2006年06月16日

弁護士のくず Case10

『名門大学生の犯罪』

美月は戦いゲームで遊ぶ九頭に、その日学校で掃除の時間、
男子にホウキで叩かれそうになったと話し出す。
やられそうになったからやり返したのに、美月が悪いような
ことになってしまったと嘆く美月。
「正当防衛なんだから美月は悪くない。
 ところがギッチョンチョン!
 世の中、怪我をさせた方が圧倒的に分が悪いんだよ。
 ゲームの世界みたいに簡単にいかないの!」とくず。
「あー、負けた!
 こういう暴力的なゲームは俺には向かない。
 暴力反対!」
「負け惜しみ!」と美月。
「にゃ〜ろ〜このやろ!」
「にゃ〜ろ〜このやろ!」
大人を舐めるなと、二人はコントローラーを握り締める。

くず先生の家の冷蔵庫の中はビールだらけ!事務所のソファーで横になるくずを叱り飛ばす武田。
「ムキになって徹夜でゲームなんかするからでしょう!!」

今回武田とくずが担当するのは、美しい夜景で人気のデートスポット・
安名場埠頭で起きた暴行事件。
目撃者からの通報で岡部(塩谷瞬)という若者が捕まり、
九頭と武田がその岡部の弁護を担当することになった。

徹子が抱えているのは、婦女暴行事件。
長くかかったが、やっと最終弁論までこじつけた。

武田は「嫌だ」と駄々をこねるくずを引っ張り、
拘置所に入れられた岡部に会いにいく。

今日のくず先生の絆創膏は右頬!

岡部と面会するくずたち。
「岡部省吾さん。
 あなたは傷害罪で、起訴されました。
 5月27日の夜10時ごろ、あなたは恋人の赤地杏里(酒井彩名)さんと
 神奈川埠頭で夜景を見ながらデートをしていた。
 そこへ、被害者である三人の大学生がやって来て、
 あなたたちを冷やかした。
 そのことに腹を立てたあなたは、次々と彼らを連打し、
 傷を負わせ、さらに逃げようとした一人を捕まえて、
 彼らの乗っていた車にブロックを投げつけた。」「
「向こうが因縁つけてきたんだ。
 やんなきゃヤバイって思ったから、やっただけ。
 こういうのって、正当防衛になるんだよね?」
「目撃証言では、相手は全くの無抵抗だったそうだから、
 難しいと思うよ。」
身を守る為にやるしかなかった、と言い張る岡部に、
「岡部君。君、過去に暴力事件で、補導歴があるね。
 少年院に行かずに済んだとはいえ、こういうことも判決に
 影響があると思っていてほしい。
 厳しいようだけど、実刑を覚悟していてほしい。」
武田の言葉に呆然となる岡部。
「まあなんとか、執行猶予は付くよう努力はするけど。」
「じゃあどうすれば良かったんだよ!!
 あのままやられてれば良かったのか!!」
「落ち着いて。」
くずが鋭い目つきで岡部を見つめる。

その頃徹子は婦女暴行加害者の弁護をする。
卑劣で許されない行動だが、被告人は深く反省しており、
長い公判の間、本人も親族も社会的制裁を受けたと
裁判官に訴える。
「弁護人は、適正な判決がなされることを希望する次第です。」
そう言う徹子を、悔しそうに手を握り締めながら見つめる男・・・。
 
面会の帰り。
「正当防衛で無罪にしろなんて無理に決まってますよ。」と武田。
「あいつがそう言っているんだから
 一応そのつもりでやらないと。」とくず。
「警察の調書を見ても岡部に非があるのは明らかです。」
「三人もこてんぱにのしてるんだから
 そう取られても仕方がないか。」
「そうじゃなくてもケンカで正当防衛が認められるケースは
 稀じゃないですか。」
「普通のケンカならそうでも、あいつは違うって言ってるんだろ?」
「あっちは大怪我!
 こっちはまるっきり無傷!
 素直に被害者と示談にして、減刑を求めるほうが彼の為です!」と武田。
「彼の為ねぇ。」
「今回の乱闘事件だって、単に彼女にいいところを見せたかった
 だけかもしれないし、お灸をすえた方がいいんです!」
「やけに厳しいね。」
「僕は、やみくもに暴力を振るう人間が許せないだけです!」

事件の事情を聞くため、九頭たちは岡部の彼女・杏里を訪ねた。
そのマンション入り口で、くずは女性者の派手目な下着を拾う。
年配の主婦がベランダの窓を開け、「泥棒!下着泥棒!」と叫ぶ。
くずはその下着を持ちながら笑顔で、
「弁護士のくずです。よろしく!」と言った。

「どうして正当防衛にならないんですか!?
 彼もやりすぎだったかもしれないけど、
 先に絡んできたのは向こうなんです。」
岡崎の恋人・杏里が言う。
武田は、先に手を出したのは岡部なのだから、正当防衛を立証するのは
難しいだろうと説明。
「あいつと一緒に住んでるんじゃないんだ。」くずが聞く。
「彼は、職場の寮に住んでいます。
 今回のことで、出なくちゃいけないことになるみたいですけど。」
「試用期間中だったため、そのまま採用取消になるそうです。」
武田がくずに言う。
「彼の就職が決まって、来週、私の親に会いに行くつもりだったんです。
 私たち、親に付き合いをずっと反対されていて、
 やっと許してもらえると思ったのに・・・。
 やっぱり、無罪にするのは難しいんですか? 
 もし無罪になるなら、親も許してくれると思うんです。」
「頑張って、正当防衛で無罪にするようチャレンジしてみる?」とくず。
「出来るんですか!?」
「最初に絡んできたのは向こうなんだから、
 やってやれないことはないんじゃないの?
 岡部っち本人の希望でもあるわけだしな。」
心配する武田にくずがそう言う。
「よろしくお願いします!!」杏里が頭を下げて頼む。
「OK!」

そんな中、婦女暴行事件でやはり加害者の弁護をしていた徹子が、
ケガで入院したという連絡が入った。
慌てて病院に駆けつける武田。
「落ち着け、落ち着けよ。
 そんなに急いだって、助からないものは助からないんだよ。」
などと言いながらいつものように能天気に病室に向う。

幸い徹子の怪我はたいしたことのないようだが、
頭を打ったため、念のためにその検査をするため入院となった。

その時の模様を徹子が話す。
裁判を終えたあと、被害者の父親が徹子に駆け寄った。
「何で、あんなヤツを庇う!
 あの男のせいで、娘はね、外に出られないんだ!
 どんなに反省したって、あいつが減刑される理由になんて
 ならないんだ!」
そう詰め寄られた徹子は、後ずさりした時、
階段を踏み外してしまったのだ。

「たまたま階段だったからこんなことになったけど、
 相手にも悪気があったわけじゃないの。」と徹子。
「感情のぶつける場がなかったんだろうね。」と白石。
武田は憤慨していたが、徹子は大事にしないよう言う。
「気を使っていたつもりだけど、
 難しいわね、被害者関係は。」
「気にすることないよ。」
リンゴの皮を剥いていたくずは、それを自分が食べながら言う。
「依頼人をえこひいきするのが弁護士の仕事だよ。」
「そういう言い方はやめて下さいよ!
 加藤先生は正しい弁護をしていてこういう目にあったんですから!」
武田が怒り出す。二人のやり取りに微笑む徹子。
白石が徹子を気遣い、静かにするよう注意する。
「着替え取りに行ってやろうか?
 興味あるなー。四十女の一人暮らし!」
徹子がむっとする。
くずはリンゴにかぶりつきながら、にっこり!

慶陽大学。
くずと武田は被害者たちに会いに行く。
相手の悪い面を探し出そうと意気込むくずに、
「あら捜しの前にまずは謝罪です!」と武田。
「はいはい。ペコペコしていればいいんでしょ!」
「本当にわかってますか!?」
「わかってるよー。
 もういい年した大人なんだから、俺も。」

「このたびは、誠に、申し訳ございませんでした!」
武田が頭を下げるのを、隣に座るくずは頬をぽりぽりかきながら
相手側を観察。
「怪我の具合はどうですか?」
武田に睨まれ、気持ちを全然込めずにくずが言う。
「まあ、なんとか学校には来られます。
 謝りにきてもらっても、どうにもならないですけどね。」と仲原。
「この怪我のせいで次の試合にも出られなくなったんです!
 僕達4年ですよ!
 引退するまでに一戦でも多く出場したいと思っていたのに!」
一番怪我の酷い中原がそう言う。
「僕達、サッカー部なんです。」
「就職活動だってあるのに。
 この顔じゃ面接にもいけないし。
 正直困ってます。」
武田はただ平謝り。

「そんな大事な時期なら何で部活サボって夜景見にいったんですか?」
「サボったわけじゃありません。
 気分転換しようと、練習を早めに切り上げて行ったんです。」
「男三人で?」
「ええ。息抜きに。」
「息抜きっていっても普通ああいうところは女の子と行くもんじゃ
 ないんでしょうかね。」
「男同士でも行きますよ。
 静かで、のんびり出来ますからね。」
「安名場埠頭にはよく行かれるんですか?」
くずが中原に聞く。
「いえ。あの日はたまたま行っただけです。」
「それが、こんな目に合うなんて思いませんでした。
 もう二度と、僕たちのような被害者が出ないように、
 彼には反省してほしいと思います。」
「本当に、申し訳ございませんでした。」武田がまた謝った。

大学のキャンパスを歩きながら、武田はまだあの学生たちに
同情をしていた。
振り返るとくずがいない。
くずは女子大生たちとお話中。武田がずっこける。

「へー、そうなんだ。
 君たちは慶陽大学の学生じゃないんだ。」
「そう。サークルで来てるだけ。」
「じゃあさ、お茶して帰ろうよー。」
くずは武田に先に目撃者のところへ行ってもらい、
女子大生たちのメルアドをゲット!

その後の女子大生たちとの会話が面白かった!
「俺さ、毎週テレビも出てるんだよ!」とくず。
「うっそー。」
「毎週木曜夜10時。」
「え?見たことなーい。」
「見てよーーー。」


武田とくずが目撃者の男性・高橋(脇知弘)に会う。
「警察の調書では、岡部さんが一方的に三人の男性を殴っていたと  
 ありましたが、間違いありませんか?」
「はい。あの男、ものすごい強さでびっくりしましたよ!」

そこへ、ヤギの鳴き声が。くずの携帯だ!
「お!コトミちゃん即レスだよ!」
「くず先生、しまって下さい!!」
「わかったよ。
 あのさ、安名場埠頭って、夜景の穴場なんだよね。
 女子大生デートに誘ったら喜ぶかな?」
「え!?まあ、喜ぶと思いますよ。
 人も少ないし雰囲気もあるし。
 でもたまに覗きが出るっていうのが難点なんですけど。」
「え!?覗きがでんの、あそこ!いやっだ〜。」
「高橋さんは岡部さんが大学生を殴り倒す
 一部始終を目撃していらしたんですよね。」
「ええ。遠くからですけど。」
「警察が車でずっとそこで見ていらしたんですか?」
「はい。下手に動くのも怖かったんで。」
「高橋さんが警察に通報したのって、
 岡部が坊ちゃん3人組をボコボコにする前なんだよね?」
「そうです。囲まれてたからヤバいって思って電話したんです。」
「囲まれてた・・・。」
「何か気になりますか?」
「いや、別に・・・。」

目撃者の男性は『ごくせん』で熊こと熊井役の生徒でしたね!
囲まれてたってことは、岡部が三人に囲まれていたってこと。
その辺が鍵になっていきそうです。


徹子の病室。
武田がその日のことを報告しながらリンゴの皮を剥く。
危なっかしい手つきに徹子は自分がやろうかと言うが
「大丈夫ですよ。一人暮らしで慣れてますから。」と武田。

そこへ、被害者の父親が訪ねてきた。
「前田さん・・・」
その男、前田が、申し訳なさそうに頭を下げる。
徹子も頭を下げ返す。

「加藤と同じ事務所の、弁護士の武田です。
 被害者のご家族とはいえ、今回のことは行きすぎた行為だと
 思います。もしかしたら大きな事故につながっていたかも
 しれないんです!
 こちらは加害者の弁護士で、あなたにとっては許せない存在なのかも
 しれない。
 あなたのしたことは、」
徹子が武田を止める。
「どうしたらいいか・・・わからなかった。
 酷い目にあったのは娘なのに・・・
 辛いのは私たちなのに・・・
 あなた、あの男ばかりを守ろうとする!
 守られるべきは、私たちじゃないのかね?」
「前田さんのお気持ちは、お察しします。
 でもやはり、弁護士は依頼人を第一に考えなければいけないと、
 私は思っております。
 私はただ、やみくもに被告人の減刑を求めるのは、
 弁護士の仕事ではないと思っています。
 罪は罪として、私は、被告人が、罪に見合った刑に処せられるよう
 力を尽くしたと自信を持っています。
 その自信が持てるように弁護をすることが、
 弁護士として、被告人が犯した罪と向き合うことだと、
 思っています。」
徹子はそう言い、もう1度頭を下げた。

杏里が白石法律事務所にやって来た。
「省吾が無罪にならないと困るんです!
 お願いします!ぜったいに省吾を無罪にして下さい!」
そう必死に頼む杏里。
「お腹に子供がいるからだよね。」とくず。
「何で知っているんですか!?」
「この前部屋に、始めての出産っていう本があったから。
 違う?」
「・・・父親が刑務所に入ることになったら、
 正直、私一人で育てられるか不安で、
 諦めようかとも思ったんですけど・・・。」
「判決が出る頃には、中絶出来ない時期になるから、
 どうしようか迷ってるんだ。」
杏里が頷く。
「自信がないなら産むのやめとけば。
 無罪になろうがならまいが、 
 あんたがどうしても産みたいって思わなくっちゃ、
 生まれた子供だって迷惑だよ。」

屋上でカップメンを食べるくずに武田が言う。
「あんな言い方はないんじゃないですか?」
「いいじゃん!結局産む気になったみたいだし。」
「正当防衛、どうやって証明するんですか?」
「俺に聞くなよ。」
「何か証拠を掴んでいるんじゃないんですか!?」
「うん。」
「適当に言ってたんですか!?」
「テキトーテキトー。超テキトー!」
「赤ちゃん生まれちゃうんですよ。」
「よし。これ食ったら、正当防衛とはどうやって立証されるか、
 鑑定に行こう!」

向った場所は、とあるキャバクラ。
キャバクラ嬢が店の客に無知を振り回している。
BGMは『女王の教室』!!

「鑑定って、キャバクラじゃないですかー。
 国光さんまで。
 俺もう帰ります。事務所に行きます。」
「だから!今日は鑑定だって言ってるでしょう。」とくず。

そこへ、強面の男(小川直也)が入店する。
拒否する店側だが、くずが
「スーさん!こっちこっち!」と招き入れる。

「あ!2話で真琴さんのことを襲ったヤクザ!!」と武田。
「そうそう。あれ以来すっかり仲良くなっちゃってさ。」とくず。
「弁護士と・・・暴力団・・・黒い噂・・・。
 ダメ!!だめです!!」と武田。
「すーさんはちょっと前に足を洗ったんだよね!」
「ええ。くず先生のおかげです!
 国光さんに仲良くしてもらって!」と須永。
「すーさんこう見えて、根はナイーブでピュアなんだよ!」と国光。
「ハハ!本当ですかぁ!?」武田が須永の顔を覗き込むと
須永が恐ろしい顔で睨みつける。

「ねースーさん。
 ケンカするとき、一人で三人相手して、勝てる?」くずが聞く。
「素人相手なら楽勝ですけど、
 相手がケンカ慣れしてたら、無理です。
 どうしても勝ちたいなら、先手をとるしか方法はないですね。」
「先手!?」と武田。
「どんなヤツでも、最初に手を出すのはためらうもんです。」
須永はそう言い武田の胸倉を掴む。
「こうやってケンカするとき、最初はガン飛ばしたりするでしょう!?」
 そうやってけん制しながら、気持ち固めてるんですよ。」
「じゃあさ、ケンカ慣れした三人相手に、
 ケンカに勝とうと思った時、
 スーさんならどうする?」
「最初の一発で、一人残らずやります。
 スピードが勝負ですからね、出遅れたら、助からないですよ。
 三人相手じゃ。」
「ありがとう。参考になったよ!」
「じゃまた今度一緒に、ハッスルしましょう。」
「ハッスルハッスルー!」

「スーさんの議論からいけば、岡部が、いきなり坊ちゃん連中を
 ボコボコにしたのも、正当防衛ってことになる。
 相手が三人なんだから、先にやんなきゃ、
 こっちが逆にやられちゃうからね。」とくず。
そこへ鞭を振り回しながら、カワニシさん(豊田梨沙)ら
お店の女の子が登場。
「ボトル入れないと、お仕置きしちゃうわよー!」
三人が嬉しそうにはしゃぐ。

弁護士事務所に徹子が戻ってきた。
机に重ねられた書類の一番上には、お見合い写真が何冊も!
白石が妻に頼まれて置いたのだ。
徹子はそれを丁重に断り写真を突き返す。
加藤が戻ってきたことが、武田はとっても嬉しそう!

その日の夜、さっそく桜島で酒を飲む二人。
「この前加藤先生言っていましたよね。
 被告人が罪に見合った刑に処せられるよう、
 力を尽くしている自信があるって。」
「本当にそれが適切なのか、事件に深く関われば関わるほど
 迷う物なの。でもね、弁護士がそんなハンパな気持ちじゃ、
 加害者も被害者も救われない。
 真実に向き合うことが、弁護士の責任だと思うの。」
「あの時ちょうど、岡部君を正当防衛にするなんて、
 無茶だと思ってたんです。」
「今はどう思う?」
「今は・・・岡部君の言い分を、信じようと思っています。
 僕が先入観で見ていたら、何も見えてこないんですよね。
 ちゃんと岡部君と向き合って、真実を見ようと思っています!」
「なかなか頼もしいんだ!」
「加藤先生。僕でよければ・・・頼ってくださいね。」
「優しいのね、武田君は。」
「僕は本気で言ってるんです!」
「ありがとう。」
「・・・はい。」

その日、くずは泥酔して帰宅。
机の上に六法全書が置いてある。
「女の子が六法なんて読んでるともてなくなっちゃうよ。」
「大きなお世話!
 今日学校でね!この前のことは正当防衛だって話したよ!」
「それで、どうだった?」
「向こうが謝ってきた!」
「お前なかなか素質があるな!」
「徹子さんみたいな弁護士になろっかな。」
「あー。
 徹子さんみたいだと、きっといろいろ大変だからやめた方がいいよ。」
「どうして?」
「どうでもいいところが敏感で、
 肝心なところが鈍感なんだよ。」
モー。牛の鳴き声の着信音。
「お!コトミちゃんからラブメール!」
そのメールに、くずは深刻な表情を浮かべたあと微笑んだ!

期限まで間もないというのに、いい解決案が見つからずに焦る武田。
くずはメールばかりしている。
「よし。こうなったら現場の安名場埠頭にでも行ってみるか。
 捜査に行き詰まったら現場に帰れ!
 刑事の基本だ。」
くずがそう言い、掛け軸を指差す。
『原点回帰』と書いてある。
「ま、刑事じゃないですけど、行ってみますか。」と武田。
くずはカップルに装えば、覗きから何か聞き出せるかもと
夕花(星野亜希)を誘うが、夕花が断る。
「じゃあさ、100歩譲って、加藤先生、どう?」
「200歩譲っても行きません。」
「加藤先生病み上がりなんですから!
 で、どうするんですか。」
「ふーん。
 ・・・
 うーん。」
くずが武田をつま先から頭まで見つめ・・・。
そして満面の笑みを浮かべる。
「・・・なんですか・・・。」

夜の安名場埠頭。
派手なシャツにサングラス姿のくずと、女装した武田が並んで歩く。
ベンチに腰をおろす二人を狙うカメラのレンズ。

「あーあ。何が悲しくてお前とこんなことしてるんだよ。」
「それはこっちのセリフですよ。」
「2年ぶりの連ドラなんだから、相手は女優が良かったなー。
 プロデューサー恨むぞ、このやろ。」
「俺だってホッペの赤くないトヨエツがいいですよ!」
「・・・言うねー。
 俺たち、なんかいい雰囲気に見えるのかな。
 後ろから誰かが覗いてる!」
「え!?」
くずが武田を抱き寄せる。
「ちょっと絡んでみようか。」
「え!?」
二人はキスする真似をして、立ち上がり、カメラの方に
突然振り返る。
慌てた犯人が草むらから飛び出してきた。
「いや・・・。」

覗き常習犯(肥後克広)に、事件のことを聞いてみる。
「三人組の方が犯人だと思っていました。
 この辺りね、ずっと三人組の、強盗強姦魔が出てるんですよ。」
その男、三人組の顔は見てないが、車は見たと言う。
シルバーの外車だったと言う。

セミの鳴き声の着信。くずの携帯にコトミからメールが入る。
「来た!
 コトミちゃんに紹介してって頼んでおいた女の子、
 プロフィール。」
それを見て武田が驚く。
「女子大生の情報網はすごいね。
 探偵雇うより優秀だ!」

くずが女子大生・トモダユウコを訪ねていく。
「慶陽大の、石原君たちの件で聞きたいことがあって来たんですが。」
顔を曇らせて立ち去る女子大生。
「被害者はあんただけじゃないよ。」
その言葉に立ち止まった。

裁判所。
裁判が始まる前、ガンを飛ばしあう練習をするくずと武田。

検察側 主尋問。
「被告人は、正当防衛を主張していますが、
 あなたに対していきなり暴力を振るって失神させたんですよね。」
「はい。」大学生が答える。
「あなたは攻撃を受ける前に被告人に対して、
 何か脅威を感じさせるようなことをしましたか?
 例えば、金銭を要求するとか。」
「いえ。軽く冷やかしただけです。
 それも言い終わらないうちに、頭を殴られました。」
「恐喝したわけでもなく、一言冷やかしただけで、
 被告人がいきなり襲い掛かってきて、
 気絶するほど殴打したということですか?」
「はい。」

弁護側反対尋問。
「今、検察官が、気絶するほど殴打したと言いましたが、
 警察官調書では、頭突きをして気絶させたと書いてあります。
 どちらが本当なんでしょうか。
 殴打ですか?頭突きですか?」武田が大学生に聞く。
「頭突きです。」
「しゃべり終わらないうちに頭突きで倒すと言うと、
 相当接近していたということではないでしょうか。
 離れた所から冷やかされたとしたら、
 わざわざ頭で突っ込んでいかないですよね。
 まず、手か足が出る。
 頭突きが届く距離はというと、この程度でしょう。
 ・・・イチャついてんじゃねーぞこらぁ!
 ・・・ということですね。」
武田の練習の成果に親指を突きたて微笑むくず。
「これは、威嚇しているように見えないでしょうか。
 言葉では冷やかしでも、態度で明らかに脅している。 
 ここまで接近して脅している人間が次にやること、
 それを、冷やかしだけで済むと思う人は、
 少ないのではないでしょうか。
 終わります。」

検事が目撃者の男に、その時の岡部の様子を聞く。
「まず、二人をほぼ一撃で倒したあと、
 逃げようとした三人目を何度も車にたたきつけて、
 最後は石で車を壊していました。」
「三人の方からの攻撃は全くなかった。
 つまり、被告人は無抵抗な三人を一方的に攻撃し、
 さらに彼らの車両まで、石を用いて破壊したということですか。」
「そうです。」

続いて、弁護側が質問する。
「あなたが警察に通報した時、
 カップルが三人組の男に襲われている、と言いましたね。」
「はい。」
「それは、どうしてですか?」
「最初は、三人が二人連れを取り囲む形になったんで、
 ヤバイと思ったんです。」
「取り囲まれていた。
 被告人がですか?」
「はい。私も、女連れだったんで。」
「彼女がレイプでもされやしないかと心配になった。」
「いつこっちに来るかわからなかったんで、
 慌てて通報したんです。」
「人気のない埠頭で、カップルがガラの悪い三人組に取り囲まれた。
 今にも襲われて、レイプでもされるかもしれない。
 それほど辞退は危険で、切迫していると感じたから、
 あなたは警察に通報したんですね。」
「はい、そうです!」

二人目の大学生に、武田が質問する。
「あの時被告人は、逃げようとするあなたに暴行を加え、
 車のキーを渡せと言いましたか?」
「・・・はい。言いました。」
「気絶した二人はじきに気が付く。
 そうしたら三人で、絶対に追ってくると、
 被告人は思った。
 あの埠頭は現場まで一本道ですから、
 車で追いかけたらすぐに追いつくはずです。
 被告人は、あなたが車のキーを渡さないから、
 車を石で壊した。
 被告人は、気絶している人間に危害を加えたのではなく、
 無事に逃げ切る為に、車を壊した物と考えます。
 終わります。」

席に戻った武田がくずに聞く。
「彼女は?」
くずが首を横に振る。

その頃、一人の女性が裁判所の前に立ちすくむ。

「あなた方、本当はしょっちゅう部活をサボって、
 ドライブに行っているらしいですね。
 大学の友達に聞きましたよ。」とくず。
「サボっていたわけではありません。」
「そうそう。息抜きだったね。
 あなた方は事件前の1ヶ月間、10回も安名場埠頭に行っています。
 サッカー部マネージャーの出欠簿、
 安名場埠頭付近のガソリンスタンドの店員より確認しました。
 そんなに何回も一体何しに行ってんの?」
「裁判長!
 弁護人は、本件証拠以外の文書を参考にしており、
 本件と関係のない質問をしています!」
「それが関係あるんだよ!
 お宅ら、部の後輩から評判悪いね。
 日ごろからしょっちゅう暴力を振るっているそうで。
 ならば、ケンカには慣れてるよね。」
「裁判長!証人を侮辱する質問です!」
「異議を認めます。
 弁護人は、質問の仕方に注意をしてください。」
「はーい。注意します。
 では、事件現場についてお聞きします。
 安名場埠頭には、よく、三人組の強盗が出ると噂されています。
 カップルが襲われ、金を奪われた上、
 男はボコボコにされ、女はレイプされ。
 だが、被害者はなかなか警察には届け出ないらしい。
 私はある証言者から、その三人組がシルバーの外車に乗っているという
 情報を得ました。
 実は今日、その被害者に傍聴席に来てもらっています。」
何人もの女性たちが立ち上がる。
そしてその時、ドアが開き、くずが先日会いに行った女子大生が
やって来た。
「ここにいる全員、あんたらにレイプされた被害者なんだよ!!」
「嘘だ・・・嘘だ!
 こんなにしてないよ!!」
「こんなにしてない。
 じゃあ何人かはしたってこと?」とくず。
「・・・」
「この件につきましては、本件に関連した重要な事件として、
 捜査をお願いします。」

『安名場埠頭 連続強盗強姦事件、都内有名大学生緊急逮捕』
ニュースがその事件を伝える。
木原、金田、仲原の三人は、逮捕された。

白石法律事務所。
「傍聴席にいた被害者の女性って、本当は一人なんでしょう?」
徹子が聞く。
「そうです。
 その子はレイプの最中をビデオに撮られて、
 それをネタにお金を揺すられていたんです。」
「被害者の女性とデートしてた男って、
 みんな女の子を置き去りにしちゃってたんですって。
 ほんっと最低!」と夕花。
「だから男性側にも、名乗り出る人がいなかったのね。」
「酷いよね。この大学生も、お金に困っていたわけでも
 ないだろうにね。」と白石。
「名門っていっても、ヤツラはサッカー部では万年補欠。
 就職もうまく行かず、むしゃくしゃしてたってわけ。」とくず。
「弱い者に対してそのうっぷんを晴らす。
 やんなっちゃうわねー。」と徹子。
「桜を呼んだのは、正解だったね。」
「レイプ被害は、一人で名乗り出るのを、
 ためらう女性が多いですからね。」
「報道のおかげで、被害者も続々と出てきていますしね。」と武田。

そこへ、岡部と杏里がやって来た。

裁判所で、くずは裁判官にこう言った。
「被告人の恋人、赤地杏里は、彼の子供を身ごもっています。」
くずの言葉に、驚いたように傍聴席の杏里を見つめる岡部。
くずが続ける。
「それを知った被告人は、もうケンカはしないと誓いました。
 確かにこれまで被告人は、ケンカ三昧の日々を送ってきました。
 しかし傷害事件を犯し、刑務所に入るようなことになったら、
 わが子に会わす顔がない。
 そう考えた被告人は、暴力を自らに固く禁じていました。
 しかし、そんな彼の前に、負性の侵害が急迫した。
 安名場埠頭での事件です。
 相手は強盗強姦の常習犯の三人。
 もしもあの時、被告人の行動が一瞬でも遅かったら、
 確実に二人は他の多くの被害者と同じ運命を送っていた。
 被告人はそれまでの豊富なケンカの経験によって、
 それが予見出来たんです。
 だから彼は、身重の恋人と、お腹の恋人を守る為に、
 相手を気絶させて逃げたんです。
 ここで正当防衛を認められなければ、
 そのままレイプされてろってことになる。
 そうしたら、妊婦も胎児も死んでいたかもしれない。
 二人はこれから、親としての第一歩を踏み出そうとしています。
 弁護人は、岡部省吾の無罪を主張します!」

「先生方のおかげで、無罪になって本当に良かったです。
 ケンカっ早いところもあるけど、
 私にはこの人しかいないって思うから、
 これからも二人で・・・三人で、頑張っていきます。」
「でも、裁判の時に、いきなり子供がいるって言われたから
 驚きましたよ。
 知らないうちに父親になっていたなんて。」
「ちょっと待って。岡部君、あの時、杏里さんが妊娠しているって
 知らなかったの?」と武田。
「はい。」
「くず先生!あの最終弁論の熱弁は嘘だったんですか!」
「嘘って、人聞き悪いねー。」
「でも、」
「過ぎたことはいいんだよ。
 大切なのは、今をどう思っているか、なんだから。な!」
「もう暴力を振るったりしません。
 本当にそう思っています。」
岡部の言葉に嬉しそうに微笑む杏里。
「君たちは若いんだから、
 子供と一緒に成長していくんだよ。」と白石。
「がんばってね。」
「はい!!」

岡部が杏里を気遣いながら、事務所を出ていった。
「いろいろあるけど、こういうことがあると
 弁護士をやっていて良かったって思うわね。」と徹子。

そこへ、警察から電話が入る。
安名場埠頭の覗き常習犯が掴まり、くずに弁護を依頼したいとのこと。
「あの男、掴まったんですね!」と武田。
「いいやつだったんだけどなー。」とくず。
「くず先生、行ってあげましょうよ!」
「えーー・・・・。」

警察署から出てきたくずと武田。
「あーあ。また金にならない仕事を引き受けちゃったなー。」
「あの人のおかげで裁判勝てたんですから!」
「犯罪捜査に協力するのは市民の義務だよね?」
くずに聞かれ、敬礼するピーポ君。

象の泣き声。
「鳴ってますよ。コトミちゃんじゃないんですか?」
「いいんだよ。どうせ情報提供料10万よこせってやつだから。」
「今時の女の子はタダじゃ何もしてくれないんですね。」
「もう連日矢の様な催促メールよ。」
「これは経費じゃ落ちないですから自腹ですね。」
「乳揉んでもねーのに10万も払えるか!」
「協力してくれた人の報酬、踏み倒す気ですか!?
 弁護士なのに訴えられますよ!」
「じゃあ5万ずつね!」
「何で僕が!」
「あ!!!
 今週絆創膏外すの忘れた!!」
「あー!!」
「取り直しー!?」



最後は二人のカメラ目線で決め!!(笑)
今回はいつ外すのかなーと思っていたら、忘れたんだ。(笑)

今回のテーマは、暴力。正当防衛。
美月の学校での男子への仕返し。
加害者を弁護する徹子への被害者側の思い。
そして、恋人を守ろうと大学生たちを殴りつけた岡部。

今回の岡部は、三人の柄の悪い男たちに囲まれ、
反射的に、殴りかかった?
もちろん、彼女を守ろうという気持ちもあったとは思います。
でもその辺の思いが、彼女には伝わっていなかったようだし、
彼もそれを認識していたかどうか、よくわかりません。

大学生三人がしていたことは酷い犯罪でした。
くず先生は彼らの罪を暴き、そして少しの嘘をつき、
本当の被害者を救った。
悪いのは明かに大学生たちだし、こういう嘘でもつかなければ、
彼を無罪にすることは出来なかったんだろうな。
武田先生も、いつの間にか素晴らしい弁護士になっていましたね。

岡部役の塩谷瞬さん、『白夜行』に出演されていましたね。
雰囲気が違う〜!
杏里役の酒井彩名さんは『おはスタ』の頃を知っているだけに、
大人になられたなーとしみじみ。(笑)
『花より男子』にも出演されていました。

その他に、小川直也さん、ダチョウ倶楽部の肥後さん、脇知弘さんと
ゲストもにぎやかでした!

このドラマは本当にお遊び大好き!
くず役の豊川さんに「俺テレビに出てるんだー!」と宣伝させたり、
他局ドラマ『女王の教室』のBGMを持ってきたり!
公園で女装した武田と並ぶくずの会話も面白かった!
私もホッペの赤くないトヨエツも見たいぞ。(笑)
一体どれがセリフでどれがアドリブ!?



※一部公式HPあらすじを引用しました。


九頭元人(くず もとひと) (40) … 豊川悦司
武田真実(たけだ まさみ) (28) … 伊藤英明
小俣夕花(おまた ゆうか) (26) … 星野亜希
国光裕次郎(くにみつ ゆうじろう) (48) … モト冬樹
白石誠(しらい しまこと) (60) … 北村総一朗
加藤徹子(かとう てつこ) (39) … 高島礼子
秋野美月(あきの みずき)(10) … 村崎真彩

カワニシさん(豊田梨沙さん)

第10話ゲスト
岡部省吾・・・塩谷瞬
赤地杏里・・・酒井彩名
須永・・・・・小川直也

第11話ゲスト
田辺誠一
杉本彩


ランキングに参加中!応援クリックよろしくお願いいたします。
人気blogランキング    TV Drama Ranking



DVD発売決定!
B000GALE04弁護士のくず DVD-BOXユニバーサルミュージック 2006-09-20by G-Tools



原作です。
photo
弁護士のくず 1 (1)
井浦 秀夫
小学館 2004-07-30

by G-Tools , 2006/04/02




photo
弁護士のくず 2 (2)
井浦 秀夫
小学館 2005-03-30

by G-Tools , 2006/04/02




photo
弁護士のくず 3 (3)
井浦 秀夫
小学館 2006-04-27

by G-Tools , 2006/04/02




主題歌はhitomiさん。
photo
GO MY WAY
hitomi
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2006-05-10

by G-Tools , 2006/04/02




オリジナルサウンドトラック
B000FIGZK6弁護士のくず オリジナルサウンドトラックV.A. エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2006-06-21by G-Tools



弁護士のくず 愛、さもなくば金を
4091084796弁護士のくず 愛、さもなくば金を井浦 秀夫 小学館 2006-04by G-Tools



武田が弁護士を目指すきっかけとなった映画
B00005GPWS評決バート・ハリス リチャード・D.ザナック デヴィット・ブラウン ビクターエンタテインメント 1991-11-21by G-Tools




豊川悦司さんの出演作品


19:13 | CM(2) | TB(0) | 弁護士のくず | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回も笑わせてもらいました、岡部の裁判のときの表情にもうひとつ違う結末を感じましたが裏を読みすぎでした、大学生と岡部がグルなのかなと…

卑劣な手段女性を陵辱する行為は有りえないし、もし自分でも命を懸けてでも彼女を守るでしょう、その前に彼女を逃がしたでしょうね、そんなに強くないので!

クズのいった加藤の鈍感やはりスキスキ光線をクズは加藤に出しているのでしょうか、美月も喜びそう

探偵物語を途中まで見ましたが、一話めで意味の無い絆創膏をめくるシーンがあっただけで意味はないようです、暇が出来たら後半もみてみます。
Posted by けた at 2006年06月16日 20:56
けたさん、こんばんは。
いつもありがとうございます!

このドラマは何か最後にひっくり返ることが多いので、
そういう展開も考えられたかもしれないですね。
最後はハッピーエンド出よかった!

加藤の鈍感、武田のスキスキ光線のことを言っているのかなーと
思いました。どちらとくっつくのか、まだまだわかりませんね。

探偵物語情報、ありがとうございます!
Posted by ちーず at 2006年06月17日 21:14
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。