2005年07月24日

ドラゴン桜 第3話

『遊べ!受験はスポーツだ!』

東大合格へ向け、ついに動き始めた特進クラス。
早速、桜木(阿部寛)は矢島勇介(山下智久)、緒形英喜(小池徹平)、
香坂よしの(新垣結衣)、小林麻紀(サエコ)の4人に、
なぜか教師の井野真々子(長谷川京子)も入れ、
泊り込みで10日間の特別強化合宿をスタートさせる。
合宿では、効率よく知識を吸収するために“1日16時間勉強”を宣言する桜木。
「無理に決まってます!」と真々子は反発するが、
「決め付けるんじゃねーよ。
 そうやって勝手に決め付けられるとむかつくんだよ。
 たかが10日だろ?1日16時間ぐらい、どーってことないよ。
 やるならとっとと始めよう。」と勇介。一方、特進クラスに誘われながら断り続けていた直美(長澤まさみ)も
悩んでいた。
「あんたもお客さんにもっと愛想良くしなさいよ。
 あと1年もしたらあんたもこの店手伝うんだよ。」
小料理屋を営む母・悠子(美保純)が言う。
「勝手に決めないでよ!」
「何言ってるのよ。この不景気にね、龍山でて、まともな就職出来ると
 思ってるの?
 あんたはね、バカで、何のとりえもないんだから。
 お母さんの言うこと聞いていればいいの。わかった?」
「人の人生、勝手に決め付けないでよ!」
直美は母にそう言い、学校へと向かう。

特進クラス。
「いいか。まず最初に勉強のコツを教えておく。
 朝は暗記物よりも思考力が必要なものが適している。
 なぜなら本来は午前中こそ、人間の頭脳が一番良く回転する時間帯だからだ。
 では、もっとも朝に適している教科は何か?
 それは、数学だ。
 計算問題を数多くこなし、一気に思考回路をクリアにしておくことが望ましい。
 では早速、計算問題100問テストを行う。時間は10分だ。」
出来るわけない、と生徒たち。
「つべこべ文句言うな!はじめ。」

テストの結果が返される。
みんな、70点代。まずまずの成績に満足げな生徒達。
「俺たちけっこう優秀!?」
「ばーか。これは全部小学校5年の分数だ。
 お前ら小学校高学年で算数付いていけなくなった典型だな。」
「70点も取ってんのにさー。」
「バーカ。」
「オイ!人のことバカバカ言ってんじゃねーよ!
 俺らが勉強できねーことぐらい、最初っから知ってんだろ。」
「バカ。俺がバカって言ったのは、
 お前らが70点代を良い点数だと思ったことにだ。
 100点満点のテストなら、100点以外はクズだ。
 ミスは許さん。ミスをしたら口惜しがれ
 よし、全員、起立!
 
 数学はゲーム。遊びだ。
 勉強と思うから嫌なんだ。
 これは回答という結果を出す、達成感を味わうゲームだ
 テレビゲームだってそうだろう?出来たときは嬉しい。
 だから面白い。
 数学だって同じだ。
 きちんと解ければ、征服する醍醐味を味わえる。
 緒方、テレビゲームが上手くなりたかったらどうする?」
「そりゃよ、ムチャクチャやります。」
「それと同じ。数学もまず慣れることだ。
 大体よ、マイナスからマイナスをひくと、何でプラスになるか、
 まともに考えてたら訳わからなくなる。
 だから考えるな!
 数学とはな、ある意味スポーツ。
 たとえば、卓球!
 お前ら構えろ。イメージトレーニングだよ。
 まずは気持ちを作ることが大切なんだ。」
生徒達が卓球の構えをする。
「井野、お前もだ。」
真々子も一緒になって構える。
「いいか。英語と孫語は問題文の中に回答がある。
 しかしな、数学は自分の頭の中からひねり出さなきゃならない。
 だから元になる公式がある。
 これを反射的に思い出し、問題という球を打ち返す!
 ヤジマ、3分の1+3分の2=
 香坂、4分の3x3分の2=?」
次々と問題というサーブを送る桜木。
真々子も出題するように言われ参加する。

廊下から教室を覗き込む生徒達は、かっこ悪いとバカにする。
直美は勇介が教室にいることに驚く。
「すごくカッコイイね。
 頑張っている人たちの汗ってすごくカッコいいよね!」
奥野一郎(中尾明慶)が直美に笑顔で言う。
「そう思うならお前ら特進に入れ。
 東大に行けば人生劇的に変えられるぞ。」と桜木。
生徒達は教室の前から足早に去っていく。
「あ、お前、債権者説明会でバイトした水野じゃないか。
 やっぱり東大に行きたくなったんだ。」
「は!?何でそうなるの?」
「顔にそう書いてある。目標を持って頑張っている人たちが羨ましい。
 それに比べて、私なんて、私なんてーってな。」
「頑張ることってそんなに偉いことですか?
 頑張ったって頑張らなくたって、そんなにいいことないんでしょう?
 だったら無駄に頑張らない方がマシなんじゃないですか?」
「本当にそう思うか?」
「あんな変な卓球ダンス、恥ずかしくて踊れませんよ。」
直美はそう言い捨て立ち去る。
「お前は?」桜木が一郎に聞く。
「え?あ、僕は本当は頑張って東大目指したいんですけど、
 実は僕、秀明館に通ってる双子の弟がいまして、
 で、その弟が前から東大目指してて、
 親は普通のサラリーマンで、家のローンもあって、二人も予備校に
 行かせるお金ないんですよ。で、兄貴としては弟に勉強する環境を
 作る為に身を引くべきかなーって。」
一郎が顔を上げると、そこに桜木はいなかった。

職員達は、特進クラスに4名しか生徒が集まらなかったので、
早く桜木をクビにするよう、理事長の龍野百合子(野際陽子)に訴える。
低血圧で・・・と具合悪そうにする理事長。
そこへ、特進クラスの卓球レッスンと合宿が行われることが
教師たちに伝えられる。
理事長は、逃げられず、今日明日中に生徒をあと一人集められなかったら
責任を取ってやめてもらうことにしよう、と教師達に約束する。
「いいこと思いついた!」落合正直(デビット伊東)が教師達にある考えを
伝える。

「目の前の問題を、瞬間的に、自動的に、機械的に、遊び感覚で解く!」
桜木と真々子が贈人に問題をぶつけていく。
生徒達が次々と答えを返していく。
「瞬間的に、自動的に、機械的に!数学とはそういうもんだ。」

すごい!生徒達、真々子が問題を出せなくなるくらい
答えを出すようになっていました!


桜木は知り合いに予備を入れた6組の布団を貸して欲しいと連絡する。
電話の相手は電話いただいて嬉しい!と快諾。
教師達は、合宿があるという桜木を強引に歓迎会に誘う。

下校を告げるベルが鳴る。特進クラスの生徒達は自習時間。
後悔モードの英喜に
「英喜・・・誰も頼んでないぞ。
 辞めたきゃ辞めろよ。」と勇介。
真々子は100問テストを配り始め、「もうひと頑張りよ。」と声をかける。
「は〜〜い。」と生徒達。

『小料理屋ゆうこ』
「初めて!教壇から生徒達に話をしたら、きちんと返ってくるんです。
 嬉しかったなー。」
真々子は進学校化には反対しながらも、初めて授業らしい授業が出来たこと、
生徒と心のつながりを持てたことを、嬉しそうに桜木に報告する。
他の教師達はまだ現れない。
真々子宛に、落合から電話がかかり、歓迎会に行けなくなったと言う。
電話を切ると、今度は別の教師が、スカートのホックが壊れたから行けないと
電話をしてくる。
店のすぐ側の公衆電話には教師達が店の様子を伺いなら電話している。
桜木への嫌がらせに仕組んだことだった。
「これは一体何のマネです!?」桜木が電話をとる。
「今日明日中に生徒が贈人以上集まらなかったら、あなたクビですよ。
 理事長が、私達にそう約束してくれました。」
そう言い電話は切れてしまった。
「ガキ以下だ・・・。」と桜木は呟く。
「人数が少し減りそうなんですが・・・。」真々子が悠子に言うと
「それは困ります。」と笑顔で答える悠子。
「よーし食え!ダイエットしてるとか言うなよ。」と桜木。
「してますー。」
「いいじゃないか。二の腕が多少タプタプしようが、
 ほっぺたが少々腫れぼったかろうが、気にすんな!、」

そこへ、馴染み客・斉藤が設計図を手にやってくる。
「いよいよカラオケスナックに生まれ変わるのね!うちも!
 こんな古ぼけた小料理屋じゃ、将来性がないでしょう?
 だから、カラオケスナックにしようと思って!」と悠子。

「ちょっと待ってよ!」騒ぎを聞きつけ直美が降りてきた。
「なんだ、ここお前んちか。」と桜木。
「改装って、お父さんが始めた店でしょう?」
「ばかね。あの人が死んでからもう5年も経つのよ。」
「今よりずーっと楽に儲かる店にしてあげるよ。
 君もあれだろ。大学なんて行かないんだろう?
 この店改装して、高校卒業したら、ママと一緒に、」と斉藤が言う。
「楽して儲かる商売なんて、あるわけないでしょう!バカじゃないの!?」
「バカ!?龍山なんかに行ってるやつが、俺に向かって、バカ!?」
「私まだ、この店手伝うなんて決めてないから。
 私だってまだ、18だよ。いろいろ可能性だってあるはずだし。」
「バカはお前だ。龍山なんて行ってるやつに、可能性なんてないだろう!」
「そんなこと何で決め付けんのよっ!」
「じゃあ聞くが、どんな大学が龍山の生徒を入学させる?
 どんな会社が、龍山の生徒を採用する!?ふん。」

「いや。一つだけありますよ。
 水野直美が入れる大学が。
 なぁ水野。一つだけあるよな?
 さぁお前の口から、この失礼な大人たちに言ってやれよ。」と桜木。
「失礼な!とは・・・。」斉藤と悠子が怒り出す。
「水野。今いる場所から抜け出したいとき、その方法は2つしかない。
 自分を高め、一段上の社会的ステータスへ行くか、
 あるいは社会からドロップアウトして、より日陰で惨めな生活に
 身を落としていくのか。
 おまえはどっちだ?」
「私・・・勉強したくないしな。
 でもな、行っちゃおうかな、東大。」

直美の言葉に、店の外で様子を伺っていた教師たちがなだれ込んでくる。
「何てバカなことを言ってるんだ!」「東大なんて行けるわけがない。」
「騙されちゃダメよ!」「冷静になりなさい!」
口々に直美を説き伏せようとする。
「あれ先生方、お揃いでどうしたんですか?」
桜木に言われ、歓迎会の席に着く教師たち。

「よし。善は急げだ。今夜から頑張ろう。丁度予備の布団も用意した。」
直美が頷く。
「お母さん、お嬢さんは今日から、東大合格の為に特進クラスに入ります。
 合宿のため、10日間、家には帰れませんからどうぞよろしく。」
そう言い、店を出ようとする桜木たち。
「ちょっと待ちなさいよ!
 あんた何か企んでいるんでしょう?
 うちの子が東大なんて入れるわけないでしょう!
 筋金いりのバカなのよ、この子は。」
「何もそこまで、」と真々子。
「手の届かない夢を見て、あとで惨めな思いをするのはこの子なのよ!
 そもそも、この子が合格する程度の大学なら、
 行っても行かなくても同じでしょう?」
「今日この子から、頑張っても頑張らなくても人生いいことなんて
 何もない。なら頑張らない方がマシって言われましてね。」と桜木。
「その通りでしょ?」と悠子。
「じゃ、賭けますか?
 10日。たった5日で水野が、高校数学の問題100問、100点満点取れるか。
 いや、水野だけじゃ中途半端ですね。 この際、乗りかかった船だ。
 特進の生徒、他の4人全員も、100点!いかがです?」
「馬鹿馬鹿しい!そんなくだらないことに付き合っている暇はないのですー。
 この子がいなかったらこの店は、回りません!」
「お店のことなら心配なく。変わりの者は用意してあります。井野先生。」
「へぇ!?まさか!」
「可愛い生徒のためなら。」
「えー!?」

桜木は特進クラスに直美を連れていき、4人に勝負のことを話す。
「何でこの女がここに来るわけ!?」とよしの。
「新しいクラスメートだ。バカとブス同士、仲良くやってくれ。」
「バカバカ言われると喋れなくなる。」と勇介。
「バカはバカ扱いするのが俺のやり方だ。
 ちなみに水野にも、お前らと同じテストを受けさせた。」
結果は55点。
「100点なんて本当に取れるの?」と勇介。
「無理だと思えば無理だ。だが頑張れば奇跡を起こせる。」と桜木。
「私、数学いつも赤点ばっかなんだよね。
 さっきはなんていうか、売り言葉に買い言葉で、カッコつけちゃって。」
「それなら今すぐに家に帰るか?
 あれだけバカにされて、おめおめと尻尾を巻いて帰るのか?」
直美は決心し、自分の机を用意する。
「何で私達まで巻き込まれなきゃいけないのかわからない!」とよしの。
「成績というのは、目の前にわかりやすい目標を置いた方が伸びるものだ。
 つまりこの勝負は、俺の優しさだ。わかるな?」
「全然わかりません!親子喧嘩の巻き添えなんてほんと腹が立つ!
 ねぇ勇介!」
「別に。どうせ勉強しなくちゃいけないんだから一緒でしょう。」
「そういうこと。今矢島がいいこと言った。」
「あんたの為に言ったんじゃねーよ。」
「まずは小学6年までの算数ドリルだ。とにかく、解いて解いて解きまくれ。」
「ちょっと待ってよ。勝負は高校の数学でしょ?」
「算数の基礎もないやつに、高校数学なんて解けるか!」
「たった贈日しかないんだよ。」
「5日しかないんじゃなくて、まだ5日もある。
 受験も同じだぞ。
 たった1年しかないじゃない。
 まだ1年もある、だ。」
「3分の3x4分の3=?」卓球のポーズで問題を出す桜木。
前列贈人は立ち上がり、「12分の9!!」と打ち返した。
「でははじめ。」

真々子が悠子の店を手伝っていると、山本希美(矢沢心)が
田中義男(村上大樹)と沢松靖司(唐橋充)と店に偶然やって来た。
「今日三人でボーリングしてきたの。
 ボーリング対決するから、そろそろどっちか決めてくれって
 言われちゃって。」
「まだそんなことしてんの?」
「で、すごく重要な発見したの。
 田中さんて、すごく努力家なの。
 納得のいくフォーム、納得のいくスコアが出るまで黙々と投げ続けるの。」
「目標を立ててそれを実現する。それ以外に人間が、
 人間らしく誇り高く生きる道はないと思います。」

「ね、さすが東大卒って感じでしょ?
 ただね、田中さんとゲームしても楽しくないの。
 だってずーっとあーでもない、こーでもないって投げ込みしてるんだよ。
 その点沢松君は楽しいの。」
「うめぇ。」と沢松。
「でもね、沢松君はただ投げればいいって感じで、全然学習能力がないの。」
「すげぇ。」
「スペア取れなくても、ガーター投げても、
 なんて言うのかな、バイタリー的な向上心がないの。
 だから、フリーターやっているのかな。」
真々子は希美の話にあきれ返り、席を立った。

特進クラス。
「やっぱり私、納得いかない!この子の為に頑張りたくなんかない。」
よしのはそう言い問題集を放り投げる。
「私、別に頼んでないし。」
「何、その言い方!」
「やめたきゃやめたら。はい、終わり。じゃ、勇君、これ提出よろしく!」
「その呼び方はやめてくれ・・・。」
直美は微笑み、教室を出ていく。

「すっごいむかつく!何、あの態度!
 ねー勇介もうやめようよ。勝負なんて馬鹿馬鹿しいよ。」とよしの。
「そうだよなー。面白半分で来てみたけどさ、
 これ10日間も続いたら、マジ脳みそピッタンコになっちまう。
 よーし!勉強なんかやめちゃって、今日は飲みにでも
 行っちゃうかい!?」
「勝手にやめろよ。」と勇介。
「ちょっと勇介!私よりあの子のことを味方したいの?」
「うぜぇだろ! 
 別に水野の勝負なんてどうでもいいんだよ。
 俺は俺の筋ビシっと通したいんだ。」
「何かあったの?桜木と。」
「うるせーな。
 やるって決めたことはやる。ただそれだけだ。
 俺はもうやるって決めた。だから今度の勝負だって満点とってやるんだ。
 そういう気がないんだったらとっとと帰れ。
 飲みにでも何でも、勝手に行け。」
「ドリルおーわりっと!よろしくねー。」
麻紀が問題集を勇介の机に置き教室を出ていった。
「・・・もう少し、頑張っちゃうかな。」英喜が席に着いた。

『アタマには最強のフトン用意しましたっす。
 またいつでも声かけてくださいっス。マサシっス』
布団を届けてくれた後輩のメモを見ながら、桜木はカップメンを食べようと
していた。
勇介が5人の問題集を届けにくる。
「脱落者ゼロか。」桜木が呟いた。

宿泊部屋。
ギターを手に歌う英喜。
麻紀の携帯には、アスミからメールが届く。
『元気?アスミは今、オーストラリアでーす。
 お仕事お仕事!』
コアラを抱っこする写真が一緒に送られていた。
「いちいち報告してくんじゃねーよ、ブース!!」
よしのは、勇介を探していた。
「仲直りしたいのに・・・。」

その頃勇介は、直美がプールサイドに座っている姿を見る。
「おい、ブー!何やってんの?」
「いいでしょ、別に。あんたこそ何やってんのよ。」
「別に。」
「矢島はさ、何で東大受けんの?受かるわけないじゃん。」
「成り行き。
 桜木にさ、借金の300万、肩代わりしてもらったわけ。
 金で買われてんの。」
「何それ?下手なうそー。」
「家、カラオケスナックに改装するんだって?
 叔母さん本当に変わっちまったんだな。
 昔は商売っ気なんか全然なかったのに。」
「お父さんがさ、働きすぎて死んでから変わったんだよね。
 真面目に頑張るなんてバカらしい。
 もっと要領よく生きぬけろって。
 私だってわかるよ。頑張って報われたことなんて一度もないし。
 でも何でかなー。
 面と向かって母親にそう言われると、なんかすっごくイライラするんだよね。
 まああんたには関係ないけどさ。」
「関係ないね、全然。
 俺さ、今回のテストも、満点取る気でやるから。
 周りのヤツラもそう言ってるし、だから、」
「だから?」
「張本人のお前が、コケんなよ。」
「何それ。励ましてるつもり?」直美が笑う。
「いや。全然。
 まあいいや。俺戻るね。じゃーね。」
勇介が帰っていった。
勇介の背中を見送ったあと、直美はまた俯いた。

「青春・・・」
二人の様子を見ていた一郎が笑顔で呟く。
そのとき一郎の携帯が鳴る。母親からだ。
「一郎、あのね、次郎ちゃんのお勉強終わったから
 お家に帰ってきていいわよ。」
「わかった!じゃあすぐ帰るね。」

一郎君、勉強の邪魔にならないように時間を潰しているなんて。
しかも、それを母親が了解しているだなんて・・・。


翌朝。
「全員起床!!」桜木がみんなを起こす。

「これは数学の公式の中でも、最も重要なものを集めたプリントだ。
 まず声に出して読め。」
『三角形の面積=底辺の長さx高さ÷贈
 ひし形の面積=対角線の長さ(a)x対角線の長さ(b)÷贈
 平行四辺形の面積=底辺の長さx高さ
 台形の面積=・・・』
「そいつを今日は、競歩しながら読む!
 ここ100周。」
「ちょっと待て。何で俺らがそんなことしなくちゃならないんだよ。」
「忘れたのか。数学とはスポーツだ。
 昨日は卓球。今日は競歩だ。
 勝負は贈日後だ。時間を有効に使え。わかったら読み上げろ。
 歩け!井野、お前もだ。」

真々子を先頭に、背中にプリントを貼り付け6人が歩き回る。
「とうとうこのバカ学校アタマおかしくなったな。」と近所の小学生。
一郎は校舎からその様子を楽しそうに見つめ、自分も競歩の真似をする。

特進クラス。
「よし。ダレてきたところでこれからチーム編成を行う。 
 まず、小林と、緒方。
 矢島と、水野。」
「ちょっと、何で勇介と水野さんなの?
 っていうか、私は?」とよしの。
「喜べ。俺だ。」と桜木。

「合宿の間中、このチームで勉強する。
 これからはずっと、数学のテストを行う。
 100問20分。1問12秒だ。
 テスト終了後、パートナーと交換して採点。
 間違ったところを相手に説明する。
 この繰り返しだ。
 ただ問題を解くだけじゃなく、あえて違う立場に立つことで
 人は客観的になることが出来る。
 客観性とは勉強する上で最も大切なことだ。
 だから、自分にも厳しく、客観的になる勇気を持て。
 でははじめ!」
中学一年の問題に取り掛かる。

「こんなことしたって無駄だよね。」
休み時間、教室で一人そう呟く直美。

桜木が真々子に言う。
「リターンマッチしないか?
 今度の勝負で水野の母親が、娘の受験認めるかどうか。
 当然生徒思いの君は、生徒たち全員が100点取る方に賭けると思うがな。」
「確かにみんな頑張ってます。
 でも・・・」
「たった5日で高校レベルは無理か?」
「そりゃそうですよ。勉強っていうのは結局、長い間の積み重ねが
 必要なわけで。」
「じゃー、君は水野直美の脱落に賭けろ。
 勝ったら一週間、俺がお前の奴隷だ。
 負けたら引き続き、お前が奴隷。」
「本気であの子達が100点取れると思ってるんですか?」
桜木はそう言う真々子の顔を見つめ、ふっ、と笑った。

夜、みんなが寝た後も勉強を続ける直美。

競歩、テスト、必死にこなしていく。
中学3年生の問題に、70点代を取り喜ぶ英喜たち。
「確実に伸びている!」と桜木も生徒達を誉める。
そして、高校レベルの問題に100点を取ったのは、直美だった!
「マジスゲー!」と英喜たち。
「素直に喜べよ。」と勇介。
「うるさいなー。」と照れ笑い。
「やったな水野!よく頑張った。」と桜木。
よしのも不機嫌そうに手を叩いていた。

テスト当日。
封筒に入れられた高校数学実力テストが教頭から桜木に手渡される。
桜木は封を開け、それを一通り見たあと、生徒達に配る。
教室には教師たちと悠子が来ていた。
「試験時間は20分。はじめ!」
生徒たちが必死に問題に取り掛かる。

「やめ。」
号令がかかっても直美はやめようとしない。
「水野、終わりだ。やめろ。」桜木の言葉にようやくエンピツを置く直美。

「予想通りだな。半分以上空欄です。採点するまでもありません。
 ほかも、似たり寄ったりだな。」
「難しすぎるんだよ。」
「仕方ないだろ。負けは負けだ。」
「そんなバカな話、あるかよ!
 こいつ5日間すげーがんばってたじゃんかよ。
 あんたが作った練習テストだって100点取れたし!」
「俺のは点が取れて当たり前なんだ。
 公式どおりの基礎問題だからな。
 さっきも言ったろう。今日は正真正銘の勝負だ。」
「じゃあはじめから負けるってわかってたのかよ。」
「受験っていうのは、合格点に達するか達しないか、それだけだ。
 頑張ったとか頑張ってないとか、そんなもんには、何の意味もないんだ。」
「ふざけたこと言ってんじゃねーぞ!」勇介が怒り出す。
「やめて。」涙をこぼしながら直美が言う。
「私の負けだよ。仕方ないよ。
 半分も解けなかったんだからさ。
 当然だよ。今まで10年以上サボってて、
 頑張ったのはたったの5日だけなんだからさ。
 でも何でかな。悔しい。
 すごい悔しいよ。
 こんな悔しい気持ち始めてだよ。
 ・・・なんで泣くかな・・・。」
直美が顔を手で覆い泣き出す。仲間達も悔しそうだった。
桜木は一人教室を出ていった。

「酷いじゃないですか!勝負に負けたのは・想通りだなんて。」と真々子。
「何もわかってないな。」
「はぁ!?」

「あんたがそんなに悔しがるなんてね。
 あんたの好きにしなさい。
 私に似てダメダメな子だと思ってたけど、
 実はお父さんに似て、しっかりしたとこもあったんだね。
 あの人、私と違って、すっごく負けず嫌いだったわ。
 私はお店のしたくがあるから帰るよ。
 合宿が終わったら、お店の手伝いをすること。それが条件!いいね。」
悠子はそう言い、教室を出ていった。

「とりあえず、良かったんじゃない?
 私あんたのこと好きじゃないけど、
 ライバルいないとつまんないし。」とよしの。
「俺もさ、もっともっと大マジで東大目指してみよっかな。」
「英喜・・・。」勇介が呟く。
「バンド休みになっちまってさ、正直、暇つぶし位の気持ちだったんだけどさ、
 でも、お勉強も悪くないかなーと思ってさ。
 東大入ったら、もっとモテそうだしな!」
「5日じゃ無理だったけど、本番まで1年もあるしね!」と麻紀。
「なんだかあいつの思惑通りって感じだな・・・。
 いや、あいつが俺らのこと利用しようとしているように、
 俺らもあいつのこと、利用してやればいいんじゃね?」と勇介。
「よーし!みんなで東大目指すぞ!」
5人はハイタッチ。

「特進は5人揃った。その上おまけまでついてきた。
 あいつら、今回東大受験に一番大切なものを手に入れたんだ。」
「英語・・・ですか?」
「バーカ。
 東大受験に一番大切なもの。
 それは、勉強が出来ないことを悔しいと思う心だ。
 それさえ忘れなければ、東大なんて簡単だ!
 ついでに言っておけば、賭けは俺の勝ちだ。」
「え!?だって水野さん満点取れな、」
「よーく思い出せ。今度の勝負は、水野の母親が娘の受験を認めるかどうかに
 賭けたんだ。あの娘の涙を見て、果たして受験させない親がいるかどうか。」
「あ!」真々子は教室へと走り出した。
ドラゴン桜の下で、桜木は微笑んでいた。


水野直美は、母親にまでダメだとレッテルを貼られている。
勇介と比べても、親子関係は辛いかな。
もっと信じてあげれば、子供は伸びると思うのに。
でも母・悠子も、彼女なりに娘の将来を考えてのことなんですよね。

そんな水野直美も受験を認められ、生徒は5人になりました!
次週、名物先生も登場しますね!



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主題歌
realizerealize


挿入歌
山下智久 『カラフル』 (CDリリース未定)
作詞:山下智久 作曲:森元康介 編曲:十川知司


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この記事へのコメント
こんばんは。
直美もとうとう参加しましたね。
あの羨ましそうにみている一郎がどうなるのか
気になります。
Posted by honey at 2005年07月24日 20:37
確かに直美の親子関係は結構辛いものがありましたよね!
悠子の態度なんかを見ていると、俺も思わずブチ切れそうにもなったりした訳ですが(笑)、でも最終的には、悠子の方から直美に歩み寄ってくれたので、直美自身も報われたと思いますし、本当に良かったですよね!
来週以降もこれらの面々が一体どんな活躍を見せてくれるのか、今から本当に楽しみです!

TBもさせて貰いますね!
Posted by フェイク・ヒーロー at 2005年07月24日 20:48
こんばんは。コメントありがとうございます!

honeyさん。
一郎君、いつもニコニコしていて、でも実は
家族にとても遠慮しているようで・・・
健気ですね。
カレも特進クラスに入れるようになるといいですね。

フェイク・ヒーローさん。
親に信じてもらえないって、辛いですよね。
それでも最後には、直美の頑張りを
認めてもらえてよかった!
来週から登場する名物先生にも楽しみです!
Posted by ちーず at 2005年07月24日 21:39
ちーずさん、こんばんわ。
TBありがとうございました。

弟3話、むっちゃいい感じになってきましたね〜
今後の展開が楽しみです!
Posted by Ky'z at 2005年07月25日 00:13
ちーずさん、こんばんは。
TBさせていただきました。

全体的には流れもよく、とても楽しめたのですが、テストの問題には納得できませんでした。あれを20分で解けるとしたら、数学に関しては、ほとんど問題ないように思います。というか、あれは、東大合格者でもプロの数学者でも20分で100点取れないでしょう。
と、細かい部分ですが、なんとなく気になってしまいました。
Posted by 偵乱密 泡華 at 2005年07月25日 02:02
原作の漫画は全く知らなかったのですが、
アマゾンなどのランキングではすごいのですね。
阿部ちゃんは以前日テレで破天荒な貧乏弁護士役をやったのですが、その時と少し重なり、いい味をだしていると思います。
出番は少ないですが、野際陽子のとんちんかんぶりが結構好きです。
Posted by ぷうわん at 2005年07月25日 09:16
こんにちは、ちーずさん。
このドラマ阿部ちゃんがでているので初回から観てます。
阿部ちゃんのキャラが好きなんですが、
野際さんの面白いキャラも加えて楽しんでます。
原作本のキャラと阿部ちゃんに少々のギャップを感じるものの(見た目の)毎週楽しみなドラマですね。
また、お邪魔させていただきます。
そうそう、先日の地震は大丈夫でした?
Posted by まどか at 2005年07月25日 11:24
こんにちは。コメントありがとうございます!

ぷうわんさん。
阿部さん弁護士役といえば、「最後の弁護人」でしょうか?
このドラマはちゃんと見ていなかったので残念!
又再放送しないかなー。
阿部さん、いい味出しています。
これからどんな名ゼリフが生まれるか、楽しみ。
野際さん演じる理事長も、なんか可愛くて憎めません。

まどかさん。
主役の阿部さんはもちろんですが、理事長役の野際さんの
存在感はさすがです。嫌味にならないところがまたすごい!!
地震、すごく揺れました。あんな大きな地震を体験したのは
初めてだと思います。
まどかさんのところは大丈夫でしたか?
また気軽にコメント残していって下さいね。
Posted by ちーず at 2005年07月25日 14:47
 今回の勉強特訓シーン、おもしろかったですね〜。勇介、ぐちをいわずがんばって男らしいですね〜。それにしても、阿部ちゃんかっちょいい〜。
Posted by きこり at 2005年07月25日 15:47
きこりさん、こんばんは。
勇介は、やると決めたらやる人。
きっと夢を実現させてくれますね。
勉強特訓シーン、すごく興味深かったです。
これからどんな方法が登場するのか
楽しみですね!
Posted by ちーず at 2005年07月25日 22:58
トラバさせていただきます

私も龍山の先生達や、周りの大人が子供達の可能性を否定するような発言は気になっていました

ダメと決め付けずもっと可能性を信じて伸ばしてあげるようにすればいいのに・・・って

きっと桜木が彼らの救世主になるんでしょうね^^)
Posted by rosa at 2005年07月26日 15:44
rosaさん、こんばんは。
コメント&TBありがとうございます!
大人の何気ない言葉でも、子供って深刻に
受け止めるものだから、無責任な発言は気をつけて
もらいたいですよね。
桜木先生の活躍が楽しみです!
Posted by ちーず at 2005年07月26日 19:29
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