2006年06月30日

弁護士のくず case.12

『愛と金』

結婚式を目前にして突然銀行を辞め、カレー屋を始めると言い出した
笹野(坂本昌行)に困惑する婚約者・みはる(畑野ひろ子)・・・。

ピンク・レディーの『UFO』を振り付きで歌う武田(伊藤英明)と
夕花(星野亜希)。
武田に熱血指導する徹子(高島礼子)。
弁護士会の納涼浴衣まつりの余興の練習をしているのだった。
「僕には出来ません・・!!
 ミーちゃんのステップは僕には高度すぎます!!」
「これはね、ここの新人弁護士が避けては通れない道なのよ!!」
と徹子。
「これぐらい出来ないなら、弁護士なんて辞めちまえ!」
と九頭(豊川悦司)。
「これからの司法制度改革で、弁護士の数も増えるんだから、
 歌って踊れるに越したことはないですよ。」
白石(北村総一朗)までが言う。「売りのない弁護士は、依頼が来なくなるかもしれないわよ!」と徹子。
「俺転職しようかなー。 
 楽でお姉ちゃんがいっぱいいて、
 楽々金が儲かる仕事がいいなー。」とくず。
「くず先生は弁護士の仕事に
 品位と誇りをもっと持って下さいよ!」と武田。
「バカヤロウ!
 俺ほど仕事熱心で上品で、誇り高い弁護士は、
 おりゃしまへんで〜!」
くずの鼻にはトレードマークの絆創膏。
掛け軸には『人間だもん』・・・。

白石法律事務所に笹野がやって来た。
「銀行員を辞めて、カレー屋を開きたいと打ち明けたら、
 婚約を破棄すると言われて・・・。
 それが郵送されてきたんです。」
500万の慰謝料請求の内容証明を見せる笹野。
「こういう言い方は失礼なんですが、
 その婚約者の方とは、結婚しなくて正解だったと思いますよ。
 それじゃあまるで、笹野さん自信じゃなく、
 笹野さんの肩書きに惹かれると言わんばかりじゃないですか。
 夢にかける男のロマンを何だと思っているんでしょうね。」
と武田が言う。すると居眠りしていたくずが口を開く。
「あのね、婚約っていうのは婚姻予約っていう契約なんだよ。
 契約違反したら、損害賠償払わされても仕方がないの。」
「仕事が変わっても、笹野さん自身の人格は変わらないじゃないですか。」
ところが笹野は、
「何も相談もなく、銀行を辞めた私が悪かったんです。
 彼女に、会社も辞めさせちゃったし。
 ここに伺ったのも、こういう場合の支払方法がわからなかっただけで、
 お願いしてよろしいでしょうか。」
そう言い封筒に入れた500万をテーブルに置く。

くずと武田はその500万をみはるの代理人・雨宮弁護士(西岡徳馬)に
持っていく。
すると、その弁護士から慰謝料を500万から600万に引き上げたいと
みはるの要求を聞かされる。
代理人は、みはるは結婚するつもりで会社を辞めたのだと言う。
「慰謝料の他に、辞めた会社で貰えるはずだったお給料を一失利益として
 上乗せしても、その金額は取りすぎではないでしょうか?」と武田。
「依頼人は、どんなに時間がかかっても、
 その金額で交渉してほしいとおっしゃています。」
「・・・払いますよ、600万円。」とくず。
「何を言ってるんですか!依頼人に承諾もなくそんなことを!」と武田。
「いいじゃん!俺の金じゃないんだしー。」くずが微笑む。

代理人と電話で話すみはる。
ことがうまく運んでいると聞かされると、
「私、600万じゃ納得出来なくなりました。
 700万円支払うように伝えてください。
 お願いします!」
そう言い電話を切ってしまう。
受話器を切った彼女の指には婚約指輪がはめてあった。
「ほんと!それぐらい貰わないと、気が済まないわよね!
 大事な一人娘を傷物にした、とんでもない男だもの!」
みはるの母親(田島令子)が憤慨する。

作文用紙を前に眉間にしわを寄せる美月(村崎真彩)。
「眉間は幸せの通り道だからね。
 あんまりしわ寄せると、幸せにしわ寄せがきちゃうよ。」とくず。
「宿題でね、『将来の夢』っていう宿題書かなくちゃいけないの。」
「あー。
 ナースかスッチーか、ミニスカポリスがいいんじゃない?
 男の子にモテるよ!」
「モテなくても、やりがいのある仕事につきたいの!」
「うーん。そういう危険な発想していると、
 加藤徹子先生みたいに売れ残っちゃうんだよ。」

「ハックション!」
徹子がいつもの店で思いっきりくしゃみをする。

「何でお父さんは弁護士になったの?」
「うん?お金が儲かりそうだから!」
「じゃあ何で今全然儲かってないの?」
「仕事ってーのはね、なかなか思い通りにはいかないんだよ。」
「女弁護士、カッコいいよねー!
 『逃げる場所は、ありませんよ!!』」
「あれ面白いよなー。
 俺もアッチに出たかったなー!」
微笑みあう二人。
「逃げる場所は、ありませんよ!!」

同クール『7人の女弁護士』のことですね!(笑)
お茶目だなぁ!


笹野が再びくずたちの元にやってくる。
慰謝料が700万に増えたと聞き、
「それで・・・彼女の気が済むのなら・・・。」
と要求を受け入れる笹野。
「今度は800万円出せって言われるかもよ。」とくず。
「いっそのこと、裁判にした方がいいかと思いますけど。
 裁判にすれば慰謝料を低く抑えられる可能性が高いですから。
 開業資金は、1円だって大事じゃないですか。」と武田。
「開業?」
「開業。」
「・・ああ!そうですね。」
汗を拭く笹野・・・。
その様子にくずは・・・。
「裁判で、一刻も早く決着がついたほうが、
 彼女の為かもしれないですね・・・。」
絆創膏に触れながらくずは考える・・・。

裁判所。
第一回口頭弁論期日。
「被告がいかに無責任で、
 社会的に未熟な人間であるか、
 ここで、明かにしたいと思います。」
みはる側の弁護人が、笹野の元上司を証人に呼ぶ。
「被告は銀行を辞める前、あなたの指示に従わなかったことが
 ありましたね?」
「融資した資金の回収を命じた時のことですが・・・」
倒産させることは出来ないと指示に従えなかった笹野は、
担当を外させられた上に左遷。
「つまり被告は、男の夢などと最もらしい理由の為ではなく、
 無責任に職務を放棄して、左遷人事の制裁を受け
 そのため、会社に嫌気がさし、辞めたんです。」

みはるの弁護人はカレー屋を目指すという笹野に、
ブーケガルニについて質問する。
答えに詰まる笹野・・・。
笹野は原価率、客の回転率などにも明確に答えられなかった。
「あなたカレーのことも店の出店に関することも
 何も知らないようですね!
 左遷されてヤケになって思いつきでカレー屋だなんて。
 男のロマンが聞いて呆れる!
 こんな世間知らずで無責任で幼稚な男と婚約したばっかりに、
 彼女は甚大な被害を被ったわけですよ!
 ある日突然、原告は被告によって、一方的に婚約を破棄された
 わけですから。」
「異議あり!事実と違います。
 先に婚約を破棄したのは原告のほうです!」と武田。
「最初に言ったのは・・被告のほうですよ。
 そうですよね、笹野さん。」
「はい・・・。」
「あなたは、彼女がどんなに大きな精神的苦痛を受けたか、
 考えたことがあるんですか?」

「あーりゃりゃこりゃりゃ・・・。」くずが小声で歌う。

裁判所を立ち去る際、くずはみはるの指に婚約指輪がはめてあることに
気づく。

白石事務所の面会室。
武田はなぜ本当のことを言わなかったのか笹野に問う。
「彼女の為にも、私が捨てられたと言った方が
 いいと思ったんです。」
「僕たちには本当のことを言ってほしかったです。」
「すみません。
 もう、700万円支払ってもいいです。」
「そんな弱気じゃ、この裁判勝てませんよ。
 次の期日で何としてでも巻き返しましょう。」
「はい・・・。」
「何か彼女が笹野さんに対して、不当に慰謝料を吊り上げていることを
 証明出来る材料はないですか?」
「例えば彼女が金に汚くって、
 あんたと金目当てで付き合ってたっていう
 マル秘エピソードとかさ!」とくず。
「ある訳ないじゃないですか!
 人生たった一人、一生一緒に生きて行こうと思った
 相手なんですよ!」笹野が声を荒げる。

気分を落ち着かせようと、武田がコーヒーを取りにいく。
「ちょっと気になることがあるんだけどさ。
 あんた何であの取引先の金、回収しなかったの?」くずが聞く。
「・・・」
「貸し剥がしの仕事はそこの部署に来てから1年半近く
 やってたってことだよね。
 急にやりたくなくなったのは、何で?」
「あまり・・・人には話したくないようなことなんですが・・・。」

笹野が帰ったあと、くずは武田にトランプ2枚を取り出し
「お前の直感力をテストする。
 どっちがジョーカーだ?
 ジョーカー引いたら負けね。」
ジョーカーを引き当てる武田。「しもうたー!」

武田は白石から、書類手続き以外の依頼も単独で受任したらどうかと
言われ、一段と張り切りだす。
くずはそんな武田にあとを任せ、出かけていく。

そんな中、みはるが白石事務所を訪ねてきた。
「慰謝料の件で」というみはるを、武田は双方に弁護士が入っているので
本人と直接交渉出来ないと話す。
「そういう決まりがあるんですね・・・。」
がっかりした様子のみはる。
武田は相手側の弁護士に連絡をしてみようとすると、
「いえ、結構です。失礼します。」みはるは帰っていった。

その夜、いつもの店・桜島で徹子と酒を飲む武田。
「金盛さん、何しに来たんでしょう・・・。」
「和解を申し入れてくるなら弁護士を通すはずよね。」
「一応雨宮先生の留守電には入れておいたんですが・・・。」
「ずっと気にしてるわね。」
「たとえルール違反だとしても、
 ちゃんと話をするべきだったのかなー・・・。」
そう思い悩む武田の元に、笹野から電話が入る。
「金盛さんが!?」

あわてて病院へ駆けつけると、笹野が雨宮弁護士に面会を
頼み込んでいた。
幸い発見が早かったので大事には至らないようだ。
雨宮は、裁判が原因で不眠症になっていたようで、
誤って睡眠薬を多く飲みすぎてしまったと説明する。

みはるの母親も病院に駆けつける。
「お母さん!」と声をかける笹野に
「気安く呼ばないで! 
 何であなたがここにいるんですか!」
母はそう言い放ち、病室の中に入っていく。

自分のせいではと責める武田。
「規定があるにしろ、もう少し配慮がほしかったですね。」
と雨宮弁護士。
みはるが白石法律事務所を訪ねていったことを知った笹野は、
「何でみはるの話を聞いてくれなかったんですか!
 弁護士さんは、ルールとか規則さえ守れば、
 人が死んでも平気なんですか!?
 僕には絶対耐えられない!
 あなたとくず先生を解任します!
 もう信頼して、お任せする気持ちにはなれません!」
そう言い病院を立ち去った。

武田がくずの行き着けのスナックに会いにいく。
「解任ね。」
「僕があの時、ちゃんと彼女の話を聞いていれば、
 こんなことにはならなかったのかもしれません・・。」
「お前何そんなに深刻になってんの?
 解任なんて珍しいことじゃねーよ。」
「僕のせいで、彼女は死んでたかもしれないんです!」
「生きていたんだからセーフだ。」
「人の命を、軽くゲームみたいに言わないで下さいよ!」
くずが武田の胸倉に掴みかかる。
「人が死ぬことにビビったら、
 弁護士なんて続かねーんだよ!
 弁護士のやり方一つで、無期懲役か死刑か、
 一人の人間の生死が決まることだってあるわけだ!」
「責任が重い仕事だっていうのは、弁護士を志した時から
 わかってましたよ!
 でも、」
「医者だって患者を全部救えるわけじゃねーよ。
 弁護士だって10人のうち一人救えりゃ御の字なんだよ!」
「9人は・・・死んでもいいってことですか?」
「それでも続けるか、放り出すかは、
 人、それぞれだ。」
くずはそう言いその場を去った。

落ち込んだまま一人部屋に戻る武田。

酒を浴びるように飲むくず。
「酔うに酔えなくなっちまってね。」と呟くくずに、国光(モト冬樹)は
「喜びの為の一杯のビールは罪悪ではない。
 悲しみ、苦悩を消すための杯は、恥じよ。」
「太宰治・・・。」
「どうせ恥の多い人生だ。」
国光はそう言いくずのグラスにビールを注いだ。

武田は故郷のみんなが書いてくれた寄せ書きを見つめ・・・。
そしてそっと弁護士バッジに触れてみた・

翌日も武田は病院を訪ねていくが、病室から出てきた母親に、
「今更なに!?
 話も聞かずに追い返したなんて!
 弁護士である以前に、人として最低だと思います!」
と言われてしまう。

白石弁護士事務所。
「それは、弁護士を辞めるってことかい?」白石が聞き返す。
「まだ、決めたわけじゃないんですけど、
 僕には、弁護士の仕事は荷が重過ぎるようで・・・。」
「お前辞めんの?」面接室に乱入するくず。
「な、なんですか、いきなり!」
「あのね、新人が暗い顔をしてお話がありますって時は、
 辞める話に決まってんの。ねー、白石先生!」
「うん、パターンっていえばパターンだからね。」
「よし、1クールか。
 俺のどんぴしゃ勝利!掛け金倍額!」
「掛け金?」

『武田センセイ退職トトカルチョ』
なんとくずと組んだ武田がいつ辞めるかと、
夕花、徹子、そして白石までもが賭けに参加をしていた!
「白石先生まで・・・」
「いやいや、あんまりね、頻繁に新人の先生が辞めていくからさ、
 慣れっこっていうか、それを楽しむ余裕が出てきちゃったんだよ。」
「お前今更辞めませんなんて言うなよ!
 俺のどんぴしゃ賞がチャラになるから!
 ああ、ついでにバッジも、没シュートね!」
「・・・・・」
「何だよ。
 泣いて引き止められると思ったのか?」
「・・引継ぎは、ちゃんとしますから。」
白石が武田にカバンを渡す。
「・・・お世話になりました。」
武田が出ていった。

裁判所へ続く道を歩きながら、通り過ぎていく弁護士の胸に光る
バッジを見つめる武田。
自分の胸のバッジがあったところに触れてみる。

裁判所の前で、希望に輝いていた頃の自分を思い出していると、
徹子が声をかける。
「くずさんが、ここじゃないかって。」
武田が立ち去ろうとする。
「さっきのこと本気にしたの?
 冗談に決まってるじゃない。」
「僕は・・本気で悩んでいるんです。」
「九州男児は、辞めろって言われたら、辞めませんって言うと思った。
 そんなに単純じゃないか・・・。」
「裁判関係者が死に掛けた上に、
 僕は・・・解任されたんです。」
「みんな、武田君に辞めてほしくないのよ。
 この仕事は、やりきれないことが次から次へと起こるから、
 時には、勢いを付けて乗り越えていかなくちゃ!」
徹子がそう言い武田の肩を叩くと、武田は一歩後ずさりする。
「僕は、今の状況を勢いで乗り越えられるほど、
 強くも鈍感でもありません。」
裁判所から出てきた国光に、
「今日はいつものコンビじゃないんだ、若先生!」と言われると、
「もう、コンビじゃありません。」
武田はそう言い、去っていった。

「国光さん、ちょっと付き合ってもらえませんか?」
徹子が言う。

笹野は自分のアパートの前で子供たちと遊ぶくずに気づく。
「どうも!」とくずが挨拶する。

徹子と国光は武田をスナックに連れていく。
「話はわかったけどさ。
 何も辞める必要はないんじゃないのか?」
「僕には、人の命を奪うかもしれないほど責任のある仕事は、
 向いてないんだと思います。」
「武田君。前にも話したわよね。
 くずさんと私が法廷で戦ったこと。」
「加藤先生が昔、会社の命令で、恋人を訴えたっていう裁判ですよね。」
「ノースアイルトン証券総務部企画室長・永見栄治(小木茂光)の
 裁判だな?」
「永見は、社内で慣例化していた、不正な資金流用が、
 政治家への賄賂の為の資金であることを掴んで、
 マスコミを通じて内部告発をしたの。
 政治家絡みのスキャンダルになりかねないことだけに、
 会社はそれを絶対に認めるわけにはいかなかった。
 だから永見を、職務規定違反で解雇して・・・
 名誉棄損で訴えたの。」
「もう5年になるかなー。」と国光。
「絶対に勝てるはずがないと誰も引き受けようとしなかった、
 永見の弁護を引き受けたのが、くずさんだった。」

5年前。
「被告の内部告発の正当性を証明するため、
 取引先である関東総合金融のタオカケイスケの証人尋問を行う。
 この前伺ったことを、話して下さいますか?」
だが、証人は黙ったまま。
川田弁護士(佐野史郎)が笑みを浮かべる。
「何も、お話することはありません。」
「タオカさん!」
くずが川田と徹子を睨む。

そんな中、徹子は永見の手帳を証拠として提出。
その中には横領金額のメモと、不正入金を証明する伝票が・・・。

「全ては彼を陥れる為に、
 会社側が仕組んだことだった・・・。
 裁判には私たちが勝った。」

手帳は、徹子が仕組んだことだった。
川田弁護士に誉められるも、罪悪感に悩む徹子。
そんな中、永見がくずに礼を言っている姿を見かける。

「本当に、ありがとうございました。」
「負けたのに、礼なんて言わないでくれ。
 裁判は勝たなくちゃ意味がない。」
「でも私は、くず先生のお陰で、救われました。
 言いたいことが言えて、すっきりした。」
「俺はほとほとこの仕事が嫌になったよ。」
「アメリカでは、内部告発者のほとんどが職を失い、
 17%は、家族を失い、
 15%は、離婚し、
 10%は、自殺しているそうです。
 先生が、弁護をしてくれなかったら・・
 きっと私は・・・生きていられなかった。
 先生は私に、命を与えてくれたんですよ。」
永見の言葉に顔を上げるくず・・・。

「私も、あのくずさんにだって、
 弁護士を辞めたいと思った時があったのよ。」
「加藤先生は、それからずっと、
 くず先生が好きだったんですね。」
国光が酒を吹き出す。

そこへ、くずがやって来た。
「あー。辞めたい人がいる。」くずが茶化す。
「そんなしけたメンツと飲むのはご勘弁!」
くずが店を出て行く。そのあとを武田が追う。

「大丈夫かしら。」と徹子。
「さあね。」と国光。
徹子が微笑む。

くずと並んで歩く武田。
「なんだよ。」
「弁護士は、人の命を奪うこともあれば、
 人に命を与えることも出来るんですね。」
「どこかで聞きかじったこと言ってんじゃねーよ。」
「昔は結構熱かったじゃないですか!」
「・・・俺も正直、人の人生を左右するような仕事はしたくない。
 でも、自分がクビ突っ込むことで、
 そいつの行く道がちょっとでも明るくなるなら、
 首突っ込んでみようと思うだろ?
 信頼と尊敬。責任、誠意、名誉。
 弁護士には守るべき立派なお題目がある。
 けどそれにがんじがらめになっていたら、
 人の腹の底なんか見えやしねー。
 弁護士はこうあるべきなんてことより、
 なりふり構わずに目の前のやつをなんとかしてやろうと思って 
 突っ走ることの方が、何倍も意味がある。
 ぢ味なのは躓かないことより、
 何回躓いてもすぐに起き上がることだ。
 失敗した時、どう行動するか。
 それがお前っていう人間なんだよ。」
「僕・・・もう1度笹野さんに弁護をさせてもらうように、
 頼みます。」
「その必要はないよ。」
「でも、」
「だって笹野、もう一回お前に弁護頼むって言っているし。」
「本当ですか!?
 今度こそ、慰謝料の額を押さえられるように
 ちゃんと期日までにはきっと。」
「慰謝料、1円もはらう必要ねーよ。」
「どうしてですか?」
「法廷は嘘付き合って損得争うだけの場所じゃねーんだ。
 言えなかった本当の気持ちをぶつける場所でもあるんだよ。」
「本当の気持ち・・・。」
「それを引き出すのがお前の仕事。」
くずはそう言い、武田に弁護士バッジを放った。
武田は手のひらのバッジを見つめ・・・。

法廷。
「まず、銀行員時代に、あなたはなぜ会社の命令に従わず、
 ヤマノエ工業の貸し剥がしを行わなかったんですか?」
武田が笹野に質問する。
「ヤマノエ工業は、債務超過で破綻が懸念されていました。
 でも、融資を続ければ、回復する可能性が充分あったんです。」
「しかしこの場合、社の決定に従うのが普通です。
 そこまで抵抗した理由は何ですか?」
「直前に、同じようなケースを担当したからです。
 そこの社長一家とは、家族ぐるみで親しくさせてもらっていました。
 でも、私が貸し剥がしをしたせいで・・一家心中しました・・。」
「自分のしたことが原因で、人の命が奪われた。
 非常に耐え難いことだったと思います。」
「だから、左遷されたを機に、会社を辞めたんです!」
「笹野さん。世の中はそんなに甘くない。
 奇麗なだけの仕事なんてありえない。
 それなのに、婚約者がいるにも関わらず、
 あなたは仕事を投げ出した。」
「・・無責任なことをしました。
 婚約を破棄するのは申し訳ないけど、
 このまま結婚して、宛のない人生に巻き込んでしまうのは
 もっと無責任だと思いました。」
「あなたは責任を感じたからこそ、婚約を破棄したんですね。」
「はい。」
その言葉を傍聴席で聞いていたみはるは・・・。

「では、あなたが婚約者に、銀行を辞めた本当の理由を
 言わなかったのは何故でしょう。」くずが聞く。
「辞めるのは私の勝手で、到底、説得できるものではないと
 思いました。
 自分のわがままに、彼女を巻き込んで・・・。」
「この男は決して無責任な男ではない。
 責任を感じているからこそ、婚約を破棄したんだ。
 あんたのことを思っているからこそ身を引いたんだよ。」
みはるを指差し、そう訴えるくず。
「他に女が出来たわけでもない。
 ましてやあんたを嫌いになったわけでもない。
 本当は別れたくなんかないんだ。
 あんたと同じように!
 あんたも別れたくないから、いつまでも解決できない要求を
 押し付けてきたんだろう?」
くずはそう言い、ある証拠を告げようとする。
「金盛さん、男っていうのは、本当にどうでもいいことに敏感で、
 肝心なことに鈍感なんだよ。
 左手、見せてくれる?」
みはるが左手をそっと見せる。
「あんたは裁判中も、ずっと、婚約指輪をつけたままだった。
 あんたは最初の裁判の時から、
 ずっとこの男にサインを出していた。
 いくら頑張ったって、別れることを認めないなんて判決は
 出してくれないんだよ。離婚訴訟じゃないんだから。
 慰謝料はもしかしたら取れるかもしれない。
 でもそれでおしまいだよ!いいのか、それで!」
「・・・嫌です!裁判辞めます!」
みはるはそう言い泣き出した。
「原告は訴えを取り下げると言っています。
 もちろん、被告も、同意します。
 裁判長!未来ある、二人の為に。」
くずの言葉に裁判官が言う。
「原告代理人は、取り下げを検討されたらどうですか?」
「・・・わかりました。」

くずが鼻の絆創膏を外し、武田のほっぺたにくっつけた。
一瞬むっとしながらも、それを自分の鼻に貼りなおし、
武田も嬉しそうに微笑んだ。

『さよならコスプレキャバクラ
 パート?でまた会いましょう!
 店長真崎より』
キャバクラでおおはしゃぎのくず、国光、そして武田。
ビンゴに勝った武田は、水着姿のギャルに囲まれ、
「オッパイが、イッパイだー!!」
本気で悔しがるくずが言う。
「お前なんか、やっぱり弁護士辞めちまえ!!」
「辞めません!
 あー、弁護士やって良かった良かった!アッハッハッハ!」
「お前は言うことコロコロコロコロ変わりすぎるんだよ!」
「それはくず先生でしょー!」
「なんだとーーー!」

「お前ら結構いいコンビになったなぁ。」
国光の言葉に二人は揃って、
「どこが!」

朝、9時10分。
目覚ましを止めたままの姿勢でスーツのまま畳に眠る武田。
「・・・し、し、し、しもうた!
 遅刻じゃー!遅刻じゃー!!」

その頃、ソファーでスーツ姿で眠るくず。
「酒臭いなーもう!
 お父さん、起きて!起きないと遅刻しちゃうよ!」
美月がフライパンを叩いて起こす。

テーブルには、美月の作文が置いてある。

『私の夢は弁護士になることです。』

「またこんな、モテない仕事を。」
くずが嬉しそうに呟いた。

白石法律事務所に、笹野とみはるが挨拶に来た。
結婚式は、笹野の再就職が決まってからに延期したと
幸せそうに二人が言う。
「この間こちらに伺ったのも、
 武田先生に、彼の本心を聞いてもらおうと思ったからなんです。
 でも、勇気がなくて逃げてしまいました。
 すみません。」とみはる。
「僕のほうこそ・・・。」
「ここにお願いしなかったら、
 別れてしまっていたかもしれません。
 ありがとうございました。」
二人は感謝しながら帰っていった。

「弁護士より素敵な商売はないよね。
 こうして人の新しい旅立ちを見送れるっていうのも、
 この仕事の醍醐味だよ、これなぁ!」と白石。
「幸せな人を見ていると、
 なんだか、自分も幸せになれる気がします。」と徹子。
「気がするだけじゃまだ遠いなー。」とくず。
「いろいろ、回り道はあるけどさ、
 『にんげんだもん』
 私たちはさ、仕事をしながら、心を磨いていこうよ。ね。」
白石の言葉に決意を新たにする武田たち。

「あ、そうだ。
 そろそろ、武田君と手を打ったらどうなの?」
白石が夕花に言う。
「いやです。絶対に!
 それに、この事務所は私がいないと、事務が務まりませんから!」
「そうそう。この事務所は夕花のシリで持ってるようなものですからね。」
くずが夕花のお尻にタッチ!そして別室へ!白石も着いていく。

「加藤先生・・・。
 いろいろと、ありがとうございました。」
「私、今回のことで思ったのよ。
 弁護士っていうのは、仕事と言うより、
 弁護士っていう生き方なんだなって。」
「生き方・・・。」
「これからも頼んだわよ、九州男児!」
「僕、この事務所に入って本当に良かったです!」
「あれ!弁護士バッジは?」
武田の胸のバッジが消えている!!

公園で、カップメンに玉子を落とすくずと武田。
その後ろでは気ぐるみの犬が腰や肩を叩いて一休み。
「あいつも仕事が辛いのかねー。
 働きすぎなんじゃないのー?」とくず。
気ぐるみが頭の部分を外す。
「はぁ・・・。ズバっ!!」と男(みのもんた)!
「やっぱ、仕事はズバっとやらないとな。
 ズバっと!!」とくず。

「あ、そういえば、僕の弁護士バッジ知りません?
 昨日キャバクラで落としたかなー。」
「ったく、せっかく返してやったのに。」
「あ、僕の弁護士バッジ!返してくださいよ!」
「嫌だね。」
「二つ持っててもしょうがないでしょー!」
「じゃあさ、ジョーカーじゃないほうを引いたら
 返してやろう。」
トランプに手を伸ばす武田。
2枚一緒に奪ってみると、両方ともジョーカーだった。
「ジョーカーは、2枚ある。
 二度と騙されません!」
「やっと見えてきたか。」
「はい!」
「人の腹ん中詮索して、自分さらけ出して、
 弁護士ってーのはホント恥ずかしい商売だよ。」
「正義と真実を追い求める。
 いい仕事じゃないですか!」
「正義と真実なんか追っかけたって
 裁判は勝てないの!」
「くず先生だってかつては正義と真実の為に戦ったじゃないですか。」
「なんじゃそりゃ。
 あれ、もしかして、徹子ちゃんの昔の彼氏の裁判の話?
 あれ、相当美化してるから、7割がた妄想だよ。」
「妄想?」
「婚期逃したまま40にもなると、 
 女ってーのは自分で勝手に物語り作っちゃうから
 怖いんだよ。」
「ちょっと!
 加藤先生の悪口言わないで下さいよ!」
「・・なんで?」
「僕・・・加藤先生が大好きです!」
「あれー。結婚でもする気?」
「はい!」
「うわぁー。もう、不幸になるよ!
 人生終りだよ!
 でも、おめでとう!
 じゃあもう、コイツもいらないね。ポイ!」
くずは武田の弁護士バッジをカップメンに入れてかき回した。
「あー!僕のバッジを!!
 なんてことするんですか。
 この!弁護士のくず!!」
「弁護士のくずです!よろしくぅ!!」

二人は楽しそうに追いかけっこをする。
そんな二人を、木の陰から徹子が微笑み見つめていた。

※一部公式HPあらすじを引用しました。



エンディングのあと。
「またやるから、見てね!」
「待っててね!」
「武ちゃんはもう出ません!」
「出ますよ!(笑)」

この原作ドラマ化は大成功じゃないでしょうか!
原作、少し読んだことがありますが、私はドラマ化でこの作品が
何倍も好きになりました!

子供の頃、弁護士という仕事を知り、
何で罪を犯した人間を庇うのだろうと、
不思議に思ったことがありました。
それが、このドラマですごくわかったような気がします。
くず先生の人間臭さや、武田先生の純真さが絡み合って
本当に楽しかった。

最終話。
別れたくないのに素直になれない女性。
第10話の女社長と似ていましたね。
裁判所でくずがみはるの指輪に気づいたとき、
あれがサインだとは気づかなかったです。

おちゃらけも多いドラマだったけど、
夫婦とは、家族とは、と毎回考えさせてくれた
素敵なドラマでした。

公式HPも仕掛けがいっぱいあり、とても楽しかった!

是非是非、PART?を!待っています!!



九頭元人(くず もとひと) (40) … 豊川悦司
武田真実(たけだ まさみ) (28) … 伊藤英明
小俣夕花(おまた ゆうか) (26) … 星野亜希
国光裕次郎(くにみつ ゆうじろう) (48) … モト冬樹
白石誠(しらい しまこと) (60) … 北村総一朗
加藤徹子(かとう てつこ) (39) … 高島礼子
秋野美月(あきの みずき)(10) … 村崎真彩
キャバクラ店長         … 北原雅樹

カワニシさん(豊田梨沙さん)

第11話ゲスト
田辺誠一
杉本彩

第12話ゲスト
笹野優司・・・坂本昌行
金盛みはる・・・畑野ひろ子
川田弁護士・・・佐野史郎
スペシャルゲスト・みのもんた


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弁護士のくず 愛、さもなくば金を
4091084796弁護士のくず 愛、さもなくば金を井浦 秀夫 小学館 2006-04by G-Tools



武田が弁護士を目指すきっかけとなった映画
B00005GPWS評決バート・ハリス リチャード・D.ザナック デヴィット・ブラウン ビクターエンタテインメント 1991-11-21by G-Tools




豊川悦司さんの出演作品


10:31 | CM(5) | TB(0) | 弁護士のくず | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに、話の内容は10話そっくりでしたね。なぜ、わざわざそっくりな話を最終回に持ってきたんだろうと不思議です。武田が弁護士を辞めようと思うストーリーなら、他のパターンでも可能なのに。

ドラマのストーリーとは直接関係ありませんが、みのもんたさん…ここまで最終回に顔を出すようだと、個人的には食傷気味です(本当は、気味なんてレベルじゃない)。こう何でもかんでも出てくると、なんか嫌らしいコネを感じてしまって、あまり良い気分じゃないです。「局と彼との間で、どんな裏取引があったんだろう」と勘ぐってしまいます。
Posted by おりくん at 2006年06月30日 19:24
最終回を見忘れました。トホホだよ。
でもちーずさんがいるから大丈夫!「アンフェア」も最終回見逃す大失態をやっちまったが、本当にちーずさんがいてくれて助かります。
最終回、すごくいい話だったんですね。DVDが出たら借りようっと。
そしてパート2に期待!
Posted by マンデリン at 2006年06月30日 19:57
ちーずさんこんばんは、あそび心がいっぱいで面白かったドラマですシリアスな場面で考えさせられたことも!

美月と将来のことを語るシーンで加藤がひとりで居酒屋で飲んでいたのは「本格焼酎 百年の孤独」だし満面の笑みで「逃げる場所はありませんよ」は後の裁判シーンでもつかっていたし、きっと他にも気が付かない遊びが隠されているのでしょう。

武田が落ち込みクズが諭すシーンで 何回躓いてもすぐに起き上がることだ。と言う言葉トップキャスターの春香と望美を思いだしました、いい先輩がいる職場は人が育つのですね!アテンションプリーズもそうでしたが。

シリアスなクズもかっこいい、弁護士の仕事はマチベンでも考えさせられましたが依頼人の人生を左右する大変な仕事なのですね!

加藤を好きだと言う武田にクズは嫉妬しなっかようですが陰で見ていた加藤はどうするのでしょう?

裏でやっていた医龍もおもしろかったので視聴率てきにはどうなのかな?スペシャルができるだけの人気があったのかな?
Posted by けた at 2006年06月30日 20:09
こんばんわ。おひさしぶりです。
いやぁ、楽しいドラマでしたね。
久々のトヨエツ登場で意外でビックリでも面白い。
こりゃ絶対パート2やりますね。
リコベンに負けてられませんよ!(;・∀・)
>同クール『7人の女弁護士』のことですね!(笑)
>お茶目だなぁ!
お、そうだったのですか。
そちらのドラマ見てなかったので、よくわからんかったとです!
しもたーー!( ; ゚Д゚)
Posted by demasse@宿無し at 2006年06月30日 23:16
こんにちは。コメントありがとうございます!

★おりくんさん★
相手の為の嘘とか、そういう題材が多かったですね。
相手とちゃんと向き合うことの大切さを訴えたかったのかなぁ。

TBSドラマの最終回にみのさん。
これは定番化していくのかな?
私は結構好きですが、そうか。コネとか考えると複雑ですね。

★マンデリンさん★
お役に立てて何よりです。
再放送やDVDで是非チェックしてみて下さいね。
PART2に期待!!

★けたさん★
百年の孤独って名前でしたか!見逃したー。(笑)
他にもいっぱい遊びが隠されていたんでしょうね。
スタッフや役者さんたちが楽しそうにドラマを作り上げている
そんな光景が目に浮かびます。
楽しいドラマでした!!

★demasseさん★
『7人の女弁護士』は途中まで見ていましたが、
時間のなさに脱落してしまいました。
くず&武田コンビに早く再会したいです!!
Posted by ちーず at 2006年07月02日 15:02
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