2006年11月03日

14才の母 第四話

『旅立ち 私はもう泣かないよ』 (2006.11.1)

「あの日の驚きは、忘れられません。
 あなたは、たった一人で走り出しました。
 誰も味方のいない、まったく先の見えない、
 どしゃぶりの道へ。
 雨の中、何度もあなたの名前を呼びながら、
 お母さんは気付きました。
 もう、あなたは小さな子供ではないことを。
 そして・・・
 お母さんがもっともっと、強くならなければならないことを。
 未希。
 あなたとお母さんの本当の戦いは、
 あの時、始まったのね。」
その頃・・・
忠彦(生瀬勝久)は喫茶店で智志(三浦春馬)と話していた。
「今、未希がどこにいるかわかるか?
 病院だよ。
 手術をするためだ。
 君は、未希がどんなに傷ついているか、わかるか?」
「はい。」
「だったらどうして一度も詫びに来ないんだ。
 こういうことは、昔から男の責任なんだよ。
 男として、すいませんでした、ごめんなさい、
 申し訳ないの一言があってもしかるべきだろう!」
「・・・すいません。俺・・・
 僕・・・逃げちゃいけないって、思ってました。」
「当たり前じゃないか。
 偉そうに言うことじゃないよ!」
「でも・・・
 どうすればいいか・・・
 何が出来るのか・・・わからなくて・・・。」
「何も出来ないよ。
 君はまだ中学生だ。
 義務教育でさえ、終わっていない。
 結婚も出来ないし、働くことさえ出来ない!
 もし、出来ることがあるとすれば、
 二度と、未希に会わないことだ。
 一つ・・・命が失われたんだ。
 もう・・・付き合いを続けることなんて出来ないだろう。」
そう言い涙を流す忠彦。
その時、忠彦の携帯が鳴る。
加奈子(田中美佐子)から、未希が病院を逃げ出したという連絡だった。
慌てて席を立つ忠彦。
「あの・・・」
「君には関係ないことだ!」
忠彦はそう言い喫茶店を出ていった。

「大変そうだね、若いのに。
 いや、聞くつもりはなかったんだけどね。」
二人のすぐ後ろに座っていた波多野(北村 一輝)が声をかける。
智志は驚き、店を飛び出していく。
「あとは相手が誰か・・・。」波多野が呟く。

産婦人科病院から逃げ出した未希(志田未来)を捜し出した加奈子。
母親に声をかけられ、逃げようと走り出す未希は、
バイクに跳ねられてしまう。

的場クリニック。
春子(高畑 淳子)が未希の手当てをする。
「軽い打撲だけど、1週間は痛むかもね。」
「・・・すみません。」
「すみませんじゃ、すみません!」
「本当に申し訳ありませんでした。」
加奈子と忠彦が頭を下げる。
「転んだだけってことなので、うちで手当てしましたけど、
 もしお帰りになって、ちょっとでもおかしいと思われたら
 御連絡下さい。専門の病院紹介しますから。」

「先生・・・。」
「うーん?」
「あの・・・大丈夫ですか?
 あか・・・ちゃんも・・・。」
大人たちが顔を見合わせう。
「うん。大丈夫よ。」
「良かった。」
ほっとした様子でお腹に手を当てる未希。
「未希。お前何言ってんだ!」と忠彦。
「お父さん。お家でよーく話し合ってください。
 手術は、本人が納得していないと出来ませんから。」
「もう、話し合ったんです。
 納得したんです。
 そうだよな。」
「・・・」
「返事しなさい。そうだよな!」
未希は病室を出て行く。
加奈子は夫に自分が話をすると言い聞かせ、
先生に頼みごとをしたあと未希を追う。

「未希。待って。
 お母さんと一緒に、来てほしいところがあるの。」

その頃、未希の学校では、担任の香子(山口紗弥加)が
険しい表情で一之瀬家へ電話をかけていた。
職員たち全員が集まっている。
「皆さん、騒ぐのはやめましょう。
 間違いということもあります。」と校長。
「何を悠長な!妊娠ですよ!我が校の生徒がです!」と教頭。
「遠藤先生、心当たりは?」校長が香子に聞く。
「いえ。全く気付きませんでした。」
「あなたそれでも、担任ですか!」と教頭。

そこへ、恵(北乃 きい)が連れてこられる。
「久保田さん、さっきあなたのお母様から連絡があって。」と教頭。
「教頭先生。担任にお任せしましょう。」と校長。
「一之瀬さんのことなんだけど、
 あなたに、妊娠を打ち明けたっていうのは本当?」
「・・・」
「すごく大事なことなの。わかるわよね。」
「・・・未希は、バカだと思います。
 妊娠した人が同じクラスだなんて嫌です!」
恵が職員室を飛び出していく。
真由那(谷村美月)はその様子を見つめ、そして微笑む。

新生児室。
「小さいでしょう?」
「うん・・・。」
「未希や健太も、こんなだったのよ。」
「・・・どうして、ここへ?」
「知ってほしいと思ったから。
 赤ちゃんってね、自分ひとりじゃ何にも出来ないの。
 こうやって眠るか、大声で泣くかだけ。
 自分で食べることも飲むことも出来ない。
 顔にかかったタオルを払うことさえ出来ない。
 だからね、赤ちゃんを育てることに、
 休みは無いの。
 ほら、学校や会社はお休みがあるでしょ?
 でも、赤ちゃんは、なし。
 一瞬でも気を抜けば、死んでしまうかもしれないの。
 こんなに、ちっちゃくて弱い命。
 育てることが出来る?
 今の未希に、育てることが出来る?」
「・・・」未希は暫く新生児たちを見つめ・・・。

「お母さん、今日はごめんなさい。勝手なことして。
 でも・・・私、やっぱり手術は・・・」
未希はそう言い、首を横に振る。
「未希・・・。」
「今、赤ちゃん見て、きっとすっごく大変なんだろうななって
 思ったけど、それでも産みたい。」
「どうして!?」
「どうしてって・・・」
「どうして産みたいの!?」
「それは・・・」
「手術が怖いから?おろすのが怖いから?」
「違う。」
「じゃあなぜ!?」
「上手く言えないけど、いい加減な気持ちじゃない。
 私本気なの。本気で、」
「だったらお母さんも今から本気で反対するわ。
 絶対にダメよ、未希!
 たとえあなたに恨まれようとも、親としては賛成できない!
 ・・・これまで未希を傷つけまいと、やってきたけど、
 それじゃあわからないならはっきり言うわ。
 未希の年で子供を産むなんて無責任よ!
 生まれてくる赤ちゃんのことを考えなさい!
 相手の男の人に父親になる気はない。
 母親のあなたは中学生でまだ働くことすら出来ない!
 そんな状況で産まれた子供が無事に、健康に育つと思う?
 子供だけじゃなくて、未希自身の人生も180度変わってしまうのよ。
 学校は辞めなきゃいけないし、
 友達とも、今までのようには付き合えなくなる。
 ラジオのDJになりたいっていう夢は、もういいの!?
 ・・・それに・・・もしかしたら、命さえも・・・。
 それでも産みたいっていうなら・・・
 それだけの理由を言いなさい!
 赤ちゃんの命と引き換えに、未希の命を失ってもいいと、
 お母さんとお父さんが納得出来る理由を言いなさい!」
未希が涙をこぼす。
「泣いてもだめ!
 お母さんにちょっと言われただけで泣くような人が、
 母親になれるの!?
 14才で母親になることは、周りを全て敵に回す事なのよ!
 そんな中で、子供を育てるためには、
 いちいち泣いてなんかいられないわよ!!」
出産で直面する厳しい現実を突きつけられた未希は、何も反論できず
ただ涙を浮かべるばかり。

娘の本気という言葉に、今まで優しく諭すように話していた加奈子の
声のトーンが変わりました。
どちらの加奈子からも、母親としての必死な思いが伝わってきます。


一方、忠彦に厳しく叱責された智志は罪悪感を抱く中、
静香(室井滋)に海外への留学を迫られる。
「逃げろってことかよ・・・。」
「ううん。
 こういう機会に視野を広げたらどうかって言ってるの。
 ママね、あれから考えたの。
 起こってしまったことはもう仕方がない。
 だけど大事なのはこれから。
 だとしたら、新しい場所に行くことが一番なんじゃないかって。」
「そんなこと出来ないよ。
 あいつは・・・手術したんだ・・・。」
「心配しなくても大丈夫よ。
 あっちの家のことだったら、ママがちゃんと対応するから。
 このまま見放したりなんかしないから。」
「でも・・・
 あいつのお父さん・・・泣いてた。
 俺、男の人が泣くの初めて見たんだ。」
「智志、あんたは必要以上に自分を責めることなんかないのよ。
 こういうことはどっちが悪いとかってことじゃないから。
 言ってしまえばよくあることなの。
 区切りをつけるには、別れるしかないの。
 向こうだって、産めなかった、子供の父親の顔なんか、
 二度と見たくないはずよ。」
「・・・」
「明日、2時に飛行機。」
静香はそう言い部屋を出ていく。

『一つ・・・命を失われたんだ。
 もう・・・付き合いを続けることなんて出来ないだろう!
 出来ることがあるとすれば、
 二度と、未希に会わないことだ。』

智志は忠彦の言葉を思い浮かべながらパスポートを見つめた。

出版社。
波多野は静香の息子のスキャンダルを記事にしようとしていた。
「今の日本のガキの、現実をえぐるような特集考えろって
 言ったろ?これぴったりじゃないか。
 そこそこ金もあって、名門と呼ばれる学校に行っている連中が
 勉強もせずに、子供を作って平気でおろして。
 まさに日本の縮図だよ。
 世界中にはメシすら食えずに死んで行く子供が
 山ほどいるのによ・・・。」
「さすが、戦争取材経験者。」と稲葉。
「いや、たまにはうちみたいな本も、
 世の中こんなんでいいんかぐらい書いた方がいいんだよ。」
「じゃ、編集長、自分で書いてください。」
「は?」
「俺そんな小難しいこと言わずに、芸能人のケツ追ってれば
 いいと思うんで。」
稲葉はそう言い出かけてしまう。
「一之瀬未希・・・
 一之瀬・・・聞いたことあんな・・・。」

波多野は、戦争取材経験者。
何も悪いことをしていないのに奪われていく命を目の当たりに
してきたからこそ、今の日本の姿に矛盾を抱えているのかも
しれませんね。


加奈子が家に帰ると、健太が遅いと文句を言う。
「ごめんごめん。
 お姉ちゃんがね、怪我しちゃったの。」と加奈子。
「またお姉ちゃんかよ。
 このごろいっつもそうじゃん。」ふてくされる健太。
だが未希の足の怪我に、「どうしたの?」と心配する。
「ちょっとね。」と未希。
「また隠し事かよ!もういいよ!!」と健太。
「健太、どこ行くの?」と加奈子。
「空手の時間だろ。 
 俺のことどうでもいいのかよ!」
「健太。
 家族ってね、いろんなことがあるの。
 時には言えないこともあるのよ。
 でも大丈夫だからね。
 何も変わらないから・・ね!」
「わかったよ・・・。
 姉ちゃんの学校から何回も電話があったよ。
 聞きたいことがあるから、明日必ず学校に来てくれだって!」
健太はそう言い出かけていく。
不安に襲われる加奈子・・・。

健太は玄関の前で突っ立っている智志に気付く。
「誰!?」
「え・・・」
「うちに用?」
「いえ・・・。」
智志はその場から走り出す。

翌朝。
「やっぱり・・・学校にばれちまったのかな。
 ま、でも、単純な進路相談とか、バザーの依頼とか。」と忠彦。
「じゃないわね。
 他に呼び出される理由ないもん。」
「よく・・・平気な顔して言えるな・・・。」
「慌てたって事態は変わらないでしょ?」加奈子が微笑む。

母は強し!

出かける前、加奈子は未希に声をかける。
「お母さん、学校に行ってくるね。
 聞かれたら本当のこと話すわ。
 隠しきれることじゃないから。
 でも一生懸命先生に頼んでくる。
 退学だけは、許してもらえるように。
 未希がやり直せるように。
 だから、未希も気持ちの整理をしなさい。
 桐野君もそうしてると思うから。」
「え?」
「お父さんが、会いに行ったの。
 お互いのために、もう会わないよう話してきたのよ。
 ・・じゃあ、行って来ます。」

未希は母が出ていったあと、制服を見つめながら
『どうして産みたいの?
 未希自身の人生も180度変わってしまうのよ。』と言った
加奈子の言葉を想う。

智志は、未希の叔父・マコトの店を訪ね、未希への伝言を頼む。
「俺暫く旅行に行くんです。
 いつ帰れるかわからないから・・・。」
マコトは文句を言いながらもメッセージを預かる。

「ごめんって。
 でも・・・会えて・・・会えて、良かったって・・・。
 そう、言ってください。」

「さよなら。」
智志はマコトとひな子に深く頭を下げ店を飛び出す。

智志は、未希と川に落ちたときのこと、未希の笑顔、
未希の言葉を思いながら走るのだった。

マコトが未希に電話をしてくる。
「旅行に行くっていってさ、お前に、伝言ゲーム頼まれたよ。」

智志が、待っていた母親の車に乗り込む。

「何て言ってた?キリちゃん・・・。」
「いいか?言うよ。

『ごめん。でも、会えて良かった。』

 もしもし、未希、聞こえた?」
「うん。・・・よく聞こえた。
 おじちゃん、やっぱりいいんだよね。」
「やっぱりって?」
「私もう迷わない。決めた。」
「何を決めたの?」
「私にとって、一番、大事なこと。」
「うん・・いいんじゃない?
 なんだかさっぱりわからないけど、
 大事なことは、自分で決めるしかない。」
「ありがとう。おじちゃん大好き!」
未希はそう言い電話を切った。

制服に着替えた未希は、鏡に向って微笑む。
そして、放送部のアナウンスをしてみる。
「ハローガールズ!Here is come!
みなさん授業がはじまります。
昨日の雨が上がって、すっかりいい天気になりましたね。
 私、最近気がついたんです。
 同じ青い空でも、見る時によって、ずいぶん違って見えますね。
 苦しい時や、寂しい時のほうが、断然、きれいに見えるんです。
 でも、誰だって、産まれてくるときは一人なんだから、
 ちょっとぐらい、寂しいのは当たり前ですよね。
 寂しくたって、大事なものがあれば頑張れちゃいますよね。」

自分へエールを送っているんですね・・・。

職員室に着いた加奈子を、香子が別の部屋に案内する。

ファミレス。
「あれ?いつもの人は?」波多野が聞く。
「チーフですか?2週間ほどお休みです。」と松本(大沢逸美)。
「どうして?」
「何か御用でも?」
「いやいや、そういうんじゃないけど。
 いつもコーヒー入れてもらってたからさ、
 どうしたのかなって思って。」
「さあ、いろいろあるんじゃないんですか?」
「一ノ瀬さん・・・だったよね。」
不審がる松本。
「いやあの、記憶力のチェック。
 最近人とか物の名前が出てこなくって。
 えーっと確か、中学生の娘さんがいましたよね?
 いい学校。聖鈴・・女学院だったかな。」
「へー。
 チーフそんなことまでお客さんと話してたんですか?」
「あなたのことも教えてくれたらちゃんと覚えますよ。
 松本りかさん。」
「結構です!」

「やっぱり当たりか・・・。」
波多野は、ノートパソコンを開き、原稿を見つめ・・・。

学校。
教師たちが加奈子の話を聞きに集まる。
「実は・・未希さんが、妊娠しているという噂が立ってます。
 事実を、お伺いたいのですが。」と香子。
「・・・」
「一之瀬さん、お答え下さい。
 隠してもらっては困ります。」
「お母さん、我々は、責めるためにお呼びしたのでは
 ありません。
 何が出来るかを、話し合いたいと思っています。」と校長。
「・・・申し訳ありません。」頭を下げる加奈子。
「それはつまり・・・事実ということですね?」と香子。
「はい・・」

未希は、怪我した足を引きずりながら学校に来ていた。

自習中、クラスメートが未希の妊娠の噂話をしている。
恵は未希から聞いたことを全てみんなに話してしまっていた。
そんな恵をじっと見つめる真由那。

「なんか用?」と恵。
「・・・何も。」
「何か言いたそうな顔してたでしょ!」
「やっぱり友達っていないんだなって思っただけ。」
「友達も何もないでしょ!
 これが広まったら同じ学校の私たちだって、
 軽くみられるんだよ!」

そこへ、未希がやってくる。
「未希!」
「何しにきたの?
 今日授業ないよ。
 先生たちは未希のことで職員会議だから。」と恵。
「わかってる。
 だから来たの。」
未希はそう言い、教室の中央へ。
「みんな、ごめん。騒がせて。」
「っていうか、妊娠ってほんとなの?」
「ほんと。
 今・・・私のお腹の中には・・・
 赤ちゃんがいる。」
未希の告白にクラスは大騒ぎに。

職員室。
「今・・・妊娠何ヶ月なんでしょうか。」と香子。
「3ヶ月・・と聞いております。」
「こんな事になる前に、ご家庭で注意できなかったんですか?」と教頭。
「お恥ずかしい話ですが、全く気がつきませんでした。
 娘には、男性のことなど、まだまだずっと先のことだと・・・。」
「これから、どうなさるおつもりですか?」と香子。
「あの・・・
 もちろん出産は考えられません。
 でもあの・・・
 今後は主人と私で責任を持って娘を監督します。
 他の生徒さんたちに、迷惑のないように、いたしますので・・・
 どうか・・・退学だけは、お許しください。」
加奈子はそう言い頭を下げる。

「偉そうに言えることかな。赤ちゃんがいるなんて。」と恵。
「めぐ・・・。」
「よく堂々と学校に来れると思う。」
「ねー!私だったらいえない。」クラスメートが騒ぐ。
「来るならちゃんとやることやってからじゃないの?」と恵。
「めぐ・・・。
 私もう学校へは来ない。
 決めたの。
 学校辞めて・・・子供を産むよ。」
「えー!」「うそー!??」生徒たちが騒ぎ出す。

原口(井坂 俊哉)がその様子に気付き、職員室に急ぐ。

「お母様、頭をあげてください。
 ずっとそうしておられても、すぐには退学かどうか、
 結論は出ませんので」と香子。
「お母さん。
 今は、未希さんの心身のケアをお願いします。」と校長。
「あの・・・これだけ言わせてください。
 娘は、このような過ちを犯してしまいましたが、
 あの子なりに、一生懸命自分のしたことを考えています。
 反省もしています。
 私も親として、全力で支えていますので・・・
 どうか・・・やり直す機会を与えてやってください。
 お願いします!」と加奈子。

原口が部屋にやってきた。
「教室に一之瀬が来て、大騒ぎになっています。」

「あり得ない!まだ産むなんて言ってるの?」と恵。
「うん。」
「私たち中学生だよ!産んでどうするの?」
「そうだよ!」みんなが騒ぐ。

そこへ香子たちがやってきた。
「みんな静かにして!静かに!」
「黙ってられません!
 だって一ノ瀬さん子供産むって言ってるんですよ」
「産む!?」香子の言葉に未希は「はい。」と頷く。
「考えられません!私たちにも関わってきます!」
生徒たちがまた騒ぐ。
「静かにしなさい!
 ・・・ほんとに産むって言ったの?」
「はい。
 自分でみんなに言わなきゃって思って、
 来ました。」
「どうしてそんな・・・」戸惑う香子。
「そうだよ!
 未希は人のこと考えられないの?」
「自分は好きなことして、
 悲劇のヒロインになって産みたいって言ってりゃいいけど、
 子供なんか産んだらうちの学校に傷がつくんだよ!」
「聞いて。私おろしたくないから産みたいんじゃないの。」
「もう辞めて!
 あんたの話聞きたくない。」

「聞くぐらい聞いてやったら?」そう言ったのは真由那だった。
「私だったら絶対おろす。
 誰にも言わずに。
 あんたたちだってそうでしょ?
 でもこのバカ産みたいっていうんだよ。
 何でか興味ない?」
真由那の言葉に、みんなは静まり返る。

「ありがとう。ごめん。」未希が真由那に、そしてみんなに頭を下げる。
「私ね、私・・・会いたいの。
 命の大切さとか、そんな難しいことは正直わからない。
 ただ・・・この・・・お腹の赤ちゃんに会いたいの。
 妊娠がわかってね、本当にどうしていいかわからなくて、
 つらかった。

 でも、お母さんがすごく心配してくれたの。
 お母さんは、世界で一番、未希が大事なの。
 私は、この子に会うために産まれてきたんだなーって

 お父さんも怒って泣いてくれた。
 初めて泣いてくれた。

 それから・・・彼も。
 もう、会えないかもしれないけど、
 でも、私に会えてよかったって言ってくれた。

 だから・・・会いたいの。
 お母さんが私に会うために産まれてきたって
 思ってくれたように、私も・・・。
 だから・・・産みたいの。」
クラスのみんなを真っ直ぐ見つめ、未希は自分の思いを伝える。
そんな未希の様子を、黙って加奈子は見守っていた。

その頃智志は母と一緒に空港にいた。

未希は廊下で加奈子と目が合う。
『お母さん・・・許して。
 私、約束する。
 この先、どんなに苦しいことがあっても、
 もう泣かない。
 だって、悲しい時に笑えるくらいじゃなきゃ、
 赤ちゃんなんて、産めないもんね。」
未希が、加奈子にとびっきりの笑顔で微笑んでみせた。

その頃波多野は原稿を同僚にチェックさせていた。
『緊急特集
 あいた口がふさがらない
 日本の青少年は腐りきっている
 あのカリスマ女社長の息子は名門中学生でパパに
 相手もお嬢さん学校の女生徒
 軽はずみに子供をつくって
 平気でおろすガキもガキだが
 パートで学費を稼ぐ親もアホ』

「過激でいい!
 ですけど、この女の子、知り合いの娘だったんじゃないんですか?」
「まあな。
 でも、別に義理があるわけじゃないし、
 お陰で取材の手間が省けたよ。」波多野はそう言い笑うのだった。

※一部公式HPあらすじを引用しました。



波多野の記事の内容、取材をしなかったせいで
間違っているんですね。

母になろうと決めたあの未希の笑顔には、
「子供を育てるためには、いちいち泣いてなんかいられないわよ!」
と加奈子にきつく言われたことを受け止めた、
という意味があったんですね。
周りを全て敵に回す、ということが、
まだ未希にはわかっていないだろうけれど、
それでも彼女なりに覚悟を決めた。
この子に会いたい、という未希の思い。
もう母親なんですよね・・・。

このドラマ、どんな風に終わるのでしょう。
冒頭の加奈子の加奈子の語りに、嫌な予感。
過去を振り返る加奈子の言葉。
未希は、命を落としてしまうのでしょうか・・・。

ヒロインもしくは恋人が命を落とす、という形で終わらせるのは
子供を産むことの大変さを伝えるには効果があるかもしれません。

でも、本当に大変なのは、産んでから。
出来るなら、14才の少女が子育てしながら生きていく
現実の厳しさを、しっかり描いてほしいなぁと思います。


コメントのお返事が遅れていてすみません。
明日『Dr.コトー』のレビューを終えたら
出来る限りお返事したいと思っています。



ランキングに参加中!応援クリックよろしくお願いいたします。
人気blogランキング    TV Drama Ranking



キャスト

一ノ瀬未希(志田 未来)
一ノ瀬加奈子(田中 美佐子)未希の母
一ノ瀬忠彦(生瀬 勝久) 未希の父
一之瀬健太(小清水一揮)未希の弟
三井マコト(河本準一)加奈子の弟
三井ひな子(金子さやか)マコトの妻

桐野智志(三浦春馬)未希と同じ塾に通う少年
桐野静香(室井滋)智志の母

柳沢真由那(谷村美月)未希の同級生
久保田 恵(北乃 きい)未希の同級生
的場春子(高畑 淳子)的場クリニックの医師
山崎光陽(海東 健) 静香の秘書
原口和明(井坂 俊哉) 体育教師。香子の恋人

松本リカ(大沢逸美)加奈子のパート仲間
奥村美子(出口結美子)加奈子のパート仲間

中谷栄三(小野寺昭)未希の通う学校の校長
猪原光江(長谷川稀世)教頭
遠藤香子(山口紗弥加)未希の担任

波多野 卓(北村 一輝)雑誌記者
稲葉真也(宮下雄也) 波多野の部下

スタッフ

【脚本】
井上 由美子
【主題歌】
「しるし」 Mr.Children (TOY'S FACTORY)
【音楽】
沢田 完
【演出】
佐藤 東弥
佐久間 紀佳
【プロデューサー】
村瀬 健   
浅井 千瑞


公式HP
http://www.ntv.co.jp/14/


主題歌
B000JGWB3Eしるしミスター・チルドレン トイズファクトリー 2006-11-15by G-Tools



日本テレビ公式グッズ

14才の母』からは携帯ストラップやマグカップが発売中!


志田 未来さんの主な作品


00:48 | CM(8) | TB(0) | 14才の母 | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
seesaaにTBできません _(__;)ゞ スイマセン

そう、美佐子ママはずっと過去形なんですよねぇ。
たぶんそうなるんだと思います。。。
それにしても「産みたい」って理由がハッキリしませんねぇ・・・
Posted by あんぱんち at 2006年11月03日 02:28
ちーずさんこんばんは!私もいつもナレーションが過去形なのが気になっていました。ただ今回の「あなたとお母さんの本当の戦い」という言い回しでもしかして大丈夫なのかなとまた思ったり。そうやって色々想像させる作戦かも(笑)。
Posted by lovelytelly at 2006年11月03日 04:28
こんばんは
あの…すいません
僕はフランス人ですからよく話しません。
迷惑ならごめんなさい
でも、ちーずさんは次の鉄板少女アカネの復習をしますか?
聞きながら分かることが出来まんせんから、
あなたの復習のお蔭でエピソードを分かります
本当ありがとうございます。
Posted by Nguyen Huu Kim at 2006年11月03日 04:40
ちーずさんおはようございます、加奈子が未希に言い聞かせる度に未希が出産することを望み強くなっていく姿が、どこに向かっているのか解らないだけに辛く感じることも…

恵の考え方が理解できません!本当の友達なら未希がどちらの選択をしても相談にのったり応援しそうなのに一回の考え方の違いで、言いふらすなんて出来ないのでは?それとも問題が大きすぎて自分の中で処理できなくなったのかな?いずれにせよ学校や自分達のプライドを優先する考え方は嫌いです。

波多野の報道で世間や教育委員会も騒ぎ始めるのでしょうね、「金八」は観ていないので解りませんが義務教育中の出産や子育てどうなるのでしょう?25年たった今、周囲の人間がどのように対応していくのか、ただ産ませるだけではない展開に期待します。
Posted by けた at 2006年11月03日 10:25
ちーずさん 毎日ごくろうさまです。

今回、つい見逃してしまったので大変助かりました。

レビュー見てわかりましたが、今回はけっこう山場だったんですね。
「魔女の条件」で、松嶋菜々子が全校生徒の前でタッキーとつきあってると告白したシーンを思い出しました。
とても、見たかったです。

冒頭のナレーションでお母さんが過去形で語っている件ですが、野島伸司脚本のドラマでも過去形ナレーション多いですが、主人公はだいたい生きてるような・・なのでたぶん大丈夫かと..根拠なし(^^;)。


ドラマレビューのサイトは多いようですが、ほとんどの連続ドラマの全セリフ(あるいはシナリオ)をレビューしてるサイトってここだけですよね。

ちーずさんってホンッとにすごいです。頑張ってください 応援してます。
Posted by Q二郎 at 2006年11月03日 11:20
こんにちは。コメントありがとうございます!

★あんぱんちさん★
TB,ご迷惑をおかけします。

加奈子の語り、今のところどちらとも取れますが、
やはり、バッドエンドなのかな。
未希の産みたいという理由は、会いたいから、でした。
気持ちはわかるけど、どうやって育てていくつもりなんでしょう。
その辺が、やっぱりまだまだ子供なんですよね・・・。

★lovelytellyさん★
その部分。これから二人は戦っていくんですよね。
じゃあ父親は?暫くは未希を許してくれないのかな。
ほんと、いろいろ想像しちゃいます。

★Nguyen Huu Kimさん★
はじめまして。日本語お上手ですね!ちゃんと伝わっていますよ。
『アカネ』は時間がなくて、レビューしていません。ごめんなさい。
また遊びにいらしてください!

★けたさん★
産ませたくない加奈子の言葉は、全て裏目に。
でもあんな話させられたら、母性を目覚めさせてしまいますよね。
恵は、本人か姉など、身近な人が中絶したことがあるのかな・・・。
それとも自分の両親が出来ちゃった婚で、酷いことを言われた経験が
あるとか。
友達の中で一番キツいですもんね。何かありそうです。
『金八先生』では雪乃と保は歩を産み、育てていきました。
こちらの二人はどういう答えを出していくのか、気になりますね。

★Q二郎さん★
お役に立てて何よりです!
なるほど!「魔女の条件」の告白のシーンに重なりますね。
どちらも、とても芯の通った、まっすぐなヒロインです。
見逃されたシーン、スペシャル番組などでチェック出来ますように。
それからQ二朗さんの予想通りの結果となりますように!
応援ありがとうございます。また遊びにいらして下さいね!
Posted by ちーず at 2006年11月03日 17:13
最近ドラマにハマッていて、いろいろなドラマレビューのブログを拝見させていただいていますが、他の方も仰られているとおり、ほぼ全台詞をレビューされているサイトはここぐらいで、その点はとてもすばらしいと思います。内容も他のサイトに比較してもすばらしいと思いますが、ただちょっと誤植が気になりまして・・・一之瀬→一ノ瀬 ですので。人名なので特に気になるかなと。可能でしたら訂正お願いします。
Posted by east1090 at 2006年11月04日 21:14
さくらです♪

賛否両論あるかと思いますが、さくらは未希の決断と、未希がわざわざ・・自分の妊娠のことが広まってるクラスに堂々と入っていって、みんなの前で子供を産むと宣言する姿を見て、ちょっと未希を応援しようかなって気になりました。

それだけに、簡単に裏切ったり未希に対して文句を言う恵達、クラスメートには頭にきましたが・・。14才で子供を産むってことが、命がけの決断なのも知らないで・・・バレたら学校の評判が落ちて迷惑だとか、私たちが軽く見られる・・だとか、勝手なこと言うなって感じが・・・・。まだ中学生の娘が学校の評判と自分達の為なら、一つの命が消えてもしょうがない!!みたいな考え方なんだとしたら、かなりゾーっとします。なんか、最近のイジメの隠蔽体質みたいな・・。それだけに、最後のもう泣かない!!って決めた後の未希の笑顔が、凄く良かった。志田未来ちゃんの笑顔って、こっちも笑顔にさせられそうな素敵な笑顔ですね♪

このドラマの結末・・バッドエンドにはしてほしくないなと思います。ただ、グッドエンドにしちゃうと、14才での出産を認めるようなメッセージを送っちゃう可能性もありますよね。たったひとつの恋がどうしたってバッドエンドの恋に終わりそうなんでこっちはグッドエンドがいいんですけど・・・難しいのかな。
Posted by さくら at 2006年11月06日 18:09
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。