2005年06月21日

エンジン Lap10

『ラストラン』

ファースト・ドライバー比呂人(青木伸輔)の走りを見ながら、
イメージトレーニングする次郎(木村拓哉)。
体を震わせ、車に乗っている状況を作り、ギアを入れる練習をしています。比呂人のタイムを取りながら、たまき(岡本 綾)が心配そうに
次郎に視線を送る。

比呂人のマシンがピットに戻る。
タイムは、39秒032。
「上り調子です。」とスタッフは言うが
「まだまだだな。」と比呂人。

テツヤ(石垣拓佑磨)が次郎に、タイムアタックの準備が出来たと
知らせに行く。
次郎はテツヤの言葉に気づかないほどイメージトレーニングに集中していた。
テツヤにもう一度声をかけられ、次郎が我に返る。
次郎がマシンに乗り込む姿に、一之瀬監督(泉谷しげる)が小さく微笑む。
「テツヤ・・・俺倒れそう。」
「え?」
「また乗れたんだな。」
「ここで倒れたら、乗れませんよ。」
次郎はエンジンをふかし、マシンを走らせる。
比呂人やたまきが見つめる中、次郎は「もしもしカメよ♪」と歌いながら
マシンを走らせた。

その頃。
ホームから離れ離れになった子供達は、
「もしもしカメよ〜カメさんよ〜
 世界のうちでお前ほど〜
 歩みの速い、ものはない〜♪」
と歌いながら、次郎の勝利を願っていた。

新しいホームで。
ユキエ(夏帆)は、ごちそうさまの合図が終わっても、
まだ食事を終えていなかった。
「早くなれようね。
 それが社会に出るための勉強でもあるの。」
と職員に言われ、
「もうお腹いっぱい。ご馳走様。」と食器を下げる。
奈央(大平奈津美)がそんなユキエの心配をする。

次郎のマシンがピットに戻る。
タイムは、41秒726。
「41?」次郎が聞き返す。
「でも、すごいっすよ。
 ブランクあるのにこれだけのタイム叩き出すなんて。」とテツヤ。
「そういうこと言うなよ。傷つくじゃん。」

マシンから降りた次郎に、比呂人が声をかける。
「ナイスドライビング!
 流石コーナーワークは絶妙ですね。
 でも、このタイムでエントリーするつもりですか?」
「本線には、完全に戻しますよ。
 すいません、まだ、足戻ってなくて。」
「ですよね。
 じゃあ、予選前のセッションで、せめて39秒切って下さい。
 チームメイトして、やりにくいですから。」
「・・・ちゃんと仕上げます。」
「そうして下さい。
 あ、ただし僕もペース乱されたくないんで
 このサーキット使わないでもらえますか?
 ここは、僕のスポンサーがお金を出しているんで。」
比呂人に反発するテツヤ。だが次郎は
「OK。コースは使いません。コース走るだけが練習じゃねーし。」
と言い比呂人に笑顔を見せる。

その日、次郎はランニングに精を出す。
舌を出して走るのはどんな理由があるんでしょう?
川原で休憩中、朋美(小雪)に気づき、声をかける。
「先生!こっちこっち。」
「トレーニングですか?」
「そう。先生は?」
「ご近所まわりです。もう一度かけあってきます。」
「一人で大丈夫?」
「私が決めたことなんで。あなたは、レース、頑張ってください!」
「はい!」次郎が片手を上げて返事をする。
朋美は自転車を走り出したあと、一度止まり振り返る。
走り出した次郎も、ちょうど振り返って朋美を見た。
朋美が手を振る。
「チャオ。」次郎は朋美に手を振上げてそう呟いた。

奈央とユキエが風の丘ホームを訪れる。
だがユキエは、心配かけるから、とホームに背を向け歩き出す。
そのとき、二人は朋美の姿を見かける。
二人は朋美をびっくりさせようと隠れ様子を伺う。

朋美は近所の家のインターホンを押し、出てきた婦人に訴える。
「何度も申し訳ありません。
 もう少し、お話聞いていただけないでしょうか。」
「何を今更話すの?風の丘ホームは廃園したんでしょう?」
「でも、もう1度聞いていただくことは出来ないでしょうか?」
だが、婦人は部屋に戻ってしまう。

奈央とユキエは朋美の様子に顔を見合わせる。
そこに元一郎(堺 雅人)が現れ朋美に言う。
「もうやめませんか、こんなこと。?
 子供たちも新しいホームに慣れつつあります。
 あなたも次に進むべきだ。
 バカげてますよ、こんなの。」
元一郎は朋美の手を掴み歩き出す。それを振りほどき、
「私、バカになりたいんです。
 今回だけは、バカって言われてもいい。
 出来る限りのことをしたいんです。」
「僕はあなたのことを心配してるんです。
 こんなこと続けていたら、傷ついてクタクタになってしまいますよ。」
「わかってます。」
「わかってないですよ。何も。」
そう言い、元一郎はその場を立ち去る。

「朋美先生!」奈央とユキエが朋美に声をかけた。

川原の階段をダッシュで往復走り続ける次郎。
その数だけ、石が並べられている。
階段を上ると、そこに元一郎が立っていた。
「びっくりした!!」
「お疲れ様です。」
「元兄さん。・・・釣り?」
「違いますよっ。あなたに話があって来たんです。」
「このまんまでもいい?」次郎が階段を下りながら言う。
「はあ。
 レースの賞金をホームの存続に当てようと考えてるそうですね。」
「ああ。勝てたらですけどね。」
「いい加減なことで、周りを振りまわすのはやめてもらえませんか?
 あなたがレースに出るなんていったお陰で、朋美先生まで
 ホームをすっかり再開する気になっています。
 このところ毎日彼女は、朝から晩まで近所を歩いて、
 頭を下げて回っているんです。
 もし、あなたがレースに勝てなかっらどうするんですか?
 彼女のやってることは、全部水の泡じゃないですか!」
次郎と共に階段を上り下りしながら元一郎が言う。
「悪いんだけど、俺勝てなかった時のこと考えてない。」
「は?」
「うちらさ、本番の前に頭の中で何百回もレースやるのね。
 でもそこで、1度でも負けた時のことなんて考えちゃったら
 怖くなって走れなくなっちゃうのよ。
 だから、いかに自分の中で、勝ち続けられるか。
 それで勝負が決まるからさ。」
「そんな身勝手な理屈が通用すると思ってるんですか!
 誰でも勝つことだけ考えていたいですよ。
 だけどそれじゃ通らないからみんな負けに備えるんじゃないですか。
 彼女をこれ以上振りまわすのやめてください!」
「じゃ、止めたら?
「朋美先生いくな!ガシっ!」
 気になんるんでしょ?彼女のこと」
次郎が後ろから元一郎を抱きしめて言う。
「そりゃ、少しは・・・気になりますよ。
 彼女は、いつも、
 ど、どこ行くんですか?」
走り出した次郎を必死に追う元一郎。
「確か、に彼女のことは気になりますね。
 彼女は、いつも必死で、でもちょっと不器用で、誰かが守って、
 !!そっちですか!」
急に方向を変える次郎を、元一郎も必死に追う。
次郎も負けじと必死に走る!「ヘイ!」

タコヤキを美味しそうに食べる奈央とユキエ。
「今のホーム、そんなに急いで食べなきゃいけないの?」
朋美が二人に尋ねる。
「私が食べるのが遅いの。」とユキエ。
「いっぱいあるから時間が決まっていて
 風の丘ホームみたいにずっと待ってはもらえないんだ。」と奈央。
二人は、さっき聞いていた通り、風の丘ホームは潰れないで済むのか
朋美に聞く。
「そうね。再開できればいいと思ってるんだけど。」
「頑張ってよ。私たちも戻りたい。」と奈央。
「うん!戻りたい。」とユキエ。
朋美は二人の問いには答えず、お茶を買いに席を立つ。

そこに、先ほどの主婦たちが大声で笑いながらやってきた。
奈央とユキエが主婦達に訴える。
「すいません!風の丘ホームを潰さないでください。
 私たち、あそこにいたものです。」
「です。」
「あそこがすごく好きなんです。」
「なんです。」
主婦らは無視して歩き出す。
「もう意地悪しないでください。」
「は?いじわるですって?」主婦が言い返してくる。
「だってそうじゃないですか!
 何も悪いことしてないのに出てけ出てけって。
 ひどいと思います!」
「思う。」
「横暴だと思う!」
「思う。」
子供達の言葉を無視し、再び歩き出す主婦たち。
「ちょっと待って!逃げるの?」
引きとめようとする奈央を、主婦が突き飛ばす。
その弾みで転んだ奈央の手は、タコヤキに。
「おっこっちゃった?そのタコヤキおいくら?
 だいじょうぶ〜?」
主婦の言葉に奈央が無言で睨みつける。
主婦らは目を見合わせ、立ち去ろうする。
奈央はタコヤキを握り締める。
「痛いなぁ、もう!」
そしてそれをその主婦に投げつける。
タコヤキは白いブラウスに命中!主婦たちが騒ぎ始める。
「あなた達、何やってるの!?」朋美が駆けつける。
大騒ぎする主婦たちに、
「すみません。申し訳ありません。」朋美が必死に謝罪する。

風の丘ホーム。
しんと静まり返った中、次郎はクリームシチューとサラダを食べる。
奈央、ユキエ、朋美、元一郎、ちひろの間を重い空気が流れる。
「これで、ホーム再開できなくなっちゃうかな。」と奈央。
「どうしよう。」とユキエ。
「大丈夫よ。先生が今からちゃんと謝ってくるから。」と朋美。
「僕も行きます。」と元一郎。
「いやいやいや。ね、それ何かおかしくない?」次郎が言う。
「何でですか?」と元一郎。
「先生たちが謝るの変でしょ?やったのこいつらなんだから。」
「でも、私がついていてこうなったので。」と朋美。
「それも、ここのホームが原因ですから、我々が謝罪するのは
 当然です。」と元一郎。
「でもやったのはこいつらでしょ?
 そうなんだろ?」と次郎。
「うん。」
「だったらおまえらが謝りにいけよ。」
「待ちなさい次郎!
 子供たちが謝りにいったら余計こじれることだって考えられる。
 まずは大人が、」
「だから大人とか子供は関係ないでしょ?
 やったのはこいつらなんでしょ?
 なぁ。」
「私やだ。謝りたくない!」
「なんで?」次郎が聞く。
「だって、あのオバゴン酷いんだもん!」と奈央。
「酷いのは知ってるよ!
 化粧は厚いし、香水は臭いし、シメサバみて〜な洋服着やがって。
 でも武器使ったのはお前らだろ?悪いじゃねーかよ。」
「奈央ちゃんたち武器なんて使ってません!」と朋美。
「タコヤキ投げたんじゃねーの?」
「タコヤキだよ?」と奈央。
「タコヤキだぞ!
 そもそも何、食いもん投げてるんだよ。
 あのな、たい焼きだろうが、もんじゃ焼きだろうが、
 拳銃だろうが一緒なの!
 武器使うなんて卑怯じゃねえか。
 言いたいことを、どんだけ言おうが構わないと思うけどさ、
 卑怯なことやっっちゃったんだからお前らちゃんと謝って来いよ。」
しばしの沈黙のあと、
「行ってくる謝りに。」
奈央がユキエを連れて部屋を出ていく。
「いってらしゃい。」と次郎。
元一郎は次郎を微笑んで見つめた。
大人が誰も言えなかったことを、次郎が言いました。
元一郎も、次郎の判断を認めたようですね。


奈央、ユキエに付き添い、朋美、元一郎が主婦たちに謝りに行く。
「今日はすいませんでした。」
「ごめんなさい。」
「なーに?子供まで使ってこんなとこまで来て。いい加減にしてよ!
 ここは、私の家なんですからね。」
「あの、風の丘ホームは私たちの家だったんです。
 だから、つい熱くなっちゃって。
 本当にごめんなさい。」
「あなたたちね、そんなことやってるから出てけって、」
「奥様!」主婦の一人が突っかかる主婦を止める。
「わかったわ。もういいから、お帰りなさい。」
朋美が主婦達の背中に頭を下げた。
元一郎に促され、みんなはホームに戻ろうとする。
「ねえ、ちょっと?
 お願いだから、もう家に来ないでもらいたいのよ。
 だから、どこか別の場所用意しなさいよ。
 そしたら私達も、他の人たち連れていくから。
 そこで言いなさいよ、私たちの言い分。」
そう言い、主婦たちは家の中へと入っていった。

「今のって、話を聞いてくれるってことでしょうか?」
「おそらく。」と元一郎。
「どうしたの?先生。」奈央が尋ねる。
「あのね、みんなが話しを聞いてくれることになったの。
 風の丘ホームのことわかってくれるかもしれない。」
奈央とユキエが嬉しそうに笑う。
元一郎も微笑み、4人はホームへと戻っていく。

チーム・イチノセ。
比呂人の走りに女の子たちが黄色い声を上げる。
テツヤがタイムを確認し、「早っ!」と呟いた。

次郎は川原で、イヤホンを付け、レースのイメージトレーニング。

朋美は『風の丘ホームについての説明会』と書かれたビラを
近所に配布して回っていた。

「元兄〜!」
刀根明(広田亮平)、平山盛男(小杉茂一郎)が元一郎に駆け寄る。
草間周平(中島裕翔)と塩谷大輔(石田法嗣)も元一郎の姿に気づき
駆け寄る。
「みんな元気だったか。」
「ん!次郎が走るんだよ!」と明が嬉しそうに元一郎に言う。

次郎は川原で腕立て伏せを始める。

朋美は、近所を一軒一軒訪ねて回る。
公園も周り、主婦たちにビラを配る。

元一郎は、俊太(小室優太)と美冴(上野樹里)を訪ねる。
俊太が元一郎に駆け寄り、ジャンプ!元一郎が嬉しそうに抱き上げる。
「久しぶり。」美冴も笑顔を見せる。

朋美が自転車に戻ると、雨が降り出してきた。
朋美は手に持っていたビラを落としてしまう。
こんなシーン、前にもありました。

ビラを拾い集める朋美の頭上に雨傘が。園長だった。

風の丘ホーム。
「これ、父からです。」ちひろが瑛子に推薦状を差し出す。
「すみません。次の職場の心配までしていただいて。」
「早く決まるといいですね。」
「なかなか、こちらのような場所はありませんから。」
「そう言ってもらえると嬉しいけど。」
ちひろがお茶を入れに席を立つ。
「本当に楽しかったわ。笑ったりハラハラしたり。
 あ!私やります。」
「じゃあ・・・お願いします。」とちひろ。
瑛子がお茶を入れながら言う。
「特に、次郎さんが帰られてからは、毎日がお祭りでしたね。」
「あのバカ、また大バカやってるの。
 ここを残すためにレースに出るなんて言い出して。
 無理だって言ってんのに!」
「でも、次郎さんなら何とかしてくれるかもしれないわよ。
 彼が来て、子供たち変わったわ。すごく。」
「なーに?瑛子さんかいかぶり。」とちひろ。
「でも、ちひろさんが一番、次郎さんのこと信じてるんじゃないの?
 私にはそう見えたけど。」
「うん。かもしれない。
 こう見えても私、結婚もしたし、若い頃恋もしたけど
 でも、あいつほど信じられるヤツいなかった。」
ちひろがそう言い笑顔を浮かべた。

ジムでトレーニングする次郎。
その姿を元一郎が真剣な表情で見つめていた。
鏡に映った元一郎の姿に次郎は気づく。
「びっくりした〜!」
「すいません、トレーニング中。」
「いや全然、いいですけど。なんすか?
 ひょっとして俺のこと好きなんですか?」
「子供たちに会ってきました。
 みんなあなたがレースに出るのを楽しみにしてますよ。」
「ほんと?」
「みんながっかりしますね。もし勝てなかったら。」
「だーよね。」
「少し心配になってきたんです。
 あんなに楽しみにしてると、もし勝てなかったら、
 そのぶん落胆が大きいんじゃないかと思って。
 勝てそうですか?」
「だからそのつもりですって。」
「素朴な疑問なんですが。」
「はい。」
「あなたは、普通の神経の持ち主ですよね?」
「ほんとに素朴ですね。」
「しんどくないですか?そんなに勝つことばかり考えて。」
「えらいしんどいよ。
 しんどくても俺、それしかやりかた知らないから。」
「あなたにとって、勝つことが守ることなんですね。」
「わかったようなこと言っちゃって〜、もう。」と次郎。
「勝ってください。
 風の丘ホームのことがどうとか、子供たちとか、
 朋美先生とか、全部抜きにして、
 あなたに勝って欲しいと思ったんです。
 男として。
 勝ってください。レースに。」
元一郎の笑顔に、次郎が頷き笑顔を見せる。
「あ、そうだ!差し入れ。」元一郎はカバンの中から、
ペットボトルを差し出す。
「ぬるくなちゃったけど。」とペットボトルを渡す。
「ゴチ。」
「はい。」
「頂きます。」
次郎が元一郎に握りこぶしを差し出す。
次郎が握りこぶしを出すと、そこに自分の握りこぶしを差し出す次郎。
「痛い!」
元一郎が嬉しそうに笑った。

朋美は、雨の中ビラを配っていた。

チームイチノセ
次郎がマシンに乗り込み、テツヤに調整をしてもらう
「サイドはOK!
 サイドはOK!なんだけど・・・
 左手が、まだちょっとだけ遠いから
 もう、ちょい前にして。」
「じゃ、背中のパット厚くしますね。」
「1センチから1・5センチ。」

「神崎さん。 
 いよいよせまってきたわね。大丈夫?」たまきが聞く。
「まあ。何なのその神崎さんっていう他人行儀。」
「お客様よ。」
朋美だった。

「日曜の1時?」
「神父さんが場所を貸してくれるというので。
 教会に集まってもらうことにしました。」
「いよいよオバゴンズの襲来だ。
 大丈夫一人で。俺一緒に行こうか?」
「え?」
「一緒に。」
「平気です。
 全員にわかってもらおうとは思いませんが、
 半分、いえ、3分の1でもわかってもらえるようにしたいです。」
「そうだけどさ・・・。」

「神崎さん!」たまきがやってくる。
「濡れてるわよ、彼女。」
「あ!ごめん。と次郎。たまきは、朋美にタオルを渡す。
「それから、日曜はだめよ神崎さん。
 1時からプラクティスよ。
 しっかりしてください神崎さん。
 引退がかかったレースが控えてるんですから。」
「引退?」朋美が聞く。
「わかってる。1時だろ?別に何でもない、何でもない。
 ごめんね、ほんと気づかなくて。」
次郎がティッシュを朋美に差し出す。

教会では、話し合いに向けて朋美と神父がセットしていた。
「椅子足りるかな?」
「100人は、越えないと思いますので。」と朋美。

次郎は、ピットからサーキットを見つめる。

『Crash Soda』を飲んでいたスタッフは、缶をポールの上に置き
仕事に戻っていく。

レースをイメージする次郎。
自分の小指を絡めながら、朋美との約束を思い出していた。
「先輩!レコードライン外すと、路面、相当スリッピーなんで
 気をつけてください。」テツヤが言う。

比呂人が次郎のマシンを覗きこむ。
「比呂人さん。どうしたんですか?」テツヤが尋ねる。
「いや、大先輩のマシンがどんなセッティングかなと思ってね。」
テツヤは首をかしげる。

「先輩。準備できました!」
「はいよ!」
次郎が地面とタイヤに触れてチェックし、マシンに乗り込む。
そして、エンジンをかけた。
走り具合を確認するように、次郎のマシンがサーキットを駆け抜ける。

朋美は、教会に主婦達が来るのをを待っていた。
時計は、1時10分をさす。。
「おかしいね。1時で間違いないの?」と神父・万里夫。
「はい。」

「39秒332。
 次がアタックのチャンスです。集中していきましょう。」
テツヤが次郎に無線で伝える。
次郎が順調にマシンを滑らせる。
「中間ラインでコンマ2秒短縮してる。」とたまき。
「早い!イケル!」とテツヤ。
比呂人の取り巻きの女性達も次郎の走りに目を奪われる。

教会。
1時40分になっても誰も現れない。
「なんか都合ができたんじゃないのかな〜。」と神父。
「すべての方がですか?」
「町内会の運動会とか、」
「違うと思います。私があしらわれただけなのかも。」
「諦めるの早いですよ。」
「鳥居先生!」
「一緒に待ちましょう。」

「このままいけば上位確実です。」
テツヤが次郎にそう伝える。
次郎が、マシンの異変に気づく。
「何ロックしてんだコラ!」
マシンはスピンしたままポールに当たり、その上に乗った赤い缶が
落ちる。

「先輩!!」スタッフたちが駆け寄る。
マシンからは煙が出ていた。
次郎は痛みをこらえ、スタッフにマシンを押すよう言う。
そして再びコースへと戻っていく。

教会。
「ぼくも少し、じたばたしてみようと思ったんです。
 風の丘ホームの子供たちとの別れも、今まで経験してきたことの
 一つに過ぎないと思ったんですが、どうやらそれは違うようですね。
 風の丘ホームの子供たちも、今まで出会ってきたすべての子供たちも
 そこでしか会えない、かけがいのない子供たちだったんです。
 だから・・・
 あ、すいません。どうも、理屈っぽく言う癖がついてしまって。
 要は、もう少しねばってみたいと思ったんです。」と元一郎。
「ありがとうございます。でもどうして?」朋美が聞く。
「どうしてでしょうね。
 しんどいことが、したくなったのかな?」

「どうぞ。どうぞ、お入りください。」
神父に案内され、一人の主婦がやってきた。
朋美が主婦に挨拶をする。
「あのさ、誰も来ないわよ。
 やっぱり話なんか、聞かなくていいって。
 みんなでしめし合わせてるの。」
「わざわざ、それをおっしゃりに来てくださったんですか?」
と元一郎。
「あなたたちに賛成したんじゃないの。
 なんか、あの子たちの顔が、ちょっと、浮かんできちゃって。」
「ありがとうございます!
 お一人だけでも来ていただけただけでも嬉しいです。
 どうぞ中に。」と朋美。
主婦が教会の奥へと入っていく。
その時、朋美は、その場に座り込んでしまう。

「38秒281。
 まずまずの記録ですね。」たまきが監督に報告する。
「やりましたね!39秒、余裕できりましたよ!」
テツヤが次郎に言う。
ヘルメットのカバーを外し、マシンのある部分を見た次郎は
「なんだよ、これ。」と呟く。
次郎がマシンを降りたあと、テツヤはマシンの異変に気づく。
大先輩のマシンはどんなセッティングなのかなと思ってね。」
比呂人の言葉を思い出す。

「イテー、イテー!氷、ないかな。」
次郎は手を傷めていた。

監督に呼ばれた比呂人がやってくる
「説明してくれないか?」監督が言う。
「どうしたんです?いきなり。」
「神崎先輩のマシンをリチェックしてみました。
 明らかにスタート前とブレーキバランスが変わっています。
 だから先輩はスピンしたんです!」
「それが僕と何か関係が?」
「ないのか?」と一之瀬。
「心外ですね。」
「アタック前に比呂人さん、先輩のマシン触ってたじゃないですか!」
「やめろよテツヤ!
 タイム上がったんだし結果オーライなんだからいいじゃん。」
「けど1歩間違ったら先輩クラッシュしてたかもしれ、」
「コラ!コラ!お前、俺のテクニック舐めてるんだろう!」
次郎がテツヤの頬を軽く叩きからかう。

「あの・・・辞めさせていただきます。
 疑われてまでこだわるようなチームじゃありませんから。
 スピードスターレーシングからエントリーします。
 前々から誘われてたんで。」
「話、出来てたんですか?」とテツヤ。
「この人とは、敵のほうが走りやすい。思う存分戦いましょう。」
「ちょ、ごめん!ゴメンゴメン!ちょい待って。
 そうなの?
 悪いんだけど、全然敵って思ってねぇ。」
比呂人は次郎に答えず立ち去る。
テツヤは誇らしげに次郎を見つめる。たまきも微笑を浮かべる。
「痛ーんだよ!」次郎が比呂人の背中に向かって言う。

「完全に脱臼しちゃてる。
 ドライバーにとって指は命じゃない。
 みんな指をやられたら出ないわよ。」
たまきが傷の手当てをしながら言う。
「いや出るよ。
 大丈夫だって。だって、俺の首かかってるんだよ。」
「次郎・・・負けてもいいじゃない。」
「何だそれ。」
「レースをしてなくたって、次郎は次郎だわ。
 もし、負けたら、一緒にやり直さない?
 ドライバーと、マネジャーとしてじゃなく
 男と、女として。」
「何言ってるんだお前・・・。
 サンキュ。」
「・・・暑っちー」と言い席を立つ。
たまきは次郎の背中から手を回し抱きしめる。
「ずっと待ってたのよ。・・・ずっと。」
「たまき。」
次郎はたまきの手を叩き、その手を握ったまま向き合う。
「やめたほうがいいって
 俺、レース辞めちゃったら・・・男じゃなくなっちゃうから。」
たまきは次郎の手を離し、そして部屋から出ていった。

風の丘ホーム
「どう?」ちひろが朋美の様子を見にいく。
「少し熱さがったみたいね。」
「すみません。」
「気にしないで
 風邪の看病には、慣れてるのよ。
 次郎のやつさ、ああみえて小さい頃しょっちゅう熱出してさ、
 結構大変だったのよ。」
「風邪なんかひいたことなさそうですけど。」
「なんのなんの!結構弱かったのよ。
 ちょっと指にとげが刺さっただけでも、
 ねえちゃんどうしよ〜って泣いたりね。」

そこへ次郎が帰ってくる。
「先生倒れたんだって?」
「朋美先生今日すっごくがんばってくれたのよ。
 ごくろうさまって言いなさい!」
そう言い、ちひろは部屋を出ていく。
部屋を出たちひろは、少し寂しげな表情でドアを見つめた。

「ごくろうさま。
 風邪?頑張り過ぎなんじゃないの?」
「でも・・・少し前に進みました。」
「ああそう。
 俺も今日いいタイム出た。」
「あ、指どうしたんですか?」
「今日ちょこっと。」
「大丈夫なんですか?」
「全然平気。
 ま、しいて言えば、指切りがお預けって感じ?」
川原での指きりを思い出す朋美。
「レース、もうすぐですね。
 あ、昨日チームの女性が言ってた。
 引退がかかってるって、あれどういう意味なんでしょう。
 もしかして、負けたら引退とかそういうんじゃ!」
朋美が布団から起き上がってみると、次郎は壁にもたれて眠っていた。
朋美はそんな次郎の姿に微笑んだあと、彼の指の怪我を見つめ、
そして次郎の顔を見つめ、どこか不安そうな表情になった。


比呂人が練習場を使わせなかったのは、
次郎の才能を認めたからですね。
それにしてもあのスピンは、比呂人のせい・・・なんでしょうね。
結果、彼は自分からチーム・イチノセを去りました。
てことは、次郎がファースト・ドライバー?
次のレースで、二人は競うんでしょうか。

元にぃも、ようやく次郎を認めてくれました。
今回は、次郎と元次郎の絡みが面白かった!
ランニングで意地の張り合いをしたり、
次郎が元にぃを抱きしめたり、
「俺のこと好きなの?」って聞いたり!

朋美の努力も、無駄にならずに済みそうです。
たった一人だけど、あの婦人の心を動かすことが出来た。
諦めなければ何かが変わる。
次郎の言いたかったことを、朋美もちゃんと証明しました。

たまきは、待っていても次郎は自分の元に戻ってこないと
気づきました。
一途なたまきがちょっと可愛そうです。

そしてちひろも。
次郎と朋美を残して部屋を出た後、寂しそうな顔をしていました。

タイトルがラストランだったので、もう次郎は走れなくなって
しまうのかと思いました。
予告を入ると、レースシーンはありそうです。
どうなんでしょう!?
次週最終回、75分拡大SPです。



ランキングに参加中!応援クリックよろしくお願いいたします。
人気blogランキング    TV Drama Ranking



ベスト~サンシャイン・イン・ザ・ミュージック~ベスト~サンシャイン・イン・ザ・ミュージック~


Ultimate Aerosmith Hits/アルティメイト・エアロスミス・ヒッツエアロスミスby G-Tools


23:57 | CM(10) | TB(0) | エンジン | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ランニング中に舌を出す事は、無意識に歯を食いしばったりしてあごに無駄な力がかかるのを、防ぐ効果があるんだそうですよ。余計な力が抜けて、リラックスして走れるとか。以前スポーツニュースでマラソンの解説者がそんな事を言ってました。
Posted by ko at 2005年06月22日 01:27
バイクですがレースに少し関わったことがあるので分かりますが、比呂人がブレーキの設定を変えてしまったのでスピンしたということです。レーサー100人いれば100通りの自分にあった設定というのがあるので。まぁ次郎の能力にビビリはじめたってとこですね。
Posted by ぶーやん at 2005年06月22日 03:03
ちーずさんこんにちは
ちひろや、たまきの気持ち、切ないですね。
特に、ちひろの気持ちなんてわかっていないだろうし・・。
どんな最終回になるか楽しみです。
Posted by まりこ at 2005年06月22日 03:49
こんにちは。
コメントありがとうございます!

koさん。
なるほど!無駄な力がかかるのを防ぐ効果が!
初めて知りました。教えてくださりありがとうございます。
ドラマで舌出して走るシーン、初めてみたような気がします。
芸が細かいですよね。

ぶーやんさん。
あのレバーはブレーキのバランスのものなのですね。
乗ったときに気づかなかったのか・・・というのは
ヤボな突っ込みでしょうか。(笑)
やっぱり犯人は比呂人なんですね。
それ以外考えようがないか。
教えてくださりありがとうございます!

まりこさん。
ちひろとたまき、健気ですよね。
ちひろは姉としか見てもらえていないだろうから
なお更辛いところです。
次郎が事故る・・・という結末だけは嫌だなぁ。
Posted by ちーず at 2005年06月22日 10:21
こんばんは。これでスッキリ勝たないと納得できませんよね(笑)。すかっとしたいです(最近こればっかり)
Posted by lovelytelly at 2005年06月22日 19:29
 ランニング以外でも結構ありますね。バスケットのマイケルジョーダンやシャキールオニールなんかはダンクやここぞというときは必ず舌を出してます。マウスピースをプロ野球の選手がしているのも同様の理由じゃないですかね。とうとうこのドラマも最終回かー。LAP.10では奈央とユキエに対していったセリフがずんときましたね。
Posted by TALK SHOW at 2005年06月22日 23:04
lovelytellyさん。
すかっとしたいドラマばかりですよね。(笑)
でも私は負けから学ぶこともアリかなぁと思っています。

TALK SHOWさん。
バスケや野球の世界でも、舌を出すことがあるんですね。
全然気づかなかったです。(汗)
教えてくださりありがとうございます!
次郎のセリフにははっとさせられることがありますよね。
Posted by ちーず at 2005年06月23日 13:33
こんばんは、TBさせていただきました。

私は、もうどうでも良いような気分なのですが、一般的な意見ではないのでしょうか。
よく考えれば、恋愛要素もあったんですね。
すっかり忘れていました。というか、これもどうでも良い気が…。
なんか、否定的な意見ですみません。
Posted by 偵乱密 泡華 at 2005年06月25日 00:13
TBありがとうございました。

いよいよ明日最終回ですねぇ。
楽しみです^-^
Posted by chany at 2005年06月26日 09:32
こんにちは。コメントありがとうございます!

偵乱密 泡華さん。
否定的な意見であっても、悪意がなければ、
製作者側にプラスになるものだと思っています。^^
最終回、どうなるのか私は楽しみにしています。

chanyさん。
なんだか次々とレビュー中のドラマが終わってしまい
寂しいです。
次郎はホームを取り戻すことが出来るのか!?
気になりますね。
Posted by ちーず at 2005年06月26日 14:43
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。