2006年06月19日

おいしいプロポーズ Vol.9

『別れの予感』

春樹(小出恵介)の部屋にいた鈴子(長谷川京子)はミチル(サエコ)に
追い出され、春樹に会えぬまま部屋を後にする。
春樹はすぐに追いかけるが、鈴子はバスに乗ってしまい追いつけず。
携帯に電話をするも、電源を切られてしまう。
急いで自宅に戻り、車で追いかけようとする春樹。
「お話しよう!」とマンションの前で待っていたミチルを
突き飛ばしてしまう。
「・・・大丈夫か?」
「大丈夫じゃない・・・。大丈夫じゃない!」
ミチルが春樹の足にすがりつく。

寂しそうに家へ向う鈴子は、公園のバスケットのゴールを見つめ、
春樹の言葉を思い出す。
「言われたんだ。アメリカに行く前に。
 あなた、きっと彼女のことが好きになるって。
 君のこと、好きになるって。
 君といると、俺は本当の自分になれるんだ。」「婚約は私一人で決めたことじゃないの。
 春樹さんのご両親だって大賛成してくれているでしょう?」
ミチルにそう言われ、春樹の表情はますます曇る。

翌日。バンビーナではチェーン店化の新装工事が始まり、
鈴子たちバンビーナの面々は片づけをしながら店との別れを惜しむ。
「我が・・・愛しの・・・バンビーナ・・・。」
感傷に浸る大河内マネージャー(西村雅彦)。

するとそこに大河内(石井正則)が現れ、店が新装工事している間、
バンビーナの面々には葛城コンツェルンの本社にある社員食堂で
働いてもらうと告げられる。
鈴子はマキ(小池栄子)から社員食堂で働けば春樹と頻繁に会えると
冷やかされるが、ミチルから婚約話が着々と進んでいると聞いている
鈴子は不安を抱えたまま社員食堂で仕事を始める。

本社のビルを見上げるバンビーナスタッフたち。
「私たち、こんな会社相手に裁判起こそうとしていたんですね・・・。」
「ちょっと、無謀だったかな・・・。」
あまりの立派さに、そう呟く。

一方、春樹は経済新聞に自分とミチルの婚約の記事が発表されて
いるのを発見。
すぐに社長室に向うが、部屋には鍵がかかっている。
秘書が、まだ来ていないと告げるが、実は父・道造(橋爪功)は
既に部屋の中にいた。
秘書には春樹が来たら追い返すよう言っておいたのだ。
「まったく困ったもんだ。すぐカッカする。」
「社長によく似ておられます。」
「私には似ないで良かったって、アイツに言われたよ。」
「それは女関係のことでしょ!」
道造、この秘書とも!?

社員食堂。
大河内は鈴子には厨房に入り、スパゲティーミートソースや
冷静パスタを作るよう言う。
「そんな料理、うちのシェフがわざわざ作らなくても!」と
スタッフは文句を言うが、
「いいの!そういう料理こそみんなが美味しいって
 食べてくれるんだから。」と鈴子。
キッチンスタッフの二人には、カウンター業務。
ホールスタッフの三人には食器の片付けと補充、そしてレジ。
大河内マネージャーには"スペシャーレな仕事"と言い、
うどん・そば係りを頼む大河内だった。

手一杯なスタッフに代わり、食器を下げに行く鈴子。
「このスパゲティーいつもより美味しいんだけど!」
「ね、ソースがとくに!」
そんな社員たちの言葉に嬉しそうに微笑む。
だが、春樹婚約の噂を耳にし、その笑顔はたちまち消えてしまう。

食器を下げていたメアリー(石田未来)が、社員とぶつかり
ネクタイを汚してしまう。
「どうしてくれる!」「安物じゃねーんだぞ!」と怒られるメアリー。
「ちょっと待ってください。
 あなたも余所見してたじゃないですか!
 だから、これはお互い様です。」鈴子が社員にそう言う。
「なんだと?社員に向って何だ、その口の利き方は!」
「社員だからって何なんですか?」
「あ?お前なんて名前なんだ!?
 人事に言ってクビにしてやるよ!」

「誰をクビにするんですか?」春樹の声。
「だからこの女を!」振り返った社員が固まる。
「彼女は僕の知り合いなんですよ。」
「え?常務の、お知り合い!?」
「この人が、ネクタイ汚されたから弁償しろって言うんですよ。
 高そうですもんねー、このネクタイ。」とマキ。
「こんなのね、安もんですよ、安もん!」
社員は態度を一転させ、その場から逃げ出す。
「何よ!ガラっと態度変えちゃってさ。」とマキ。
鈴子は悲しそうに俯いたまま・・・。

「少しいいかな。」春樹が鈴子に言う。
「でも・・・。」
マキが鈴子の持つ食器を受け取り、二人の時間を作る。
「夕べは悪かった。
 すぐに追いかけたんだ。」
「いいの。ちょっと驚いただけだから。
 その・・・婚約したって聞いて。」
「断ったつもりだった。
 なのに・・・。」
「ほんといいから。私のことは。」
「いいわけないだろ!
 この件は何とかする。だから、俺のことを信じてほしい。」
真剣な表情で春樹にそういわれ、鈴子は戸惑いながらも笑顔で
頷いた。

秘書・大河内も新聞で婚約のことを知りびっくり!
春樹に聞こうとするが、春樹は慌しく出かけていく。

春樹が向った場所は、とあるホテルで開かれている
『社団法人 東日本経営者団体連合会懇談会』パーティー会場。
そこに参加する道造の姿を探す。
「社長!婚約を取りやめて下さい!」
「バカなこと言うんじゃないよ。」
「今すぐ昨日の発表を撤回して下さい!」
「うちの今日の株価が上がってる。
 それもこれも、お前とミチルさんの婚約のおかげだよ。」
「お願いです!僕は彼女と婚約するつもりはないんですよ!」
「何言ってんだ。もう婚約したんだ!それが事実だ!」
そこへ、ミチルの父・浅倉会長がやって来た。
「夕べは、うちのミチルがお邪魔したそうだね。」
「なんだ。仲良くしてんじゃないか。」と道造も喜ぶ。
「会長にも、お話に伺うつもりだったんです。」
「なんだね?」
「婚約のことです。申し訳ないんですが、」
道造が慌てて春樹を会長の前から遠ざける。

「何て言おうとした?」
「浅倉会長にも、婚約の話はなかったことにしてほしいと。」
「バカ!そんなことしたらどうなるかわかってるのか!?」
そこへ浅倉会長がやってくる。
「どうしたのかね?
 今、銀行からの融資額について話し合っているところなんだよ、
 春樹君。
 その決定次第で、そちらの株を公開買い付けしようと思う。
 葛城コンツェルンの、筆頭株主になるだろうね。
 だが、婚約解消なんてことになると・・どうなるか。」
浅倉が、春樹と道造を交互に見つめながらそう言った。

こんな風に言われてしまうと、なかなか簡単には
婚約解消出来そうにありませんね・・・。
春樹、辛い立場に置かれてしまいました。


社員食堂の仕事が終わった頃、藤森(小澤征悦)が訪ねてきた。
バンビーナで工事する人たちに、本社にいると聞いたのだ。
「どうしたの、今日は。」鈴子が聞く。
「この前俺が言ったこと、覚えてる?」

「彼は、君とは上手くいかないと思う。
 傷つく前に、彼から離れた方がいい。」藤森は以前鈴子にそう言った。

「あんなこと言うつもりは、なかった。
 けど・・・」
藤森はそう言い新聞を取り出す。
「その通りに、なりそうなんだ。」
藤森が鈴子に新聞を見せる。

『浅倉財閥 葛城グループを全面援助
 常務・春樹氏、浅倉家令嬢と婚約』

「彼が、どんなに自分の思い通りにしたいと、
 頑張ったとしても、
 葛城コンツェルンを背負っている限り、限界がある。
 彼はこの、婚約を、受けるだろう。
 君の事が、どれだけ好きでも、
 彼の選ぶ道は、もう、決められてる。」
「そうかもしれない・・・。
 でも今私に出来ることは・・・彼を信じてあげるだけだから。」
「自分が傷ついてもか?」
「・・・大丈夫よ、私は。
 心配してくれてありがと!」
創元気に微笑んで見せる鈴子だった。

その帰り、藤森は本社ロビーで春樹と偶然会う。
「彼女に対していい加減なことをしたら、
 俺は、許さない。」
藤森はそう春樹に告げ、立ち去った。

秘書・大河内が春樹に頭を下げる。
「申し訳ありませんでした!
 こんなことならバンビーナスタッフを呼ぶんじゃありませんでした!
 白石シェフも・・・居づらいですよね。
 でも、私は、常務と白石シェフのことを応援しておりますから!!」
「ありがとう。」春樹が嬉しそうに微笑んだ。

バンビーナから出てきた鈴子が自転車を走らせていると、
公園に入っていくマキの姿を見かける。
不思議に思いあとを追う鈴子。
鈴子がホームレスの集まる場所で服を干し始めている。
「マキ!!」
「あ!!」マキが悲鳴を上げる。
「なに?・・・あ!!鈴子!!」
鈴子の兄・徹(天野ひろゆき)が顔を出し、鈴子はもっとびっくり!
「お兄ちゃん!ここで何してるの!?
 どういうこと!?二人して。」

兄を怖い顔で睨みつける鈴子。
「いや、金が無くて、結果、こんなところに住んでおりまーす。」
「いつからよ!?」
「お前んち追い出されて、かれこれ、1ヶ月近く?みたいな。」
「・・・で、何でマキがここにいんの?」
「それは・・・」
「もしかして、マキが付き合ってる人って・・・
 お兄ちゃん!?・・・じゃ、ないわよね。」
「付き合ってるっていうか、ほっとけないっていうかさ・・。」
「えー!?」
「マキちゃん本当に良く面倒見てくれてさ。
 食事、差し入れしてくれたり。」
「私ぐらいしか、この人のこと励ましてやれないから。」
「俺、マキちゃんがいてくれたら、本当、頑張れる気が
 するんだよね!」
「頑張ってるわよ。今でも充分!」
「わかってくれて、ありがとう。」
「そんな水臭いこと言わないでよ。」
「でも・・・」
見詰め合う二人に、鈴子は呆然。
「鈴子にもちゃんと話そうと思ったんだけどさ、
 なんか言い辛くて。
 ・・・それでね、徹さん、うちに来てもらったらどうかな。」
「うちにって!
 でも、どこで寝んのよ。
 まさかマキの部屋?」
「違うよ!
 リビングのソファーとか、どこでもそこら辺で。
 ちはるちゃんだって、そのほうが喜ぶと思うし。」
「そうだけど・・・。」

その時鈴子の携帯が鳴る。
「今から、うちに来れる?」春樹からだ。
「今からって、会社は?」
「今日はもう帰るつもりだ。」
「・・わかった。じゃああとで。」

鈴子は春樹から何を言われるのか不安を感じながら訊ねて行く。
不安げにドアの前に立つ鈴子。
「やあ。早かったね!」
ドアを開けた春樹が笑顔で迎える。
エプロン姿に、顔には白い粉が付いている!
「何してんの?」
「何って、ご馳走作ってるんだよ!
 丁度今パスタの面を伸ばしてたとこでさ。
 まだ出来てないんだよ。もうちょっと待ってて。
 本日のメニューはですね、まずカプレーゼ!
 これさ、トマトの輪切りって案外切りにくいんだよね。」
鈴子が覗き込むと、トマトはぐちゃぐちゃ。
「それと、アランチーニ!
 これからね、丸めて揚げようと思ってるんだ。」
「・・どう丸めんの?ベチャベチャじゃない。
 ブロードが多すぎるんじゃないかしら。」
「え?そうなの?」
「あ!タマネギもこんな大きく切っちゃって。」
鈴子が手を腰に当てて春樹に言う。
「ほんと食べることに関しては一流なのに
 作ることは三流以下ね!」
「・・・」落ち込む春樹。鈴子は嬉しそうに微笑む。
「私も手伝うわ。」
「いいよいいよ。今日は客で来てもらったんだし。」
「いいの!私も美味しいもの食べたいし。」
そして二人は楽しそうに料理を始める。

鈴子がタマネギを切る姿に見とれる春樹。
「手ー止まってるよ。」
「おぉ!」

「カンペキだな!これ。」
ミートボールを野球のボールより大きく丸める春樹。
「なんでこんなことしてんの。もっとこれくらいのサイズで。
 減らして減らして。」

恐る恐る具材を油に放り込む春樹。
「そんな怖がらなくてもいいのに。
私やるよ。はい。こうやって。」

「トマト」
「チーズ」
二人が順番に皿にトマトとチーズを並べていく。

パスタの生地を器械でスパゲティー状にする二人。
「すごいね!これ。」春樹が感動する。
「なに。作ったことないの?」
「あるよー。」
春樹の言葉に微笑む鈴子。

二人で一緒に作った料理が完成した。

「じゃあ乾杯しよう。」
「何に?」
「そうだなー。まず、こうして無事に料理が出来上がったこと。
 そして、バンビーナのシェフを独り占め出来たこと!
 乾杯。」
「乾杯!」

鈴子が料理を口に運ぶのを見つめる春樹。
「うん。美味しい!このアランチーニ。」
「いける?」
「うん。」
「じゃあ、これもどうですか?」
春樹が自分が作った不恰好なアランチーニを皿に乗せる。
「えー。私が食べんの?」
「アランチーニ!」
「ありがと!」
春樹は鈴子を見つめ続ける。
「うん!
 食べないの?」
「・・・食べ物を美味しく味わえる女性と食卓を囲めるのは、
 男の人生の幸福だ。」大人っぽくそう言う春樹。
「誰かの言葉?」
「俺の本心。
 じゃ、いただきます。」
「はい。じゃあ私が取ってあげる。」

食事の後。夜景を見つめる鈴子。
「明日は食堂に食べに行くから。」
「うん。リクエストある?」
「そうだなー。スパゲッティーは今日食べたから。」
「じゃあ・・・海の幸のリゾット。」
「お。いいね!」
ワインで乾杯する二人。
「二人で作ったお料理と、美味しそうに食べるあなたと私がいて、
 今すごく幸せ。」
春樹も頷く。
「私もしかしたらね・・・。
 あなたから別れようって言われるんじゃないかって、
 そんなこと思っていたの。
 だからあなたに会いたいのに会いたくなかったり、
 ここまで来るのに変な気分だった。
 ・・・信じてたいの。あなたの言葉・・・。
 でも・・・。」
「・・・わからないんだ。どうしていいか・・・。
 どうしたらいいのか・・・。
 でも一つだけ確かなことがある。
 君だけは失いたくない!
 どんなことがあっても、黄身だけは・・・。」
二人は見つめあい、そして寄り添いあう。
春樹は鈴子をしっかりと抱きしめ、鈴子は春樹の胸でそっと瞳を閉じた。

翌日のランチタイム、春樹が食堂にやって来た。
「海の幸のリゾット下さい。」
鈴子は春樹に微笑み、「ベネ。」と答える。

秘書・大河内は大河内マネージャーに
「キツネをお願いします。」と注文。
「そば?うどん?」振り返った大河内は、大河内の姿に驚く。
「うどんで。」
「あいよ!
 ・・・覚えてろよ。こんなことさせやがって。」
そう言い湯を切る大河内マネージャー。
「お上手ですねー!」
そんな彼の気持ちをわからない秘書・大河内が褒め称える。

鈴子が春樹にリゾットを出す。
「いい香りだね。」
「でしょ。」
「ありがと!」
幸せそうな二人。

ミチルが葛城コンツェルンにやって来た。
顔パスで受付を通り、社長室へ。
「ミチルさん!
 今日は、何か?」驚きながら答える道造。
「今日はおじさまにお礼を言いに来ました。」
「お礼?」
「ええ。
 昨日私たちの婚約のことを大々的に発表してくださって、
 ありがとうございます。」
「まあ・・善は急げって言うでしょ。」
「私、正直言ってほっとしました。
 ずっと不安でしたから。」
「あ、そう・・。」
「でもまだ春樹さんは・・・。」
「いやいや、春樹のことだったら心配しなくていいです。
 あいつもバカじゃないですから。
 ミチルさんね、春樹にとっては、あなたが一番必要な人なんですから。」
「ありがとうございます。お父様!!」
道造が嬉しそうに笑う。

ミチルが春樹のいる部署へ行くと、社員たちがみな
「おめでとうございます」と挨拶する。
「春樹さーん!」春樹は部屋にいない。
「ねえ、常務は?」
「今社員食堂に行かれています。」

「麺が茹で過ぎでした。
 あと2から3秒茹でる時間を短くして下さい。」
秘書・大河内は大河内マネージャーに注文をつける。
「・・わかりました!」
「あと油揚げなんですが、三角に切っていただいた方が
 みんなが食べや・・!!」
秘書大河内は目の前を通り過ぎていくミチルに驚く。

テーブルで一人食事をする春樹の姿に嬉しそうに歩み寄るミチル。
その時彼女の視界に鈴子が入る。

「どう?リゾットの味は。」
「最高だった!米もアルデンテで良かったよ!」
「そう!じゃあ明日は何がいい?」
「そうだなー。あ、ホールロリペリーヌなんてどう?」
「社員食堂じゃ無理よ。」鈴子が笑う。
「そっか!
 じゃあ会議あるから。」
「うん。がんばって!」

春樹が去ったあと、鈴子はミチルがじっと見つめているのに気づく。
何も言わずに立ち去るミチル・・・。

社長室の部屋の戸を勢いよく開けるミチル。
「ミチルさん!どうしました?」
「・・・」
バッグを床に落とし、ミチルが泣き始める。
「どうしたんですか?」ミチルに駆け寄る道造。
ミチルは座り込み、泣きながら言う。
「こんな侮辱を受けたの、生まれて初めてです!」
「え!?」
「父がこのことを知ったらなんて言うか!
 春樹さんに年上の女の人がいるなんてわかったら!」
ミチルが号泣する。

ミチル登場にやきもきする秘書・大河内。
そこへ、社長秘書がやって来た。
「社長が及びです。すぐ来るように。」
事務的に鈴子にそう伝える。
「わかりました。」
鈴子が秘書と共に社長室へ向う。

「常務!!常務!!大変です!!シェフが社長に呼ばれて!!」
大河内が春樹にすぐに知らせる。

「うちの社員食堂で働いているんだって?」道造が聞く。
「はい。」
「私は反対したんですよ。
 バンビーナのスタッフをそのまま新しい店で使うのは
 どうかってね。
 だけど春樹がね、みんな優秀だから、そのまま残したいって。
 とくに、シェフのあなたの腕には、感心しているらしくって。
 それは私も、同様ですけどね。」
「ありがとうございます!」
「ただ、少し、困ったことが起きちゃってねー。
 どうかな。うちの息子から手を引いてくれませんかねー。
 いや、あいつにもね、何度も言っているんだけどね、
 相当あなたに惚れているらしくって。
 なかなかうんって言わないんだ。
 まあね、気持ちはわかりますけどね。いい女だし!」
道造に肩を触れられ飛びのく鈴子。

「・・・だけど、お遊びも、これぐらいです。
 いくら欲しい?」
「え・・・」
「この場で、小切手切りましょう。
 好きなだけ金額言ってみてください。」
「私、お金なんていりません!」
「遠慮はいりませんから。
 いくら?」

そこへ、春樹がやって来た。
「彼女に何の用です!?」
「見てのとおりだ。
 今、手切れ金を渡そうとしているんです。」
春樹が鈴子を見ると、鈴子が悲しそうに俯いている。
「お前もまだまだ若いなー。
 女と手を打つのがなかなか上手くいかないなんて。
 だから親の私が代わりに、話をつけて、」
「言ったはずです!婚約はしないと!!
 浅倉会長にもそうお話します!」
「婚約は!もう決まったことだ!!」
「・・・わかりました。
 でも俺は婚約パーティーには出席しませんから。
 そのおつもりで!!」
「いい加減にしろ。どれだけ困らせたら気が済むんだ。
 好きな女がいるから婚約は断るだと!?
 寝ぼけたこと言ってんじゃないよ!!」
「それが自然なことです!!
 どこもおかしくない!」
「ならお前は!この会社がどうなってもいいのか!!」
「・・・」
「今浅倉財閥から見放されたら・・・
 どうなると思ってる!
 会社と、彼女と、どっち取るんだ?ん??」
「・・・」
暫くの沈黙の後、春樹が答える。
「俺は・・・彼女を、選びます。」
「今・・なんて言った!?
 お前は私の後をついで、この会社の、経営者になるんだぞ!
 わかってんのか!」
「それは俺が望んだことじゃない。
 兄さんが死んだあと、
 兄さんの代わりに一生懸命頑張ってきただけです!
 でも、彼女と出会って、
 自分らしく生きようと、そう決めました。」
「葛城コンツェルンを・・継がないっていうのか!?
 死んだ修一や、親の私たちの期待を裏切るのか!
 今まで一体誰のおかげで!」春樹に掴みかかる道造。
次の瞬間、道造は胸を押さえ苦しそうに倒れてしまった。

病院。
道造は、血圧上昇から来る心臓発作。
「一時的なものですので、そんなに心配はありませんが、
 年ですし、何度もこういうことを繰り返すと、
 命に関わってきます。
 ご家族の方も、気をつけてあげてください。」
医者がそう説明する。
母親も駆けつけた。
「あなた・・・どうしてこんなことに・・・。」
「すみません・・・。」
「何があったの!?」
「私は、外にいます。」鈴子が席を外す。

「誰なの!?」
「僕が・・お付き合いをしている人です。」
「お付き合いって!あなた、ミチルさんと婚約したのよ!
 まさか、お父様がお倒れになったのもそのことが原因で?」
「本当にすみません。」
「だから私は20年前あなたを引き取ることに反対したのよ!
 どこの女だかわからない浮気相手の子供を引き取るなんて!
 きっとろくでもないことが起きるって!
 修一があんな死に方をして、 
 今度は、父親までこんな目に合わせて!
 何かあったらどうするつもり!!」

「おい・・・よさないか。」
「あなた!目が覚めたのね。」
「父さん・・・。」

そんな家族のやり取りを聞いていた鈴子は・・・。

病室から少し離れたイスで考え込む鈴子に、春樹が声をかける。
「今夜は付き添うことにするよ。まだ心配だから。」
「そうね。そうしてあげた方がお父様もきっと安心されるわ。」
「・・・」
「じゃあ、私帰るね。」
「送れなくてごめん。」
「大丈夫。私なら一人でも平気だから。」
鈴子はそう言い微笑んだ。

病院の帰り、一人家へと鈴子・・・。

春樹は父の寝顔を見つめ・・・。
「父さん・・・」

歩道橋で立ち止まった鈴子は、
悲しそうに携帯のストラップに触れ・・・。


※一部公式HPあらすじを引用しました。


会社のことだけなら、何とか乗り越えられたかもしれません。
そこへきて、道造が心臓発作で倒れてしまい・・・。
これでは春樹も鈴子も、自分たちのことだけを考えているわけには
いかなくなってしまいました。

そして鈴子は、春樹に厳しく攻め立てる母親の言葉を
聞いてしまいました。
自分の存在が、最愛の人に辛い思いをさせてしまっている。
病院のベンチで一人、鈴子はそう考えていたのでしょう。
「大丈夫。私なら一人でも平気だから。」
この言葉は、鈴子が春樹との別れを決意したということなんでしょう。

二人で一緒に美味しいものを作り、それを一緒に食べる幸せ。
その時の二人が本当に幸せそうで、
だから余計に切ないですね。。。

春樹は自分の為に生きたらいけないの?
もしかしたら道造も、同じ思いで婿養子に入ったのかもしれない。
最後には春樹の良き理解者となってくれるといいのだけれど・・・。



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この記事へのコメント
ちーずさん、こんにちは!
このドラマ、もうハマリまくっていて。。。日曜日なんて、朝からソワソワしちゃっています。
実は本を読んでしまったので、結末はわかってしまったのですが、(まぁ、その通りになるとは限らないですがね。)このドラマは昔のラブコメに似ているものがあるような気がして、ならば絶対に二人は結ばれてほしいと願っています。あー。来週が待ち遠しいです。
Posted by togepy at 2006年06月19日 12:00
誰も春樹の心情を理解しようとせず、皆自分の好き勝手な事ばっか言って!!!
おいしい食事を作って食べる。春樹にとってはそんな平凡な時間を共有出来る鈴子との時間は本当に心癒される瞬間なんでしょうね〜♪
この二人には幸せになってほしい!
Posted by まこ at 2006年06月19日 19:32
ちーずさんこんばんは、春樹と鈴子がお互いを信じる力を持ちましたね!

道造の病気はフェイク?ミチルの親の援助を断り二人が幸せになるには春樹がみんなに認められる実績か援助してくれる会社を見つけるしかありませんね!

春樹が独立できるまで二人が離れる結末でしょうか?

チーズ、トマト、チーズ、トマトに二人の仲が凝縮して見えました。
Posted by けた at 2006年06月19日 20:27
お早い更新有難う御座います♪
話は変わりますが、私も春樹や鈴子と同じような立場に置かれているんです・・・。あっ、でも片方が自分で、もう片方が成績とか、親とかなんですけどね。私は結構難関と言われている私立中学に通っていて、お金もかかるんです。で、父は会社を経営しているのですが、経営不振で、もしかすると・・・っていうような状況に追い込まれていて、本当なら故郷(中国)に帰れば、全ては解決するのですが、私は頑張って受験して入ったこの学校を辞めたくないので、ココに残ろう!って家族も言ってくれたんです。で、私はバスケ部に入っていて、毎日自主練で朝とか、放課後とかにバスケをしているんです。で、その上テレビもいっぱい見たり、こうしてインターネットもしたりしていて、成績があまりよくなくて・・・。で、明日も先輩との朝練があると伝えたら、怒り出して・・・。母の気持ちもわかるのですが、どうしても気持ちがすっきりしなくて・・・。私が居るから母とか父が苦労しているような気がして・・・。でも、何か失いたくないものがあるんです。うまくいえないんですけど。。。「楽しい」ですかね・・・。なんかすっごく個人的な事ですいません。なんか書いたらすっきりしました。これからも更新楽しみにしています。
Posted by rei*0*rei at 2006年06月19日 20:41
ちーずさん、こんばんは。
h¥春樹と鈴子のラブラブな様子をもう少し
見て楽しんでいたかったのですが、ミチルが
いつも邪魔します。
会社を取るか、z¥鈴子を取るか。選んでも
無視される春樹が可哀想。
Posted by mari at 2006年06月20日 01:27
こんにちは いつも読ませていただいてます。
一ヶ所間違いを見つけたので記入させていただきます。

「・・どう丸めんの?ベチャベチャじゃない。
 ラードが多すぎるんじゃないかしら。」
  ↑
ブロード(ブイヨンのこと)だと聞こえました。
よろしくお願いします。
Posted by akk11 at 2006年06月21日 00:42
恋に落ちて、別れが予感出来るまで早過ぎっ!?
もう少し、ラブリーでいたかったわ・・・^^;
(それは無理というもの)
という訳で、今週はテンションが下がってしまい、
先週を見返した位です。(何処まで好きやねん。)
ラストは「おいしい!プロポーズ」是非して欲しいもんです!
Posted by めいまま at 2006年06月21日 18:04
こんにちは。コメントありがとうございます!

★togepyさん★
おぉ!もう結果を知っていらっしゃるんですね!
本とドラマと結果が同じかどうか、最終回の時に
教えてくださいね。
ラブコメの王道!楽しくて、ワクワクして、いいですよね。
何より演じている二人の表情が魅力的です!

★まこさん★
ミチルも道造も、母親も、自分の都合を春樹に押し付けてばかり
ですね。頭にきます。
春樹はお金で買えない幸せを、やっと知りました。
兄の代わりをずっと務めてきた春樹を、もう解放してあげて
ほしいですね。

★けたさん★
道造には改心してほしいので、あの病気をきっかけに、
変わってくれたらな。
しばらく二人は離れ離れになりそうですね。
でもその後の二人の幸せを見せてほしい。
チーズとトマトを交互に並べていくシーン、微笑ましかった!

★rei*0*rei さん★
生きていると、いくつかの道から選択しなければならない時が
必ずありますね。
どれが正しいのか、結果はすぐにはわからないけれど、
とにかく進んでいくしかないんですよね。
rei*0*reiさんはまだ中学生。
おうちのことを心配して、勉強と部活のバランスに悩んで。
でも、今起きているすべてのことが、rei*0*rei さんにとって
いつかプラスになって返ってくるはず。
私も壁にぶち当たると、いつもそう考えるようにしています。
私は親なので、お母さんがrei*0*rei さんを心配する気持ちも
よくわかります。
そして、rei*0*rei さんがおうちのことを心配する気持ちもわかります。
うちにも子供がいて、比較的自由にさせているけれど、
でもテストで結果を出せなかったりすると、やっぱりもうちょっと
優先順位をつけてやってほしいなーと思ったり。
でも自分の学生の頃を思い出すと、子供の気持ちもわかるんですよね。

どうかrei*0*rei さんの気持ちがご両親に上手く伝わりますように。
また遊びにいらして下さいね。

★mariさん★
春樹の鈴子を選ぶ宣言、カッコ良かったですね。
あれで道造が倒れなければ、また結果は違っていたでしょう。
早く解放してあげてほしい!!

★akk11さん★
ありがとうございます。訂正しておきます!

★めいままさん★
ほんと、展開早いですよね。
もう少しラブラブなところを見ていたかった。
次週最終回、どういう展開になるんでしょう!?
鈴子の前ではカワイイ春樹でいてほしいです。
Posted by ちーず at 2006年06月22日 11:18
私も最終回を楽しみにしている一人です。
こちらのサイトではすごく詳しく書かれているので、「これはこういう解釈だったんだぁ!」と気付かされることが多々あります。

予告を何度見ても話が繋がりません。
一番気になったのは、藤森さんが春樹(…だと思う)に話していたシーン。自分が恨まれてもいい、みたいなことを言ってました。彼は銀行の営業マンだから、もしかして力になってくれたりする??と淡い期待を抱いてしまいました。最後は二人の幸せな顔が見たいですね!!日曜日まで楽しみ♪♪
Posted by ひろ at 2006年06月22日 13:13
ひろさん、こんばんは!
コメントありがとうございます!

ありがとうございます。
私もみなさんのコメントやTBでドラマへの理解を
深めています。^^

最終回、どうなるんでしょうね。
藤森は自分が悪者になっても、鈴子たちを応援しようと
してくれるのかな。そうだといいですね。
でも前回の兄の失敗のときも、彼は悪者に。その後何年も
誤解されたままだったので、ちょっと可哀想かな。
楽しいドラマなので、みんながハッピーになれるといいですね!
Posted by ちーず at 2006年06月22日 21:55
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