2005年08月27日

ドラゴン桜 第8話

『バカの涙・・・夏休み課外授業』

夏の風物詩である東大模試がはじまった。
特進クラスの矢島勇介(山下智久)、緒形英喜(小池徹平)、香坂よしの(新垣結衣)、
小林麻紀(サエコ)、直美(長澤まさみ)、一郎(中尾明慶)はそれぞれの思いを胸に
模試に挑む。

桜木(阿部寛)や真々子(長谷川京子)、そして、4人の特別講師、
数学の柳鉄之助(品川徹)、国語の芥山龍三郎(寺田農)、
理科の阿院修太郎(小林すすむ)、英語の川口洋(金田明夫)たちも
龍山高校に集まり、生徒たちの健闘を祈っていた。ウロウロと落ち着かない様子で教室を歩き回る真々子に
「お前が緊張してどうする!」と桜木。
「そうですけど・・・。
 桜木先生は心配じゃないんですか?」
「全然。」
「冷たい人・・・。」
真々子の様子に小さいため息をつく桜木。

試験会場。
テスト用紙をめくる前に瞑想する勇介。
『まず、すぐには問題を見ないこと。
 それから、ゆっくり周りを見回す。』

『ヤッベェ。みんな頭良さそうだよなー。そうだよなー。
 こいつらみんな、東大受けるんだもんな。ヤッベェ・・・』と英喜。

『二郎もうあんなに解いてる。
 うわぁ・・・どうしよう。時間ない・・・。』と一郎。

『あーもう!こいつの鼻水すする音うるさい!!』と麻紀。

『やばいよ。テレビに取材されているのに・・・。』とよしの。

『この試験できなかったら・・・
 ダメだ。何書いても間違えてる気がする・・・。』と直美。

勇介意外の5人は、気が焦ってばかりいた。
「もう!!鼻ズルズルうるさい!!きちんとかんでよ!!」
麻紀が隣りの男子学生にティッシュをたたきつける。

麻紀の声に直美が振り返ると、試験官にカンニングとみなしますよと
注意されてしまう。
麻紀も、私語は禁止です、と注意される。
「私語じゃありません!この人の鼻水の音がうるさくて集中出来ないんです!」
「静かにしないと退室させますよ。」
「でもこの人の鼻水、」

「試験は己との対話だ。
 周りの連中は敵ではない。
 試験は常に自分との戦いだ。
 それを心に深く刻め。」
勇介が突然そう言う。

「君!」
「すみません。独り言です。」
勇介も試験官に怒られてしまったが、彼の言葉に特進クラスの5人は
落ち着きを取り戻し、今まで教わってきたコツを思い出していく。
そしてその後、試験に集中することが出来た。

真々子は桜木たちに、模試の結果の合格可能性のランク分けについて聞く。

A判定は合格可能性80%
B判定は合格可能性60%
C判定は合格可能性40%
D判定は合格可能性20%
E判定は・・・  

「えーっ!じゃあ、今日の模試、もしみんながE判定だったら
 どうするんですかぁ!?」と真々子。
「つまらんギャグだなぁ、模試をもしって。
 じゃあお前はヤツラがE判定だと思ってるのか?」と桜木。
「そ、それは・・・そんなわけないじゃないですか。
 あれだけ勉強したんですから!」
「ならそう信じてろ!」
「信じてます!」

模試を終え、龍山高校に戻ってきた生徒たち。
取材クルーと教師達がそんな彼らを出迎える。
「あなたたちは、この龍山高校の期待の星よ!」
今までと掌を返したような態度の教師をあしらい、
6人は桜木の待つ教室へ。

講師全て揃っていることに、「お出迎え?」と生徒達。
「ばか。これは模試活用法の一つ、『鉄は熱いうちに打て』だ。」
早速、桜木の提案で模試の自己採点をスタートさせる。
模試での弱点を把握し、補強していく狙いがあったのだ。

「で、お前らどうだったんだ?」桜木が聞く。
「まぁまぁかな。」と勇介。
「出来たと思うんだけどな。」と英喜。
「だよね。」とよしの。
「僕も。」と一郎。
「私も。あれだけ書いたしね。」と直美。
「うん。」と麻紀。
6人が晴れ晴れとした表情で答えるのに、満足げな真々子。
だが桜木と講師たちは深刻な表情。

試験前に言われ、生徒達は問題用紙にちゃんと答えを写してきていた。
各教科の答え合わせが始まる。
勉強してきたことが、成果となって現れているようだ。

桜木が結果を黒板に張り出す。

矢島    147
水野    153
奥野    158
緒方    150
香坂    153
小林    151
予想平均点 168


「平均点いってない・・・。」
「結構出来ている感じだったのにな・・・。」
落胆する生徒達。

「このぐらいの点数だと、判定はどうなんでしょう?」
取材を続けるスタッフが質問する。
「そうですね・・・。」桜木が考え込む。

「C?」
「もしかして・・・D?」

「E判定だ。」と桜木。生徒達の表情がいっそう曇る。
「E判定。合格の可能性5%以下。志望校変更せよ、だ。」

「あんなに、勉強したのに・・・。」
生徒達はショックを隠せない。

テレビクルーが呆れた様子で引き上げていく。
明日美がバカにしたように麻紀に笑いかける。
「バカ女が見栄張ってるだけって言ったじゃないですか。」
スタッフにそう言う明日美。

「やっぱり私たち騙されてたんですね!」
教師たちはまた態度を一転。
理事長に桜木をクビにするよう直談判しに行く。

「どういうことだよ。これだけ勉強してE判定って。」と勇介。
「それがお前らの実力だからだよ。」と桜木。
「そんな言い方・・・。」と真々子。
「私辞める!!桜木先生のうそつき!
 俺の言うとおりにやれば東大入れるって言ってたじゃん! 
 あんたのせいで大恥かいた!
 みんなだってそうだよ。テレビなんかいれちゃってさ!
 私たち世界中の笑いものだよ!」麻紀が怒りを爆発させる。
「がんばれがんばれって言われて勉強しちゃったけど、
 E判定じゃ・・さ・・・。」と直美。
「おい、やめろよ。」と勇介。
「5%以下って、20年受け続けても一回も受かんないってことでしょ!
 あんまりだよ。
 ちゃんとそっちのルールに従って勉強してきたのに!」
直美も怒りが収まらない。
英喜も席を立つ。
「英喜・・・」勇介が呟く。
「なんか・・・僕が東大目指していると、家の雰囲気が悪くなって・・・
 でも東大模試でいい成績が取れたら、両親も弟もわかってくれるはず
 じゃないかって。
 だけどE判定で・・・だから・・・」
「行こう勇介!もういいじゃん、東大なんて。」とよしの。

「お前らの思考回路ってーのは、すぐに頭にくることしかねーのか。
 多少勉強するようにはなったが、やっぱりバカはバカのままか!」
「ふざけんなよ!
 こっちは今までずっと必死で頑張ってきたんだぞ!
 今までのは何だったんだよ、あ!?」英喜が爆発する。
「緒方、親を見返すチャンスを逃して逆切れしてんのか?」
「お前に俺の気持ちがわかんだよっ!」
「模擬試験の結果で何を見返すってんだ!?
 見返すんなら来年の受験の本番だろう。
 東大に入って初めて親父さん見返せんじゃねーのかよ。え?
 そうやってお前らいつもいつも感情に流されて
 物事、論理的に考えられないから今までバカだったんだよっ!」
「その言い方はあんまりです。」真々子が桜木を止める。

「みなさん、不思議だとは思いませんか?
 君達の今の実力で東大模試を受けたら、大体どれ位の成績になるか、
 私たちがそれを性格に予測できないと思いますか?」と芥山。
「私たちは受験のプロですからね。」と川口。
「E判定より上の結果が出ないのは、わかっていた。」と柳。
「わかっていてなぜ、今の時期に君達に東大模試を受けさせたのか。」

「ふざけんなよ!E判定だとわかってた?
 わかっててなんで何の手も打たないんだよ。
 俺ら龍山から東大受けるってだけで、バカにされてるんだよ。
 ふざけんじゃねーよ!」勇介までもが席を立った。

「もういい。私辞める!!」麻紀が教室を出ていった。
麻紀に続き、英喜、直美、一郎が出ていった。
「みんな待って!」真々子を追おうとするのを引き止める桜木。
「勇介・・・」よしのが声をかける。勇介が席に付く。
「勇介、残るの?」
「香坂、自分の人生だ。自分で決めろ。」と桜木。

「桜木先生、みんな辞めちゃいますよ。」と真々子。
「受験ってーのはな、誰かにやらされているうちはダメなんだ。
 ここで消えるようなやつは消えちまえばいい。」
「何メチャクチャなこと言ってるんですか?
 全国放送でみんながE判定だって流されちゃうんですよ。
 あの子達が傷つくの当たり前じゃないですか。
 こういう時こそ、教師である私たちが彼らの心を、」
「矢島、香坂、今日はこれで解散だ。
 特進は明日あさって、休みにする。
 適度な休みが脳には必要だ。
 お前ら東大模試でかなりとばしただろ。
 気分をリフレッシュさせて、月曜日の朝7時、ドラゴン桜の前に集合だ!
 第2回目の合宿を行う!」
「ふざけんな!合宿やるんだったら模試の前にやれっつんだ。
 そしたらみんなE判定じゃなかったかもしれねーだろ!」
「この合宿はよ、東大模試の後にやるからこそ意味があるんだ。」
「俺だって来ねーかもしれねーかんな!」
そう言い捨て、勇介とよしのが教室を出ていった。
「あの、桜木先生、」と真々子。
「しつけーな。特進は、去る者は追わず、だ。」
「でも・・・ 
 生徒が5人以下になったら特進クラスは廃止、
 先生はクビなんですよ?」
「ふぅ・・・ヤレヤレ。」と小さく呟く桜木。

教師達は理事長室に行き、桜木のクビを訴えようとしていた。
が、理事長は不在。
倒された写真フレームに、
『旅に出ます。
 探さないで下さい。』
泣き顔のイラストの入ったメモが残されていた。
怒る教師達。理事長室の前を誰かが通りがかる。
理事長が見ていたのか!?

公園でぼーっとしていた勇介は、下校途中の小学生が「特進クラスE判定」と
噂するのを耳にする。

「緒方家の恥になることだけはやめてくれ。 
 世の中は、お前が考えているほど簡単じゃないんだ。
 一夜漬けで東大に行こうだなんて、ずうずうしいにも程がある。」
父親にそう言われてしまう英喜。
「一夜漬けなんかじゃねーよ!俺達はマジでやったんだ!」
「お前ってやつは、ほんっとに口だけだな。」
英喜の格好を上から下まで見下ろしながら父親が言う。
英喜はギターを抱え、家を飛び出していった。

「俺、自己採点B判定だったんだよね。兄貴は?」
そう言うと、鼻で笑い、一郎の前から立ち去る二郎。
勇介からメールが届く。
『今日は1日勉強休み。月曜から合宿だってさ。朝7時に学校集合。
 一応、伝えとく。』

『私、行かない!
 もう現役東大アイドルなんてムリみたいだし』
麻紀のメールに勇介が返信する。
『あきらめんの、まだはえーんじゃないの?
 あいつ、見返したいんだろ』

『ねぇ、今日花火しない!?ふたりで』
よしののメールに勇介が返信する。
『ごめん、今日は一人でいろいろ考えたいんだ』

『おれ、やめるよ。
 東大受かる可能性ねーのに、続ける意味ないじゃん。』
英喜のメールに勇介が返信する。
『そうかもしれねぇけどさ。でも、おれはもう、逃げ道ねーから
 それにさ、前みたいに、何にも目指すもんがねー毎日に、
 戻りたくねーし』

合宿の準備に追われる真々子。
「あ、そうだ。奴隷よ!
 布団は必ず使う前に干しとけよ。
 そうしないと、睡眠の質が低下しちまう。」と桜木。
「今からするところです!
 でも、こんなことまでしておいて、本当に矢島さんと香坂さんしか
 来なかったら、どうするつもりですか?
 ふたりだって、もしかしたら・・・」
「お前さ、俺のこと心配してんのか?」
「はぁ!?あなたじゃなくて、生徒達のことを心配しているんです!」
「突然だがよ、
 ここが海で、お前の目の前に腹をすかせた生徒達が倒れている。
 お前は釣竿を一本持っている。
 お前は魚の釣り方をよく知っている。
 どうする?」
「は?それは・・・
 魚を、釣ってあげます。」
「だからお前はダメなんだよっ!」
「どうしてですか?だって、お腹が空いてて動けないんでしょう?
 面倒を見てあげるのは当然じゃないですか。」
「じゃあやつらは高校を卒業したあとはどうするんだよ。
 いいか、お前の言い分は、一見人間愛に満ちていて、 
 生徒思いのように見えるが、
 実は心の奥底はやつらを過小評価していて、能力を認めていねぇ。
 一生あいつらの魚を釣ってやるつもりか?
 それとも、やつらが高校を卒業したら、その途端に知らん顔か?
 その場しのぎで魚を釣ってやるよりも、
 やつらが自力で食っていけるように魚の釣り方をきちんと教えてやるのが
 大事なんじゃねーのか?
 いいか。いい教師ってーのはよ、例え生徒が今は出来なくても、
 出来る様になると信頼して、最低限のサポートをする。
 あとは生徒の自立に任せられる教師だろ。
 生徒達を甘やかさず、その代わり、少し努力すれば乗り越えることが出来る
 壁を用意してやる。
 そしてやつらが自分で考え、自分で決め、自分で行動する自立心を育てる。
 今度の東大模試は、そのための一つの壁だ。
 こいつをコピーして、生徒全員のところへ届け回ってこい。」
桜木はそう言うと、真々子に一枚のグラフらしきものを渡す。

部屋でぼーっとする直美。
1階の店では客が、龍山から東大なんて所詮ムリ、と直美の噂をしている。
「あら、いいじゃない、無理だって。
 あの子なりに、気が済むまでやれば。」と母。
「あれ?ていうことは、ママもダメだと思ってたんだ。」
「当たり前じゃない。私だってね、自分の娘がどの位バカなのか
 わかってるつもりよ。」

「そういう言い方ねーんじゃねぇ?おばさん。」勇介がやって来た。
「おばさんがブーのこと信じてやんなくてどうするんですか。
 あいつマジで頑張ってたんですよ。」
「だって・・・」
「どうしたの?」直美が降りてきた。
「ちょっと話あってさ。」

外を歩きながら合宿のことを伝える勇介。
「行かない。私もう辞めるって言ったじゃん。
 用ってそれだけ?」
「まあな。」
「メールでいいじゃん。それか電話か。」
「お前が教室泣きながら出ていったから気になったんだよ。」
「泣いてないよ。」
「泣いてたろ。」
「泣いてないって!」
「泣いてたっつーの!」
勇介が川原の土手に座り込む。
「何であいつ、俺らに模試受けさせたんだろうな? 
 俺らに恥かかせても、あいつが得することなんて何もなくねー?
 あいつむかつくやつだけど、そういう無意味なイジワル
 ぜってーしねぇって思うんだ。
 あいつの腹の底わかんねーまま終わるの、悔しくね?」

ふたりの姿を見つけた真々子が走り寄る。
真々子はふたりに、桜木に託されたグラフを手渡した。

タバコを買いに出た桜木は、そこでばったり英喜と会う。
「緒方よ、問題届いたか?」
「問題?」

その頃、英喜の姿を探しまわる真々子。
「どうしよう!緒方君だけ見つからな−い!!」

「ったく、つかえねー奴隷だな。
 ま、いいや。
 お前、タバコ持ってねーか?」
「持ってるわけねーだろ。」
「緒方よ、世の中で成功するのに一番邪魔になるものって何だかわかるか?」
「なんだよ、いきなり。」 
「俺の目的はな、お前らを東大に合格させ、龍山高校を建て直し、 
 敏腕弁護士として世間に認知されることだ。
 そしてお前は東大に合格することで、周りの皆を見かえしてやりたい。
 つまりな、俺とお前は東大合格によって、大きな利益が得られる。
 いわば運命共同体ってわけだ。
 だがな、思い通りにことが運ばないのが世の中だ。
 必ずあるものが成功の邪魔をする。何だかわかるか?」
「そんなこと知るかよ!」
「人間の感情だ!
 つまらねー意地や妬み、ひがみ、思い込みが全てをダメにしちまう。
 そういう感情を飲み込んで目の前にある利益を取れるか取れないか、
 それが勝負の分かれ目だ。」
「取るとか取らねーとか勝負、勝負って、何なんだよ!
 そんなに勝つことが大事かよ!」
「勝つことでしか道は開かれないんだよ。
 いくらバカにされようが、世の中に無視されようが、
 結果を出せば全て見返せるんだ。
 たった一つ試験に通るだけで、そいつを取り巻く環境は劇的に変わる。
 だからよ、緒方。
 一時の感情で利益を失うバカにだけはなるな。」

「あーっ!見つかったぁ!」真々子が英喜の姿に笑顔を見せる。
「やれやれ。」と桜木。

桜木が生徒達に配ったプリントには、
『次の日本のグラフが何を現しているのかを考えよ』と
問題が書かれていた。
それを見つめ、考える勇介。

部屋に戻った直美も、迷いながらもそのプリントを手にとる。

明日美からのメールを無視し、プリントを見つめる麻紀。

一郎も、よしのも、英喜も、別の場所でプリントを見つめていた。

月曜日。
「もうすぐ7時ですよ。みんな来ますかね。」不安そうな真々子。
「来るさ。勉強っていうのはな、麻薬と同じ習慣性があるんだ。
 わからない問題をそのままにしておくと、
 気持ち悪くて悪くてたまらないはずだ。」
ドラゴン桜の前で桜木が言う。
「もう少しマシな例えはないんですかぁ!?」
「ない。」

勇介がやって来た。
「あぁ!良かった〜八島君来てくれて。他のみんなは?」真々子が聞く。
「さぁ。一応声かけたけど、あとは個人の問題でしょう。」と勇介。
「そんなぁ・・・。」
「あと1分ある。」と桜木。
「1分ですよぉ!?」

「2sinXcosX」桜木が唐突に問題を出し始める。
勇介は出された問題を次々と解いていく。
「こんな時に何やってるんですかぁ!?」
真々子の問いを無視して問題を出し続ける桜木。勇介がそれに答えていく。
「よし!」
1分間も無駄にしなかったんですね。

そこへ、英喜、直美、一郎、よしの、麻紀がやって来た。
「お前ら1分遅刻だ!」
「この時計では今が丁度です!」と直美が一郎の腕時計を指す。
「この時計では遅刻なんだ!」と桜木。
「違いますー。」

「別に来たくて来たんじゃないもん!」と麻紀。
「この問題、これだけじゃわかんないし。」と英喜。
「今家にすごくい辛くて・・・」と一郎。
「勇介見張ってないと浮気しそうだし。」とよしの。

「よし。これから夏合宿始めるぞ。」
「じゃ、みんな教室に、」と真々子。
「いや、合宿の始めは課外授業からだ。」
合宿に参加するってまだ決めたわけじゃない、と生徒達。
「この答え聞かないと気持ちわるいから来ただけだし。」
「そのための課外授業だ。
 いいから全員ついてこい!」

桜木たちが向かった場所は、東京大学。
「こうやって歩いていると、本当に東大に入った気に・・・」と英喜。
「英喜!」と麻紀。
「ならないならない!」
「いいや、なれ!
 そういう具体的なイメージが大事なんだ。
 お前ら少し前まで自分が東大受けるなんて想像もしていなかった。
 それが今はどうだ。
 来年自分がこの場所に立っていること、少しは想像できるだろう。
 それが受験には大事なんだ。」
「でも・・・実際E判定な訳だし・・・」と一郎。
「そこで、このグラフだ。矢島解説しろ。」
「何で俺なんだよ。」
「何だ。何もわかんなかったのか?」
「最初の数字が4で、12、その次が1だから、月のことでしょう?」
「あ、そうか!」と直美。
「縦軸の一番上の数字が80。下が30だから、」と勇介。
「偏差値だ!」と麻紀。
「じゃ、日本のグラフの意味は?」
「わかんねー。」
「しょうがねーなぁ。じゃ、ヒントをやるよ。」
桜木はそう言うと、東大生たちに向かって大声で声をかける。

「東大生の諸君、おはよう!
 ここにいるこの高校生達は、平均偏差値36、東京一のバカ学校
 龍山高校に通う生徒達だ。
 東大生諸君、聞いてくれ。
 この龍山のバカどもは、来年、この東大を受ける!」
真々子らが止めるのも聞かずに桜木が続ける。
「この東大生の中で、高校3年の夏の時点で、実は偏差値が50に届いて
 いなかった者がいるはずだ。
 もしいたら、申し訳ないが、このバカどもに教えてやってくんないかな、
 手を挙げて。」

「いないよねー。」と東大生たち。
「そんなやつ、いるわけないじゃん!」
桜木の見るほうを生徒達が見る。
すると、恥ずかしそうに手を挙げる学生が何人もいた。
「ちょっと話を聞かせてくんないかなー。」
桜木に言われ、その学生たちが集まってくる。

「君達の偏差値はいくつだ?」
「50ちょうどだったかな?」「俺48!」「私、47。」
「君達現役合格だろ?」
「はい。どうしてわかるんですか?」
「現役は浪人生と違ってまだ基礎がついていない。
 だから夏の段階で浪人生と混じって模擬試験を受ければ、
 偏差値はそれぐらいに決まってる。」
「でもまぁ、余力がある分、現役の方が追い込みに適してますから。」
学生はそう言う。
「どうもありがとう!」と桜木。

「わかったか?
 つまりこの下の曲線こそ、お前らが現役で東大に合格する
 理想の偏差値の伸び方だ。
 模擬試験の判定ってのはな、あくまで今すぐ試験を受けたらっていう意味だ。
 だから現役生は夏までに勉強体力をつけていくことが大切だ。」
「勉強体力?」真々子が聞く。
「ああ、スポーツにいたっては、強い筋力とスタミナが必要だろ?
 勉強にも、基礎学力が必要なんだよ。
 ここできちんと勉強体力をつけておけば、秋以降偏差値は爆発的に
 上がっていく。
 それに偏差値っていうのはよ、このもう一つのグラフのように、
 最初から一気に上げると必ず無理がくる。
 上ばかり見ていると足元がおろそかになりがちになる。
 今は弱点を補強し、当たり前のことを当たり前にできればいいんだ。」 
「相変わらず犯罪的に口がうめーな。」と勇介。
「事実を事実として言っているだけだ。
 だから小林、お前も、奥野、お前も、
 香坂も、緒方も、水野も、矢島も、
 この曲線のように偏差値を延ばし、
 来年の春には東大生として、このキャンパスを歩け!」
生徒達の表情に笑みと力強さが戻った。

夏合宿が開始した。

そして2週間後。
東大模試の判定が戻ってきた。
それぞれ、封を開け確認する。

「E判定」と勇介。
「合格確立、5%以下」と直美。
「志望校変更をお薦めします」とよしの。
「ご丁寧にどうも!」と英喜。
次の模試、もしも又E判定だったら・・・と不安を口にする生徒達。
先ほどから固まっていた一郎によしのが声をかける。
「それがその・・・どうしたもんだろう・・・
 Dなんです。」
「え!?」
「D判定。」
歓声を上げる5人。
よく見ると、一郎と5人の点数の差はわずか。
「っていうことは、もしかしたら!!」
生徒達も、講師たちも、こっそり覗いていた教師の何人かまでもが
大喜び。
生徒達は自主的に答え合わせを始める。
嬉しくて涙が出てきた真々子は桜木の元へ行き、
「桜木先生、ハンカチ!」
「やれやれ。ほれ、どうせお前んだ。使え!」
「返して下さいー。」嬉しさに号泣する真々子。
「もしかしてx3、実は最初からわかっていたんじゃないんですか?
 みんなD判定取れてもおかしくない成績だって。」

「高くジャンプをする時に一度しゃがみ込んで弾みをつけるでしょう?」
「それは強力なバネになりますからね。」
「子供達が上昇しようとしている時も同じなのだ。
 一度落ち込むことで」
「強いバネが生まれます。」
講師たちが口々に言う。
「はぁ・・・。」と感心する真々子。
「とはいえ、現実はまだD判定がたった一人。
 これからもっともっと追い込みをかけなくては。」と桜木。
「大丈夫でしょう。彼らなら。」と川口。
「今回の試験で、一段と成長しましたね。」と芥山。
「よっし。これからが後半戦だ。」
桜木の言葉に、真々子が、講師らが力強く頷いた。


冒頭、試験会場で焦る皆を落ち着かせようとした勇介、
頼りになりますね。
この中で度胸が一番ある。腹が据わっています。
彼がいなかったら、5人は焦ったまま実力を発揮することが
出来なかったでしょう。

それでも判定はE。やはり厳しい世界です。
やる気を失った生徒たちに、戻ってくるきっかけを与えた桜木。さすがです。
みんな、帰ってくるきっかけが欲しかったんですよね。

目標とする東大に連れていき、現役東大生の言葉を聞かせ、
再びやる気を取り戻した生徒達。
また一段と成長したようですね!
そして、彼らのE判定は限りなくDに近い点数だった。
合格可能性20%という数字!!

勉強体力という言葉、初めて聞きました。
基礎をしっかりとつけた6人。これからの爆発的な伸びが楽しみです。



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主題歌
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挿入歌
山下智 『カラフル』 (CDリリース未定)
作詞:山下智袖 作曲:森元康介 編曲:十川知司


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この記事へのコメント
英語や寺田農や長谷川京子や、国語とか大きい英語とかはじまった
数学とか一郎などを特進するかもー
Posted by BlogPetのぶるーじーん at 2005年08月27日 20:23
毎週、特進の生徒たちはたくましくなっていきますね。今回模試で桜木が生徒たちを罵倒したことは生徒を鍛えることもありましたが2つのことがあったからとおもっています。
ひとつめは、テレビ局を遠ざけること。E判定じゃ番組にならんと打ち切りになりました。
もうひとつは井澤先生ができないことを桜木先生がやらざるを得なかった。(井澤先生は本当は生徒と一緒に勉強していつも1位になり生徒を罵倒する役目を桜木から命令されていたが1位にすらなれず、使えない野郎だ。といわれていた)やはり弁護士、思考が感情的ではないですね。
Posted by TALK SHOW at 2005年08月27日 20:55
こんばんは。
東大キャンパスまでいって
みんなのやる気も復活しましたね。
しかし、桜木、ほんとに口がうまい。。。
Posted by honey at 2005年08月27日 21:09
いろいろとためになることを
教えてくれるドラマですよね。
親も先生もある程度まではヒントを
与え、壁を作ってあげて乗り越えさせる
のが大事っていうのは言うのは
簡単だけど実行するのは難しいですよね。
つい、甘やかしてしまったり
しそうですもんね。桜木って本当に
いい先生ですよね。
Posted by みのむし at 2005年08月27日 23:33
こんばんは。コメントありがとうございます!

TALK SHOWさん。
なるほど!桜木先生はそこまで考えていたんですね。
生徒達は学力だけでなく、精神力もメキメキと
アップしています!

honeyさん。
桜木先生の口の上手さは商売上!?
生徒達がそこを突っ込むのが面白かったです。

みのむしさん。
そうなんですよ。親としてあの言葉に
思うことが多々ありました。
壁を用意し、手を貸しすぎず・・・。
なかなか難しいことですよね。
Posted by ちーず at 2005年08月28日 00:04
このドラマを見て僕の高校時代が思い出しました。6人全部東大に入るようになってほしい。頑張って。。。。
Posted by 朴秀源 at 2005年08月29日 00:21
確かに今回の勇介は何気にリーダーシップを発揮して、みんなをよく纏めていましたよね!
今回の件で特進の生徒達は更に絆が深まったと思いますし、これだけの短期間でD判定に近い成績を収められた事は本当に大したものだと思いますので、今後も一生懸命頑張ってぜひとも全員が東大に合格するようになると良いですよね!!
Posted by フェイク・ヒーロー at 2005年08月29日 07:07
今回は東大を目指すということの再確認というか、再認識をしてもらうための話だったように感じました。
最終的には桜木のいう「自立心」を持って、改めて東大を目指せそうですね。
一体何人の東大現役合格になるか、とても楽しみです。
Posted by lavish at 2005年08月29日 13:23
ストリーが完璧で 内容が良くわかりますね^^みんなが東大に入れたら いいですね
Posted by ami at 2005年08月29日 17:33
いつも読ましていただいてますよ^^耳が聞こえ難いので ここの文で よく分かります
Posted by ami at 2005年08月29日 19:43
こんばんは。コメントありがとうございます!

朴秀源さん。
高校時代、あんな風にお勉強なさいましたか?
6人揃って東大合格してくれると嬉しいですね!

フェイク・ヒーローさん。
そうですよね!偏差値30台だった彼らが
D判定ラインまで来てるのだからたいしたものです!
今後の爆発的な伸びが楽しみ!!

lavishさん。
再認識・・・そうですね。
あの独特な雰囲気に飲み込まれないよう、
慣れることも意味があったと思います。
全員揃って・・・合格を!!(笑)

amiさん。
ありがとうございます!
みんな揃って合格してくれるといいですね。
またお気軽にコメント残していって下さい!
Posted by ちーず at 2005年08月29日 23:36
amiさんのアドレスに入った記事を見させていただきました。
あぁ、それは私の記事・・・。
どうかリンクの方よろしくお願いいたします。
この記事書き上げるのに3時間以上かかっているんです・・・。
Posted by ちーず at 2005年08月30日 00:04
今回も面白かったです!

さすがに「特進クラス解散か?」と思ったけど、
桜木がほんと上手いこと引っ張っていますよね。
勇介の「相変わらず犯罪的に口がうめーな。」も、
良く分かる気がします(笑)。

でもその勇介も、
以前は桜木が行う行動に不満ばかり言っていたけど、
最近では「その行動には何か意味がある?」と
まず疑うようになりましたよね。
彼も成長しているんだなあ、と・・・。

それから別の話ですが、例の告知記事を読みました。
このレビューに関しては、完成まで3時間以上も!
思い入れがある「のーと」を転写されると、
やっぱり辛いものがありますね・・・。
普段知り得ないちーずさんの悩みが分かりました。
Posted by ads(あず) at 2005年08月30日 02:11
あずさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

生徒達は桜木先生の口の上手さを知っていつつ、
それでも彼についていってしまう。
良い関係ですよね!
それに桜木先生の生徒達を見つめる表情も
時々とても愛情深い!!

どうしてもセリフを拾っていると、
一つの記事に3時間はかかってしまうのです。
なので、それをコピペで持っていかれて
自分が書いたように記載されてしまうのは
さすがにちょっと凹みました。

amiさんのリンク、見られないようになってしまいました。
リンクさえ貼っていただければ構わないので
復活して下さると嬉しいです。
Posted by ちーず at 2005年08月30日 21:08
TBありがとうございました。
リンクの件,ぜひお願いします。光栄です♪

あと,adsさんも書かれていた別件の話,
当然のことながら3時間,かかるんですよね〜。
私も,勢いで書いていた「大奥第一章」のころはまだよかったんですが,「ごくせん」で一字一句拾うようになって(意味が変わらない程度に縮めたりもしますが,セリフは忠実を心掛け,描写は的確な表現を追求すると…)もうダメだということで,あらすじは公式HPからのコピーで済ますという堕落で割り切りました(でもコピペ対策?手抜き?でどこの公式あらすじも間違いがけっこう混じってますね)。
しかし「ドラゴン桜」ときたら…土曜の半日つぶすのなんてざらですからね。何やってんだろう俺って思いますよ…。

こんな大作業を週何本も欠かさず続けておられるちーずさんには本当に頭が下がります。m(_ _)m
Posted by d_d- at 2005年09月01日 12:44
D.D.さん、こんにちは〜!
D.D.さんの大奥レビューやごくせんレビュー、
素晴らしかったからなぁ。
私は『タイガー&ドラゴン』が一日がかりになることも。(汗)
時々、これでいいのか!?って思っちゃいます。(汗)
でもまぁ子供も手が離れた年頃なので、
趣味として無理のないように続けていこうと思います。
リンクの件ありがとうございました!
(ただいまスクロールバーにつまづき修正中!)
Posted by ちーず at 2005年09月01日 12:55
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