2006年06月06日

トップキャスター 第八話

『恋するふたり』

料理や掃除を完璧にこなしていく飛鳥望美(矢田亜希子)、
いつのまにかアシスタントとしても優秀になりつつある。
自分で企画書まで作っていた。
「なんで!?なんでこんな、しっかりさんになったの!?
 これじゃあなた、完璧なアシスタントさんじゃない!?」
「椿木さんのお役に立とうとしているだけです。」
「嫌!こんな飛鳥望美なんて嫌!
 くっそぉ、何か弱点を見つけなければ!!
 ちょっとキャスターの代理を務めたぐらいで、 
 あんたの思い通りにはさせないわよ。」
そんな望美に、椿木春香(天海祐希)は複雑な心境。
「私、来週誕生日なんですよ。
 もう28になりますし、恋も仕事もどんどん伸ばして、
 しっかりしなきゃなーんて。」
「ふーん。だからキャスターの座を乗っ取ろうと!」
「乗っ取りません!
 あれ?何で椿木さんのLOVEがあんな上昇しているんですか?
 まさか取締役と!?」
「そんなわけないじゃないよー。」動揺する春香。
前回望美が作ったグラフ、LOVEの部分が1cmほど上昇中!春香と望美が局に着くと、石場(生瀬勝久)が誕生日ケーキを用意
していた。二人は望美のお祝いかと思い、嬉しそう!
だが石場はみんなを集めると、家に帰れないからと、愛娘の誕生祝いを
始め出した。
「何であんたの娘の誕生日みんなで祝うのよ!!」と令子(須藤理彩)。
「祝うだろ?普通。」
「祝わねーよ!普通!!」みんなが声を揃えた。

蟹原健介(玉木宏)は、自分の母校・友成学園の企画を持ち込んだ。
友成学園はサッカー強豪高。
春香を初め、スタッフたちはスクープ性がある、と即採用。
だが、蟹原が企画したのは、野球部。
廃部寸前のところ、部員たった9人で、県大会決勝まで
勝ち上がってきたのだ。
「なんだー。」「こんな時期に野球の特集しても・・・。」
「サッカー部だったら良かったのに。」とスタッフたち。
「スクープじゃないからいらないや。はい、没!」と春香。

そんな中、地区優勝を目前に、その野球部が、喫煙という不祥事を
巡って出場辞退を検討していると連絡が入る。
「ふーん。スクープね。」と春香。
「あ!獲物を狙うハゲタカの目だ!」と望美。
「はい、採用!!」

友成学園に向う春香、望美、蟹原、伊賀(松田翔太)。
「別に喫煙自体をバッシングしようとは思ってないわよ。
 部員の1人が喫煙したからって、
 連帯責任で出場辞退って、これ、どういうことなのよ。」と春香。
「しょうがないんじゃないんですか?」と蟹原。
「じゃあなに?
 角高さんが、結婚詐欺したら、私も辞めなきゃいけないの?
 飛鳥さんが銀行強盗したら、私も辞めなきゃいけないんですか!?
 事実関係を確認して、出場を辞退する必要があるかどうか、
 問題提起するのよ。
 そしたら蟹ちゃんの撮ったVも使えるでしょ。」
「お願いします!うちの後輩を助けて下さい!」

春香たちがグラウンドに着くと、そこはサッカー部一色。
グラウンドのほとんどをサッカー部が使い、生徒たちが声援を
送っていた。
そこへ、内藤久美(中越典子)という女性が現れる。
蟹原の元同級生、しかも元カノの彼女は、今はこの学校で
野球部の部長をしているらしい。
「このたびは、申し訳ありませんでした。」クミが春香たちに謝る。
春香がどういういきさつで喫煙が発覚したのかを聞く。
教育委員会の視察のが来ていた日、パソコンルームで喫煙していた
生徒が慌てて逃げていった。
その日は日曜。運動部の部員しか学校にいなかったため、
教師たちは部室の検査を行い、野球部の部室のロッカーから、
タバコと、吸殻を入れた空き缶が見つかった。

「部室から発見されただけで、誰が吸ってたかは
 特定されていないんですよね?」
春香の言葉に頷く久美。
「県大会の出場は辞退する方向で、今は野球部の活動は
 停止している状態です。」
「あいつらがそんなことするはずないんだけどなー。」と蟹原が呟く。

部室にいくと、野球部の部員三人がそれぞれトラブルにはまっていた。
1人はゴミ箱からお尻が抜けなくなり。
1人は鼻血が止まらなくなり。
1人は拾った饅頭を食べお腹を壊し。
「それ、全部俺やったことがあるぞ!」と蟹原。
「健介がいっぱいいる・・・。」と望美。
「この野球部って・・・」と伊賀。
「天然部!?」と春香。

他の部員たちは、決勝に出られなくなり、辞めていった。
「うちら9人、誰もタバコなんて吸ってないっす!
 これを見て下さい。
 やっとシール99枚集まったんっす。
 あと1枚シールがあれば、ヤンキースタジアムの招待されるんです!
 あと1枚!あと1枚!」
盛り上がる三人の部員。首をかしげる飛鳥たち。

そこへ、教頭(不破万作)と、理事長・沼田(長谷川初範)がやって来た。
「まもなく、出場辞退も決まりますし、野球部は廃部になります。」
と話す教頭に、出場辞退の理由を聞く春香。
「今回の不祥事は、誠に、遺憾に思っております。」と教頭。
「いえ、そういうことをお聞きしたかったんじゃなく、
 喫煙者が誰か、まだ特定も出来ていないのでは?」
「お引取り下さい!!」

「落ち込むことはないんだよ、君たちは。
 決勝に出られたとしても、どの道負けたんだ。
 恥をかかずに済んで良かった。」
沼田が部員たちに言う。

春香が部室から出ると、その二つとなりのサッカー部の部室から
出てきた生徒と目が合う。

そんな中、局内での事件勃発。
石場と令子の浮気がみんなにバレてしまう。
サブにいた角高は、スタジオ内でマイクをつけたまま話す
二人の会話を聞いてしまったのだ。
角高に呼ばれ、春香たちもその場に駆けつける。

「別れるって・・・。
 何もこんなところで言い出すことないだろ?」
「部屋だとまた、ごまかすから、あなた。」
「だけどさ。」
「もう決心したの。
 あなた、奥さんと別れられる?
 子供と別れられる?」

「辞めなさい」と言いながら、春香も画面に釘付け。
角高が絶妙なタイミングでカメラを切り替えていく。
春香が照明の指示を出す。
ライトアップされた二人はみんなに見られていることに気づかず
二人のドラマのような会話が続けられる。
Vを回す伊賀。
そこへ結城常務(谷原章介)がやって来た。
「何をしているんだ!?
 趣味が悪いことを・・・。」

「だけど!!愛は選べないんだよ!!」
石場が令子を背後から抱きしめる。
二人の切ない表情のアップ。
「そこで、BGM!」結城の指示に、芽衣(松下奈緒)がスイッチオン!
『ある愛の詩』のBGMが流れ出す。

「しょうがない人ね。
 もう少しだけ、一緒にいてあげるわ。」と令子が優しく微笑む。
「令子!」
「好きになっちゃった気持ちには、勝てないものね。」
「ああ。それが男と、」
「女ね。」

「泣けるねー。」と、サブで見守るスタッフたち。
「泣けるかぁ!?」と望美。
「泣けるよ。」と蟹原。
春香が振り返ると、蟹原と結城が泣いている。
「泣いてんだ。」
物音に振り返ると、柴田局長(児玉清)が泣くのを堪えながら
そっとサブから出ていった。

『ある愛の詩
 主演
 石場小吉・紺野令子』

DVDに焼き付けたその作品を手に、春香が結城に言う。
「局長もいろいろあったのかもねー。」
「ああ。
 ちょっと飲みにでも行こうか?」
「なんで?」
「なんでってことはないだろう。
 君が帰ってからまだ一度もゆっくり話したことがないんだから。」
「何をゆっくり話すの?
 あれ!?
 ・・・また私を辞めさせる話?」
「なんでそんなけんか腰なんだよ?
 俺はただ昔みたいに、ニューヨークどうだった、とか、」
「別に。」
「昔一緒に食事したレストラン、まだあるかな、とか、」
「どうでもいいわね。」
「僕と君のこととか!」
「・・・私と?あなたのこと?
 何わけのわかんないこと言ってんの!?」
「何だそれ。
 俺は今一生懸命、人生で一番といってもいいくらい、
 素直に話してるのに。」
「何だそれ!?
 あなたの素直って、ずいぶん押し付けがましいね。」
「・・・もういい!!」
「あれ!?あれ!?」

その頃、局内の別の廊下を望美と蟹原が並んで歩く。
手にはあの、DVD!
「望美はさ、誕生日プレゼント何か欲しい物ある?」
「なんで?健介にそんなプレゼント貰う筋合いないし。」
「めちゃめちゃ筋合いあんじゃん!」
「何でよー。」
「だって、俺は、望美のことが、」
「ね!あの先生さ、健介の元カノでしょ?
 母校の取材、とかいってさ、本当は元カノに会う為に
 取材続けてたんじゃないのー?」
「違うよ。」
「健ちゃん!とか言われちゃってさ、
 上手くいくといいねー。」
「だからそんなんじゃないって!」
「うらやましー。お似合いだったもんねー。いいなー。」
「・・・もういい!!」
「え!?ちょっと、何怒ってんのー!?」
「お前は最悪だ!」
「なに、逆切れ?ちょっと待って!!」
望美が蟹原に続きエレベーターに乗り込む。

2台のエレベーターの戸が同時に開き、
一つから望美と蟹原が、もう一つから春香と結城が
どちらも言い合いながら降りてくる。
4人は目が合うと、咳払いをしてその場をごまかそうとする。
なんとか石場たちの話で笑顔を作る4人だった。

望美は春香に、結城は告白しようとしたのにと責める。
春香は望美に、蟹原にあんな冷たいことを言ってと責める。
お互いの言葉に動揺する二人。
「今度取締役に誘われたら、絶対断っちゃだめですよ!」
望美に言われ、春香は・・・。

久美が春香を訪ねて局に来る。
「あの子たちは、喫煙なんかするような子たちじゃないんです!」
久美は、理事長が関連しているのでは、と訴える。
「鍵です。
 生徒の喫煙が目撃されたあと、教育委員会より、
 部室の検査を行うよう指示されたんです。
 その時、私は運動部全ての鍵を取りに行ったんですが、
 うちの野球部と、もう一つ別の部室の鍵だけが、
 無くなっていたんです。
 私たち教師は、まず鍵のある部室から検査しましょうって
 言ってたんですけど、
 急に、沼田さんがいらして。」
沼田は、教頭を待つよう提案。
そして教師たちは職員室で待機することに。
「で、鍵は?」
「その時は疑問に思わなかったんですけど、
 教頭先生が持っていらしたんです。」
喫煙が発覚して、鍵を集めて、部室の検査をするまで
15分から20分。
「例えば、別の部室から、野球部の部室に、 
 タバコを移動させたとして、充分な時間ですよね。
 先生、鍵が無くなっていたのは野球部と、
 もう一つ、どこの部室だったんですか?」と春香。
「・・・サッカー部です。」
「行きましょう。」

三人の野球部員たちは、どうせ決勝に出ても勝てるわけがないと
諦めていた。
「うちらのせいで、みんなに迷惑かけた結果ですから・・・。」
「何言ってんだよ。
 お前らは、なんにも悪いことしてないんだから。」蟹原が言う。
「蟹先輩に信じてもらえただけで、充分です。
 これ・・・あげます!
 俺たちの代わりに、ヤンキースの試合見てきて下さい。」
部員たちが蟹原にシールの台紙を差し出した。

久美はラグビー部の生徒たちに、喫煙事件のあった日、
野球部の生徒たちが練習しているのを見なかったが聞いてみる。
だが生徒たちは無言で去っていく。
他の部の生徒たちもそうだった。

「見てないはずなんてないのに・・・。」と望美。
「みんなわかっているのよ。
 野球部のしたことじゃないってことも、
 野球部のせいにしておくのが、
 一番穏便に済ませられる方法だってこともね。
 はぁー。みんな大人ねー!」と春香。

春香は以前来た時、サッカー部の鍵を閉めていた部員を見かけ
声をかける。
「あなた、サッカー部よね。
 あの、今回の野球部の件で何か知っていることとか、
 気がついたこととか、何かないかな?」
その生徒が迷いながらも口を開こうとした時に、沼田がやって来た。
「何をしてる!
 私の息子に何か御用かな?
 早く行きなさい。
 お前は余計なことを考えずに練習すればいいんだ。」
父の言葉に息子は練習に戻っていった。

「あれは野球部の仕業なんですよ。
 証拠だってこの通り、野球部の部室から出てきたんだ!。」
教頭が証拠として、灰皿代わりに使われた空き缶を見せる。
「それは本当に、野球部の部室から!?」と春香。
「卑しい連中だな。
 マスコミというのは、やれ報道の自由だとか奇麗事を振りかざすが、
 やっていることは下品極まりない。
 無関係な生徒にも疑いをかけるなど、人権を踏みにじる行為だ。」
沼田が言う。
「僕たちは、ただ彼らの、」と訴えようとする蟹原をさえぎり、
「行きましょうか。
 どうも、失礼をいたしました。」
春香はそう言い席を立つ。
証拠の空き缶を見つめる春香。
「私たちには子供たちを守る義務があるんだ。
 君たちのように溝ねずみのような人種から。
 今度このようなことがあったら、訴えますよ。」
沼田に言われた春香は、会釈をしながらある一点を見つめる。

局に戻った蟹原は、VTRを見せながら悔しそうに訴える。
「こいつらは、こんなに頑張っていたんですよ!
 こんなに練習してたんですよ!
 夜だって、ナイター設備がないからボールを取りそこなって、
 ガンガン顔面に当たるんですよ。
 突き指して、指がタラコみたいになっても、
 9人しかいないから、試合に出続けたんです。
 グラウンドが使えるならって、台風の日も、雪の日も、
 クリスマスも正月も!
 休みなしに練習してたんです!
 なのに何で、ここまで来て、辞退しなきゃいけないんですか!!
 椿木さん、あの理事長にあんなこと言われて、 
 取材辞めるんですか!?
 ビビってるんですか!?」
「そうかもね。」
「じゃ、認めるんですか!?
 俺たちの仕事は、溝ねずみ以下なんですか!?」
「そうかもねー。」
「何が伝説のニュースキャスターだよ!!
 腰抜けだ!!」
蟹原はそう言い飛び出していく。
春香は何かを考え込み・・・。

ヤキトリ屋で酔っ払う蟹原に付き添う望美。
「見損なったよ!
 こんなことでビビって逃げる人だと思わなかった!」
「ビビっていいんじゃないですか?」
店に来ていた柴田局長が言う。
「例えば、その喫煙騒動の真犯人を見つけて、
 野球部が出場出来る様になったとしましょう。
 すると今度は、その真犯人のいる運動部が、
 出場辞退になるかもしれない。
 彼らもまた、懸命に練習してきたのに。」
「仕方がありません!自業自得なんですから。」
「ハハハ。蟹原君らしくないなー。
 私たちの仕事は、犯人を見つけたり、
 人を罰することではありません。
 私たちの仕事は、」
「人の心を扱う仕事!」と望美。
「ご名答!
 真実を追究すれば、時に人の心を傷つけることも
 あるでしょう。
 しかし、私たちは、報道なんです。
 刑事でも、検事でもない。ただの報道なんです。
 取材の名を借りて、人を罰するようなことを考えたら、
 その時、報道マンは終りです。
 人の心を傷つけることを恐れなくなったら、
 その時、報道マンは辞めるべきです。
 椿木春香とういう人は、常に、その覚悟をしています。
 取材は慎重に行うべきです。
 大いにビビッていいんじゃないですか?」
局長の言葉に、蟹原も望美も頷いた。

春香は一人、野球部員のVTRを真剣に見つめていた。
そこへ蟹原と望美が戻っていく。
慌ててビデオを消し、石場たちのビデオを見ていたふりをする春香。
「椿木さん!すいませんでした!
 今回は、椿木さんの言うとおり諦めて、」
「諦めて!?諦める?
 私、一度も諦めるなんて言ってないよ。」
「え!?」
「あんたどう思ってんの?」春香が望美に聞く。
「え・・・。私の意見は別に。」
「あるでしょう?」
「取材、続けるべきだと思います。」
「へー。何で?」
「だって、そんなんでサッカー部が残ったって、
 そんなんで、この先どれだけ勝ったって
 嬉しくないと思います。
 勝負で勝ったって、心は、負けだと思います。」
「偉そうなこと言うようになったわねー!
 でも同感!
 またあの天然たちを相手にするのかと思うと面倒だけど、
 大人ぶった連中より、天然の方が好きよ。」
「じゃあ!」
「取材続行!
 ねえ、あれ持ってきて。」
春香が二人にそう言った。

春香たちが学校を訪ねていくと、丁度野球部の部室から
荷物が運び出されていた。
その様子を見つめる野球部員、そして他の部員たち。
バッドが運ばれると、たまらずに部員の一人が駆け寄る。
「待って下さい!」
「邪魔するな!
 ・・・何だその目は!」
「俺たちやってません!!
 俺たち誰も、タバコなんか吸ってません!!」
「まだ言い逃れするのか。
 お前らのせいでみんながどれだけ迷惑しているか、
 まだわからんのか!恥を知れ、恥を!!」
教頭は野球部員に怒鳴りつけ、他の部員たちを追い散らす。

「それでいいの!?
 あなた達はそれでいいの!?
 見て見ぬふりをした方が勝つなんてルール、
 どのスポーツにもないんじゃないの!?」
春香が生徒たちに訴える。
「あんたら又来たのか!?
 今度こそ訴えますよ。」
そう言いだす教頭に春香が向き合った時、一人の生徒が口を開く。
「俺・・・見ました。
 あいつら、タバコのことが会った時、
 ずっと外でランニングしていました。」
ラグビー部の部員がそう言う。
「俺も、見ました!
 つーか、こいつら、ただの野球バカだし。
 タバコなんて、吸わねーよな。」と陸上部員。

「何を言ってるんだ!訳のわからないことを言って!」と教頭。
「訳わからなくなんかないじゃないですか!
 彼らが今言ったことは、直球ど真ん中でしたよ!!」
春香の迫力に教頭は黙り込む。

そんな中、沼田が野球部のプレートをゴミ箱に捨てた。

来賓室。
「どういうつもりですか!
 生徒をけしかけて、あんなデタラメを言わせるなんて!」と教頭。
「デタラメではありません!」と春香。
「仮に喫煙を目撃されたのが、野球部員じゃないとしても、
 これは野球部の部室から出てきたんです!」
「これねー、ちょっとおかしいんですよね。」
「は?」
「これ、本当に野球部から出てきたんですか?」
「私が、嘘ついてるっていうんですか!?」
「いえ・・・。
 やっぱりおかしいんですよ。」
「だから何が!」
「これ、見て下さい。ここ。
 応募シールがついたままになっているんです。」
「は?」
「ご存知でした?
 野球部の子たちは、このチョコレートの缶についている
 応募シールを一生懸命集めていたんですよ。
 何でもね、100枚集めると抽選でヤンキースタジアムに
 招待されるんですって!
 ほら。99枚集めて、あと1枚で100枚なんですよ!
 なのに、何で彼らは目の前にある空き缶から、
 応募シールを剥がさなかったんでしょう?
 普通ね、何より先に、剥がしませんか?
 灰皿にするより先に、剥がすと思うんですよ。」
「そ、それは・・・。」
「でも剥がされていない。
 なぜか。
 それは、彼らが食べたチョコではないからではないでしょうか。
 野球にも、ヤンキースタジアムにも興味のない、
 他の誰かが食べたあとの缶だからではないでしょうか。
 では、誰がこれを、野球部に置いたんでしょう。
 ご存知ありません?教頭先生。」
「知りません・・・」

「くだらない。
 そんなくだらない探偵ごっこをする為に、
 君たちはわざわざここへやって来たのか!?
 私が言うように、野球部は廃部!サッカーは存続!!
 決定に、変更はありません!」と沼田。
「え?サッカー部!?サッカー部どうかしました?
 私、今サッカー部の話なんかしてませんが。」
動揺する沼田。
「沼田さん。
 私たちは、真犯人を探そうとしているわけではありません。
 ただ、」
そこへ久美が、沼田の息子の怪我を知らせにやって来た。

グラウンドに駆けつける一同。
「どうした!どうしたんだ、幸彦!」
「おそらく、骨折しています。」とコーチ。
「骨折!?
 誰だ!!
 誰がやったんだ!!
 お前か!?お前か!?
 お前たちか!?」部員だけでなく、野球部員までも疑う沼田。
「父さんやめてよ!
 ・・・自分でやったんだよ。」
「え!?
 何でそんなことをやったんだ。
 私がお前の為に、どれだけのことをやってきたか。」

「わかりませんか?
 まだ彼の心の傷に、気づいていませんか?
 あなたは、彼のしたことを知っていたんですよね。
 だったら、彼が苦しんでいたことも、
 自分がしたことに押しつぶされそうになっていたことも、
 気づいていたはずです!」と春香。
「だから、だから私は、」
「守ることと、隠すことは違うと思うんですけど!」
「・・・」
「子供たちは時に、誤った道を歩いてしまうことだってある。
 彼らが罪を犯した時、一番大事なのは、
 目をそむけることじゃなく、
 嘘でごまかすことじゃなく、
 共に向き合ってあげることなんじゃないですか?
 共に苦しんであげることなんじゃないですか? 
 彼を、本当に守りたいなら、
 何よりまず先に、彼の目を見てあげることだと思います!
 今の彼は、とっても正直な目をしていますよ。」
春香に言われ、沼田が息子の目を見る。
息子が素直な表情で父を見つめる。
「幸彦・・・。」

幸彦は野球部員たちを見つめて言う。
「・・・ごめん。」
野球部員たちが微笑む。

「あのー、このことをニュースで、」久美が春香に聞く。
「興味なーい。
 あとは、あなた達の問題。」
「はい!
 私、精一杯彼らを守ります。」

「ありがとうございました!!」
部員たちが笑顔で元気に頭を下げた。

ザ・ニュースのスポーツコーナーを夏芽が伝える。
「神奈川代表決定戦が行われました。
 優勝したのは、こちらの学校です!」
友成学園がサヨナラ勝ち!見事初優勝!!
「18日間の熱戦の末、見事195校の頂点に立ったのは、
 部員9人の、友成学園でした!」
「ザ・ニュースでは、たった9人で優勝を成し遂げた彼らを、
 この半年間独占密着で取材して参りました。
 その彼らの青春を記録した、スクープ映像をご覧下さい。」
春香がそう紹介した。
蟹原、感涙!

そんな中、結城に渡された書類を見ていた柴田局長の表情が曇る。
「どう思われます?
 椿木春香が何と言うか・・・ですか?」と結城。
『夕方ニュース シグナル5』のメインキャスターに、飛鳥望美が
抜擢された企画書だった。

仕事を終えた春香に、企画書を手にした結城が声をかける。
「ちょっと、飲みにでも行かないか?」
望美に言われた「告白」という言葉が頭によぎり、思わず「来た!!」と
呟く春香。
「来た?」
「や、ううん。別に。」
「話したいことがあってさ。」
「大事な、話ですか?」
「二人に取っての、大事な話だ。」
「や、やっぱり・・あの、話ですか、ね。」
「気づいていたのか!?」
「そろそろ、そういう時期だと思って・・。」
「そうだったのか。
 君も同じ思いだったのか。」
「・・・ええ。」

仕事を終えた望美に、蟹原が駆け寄る。
「望美!今、暇?
 3分40秒ほどでいいんだけど。」
「何、3分40秒って。」
「あと、3分・35秒で、望美、誕生日だろ?」
腕時計を確認しながら蟹原が言う。
「忘れてた!」
「誕生日の瞬間は、俺と一緒に、いよう!!」
「はぁ!?何でせっかくの誕生日の瞬間に健介と二人でいなきゃ
 いけないわけー?」
「あの、これ!!受け取ってくれ。」
蟹原が望美の手のひらに四角い箱を載せる。
「な、なにこれ!?」
心して箱を開けると・・・カニのリング!!
「カニカニ!」蟹原がおどける。
「はぁ!?」
「何怒ってんだよ。」
「当たり前でしょ!何このカニって!!
 私こんなケースに入った指輪貰うの初めてなの!
 なのに!何このカニって・・・。
 なんか、ドキドキして損しちゃった!」
「ドキドキした?」
「してない!!」
「今したって!」
「もうこんなのいらない!」
望美が指輪を蟹原に突き返し、立ち去ろうとする。
その時リングが床に落ち・・・。
カニがはずれ、その下からダイヤモンドが光を放つ。
蟹原は、カニを再びダイヤに被せ、望美の指にはめる。
「あ・・・何?」と望美。
「結婚、して下さい!!
 俺と、結婚しよう。望美。」
「・・・」
「聞こえなかった?」
「聞こえ・・・た。」望美はしばらく動けなくなる。

エレベーターの中。
「だったら、OKしてくれるよな?」結城が春香に聞く。

「OKしてくれるよ、な?」蟹原が望美に聞く。

エレベーターが到着し、ドアが開く。
「飛鳥望美をキャスターにしたい。」と結城。
「はい!!」と春香。

「俺は飛鳥望美と結婚したい!!」と蟹原。
「嫌!!」と望美。

又また隣り合わせになった2カップル。
「あー・・・今なんて?」春香が結城に言う。
「飛鳥望美をキャスターにしたい。」と結城。
「今、なんて?」春香が蟹原に聞く。
「飛鳥望美と結婚したい!」と蟹原。
「・・・!!」

「じゃあそういうことで!」結城が立ち去る。
「じゃあそういうことで!」蟹原が立ち去る。

時計の針が0時丁度を刺し、頭を抱える望美。
その指に気づいた春香が、「カニ!?」と呟いた。


春香が"ビビった"のは、報道陣としての態度を悪く言われたことではなく、
沼田が何かを庇おうとしていることに気づいたから。
真犯人を追いつめる、ということは、報道の仕事ではない。
人の心を傷つけることは、報道の真意ではない。

感情に突っ走らず、慎重に取材を続ける。
そして春香は、真犯人探しの為の取材ではなく、
真実を探り出し、答えは学校側にゆだねました。

沼田が大切な子供の為にと思い、しでかした行動は、
かえって子供を苦しめるものでした。
嘘を突き通していた真犯人・幸彦は、とても辛かったのでしょう。
彼の謝罪を笑顔で許した野球部員たちは素敵でした。

「子供たちは時に、誤った道を歩いてしまうことだってある。
 彼らが罪を犯した時、一番大事なのは、
 目をそむけることじゃなく、
 嘘でごまかすことじゃなく、
 共に向き合ってあげることなんじゃないですか?
 共に苦しんであげることなんじゃないですか? 
 彼を、本当に守りたいなら、
 何よりまず先に、彼の目を見てあげることだと思います!

私もそんな親でありたい。

石場と令子の話し合いを覗き見するみんなは趣味悪い!(笑)
二人はあのDVDの存在に気づきそうで気づかず。
ちょっと見てみたい!と思う私も趣味悪い!(笑)

夕方ニュース番組メインキャスター抜擢される望美。
そして、蟹原からの突然のプロポーズ。
あのカニの指輪は、春香にとってのおもちゃの指輪のように、
望美の御守りとなってくれるのでしょうか?

次週予告に映ったのは、渡辺哲さん!?
『ブスの瞳に恋してる』に『ギャルサー』。
どちらも不器用な父親の愛を熱演!
味のある素敵な役者さんです。

そんな渡辺さんのブログを発見!
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椿木春香  ……  天海祐希 飛鳥望美  ……  矢田亜希子
蟹原健介  ……  玉木宏  結城雅人  ……  谷原章介
野原芽衣  ……  松下奈緒 伊賀俊平  ……  松田翔太
蟹原珠子  ……  田丸麻紀
紺野令子  ……  須藤理彩 角高孝男  ……  矢島健一
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主題歌です。
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サウンドトラック
B000F9UDCGドラマ「トップキャスター」オリジナル・サウンドトラックTVサントラ DefSTAR RECORDS 2006-05-24by G-Tools



天海さんの主な出演作品


この記事へのコメント
今回は笑いと報道と恋とバランスがよかったのでは?
椿木は自らの座を飛鳥に譲るのでしょうか?
Posted by あんぱんち at 2006年06月06日 19:48
こんばんは、ちーずさん  今回も報道のあり方について勉強させられました、理事長の沼田は息子の喫煙を隠しましたが、野球部に罪を擦り付けるのは酷すぎますね!サッカー部の処分がどうなったのか解りませんが、春香がニュースで取り上げなかったのが素敵でした!

スクープの匂いを見分ける春香を望美はハゲタカと言いましたが、せめてメスライオンくらいで…

石場と令子の浮気がみんなにバレたシーンはスイッチングやら照明やBGM、完璧に息の合ったチームでした、しかしダビングまでするとは!

カニちゃんの指輪に望美も感激?夕方のキャスターに抜擢されて先送りになりそうですね!
Posted by けた at 2006年06月06日 20:42
こんばんは。コメントありがとうございます!

★あんぱんちさん★
ザ・ニュースのキャスターの座は、春香に守ってほしいけれど、
最後はどうなるんでしょうね!?

★けたさん★
スクープはテレビで報道するためでなく、
もうこれは、春香のポリシーなんですね。
追求し、悔い改めさせ、あとは向こうの判断にゆだねる。
そんな潔さが素敵でしたね。

確かにハゲタカよりは、メスライオンの方が印象がいい!(笑)
あの二人の言い合いは、度が行き過ぎていてもなんだか
笑ってしまいます。

石場と令子、望美と蟹原の恋の行方。
こちらも気になります!
Posted by ちーず at 2006年06月08日 22:43
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