2007年03月18日

ハゲタカ ROAD TO REBIRTH 第5回

『ホワイトナイト』

「ハゲタカと呼ばれる男が狙った、最大のターゲットは・・・
 彼がメスを入れることは、下請けの系列工場を
 倒産に追い込むことを意味する。
 その中には・・・」


大空電機株主総会の会場を出る鷲津(大森南朋)を、
西野治(松田龍平)が待ち構えていた。
「総会、大株主の一人として、しっかり見させて
 いただきました。
 とんだ茶番ですね。
 ぶっちゃけて言います。僕と手を組みませんか?
 一緒に大空電機を取りましょう。」
「・・・」

新聞の一面に、大空電機会長・大木昇三郎氏死去の訃報が
伝えられる。東洋テレビ
テレビ画面を見つめる三島由香(栗山千明)。
「おい、どうした。」野中(小市慢太郎)が声をかける。
「株主総会、来てたんですね。
 ハイパーの、西野治。」
「群がってきたんだよ。」
「え?」
「死にかけた獲物に、ハゲタカたちが。」
由香は画面に映る治の顔を見つめ・・・。

ハイパークリエーションの社長・西野治が、
ハイパー社(新興IT企業)社長室の神棚に手を合わせる。
「いいぞ。」治の合図に、社員が社長室にやって来る。
「どうでした?」
「ホライズンとは決裂した。」
「で、どうするんですか?」
「戦争だよ、戦争。」

「戦争だよ、戦争。」の前のセリフが聞き取れず。
IT企業の社長室に不似合いな神棚。
彼はまだ、旅館の息子なんですね。
母が毎日手を合わせていたのを、息子はちゃんと見ていたんでしょうね。


ホライズン・インベストメント会議室
「ご存知のように、ハイパーはインターネット広告業で事業拡大。
 2000年、新興事業に拡大し、今では年商300億をあげるまでに
 成長しています。」と女性社員。
「株主総会の時点では、3%強の株を保持していましたが、
 総会直後に一気に買い進め、すでに5%は越えていると 
 思われます。」と村田(嶋田久作)。
「バッグはどこだ?」と鷲津。
「MGS銀行です。
 副頭取の飯島さんが、実験を握っています。」
画面に、MGS銀行副頭取・飯島(中尾彬)の写真が映し出される。
「さすがあのタヌキ親父。金の匂いには敏感ですね。」
と中延(志賀廣太郎)。
「ハイパーの狙いは?」と鷲津。
「大空電機の経営に、興味があるとは思えません。」と村田。
「ただのサヤ取り狙いでしょう。」
「早めにいきますか?」
「よし、準備してくれ!」と鷲津。
「Yes, sir!」

「中延さん、ちょっといいですか?」鷲津が中延を引き止める。
「はい。」
「例の件で、テクスンのリー社長にアポを取ってもらえませんか?」
「あの、中国の電機メーカーですか?」
「ええ。こちらから上海に行ってもいい。
 アレンジして下さい。」
「・・わかりました。」
鷲津の依頼に中延は・・・。

記者会見を開く鷲津。
「ホライズン・インベストメント・ワークスは、
 東証一部上場の大空電機に、TOBを実施することを
 正式に発表いたします。」
どよめく会場。
「買付期間は、7月5日から、8月15日。
 買付価格は、直近一ヶ月の終値平均、899円に、
 27.9%のプレミアムを付けた、1150円。
 株式の、51%以上の買付にいたします。」
会場にいた由香が立ち上がる。
「鷲津さん!ハイパークリエーションとホライズンは
 提携しているのではないかと見る筋もありますが。」
「そのような事実はございません。」
「では、TOBで経営権を取得した場合、
 具体的にはどうされるおつもりでしょうか。」
「大空電機のフェニックス計画よりも、
 現実に即した形で、再建計画を推し進めていくつもりです。」
「大規模なリストラが行われると、受け取ってよろしいんでしょうか。」
「大空電機再生の為に、あくまでも前向きなリストラは、
 行うつもりです。」
「・・・」

大空電機・社長室
「ダメだ。この分じゃ相当の株主がなびくぞ。」と塚本(大杉漣)。
「第三者割当として、ホライズンの持ち株比率を下げる
 手もあります。」
芝野(柴田恭兵)が言う。
「そんなの無理だ!
 大木会長のいない大空電機に、増資をしようなんて所はないよ!」
「そんなことはない。悲観的になるのはまだ早い。」
「・・・」
塚本の携帯が鳴る。MGS銀行飯島からだ。
「・・・はい。」芝野の様子を伺いながら携帯に出る塚本。

大木会長の墓前に手を合わせる鷲津。
「会社は、大空電機は、生き続けなければいけないんです。」
鷲津の言葉に、
「やり直したいんなら、何もやらないことだよ。」
会長がそう言ったことが頭をよぎる。
墓に一礼して立ち去る鷲津。
そこへ、墓参りにきた由香が立ちふさがる。
「会長に何を話していたんです?」
「・・・」
「約束を破りました。
 今度はTOBで強引に取りに行きます。
 そう報告しに来たんですか?」
「・・・」
「株主総会での、会長の手紙・・・
 鷲津さんはどう受け止めましたか?
 古い経営者のたわごとにしか思いませんでしたか!?」
「そうやって君たちマスコミが、
 会長を追い込んだんじゃないのか?
 美談で持ち上げるだけ持ち上げて、
 自分の会社にメスを入れることが出来なくなるぐらい、
 会長をがんじがらめにしてきたんじゃないのか。」
「・・・こっちがあなたに聞いているんです!!」
「・・・
 本当に聞きたいことは、他にあるんじゃないんですか?」
「・・・」
「大木会長には、改めて大空電機は任せてほしいと
 言いに来ました。」
「・・・」
「あなたにも、最後まで見届ける義務があるはずです。」
鷲津はそう言い、立ち去った。

車の中。
「本当に増資を、引き受けてくれるのか。」芝野が塚本に聞く。
「とにかくホライズンのTOBについて、
 会って話がしたいと言うことだ。」
「飯島さんか・・。」
芝野はそう呟くと、大木会長の著書・『大木流経営論』を
手に取り、ページをパラパラとめくる。
「・・・こんなになるまで読むのか?」
「全部暗記したよ。」
「そりゃすごい。」
「大空電機は、工場の隅っこで転がっている
 ネジの1個1個まで、大木昇三郎が宿ってる。
 あとを継ぐものは地獄だよ。」
「・・・」

「ある程度・・血を流すことは、必要です。」
芝野の言葉に、
「塚本も君も、その流した血を、
 汲み取ってやれるのか。」
会長がそう言ったことが頭をよぎる。

「大空電機は、工場の隅っこで転がっている
 ネジの1個1個まで、大木昇三郎が宿ってる。
 あとを継ぐものは地獄だよ。」
このセリフも重いですね。
先代の跡を継ぎ苦労した人物、この物語の中でも
西之屋旅館の昭吾とか、サンデートイズの瑞恵などが
いました。
『華麗なる一族』で言えば、大介の心境でしょうか。

そして、大木会長の言葉をそれぞれ思い起こす鷲津と芝野。
この二人にとっても、大木会長は大きく影響を与えたようですね。


鷲津を見送る中延。
「アランたちには、ニューヨークに行くとしか言っていません。」
「本決まりになるまでは、伏せておきたい。」
「本当に、大丈夫ですか?
 これからやろうとしていることは、
 ホライズン本社への重大な裏切り行為になります。
 相当危ない橋を渡ることになりますが。」
「・・・覚悟の上です。」

都内・某料亭
部屋にいるのは、塚本、芝野、そして飯島頭取。
「ま、楽にして下さい。」と飯島。
「は・・」と塚本。
「久し振りだな、芝野・・さん。」
「ご無沙汰しております。」
「たいそう立派になられたもんだ。
 三葉を辞めたの、大正解だったってことだな。
 ところで社長、この大変な時に、ご足労願ったのは
 他でもありません。
 実は、大空電機の力になりたいという、
 奇特な若者がおりましてね。」
「若者?」
飯島が手のひらを二回叩き、「どうぞ。」と声をかけると、
そこに治がやって来た。
「ハイパー・クリエーションの、代表取締役を務めております、
 西野です。」正座をして丁寧に挨拶する治。
社長も挨拶を返す。
「お久し振りです。」治が芝野に挨拶する。芝野も挨拶を返す。
「知ってるのか?」塚本が芝野に聞く。
「ええ、以前・・」
「時間を無駄にしたくないので、単刀直入に
 お話をさせていただきます。
 私が御社の株を買わせていただいたのは、
 ホライズンから、御社を守りたかったからです。」
「どういうことですか?」と塚本。
「ハイパーが、ホワイトナイトになります。」
「・・・」

上海・某ホテル
「鷲津と申します。はじめまして。」
「テクスンの、リーです。
 遠いところ、ご足労でした。」
「お会いいただき、光栄です。」
「大空電機の話になると、お会いしないわけには、いかない。」
「この話を引き受けていただけるのは、
 世界広しといえど、テクスン社だけです。」
「わかりました。お話を、伺いましょう。」

鷲津が会っている人物は、テクスン社(中国電機メーカー)の
リー・ジェンミン社長だった。

都内料亭。
「具体的には、業務提携というのは、どういう形を
 取るのでしょうか。」芝野が治に質問する。
「経営陣と従業員はそのままでの、資本提携です。」
「・・・」顔を見合わせる芝野と塚本。
「私が経営者になる上で、一番影響を受けているのが、
 大木会長なんです。
 私のバイブルです。」
治はそう言い、大木会長の著書をテーブルに置いてみせる。
「塚本社長、どうか、お力にならせて下さい。」
酒を差し出す治。
治を見つめる芝野。

上海。
「つまり、御社が、TOBで経営権を取ったあと、
 大空電機全体を、うちで、引き受けてもらいたいと。」とリー社長。
「ええ。このまま分社化していけば、大空電機の名前は無くなります。
 それだけは、避けたいんです。
 御社が引き受けてくだされば、大空電機の雇用は守られ、
 子会社や、系列会社も生き残れるんです。」
「・・・私の、宝物です。」
リー社長が、ボロボロになった大木会長の著書を取り出す。
一番初めのページに、
『企業は人なり 大木昇三郎』
と手書きで書いてある。
「会長にようやく、恩返しが出来るかもしれない・・・。
 うん。
 前向きに、検討させてもらいます。」とリー社長。
「ありがとうございます。」
二人が固く握手をする。
「ところで、もちろん、ホライズン本社は、
 この話をご存知ですよね?」
「・・・もちろんです。」
鷲津が嘘をついた。

料亭。
治は車を見送ったあと、社員がドアを開けて待つ車に乗り込む。
「いやー、お待たせしました。
 ・・・決心していただけました?
 報酬はホライズンの3倍出しますよ。
 もちろんうちに来てくれますよね。」
治が語りかける人物は・・・沼田だ!
「・・・」

「予定は明後日なんですか?」とアラン。
「そうだ その通りだ」本社のクラリス(アン・ムーア)が
テレビ電話で答える。
「今日ニューヨークへ行くと言ってましたが・・・」
「・・・ちょうどいい
 アラン、君に話しておきたいことがある」
「・・・」

芝野と鷲津が、それぞれ密談中。
相手側に"ご足労"と言われているのが興味を引きます。
そして登場する大木会長の著書。
リー社長のは、ボロボロになっていましたが、
治のは新品に見えました。

中国に話を持ちかけたのは、公式あらすじには、はっきりと、
"由香の工場を救うべく買収後の提携先を模索し始める"
と書いてあります。
そんな鷲津の周りに、動きが・・・。
治は沼田を引き抜き!?
アランのあの表情は・・・。


大空電機株式会社・本社 講堂
「ここまで、何ら防衛策を講じてこなかった責任は、 
 誰にあるんだ!!」
社員たちが塚本を攻め立てる。

自分の自宅前までマスコミが殺到し、驚く塚本。
「ハイパー・クリエーションと業務提携するのは
 本当なんですか!?」
「業務提携!?」驚く塚本。
「一部報道に出ているんです!事実なんですか!?」
「すみません。」その場を逃げるように去る塚本。

社長室。
「どういうことだ!?」
「さあ・・なんせマスコミなんてハイエナみたいな
 もんですからね。」治が答える。
「冗談じゃない!あんたしかいないじゃないか!!」
「誰かが背中を押さなきゃ、
 あなた達何も決められないでしょう?」
「・・・」

会長の本を開き、声を出して呟くように読み上げる塚本。

その後塚本は一人、バッティングセンターへ。
「経営者って、孤独ですよね。」
塚本がその声に振り返ると、隣のボックスに治がいた。
「どうしてここに?」
「一人で考えたい時は、会社の人にも内緒で、
 必ずここに来るんです。」
「・・・条件は何ですか?」
「ぶっちゃけて言います。
 ホライズンがTOBに成功すれば、
 真っ先にクビを切られるのは・・・塚本社長、あなたです。」
「・・・」
「彼の今までのやり方から言って、経営陣は一掃しますよ。
 そして後任に・・・恐らく芝野さんを押す。」
「・・・芝野!?」

ホライズン本社。
「状況はどうなってる?」クラリスが聞く。
「TOBは順調に進んでます」と鷲津。
「レンダント社も首を長くして吉報を待ってるよ」
「わかってます」
「他に何か報告は?」
「いえ、特にありません」
「特にありませんか・・・
 そろそろアメリカに戻って来ないか?
 いつまでも前線にいてもしょうがないだろ」
「・・・」

大空電機・役員会議室
「ハイパー・クリエーションとの業務提携を、
 前向きに検討する方向で話を進めたいと思います。」
塚本が役員たちに言う。
「え!?」
「しかし新興企業もいいところだろう!
 いくらホライズンのTOBをかけられたからって。」と役員たち。
「いや、ホワイトナイトは必要です!
 今のままの状況が進めば、ホライズンのTOBに応じる
 大株主がいつ出てきてもおかしくない。
 一箇所堤防が崩れれば、たちまちダムは決壊しますよ!」と塚本。
「しかしねー。」
「代案があるなら出して下さい!」
「・・・」
「芝野取締役、あなたもです。」
「・・・」

会議後。
「塚本、何焦ってるんだ。」芝野が聞く。
「・・・」
「ホライズンのTOBが成功するとは限らないんだ。
 考え直そう。」
「組織からはみ出した人間に俺の気持ちがわかるのか!?
 4万人の従業員の人生を背負うプレッシャーが
 お前にわかるのか!?」
「・・・」
「俺には、大空電機を守る義務がある!」
「フェニックス計画を、遂行するんじゃなかったのか?」
「社長は俺だ!
 ・・・俺が決める!」

鷲津の近辺だけでなく、芝野の方も、チームワークに
乱れが見え始めました。


記者会見。
「どうも。
 ハイパー・クリエーションの西野です。
 我々ハイパー・クリエーションは、買付価格1470円で、
 大空電機へのTOBに踏み切ることを発表いたします。
 大空電機との業務提携を前提に、まずは、ホライズンによる
 敵対的TOBを阻止するのが目的です。」
「ホワイトナイトってことですか?」記者が質問する。
「そうです!」

ホライゾン・インベストメント・ジャパン。
帰国した鷲津がスーツケースを転がし出社する。
「鷲津さん!」アランが駆け寄る。
「まずいですよ。
 ハイパーが一気に1470円でTOBをかけてきました。」
「うちは1570円にする。」
「え!?様子見た方がいいんじゃないんですか?」
「馬鹿言うな。絶対に何としても取りに行く!」
「・・・」

記者会見場にいる由香の携帯が鳴る。
「もう迂闊に会えなくなっちゃったね。」治からだ。
辺りを見渡す由香が、彼の姿を捉える。
「治君・・・変わっちゃったね。」
「そりゃそうだよ。変わらなきゃ。
 いつまでもファミレスで食っちゃべってる俺じゃないよ。」
「・・・」
「ねー、俺をテレビに出さない?」
「・・・え?」

仕事をしながら大画面に映し出されるニュースを気にする鷲津。
テレビのキャスター・武田が言う。
「本日はハイパークリエーション 代表取締役社長・
 西野治さんに、番組にお越しいただいております。
 さっそく、大空電機、TOBの裏側について、
 お話を伺いますけれども、
 まず西野さん、今回、ホワイトナイトに名乗りを上げた経緯、
 教えて下さい。」
「はい。
 大空電機は、日本を代表する企業です。
 それが、外資ファンドによって、バラバラにされていくのを
 指をくわえて見てるわけにはいかなかったんです。」
「西野さんのように、新しい力が、日本の伝統企業を
 守ろうとしている一方で、
 ホライズン、企業再生という名の下で、
 新しくメスを入れようとしている。
 西野さんの目には彼らはどう映っているんですか?」
「・・・再生ファンド、聞こえはいいですが、
 彼らは一体何をしてきました?
 聞こえの良い大義名分を風潮しながら、
 結局は儲けるだけ儲けて、あとは知らん振りだ。
 それがファンドですよ。」
「しかし、こう言っては何ですが、
 ハイパークリエーションが、虚業だと、
 こういう意見もありますよね。」
治が、武田キャスターの隣に座る由香を見つめる。
「参ったな。
 それは、私もホライズンと一緒ってわけですか?」
「そういう訳ではないですけれどもね。」
「・・・私は・・・人を殺したりはしません。」
「と言いますと?」
「私の実家は旅館をやっていました。
 バブルの後遺症で、経営が傾き、
 ある外資ファンドに乗っ取られたんです。
 それが、ホライズンです。」
「それで?」
「二束三文で、よりによって、ライバル旅館に
 売り飛ばされたんです。
 そのショックで、父は亡くなりました。
 それだけじゃない。
 三島さん!」
「はい。」
「ホライズンの鷲津さんは、昔は銀行員でした。
 その彼によって、三島さんのご実家の工場は
 貸し渋りにあい、お父様は自殺された。
 そうですよね?」
「・・・」
「でも、その後、三島製作所は、大木会長の支援で立ち直り、
 今も営業されている。
 ホライズンは、大空電機を買収して、
 そこをもう1度切ろうとしているんですよ。
 従業員のみなさんが、私と同じ様な目に遭うのを、
 見過ごすわけにはいかない。
 それは、大木会長の意思でもあります。
 その為に私は、微力ながら、大空電機の
 お役に立ちたいんです。」
(「お役に立ちたいんです。」「お役に立ちたいんです。」)

テレビ画面を睨みつける鷲津。

放送後。
「どういうつもり!?」由香が治に詰め寄る。
「良かったでしょう、今の。
 数字がぐんと上がった匂いがするよ。」
「何であんなことを言ったのよ!」
「事実じゃない。」
「私の話は関係ないでしょ!」
「本当に?
 本当にそう思ってるの?
 いつも質問ばっかりしてるけどさ、
 自分の胸に問いかけたことはあるの?」
「・・・」
「俺は正直に生きてるだけだよ。」
「・・・」

ホライズン社 会議室。
中延とアランが、会社に届いたファックスを持ってくる。
『金の亡者め!
 金の為なら
 人まで殺す』
「電話が殺到して仕事になりません。」と中延。
「ホームページのサーバーもパンクですよ!」とアラン。
「大変です!社長の郵便物の中に、
 こんなものが・・」
女性社員が封筒の中身を出すと、
『今すぐ大空電機から手を引け』と書かれた手紙と、
銃弾が3発。
「西野治は、黒い繫がりも噂されています。
 会社を大きくする為に、かなり危ない橋を渡ってきて
 いるようで。」と中延。
「・・・村田さんは?」と鷲津。
「・・・」

大空電機社長室。
「ホライズンがTOB価格を吊り上げたって話か?
 大丈夫だ。さっきハイパーから電話があったよ。
 更に100円上乗せの金額を発表するそうだ。」と塚本。
「本当に金を出せるのか、ハイパーは。
 彼らの会社の規模、経常利益からすると、
 でかすぎる買物だ。」と芝野。
「ハイパーのバックにはMGS銀行がついてる。
 金はいくらでも出るよ!
 それより芝野、昨日のテレビ見たか?
 すごいな、あいつ。完全に番組食ってた。」
「西野治には、いろいろと悪い噂もある。
 前から知ってる俺でも今の彼を信用していいのかどうか。」
「大丈夫!あんなやついくらでもコントロールできるよ。」
「・・・」
大木会長の書いた『厳』の字を見つめる芝野。
「これが・・・大木会長の望んでいたことなのか?」
芝野の言葉に、机をバンと叩く塚本。
「お前一体誰の味方なんだ!
 俺たちもともと大木体制にクーデター起こしたんじゃ
 ないのか!?言ってみろ!!」
「・・・」

ハイパー社。
鷲津が治を訪ねていく。
「おー!
 挨拶に行く手間が省けましたよ。」と治。
「ITの連中には、意外にも神頼みをするやつが多いと
 聞いたことがある。
 自分たちの仕事が、運良く時流に乗っただけの景況だと、
 本能的に感づいている。
 だから神頼みになる。」
鷲津が神棚を見つめて言う。
「・・・それを言うなら、あなたも似たようなものでしょう。」
治が笑う。
鋭い目つきで治を睨む鷲津、机をバンと手のひらで叩く。
その手の下には、弾丸が2つ。
「・・・」
「祭り上げられているのは、お前じゃないのか。」
鷲津はそう言い、立ち去った。
治は弾丸を見つめ・・・。

社長室を出た鷲津を、ある人物が待っていた。
「残念です。
 今のあなたにはついていけませんでした。」
村田だ!
無言で立ち去ろうとする鷲津。
「鷲津さん!
 あなたは、そんなに必死になって
 何を追いかけているんですか?」
沼田に答えず、鷲津は立ち去った。

東洋テレビ。
「大空関連のネタからは外れてもらう。」
野中が由香に言う。
「・・どうしてですか?」
「鷲津との関係で、うちへの電話も鳴りっぱなしだ。
 一社員の為に、偏った報道をしてると思われるわけには
 いかない。」
「そんな・・・」
「業務命令だ。」
「でも、」
「おい進藤、周辺取材、どうだった?」
「ほとんど鷲津は、殺人犯扱いですよ。」
「・・・」

クラリスが鷲津に告げる。
「撤退しろ!
 我々の目的はあくまでもレンズ部門だ
 大空電機はハイパーに譲って、
 レンズ部門だけを買い取る交渉をしろ!
 これ以上傷を広げるな!」
「できません」と鷲津。
「できるかできないかは聞いてない
 やれと命じてるんだ!
 おとなしくしてろ!わかったな」
社長はそう言い回線を切る。

そこへアランがやって来た。
「レンダント社じゃなくてテクスンに売却するなんて
 聞いてませんよ、その話!」
「いいんだ。方針転換だ。
 大空電機をわざわざ解体する必要はない。
 テクスンなら、大空電機の解体も免れるし、
 我々も儲かる。」と鷲津。
「クラリスはあくまでレンダント社への売却を望んでます!」
心配そうに中延らが様子を見に来た。
「ホライゾン・ジャパンは、テクスンだという判断を下した。
 俺のスキムだと、確実にレンダントより利益を生む。
 問題はない。」と鷲津。
「しかし、」
「アラン!
 お前はホライズン日本法人の社員だ。
 俺の命令に逆らうのか!?」
「・・・」
アランが部屋を出ていく。

ハイパークリエーション本社前。
記者が、ハイパー社・TOB価格を1670円に、とレポートする。

由香の工場の為にも負けられない鷲津はNY本社の意に反し
応戦。TOB合戦は過熱化していく。

車でどこかに向かう鷲津と中延。

「テクソンのリー社長と会うために
 彼らは今 別荘に向かっています」
アランが電話で報告を入れる。

別荘。
落ち着かない様子の鷲津。そこへ中延がやって来た。
「どうでしたか?」
「それが・・今テクソンのリー社長の秘書から電話が
 ありました。
 その・・スケジュールの都合で、今日の会合は
 急遽キャンセルさせて欲しいと・・。
 クラリスが事前に知って、手を回したようです。」
「・・・」
上着を脱ぎ捨てる鷲津。

ハイパー社に、芝野が訪れる。
「すみませんね。時間がなくて。
 この後テレビなんですよ。 
 で、何ですか?」
「業務提携の、内容について詳しくお聞きしたい。
 本気で、大空電機とやっていくつもりなんですか?」
「何を言い出すんですか、今更。」
「今のTOB価格は尋常ではない。
 失礼ながら、財務状況は本当に大丈夫なんでしょうか。
 それから、」
「芝野さん、僕は、時間を無駄にするのが
 大嫌いなんですよ。
 本当は何を言いに来たんですか?」
「・・・お父さんの、弔い合戦のつもりなら、
 やめた方が良い。」
「・・・」
「誰も喜ばない。
 あなたのお父さん、」
「あの!もういいですか?時間がないんで。」
「鷲津が、西之屋旅館にしたことと、
 同じ事をやろうとしているだけなんじゃないんですか?」
「すみませんが!
 出て行ってもらえますか?」
そう言い携帯でどこかに電話をする治。
「・・・失礼します。」
芝野が出ていくと、治は携帯を閉じ・・・。

東洋テレビ。
由香は、鷲津のことを考えていた。
父の葬儀の席で泣きながら謝罪するあの姿を・・。
そして、日本に戻ってきた鷲津のことを。

そして鷲津も、
「父の信頼、裏切らないでくださいね。」
と言った由香の言葉を考えていた。

別荘。
暗い部屋の中、ソファーに座り考え込む鷲津。
携帯が鳴るが、鷲津は電話に出ず、留守電に吹き込まれる
メッセージを聞いている。

「東洋テレビの、三島です。
 お願いがあります。
 プライム11に、出てもらえませんでしょうか。
 西野治が、連日のようにテレビに出て喋っています。
 このままだと・・ハイパーに負けますよ。
 彼は・・鷲津さんと対談することを、了承して
 くれています。
 あなたは逃げるんですか?
 ハゲタカと呼ばれたまま、終わっていいんですか!?
 カメラの・・カメラの前で・・真実を話して下さい。
 私・・・あなたを信じてます。」

鷲津はその言葉に・・・。

公式あらすじによると、
"鷲津の真意を知った由香は、自らがキャスターを務める
ニュース番組に二人を出演させることに。"
となっています。
どの時点で彼女が真実を知ったのかわかりづらいですが、
今まで見てきた鷲津を信じようと思ったんでしょうね。


大空電機 カメラ・レンズ事業部。
特級技能士の加藤がレンズを研磨していると、
工場に誰かがやって来た。
芝野だ。
「どうかしましたか?」
「ここへ来ると、会長の思いっていうか・・
 大空が辿ってきた時間の、重みを感じます。」と芝野。
「伝統は、守るべきものだと思っていたが、
 いつの間にか、壊すべきものになってしまった。」
「・・・」
「いつから、伝統の価値はこんなに低くなったんだ。」
「・・・そうですね。」
「会長は、会社を塚本社長と、あなたに、託した。」
「・・・」
「よろしく、お願いしますよ。」
「・・・」芝野が小さく頷く。

東洋テレビ・第3スタジオ。
「ハイパーの西野さん、22時入りで間違いないな?」
野中が進藤に確認する。
「おい、まだ連絡ないのか?」野中が由香に聞く。
「すみません。」
由香の携帯が鳴る。鷲津からだ。

鷲津がスタジオ入りする。
「よろしくお願いします。」
由香の言葉に頷き、席に付く鷲津。
「お手柔らかにお願いしますよ。」
治が鷲津に言う。
由香がキャスター席に座る。

本番。
「こんばんは。
 今日のプライム11は、番組の内容を一部変更いたしまして、
 大空電機、TOB合戦のニュース、お伝えして参ります。
 スタジオには、急遽、渦中のお二人の方にお見えいただき
 ました。よろしくお願いいたします。」
武田キャスターが紹介する。
「さて、今回ハイパーから1670円という破格の買付価格、
 出ました。鷲津さんの方では、更に上乗せされることは
 あるんでしょうか。」
「この場での発言は控えさせていただきます。」
「このTOB合戦、これからも続く可能性があると、
 考えてよろしいんでしょうか。」
「もちろんです。」と鷲津。

タクシーの中。
携帯を開いたり閉じたり繰り返すアラン。

テレビ局。
「私共の、再建計画に乗っ取って再生を行えば、
 大空電機の企業価値は、必ず上がります。」と鷲津。
「失礼ながら、ホライズンファンドにそれが出来ると
 思えない。すぐに転売する気でしょう?」と治。
「それは、あなたじゃないんですか?」
「・・」
「主力商品である、冷蔵庫を発売開始したのは、
 昭和何年ですか?」
「はい?」
「高倉工場の従業員の数がわかりますか?」
「・・・」
「半導体の設備投資にいくらかけているかわかりますか?」
「・・・」
「業務部門の総域分岐点、のキャッシュフロー、
 国際競争力のある技術はどれで、
 他社に任せた方がいい部門はどこですか?」
「・・・」
「ふっ。それもわからず、会社経営が出来ますか?
 (会社経営が出来ますか?)」
「・・・」
「虚業のネット企業が、膨らんだ時価総額を利用して、
 大空電機という実業を手に入れたいだけなんじゃ
 ないんですか?(だけなんじゃないんですか?)」
「・・・」

固唾を飲んで見守る由香。
塚本、芝野らもテレビ画面に釘付けになる。

「フッ。一夜漬けにしては、立派じゃないですか。」
今度は治が笑う。
「なに?」
「大空電機にホワイト・ナイトと認められている者として、
 改めて言わせて貰います。
 私は、大空電機のお力になりたいだけです。
 もっと言えば、あなたの犠牲者をこれ以上、
 出したくない。
 私だけで充分です。
 (私だけで充分です。私だけで充分です。)」
「・・・」

ここでCMが入る。

「なかなかいけてますよ、鷲津さん。」
治はそう言い、席を立つ。
アランがスタジオにやって来た。
携帯電話を掲げてみせる。
鷲津がアランから携帯を受け取る。
「クラリスです。」とアラン。

携帯を耳に当てる鷲津。
「・・・・・」

「間もなくCMあけますー!」とスタッフ。
鷲津はまだ席に戻らず。
由香が様子を見に行くと、
鷲津が携帯を壁に投げつけ、
「ふざけるなっ!!」と大声で叫び、
そしてスタジオに戻ってきた。
今までとは様子の違う鷲津を、由香が、治が見つめる。

CM開け。
「ではここで改めて、両社がそれぞれ、大空電機に対して、
 どのようなプランをお考えなのか、お聞きしたいと思います。
 まずはホライズン代表の鷲津さんからお願いします。」
「・・・・」
「鷲津さん?」
「・・・
 たった今・・・」
鷲津が立ち上がる。
「たった今、ニューヨーク当社本部から、連絡を受けました。
 ・・・私は、ホライズン社を、解雇されました。」
治が、由香が、テレビを見つめる塚本、芝野が驚く。
「後任は、あそこにいる彼が勤めさせていただきます。」
鷲津がアランを見つめる。
「失礼します。」そう言い立ち去る鷲津。

CM中、笑いを抑えられない治。

「先ほど、番組でお伝えしましたように、
 鷲津政彦氏が、ホライズン社本部から、解雇されました。
 同社は後任に、副代表・アラン・ウォード氏を
 就任させると共に、大空電機へのTOB、買付価格を
 変更しないことも明かにしました。
 この結果、注目された、ホライズン社とハイパー社の
 TOB合戦は、ハイパー社に、軍配が上がる見通しです。」
震えながら原稿を読む由香。

そして鷲津は、夜の高速、車でどこかへと向かっていた。

記者会見。
「本日大空電機は、ハイパークリエーションのTOB成立を
 受け、同社との業務提携の合意に達したことを、
 ご報告いたします。」
カメラの前で、硬く握手を交わす塚本と治。
治の晴れやかな笑顔が輝く。

2週間後。
「こちら、六本木ツインタワー前です。
 ハイパークリエーションに証券取引法違反の容疑で、」
「インサイダーの容疑で本日、ハイパークリエーション本社に、
 東京地検特捜部の強制捜査が入りました。」

大空電機、そしてホライズンジャパンの社員が
ニュースを見つめる。

「ハイパーは破滅だ。
 MGF銀行はすぐにでも融資を打ち切るよ。」とアラン。

「すぐにハイパーへの資金を回収しろ!
 ああ!それからな、余剰担保も、場で売り飛ばせ!」と飯島頭取。

大空電機。
放心状態の塚本。

『大空の株価大暴落』

ホライズン社。
中延に声をかける由香。
「すみません、鷲津さんと、連絡が取れません。
 彼は、どこにいるんでしょうか。」
「・・・」
「解雇の、本当の理由は何ですか?
 噂では、テクスンとのことも言われているようですが。」
「・・・鷲津さんが、テクスンと接触を持ったのには
 理由があるんです。
 それは・・・あなたですよ。」
「・・・」

別荘。
テーブルの上に資料を広げ、たばこを取り出す鷲津。
外しためがねをソファーに置く。
その下には、『大空電機再建計画書』。
目を閉じて考え事をする鷲津。
タバコの火を消し、ふと窓の外に目をやる。
プールサイドに、治がいた。
セミの泣き声が響いている。

鷲津が治の前に姿を現す。
「・・・ずっと、あんたの背中を追ってきたけど、
 俺も、あんたも、もうおしまいだな。」と治。
「・・・」
「結局、俺たちも、
 金に振り回されただけなのか?」
「・・・」
治は持っていたカバンの中から札束を取り出し、投げ捨てる。
出しては、捨て、出しては、捨て・・・
呆然とその様子を見詰める鷲津。
そして最後にカバンのそこから拳銃が出て来た。
銃口を鷲津に向けて微笑む治。
「・・・撃てよ。」
鷲津の言葉に、治の笑みが消えていく。
見つめ合う二人。
「くそーっ!!」
治はそう叫ぶと、自分のこめかみに銃口を当てる。
慌てて駆け寄り、治の腕を掴む鷲津。
バーン!
驚いた表情を浮かべる鷲津、そして治。
札束が舞う中、鷲津がプールに落ちていく。


※一部公式HPあらすじを引用しました。




治は、わずか2週間でヒーローから疑惑の人に。
すごい展開でした。

予告で治が銃を構えるシーンを見てしまい、悔しく思いましたが、
こういういきさつがあったんですね。
あの銃弾は、鷲津が治につき返したものでしょうか。

きっと治は、もともと本気で撃つ気などなく、
鷲津が命乞いする姿を見たかっただけなのかもしれません。
「撃てよ。」本心からそう告げる鷲津の姿に、
治の、怒りや悲しみ、
今まで隠してきた本心が見えたようなが見えました。

次週予告。
「最後まで、ハゲタカなりのやり方を通させていただきます。」
鷲津のセリフがカッコイイ!
そしてここへきて、鷲津と芝野が手を組むのですね!
最強のコンビ!ワクワクします。




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キャスト

鷲津政彦(大森南朋)

【三葉銀行】
芝野健夫(柴田恭兵)
飯島亮介(中尾彬) 専務
沼田透(佐戸井けん太)
海野頭取(神山繁)
迫田専務(中原丈雄)
坂巻常務(津村鷹志)

【三島製作所】
三島健一(渡辺哲) 鷲津の貸し渋りにより自殺
三島由香(栗山千明) 健一の娘
三島頼子(唐木ちえみ)

【ホライズン・インベストメント・ジャパン】
村田丈志(嶋田久作)裏の情報に精通した調査屋
アラン・ウォード(ティム)NY本社から来たエリート
中延五郎(志賀廣太郎)不動産取引のエキスパート
リン(太田緑・ロランス)

アルバート・クラリス(イアン・ムーア)


【老舗旅館 西之屋】
西野昭吾(宇崎竜童)
西野治(松田龍平)
西野史子(永島暎子)
西野泰三(三谷昇)

【玩具メーカーサンデートイズ】
大河内瑞恵(冨士真奈美) 社長
大河内伸彰(小林正寛)  専務取締役

【大手電機メーカー大空電機】
大木昇三郎(菅原文太)創業者であり、現会長
塚本邦彦(大杉漣) 社長
加藤幸夫(田中泯)カメラ・レンズ事業部 特級技能士

【東洋テレビ 金融記者クラブ】
野中裕二(小市慢太郎)
進藤(杉内貴)


百瀬敬一(岡本信人)
牛島(徳井優)
日下部(矢島健一)
大賀康夫(松重豊)
遠山鎌一郎(光石研)
後藤(大関真)




スタッフ

原作・・・真山仁
ハゲタカ(上)
ハゲタカ(上)真山 仁 講談社 2006-03-15売り上げランキング : 1930Amazonで詳しく見るby G-Tools
ハゲタカ(下) バイアウト 下 バイアウト 上 青い蜃気楼―小説エンロン アジアの隼 (下) 祥伝社文庫


脚本・・・林宏司

演出・・・大友啓史

音楽・・・佐藤直紀

公式HP


ハゲタカ経済キーワード

TOB
Take Over Bid【英国】 Tender Offer (Bid)【米国】の略。株式等の「公開買付け」制度として証券取引法に定められている。公開買付けとは、不特定かつ多数の人に対して、公告等により買付期間・買付数量・買付価格等を提示して株式を自分に売るよう勧誘をおこない、証券取引所外で買い集める行為をさす。会社の経営権を取得する場合、対象会社が上場会社だと不特定多数の株主とそれぞれ株式の売買交渉をせねばならなくなる。株式市場で一度に大量の株式を買おうとすると需給関係が崩れ株価が高騰してしまう。51%だけ取得できればよいという場合、一部の株主だけに高い値段を提示して買い取ることができると他の株主に対して不公平になる。売る側の株主としても誰が、どういう目的で株式を買い集めるのかについて知った上で判断をしたい。公開買付けは、このような諸問題の解決のために、経営権移転に関する情報開示と株主の平等な取り扱いを目的として定められた制度である。

敵対的TOB
このように、TOBという制度自体はM&Aが友好的なものか敵対的なものかとは直接結びついていない。しかしながら、TOBは経営陣(取締役会)に相談せずその頭越しに株主に直接会社買収を申し入れることができる仕組みであるため、経営陣の意向にかかわらず企業買収を行う手段として用いることができる。つまり、敵対的TOBは現経営陣に対して「敵対的」な買収行為を意味しており、「会社は経営者のものか、それとも株主のものか」という議論と深く結びついている。

TOBの手続
公開買付けを行う者は、届出書において買付者、目的、買付期間(20〜60営業日)、買付価格、買付株数(何%まで買うのか)等を開示しなければならない。買付価格は途中で引き上げることはできるが引き下げることは原則できない。株価の乱高下をもたらすことにならぬよう、いったんTOBを開始したら安易に撤回することも認められない。しかし目標株数(例えば51%)が取得できなかった場合にはTOB不成立とし、応募された株式を買い取らなくてもよい。昨今のさまざまな敵対的M&A事例に基づき、より厳格・公正なTOBルール作りにむけ法律や規則の改訂が頻繁に行われており、証券取引法自体も「金融商品取引法」という新しい法律に衣替えすることが決まっている。

買収防衛策
上記のようないわゆる「敵対的」買収に対して現経営陣がとる対策。日常から株価を安値のまま放置せず対投資家説明(Investor Relations, IR)をきちんとし続けておくことが王道であり、また多くの日本の上場会社は安定株主作りによって、敵対的買収者が現れるのを未然に「予防」している。会社は株主利益に沿うように経営されねばならないという立場に立つと、現経営陣の保身の目的で防衛策が取られることが必ずしも株主の利益にならない場合もある。一口に「防衛」と言っても何の目的で何を防衛するのか、明確にすることが必要な時代となってきている。

第三者割当増資
会社が追加の株式を発行して資金調達するのが「増資」であるが、これを特定の第三者に対して行うことを第三者割当増資という(対して不特定多数に一般募集する場合は「公募増資」)。業務提携など事業上の関係強化目的で資本関係を結ぶ際に行われるケースが典型的。このようにして株式を引き受けた第三者は安定株主になることが期待できるので、敵対的買収に対する有効な防衛策となり得る。同時に、実際に買収者が現れた後で明確な資金使途がないにもかかわらず、現経営陣の地位防衛目的でこのような割当増資を行うことは、過去の裁判例では認められていない。

鞘(さや)取り
現実の市場では、価格が理論的価値から乖離し、「割高」「割安」となることがしばしば起こる。鞘取りとは、元々商品先物取引で使われている用語で、相場の変動では無く、異なる市場間や異なる決済期日の間に価格形成の「ゆがみ」を見つけ出してその間の差益を取る取引方法で、裁定取引とも呼ばれる。
上場会社のM&Aにおいては、経営権を取得する目的ではなく単に市場での株価が割安である、或いはTOB等で最終的に誰かが高く買うであろうことを見越して、大量の株式を買い集めて売り抜き短期的な売買益を取ることを目的とするような行為も鞘取りと呼ばれる。この行為は「マネーゲーム的だ」と批判される傾向が強いが、鞘取り業者の存在は市場での価格形成の適正化を促進する、というプラスの側面もある。彼らが常に勝ち続け儲けすぎるとしたら、それは日本の株式市場には価格形成のゆがみが多く存在していることの証左だともいえる。なお、株式を買い集めて経営陣をゆすり、高値で引き取らせるような者は「グリーンメーラー(脅迫者)」と呼ばれ、これは鞘取りとは異なる悪質な行為である。

(株式)時価総額
「会社の株価 x 発行済株式総数」、で計算される金額を株式時価総額といい、これが会社の株主価値、株主にとっての「値段」である。日本で一番時価総額が大きな会社は現在トヨタ自動車で約27兆円となっている。
時価総額が大きい会社は一般的に投資家からの信頼の厚い会社だということで、増資をして有利な資金調達ができ、銀行からの借り入れも行い易くなる。さらには自社の高い値段の株式を株式交換という形で他社株と交換して企業買収することができ、「小が大を飲む」M&Aを可能にしたりする。
計算式からわかるとおり、時価総額を高めるには株価を高めるか発行済株式総数を増やせばよい。。新規上場ブームなどで株式相場がバブル的活況を呈している局面では、将来成長の期待により暴騰した株価や度重なる株式分割によって時価総額を大きく膨らませた会社が、株式交換M&Aを使って業容を急拡大しやすくなる。そしてその株価が収益の下方修正や不祥事などのニュースをきっかけに暴落することも、これまた起こりやすい。

インサイダー取引
証券取引法の「内部者取引」の規定。会社の内部者情報に接する立場にある会社役員等やその関係者が、その特別な立場を利用して会社の重要な内部情報を知り、情報が公表される前にこの会社の株を売買すること。違反すると5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金(又はその両方)に処される他、得られた財産は没収・追徴され、さらには課徴金が課せられることもある。インサイダー取引をはじめとする証券取引法規制を実効性あるものにすべく、1992年に証券取引等監視委員会が設置され取締りが強化されているが、「内部者」や「重要事実」の範囲を明確に線引きするのは実際には難しいことなどから、裁判での争いが絶えない。 用語監修 森生 明

公式HPより=


ハゲタカ DVD-BOX
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ヴァイブレータ スペシャル・エディション チルドレン ハゲタカ(下) ハゲタカ(上) キャッチボール屋


大森南朋さんの主な出演作品



柴田恭兵さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、先週の予告にあった一話めのオープニングシーンは先走ったのかと思ったら全然違うところを描きたかったのですね!凄いですこのドラマ!

治は闘うだけのチカラを数年で作っていました!それも危ない方法で!ってノンフィクションですね…
マスコミの力を使うところもですが結局、大衆も時流に流され追い風に乗っている者を持ち上げる、視聴率が欲しいから興味が高い話題にマスコミが飛びつく、平行してスキャンダルを追う記者が現れ墜落人生…社会の縮図のようです!二週間は早かったけどそれだけ危ない事をしてきたって事ですかね?

鷲津は会社を裏切ってもテクスン社と契約を急ぎましたが大木会長の言葉や由香に対しての態度だけで決断した訳ではないのでしょうね?鷲津なりに最善の方法で会社に利益をもたらし大空のリストラも最小限で抑える手立てを見つけたから…

芝野と鷲津という組織からはみ出した人間が人間関係を重視した大木会長の教えを乗り越え会社再生を実現するのか楽しみですね!原点に戻ってレンズ技術で巻き返しですかね!
Posted by けた at 2007年03月18日 19:52
ちーずさんいつもありがとうございます。

このドラマは今期一番かなぁ。夫も面白い!!と言って楽しみにしていますが、もう来週最終回ですね。1回目の冒頭のシーンで今日は終わりました。でも来週の予告を見ると鷲津はよかった生きていた?ようですね。柴田恭平さんが病気療養期間を経て病気をちゃんと克服されて、芝野を演じていると思うと、本当に感服します。
ライブドアの裁判もあり、色々な雑音が聞こえる中、世相を反映した良質なドラマだと思います。
Posted by ぷうわん at 2007年03月20日 13:24
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