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2005年08月02日

スローダンス 第5話

『ギュッと抱いて』

牧野衣咲(深津絵里)は教習車の中で芹沢理一(妻夫木聡)に
小池実乃(広末涼子)が英介(藤木直人)の鹿児島行きについていって
しまったと話し出す。
理一は驚くものの、
「鹿児島といっても日帰りでしょ?焼酎買ったらすぐ帰ってくるよ。」と言うが
「鹿児島ってご飯美味しいんだよね・・・。」
「・・・うん。だから、焼酎買って、ご飯食べたら、」
「そのまま船に乗って、屋久島とか行っちゃうかもしれない。」
「いやぁ、確か兄貴、船ダメだったんじゃないかな。」
「感じいい高台かなにかで、桜島見てるよ。」
「あぁ・・・兄貴さ、高所恐怖症なんだよね。」
衣咲に睨まれる理一。その頃、英介は幻の芋焼酎を探して電話で酒蔵を調べていた。
「英介さん!」振り返った英介の写真を取る実乃。
「桜島だったらあっちだよ。」と実乃。
「桜島には行かないの。」
「珍道中?」
「遊びに来たんじゃないんだから。」
「遊びに来たんだよー。だって夏休みだもん。」
「そんな暇ないの。
 柴田の三年ものっていったら、市内の酒屋巡って1本あるかないかなんだから。
 行くよ。」
「・・・ケチ。」

衣咲の最後の講習が終わった。
「あとは卒検だけなんで、何か質問はありますか?」理一が聞く。
「鹿児島ってさ、」
「教習に関してのみです。」
衣咲は諦めて歩き出す。

本社で上司に、キッズブランドの店舗の場所について掛け合う
八嶋優太(小泉孝太郎)。
衣咲もその場にいるのだが、心ここにあらず。
「自由が丘ねぇ・・・。
 第一号店は、もっと場所外して様子を見た方がいいんじゃないの?」
上司は失敗したことのことを心配するが、八嶋はマーケティングの結果
駅前に12店舗も出店しているので、需要があるのでは、と頑張る。
そして八嶋は、宣伝部と進めている企画を説明する。
『maria』という子供服専門誌に、キッズブランドの宣伝用DVDを付録して
もらおうという企画だ。
これには衣咲も上司も大乗り気。
上司は、とりあえず10万でサンプルを作るよう二人に言う。
「10万ではちょっと・・・。」と衣咲と八嶋。
「じゃ、10万5千!どうだ!」

幻の酒を求めて酒蔵を訪ねる英介。
「お得意さんに作った限定品なので、ここには一本もない。」と言われる。
「じゃ、置いてある店を、教えていただけませんか?」
「悪いけど、そういうことまではな。」
「・・・なんだよ、買ってやるって言ってんのに!」>
そう小声で呟きながら蔵を出ていく英介。
「すいませーん。」実乃がにっこり微笑み職人に声をかける。

実乃は職人から酒屋の場所をゲット。
二人はその酒屋を訪ねていく。

八木商店。
「すいません!しば田の3年もの、下さい。」
「あれは売り物じゃなかと。」
売らないなら、置くなっつーの。」
そう呟き、店を出る英介。
「すみませーん!それ、下さい。」実乃スマイル!
「はい!」店主、即答。

「なんだよ。可愛けりゃ、なんでもアリかよ。
 ぜってー、可愛い女に生まれ変わってやる!」英介、ちょっと不機嫌。
「英介さん!写真!!」
実乃が指差す方向には、『西郷隆盛愛好の湯』と描かれた看板の下に
西郷さんの人形が。
http://www.edu.satsumasendai.jp/yuda-e/old_hppage/sub/kouku.htm
実乃がその横に並び、英介に写真を撮ってとせがむ。
英介も、最初は乗り気じゃなかったが、最後には西郷さんの頭に手を乗せ
にっこり笑顔。

八嶋はサンプルDVDの制作費用が38万円と知り、頭を抱える。

実乃に電話をする衣咲。
「店長!鹿児島っていい所ですよ!」
本当に鹿児島なんだ・・・。
 あのさ、今日・・・ティファニーじゃないの?」
「大丈夫です。最終の飛行機には乗るんで。」
「そう・・・そっか!気をつけてね。」
実乃の言葉に衣咲、一安心。

英介は、今日店に荷物が届くからと、早めの夕食を食べに行く。
「英介さんの店もこういうグラスにしたらいいのに。」
「綺麗でしょ、薩摩切子。」と店主が言う。
「薩摩切子ね・・・。いいかもね。
 よし。そろそろ行くか。」と英介。
「私、もうちょっといる。」
「え?だって飛行機、最終だよ?」
「英介さん、行っていいよ。
 大丈夫。子供じゃないんだから。」
実乃の言葉に店を出ていく英介。
一人になった実乃は携帯のアドレス帳の、『佐々木明』を開いてみる。

その頃、長谷部幸平(田中圭)と木田貴司(西野亮廣)は理一の家に
遊びに来ていた。
幸平は、フィルムフェスティバルに出そうと理一をせっつく。
「俺も木田も、お前とは違うの。サラリーマンなの。
 映画を撮る時間も金もないんだよ。」と理一。
「時間なんて作ろうと思えば作れんじゃん。」と幸平。
「金は?
 てーかお前、そんなの出してどないすんねん。
 もしグランプリ取れたとして、お前監督やんの?」と木田。
「そうだよ。工場どうすんだよ、跡取り息子。」
「それは・・・。
 いやほら、実乃ちゃんも惚れ直してくれるかなーって思って。」
「動機が不純!!」

理一の携帯が鳴る。
英介からだった。今から店に行って、荷物を受け取って欲しいと言う。
「こっちで一泊していくことにした。」と英介が告げる。

電話を終え、英介は実乃の隣の席につき、同じお酒を注文する。
実乃は英介が帰っていなかったことに驚き、そして少し微笑む。

『BAR MANU』を訪れる衣咲と八嶋。
荷物が届くのを待っている理一はごまかそうとするが、
幸平が、鹿児島に泊まることになったと話してしまう。

幸平は、実乃も一緒に鹿児島にいると知りショック!
「あの二人・・・今頃、何やってんすかね。」と幸平。
「あ・・・そこ、突っ込んじゃうんだ。」と衣咲。
落ち込む二人に
「トランプじゃないかな。」と理一。
二人に睨まれ、
「・・・なんて子供じゃないんだからね。」

「いい大人が二人で。」と幸平。
「やることは一つ。」と衣咲。
ため息をつく二人に
「いや、しりとり。」
衣咲と幸平、顔を見合わせて又ため息。

「つーか、大丈夫だよ。あの二人だし。
 第一実乃ちゃんには王子様がいるんだし、
 兄貴だってまだ完全に雪絵ちゃんと別れたって訳じゃなさそうだし。」
「君さ、それ全然フォローになってないから。」と衣咲。
「そうだよ。どっちにしたって俺ら、フラれてんじゃんか。」と幸平。
「え?ちょっと!”ら”って何よ。
 私は別に、英介さんのことどうこう思っている訳じゃないよ。」
「そうなんですか?」
「そうよ。」
理一は幸平にそう話す衣咲のことを見つめる。

木田と話していた八嶋は、木田が製作会社のディレクターと知る。
主に小動物専門と聞き、キッズのDVDにぴったりだと言い出す。
「で、どうしましょ、予算は。」と木田。
「10万!・・・7万・・・3万!」と八嶋。
「いやいや、下がってる下がってる。
 じゃあね、10万5千で手を打ちましょう!」
「10万5千!すっきり!!是非!!」木田の言葉に八嶋、大満足!

「美味しかったー!いいトコだね、鹿児島!」と実乃。
「明日こそ、朝一の便で帰るよ。ていうか、もう今日になってるけど。」
「今日、誕生日だったんだー、25歳の。」実乃が言う。
「え?うそ!?
 いいの?こんなことしてて。約束とかあったんじゃないの?」
「あったよー。彼とね、ティファニーでエンゲージリング買って、
 そのまま婚姻届出しに行こうって。
 結婚しようって。
 なーんて、6年も前の約束。」
「とりあえず行ってみれば良かったじゃん。
 もしかしたら億万長者になってたかもよ?」
「だってー。英介さんが、一緒に鹿児島来てくれって言うから。」
「はぁ!?言ってないよ、そんなこと。」
「一人じゃつまんないって。誰か一緒に行ってくれたらいいのにって。」
「そんなつもりで言ったんじゃなくって。」
「言った!」
「・・・はい。言いました。俺がついて来いって言いました。」
実乃が笑う。
「・・・本当は、怖くってさ。
 彼が来ないの、この目で確かめるのが怖くって。
 行けない理由が欲しかった。
 自分でもそんな約束、6年も前の約束、彼が覚えている筈ないって
 わかってんの。
 例え覚えてたとしても、もう来るはずないって。
 でも、蓋開けるの、怖かった。
 ずーっと大事にしまっていた宝箱を、
 開けるのが怖かった。
 だって、中には何も入ってないんだもの。
 でも、開けないうちは、大切に鍵かけて、しまっておけるでしょう?
 この中には、大事な大事な宝物が入っているんです!
 ・・・終わっちゃったー。誕生日。」そう言い、笑う実乃。
「バカだな、お前。」
二人は微笑み会う。
実乃の表情から笑みが消えていく。
今にも泣き出しそうな実乃を引き寄せる英介。
英介の胸で泣く実乃。
そして二人は見つめあい、キスをした。

朝。
目覚める実乃。隣には英介がいた。
実乃はベッドから起き上がり、窓から外を見つめていた。

キッズブランド、オープンに向けて準備を進める衣咲。

教習生を指導する理一。

衣咲の家に母(高畑淳子)が訪ねてくる。
「来週の日曜日、中華予約したから。北京ダック!
 日下部さんに、ご挨拶してよ。」
「日下部さんって?」
母親が手を顔に当てて恥ずかしそうに笑う。
「ご挨拶って、私、親じゃないんだからさぁ。」
「でもあなたの親になる人なんだから。」
「わかったよ。」
「それにしても酷い部屋ねー。」散らかった部屋を見渡す母。
「ここのところ忙しくて、片付ける時間なかったの!」
「部屋もだけど、顔も!酷いわよ。」
「え!?嘘。」
「仕事もいいけど衣咲。自分の年わかってるの?
 もう31よ?」
「充分過ぎる程わかってるよ。」
「いろいろ考えないと、そろそろ。
 カレンダーだってどんなに長くても31までしかないでしょ!」
「なによ、それ。」
「もう後がないってこと!」
母は7月のカレンダーをめくり衣咲に渡す。

理一が家に戻る。
「留守番ありがとな。」英介が土産を渡す。
「ありがと。あのさ、どうだった?鹿児島。」
「いいとこだったよ。飯美味いし酒美味いし。」
「いや、そうじゃなくて。」
「は?」
「いや・・・。兄貴、今日、店は?」
「そろそろ行かなくちゃ。」
理一はそれ以上聞くことが出来なかった。

兄の土産、さつま揚げ(かな?)に舌鼓を打つ理一。
その時携帯がなる。表示された名前にちょっとため息を付き、電話に出る。
幸平からだった。
「英介さん帰ってきた?」
「きたよ。」
「で!?」
「で、って・・・。」
「・・・理一に聞いても無駄か。」
「なんだよ、それ。」
「じゃあな。」

立て続けに電話が鳴る。着信の表示に苦笑いの理一。
「はい?」
「夜分に申し訳ないんですけど、」
「なんでしょう?」
「英介さん、帰ってきた?」
苦笑する理一。
「もしもし?」
「来ました。」
「で?」
「で?」
「はっ。だよね。君そういうの察知する能力、ゼロだもんね。」
「そういうのって、何ですか?
「だから、何かあったかどうか、普通わかるでしょう?空気で。」
「わかりませんよ。」
「全く?」
「・・・じゃあ実乃ちゃんに聞けばいいじゃん。」
「聞けないよー。」
「じゃあ兄貴は?今店にいるよ。」
「もっと聞けないよー。」
「あの、俺明日も早いんで。」
「私も。」
「じゃあ、そろそろ。」
「じゃ、おやすみー。」

ベッドに入り電気を消す衣咲。

理一が布団に入ると、又電話が鳴る。
着信を見てため息をつく理一。
「もしもし?」
「眠れない。」衣咲が言う。
理一、ため息。
「体はすんごい疲れてるんだけど、脳が動くの。
 一回気になったら、頭から離れないことってあるでしょう?」
「あぁ。クロスワードとか。
 あれでしょ?"あ"で始まって、縦4列でーとか。」
「違うよー。もっと、切実なことでだよ。」
「じゃあ、卒検の勉強でもすれば?
 あなた勉強すると眠くなるタイプだよ。」
「何よ、それ。」
「わかんないけど、イメージ。」
「ねぇ、歌、歌って。」
「はぁ?」
「子守唄とか、そういうの。」
「嫌ですよ。」
「何で。」
「普通、嫌でしょう。」
「あ、音痴なんだー。」
「・・・ひつじが一匹、ひつじが2匹、ひつじが3匹、ひつじが4匹、ひつじが5匹、」
「ありがとう。」
「ひつじが6匹、ひつじが7匹、ひつじが8、」
「ねぇ。ひつじって、匹でいいの?頭じゃないの?」
「ひつじが10匹、」
「あ、飛んだよ。」
「ひつじが・・・11匹、ひつじが12匹、ひつじが13匹、ひつじが14匹、ひつじが15匹、」
あくびしながら続ける理一に、衣咲は微笑みながら聞いていた。

『かきのみ幼稚園』を借りて、宣伝用DVDの試作品撮影が行われる。
監督の幸平は、子供達に動き方の説明をしていた。
木田は音声&カメラ担当。
衣咲は子供達の着替えを手伝う。

その頃理一は、広瀬歩美(小林麻央)といつものカフェでデート中。
映画を見に行こうと話していると、木田から電話がかかってきた。
席を外し、話を聞く理一。
撮影が全然進まないため、手伝って欲しいと言う。
理一はデート中と断るが、歩美に嘘をつき始める。
「今、えっと、先輩から電話で、急にシフト変わってくれって。
 だから今すぐに行かないと。」
「そっか。仕事なら、しょうがないね。
 いいよ、私。映画見て帰るから。」
「ほんと、ごめんね。」
歩美は理一にフライトのお土産といい、研修用にとネクタイを贈る。

撮影は難航。今日中に終わらないかもしれない。
そこへ、理一がやってきた。
あと5ポーズも残ってると知り、理一の表情も険しくなる。
「行くぞ!」理一が動き出す。

子供達を園庭へ連れ出し、「サッカーするぞ!」と笑顔で言う理一。
「はーい!!」子供達から歓声が上がる。
そして理一は、幸平と木田に子供達がボールを追う姿をカメラで追わせ、
八嶋を女の子チームに、衣咲を男の子チームに入らせる。
子供達も衣咲も、楽しそうに走り回る。
衣咲が休んでいるところへ、ボールが飛んできた。
「衣咲さん、ケツ!ケツ!」「放送事故!放送事故!!」
「なーんで事故なのよ!」そう言いながら衣咲が楽しそうに笑う。

子供達にわかりやすく指示を出していく理一。
衣咲はそんな様子を微笑みながら見つめていた。

撮影は無事終了。
理一は撮影したビデオをチェックしながら言う。
「衣咲さん、子供嫌いじゃなかったっけ?」
「あぁ。だね。」そう言ったあと、理一を見つめる衣咲。
「ん?」
「やっぱ向いてるよ。監督。
 いい顔してるもん。今までで、一番!出会ってから、一番いい顔してる!
 いつもより、三割増し、カッコいいよ。」
「微妙だね。」理一が笑う。
「三割だよ、三割!」
「そっちは一番ヒドイね。」
衣咲が睨む。
「あ!!そうでもないか。前なんか男に振られて号泣してたし。」
「相変わらずフォロー下手だね。
 上手なのは、映画撮るのだけなのに、もったいない!」

そこへ、歩美がやって来た。
デートを邪魔したお詫びにと、幸平が呼んだのだ。
「撮影だったんだ。」と歩美。
「ごめん。」
「ううん。」

これから打ち上げに夢の蔵へ行こう、と木田。
学生時代、理一の撮影を手伝った後飲みに行った。懐かしい、と幸平。
もともと台本にはキスシーンがあったのに、ヒロインが歩美に決まり
キスシーンをカットした、と冷やかす木田。
衣咲は、彼らの楽しげな様子を見つめている。
そして、自分は後から行くので、みんなにご馳走するよう八嶋に言う。

職場にお土産を届ける実乃。
「今日、店長は?」実乃が聞く。
「直帰だと思うよ。今日キッズの方に行ったから。」
「そうですか・・・。」
「鹿児島って、王子さまと行ったの?」と西山順子(村岡希美)に聞かれ、
「はい!」と笑顔で答える。

ティファニーの前で足を止める実乃。
携帯が鳴り、着信を確認する。『佐々木明』からだ。
「もしもし、実乃?俺、明だけど・・・久しぶり。」
「うん。」
「実乃、あの約束覚えてる?
 実乃の誕生日に、俺、迎えに行くって。
 覚えてる訳ないか。俺も行けなかったんだけどさ。」
「うん。私も。」
「そっか。
 じゃあ、今度改めて会わない?」

『BAR MANU』
酒を置く棚に、しば田を起き満足そうに微笑む英介。
カウンターに座る園田雪絵(蛯原友里)がそんな英介を睨みつける。
「あの、まだ開店前なんですけど。
 ・・・何か話しあるの?」
「どうして私から話さなきゃなんないの?
 話すとしたら、英介からでしょ。」
「ていうか、俺達もう、」
「お腹空いた!何か作って。」
英介の携帯がなる。
「出れば?女だ。」
英介が携帯に出る。
「もしもし。」実乃だ。
「うん。どうした?」
「あー、今、彼から電話があったんだ。
 今度、会おうって言われちゃって。」
「・・・良かったね。」
「・・・うん。」

携帯を切る英介。
「つまんない!」そう言い雪絵が帰っていく。
英介は雪絵には答えず、『しば田』をただ見つめていた。

『夢の蔵』
八嶋は理一たちに何度も礼を言っていた。
みんなが楽しそうに、その日の撮影を振り返る。
歩美にデートの邪魔をしてしまったことを詫びる八嶋。
「ううん。せっかくなら、私も見たかったなー。」と歩美。
「怖かったよ、理一監督!」と木田。
「衣咲さん、遅くない?」と幸平。
衣咲はまだ店に来ていなかった。

その頃、衣咲はウインドーに映った自分の疲れた顔に気づく。
衣咲が向かった場所は、『夢の蔵』ではなく『BAR MANU』。

「どうだった?鹿児島。」
「手に入ったよ。しば田の三年もの。」
酒をカウンターに置き見せる英介。
「えーっ!これが、幻の芋?」
「そう。」
「ほぉ〜。
 あ、実乃ちゃん、迷惑かけたりしなかった?」
「全然。何もなかったよ。」
「何も?」
「そう。なーんも。」
「そっか。」ほっとする衣咲。
「俺って何なんだろう。
 俺ってさ、いい加減に見えて、真面目なの。
 いや、いい加減に見える割りには、真面目なの?」
「何それ?」
「わかんない。」
「ねぇ。お店、開けなくていいの?」
「うん。ちょっとね、弱ってるからさ。」
「弱ってるかー。
 私もついていけなくて。」
「何に?」
「未来ある、若者に。
 人間が平等だとは思わないけど、時間って平等でしょ?
 私にも、あんな風にキラキラした時期はあったんだろうけど、
 それって、もう取り返しつかないよね。
 もう、結構大人になっちゃったんだなーって。
 これでもさ、お洒落なお店で店長なんかやっちゃって、
 年下の子たちに頼られて。
 自分でもちょっと、私ってカッコいいのかなーなんて思ったりして。
 結構、頑張ってたんだけど。
 気づいたら何か、こんなになってた。」
「弱ってんね。」英介が笑う。
「こんな時はさ、エステ行って、全身ピッカピカにして、
 お洒落してレストラン行って、美味しい物いーっぱい食べて。
 そしてギューーッて、ギューーーッて、誰かに抱きしめられたい。
 なんて、男、作ってから言えってね。」
英介が衣咲を優しく抱きしめる。
「こんな感じ?
 あれ?足りない?」
もう一度、抱きしめる。
「どう?元気になった?」
「はぁ・・・泣く!泣きそう。」
「やっぱエステとかないと、ダメか。
 泣けば?」
「無理。
 人前で泣くと、その場はスッキリするけど、あとで後悔するから。」
「いいじゃん。今日だけって思えば。」
「そんな、単純な話じゃないよ。」
「意外と単純だよ。いろんなこと難しいって、勝手に決め付けてるだけで、
 この世で起こることなんて。
 特に、俺ら庶民の身に起こることなんて、意外とみんな単純だよ。」
「そっかな。」
「そう。疲れたら休む。弱ったら休む。すげー簡単。」
「じゃあ、この世で起こること、みんな単純なら、簡単なら、
 そっちは、何で弱ってるの?」
「ああ。だね。」英介が笑う。
衣咲の瞳から涙がこぼれる。笑顔で涙をごまかす衣咲。

その頃、理一はビデオの編集作業をしていた。
衣咲の元気な笑顔に微笑む理一。
携帯を取り誰かに電話をする。

英介が衣咲の頭をポンポンと優しく叩く。
衣咲は微笑みながら涙を両手でぬぐう。
少し離れた所に置いたバックの中で、衣咲の携帯が鳴っていた。

かけていた電話が留守電に繋がり、電話を切る理一。
ビデオを巻き戻し、もう一度、「何で事故なのよー!」と言った時の
衣咲の笑顔を再生する。
その衣咲の笑顔に、理一はまた微笑んだ。


事態が動いてきましたねー。
英介と実乃はキスだけでなく、一線も越えてしまいました。
と思ったら、実乃の王子さまからの電話。
英介と実乃、もう破局!?
英介の思いつめたような顔。実乃に本気だったのかなぁ。
実乃が王子さまと会い、どう思うのかも気になります。
多分、自分が想像するほど、今はもう好きじゃないんだろうな。

英介にギューッとされる衣咲。
ほっとして、涙がぽろぽろこぼれてくる。
この泣き方が可愛いかった!
二人語り合うシーンを見ても、なかなかいい雰囲気の二人でした。

そしてビデオに映る衣咲の笑顔を見つめ楽しそうに微笑む理一。
あの笑顔の意味は!?
自分の気持ちに気づき始めた、という展開なら嬉しいかも。
歩美に嘘をついたことも、ポイントかな。
その歩美は理一にネクタイをプレゼントしました。
今の理一を好き、と理解していいのかな。



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posted by ちーず at 01:14 | スローダンス

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