2005年07月25日

いま、会いにゆきます 第4話

『母の愛』

「5、4、3、2、1、」
玄関でカウントダウンする澪(ミムラ)と佑司(武井証)。
4時20分0秒丁度に玄関のドアが開き、巧(成宮寛貴)が帰宅する。
「お帰りなさーい!」
「びっくりした!」と驚く巧。
「私もびっくりしました。本当に毎日同じ時間に帰ってくるですね。」と澪。
「図書館を出る時間が同じだから、うちに帰る時間も同じになるだけだよ。」
巧はそう言うが、あまりの正確さに澪と佑司は感心する。クローゼットにかけられたシャツに、戸惑う巧。
お風呂の準備が出来たと澪が呼びに来た。巧の様子に気づくが、
巧は何でもない、と答える。
晩御飯のメニューを聞く巧。
「ナスの肉挟みと、ピーマンとしいたけの肉詰めです。」
「え?美味そうじゃない。」
佑司が澪に、スープがボコボコいってるよー、と教える。
慌てて台所に戻る澪。
巧はもう一度クローゼットのハンガーに手をかけ、何かをしようとする。
だが佑司がお風呂に入ろうと迎えに来たため、諦めて風呂場へ。

佑司は残したピーマンを子犬の所へ持っていきながら澪に言う。
「ねーママ。この子の名前まだ決まっていなかったね。
 どうしようか?」
「あれ、何してるの?ピーマン残したの?嫌い?」
「うん。」
「どうして?」
「だって、苦いし・・・色も変だし・・・美味しくないし。」
「そんなこと言ったらピーマン星人寂しがるよ。」
「なに?ピーマン星人って。」
「佑司君を元気にする為に、遠い星からやって来たの。興味ある?」
「・・・ない。」
「残念だなー。」
お茶で何かを流し込む巧。
「ピーマン星人かわいそうだなー。こーんなに美味しいんだけどな。」
澪は自分の皿に置き、それを口に運ぶ。
「昔のママだったら押入れに入れられてたよ。怒られなくてよかったー。」
佑司が子犬に小声で語りかけた。

ピーマン星人かぁ。
アーカイブ星という絵本を描いた澪ならではの発想ですね。


夜、澪は巧が部屋で何かしているのに気づき目が覚ます。
「何してるんですか?」
「いや、何でもない。何でもないんだ。ごめん。起こしちゃったね。」
巧はそう言い、持っていたハンガーをクローゼットに戻し、部屋を出ていった。

家族三人でいつも一緒なのに、
私は、なぜかとても遠く感じてしまうことがあるのです。
巧さん、あなたはどうですか?


翌朝。
澪は「よかったらこれ持っていって下さい。」と巧にお弁当を渡す。
「あ・・・ごめん。あ、ありがとう。」
巧は少し戸惑ったようにお弁当を受け取った。

澪に起こされた佑司。
「ごめんなさい!もうしません!!」
・・・夢を見ていたのだ。
顔を洗いに起きた佑司は、振り返り、澪の背中を見つめていた。

学校、仕事場に向かいながら、佑司が巧に話し出す。
「今朝、夢見た。」
「どんな?」
 ママに叱られた夢。
 ピーマン食べたくなくて、隠れて黙って捨てたんだ。
 それがママに見つかって。」
「そういえば昔、そんなことあったね。」
「食べ物を粗末にしちゃいけないって、すっごい怒ってた。」
「そういうときのママって、迫力あったね。
 押入れに入ってなさい!!って。」
「僕も夢見て、昔のママ、思い出しちゃった。
 じゃ、行ってくるね。」
「気をつけてな。」
佑司は立ち止まり、巧に又話しかける。
「ね、たっくん。ママ、アーカブイ星に行って、ちょっと感じが変わったね。」
「そりゃそうだよ。いろんな記憶をなくしてるんだから。」
「そっか。そうだね。」佑司は学校への道を走り出す。
「どうかしたか?」
「ううん。なんでもない。行ってきまーす!」
「あ、それから佑司。
 前から言おうと思ってたんだけどさ、
 アーカブイ星じゃなくて、アーカイブ星な。」
「わかってる!アーカ・・・ブイ!!」
走り出す佑司の姿を優しい微笑みで見つめたあと、巧も自転車を押していく。
自転車のカゴに入ったお弁当を一瞬見つめ、図書館へと向かった。

佑司君はピーマン残して怒られなかったことにほっとする反面、
前とは違うママの反応に少し戸惑っているんですね。
アーカ・・・ブイ!!が可愛かったー!
そして巧も、なにやら戸惑っている様子・・・。


巧が見つめていたクローゼットを開け、少し考える澪。
すると子犬が悪戯をし始める。
澪は、クローゼットの中から『ゆうじの成長記録』と書かれた箱を見つける。

校庭でキックベースをして遊ぶ佑司。
「佑司君、私ね、ピアノのお稽古、もうやめたいんだ。
 でも、ママ許してくれないの。
 どこか、ピアノのない遠い所に、一緒に連れていって。」
ファーストベースへ走っていったところ、斉藤レナ(重本愛瑠 )が
そう声をかけてきた。
佑司はボールの様子が気になって仕方がない。
「ごめんなさい!!」そう言いセカンドベースへと走っていく。
その後をレナが追いかける。「おねがい!たすけてよー!」
セカンドベースを蹴り、走り続ける佑司。
「おねがいだからー!」レナも必死についていく。

『ゆうじの成長記録』を開ける澪。
中に入っていたのは壊れたカップやフォークが入っていた。
それぞれに説明が付いている。澪はそれを手に取り、一つ一つ読み上げていく。
『結婚式の引き出物で頂いたカップ。
 佑司、3歳3ヶ月。
 気を引きたくてわざとこわす。』
『離乳食から使っていたフォーク。2歳8ヶ月。
 嫌いなピーマンを食べたくなくてやつあたり。』
「やっぱりピーマン食べていなかったんだ。」
その中に、一通の封筒が入っていた。
裏に、『榎田 澪』と書かれている。
「私!?」
中には、台紙に貼られた四つ葉のクローバーが入っていた。

移動図書館。
「佑司君、この頃顔を見せなくなりましたね。」と永瀬万里子(岡本綾)が聞く。
「学校が終わると家に帰って留守番しているんだ。」
「一人で?」
「犬を飼い始めたんだ。世話に夢中で。」
図書館のすぐ側で、友也(でんでん)の移動販売車から『UFO』が流れてくる。
巧たちはお昼にすることに。
「よかったら、これ。一つ作るのも二つ作るのも同じだから。」
万里子がお弁当を差し出す。
「ごめん。今日は、たまたま。」持ってきたお弁当を見せる巧。
「お弁当?じゃあ。」
「じゃあ、無駄にするのもなんだから、俺が食べてやろう。」
二人の会話に気づいた友也がやってきた。
「友ちゃん食べてくれるの?」
「オフコース!」

「これは、堂々と金の取れる弁当だ!」友也は万里子のお弁当を絶賛。
「あの弁当、誰が作ったのかな。
 あの包み方とか、女が持たせたもんだよな。」
友也は万里子にそう言うと、万里子のリンゴを手に、巧の隣に座る。
「で、いつから?」
「え?」
「女!出来たんでしょ?オメデト!」
「そんなんじゃないです!」
「またまた!サイズだけでもおしえて。こんなの?それとも?ペタ?ワッハハ・・・」
「勘弁して下さい。」
二人の会話を聞く万里子は不機嫌な表情に。

放課後。
「佑司君、待って〜!!」
レナはまだ佑司を追いかけていた。
そこへ、レナの母親が
「腹立つこの子は何やってんのー!待ちなさいー!!」とダッシュで走ってくる。
レナはあっという間につかまってしまう。
「ほら!早く来なさい。ピアノの先生待ってるんだからー。」
「お願い。やめさせて。」
「あのね!そうやってバレーも日本舞踊もそろばんもお習字も!
 自分でやりたいってせがんどいて、すぐに諦めて。
 そんなんでいいと思ってるの?」
母親に引っ張られるレナ。佑司の手を掴むが引き離され連れていかれる。
「今度やったら、お父さんに言いつけるよ〜!」
「いや〜だ〜」
「嫌じゃない!」
佑司はレナとレナの母親の姿をじっと見つめていた。

図書館に戻り、車から本を出していく巧と今井秀夫(山崎雄也)。
「なんか最近こ綺麗になったね。
 シャツのアイロンもぴっとかかってるし。
 前はもっと、よれよれのひょろひょろだったよ。
 もしかして、恋の季節?」
「いや?」
「マリちゃんも、そう思わない?」
「さあ。」不機嫌な万里子。

秋穂家。
「これだけ細かく刻めばわからないよね。」
澪はピーマンを細かく刻んでそう言い微笑んだ。

水溜りをみつけ、わざとそこに飛び込み靴を汚す佑司。
ケーキ屋の菊地俊輔(生瀬勝久)が「何やってるんだ?」と聞くと
「ちょっと訳あり。」と答え、水溜りの中足を踏み鳴らす。
そして手で泥水をすくい、それを水色のTシャツに擦り付ける。
「そっか・・・。」と俊輔。
「お客さん入ってるの?この店。」
「俺は、お前の心のギザギザを触らないようにしているのに、
 どうしてお前は俺の痛いところ突いてくるんだ?」
「だって俊ちゃん、この町にあまり馴染んでないみたいだし、
 ひょっとして、誰からも相手にされてないのかなーって、」
「佑司!お前言っていいことと悪いことの区別もつかないのか!?」
俊輔が佑司に大声で文句を言っていると、俊輔の妻・あすか(中井美穂)が
やって来る。
「佑司君!なんかあんた、派手にやったね。」
「そぅお!?」佑司は嬉しそう。
「うん。ママに叱られない?」
「ママに叱られたい。」佑司はそう答え、家へと向かった。

「ただいまー。」
「お帰りなさい。学校どうだった?」
澪は佑司の方を見てそう言うが、Tシャツの汚れに気づかない。
「・・・別に。」
「どうしたの?」
「汚しちゃったー!」嬉しそうに答える佑司。
「あー。あらあらあら。お洗濯しないとね。」
そう言い、澪は優しく佑司のTシャツを脱がせるだけ。
「何これ?」
「今日の晩御飯。まだ食べちゃダメだよ。」
「ハンバーグ大好き!」ラップを外し、かぶりつく。
「あっ。」澪は笑顔で巧の頭を優しく撫で、行ってしまう。
「何、これ・・・ピーマン星人入れたでしょ。
 僕、どんなに小さくたってわかっちゃうんだー。」
「でも体にいいんだけどなー。」
「別にピーマン星人と仲良くする気ないから、僕。」
佑司がテーブルの上に置いたランドセルを乱暴にとった時、
澪が置いておいた四つ葉のクローバーのしおりが落ちてしまう。
見ると、1枚の葉が取れてしまっていた。
「佑司君、これ見覚えない?」
「知らない!」佑司は怒って部屋へ行ってしまった。

押入れの中。子犬に語りかける佑司。
「ママは僕のこと全然叱らないんだ。
 前はよく、ここに入っていなさいって叱られてたのに。
 アーカブイ星の電車の網棚に、忘れてきちゃったのかな。
 レナちゃんのママよりすごかったんだよ。
 いらっしゃい!だって。」

巧が本郷医院を訪ねると、本郷尚美(余貴美子)がストレッチをしていた。
思わず、開けたドアを閉める巧。
「あ!入って!!
 来月、町民体育大会があるでしょ?私、リレーで走るもんだから。
 仕事終わったの?」
「ええ。先生、走るんだ。」
「アンカーに決まったから大弱り。」
「先生。実は、澪にまだ、僕のこだわるとことか、苦しいとことか、
 いろいろ話せてなくて。
 きっといつか、彼女も気づいてしまって、又、傷つけてしまいそうな
 気がするんです。」
「彼女を悲しませてしまうかもしれないって、思ってる?」
「そうです。」
「そうね・・・。どうしようか。
 たとえば、一つ二つ、ちょっとささやいてみたら?」
「ささやく?」
「そう。」
尚美は巧の側に座りささやく。
「今度、私のトレーニングしてちょうだいよ。バトンの受け渡しとか。」
「僕は、ダメです!!」
「どうして?中学時代、あんないい成績収めたじゃない。」
「先生、知っているじゃないですか!」
「何もね、全力疾走しろなんて言ってないのよ。
 ゆっくり、流すくらいでいいの。
 澪さんにささやいてみたら?
 大丈夫!澪んさんもあなたの話、聞きたいと思ってる。」
「どうして、そう言いきれるんですか?」
「あなたを愛した人でしょう?自信持って。」
巧は尚美の言葉に考え込んだ。

榎田家では年に一度の『紫陽花を眺める会』と称し、万里子を招いて
パーティーが開かれていた。
庭には、ライトアップされた紫陽花が綺麗に咲き誇る。
「あの子、何て言うかしら。
 年々張り切っちゃって、お母さん頑張りすぎって笑っているかしらね。」
涼子(三田佳子)が澪の写真に笑いかける。
「澪は感謝していると思いますよ。
 自分が植えた紫陽花をこんなに大切にしてもらって。」
万里子の言葉に涼子は大きく頷く。
「だといいんだけれど・・・。さあ、食べましょう。
 仕事帰りでお腹空いているでしょう!」
澪の言葉に、万里子と孝雄(山本圭)がテーブルに着く。
「乾杯!」
「このサバ煮ね、お父さんが作ってくれたのよ。」
「そうですか!」
孝雄が席を外した隙に涼子が万里子に小声で言う。
「でもね、お味噌の分量間違えたらしくて、とーってもしょっぱいの。
 万里子さんに食べさせたくて精一杯作ったから下げるわけにいかなくて。
 まるで、後頭部をバットで殴られたみたいな衝撃だから。」
二人が笑いあう。
「私の悪口、言ってませんか?」孝雄が戻ってきた。
「美味しくいただいてます!」二人がまた笑い合う。

澪が紫陽花を見つめて何か考え込んでいたのには、
実家の庭に自分で植えて育てていた、という思い入れがあったんですね。
それを大切に育てている両親。
娘を失った涼子と孝雄を気遣う万里子も優しい女性です。


「佑司君、この頃どんどんしっかりしてきましたね。
 前は、学校が終わると必ず図書館に来て、秋穂君と一緒に帰ってたんですけど、
 この頃真っ直ぐ家に帰って、お留守番を一人でしっかりやってるそうです。」
「なかなか感心じゃないか。」と孝雄。
「もちろん、佑司がしっかり育つのは、とても、嬉しいのよ。
 母親を失くしたことで、早く、大人になりすぎちゃうのは、
 ちょっと、不憫でね。
 もっと甘えたい、我侭言いたい、叱ってほしい、
 もっと自分の方を振り向いてほしいっていう思いが、
 きっとどこかにあるはずだと思うのよ。」
「かもしれませんね。」と万里子。
「佑司のいろんなサイン見逃さないでねって、
 巧さんにも、ほんとは、もっとしておきたいんだけど・・・
 なかなかね、そうもいかなくて、ね。」
「遠慮はあって当然ですよ。」と万里子。
「もう、いいじゃないか。」と孝雄。
「そうね。」
三人はグラスを傾ける。
「佑司、一人でお留守番って、何やってるのかしら?
 一人で家に置いておいて、大丈夫なのかしら。」
「犬を飼い始めて、その世話に、」
「あら!そうなの?知らなかった。
 どんな犬?」
「そこまでは・・・
 ん!!きました、後頭部。」
「やっぱり!?」
孝雄本人もむせてしまい、三人は笑い出す。

秋穂家。
佑司はもう寝てしまっている。
「この箱、君が作ったんだね。」
「巧さん、知ってました?」
「いや、知らなかった。でもどれも見覚えのある物ばかりだけど。」
「私も今日気がついて。」
「今日、弁当ありがとう。
 でも、毎朝無理して頑張らなくていいんだよ。
 もっと、ゆっくり寝ていても。」
「大丈夫です。」
澪がお茶を持ってテーブルにつく。
「君は、温かい思い出を作る名人だね。
 佑司が壊したカップとかフォークとかを見てると、
 あー、そんなこともあったなーって。」
「私もこうしていると、なんだか温かい気持ちになるんです。
 今日は、このカップでミントティー飲んでみます?」
「いいね。」
澪が持っているカップに手を伸ばす巧。
二人の手が触れる。
「あ、あの、この箱の中に入ってたんですけど、」
動揺を隠すように席を立つ澪。
「この四つ葉のクローバー、葉っぱが一枚取れちゃったんですけど。」
「これ・・・」
「見覚えあります?」
「このクローバーは、僕に、幸運を運んできてくれたんだ。」
「幸運?」
「中学3年の夏、最後の陸上競技大会があったんだ。」

回想シーン。
「ねぇ、澪は誰を応援してんの?」万里子(志保)が聞く。
「内緒!万里子は?」澪(黒川智花)が聞く。
「内緒!」
陸上部のエースの周りには、女子生徒たちが群がり手紙やプレゼントを
渡している。
その横を通り過ぎる巧(福本有希)。
「その日の僕の体調は最悪で、
 でも、あの頃の僕には、走ることしかなかったから。」

澪が駆け寄り、巧に手紙を差し出す。
「これ・・・」
「それが、君だった。」
「ベストが、尽くせますように。」
「僕は、ありがとうの一言も言えなくて・・・」
バスの中、手紙を開けてみる巧。
そこには、四つ葉のクローバーが入っていた。
後ろの座席では、人気選手が沢山の封筒を次々に開けていく。
その中に、『榎田 澪』と書かれた封筒もあった。
「君が僕に四つ葉のクローバーをくれたのは、
 きっと、ついでみたいなもんなんだろうなって、
 少し、思った。」

レース本番。
雨上がりのトラックを、合図とともに走り出す選手達。
「その地区大会で僕は、6位に入賞したんだ。
あれは、君のおかげだと、今でも思ってる。」

表彰台の上で、四つ葉のクローバーを見つめる笑顔の巧。

「これ・・・その時の。」
「うん。」
「どうして、この箱の中に?」
「多分、結婚した時に、君が見つけて取っておいてくれたんじゃないかな。」
澪がはがれてしまった一枚の葉を元に戻そうとしている。
「どうした?」
「大切な思い出なのに・・・。」
「昔の話だよ。」
「そっか。私が送ったんだ。」
そんな両親の様子を、佑司は起きて見つめていた。

中学生の頃、巧に手紙を渡そうと駆け寄っていった澪。
あの表情は、きっと巧を好きなはず。
そう思っていたので、人気者の彼が貰った手紙の山の中に澪の物があった時
ちょっと残念に思いました。
でも、もしかしたらあれは、彼への返事の手紙かもしれないですよね。


翌日。
佑司は本郷医院の尚美の所にそのクローバーを持っていく。
ご飯粒で、糊を作る尚美。
「パパとママと思い出のクローバーだ。
 パパささやいてた?」
「え!?」
「パパ、ママに何かささやいてなかった?」
「ママに?」
「うん。」
「・・・何言ってるの、先生。」
「ごめん。先生の勘違い。許して。」
「・・・」
「さぁ、どうだ。」
尚美の周りをぐるぐる周り、様子を伺う佑司。
「あっ!?」
「どうしたの?先生!」
「ごめんなさーい!四葉のクローバーが、双葉になっちゃったー。」
「えーーー!?嘘でしょーーー!」

「パパ、ママに何かささやいてなかった?」
尚美は佑司に聞いたのは、巧の言っていることが事実かどうか
確認しようとしたのかな。そうだったら嫌だな〜。
佑司も、パパと約束したから先生に言わなかったんですよね。
先生だけでも家に招待して、澪に会わせてもいいのいなー。


『かなりうまいケーキ屋』の看板にあるクローバーを見つめる佑司。
「おい佑司!何やってるんだよ?」
俊輔に話しかけられても佑司は何も答えずに歩き出す。
「後姿が疲れた40過ぎのサラリーマンみたいだぞ。」
「そう。」
「そうって。何だよ、その気の無い返事はよー。」
「今それどころじゃなーい。」
「・・・」

移動図書館。
雨が降り出した為、イスを濡れない場所に移動する万里子と巧。
「利用者の方も途切れたし、とりあえず撤収しましょう。
 これから天気ずっと悪いみたいだから。」
「わかりました!」
「それから、次のステーションは取りやめて、このまま図書館に帰りましょう。」
「・・・」
「順番どおりじゃないと辛い?」
巧は俯いてしまう。
「うん。わかった。とりあえず、ステーションは全部回りましょう。
 順番は守らないとね。」
「ごめんなさい。」
「ううん。」
『夕方から夜半にかけて、更に、激しい雷雨が予想されます。
 連日の雨により、河川の洪水が予想されます。
 くれぐれも、川には近づかないようご注意下さい。』
町のアナウンスが流れる。

雨は本降りになっていた。
3時半を過ぎても佑司がまだ家に帰って来ないことに、澪は心配し始める。

その頃佑司は大雨の中一人どこかへ向かって走っていた。

大雨の中図書館に戻った巧は、今日は少し遅くなるから、と澪に電話をする。
澪は、佑司がまだ家に戻っていないと不安そうに訴える。
「わかった。すぐそっちに帰る。僕が戻るまで家で待ってて。
 一人で外に出ちゃダメだよ。わかったね。」
巧の電話を万里子は聞いていた。

佑司が心配な澪は、一人、佑司を探しに出ていた。
途中、畑の作業をしている俊輔とあすかに声をかける。
「あの!佑司君・・・佑司、見ませんでしたか?」
「さっき、お宅のほう帰っていきましたけど?」

その頃、家に戻った巧は、家に澪がいないことに気づく。

雷雨鳴り響く中、澪は川原に佑司のランドセルを発見する。
慌てて駆け寄る澪。
川を覗き込むと、岩につかまった子供の姿を見つける。
「佑司君!」
「ママ!」
佑司は澪の元へと足を踏み出す。
「動かない!!」
澪はそう叫ぶと川に入り、佑司の元へと急いだ。
「佑司!つかまって!」
佑司を抱き上げ、岸へと向かう。
途中転びながらも、必死に佑司を抱えて岸を目指した。

「こんな心配かけて!何でこんな!!
 もう・・・
 よかった。佑司、よかった。」
佑司を抱きしめ、泣き出す澪。
「ママ・・・これ。」
佑司が差し出したのは、四つ葉のクローバー。
佑司は雨の中一人四つ葉のクローバーを探していたのだ。
「ごめんなさい・・・ママに心配かけて、ごめんなさい。」
「佑司。」
二人はお互いを強く抱きしめあった。

「澪!佑司!」巧が駆けつける。
「大丈夫か!怪我してないか?」
「ママが助けてくれた。」
「佑司が・・・」巧にクローバーをかざす澪。
そしてもう一度、澪は佑司を強く抱きしめた。

「本当に、心配かけて申し訳ない。
 ほら、佑司!電話をしてるんだから。」
電話の周りではしゃぐ、風呂上りの佑司と澪。
「ごめん。ごめんね。まったく・・・君にまで心配かけてしまって。」
「とにかく、みつかって良かった!
 怪我は?・・・そうですか。じゃあ又。
 あ、わざわざ知らせてくれてありがとう。」

巧からの電話を切ったあと、万里子は中学生の頃のことを思い出す。
「ねぇ、澪は誰を応援してんの?」
「内緒!万里子は?」
「内緒!」

そこへ巧が歩いてくる。

そして、誰かの作ったお弁当を見せる巧みの姿を思い出す。

中学の頃、万里子も巧に手紙を渡したんでしょうか?

秋穂家。
「四つ葉のクローバー、よく三人で探して歩いたんだ。」
「そうなんですか?」
「四つ葉のクローバーを見つけた日は、嬉しいことがあるんだよって、 
 君がよく言っていた。」
「私が?」
「今日、君が佑司って呼べたのは、きっと、このクローバーのおかげかな?
 あの子が嬉しそうにはしゃいでいたのは、
 きっと、君に佑司って呼ばれたせいだよ。」

佑司の寝顔を見つめる澪と巧。
「少しいいかな?」と巧。
「はい。」
「あのさ、寝室のハンガー。」
「はい。」
「あれ、普通は君みたいに、左向きに並べるものだと思うんだけど、
 僕は・・・その・・・右向きに並べたいんだ。」
「あっ!いつかハンガー触ったの、それですか?
 ごめんなさい、気づかなくて。」
「それから、昼飯なんだけど、
 実は、10代の頃からずっと、パンに牛乳が、僕の、ペースになっていて。」
「ペース?」
「うん。いつも同じ時間に家を出て、同じ時間に家に帰る。
 僕の中での、約束事なんだよ。
 その手順が変わると、体調が狂うんだよ。
 そういう面倒くさい僕に、つき合わせるのは、
 ほんと、申し訳ないと思ってる。ごめんなさい。」
「あ、そんなこと、ありません。」
「でも、君には苦労をかけると思う。」
「前の私は、ちゃんとやってた訳ですよね。
 他にも何か気がついたことがあったら、すぐに言って下さい。
 私、巧さんのことも、佑司のことも、もっと知りたいんです。
 二人のことを自分のことのように感じられたらいいなって、
 そう思うんです。」
「ありがとう。」

「巧さん、あなたの心に触れて、私は、ほっと、安心しました。
 分かり合うことが、きっと、全ての始まりなんですね。」


翌日。ジョギングする尚美に声をかける巧。
「先生!
 僕、澪に、言いました。」
「そう!ささやいた!よかった〜!
 よし、行くぞ!」
「はい!
 先生、もっと腿上げて!」

「巧さん。私は幸せです。」

ピーマンを口に入れる佑司。
モグモグ、ゴックん。
「すごい!佑司がピーマン食べた!おめでとう!!」
お手製のくす玉を割る澪。
「初めて飲み込んだよ。」
「どうだった?」
「ん〜。グリグリマイキネキの、トットカトットー!」
「そっか。」
「ねぇ、クルクルダンス!」
「わかった!
 『ヤッターヤッター嬉しいな!
  ラッタラタ ラッタラタ クルクルダンス!』
 やった〜!!
「どうしたの?」巧が二人に声をかける。
「佑司がピーマン星人とお友達になりました。
 誉めてあげて下さい。」
「タックン、ピーマン美味しいよ。」
「偉いなぁ。じゃ、これも食べて。」
「じゃー、一つだけね。」
「よし、食べられるなら、もう1コ。」
「何してるんですか?」澪が声をかける。
「いや・・・」
「もしかして、巧さんもピーマン星人、苦手だったんですか?」
「・・・うん。」
「何でも言ってくれるって約束してくれたのに・・・
 あれ、嘘だったんですか・・・」
「いや、それは!」
「もう知りません!」
「えぇ・・・。」
「昔のママ怒ると、いつもあんな感じだった。」
「そうだね。」
「私、別に怒っていませんから!」
「やっぱり、ママ怖いね。」
「たっくん、たっくん!時間だよ!」
二人が外へ飛び出していく。
「佑司、むぎゅしよう!」
澪の言葉に、佑司はにっこりと笑い澪の元へ走る。
「むぎゅ、も一度むぎゅ、おまけにむぎゅ、念入りにむぎゅ!
 むぎゅでした!
 行ってらっしゃい。」
「行ってきます!」
「あ、巧さん?
 さっきのピーマン、ラップかけて取っておきますから。
 行ってらっしゃい!」
「・・・行ってきまーす!」

みんなが出かけたあと、澪は額縁に飾った四つ葉のクローバーを見つめ
幸せそうに微笑んだ。


涼子が言っていた子供のサイン・・・。
佑司は一生懸命「叱ってよ。」とサインを出していたんですね。
最初は叱られなくてよかった、とほっとしたのだけど、
友達が母親に叱られるのを見て、恋しくなったんでしょう。

佑司の願いは、佑司の無茶を叱る、という形で叶えられました。
「佑司」と呼び捨てで呼ぶようにもなりました。

そんな佑司の心の変化を、武井証君が可愛らしく演じていました。

澪は記憶のないことを受け止めることが出きる様になったんですね。
今の自分で、巧と佑司を愛せるよう努力しているようです。

そして、巧の病気がわかってきました。
狭い場所、人ごみがダメ、というだけでなく、
同じ時間に会社に出かけ、同じ時間に帰宅する。
ハンガーの向き、決まったコース、食事の形。
自分のこだわりが崩れてしまうと、体調が悪くなってしまうようです。

巧の病気を、澪は受け止めてくれました。
ピーマンを残す巧のことも叱っていましたね。
こうやって少しずつ少しずつ、心の距離が近づいていくんでしょう。

三人のやりとりが微笑ましくて、このままずっと続いて欲しい。
三人の笑顔を見ながらそう思いました。
限定6週間と知っている巧は辛いだろうな。
それでもそんな顔を家族に見せない巧は立派です。


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この記事へのコメント
こんにちは、「いま、会いにゆきます」は好物なので、またコメントさせて下さい。(チョット早いのですが、せっかちなもので…)

今回は、ドラマ全体の流れが“いっそうと”穏やかなでしたね。

そして、子供(佑司くん)が主役… 少しずつ普通の家庭になって来たようで、うれしかったです。

TB、宜しくお願いします。
Posted by まさかず at 2005年07月25日 20:59
PS.訂正2箇所お願いします。

?前回コメント内
 誤…TB、宜しくお願いします。
 正…TB、させて頂きました宜しくお願い   します。
?タイトル部分
 誤…第三話
 正…第四話

宜しくお願いします。
Posted by まさかず at 2005年07月25日 21:11
まさかずさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
訂正ありがとうございます。早速直しました!
だんだんと、家族の絆が深まっていく様子が
見ていて温かい気持ちにさせてくれますね。
Posted by ちーず at 2005年07月25日 22:23
こんばんは、ちーずさん。
ゆっくりと三人の距離が縮まっていきますね。
今回もとてもよかったです。
Posted by honey at 2005年07月25日 22:39
honeyさん、こんばんは。
ほんとうに、ゆっくりゆっくり、三人の家族の形が
出来上がっていきますね。
ずっと続いてほしい・・・
ドラマを見終わると、いつもそんな気持ちになります。
Posted by ちーず at 2005年07月25日 22:46
 3人の距離が縮まって、より一層、彼らの表情がよくなりましたね。
 ゆっくりまったり感に満足していましたが、やっとドラマも進みだしたかな。
 今回は巧の性格が語られたけど、もう1つ、映画館に一緒に行けない、車の助手席にも座れないってことに関して、いつ視聴者にも説明してくれるのかなぁ???
Posted by pixy_japan at 2005年07月26日 01:56
今回も良かったですね。
ホント、あの家族6週間だけなんて寂し過ぎです。

澪はたっくんの病気は理解してくれましたが、ピーマンに関してはようしゃなかったですね(笑)
Posted by asami@Dara Dara Diary at 2005年07月26日 13:21
こんばんは。コメントありがとうございます!

pixy_japanさん。
今回は、澪の満面の笑顔が多く、彼女が今の自分を
受け入れられたんだなーと思いました。
巧の病気だけでなく、全てが小出しなんですよね。
ネタバレ知らない人にとっては、まだまだ謎だらけですね。

asamiさん。
病気を理解して、ピーマンにはようしゃなく。(笑)
澪のそんなところ、素敵ですよね。
6週間、というところが切ないです。
Posted by ちーず at 2005年07月26日 19:37
こんばんわ。ちーずさん。
今回の澪(ミムラ)さん怖かったですね。
「私怒ってませんから」そのセリフがいまでも頭に焼き付いています(笑)

後、家族の距離が少しずつですが縮まりましたね。
でも次回はなぜか自転車のことで裂け目ができるとのことが。
また戻るんでしょうか?
次回に期待です。

ちなみに、ちーずさんのこのブログ、私のブックマークにリンクさせてもらいました。
色々とチーズさんには感謝しております。
ではでは、これからもよろしくお願いしますね。
Posted by クルス at 2005年07月26日 19:49
確かに今回はミムラさんや証君の演技が本当に良かったですよね!
最初こそドラマ版のキャストには違和感があったものの、今では逆にこのまま3人の家族の様子をずーっと見守っていたいぐらいです(笑)
ピーマン星人のエピソードもとても微笑ましくて良かったですよね!

TBもさせて貰いますね!
Posted by フェイク・ヒーロー at 2005年07月26日 20:53
TBありがとうございます。
佑司君から佑司に変わったことで佑司はうれしかったでしょうし、澪もうれしかたんじゃないかなぁって思います。
Posted by chany at 2005年07月27日 13:36
ちーずさん
いつも楽しく拝見してます。
アーカブイ星・・・あれ、アーカイブ星の話出てきましたね。
以前ちーずさんに原作で祐司くんが言えなくて・・・という話を聞いていたので納得していたのですが、実はずっとこのまま?!と毎回気になっていました。
祐司くんの「ブイ」可愛かったですね。
(私は「おいおい、やっぱりブイかよっ(笑)」とテレビに突っ込んでましたが)
このドラマは家族愛が深まっていく様子が丁寧に描かれていて良いドラマになってきましたね。ちーずさんのコメントとともに、これからが楽しみです。
Posted by らら at 2005年07月27日 23:49
こんばんは。コメントありがとうございます!

クルスさん。
こちらこそいつもありがとうございます!
澪は怒るという、自然な表現を取り戻したんですよね。
怯える二人が可愛かった!
次週も目が離せませんね。

フェイク・ヒーローさん。
フェイク・ヒーローさんは映画をご覧になったんですよね?
きっと、三人がその言葉を聞いたら嬉しいでしょうね〜!
私もこの三人の姿をずっと見ていたいです。

chanyさん。
呼び方一つ、と思ってしまいそうですが、
佑司にとっては母親に君付けで呼ばれるのは
すごく違和感があったんでしょうね。
見ているといつものお母さんなのに、呼ばれるたびに
違和感感じていたんですよね。
すごく細やかに描かれているお話だな〜と思いました。

ららさん。
あの、ブイ!!は、本当に可愛かった!
私も、アーカブイの方で慣れてしまいました。(笑)
また遊びにいらして下さいね!
Posted by ちーず at 2005年07月28日 20:34
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