものすごーく久しぶりなんですが
覚えていますでしょうか?
救命病棟24時ではお世話になりましたぁ。

エンジン、あんまり見てなかったのですが
たまたまこの回は家にいて見ちゃいまして
まさかのひびやんにビックリ!
なんか懐かしくなって来ちゃいました〜w
和菓子職人なんて役もやってたのですか。
うふふ。なんかいいですね(^-^)
Posted by りえこ at 2005年06月03日 13:01
りえこさん、こんばんは!
こちらこそ、救命病棟ではお世話になりました!
またお話出来て嬉しいです。

ひびやん、登場しましたね〜!
全然違う役柄でも、声ですぐにわかります!(笑)
和菓子職人は、「恋におちて」で登場しました。
次はどんな職業の役で登場してくれるのか、楽しみです!
Posted by ちーず at 2005年06月03日 21:38
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