2007年02月18日

ハゲタカ ROAD TO REBIRTH 第1回

『日本を買い叩け!』

銃声音。セミの鳴き声。

虫取り網を手に、虫を探そうと木々の間を走り回る子供達。
「おーい、こっちこっち!
 早くこっちこい!」
一人の少年が仲間たちを呼ぶ。

プールの水面に浮かぶ大量の一万円札を見つめる子供達。
そして、虫取り網でそれをすくい始める。

そのプールに、気を失った男が浮いていた。
水面が、男の血で赤く染まっていく。

「誰かが言った。
 人生の悲劇は二つしかない。
 一つは、金のない悲劇。
 そしてもう一つは、金のある悲劇。
 世の中は金だ。
 金が悲劇を生む。」
金を拾った子供達は、おもちゃ屋に行きその金で
興奮気味に、欲しいおもちゃを買っていく。

プールに浮かんでいた男・鷲津政彦(大森南朋)が
病院に担ぎ込まれる。左腹部に傷がある。
小さく目を開く鷲津。

「悲劇の全ては、9年前に始まった。」

New York
1998年6月 ニューヨーク
「投資会社」
ホライズン・インベストメント・ワークス

鷲津が上司に呼ばれる。

「うちに来て5年
 20億ドル8件の投資に成功
 平均年率28%のリターン
 買収での実績も充分だ
 承知の通り
 合衆国政府の要求が功を奏し
 日本の金融市場もようやく
 "鎖国"を解き始めた
 今や日本は宝の山だ
 機は熟したと言える
 投資家たちは潤沢な資金を
 日本一場に投入したがっている
 そこでだ・・・
 期限は5年
 徹底的に稼いでこい
 日本を買い叩け!」

NYの敏腕ファンド・マネージャーとして鳴らした鷲津が
5年振りに帰国する。
目的は一つ、日本を買い叩(たた)くこと。

Tokyo
1998年8月 東京
多額の不良債権を抱える三葉銀行。
銀行を生き残らせるための不良債権の処理を任されたのが、
芝野(柴田恭兵)だ。

ホライズン・インベストメント・ジャパンに到着した鷲津を
出迎える中延(志賀廣太郎)。

車の中。
「ご存知の通り、三葉は不良債権処理の為にプロジェクトを
 立ち上げました。
 そのリーダーが、この男です。
 我々との交渉の矢面に立ってくるのは、彼です。」
鷲津は、中延から渡された写真に映る芝野を見つめ・・・。

西乃屋旅館。
芝野は旅館経営者・昭吾(宇崎竜童)に、
自分が考えた債権計画書を渡す。
ゴルフ場を手放すべき、と芝野は考えていたが、
「長い目で見ていただければ、きっと景気も回復する」
と、昭吾は聞く耳を持たない。
そんな父の言葉に、怒ったように席を立つ息子・治(松田龍平)。
「親父の代からの、付き合いの芝野さんが又こうやって
 うちを訪ねてきてくれる。
 これも何かの、ご縁じゃないですかね。
 なんとか、助けていただく訳には、
 いかないでしょうか。」
「泰三さん、お元気ですか?」
「それが・・最近・・すっかり・・・。」

金融記者クラブ。
東洋テレビ経済部記者・三島由香(栗山千明)が考え込んでいる。
上司の野中裕二(小市慢太郎)に声をかけられ、由香が言う。
「この間言ってた三葉の話、どうやら本当みたいです。
 バルクセールです。」

三葉銀行・大会議室。
「つまり、不良債権の一刻も早い処理を目指して、
 金融債権の項目に、バルクセールという形で、
 売ることにいたしました。
 バルクセールとは、わかりやすく言うとこういうことです。
 これが当行の抱える、不良債権です。」
テーブルに並べられたたくさんのファイル。
「ホテル・ブルーシャドー、3億2千2百万。
 丸村商事、10億20万。
 東洋リゾート、23億100万。
 銀河グループ、8億10万。
 和田倉商事、4億100万。
 東京アップ、23億4千万。
 アックスボンベ、124億。
 全部で、47件の不良債権をリストアップしました。」
全てのファイルがダンボールの箱に入れられていく。
「以上、額面総額、723億6458万円。
 当行の抱える不良債権、この箱ごとまとめて買ってもらうのが、
 バルクセールです。」

「なるほど。債権のまとめ売りか。」
「常務!やらせて下さい。
 決算まで2ヶ月を切りました。
 ことは一刻を争います。」と芝野。
「で、どこが買ってくれるんだ?」

金融記者クラブ。
「外資ファンドです。」と由香。
「なるほど。外資系なら金もある。
 高く買ってくれるってわけか。」と野中。
「とんでもない。
 彼らのビジネスが、アメリカでなんと呼ばれているか、
 ご存知ですか?
 バルチャーファンド。
 死に掛けた獲物の死臭を嗅ぎつけ、
 その肉を根こそぎ食いつくす。
 ハゲタカです。」

ホライズン・インベストメント・会議室。
「では、キックオフミーティングを始めます。」
流暢な日本語で話すアラン・ウォード(ティム)。
「ファンドの立ち上げは、着々と進んでいます。
 目標利回りは、30%。
 問い合わせも、続々と来ています。」
「いよいよ、三葉銀行とのディールが始まります。
 目標はただ一つ。
 安く買って、高く売ること。
 そして、
 腐ったこの国を、買い叩く!買い叩く!買い叩く!」
鷲津が言う。

三葉銀行・飯島常務室。
「300億が最低ライン。
 それ以下なら絶対に売るな!
 ユウサン商事、シロタニ屋、旅館西乃屋、
 この辺りは本来、赤ファイルだ。
 これらの最低ラインは400億。」と飯島常務(中尾彬)。
「その西乃屋さんは、まだまだ再生の可能性があります。」と芝野。
「返ってくるのか?
 西乃屋に貸した金、確実に返ってくるのか?」
「・・・」
「お前はな、三葉の命運を任されたエースや。
 そのお前が見本を示さんでどうする!」
「・・・」
「鬼になれ、芝野。
 鬼になれ!いいな!」

三葉銀行に鷲津らが訪れる。

役員応接室。
「え・・日本人ですか。」
鷲津の姿に驚く三葉銀行役員。
「向こうに渡って5年になります。
 でもご安心を。こてこての、日本人です。」と鷲津。
「どんな方が来られるのかと思ってましたよ。」
「なんとなく、安心しますな。」
「そうおっしゃっていただけると、光栄です。」と鷲津。
「どうぞ皆さんでお召し上がり下さい。」
アランが手土産を渡す。
役員が芝野を紹介する。
「お久し振りです、芝野さん。」
「はい?」
「お忘れですか?丸の内支店では、半年ほどご一緒させて
 いただいた、鷲津です。」
「・・・」
「私も、三葉の出身です。」
「・・・丸の内。」
「・・・
 では、早速、本題に入りましょう。」

この二人は同じ職場にいたんですね。
ですが芝野は覚えていないようです。
あの間の時の鷲津の表情が怖かった!


案件リストをチェックする鷲津たち。
額面総額、およそ1千23億。
三葉側の最低売却価格は、410億。
「どうでしょう。守っていただけますか?」と飯島常務。
「もちろん、頑張らせていただきます。
 ただ、こればかりは、現段階では何とも。
 いずれにせよ、徹底してフェアな査定を行わせて
 いただきます。」
「手間隙かけて、精査していただいても、
 値段によっては、売却しないことも充分に考えられますが。
 その場合、日本での御社の信用にも、関わり兼ねないことを、
 ご理解いただきたい。」と飯島。
「わかってます。」

三葉銀行・資料開示室。
「資料開示の方は、3日間でいかがでしょうか。」と銀行側。
「いや、2時間で結構です。」と鷲津。
「え!?」
「じゃ、早速。
 アラン。」
鷲津に言われると、アランはすぐに携帯で連絡。
すると、大量のコピー機が運び込まれる。
「え・・」唖然とする銀行側。

次々と書類がコピーされていく。
その要領の良さに驚く役員に、
アランは作業をしながら「Time is money。」と言う。

その頃芝野は人事部資料保管室で鷲津のことを調べていた。

5年前ー
ロビーに出来た人だかり。芝野がどうしたと声をかける。 
「ああ・・例の件です。
 支店長に言われて、融資を断ったとかで。
 上から言われた通りにやっただけなのに、
 まだ、若いから・・・。」
ベンチに座り動けずにいる鷲津がそこにいた。

「鷲津政彦。
 昭和44年生まれ。
 東昭大学を卒業。
 平成3年入社。
 丸の内支店勤務。
 平成5年、一身上の都合により、退社。」


三葉の役員たちは、芝野が鷲津と支店で半年一緒だったと知ると、
「うちで務まらなかったヤツだ。
 たいしたもんじゃないだろう。」と安心する。
「何がきっかけで辞めた?」
「・・・」

鷲津とコーヒーを飲む芝野。
「鷲津さんって呼ぶべきなんだろうな。」
「鷲津で結構ですよ。
 思い出していただいただけで、光栄です。」
「光栄だなんてそんな。」
「なんせ、芝野さんは、入行式で答辞を読んだ、
 エリート中のエリート!
 人事部、海外留学、国際企画部と、
 傷の付かないコースを転々とされる。」
「何を言ってるんだ。
 君のほうこそ、今やホライズンの日本法人代表じゃないか。
 私なんか足元も及ばない。」
「三葉は、どうです?」
「瀕死の状態だ。なんとかしないと。」
「その為の、バルクセールじゃないですか。」
「そうなんだが・・いろいろ、胸が痛くて。」
「ビジネス抜きでいきましょう。
 憧れの芝野さんとさしで話せるんだ。
 何でもおっしゃって下さい。」
「公正な値段をつけていただきたい。」
「・・・」
「世界基準で見たとき、今の日本の不良債権は一体いくらの
 価値があるのか、まずそれを知ることが必要だ。
 でなければ、本当の意味で先には進めないと思ってる。」
「相変わらず、模範的な答えですね。」
「本音だ。
 痛みを伴っても、バブル時代の悪い膿を出し切らなければ、
 この先絶対に立ち行かなくなる。」
「がん細胞は、治療しきゃいけない・・・。」
「そういうことだ。」
「我々は、手術をする外科医ですか。」
「かもしれない。」
「だけど、手術ってわけは、時に患者を死なせる場合がある。」
「・・・」
「あ、次のアポがあるんで、失礼します。
 260円でしたね。
 それじゃ、2週間後お会いできるのを楽しみにしています。」
小銭を並べておくと、鷲津は席を立つ。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
「そうだ。
 覚えてますか?
 あの時僕に言ってくれた、あの言葉。」
「・・・言葉?」
「・・・いや、結構です。
 今日は、お会いできて嬉しかった。
 失礼します。」

芝野は資料を見ても鷲津のことを思い出せなかったんですね。
一体、芝野は鷲津になんて言ったのでしょう!?


金融記者クラブ。
「どこから来るのかね、あの情熱は。」
ソファーで仮眠する由香を見つめる野中と社員。
「そうですね。
 でも、この間のリポート、あれはマジで良かったですよ。
 あいつキャスターやればいいんじゃないかな。
 俺、ゾクってきましたよ。」

ソファーに横になる由香は、眠ってはいなかった。

ねじ工場で、少女が泣いている。
「自殺!?」
「そうよ。」
「お気の毒にね。やっぱ資金繰りが?」
「そう!銀行のほら、貸し渋りってやつ?
 それで追いつめられたって。」
泣いている少女は・・・由香だ。

ホライズン・インベストメント・会議室。
「舐められたもんだな。」
「我々のリストになかった債権もかなり放り込まれている。
 これ、どういうこと?」
「政治家や、ヤミ献金がらみでしょう。
 回収は絶望的です。」
「よくもまあ、40%以上の査定なんて。」
「モノになりそうな物件は?」と鷲津。
「この旅館は面白いですね。」
「詳しく調べましょう。」
「それと、村田さん。」
「わかっております。飯島ですね。」と村田(嶋田久作)。
「追加された債権も、おそらく彼の差し金だ。
 叩けば必ず何か出てくる。」

料亭。
鷲津が待つ部屋に、飯島常務がやって来た。
「元三葉の行員か。
 いやぁ、びっくりしたがな。
 うちの行員はいわゆる、ええとこ出の秀才が多い。
 こういう芸当が出来るのは、なかなかおらん。」
飯島はそう言い、封筒をテーブルの上に置く。
「飯島さん以外には、ですよね。」
「よく調べたな。」
「僭越ながら、飯島さんは三葉銀行にあって、
 汚れ役を一身に引き受けてきた功労者だと、認識しております。」
「それで?」
「飯島さんは、バルクセールのメリットについて、
 誰よりもご理解されていらっしゃる。
 バルクセールは、売り手と買い手が秘密の契約を
 結ぶところから、始まります。
 よって、バルクセールの中身について、
 決して、外に漏れることはない。
 つまり、飯島さんが管理された、
 政治家や暴力団絡みの危ない債権も、
 決して外に漏れることはない。」
封筒の中身は、社外秘の審査調書だった。
「脅しかね?」
「とんでもない。
 私は、飯島さんとビジネスがしたいだけです。」
「・・・あんた、何様のつもりや。」
飯島が注いだ酒を飲み干すと、鷲津が言う。
「助けに来たんですよ、瀕死の三葉を。」
「うん?」
「いや、瀕死の、日本を、かな。」

中尾さんのあの大きな目でギョロっと睨まれても
負けない迫力が鷲津の静さの中にあります。


三葉銀行会議室。
「バルクセールの精査結果が出ました。
 ご覧下さい。」
鷲津の言葉に、役員たちが資料を開く。
「・・・」
「なにこれは・・・」
「我々は頂いた資料を基に、53件を一件一件精査しました。
 精査は、不動産担保物権だけではありません。
 実際の債権の返済履歴もチェックします。
 それで、こういう数字になりました。」
精査額の欄に並ぶ数字は、¥1!!
「53件の案件のうち、値段が付いたのが、13件。
 値段が付かない物件の査定額は、1円、
 というのが、慣例です。」とアラン。
「慣例って・・・。」
「額面総額は、1023億1280万円。
 買い取り価格・・・93億1047万41円・・・。」と芝野。
「93億ってムチャクチャじゃないですか!
 額面総額の、」
「9.1%ですね。」と鷲津。
「どういうことですか?
 説明して下さい。」と芝野。
「わかりました。
 例えばそのNo.1、
 赤羽のホテルブルーシャトー、2億円の債権。
 部屋の壁は薄く、隣の音が筒抜け。
 ベッドのクッションも悪く、カラオケの曲数は3年前のまま。
 部屋のインテリアやデザインも流行には無関心。
 2億円で購入しても、修繕費だけで莫大。
 したがって、査定額1円。」
「じゃあ・・これは?No.15、ネオ赤坂のビル。
 50億は下らないでしょう?」と役員。
「キャバクラは、いわゆる暴力団のフロント企業、
 最上階のクラブの別室では、違法カジノ。
 したがって、査定額1円。
 以下、No.24から42は、いずれも自分で返済せずに、
 三葉の系列ノンバンクが返済
 いわゆる、飛ばしです。」
「飛ばし!?」

「もうええやろう。
 しゃあないやろ。」と飯島。
「鷲津さん。」
「はい。」
「わかりました。
 93億、この値段で手を打ちましょう。
 迫田さん、これで、いいですな?
 頭取には、内々に話はついています。
 ま、この件については、私に預からせてもらいます。」
「しかし、9.1%というのは、」と芝野。
「私が預かると言ってるんだ!!」と飯島。

階段を下りながら携帯で話す鷲津。
「思惑通りだ。
 手に入れた債権はすみやかに処理してくれ。」

「待ってくれ。」芝野が声をかける。
「見事だったな。」
「ありがとうございます。」
「あれが君の、公正な値段か。」
「ええ。」
「役員連中を抱きこんだのか!?」
「はい。
 だから言ったじゃないですか。
 がん細胞は治療しなきゃいけない。
 我々は、手術を執刀する外科医だって。」
「・・・」
「銀行も、他の会社も一緒ですよ。
 あなた達が何もやらないなら、
 我々が、手術を執刀します。
 手遅れになる前に。」
「・・・」
「失礼します。」

西乃屋。
客を装い、鷲津とアランが宿泊する。

「案件No.50、旅館 西乃屋。
 創業は、安貞3年。
 現在建っている本館は、明治30年、
 日本を代表する建築家、タマキコウイチによって
 設計・建築された。
 近年、宿泊客の数は減少する一方で、
 最盛期の三分の一も満たない。
 毎年、経営危機がささやかれるまでに至っている。
 経営悪化の原因は、西野泰三の跡を継いだ現社長・
 西野昭吾の経営
 銀行による過剰融資を受け、
 ゴルフ経営などに手を出す。
 その結果、本業がおろそかになり、大火傷を負う。
 再生の為には、現社長、西野昭吾を解雇し、
 新たな経営者による再生プランが必要と思われる。」

建物、置物、庭、厳しい目でチェックし、ビデオに収めて行く
二人。
挨拶に来た昭吾(宇崎竜童)を見つめる鷲津。

旅館の周りを歩く鷲津は、ある青年がタバコを吸っている姿を
見かける。旅館のハッピを着ている。
青年が腰をおろし、猫を撫で始める。
「従業員の方?
 コーヒーどうです?」鷲津が缶コーヒーを差し出す。
「お宅は?
 借金取り?
 さっきからなんか、うちの社長のこと聞きまわってる
 みたいだけど。」コーヒーを受け取り、男が聞く。
「いや。借金取りじゃありませんよ。」
「じゃあ何。」
「・・・この旅館を、救いに来たんですよ。」
その言葉に男が笑い出す。
「なんだあんた。面白いな。
 真面目な顔して。
 ・・・いいよ救わなくて。
 何調べてんの?
 何でも話すよ。」
「あなたは?」
「息子だよ。ここのダメ社長の。」
その男は、昭吾の息子・治(松田龍平)だった。
「・・・」
「あんなヤツ一文無しになりゃいいんだ。
 俺は反対したんだよ。
 ゴルフ場なんてバカなこと考えるなって。
 その時にはもう手遅れだったね。
 銀行にそそのかされて、世の中の流れに遅れまいって、
 頭の中それだけになっちゃって。」
「どんな旅館にしたいのか、
 どんな客を呼び込みたいのか、
 経営者には、明確なプランとリーダーシップが必要だ。」
「うん。親父にはプランがない。
 何度も言ったんだ。
 うちに来る客はみんな、ゴルフなんか喜ぶような
 客層じゃないって。」
「・・・」
「いい時代もあったんだけどねー。
 まあ、じいちゃんが偉かったから、
 親父も自分はこれをやったっていうのを
 残したかったんだろうなー。」
「旅館を継ぐ気はないんですか?」
「継ぐって誰が。」
「あなたですよ。
 だってあなたは、この旅館の跡継ぎなんでしょう。」
「冗談じゃない。」
「どうして?」
「俺は、親父のような生き方はごめんです。
 金にぶらんぶらん揺さぶられて、
 もみくしゃになったような生き方は。」
「・・・」
「金は使うもんですよ。
 金に使われたら人間はおしまいでしょう。」
鷲津は治をじっと見つめ・・・。

3日後ー
早朝。
ぼーっと考え込む夫に、妻・史子(永島暎子)が声をかける。
「お父さん?」
「・・・」
「起きてらしたの?」
「ああ、ちょっと・・・。」
夫の様子がおかしいことに気付く史子。
昭吾は猫を抱えてその場を去る。
史子は、夫がいた場所の側に置かれた書類を手に取る。
ホライズン・インベストメントワークス・ジャパンからの
債権譲受を知らせる手紙だった。

昭吾の前に車が止まる。
「西野さん!」人懐っこい笑顔を浮かべて手を振るアラン。
「あ・・」
そして次に、鷲津が降りてきた。

事務所内の応接室に通される二人。
近くでは息子の治が事務の仕事をしながら三人の様子を聞いている。
「いやあ、びっくりしましたよ。
 いきなりこんな紙が送られてくるんだもの。
 しかも、外国の会社名だ。
 あんたも人が悪いよ。
 スパイみたいな真似しないで下さいよ。」
「スパイじゃありません。
 デューデリです。」とアラン。
「ジューデリ?」
「査定です。結果が出ました。」とアラン。
「はい?」
「我々の債権回収方法は、二つ。
 毎月、定められた返済額を滞りなく払う。
 あるいは、債権を即刻、全額完済。
 そのどちらかです。」とアラン。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って!
 いきなり全額完済なんて、
 そんなこと出来るわけないじゃないですか!」
「西野さん、あなたにとっても決して悪い話ではありません。
 我々は債権、つまり借金を、全額チャラにしても
 構わないと思っています。」と鷲津。
「チャラ?」
「そうです。183億の債権、全て無かったことにしましょう。」
「・・・」
「その代わり、西野カントリークラブ、西野観光ビル、
 そしてこの西乃屋旅館は我々が頂きます。」
「・・・」昭吾の顔色が変わる。
「悪いことは言いません。
 あなたには本当はわかっているはずです。
 自分の経営手腕では、この旅館を」
「冗談はやめてくれよ!
 あんたら外国人に雇われてる、バナナ野郎にはわからない
 だろうが、うちらは、日本を代表する老舗旅館なんだよ!
 我々を潰すなら、日本が黙ってないから、
 そのつもりでやりなさいよ!」
コーヒーを飲みながら黙ってやり取りを聞く治。
「わかりました。
 では、こうしましょう。
 旅館は結構です。
 担保を解除しますので、お宅が買い取って下さい。」
「え?」
「ゴルフ場とビルは、我々が頂く。
 それを条件に、2億円用意して下さい。
 それで全ての債権をチャラにします。」
「2億!?」
「いかがですか。
 2億円用意していただければ、この旅館は安泰です。
 期限は2週間後の25日。
 ご連絡、お待ちしております。」
鷲津たちはそう言い帰っていく。

芝野に昭吾から電話が入る。
「どういうことなんですか!?
 どうして外資なんかに売り渡したんですか!?」
「西野さん・・・」
「何で事前に相談してくれなかったんですか・・
 裏切ったんだ、あんた。
 信じてたのに・・・。
 あんなヤツラに西乃屋渡すなんて・・・
 絶対許せない!・・・許せない!絶対に・・・。」
「ホライズンは・・何と。」

社に戻った鷲津を、由香が待ち構えていた。
「鷲津さんでいらっしゃいますか?
 東洋テレビの記者の、三島と申します。」
アランが由香を遮ぎる。
「三島健一の娘です!」
鷲津はその言葉に由香を初めて見つめ、そして足を止める。
「5年前にあなたが殺した・・」
そう言い髪を解く由香。
「逃げるようにアメリカに渡ったあなたが、
 どうして又日本に戻ってこられたのですか?」
「・・・」
「日本で何をするつもりなんですか?」
「・・・人違いでしょう。」そう言い歩き出す鷲津。
「一つだけ!一つだけ教えて下さい!
 あなたがあの時流した涙は、本物だったんですか!?
 鷲津さん!!」
警備員に止められながら、由香が叫ぶ。

「誰ですか?」アランが聞く。
「さあな。」
そこへ、芝野から電話がかかってくる。
「何をしたんだ。
 お前、西野さんに何をした!?」
「西野さん?
 ああ、西乃屋さんですか。
 何もしてませんよ。
 債権者としての権利を行使しただけです。」
「いい加減なことを言うな。
 何が債権者だ。
 2億って言ったそうだな。
 2週間以内に2億ってどういうことだ!?」
鷲津は電話を切ってしまう。

西乃屋。
「何考えてるんだ、お前は!」
史子を突き飛ばす昭吾。
「何が生命保険だ!
 親父の生命保険担保に金借りろっていうのか!?
 ふざけるな!!」
「・・・もうそれしか・・・。」泣きながら史子が言う。
「ここは俺の旅館なんだよ。
 俺が立て直すんだよ!!」
「それが出来ないから、母さん言ってるんだよ。」
静かにそう発言する治。
「治・・あんたは黙ってなさい。」と史子。
「売ればいいんだよ!
 こんな旅館。
 あんただってわかってるんだろ?
 自分じゃもう無理だってことぐらい。」
息子の言葉に身動き出来なくなる昭吾。
「治!言っていいことと悪いことがあります!」と史子。
「言ってやらなきゃわかんないんだよ!
 あんたは経営者に向いてないんだ。
 じいちゃんとあんたは違うんだよ。」
そう言い立ち去る治。
息子の言葉に悲しそうな笑みを浮かべる昭吾・・・。

誰もいない会議室。
一人、東京の景色を見つめる鷲津。
そして鷲津は、過去の出来事を思い起こす・・・。

大雨の中、ある葬儀に参列する鷲津。
祭壇に芝野が手を合わせている。
親族の席に座る由香。
泣きそうな表情で遺影を見つめる鷲津。
鷲津に気付いた由香が、彼の前に立ちはだかる。
彼女の悲しみと憎しみの篭った視線にたじろぐ鷲津。
「帰れ、人殺し!!」
「すみませんでした!!」
その場に土下座をし、数珠を巻いた手を合わせて
謝罪の言葉を泣きながら繰り返す鷲津・・・・。
その姿を呆然と見つめる由香・・・。
芝野も黙って、その姿を見つめていた。

すごいシーンでした。
その日のことを思い出す鷲津の背中。
メガネをつけたその表情は見えないけれど、
泣いているように見えました。


西乃屋。
早朝、史子は神棚に手を合わせたあと、
不安そうにカレンダーを見つめ・・・。

物音に気付き、廊下に出てみると、昭吾が自動販売機を
開け中の小銭を回収、それをズボンのポケットに次々と
入れていた。
「お父さん?」
「・・・」
妻に驚きながらも、次々と金をポケットに詰め込む昭吾。
「お父さん!お父さん・・・」
止めようとする妻を振り切り、次々と自動販売機の小銭を
ポケットに詰めていく。

このシーンもすごかった。
目を見開いて、小銭をかき集める昭吾。
金に踊らされ続けてきた昭吾の悲しい姿でした・・・。


ホライゾン・インベストメント・ジャパン。
ソファーに身体を小さく丸めて座る昭吾。

この、憔悴しきった昭吾の姿。
既に魂ここにあらず・・・。
宇崎さんの演技がすごい!


鷲津がやって来た。
「お待たせしました。
 で、どうですか?
 ・・・西野さん?」
「・・・」土下座をする西野。
「お願いします。
 なんとか、もう少し、待っていただけないでしょうか。
 この苦境を乗り越えれば何とかなるんです。
 お願いします!」
西野はそう言うと、ポケットに詰め込んだ有り金をすべて
テーブルの上に出していく。
「・・・」その必至な姿に言葉を失う鷲津。
「お願いします!!」
「・・・顔を、お上げ下さい、西野さん。」
「・・・」
一瞬の間。そして鷲津は鬼に戻るります。
「私は、期限は2週間と言いましたよね。」
「・・・」
「既に、御社の債権は我々の手元にはございません。」
「・・・」
「西野さんからご連絡いただけなかったので、
 うちも、困ってしまって。
 債権の買取先を物色させていただきました。
 そしたら、鈴木屋観光さんと組んだ・・が、
 30億で、債権を、」
「ま、ま、待ってください!
 ・・・まさか・・・」
「ええ。そちらにお売りしましたが。」
「ちょっと待ってください!
 なんてことをするんですか・・」
「もちろん、経営内容も精査しました。
 あそこに任せた方が、ずっと上手くいきます。
 西之屋も、蘇ります。」
「・・・・・」
声を振り絞り、昭吾が言う。
「ハゲタカ!」
「ハゲタカ?」
「あんたら、私たちが、100年守ってきた西之屋を・・
 あんたら金で・・・
 許せない!!」
西野が鷲津に掴みかかる。
「西野さん。
 あなたが許せないのはあなたご自身じゃないんですか?」
その言葉に西野の表情が変わる。
「本業だけを一心に守り続けてきたら、
 こんな莫大な借金を背負うわけがない。」
「・・・」
「もう、楽になられたらいかがですか?
 よく頑張りましたよ。
 だけど、あなたに、あの旅館の経営は荷が重すぎたんです。」
ソファーに倒れこむように座る昭吾。
「・・・息子にも、言われた・・。
 どんなに頑張ったって、じいちゃんには勝てないって。
 私は、ヘヘ。何も、残せなかった。
 なーんにも・・。」
「立派に、育てあげたじゃないですか。」
「・・・」
「息子さんですよ。
 彼はまだ若い。
 経営者としての才覚もある。
 息子さんと一緒に、もう1度ゼロからやり直してみては
 いかがですか?」
「・・・」
「これは、お車代です。お受け取り下さい。
 わざわざ遠いところまで、ご足労おかけいたしました。」
鷲津はそう言うと、昭吾に深く頭を下げる。
昭吾の瞳から涙がこぼれた。

憔悴しきった様子で会社を出ていく昭吾の様子を
窓から見つめる鷲津。

祖父の足を、クリームをつけてマッサージする治。
家の電話が鳴る。治は電話をチラっと見るが出ようとはしない。
留守番電話のメッセージのあと、父の声。
「お前に・・・」
父の声にはっとする治。
 お前に任せれば良かったのかな・・・。」
そのメッセージを気にしながらも、治は祖父のマッサージを
続ける。
祖父が笑みを浮かべる。

この笑みは、やっと息子が目を覚ました、という笑み?
ちょっと怖かったです。


公衆電話ボックスを出る昭吾。
電話の上に、大量の小銭が置かれたままだった。
うつろな表情の昭吾は、ふらふらと道路を歩き、
そこへ来た大型トラックにはねられてしまう。
道路に散らばった小銭。
昭吾の、結婚指輪をつけた左手は、ピクリとも動かなかった。

携帯を握り締め、街を当てもなく彷徨う治。
「もしもし・・・
 もしもし・・・
 あんたどこにいるの、今。
 もしもし・・・。」史子の声。

「俺が・・殺した・・・。
 俺が・・・俺が親父を・・・殺した・・・。」


ホライズン・インベストメント・ジャパン。
鷲津を待ち伏せる芝野。
「芝野さん、どうしたんです?」
「・・・西野さん・・亡くなった。」
険しい表情を浮かべる鷲津。
「少しばかり、待ってやれなかったのか?
 鷲津。
 ・・・昔・・・、昔は・・・情に厚い男だったじゃないか。
 いつから、」
「あなたですよ。」
「・・・」
「あなたが私を変えたんだ。
 芝野先輩。」
「・・・」鷲津を見つめる芝野。
鷲津は、冷たい表情を浮かべて歩き出した。


冒頭の銃声音。
あれは、鷲津が誰かに撃たれたってことなんですよね。

新聞の番組欄に紹介されていて、面白そう!と思い
視聴してみました。引き込まれた〜!
見逃さなくて良かったです。

第一話の買収は、老舗旅館西乃屋。
2億用意し、ゴルフ場とビルを手放せば、
旅館は自分の手元に残し、そして183億の債権がチャラに!
こう聞けば、いい話のようにも聞こえますが、
2億という大金をすぐに集められるわけもなく・・。
金に踊らされてきた父親を冷静な目で見てきた息子。

経営手腕がないとはいえ、昭吾だって親が築き上げた
この旅館を、必死に守ってきたはず。
でも、バブルに踊らされてしまった一人なんですね。

鷲津は、先代の生命保険のことも頭にあったのかも。
再生の道を一つ残していた。
それを、人として、どうしても出来なかった昭吾。
彼は、鬼にはなれなかった・・・。

旅館を失ってしまった昭吾にも、鷲津は道を残していました。
息子という財産がある、彼と一緒にやり直せと。
そして、車代といいお金を渡す鷲津。
それはイヤミではなく、彼のことを本当に心配しているように
思いました。

息子・治への最後の言葉。
自殺・・・というわけではなかったように思います。

自分が父親を殺してしまったと、息子の治は重い罪悪感を
背負って歩くことに・・・。

憔悴しきった昭吾の姿。
冷酷な鷲津の、悲しい過去。
見所がたくさん詰まっていました。

自分が担当していた工場の社長が借金苦に自殺。
葬儀で数珠を握り締めて泣きながら土下座をして謝る鷲津の姿。
心ある人間の姿でした。
それが今は、ハゲタカと呼ばれる程冷酷な男に。
鷲津を変えてしまったのが、芝野のある一言だといいます。
一体彼は何を言われて変わったのでしょう。

ハゲタカと呼ばれる鷲津の仕事ですが、
別の見方をすれば、救世主のようにも見えます。
副題の、Road to Rebirth、というのにも意味がありそう。
鷲津の、本当の目的は!?

夏という季節なこともあって、働く男たちの汗が
緊迫した雰囲気を効果的に見せていました。
所々音楽が大きすぎてセリフが聞き取れないところが残念。

同じ銀行の後輩・先輩でありながら、対照的な道を歩んだ二人の男。
会社を患者に例えるなら、
徹底的な外科手術で患部を切り捨てていく鷲津と、
あくまで内科治療による再生を目指す芝野。

日本の会社にとって本当に必要な治療法とは何なのか?

公式HP 番組概要より=


全6話。
2話&3話、4,5,6話と、大きく3部作に分かれているようです。
第1話を見逃された方も、是非チェックして見て下さい。


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キャスト

鷲津政彦(大森南朋)

【三葉銀行】
芝野健夫(柴田恭兵)
飯島亮介(中尾彬) 常務
沼田透(佐戸井けん太)
海野頭取(神山繁)
迫田専務(中原丈雄)
坂巻常務(津村鷹志)

【三島製作所】
三島健一(渡辺哲) 鷲津の貸し渋りにより自殺
三島由香(栗山千明) 健一の娘
三島頼子(唐木ちえみ)

【ホライズン・インベストメント・ジャパン】
村田丈志(嶋田久作)裏の情報に精通した調査屋
アラン・ウォード(ティム)NY本社から来たエリート
中延五郎(志賀廣太郎)不動産取引のエキスパート

【老舗旅館 西之屋】
西野昭吾(宇崎竜童)
西野治(松田龍平)
西野史子(永島暎子)
西野泰三(三谷昇)

【玩具メーカーサンデートイズ】
大河内瑞恵(冨士真奈美) 社長
大河内伸彰(小林正寛)  専務取締役

【大手電機メーカー大空電機】
大木昇三郎(菅原文太)
塚本邦彦(大杉漣)
加藤幸夫(田中泯)

【金融記者クラブ】
野中裕二(小市慢太郎)



百瀬敬一(岡本信人)
牛島(徳井優)
日下部(矢島健一)
大賀康夫(松重豊)
遠山鎌一郎(光石研)

アルバート・クラリス(イアン・ムーア)
リン(太田緑・ロランス)
後藤(大関真)
進藤(杉内貴)



スタッフ

原作・・・真山仁
ハゲタカ(上)
ハゲタカ(上)真山 仁 講談社 2006-03-15売り上げランキング : 1930Amazonで詳しく見るby G-Tools
ハゲタカ(下) バイアウト 下 バイアウト 上 青い蜃気楼―小説エンロン アジアの隼 (下) 祥伝社文庫


脚本・・・林宏司

演出・・・大友啓史

音楽・・・佐藤直紀

公式HP

ハゲタカ経済キーワード
ハゲタカ
屍肉を貪る猛禽類の一種。
瀕死の企業に対する貸出債権などを安値で買い取り、工場閉鎖やリストラを強引に推し進め、企業を事実上解体して利益をあげるような投資家・ファンドの俗称として用いられる。1980年代後半、米国で多額の借入金債務で倒産しそうな会社の暴落した社債や貸出債権を底値で買い取る金融業者、それを専門とするファンドが現れた。その姿が死期の近づいた動物の上空を旋回する「vulture(コンドル、ハゲタカ)」を想わせることからこの名がついた。日本ではより広く、投資リターン獲得に貪欲なファンドをすべてハゲタカと呼ぶ風潮がある。

ファンド
fund【英語】。複数の投資家から資金を集め、その資金を用いて行われる事業・資産からの利益を投資家に分配する仕組みのこと。
一般には投資信託などの形態で、投資家から委託を受けた資金の運用を投資顧問会社等の機関投資家が代行する金融商品を指すことが多い。最近は、投資事業組合などの形で大口投資家の資金を集めて運用する、「プライベート・エクイティ(PE)ファンド」が活発化している。これらは投資の対象や目的によって「企業買収ファンド」「不動産投資ファンド」「債権買取ファンド」「事業再生ファンド」「ベンチャー(キャピタル)ファンド」など様々な名前がつけられている。

バイアウト
buyout【英語】。会社株式や債権の買い取りによって企業経営の支配権を獲得すること。
多額の借金をして買い取る場合をレバレッジド・バイアウト(LBO)、会社の経営陣が一般株主などが保有している株式を買い取る場合や、子会社・事業部門が親会社から支配権を買い取り独立する場合をマネジメント・バイアウト(MBO)と呼ぶ。

不良債権
企業の破たんや経営悪化などの理由から、回収困難になる可能性が高い貸出金のこと。
バブル時代、銀行は土地や株を担保にして企業に大量の資金を貸付けたが、バブルが崩壊して企業の経営が悪化し、借金が返済できなくなった。担保の土地や株も下落したため銀行はいくら担保を差し押さえても貸出金は取り戻せなくなった。これにより銀行経営が悪化し、日本経済を脅かす大問題に発展した。

資産流動化
資産の流動化とは、企業が保有する資産の信用力に着目し、その信用力に基づいて信託受益権やCP(コマーシャルペーパー)を発行することにより資金調達を行う方法。
従来の企業自体の信用力を背景に調達する方法にくらべ、保有する資産によっては、レート等の面で、より有利な資金調達を行うことが可能となっており、いわば「市場型間接金融」とも言える第三の資金調達方法として、近時、注目を集めている資金調達方法。資産を流動化すると資産とそれに見合う借入金をバランスシートに載せなくてよくなる(資産のオフ・バランス化)ので自己資本比率などの経営指標が改善する効果がある。
銀行が保有する不良債権の一括処理を銀行内外に極秘で進める際に当たり障りのない用語として使われたことから、ドラマでは芝野の指揮する特別チームの部屋には「資産流動化対策室」という名称が掲げられている。

金融監督庁
総理府の外局として1998年に設置された行政機関。
不良債権の処理に公的資金をつぎ込んだ住専問題など一連の金融・証券不祥事に絡む、大蔵省の金融行政に対する批判から、事後チェック重視型の金融行政への移行を目的として発足した。民間金融機関などの検査・監督を所管。2000年金融庁として組織改正された。

秘密保持契約
取引に関して得た情報を他に漏らさないことを約束する契約。
企業買収や債権・不動産の買い取り交渉においては、価格査定のために顧客情報や契約関係などの詳細情報を開示してもらう必要があるが、売り手側にとしては、その情報開示にあたり資料がきちんと管理され他に漏れないこと、取引以外の目的に使われないことを確約してもらう必要がある。そのために取り交わす契約で、この内容に違反すると損害賠償責任が発生する。

ディール
deal【英語】。取引、案件。特に企業買収などの案件を行う場合に使われる。
大型案件は「ビッグ・ディール」「メガ・ディール」と呼ばれ、証券会社や銀行は手がけた案件数と取引金額を競い合っている。

デューデリ(デュー・デリジェンス)
Due Diligence【英語】。直訳すると「Due=当然行われるべき」「Diligence=努力」。
買収前に実施する買収対象企業や不動産に対する詳細調査で、「価格査定」「買収監査(精査)」などと訳される。最終的な買収代金支払いに至る前に、自ら及び公認会計士や弁護士などの専門家の手を借りてさまざまな角度から調査する作業。調査内容は買収対象企業・不動産のビジネスそのものから、会計、税務、法律まで広範囲にわたり、その調査結果に基づき価格交渉や契約交渉が行われる。

メインバンク
企業が長年にわたり主に取引している銀行。
それ以外の銀行はサブバンクと呼ばれ、区別される。メインバンクはその企業の安定株主になり、財務担当者や役員をメインバンク出身者が務めることも多い。企業が経営難に陥った場合はメインバンクが主導的役割を果たして救済策を講じるのが通例であり、逆にメインバンクが追加融資に応じず貸付金の返済を迫る事態に陥ると、経営破綻、倒産につながりやすい。

用語監修 森生 明
1959年大阪府生まれ。日本興業銀行、米国投資銀行ゴールドマン・サックスにてM&A(企業買収)アドバイザー業務に従事。その後米・日の事業会社に勤務した後独立。現在は、西村ときわ法律事務所の経営顧問他数社の経営、M&Aアドバイスを担当している。著書に『MBAバリュエーション』『会社の値段』。

公式HPより=


ハゲタカ DVD-BOX
ハゲタカ DVD-BOX柴田恭兵 真山仁 大森南朋 ポニーキャニオン 2007-07-18売り上げランキング : 32Amazonで詳しく見るby G-Tools
ヴァイブレータ スペシャル・エディション チルドレン ハゲタカ(下) ハゲタカ(上) キャッチボール屋


大森南朋さんの主な出演作品



柴田恭兵さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、また凄いドラマが始まりましたね!毎週録画にしているので見逃さずに済みましたが思った以上の展開にガン観してしまいました

冒頭の子供達のシーンは水中のお金を拾っておもちゃを買いあさる姿が印象的で銃声には気が付きませんでしたが確かに銃声で始まっていました!これがナイフか拳銃かで予測が変わってきますよね?

現実味のある暴力団や政治家との癒着、銀行の貸し渋りに家庭が壊れた由香の怒りジャーナリストとして復讐を考える?上司の命令で融資を断ち由香に悲しい思いをさせた鷲津そしてその時に芝野が掛けた言葉とは?妄想癖が〜

芝野も出した再建案でしたが鷲津も保険金を担保にして治を経営者としてやり直せると考えたのかも知れませんね?彼にも人間としての何かが残っているような!

宇崎さんの憔悴した演技も凄くて人間は追い詰められるとあんな感じになるのだろうと…自殺ではないと自分も思います!

エンディングのあとのこれからのハゲタカに治の姿が!会社や社会に翻弄された人間の復讐劇や人間模様に次回からも期待です!鷲津と昭吾がテーブルに置いた小銭がキーポイントになりそうですね?

ちーずさんって結局ドラマが好きなんですね!また増えてしまっていますよ〜 ちなみに「スタートライン」いいドラマでした、土曜9時のNHKに意外とハマッテいます!
Posted by けた at 2007年02月18日 19:58
このドラマ、とても楽しみにしていて原作の「ハゲタカ」「バイアウト」両方読みました。

原作とはかなり違った切り口ですが、それはそれですごくおもしろかったです。次回からが楽しみです。

トラックバックさせていただきました。
Posted by at 2007年02月18日 22:26
ご無沙汰しています。やはりちーずさんがチェックしていらしたので嬉しかったです♪

ひさびさ引き込まれるドラマでした。
松田龍平さんの役ははじめ中村師童さんだったそうですね。昨年色々あって降板され、柴田さんも撮影途中でご病気になられてオンエアーが遅れたと2/18の株式日記http://blog.goo.ne.jp/2005tora/d/20070218 に記載がありました。

>「西野さん。あなたが許せないのはあなたご自身じゃないんですか?本業だけを一心に守り続けてきたらこんな莫大な借金を背負うわけがない。」
の台詞など意外と冷徹といいつつ私は鷲津に共感できる部分があり、栗山千明の心情のほうがなんとなくハテナな感情をもちました。原作者の真山氏も、「事が思い通りに行かなくなった時、つい『誰かのせい』にしたくなる。不良債権の問題の時も似たような現象が起きた。だが『自分のせい』なのだ。小説の出発点はそこにあった。勇気を持って日本が抱える問題を正視しよう。そんな思いを込めた」とあります。時代とかぶる所が多々あり深く考えさせられるドラマだと感じます。また、これからの展開もゲストの豪華さも楽しみです。
しかし松田龍平さんをひさしぶりに拝見しましたが一点を凝視する目線と口元がお父さんにそっくりで驚きました。きっと素晴らしいお手本のお父様の色々な表情を見て研究されているんだろうなと思いました・・・。
Posted by ぷうわん at 2007年02月21日 16:11
昨日、ハゲタカ第2話を見ました。
とても面白く、第一話のストーリーを知りたいと思い、調べたところ、貴サイトを見つけました。
一気に全部読み、ますます第3話を見たいと思いました。第一話のあらすじがわかり非常に良かったです。ありがとうございます。
Posted by タケ at 2007年02月25日 09:29
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