2006年11月25日

家族〜妻の不在・夫の存在〜 第6回

『愛する妻と子へ・・・涙の離婚決意!!』

亮平(竹野内 豊)が悠斗(宇都秀星)を理美(石田ゆり子)のもとへ
返してから、3週間が経った。
フランスの食品見本市の出張から戻った亮平は、いつもの居酒屋に寄る。
「バリバリしている先輩、輝いてます!」と津久野(劇団ひとり)。
だが店主はむっとしている。
「怒ってるんですよ、先輩のこと。
 悠斗、奥さんの所に返したでしょ。
 子供より、仕事取ったんだって。」
「・・・」
「あ、先輩、お土産は!?」
「おぅ。」
亮平は津久野にブタのぬいぐるみを渡す。
「トリュフを掘る有名なブタ。
 一人寝は寂しいだろ?これ抱いて寝ろ。」
「自分だって一人寝の癖に!
 先輩、おみやげのセンスないでしょう!」「民ちゃんにも買ってきたから。」
エッフェル塔の置物をカウンターに置く亮平。
「ほら、やっぱりない!!
 ひどい!中学生のセンスですよ、これ。」と津久野。
民子も困惑顔。

悠斗のいない我が家に、ひとつため息をつく亮平。
そんな折、裁判所から離婚調停の呼び出し状が届く。
疲れた様子でソファーに腰掛ける亮平。
おみやげの、電車の模型を開けてみる。
「パパー!」悠斗の声に振り返る亮平。
「悠斗!!」
「お土産は?」
「これ・・・フランスの電車、ユーロスターっていうんだ。
 すげーだろ。」
「すっげー!!」
「悠斗、パパ、」
悠斗の幻は消えていた・・・。
亮平は悲しそうにたたずむ。

仕事後、保育所に悠斗を迎えに行く理美。
元気のない悠斗に、理美はおもちゃを買いに行こうかと声をかける。
「うん・・・。」
「何にしようか。」

理美の家で、買ってもらったプラレールセットで遊ぶ悠斗。
「今日は悠斗の好きなクリームシチューよ。
 お腹空いたでしょう。
 保育園楽しかった?」
「うん・・・」悠斗が寂しそうに答える。
「そうだ!今度の日曜日、動物園行こうか。」
「・・・」
「それとも、鉄道博物館がいいかな?」
「・・・」
理美は悠斗の寂しさに気付いてはいるが・・・。

翌日、晋一郎(渡哲也)を訪ねようとした亮平は、若くて派手な
女性・森田さやか(星野真里)が佐伯家に入って行くのを目撃。
声をかけそびれてしまう。

さらに、津久野から、晋一郎をキャバクラで見かけたとの報告を受ける。
「まさか!」
「本当ですって!
 その若い女の子って、店の子じゃないんですか?
 お持ち帰りしちゃったとか!」
「あり得ねーだろ、だって佐伯さんだよ。」
「わかんないですよ、男は。
 一皮向けば、みんな獣ですからね。」
タコヤキを焼きながら、津久野がそう言う。

喫茶店で詩織(木村多江)を待つ理美は、悠斗を取り戻したというのに
浮かない表情。
そこへ詩織がやって来た。
「遅くなってごめん。
 離婚訴訟の裁判が長引いちゃって。」
「離婚訴訟?」
「もうほんっとドロドロ。
 愛し合って結婚したとは思えない!
 ・・・あ、ごめん。」
「裁判になると大変なのね。」
「そうよ。大変なの。
 夫婦が別れるって、エネルギーがいるのよね。」
「・・・」
「それで、明日の調停、出席できるわよね。」
「休みを取ったわ。
 調停ではなんて言えばいいの?」
「あ、その前に、一つだけ、確認しておきたいことがあるの。
 いつか、ホテルで会った人。理美の会社の。」
「宿本君?」
「本当に、あの人とは何もないのね。」
「ないわよ。」
「信じていいのね。」
「もちろん!」
「もし、裁判になって、途中で、彼と理美が深い関係だったって
 明かにされたら、裁判官の心証を著しく害する。
 場合によっては負けるかもしれないのよ。」
「大丈夫よ。」
「それじゃ、打ち合わせしましょう。」

詩織は亮平に電話を入れる。
「明日の調停のことですが。」
「わかってます。」
「そうですか・・・。
 あの・・・ちょっと、お会いできませんか?」

いつもの居酒屋で詩織と会う亮平。
詩織は、真の亮平を知ってしまってからというもの、
迷いが拭い去れないでいたのだ。
「でもいいんですかね、こんな形で俺と会って。
 しかも明日、調停ですよ。」
「今日は、弁護士として来てるんじゃないの。
 理美の友人として来てるの。」
「そんな勝手に使い分けないで下さいよ。」
「どうしても、あなたに聞きたいことがあって。
 何で、悠斗君、理美に返したんですか?
 あんなに頑張ってたのに。
 お弁当作ったり、バザーの委員長やったり、
 イワシハンバーグ売って、
 それなのに、何で、諦めちゃったのかなって・・・。」
「いや俺は諦めたわけじゃないですよ。」
「じゃあ、どうして?
 やっぱり・・仕事が、大事だったから?」
「悠斗より大事なものなんかあるわけないじゃないですか!
 今の、悠斗には、母親が必要なんですよ。
 俺じゃダメなんです。
 これは理屈じゃなくて。
 古葉さん、これだけはわかっててもらいたいんですけど、
 俺は諦めたわけじゃないですから。
 必ず悠斗と一緒に暮らす!
 いや、家族三人で、暮らしますよ。」
「・・・そう。」詩織が笑顔で頷く。
「はい。」
そこへ津久野がやって来た。
「あなたの気持ちは、よくわかりました。」
詩織はそう言い、帰っていった。

「何の話です?」津久野が聞く。
「いや別に・・・」
「これ私のサービス。」
亮平の気持ちを知った民子は、上機嫌で角煮をテーブルに置く。
亮平は津久野にある頼みごとをする。

上川家。
綺麗に片付けられた部屋に驚く津久野。
亮平は二階から箱と、お土産の電車を持ってきた。
「頼みって何です?」
「俺ってさ、土産ってすぐに渡さないと気が済まないんだよ。
 これも、ついでに・・・。
 やっぱりちょっと理美に渡しといてくれ。」
「なんですこれ?
 ・・・悠斗の、おもちゃ?
 自分で行ったらいいじゃないですか。」
「明日離婚調停だからさ、
 うーん・・・さすがに会うわけには・・・。
 頼むよ。な。」
「えーーー。」
「仕事終わってからでいいから。」
「・・・はい。」

やがて離婚調停が始まった。
妻と夫、別々に部屋に呼ばれる。

理美が呼ばれ、裁判官に訴える。
「帰りは毎日、深夜2時、3時でした。
 朝も早くて、7時には家を出ていましたから、
 夫婦の会話はほとんどありませんでした。
 会話らしい会話は、子供が生まれてからは、
 ほとんどなかったと思います。」

続いて、亮平が呼ばれる。
「あの頃の私には、一日何時間あっても、
 足りない状態でしたから・・・。
 妻との会話は、それなりにしていたつもりです。
 でも充分ではなかったと思います。」

「あの人は、変わらないと思います。
 何でも自分で決めないと気が済まない性格なんです。
 家を買うときも、仕事を変える時も、
 大事なことは全て自分で決めてしまって、
 私には一言の相談もありませんでした。」と理美。
「依頼人は、離婚を強く希望しております。」と詩織。

「僕が、一人で決断してきたことは、みんな妻や子供の為を思って
 したことです。
 離婚のことは、全く考えていません。
 子供の為にも、もう1度妻とやり直したいんです。」

「双方の言い分は、大きく食い違っているようですね。」
「改めて、もう1度おいでいただくことになると思います。
 よろしいですか?」

「はい。」

1回目の調停後、廊下ですれ違う亮平と理美。
理美は亮平を見ようともしない。
「理美。」亮平が声をかける。
「・・・」
「悠斗は元気か?」
「ええ。」
「あのさ、」

その時、男女がつかみ合いながら部屋から飛びだしてくる。
離婚調停中の夫婦らしい。
「助けて!!」
女性が理美の背後に身を隠す。
「俺は絶対許さないからな!!
 男作って、家まで持っていく気か!!
 ぶっ殺してやる!」
いきり立った男性が襲いかかる。
すると亮平は理美の前に立ちはだかり、男を押さえつけた!

「大丈夫か?」
「・・・うん。」
「じゃあ。」
亮平が帰っていく。

家で仕事をしながら、自分を助けてくれた亮平を思い出す
理美。理美の心は揺れていた。
そこへ、津久野が亮平のお土産を届けにやって来た。
「津久野君!!」
「お久しぶりです。」
「つくのっち!!」悠斗が嬉しそうに駆け寄る。
「お!悠斗!」

「はい、これ。」
「これ、パパからくれたの!?」
「そう!フランスのお土産だって。」
「すげー!」
「津久野君、良かったらご飯一緒に食べていかない?」
「え?いいんですか!」
「何もないんだけど。」
「やったー!」悠斗は大喜び。

プラレールセットと電車で遊ぶ悠斗。

「あの、理美さん。
 先輩と、もう1度やり直すわけにはいきませんか?
 なんか先輩、台所とか、ピカピカにしちゃって。
 どうして、そんなことしているかわかります?
 悠斗と、理美さんが、いつ戻ってきてもいいようにって。
 なんか、そういうの見てたら、俺・・・たまんなくて・・・。」
「覚えてる?亮平が帰ってこなくて、
 私と津久野君と悠斗の3人でよくご飯食べたよね。」
「はい。」
「悠斗がヨチヨチ歩きの頃、津久野君のことパパだと思ってて。
 あなたが帰るとすごくぐずっちゃったのよ。」
「知りませんでした。」
「亮平はほとんど悠斗と会わなかったから。
 夜遅く帰ってきて、朝早く出かけて、
 土曜も日曜も仕事でほとんど家にはいなかったわ。
 それでも私は、私なりに自分の家族を作ろうとして、
 一生懸命努力してきたつもりだったの。」
「わかります。」
「でもね、亮平には別の世界がある。
 私の話なんて全然聞いてくれなかった。
 毎日のほんのささいなことだけど、
 すれ違ったり、違うなーって思ったり。
 そういう小さなことの積み重ねが、
 どんどんどんどん積もっていって、
 気がついたらどうしようもなくなってた・・・。
 ごめんね、津久野君にこんな話、困っちゃうわね。」
「いえ・・・。俺、何て言っていいか・・・すみません。」

悠斗が津久野に一緒に遊ぼうと呼びに来る。
「あ、そうだ。
 これ、理美さんのお友達の弁護士の方。
 民ちゃんに忘れ物です。返しておいて下さい。」
詩織が亮平に会いに行ったことを聞いた理美は、
複雑な心境に陥る。

晋一郎の家を訪ねていく亮平。
晋一郎は留守で、さやかが応対に出る。
帰ろうとする亮平を、「すぐ帰ってくるから」と家に上げるさやか。
こたつの上は菓子と缶チューハイの缶が転がっている。
「これ、お土産。フランスからの。佐伯さんに渡しといて。」
「え?フランス!?私も行ってみたい!!いいとこだった?」
「仕事!?もしかして・・エリート!?」
「そんなんじゃ。」
「へー。フランスねー。
 で、あんた誰?」
「・・上川です。佐伯さんとは、」
「ねー、あのおっさんどう思う?」
「どう思うって?」
「何考えてるんだかサッパリわかんないんだよね。
 ムッツリしちゃってさ。
 でもね、私には優しいの・・・。うん、優しい・・・。」
「失礼ですけど、あなたは?」
「あ、私?
 私さやか!よろしくね!
 あ、お店だと、メグっていうんだ。今度来てね。」
そう言い店の名刺を渡すさやか。
「今日行こうっか!
 私これから出るところなの。
 行こう!ね、同伴出勤!」
「あ、いやちょっとこれから・・・」
「あ、そう。」
「・・・佐伯さんとは、どういう・・・」
「・・・エリートだよね。」
「いえ。」
「お金貸して。今ちょっとヤバイんだ。
 ね、貸して!」

悠斗が亮平の電車で遊ぶ姿を見つめる理美。
「悠斗、パパに会いたい?」
「・・・いい。」
悠斗は電車から手を離し、隣りの部屋に行ってしまった。

亮平と離れてから浮かない顔を見せる悠斗を元気付けようとした
理美は、悠斗を連れて晋一郎のいる幼稚園へ。

晋一郎に先日の失礼な要請を詫びる理美。
「あの時は、悠斗を取り戻すのに必死で、
 佐伯さんにも、失礼なことを言ってしまいました。」
「そんなこと、気にしないで下さい。」
「でも・・・」
「悠斗君、どうですか?新しい生活に、慣れましたか?」
「やっぱり、父親が恋しいみたいです。」
「そうですか・・・。」
「佐伯さんや先生たちにお会いすれば、少しは元気になるかと
 思いまして、ここに連れてきたんですが・・・。」

佐伯は悠斗にカメを渡す。
「ほんとにくれるの?」
「ああ。お母さんも、飼っていいって。」
「やったー!」
「でもな悠斗君、エサをやったり、水槽を掃除したり、
 自分でちゃんと世話をしないとダメだぞ。」
「わかった!
 ・・・ねーシンちゃん。パパと会った?」
「そういえば、暫く会ってないな。
 お父さん、仕事で忙しいんだろう。」
「パパ、怒ってるよね。」
「どうして?」
「僕がママのところに行ったから、
 パパ、僕のこと嫌いになってるかも・・・。」
「バカだな。それで元気がないのか。
 心配するなよ。
 お父さん悠斗君のこと大好きなんだから。」
「本当!?」
「本当だよ。大好きだよ!」
悠斗の顔に笑顔が戻る。

幼稚園の廊下を歩く理美。
壁には園児たちの『だいすきなくだもの』の絵が飾ってある。

悠斗が描いたリンゴの木の絵を見た理美は言葉を失う。
「悠斗君の絵です。
 私、その絵大好きなんですよ。
 他の子は、くだものだけを書いているんです。
 でも悠斗君は、木になっているリンゴを書いていて、 
 素敵だなーって。
 悠斗君って、リンゴの木を見たことがあるのかしら。」と美帆。
理美はただ涙を浮かべて絵に見入るのだった。

リンゴの木。何か家族の思い出がありそうですね。

亮平は、フランスでの仕事の立ち上げを任せたいと上司に頼まれる。
亮平の出張での仕事が評価されたのだ。

仕事に戻った理美は、自分の設計した図面に宿本(金子昇)の
手が加えられていることを知り、愕然となる。
「ごめん。ちゃんと話すべきだったんだけど、
 なかなか言い出せなくて。」
「とんだピエロね、私・・・。」
「理美!」
「私は、自分の図面が認められたんだと思っていたの。
 でもあれは私のじゃない。
 あなたのだったのよ!」
「黙ってて、ごめん。
 先生の指示なんだ。」
「先生?」
「理美の図面通りだと、かなりコストオーバーしちゃうんだ。
 だから、僕が手を入れた。
 でも、あれは君のものだ。」
「聞きたくないわ。」
「黙って手を入れたのは、あの仕事を理美に決めてほしかった
 からなんだ。
 理美、俺、」
インターフォンが邪魔をする。
「理美、私。」詩織だ。

理美が玄関を開ける。
「次の、調停のことで、話があるの。いい?」
「うん。」
詩織は部屋に宿本がいることに驚く。
「それじゃあ俺は。
 明日、ちゃんと来いよ。」
「うん。」
「遅くに来て悪かったな。」
宿本が帰っていく。

「どうして嘘つくの、理美。」
「嘘なんかついてないわよ。
 彼とは本当に何もないの!」
「何でもない人を、こんな時間に、部屋に上げる!?」
「友達だったらもう少し私のことを信じてよ!」
「・・・信じたい。
 だけど、理美がどうしてそこまで離婚にこだわるのか
 わからないの。
 ご主人、あんなに譲歩しているのに。
 ご主人、あんんあに悠斗君を、」
「詩織?あなたどっちの味方なの!?
 亮平と会って一体何を話したの?
 何で私に隠してたの?」
津久野から預かったハンカチを突きつける理美。
「隠してなんかない。」
「隠してたでしょう!?」
「理美こそ、私のこと信じてないのね。」
「信じられないわよ。
 いきなり亮平の味方しているじゃない。」
「味方なんかしてない!
 私はね、」
「詩織!
 亮平と何かあった?」
「・・・ヤキモチやいてるの?
 バカみたい。
 まだ彼のことが好きなら、とことん話しあったらどうなの!?
 甘ったれないでよ!」
その時詩織は、泣きそうな顔をして二人を見つめる悠斗の姿に気付く。
「・・・お互い、信頼関係が持てないのなら、
 仕方が無いわね。
 理美の弁護を降りるわ。」
「・・・」
詩織はそう言い、出ていった。

亮平を中心に、大きく動いている感じがします。
詩織が弁護を降りたのは、二人は離婚すべきじゃない、と
感じたからじゃないのかな・・・。


足早に歩きながら、考え込む詩織・・・。

眠った悠斗の頭を撫でながら、考え込む理美・・・。

さやかがキャバクラ嬢だと知った亮平は、晋一郎のもとへ。
「いやー、久しぶりですねー。
 この間は、土産を届けてくれて、ありがとう。」
晋一郎が亮平に酒を注ぐ。
「あ、いえ。
 ・・・あの・・・
 佐伯さん。」
「はい。」
「余計なことかもしれないんですけど、
 いや、年齢的なことはともかく、
 男と女ですから、何があっても不思議じゃないと思うんですよ。
 でも、若い女のこの場合は、いろいろ・・ありますから。
 つまり、佐伯さんが、思っているほど、
 何て言ったらいいのかな・・。
 意外と、手ごわかったりするじゃないですか。」
「何の話ですか?」
「いや・・・
 わかりました。
 ぶっちゃけ言いますね。
 あの女の子は、ちょっと・・・
 いや、遊びならいいんですけど、
 真剣にお付き合いするのはどうでしょうか。
 いや、僕としては・・・
 早く別れた方がいいと思うんですよね。
 すみません、余計なことを言いました。」
晋一郎が笑う。
「何がおかしいんですか?」
「いや。」
「いや、僕は、どうしてもちょっと真剣に・・
 気になっていたんですよ。」
「わかってますよ。
 心配してくれて、ありがとう。」
「あ、いえ。」
「でも残念ながら彼女とはそういう関係じゃないんです。」
「え・・・」
「これを見て下さい。」
晋一郎が古いアルバムを亮平に渡す。
どのページにも、"さやか"の幼い時からの写真が貼ってある。
「あの子の写真です。
 名前は、森田さやか。」
「え、じゃあ、この子はもしかしたら・・・」
「いやいや。私の娘じゃない。」
「・・・」
「実は、女房は息子を亡くしたあと、
 医者から二人目は無理だと言われましてね。
 それで、息子の代わりに、そのさやかって子を、
 養子にしたいって言い出したんです。
 私は反対しました。
 私たちの子供はこの世にただ一人、あの子だけだ。
 あの子に代わる子供なんていない。
 私の猛反対で、彼女は、それっきりその話をしなくなった。
 でもこの間、女房の遺品から、これが出てきましてね。」
そう言い、手紙の束が入った箱を出す晋一郎。
「驚きましたよ。
 諦めきれなかったんですかね・・・。
 あのさやかって子は、両親を早くに亡くして、
 施設で育った子なんですよ。
 女房は20年近くも、時々会いに行ったり、
 手紙のやり取りをしていたんです。」
「・・・そうでしたか。」
「私も、これを見てしまったら、
 なんだか、この子が、どこでどうしているのか、
 気になって、仕方がなかったんです。
 この手紙を頼りに、どうにか探し出したんだが・・・
 そうしたら向こうから、女房に線香をあげさせてくれと
 言ってきたんです。」
「それで、こちらへ。」
「ええ。気が向くとやってきては、仏壇に手を合わせて帰っていく。」
「何か俺、変に詮索しちゃって・・・。」
「いやいや。
 男としては、嬉しい誤解ですよ。
 あ、そういえば昨日悠斗君に会いました。」
「悠斗に!?」嬉しそうな亮平。
「お母さんと、幼稚園に遊びに来ましてね。」
「そうですか。」
「お父さんに、会いたがっていました。」
「俺にですか?」
「でも自分はお父さんに嫌われているから、
 会えないって。」
「・・・何でですか?」
「お母さんの所に行ったことで、
 お父さんが、怒っていると思っているんですね。」
「・・・」
「悠斗君が通っている保育所の近所に、読書神社っていうのが
 あるそうですよ。
 毎週土曜日の午前中は、その境内に散歩にいくらしい。」
晋一郎が呟くように言う。

晋一郎も亮平のように、昔は妻が言っていたことを
受け止めずに流してしまったことがあったんですね。

亮平は、晋一郎に詮索してしまったことを謝ります。
そういえば、理美は詩織を、詩織は理美を詮索していました。
どうして晋一郎と亮平は、こじれずに済んだのでしょう。
理美と詩織よりも浅い年月の付き合いなのに、
なんだか素敵な関係ですよね。


亮平が家に戻ると、詩織が待っていた。
二人は近くの公園で話す。
「率直に、言わせてもらっていいですか?」と詩織。
「ええ。」
「次の調停で、裁判所から調停案が出ると思います。
 離婚は成立し、悠斗君の親権は理美へという、内容になるでしょう。」
「それは・・・認められません。」
「そうなると、上川さんは離婚裁判を起こすことになる。
 裁判は、調停とは違います。
 勝つために、相手を攻めて優位に立とうとする。
 その結果、お互いに残るのは・・・
 相手を憎む心、恨む気持ち・・・修羅場だわ。
 見たでしょ、裁判所で。」
「ええ。」亮平が頷く。
「私、上川さんと理美に、あんな風になってほしくないの。」
そう言い、何かを手渡す詩織。
それは、離婚届・・・。
理美のサインがしてあった。
「離婚に・・・同意して下さいませんか?」
「さすが弁護士ですね。
 でも俺は、」
「理美の弁護は、さっき降りてきました。」
「え?」
「だから、私には、こんなこと言う資格なんてないのかも
 しれないけど・・・
 黙ってられなかったの。
 あなた達が憎しみあって、一番傷つくのは誰ですか?
 悠斗君じゃないんですか?
 大好きな、パパとママが憎しみあったら、
 悠斗君がどれだけ傷つくか・・・考えて下さい。
 上川さん、言いましたよね。
 悠斗より大事なものなんて、あるわけないって。
 だとしたら、お願いします。
 これ以上、悠斗君を悲しませないで下さい。
 ・・・失礼します。」

亮平はその言葉をずっと考え続け・・・。

そして亮平は、考え抜いた末、晋一郎が教えてくれた神社に向う。

悠斗が神社の鐘を鳴らそうとジャンプをしている。
悠斗の体がふわっと持ち上げられる。
「パパ!!」
「お早う、悠斗!
 よいしょ。それ、鳴らしてみろ。」悠斗を肩車する亮平。
「わかった!!」悠斗が勢いよく鐘を鳴らす。

理美は、りんご園にいた。
木になったリンゴを見つめ、微笑む理美・・・。

「悠斗。」
「なーに?」
「さっき何をお願いしていたんだよ?」
「パパとママが仲良くなりますように。」
「・・・」
「ママと仲直りした?」
「ママと?
 うーん。
 悠斗。
 あのね、パパ・・・ママとはもう一緒に暮らさないかもしれない。
 そうしたら、悠斗はママと一緒に暮らすんだ。」
「ママと?」
「そう。
 お前は男の子だから、その時はママの側にいて
 ママのことを守ってやれ。
 できるか?」
「うん。」
「よし。じゃあ、頼んだぞ。」
「うん。
 パパ。」
「うん?」
「ママのこと好き?」
悠斗の問いかけに、亮平は微笑む。

リンゴに歩み寄り、そのひとつをもぎ取る理美。

「うん。好きだよ。」そう答え、穏やかに微笑む亮平。
「僕も!!」嬉しそうに悠斗が言う。
見つめあい、そして笑い合う二人。

保育士が子供たちを呼ぶ。
「よし。いけ!」
亮平は悠斗をみんなの方へ歩かせる。
小さな背中を見つめたあと、亮平は悠斗を追う。
「悠斗!悠斗!」
悠斗を抱き上げ、回る亮平。
「キャーっ!」嬉しそうに歓声を上げる悠斗。
亮平は、悠斗を強く抱きしめ・・・
「悠斗。パパ、悠斗のこと大好きだぞ。」と言う。
悠斗が、嬉しそうに微笑んだ。
「さあ、行け!」

振り返りながら逆の方向に歩いていく二人・・・。


※一部公式HPあらすじを引用しました。



なんて切ないドラマなんでしょう・・・。
最後、亮平は泣いているように見えました。
父の思いをこんなに丁寧に描いたドラマは久しぶりの気がします。

亮平は、悠斗を手放したけれど、それは悠斗のため。
理美は、自分の思いのためだけに、悠斗を亮平から引き剥がした。
この二人は、そこが大きく違いますね。

亮平の、手作りのプラレールセット。
理美が買ったプラレールセット。

亮平の手作りプラレールで遊んでる時の方が楽しそうでした。

理美が買ったプラレールと、亮平のおみやげの電車で遊ぶ悠斗。
お母さんとお父さんの思い。
亮平にはどちらも必要。

詩織は亮平に思いがあるようにも見えますが、
あのリンゴが理美を変えてくれることに期待!
亮平が言っていたように、三人で元通り、いえ、今まで以上の
家族となってほしいです。



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“悠斗の着ボイス”
http://www.tv-asahi.co.jp/kazoku/mobile/index.html


主題歌は新ヴォーカリストを迎えたEXILE!
B000J0ZP8S タイトル未定(DVD付)EXILE エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2006-12-06by G-Tools



キャスト

上川亮平(竹野内豊)

上川理美(石田ゆり子)
津久野仁志(劇団ひとり)
木下美帆(さくら)
上川悠斗(宇都秀星)

佐伯加奈子(中田喜子)

宿本和則(金子 昇)
古葉詩織(木村多江)

佐伯晋一郎(渡哲也)


スタッフ

脚本 清水有生
音楽 渡辺俊幸
主題歌「Everything」EXILE
プロデューサー 五十嵐文郎
プロデューサー 中込卓也
        深沢義啓
        里内英治
演出 唐木希浩
   池添 浩
   高橋伸之

制作協力 5年D組
制作   ABC  テレビ朝日



竹野内 豊さんの主な出演作品



渡 哲也さんの主な出演作品


この記事へのコメント
こんにちわ♪
今の亮平がステキすぎて、以前の亮平をイメージしがたいです(笑)。
逆に今の理美が自己中心すぎて、以前の理美をイメージしがたい・・・笑。
悠斗がパパが怒ってると思っていたというのには泣けてきました。
そして亮平が悠斗を抱き上げるところも・・・(涙)。
Posted by yoo-chan at 2006年11月25日 11:03
亮平が悠斗のことではなく理美とのことを見つめなおす日がくるのかな。

調停シーンは嫌だったな!結局お互いの不満だけではなく嫌いな面を聞かれる訳だから…

息子に説教されました!ちいさい頃に別れたので勘違いしていたようで大人として話をしてみましたが離婚の理由を解ってくれたみたいです、どこかに恨みがあったのが寂しいです。

晋一郎のような懐のひろい男にはなれないのかも知れませんが努力しなければ!
Posted by けた at 2006年11月25日 21:06
友達に薦められて今回から見始めました。
今までの話はこちらのレビューで完璧!
毎回見忘れた時や台詞が聞き取れなかった時、本当に助かっています。
竹野内さん・・・昔ファンでした。久しぶりに素敵な役どころ、
また惚れ直しました。
1つ質問です。宿本さんと理美さんの関係は?
単に結婚前に勤めていて復職したデザイン事務所の同僚なのでしょうか?
それにしては今回宿本さんが理美を呼び捨てにしていたので、
あれ??って思いましたが。
宿本→理美の恋心は最近の事なのでしょうか?
どんなに同僚とかでも子供が居て外出できないとしても、
家に夜にあげるのは非常識ですよね〜。
詩織が疑るのも当然!
最後はハッピーエンドになるといいなぁ♪
Posted by レンズマメ at 2006年11月25日 22:07
チーズさん、こんにちは。
チーズさんのただの筋書きでない所+αに
自分には理解出来なかった部分や
感動の部分を再確認させてもらってます。ありがとうございます。

亮平の淋しさ切なさ決意を感じた6回でした。
いつも最後の方で涙が出てくる。(笑)
次回は離婚に承諾するんですね、これ以上泥沼になって
悠斗を苦しめないためにも。(悲)

調停での2人の言い分も、理美は夫婦の会話はほとんどなかったで、
亮平はそれなりにしていたつもりと、食い違ってましたね。
興味深かったです。
りんごの木って、前に履歴書に長野の学校を卒業って出てたから
故郷なのかなー亮平の?
Posted by まゆこ at 2006年11月28日 10:12
チーズさんでよろしいんでしょうか?。。。テレビでは拝見してないんですが。。どらまのーとでこのドラマを観ています。たびたびココにきてドラマの内容をみているのですが、チーズさんのわかりやすいドラマの経緯に感謝してます。ほんとにありがとうございます。
Posted by oasis at 2006年11月30日 02:02
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