2007年04月19日

セクシーボイスアンドロボ VOICE 2

『ごぼ蔵』

学校の休み時間。
友達の告白話に沸き立つ女子生徒たち。
その中にニコ(大後寿々花)もいた。

「人って何でこう恋愛話が好きなんだろう。
 恋愛してないと人としてみてくれない。
 だからとりあえず、みんなには高村君を好きってことに
 してるけど、」


廊下で高村君とすれ違うニコたち。
友人がニコを冷やかす。

「マジめんどうくさい!」

ニコの家。
「一海ちゃんさー、又彼氏変えたんだー。」
テレビのリモコンを操作しながらニコが言う。
振り返ると、そこにいるのは一海(村川 絵梨)ではなく、
新しい彼氏。
「・・・」
「お待たせ!
 ??
 どうしたの?」
お洒落した一海が部屋から出て来た。

「洋服みたいにとっかえひっかえ相手を変えるクセに!」

「私の、運命の人に、何言ったのよー!!」
一海に締め上げられるニコ。

「何が運命の人だ!
 わけわからん。」
ロボ(松山ケンイチ)の家
須藤(六角精児)という男があるシャツをロボに丁寧に差し出す。
「これが・・・無敵の服か。」とロボ。
「8勝0敗、俺の一番の勝負服よ。」
「すごい!すごい!!
 あれ?汚れてるよ。」
広げて見ると、そこには緑色の大きな丸いシミが付いている。
「これがお洒落なんだよ!」
「えー!?本当に!?」
「お前、素人だからわかんないかもしれないけどさ、
 合コンなんていうのは、目立ってナンボ。
 これ着てるだけで、女どもが、
 須藤君、何それ!やだー!うわー!って
 大騒ぎだよ!
 この服が、いい掴みになってくれるんだってさー!」
「なってくれるかなぁ。」
「なる!ただし、マーックス・ロボ!は、なしな。」
「・・わかった。封印な。」

「いい年して、みんな恋愛に命かけすぎだよ。」
道端にしゃがみ込み、ネコを見つめるニコ。
仲良く寄り添うネコに、
「お前もか・・。」と呟く。

先週登場したのと同じネコかな?

美容院。
雑誌を読むニコ。
「ほんっとにみんな飽きないよなー。」

シャンプー台に横になると、隣に偶然ロボがいた!
なんと、女性美容師の胸に向かって口を突き出している!
「何してんのよ!!」
「何って?」
「今お姉さんの胸!吸おうとしてたでしょ!」
「なんてことを!」
「してたじゃん!!口こうやって!」
「してない!
 今日は、合コンあるからその練習をしてたの!」
「うわ、合コンでチューの練習なんて、やらしい!!」
「違うって。話聞いて。
 ほら、話題・・が途切れた時とかに、モノマネすると
 盛り上がるでしょ?だからその練習をしてたの!!
 "近頃、本当に、真面目に考えちゃってんだ。"」
「誰?」
「田中邦衛だよ。
 あ、疑ってる!
 "こんにちは。田中、邦衛、です"」
「・・・似てない。」
「似てるよ。」
「似てない!」

そこへ、突然店の中にバイクが突っ込んで来た。
ここでストップモーションの映像!
バイクに乗っていた男がゆっくりと起き上がり、ヘルメットを
放り投げる。
その剣幕に驚き、店を飛び出していく客、そして店員。
シャンプー台に乗っていたニコとロボは、顔にタオルを
乗せられていて、何が起こったのかよくわからない。
「何か・・・ただ事じゃないよな。」
「うん・・」
恐る恐るタオルを外してみると、男が何かを探している。
髪に緑色の塗料。
「シャ・・シャンプー、これ?」
「は、はい。」ニコが答える。
男は髪を濡らし、シャンプーし始める。
「あれ?もしかしてそれカラーボールってやつですか? 
 強盗とかした人・・!!」ロボが言いかけて止める。
強盗犯・後藤(村上淳)がロボを睨みつける。
「あ・・あの・・もしそうなら・・
 シャンプーじゃ取れないんじゃないんですか?
 特殊なインクだから、それ。」
「あ、そう。」
男はタオルで髪を拭くと、ニコに携帯を借り、どこかに
電話をかけ始める。
「どこに電話かけてるんだろうね。」とロボ。
「・・・女の人の声だ。」
「え?そんなの聞こえるの?」
「私耳がいいの。」
パトカーのサイレンが近づいてくるのに気付き、男が逃走する。
「ね、ちょっと!私の携帯!!返してよ!!」
ニコが後藤を追う。
警官が店に駆け込んできた。
「あ、ご苦労様です。
 あの、犯人は今、あっちに逃げました!」
ロボがケープを外しながら説明する。
が、ロボの勝負服には、緑色の大きな丸いシミ!
警官が銃を構える。
「あ!!これ違う違う!
 これお洒落!お洒落泥棒!
 あ、泥棒じゃない!うわぁぁ!!」
ロボも走る!!

「どこが無敵の服なんだよーーっ!もう!!
 マックス、ダーーーッシュ!!」
ロボがニコ、後藤に追いつき、三人は必死に走り続ける。

「あとで冷静に考えると、
 私達まで逃げ出す必要はなかったんだけれど、
 その時はワケがわからず、
 走りながら私は、全然違うことを考えてた。」


三人がすれ違っていくのを見つめる高村。

「ねー、恋愛ってこんな感じ!?」
走りながらニコがロボに聞く。
「え?こんな時に何言ってんの!?」
「ある日突然気付いたら走っているのかな。
 わけわかんないまま。
 ねー、恋愛ってそんな感じ!?」
「俺に、恋愛のことは聞くなー!」
「そうだ!これが恋愛だー!」後藤が叫ぶ。

「私達は行き先もわからず、
 転がるように走った。」


こうして二人は、またしても妙な事件に巻き込まれてしまう。

コードネーム・ロボ。
女好きのロボットオタク。
コードネーム・セクシーボイス。
七色の声を操る女子中学生。
二人はスパイ。
この複雑な世界、そして闇の中で、
彼らは次々起こる難事件に挑んでいく。
夢と希望を追いかける二人の名は・・・
セクシーボイス
アンド ロボ
あなたの隣にスパイがいる!


骨董屋・地蔵堂
なにやら楽しそうに荷作りする名梨秀吉(岡田 義徳)。
「楽しそうじゃない?」
真境名マキ(浅丘 ルリ子)がポラロイドカメラで写真を撮る。
「いや、久し振りの遠出なもんで。」Vサインで答える名梨。
「ちゃんと仏像持って帰ってきてよ。」
「谷川の親父さんから受け取ってくればいいだけでしょう?
 もう、ガキの使いじゃないですか。」
「・・・どうしようかなー。
 言っちゃおうかな。言わないほうがいいかな。
 ヨっちゃん腸弱いもんね。」
「何がです?」
「言っちゃっていいの?」
「い、いいですよ。」
「仏像、何やかんやで2億円の値が付いちゃった!
 ヌッヒッヒッヒ・・・」
「2億!?う、、うっそ!ヤベー。
 俺2億円はちょっと・・」
「じゃあいくらならいいの?」
「800万円!」
「ヨっちゃんの貯金800万なんだー!」
「そそそんな持ってないですよ。
 お願いします。今のことは聞かなかったことに
 して下さい。」
「もしもの時はお金で払えなんて言わないわよ。」
ほっとする秀吉。
「いっちょにドーンと身体で返してもらおうか。あ?」
「・・・」目を閉じ首を横に振る秀吉。

ニコの家。
居間に寝転がる夫・竹男(塚本 晋也)を邪魔だと言いながら
掃除をする雪江(片桐 はいり) 。
テレビからニュースが流れる。
『郵便局に男が押し入り、現金182円を奪い逃走しました。
 男はバイクで近くの美容室に突っ込みましたが、
 そのバイクを乗り捨て、現在も逃走中です。』
「あ!お父さん!ここ私の行ってる美容室!!」と雪江。
『バイクが、突然突っ込んできたんです!
 一瞬頭が真っ白になりましたが、
 犯人が起き上がったので
 とりあえずお客様を逃がさなきゃと思って、』
美容師がインタビューに答えている。
「あ!この人私の担当の人!!」
「何なに、こんな若い男に切ってもらってるの?」
「そうよ。」
「え・・おいおい。そうなんだ・・。」
『男は自ら、お洒落泥棒と名乗っており、』
「お洒落泥棒だって!」と雪江。
「うん・・そうなんだ・・。」
夫はニュースよりも、妻の髪を若い男の美容師が担当して
いることの方が気になるようです。


凶器で脅され、ロボの愛車・シトロエン2CVに押し込まれる
2人。
ラジオから後藤が起こした事件のニュースが流れてくる。
「このニュースって・・」
車を運転するロボが聞く。
「俺。携帯料金滞納しちゃってさ、電波が止められちゃったんだよ。」
後部座席で後藤が答える。
「え?え?え?それだけ?
 それだけで郵便局押し入っちゃったの?」
「今あんなもん投げるんだなー。
 ほんとびっくりだよ!」
「携帯返してよ。」とニコ。
「おい!」ロボが焦る。
「だってさー、私の携帯、」
「もうちょっと借りておく。」
『拳銃を郵便局員に押し付けたことから、
 拳銃を携帯しているものとみて、』
ニュースに怯えるロボ。
後藤がラジオを切ってしまった。
その時、ロボは後藤の上着の内ポケットに、拳銃らしきものを
見てしまう。
「け、拳銃ーー!!」
「え!?」ニコも焦る。
「・・俺、伊豆に行きたいんだよね。」
「伊豆・・伊豆って、伊豆?」
「伊豆。」
「あの・・強盗さんは伊豆まで何しに行くの?」とニコ。
「強盗さん!?」男が笑いだす。
怯える二人。
「聞いてくれ!俺な、俺の名前、後藤って言うんだよ。
 強盗の、後藤。ギャッハッハ!
 どうするよ、強盗の、後藤。」
「・・・・・」
「笑えよ!
 強盗の?」
「・・後藤。」怯えながら答えるニコ。
こうして、後藤に言われるがまま、伊豆へ向けての大逃走劇が
始まった。

「社長なんか、嫌いだー!
 社長なんか、嫌いだ!
 嫌いだー!」
真境名に2億円の“あるもの”を運ぶように命じられた
秀吉また、バイクにまたがり伊豆へと向かうのだった。

車の中。
「あの・・俺・・僕・・
 今日のっぴきならない用事があるんですけど。」とロボ。
「合コンじゃん。」とニコ。
「・・どうでしょう。
 お金お貸ししますから、他の交通手段で行っていただくと
 いうのは・・」
「停めろ!」
「言ってみるもんだな〜!」喜ぶロボ。
だが、車を停めた理由は、薬局で洗剤を買う為だった。
「会計!」後藤がロボに命じる。
「これ、俺が払うの?
 ・・・どう考えても今必要なものじゃないでしょ!」
ポケットにあるらしい銃を突きつける後藤。
「・・・」

「何で、こんなの買うの?」ニコが聞く。
「頼まれたんだよ。」
「誰に?」
「スズちゃん。」
後藤はそう答えると車に乗り込み、メモを広げる。

『パン
 洗剤(せんたく)
 さくら餅』

「そうか。伊豆まで女に会いに行くのか。」とロボ。
「頼まれたってさ、あんなの向こうでも売ってるじゃん。」
「だからそれは、女が男を試してるのよ!」
「何それ。」
「愛の深さを測るもんなの、女は。
 愛してるのなら、今すぐタクシー停めてきて!
 とか言うのさ。真夜中に。非常識だろ?
 そういう非常識な任務を課して、女は男の愛の深さを
 測るもんなの!」
「そうなの?」
「そうなの!」
「・・・最後なんだよ。
 ・・・そうだよな。これが最後なんだよな。」後藤が呟く。

「もしもし、社長。
 例のブツを受け取りましたよ。
 今から帰ります!」

バイクを飛ばす秀吉。
「プロフェッショナ〜ルな〜
 仕事をしよう〜〜ヘイ♪
 プロフェッショナ〜ルな〜
 仕事をしよう〜〜♪」

ラーメン屋。
ガッカリした様子で電話を切るロボ。
「合コン代わりに行く人見つかったんだ。」
「あーーーいいなーーー合コンーーー!」
「早く食え。」後藤が睨む。
「どうせ俺が払うんでしょ!何だよ、偉そうに!!」
後藤が立ち上がる。
「・・すみません。」

「プロフェッショナ〜ルな〜、仕事を、」
秀吉が店に入ってきた。
驚くニコとロボ。
「お客さん、狭いから、背中の荷物を降ろして!」
店主に言われ、秀吉は背負っていたバッグを床に下ろす。
「あれ?何やってんの?」
二人に気付いた秀吉に、何とか状況を伝えようとするニコとロボ。
「目が・・あ、花粉症?」
ニコとロボが首を横に振り、何とかジェスチャーで伝えようとする。
「ナンパした、ものすごい顔の女と、モンキーダンスを踊った!
 でいまだ立ち直れずにいる、と。
 これ当たりだ、あたり!」
・・・全然伝わらず。
「行くぞ!」
後藤が、間違えて秀吉のカバンを手に取り店を出ていく。

車を停めさせ、海を見つめながら携帯を耳に当てる後藤。

「ロボ、今だ逃げよう!」
「うーん。いやでもなー。」
「何?」
「せっかくここまで来てるんだしさー。
 スズちゃんに会わせてあげたい気もするんだよねー。
 ほら、最後とか言ってたしさ。」
「何言ってんの?強盗だよ。犯罪者だよ!」
「うーん、そうなんだけどさー。
 健気じゃん。」
「・・私の携帯でどこにかけてるんだろ。」
「何で電話かけてんのに何も喋らないのかね。」
「何か聞いてるんじゃない?」

「ただいま。」

「うん!?今ただいまって言ったよね!?」
「言った。」
「なんだあいつ。」

「お前ら!逃げるんじゃねーぞ!」
後藤が二人にそう言った直後、走ってきた男が後藤にぶつかる。
「すみません!」
落とした黒いバッグを拾い、男が走り去る。
後藤がバッグを手に車に戻ってきた。

車を停めて、後ろを振り返ると、後藤が眠っている。
「寝ちゃってるよ、この人。」
ロボはそっと、後藤のポケットを探る。
「うん!?」
銃だと思わせていたのは、サインペンだった。
「何だよ!拳銃持ってないじゃん!
 頭くるなー。」
ロボがサインペンを握り締める。

携帯を取り戻したニコは、車の外へ。
そして、リダイヤルしていみる。
『ただいま留守にしております。
 御用の方は、ピーという信号音の後にお話下さい。
 あ、お帰り。』
「留守電か・・。
 留守電聞いてたのか。」
「どうしたの?」ロボも車から降りてきた。
「ねえ、これ聞いて。」
「あ、これスズちゃんの声?」
「最後良く聞いて。」
「お帰りって言ってる。」
「うん・・」
「そうか!こいつ、これ繰り返し聞いてたんだ!」
「あの人スズちゃんの所に帰りたいんだね。」
「・・どうする?よく寝てるし、
 このまま警察に行く?」
「・・・」
目の前には交番。
車の中の後藤を見ると、ロボに悪戯された繋がった眉毛で、
「ただいま。」と幸せそうに呟く。
「・・・会いたいんなら会わせてあげよう。」
「よく言った!!」
「もう!ロボってほんと甘いよね。」
「そう、こなくっちゃな!」
「私ってほんとダサイ。」
「マックススターート!
 5つの勇気が集まって♪
 限界突破のマックスロボー♪」
ロボが車を走らせる。

バイクを停め、富士山を見つめる秀吉。
「2億円かー。
 こんなもの持ち逃げしたらどうなるかなー。
 まず焼き肉だな。
 で、革ジャン。
 で、もう一回革ジャン行くだろ。
 で、さらに革ジャン!
 革ジャンとかもう100個ぐらい買っちゃったりして。
 で、あり過ぎて飲み代からも革ジャンで払うから。
 何々、今日8革ジャン?安くない?みたいな。
 うわ、怖えーこれ!
 さてとと。」
カバンを開ける秀吉。
中には、仏像でなく、フランスパンが。
「えーっ!うっそ!!
 これ2億円!?」

ロボの車。
後藤が目を覚ます。
「おい、ここどこだよ。どこ走ってるんだよ!」
「逃げないから大丈夫だよ。
 ちゃんと、送り届けるからさ。」
「・・いいのかよ。」
「スズちゃんに会いたいこともよくわかったし。」
「・・・」
ロボが、ニコが、親指をつきたてて微笑む。
嬉しそうに微笑む後藤。
「あ、腹減らねーか?
 パン食わねーか、パン!」
「でもそれスズちゃんとこに持って行くやつでしょ?」
「沢山あるから一本ぐらい平気だって!」
後藤がニコにバッグを渡す。
「何パン?メロンパン?」ロボが聞く。
「メロンパンは一本って言わないだろうが。」
「パンは一本って言わないでしょうがー。」
ニコがカバンに入ったものを取り出す。
「おっきなパンだね、これ。
 ・・・うわーーーーーっ!!」
それは、パンではなく、足だった!
車の中は大騒ぎ!三人が車から飛び出していく。

交番。
「足です!足!
 足の入っていたカバンと入れ替わっちゃったんですよ!!」
後藤とぶつかった男が警官に訴える。

恐る恐る車の中の足の様子を伺う三人。

フランスパンで仏像の形を作っていく秀吉。
「どう見ても2億円には見えねー・・・。
 あ!!あいつらか!!」
秀吉はラーメン屋でカバンが入れ替わったことに気付き、
パンをヤケ食いする。

車のラジオが、郵便強盗のニュースを伝えている。
「・・・しょうがない。最後の手段だ。」とロボ。
「俺の仲間に、変装の得意なやつがいる。
 マックス!!」
「なんだあれ。」と後藤。
「・・・ごめん。」とニコ。

ロボットのコスプレをして食堂を歩く三人。
「変装っていうより、コスプレだろ。」と後藤。
「友達って、こういう友達だったんだー。」とニコ。
「贅沢言ってられないでしょ!
 お金だってないんだし。」

三人が食事をする前に、秀吉が座る。
「何その格好!?」
「・・阿頼耶識です。」とニコ。
「なんだっけ?」後藤が聞く。
「ごぼ蔵だ。」ロボが教える。
「ごぼ蔵です!」と後藤。
「??軍曹です。」とロボ。
「何これ。」
「触るな!
 私に触ると、怪我をするぜ。」
「うるさいよ!」

秀吉が車の中を覗き込むのを何とか阻止しようとする三人。
「これからどこ行くの?」秀吉が聞く。
「伊豆のほうです。」
「うっそ!すごい偶然! 
 俺もそっちのほう行くんだけどさ、ついてっていい?」
「・・別にいいですが。」
「ほんと!?いい車だね!」

「やっぱり検問してるよ。」とニコ。
「やばくなたら、突き破っていくから、
 シートベルト締めとけよ。」とロボ。
「そんなに映画みたいなことできんの?」
「私を、誰だと思ってるのかね!?」
「オタク星人じゃない。」
「発進!」

検問所。
警官に止められ焦る三人。
だが、警官はコスプレに興味を示しただけだった。
「コスプレ、ご苦労さんです!!」
なんとか検問所を突破出来ると思ったら・・・
ロボは間違えてトランクを開けてしまう。
万事休す!車から逃げ出す後藤。
警官がバッグに気付き、中を開けると・・・。
フランスパンで作った仏像が何対も入っていた。

崖を必死のよじ登るごぼ蔵。

富士山の前でカバンを掲げ、記念写真を撮る秀吉。

岩場を登り、富士山を眺めるニコとロボ。
「ごぼ蔵は?」
「桜餅買いに行った。」
「あー。」
「ごぼ蔵ってさ、なんかすごいなーって思って。
 だって、お金無くなって、強盗までして、
 カラーボール投げつけられて、緑色になって、
 コスプレして崖までよじ登って。
 そこまでして会いたいやつなんて、俺いないよ。
 いる?」
「いない。
 いないよね・・。」

和菓子屋で桜餅を買うごぼ蔵。
店員がごぼ蔵のコスプレに怯えながら応対する。

車に乗り、スズの家を探す三人。
「苗字何なの?」ロボが聞く。
「野口。」
「地図だとこの辺なんだけど。
 変だなー。」とニコ。

やっと、野口家を探し出した三人。
「はじめまして。
 後藤と申します。」
後藤が家から出て来た女性に頭を下げる。

「初めましてなの?」ニコとロボが顔を見合す。

家の中。
「あの・・なんて説明したらいいのか。
 野口さんには、何の関係もない、迷惑な話なんですけど。」
「はあ・・」
「俺、一緒に住んでいる女がいて、
 で、そいつ、事故であっけなく死んじゃって。
 でも、脳死だったんで、腎臓の方は・・」
夫婦が顔を見合わせ、そして女性は自分の腹部に触れる。
「じゃあ・・・」
「はい。
 すみません!
 お金ありったけ積んだら調べてくれるっていう人がいたんで、
 そしたら、野口さんに、
 キョウコさんに、スズちゃんの腎臓が移植されたってことを
 知って。
 俺・・本当にろくでもない男で、
 スズちゃんが生きているときも、スズちゃんが死んだあとも、
 本当にロクでもない男で。
 俺、簡単に立ち直れるって思ってたんですよ。
 そしたら、全然ダメで。
 自分でもびっくりするほどダメで。
 俺、スズちゃんに、ちゃんと謝りたいんです。
 生きているスズちゃんにちゃんと謝りたいんです。
 でも、それは・・それは無理なことで・・。」
「・・わかりました。
 こちらへ。」
女性がごぼ蔵を別室へ案内する。

「どうぞ。」
女性に言われ、正座して座るごぼ蔵。
「では、」
「本当にすみません!」ごぼ蔵が頭を下げる。
「ここんとこです。」
女性が、お腹の傷を見せる。
「・・・スズちゃん。
 いつも、買物ちゃんと出来なくてごめん。
 頼まれたものと、全然違うもの買ってきてごめん。
 でもね、今日は、ちゃんと出来たんだよ。
 フランスパンでしょ、桜餅でしょ、洗剤でしょ。
 ね!
 初めてちゃんと出来たんだよ。
 話、いつも上の空でごめん。
 洗い物いつもするするって言って、
 全然しなくてごめん!
 あと、誕生日忘れてごめん!
 なんか、ごめんがいっぱいあるんだけど、
 今思い出せなくてごめん!
 ごめん!ごめん!!」

ロボの携帯を手に外に飛び出すニコ。

ごぼ蔵の携帯が鳴る。
「もしもし?」
「大丈夫。ちゃんとやれるよ。」
「スズちゃん!?」
「富士山みたいに、ちゃんとした人になれるよ。」
ニコがスズの声でそう語りかける。
「・・・うん!!」
電話が切れた。
ごぼ蔵は女性にもう1度頭を下げると、
天を仰ぎ叫ぶように言う。
「スズちゃん!俺これからちゃんとやるから!
 本当にちゃんとやるから!
 富士山みたいになれるかな。
 でも、ちゃんとやるから!!」

ロボとニコが二階を見つめる。
「ごぼ蔵さん、これからちゃんとやるって。
 来て良かったね。
 来て良かった。
 来て良かったな・・。」泣き出すロボ。
ニコは携帯をロボのポケットにそっと戻した。

ニコの家。
雪江と竹男が焼き肉している。
「・・あ!ということは、
 今日は、お前と二人っきりってこと?」
「あら・・」
「そうか・・二人っきりか。」
「こういう時に犯罪とか起きるのかしらね。」
「それは・・どっちが、被害者ってこと?」
「ねえ。」
「ねえって・・。」

ロボが、自分の代わりに合コンにいった人が、
カップルになったと落ち込んでいる。
「へー、良かったじゃん。
 あ、そういえば今日一海ちゃんも合コンって言ってた。」
「まさか!あいつと一海ちゃんが!?
 そんな・・そんあ!!」
「一海ちゃん今日もお泊りって言ってたけど、
 あー、なるほど。そういうことねー。」
「うわぁぁぁぁ!!」
「危険です!妄想が炸裂しました。
 ロボの脳内は、いまや暴走状態に入ります!」
「一海ちゃーーん!!」

野口夫妻が布団に横になり語り合う。
「俺たち、長生きしような。
 嫌ってぐらいに、二人で長生きしような。」
「うん。」
二人が手をつなぐ。

ごぼ蔵は一人、おだやかな顔で夜空を見つめていた。

骨董屋・地蔵堂
秀吉の写真にタバコを押し付ける真境名。
「ただいま戻りました!!」
「あんまり遅いからふけたのかと思ったわよ!!」
「そんなわけないじゃないですか。
 これこれ。2億円の仏像!」
「ごめんね、よっちゃんのこと疑ったりして。」
「いや、実はですね、僕もちらっと、」
「裏切ろうと思った!?」
「ちらっとですよ。一瞬です、ほんの一瞬です。」
「2億だもんね。」
「ねー!
 あ、これ。」
「見た?」
「見てないですよ、当たり前じゃないですか。」
「見る?」
「見る見る!」
「それじゃ、ちょっと拝ませてもらおうかしらね。」
真境名がカバンを開ける。
するとそこには、仏像ではなく足が入っていた!
「うわ!どういうこと、これ!
 どういうことよ!どういうこと!!」
「僕は何も知りません!!」

その頃2億円の仏像は、番組の小道具を失くし、
交番で途方に暮れる男の前にあった。

富士山を見つめる三人。
「俺って、なーんてちっぽけな男なんだろう。」とロボ。
「俺もだよ。
 戻らないことを、いつまでもクヨクヨ考えて。 
 でも、もう戻らないからって、すぐ忘れちゃうのも
 寂しいじゃない。」
「そうだよ!
 今日富士山見ながら、三人でこうやって食べたことも、
 もう戻って来ないことなんだよ。」とニコ。
「今日のことをさ、ごぼ蔵が忘れちゃったりしたら、
 俺たちちょっと寂しいかも。ね!」
ニコが頷く。
「忘れるわけないじゃない。
 人に優しくされたってこと・・・忘れねーよ。」

警察署の前。
「ここでいいよ。」とごぼ蔵。
「いや、あと5歩!」

「1、2、3、4、5.」
三人手をつなぎ、5歩前進する。
「・・・人に優しくされるって、いいな!
 うん。
 又頑張ろうって気になるよ。」とごぼ蔵。
寂しそうなニコとロボ。
ごぼ蔵がロボに抱きつく。
「サンキュ!!」
「じゃあね。」
ニコが手を差し出す。
「ありがとう。」
握手を交わす二人。
「又・・又会おうな!!」
ロボの言葉に、ごぼ蔵は親指で鼻に触れ、そして親指を突き立て、
警察署に消えていった。

ドライブインで食事をするニコとロボ。
ニコの携帯が鳴る。
「はい。」
「ああ、俺。もう大丈夫だからね。」
「もしもし。」
「あ、間違えました。ごめんなさい。」

「誰?」
「うん、間違い電話。
 もう大丈夫だからね、だって。」
「ふーん。」
「なんかすごく声のいい人だったなー。」
「いい声って?」
「深くて、優しくて、
 今までに聞いたことのないような・・・。」
「ああ、それで?」
「まあロボに言ってもわかんないと思う。」
「何だそりゃ。
 さ、帰ろうかね。」

骨董屋・地蔵堂社長
「このたびは、とんだ不始末を。」真境名が謝罪する。
「ま、よろしゅうおすがな。」
「この始末、私共のほうで付けさせていただきました。」
真境名がバッグを開ける。
「あ!!」
そこへ、松葉杖姿の秀吉、登場。
「足、ちぎったんかいな。
 無茶しよるなー。」
「けじめですから。」
「敵わんなー。そこまでされたら、何も言えんがな。」
「申し訳ありませんでした。」
「あの仏像はな、昔、好いとった、おなごによう
 似てました。
 仏像が無くなってしまったわけじゃなしに、
 この世のどこかにいてはるわけやから。
 それで、よしとしましょう。」
「またどこかで、めぐり合えるといいですね。」
「この世の楽しみ、また一つ増えましたわ。」
ほっとしたように隠した右足を動かす秀吉。

ごぼ蔵の部屋を掃除するロボとニコ。
「ごぼ蔵、帰ってきたらびっくりするだろうね。」
「うん!
 あ・・」
「うん?なに?」
「これ。」
ニコが留守電を再生する。
『ただいま留守にしております。
 御用の方は、ピーという信号音のあとにお話ください。
 あ、お帰り!
 ピー。
 ただいま。』
「内臓だって、取り替えられる世の中にさ、
 絶対に取り替えられないものって、 
 あるんだよなー。」
「うん。」
写真の中で、ごぼ蔵とスズちゃんが幸せそうに微笑んでいた。

「私も、取り替えられない人に出会えるのだろうか。」

制服姿で町を歩くニコが振り返る。
「あの時の間違え電話の声だ!」
ニコが声の主の後を追う。

「もし、そんな人に会えたなら、
 どんなに心強く生きていけるだろう。」


家に帰ると、一海ちゃんが落ち込んでいる。
「あれ?学校休み?」
「運命の人は、絶対にいる・・・」
「・・・一海ちゃん、なんか今日可愛いね。」
姉の髪に触れ、そう言うニコ。
「嘘だ。」
微笑みあう二人。

「会えるかどうかわからないけど、
 会なくても、どこかにそんな人がいると思っただけで、
 どんなに明日は楽しいだろう。」


勝負服をハンガーにかけ、手を合わせるロボ。

綺麗に片付けられたごぼ蔵の部屋。
幸せそうなごぼ蔵とスズちゃんの2ショット写真。

「そっか。それが・・・」

『ごぼ蔵!おかえりなさい
 ロボ ニコ』
イラスト入りのメッセージカードが花に添えてある。

「恋愛か。」


※一部公式HPあらすじを引用しました。



後藤が郵便局に押し入ったのは、料金延滞で止められた
携帯を復活させるため。
なんて短絡的な、と思わせて、そこには彼の深い思いが
隠されていたのでした。

お金無くなって、強盗までして、
カラーボール投げつけられて、緑色になって、
コスプレして崖までよじ登って。
そこまでして会いたかったスズちゃんは、
もうこの世にはいない人でした。
他人の体の中で生きているスズちゃんに
ごめんねと謝るごぼ蔵に、切なくなりました。

ニコの携帯を使い、何度も何度も電話をかけるごぼ蔵。
スズちゃんが亡くなってから、彼の心の支えは
あの留守電だけだったのかもしれません。

でもごぼ蔵は、ニコとロボに出会えて、笑顔を取り戻すことが
出来たんだと思います。
優しさって、すごい。
あの家に帰ってきたときのごぼ蔵の表情を見てみたい!

「ねー、恋愛ってこんな感じ?」
全力疾走しながらそう聞いていた、まだ恋を知らないニコが、
後藤の一途な思いを知ることで、
恋をなんとなく、わかるようになりました。

ニコが癒された声の相手は、白いシャツ姿の人?
今後登場するんでしょうね。どなたでしょう。

須藤の勝負服に付いていた大きなシミ。
何であんなシミが、と思っていたら、
後に、警官に犯人に間違えられるアイテムとなるとは!(笑)
動揺して口走った"お洒落泥棒"という言葉が、
犯人のメッセージとしてニュースに流れたのには大笑い!

秀吉の仏像を、後藤が持っていき、
後藤のパンを、秀吉が持っていった。
後藤が持ってきてしまった仏像と、
走ってきてぶつかった男のマネキンの足が入れ替わった。
ここでも、何でマネキンの足?と思っていたら、
この足のお陰で2億損失を無かったことに
してもらえちゃいました。
そして、この2億円の仏像、大切にされているのは
その値段の為ではなく、持主が昔好きだった女性に
似ているから、というのも良かったです。
「この世のどこかにいてはるわけやから。
 それで、よしとしましょう。」
「またどこかで、めぐり合えるといいですね。」
「この世の楽しみ、また一つ増えましたわ。」
この会話もお洒落です。

"ガキの使い"さえもちゃんとこなせなかったヨっちゃん。
「プロフェッショナ〜ルな〜
 仕事をしよう〜〜ヘイ♪
 プロフェッショナ〜ルな〜
 仕事をしよう〜〜♪」
秀吉の歌が耳からついて離れない!



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原作
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キャスト
2人のスパイ
須藤 威一郎 (通称:ロボ) * 松山 ケンイチ
林 二湖 (通称:ニコ) * 大後 寿々花

ニコの家族
林 一海(ニコの姉) * 村川 絵梨
林 竹男(ニコの父) * 塚本 晋也
林 雪江(ニコの母) * 片桐 はいり

謎の組織 
名梨 秀吉 * 岡田 義徳
真境名 マキ * 浅丘 ルリ子 骨董屋・地蔵堂社長

高村君


ゲスト 
第1話 
「三日坊主」 * 中村獅童

第2話 
「ごぼ蔵」後藤 * 村上淳



スタッフ
脚 本
木皿 泉 (「野ブタ。をプロデュース」「すいか」)

原 作
「セクシーボイス アンド ロボ」
 黒田硫黄/小学館(イッキコミックス刊)
(第6回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞作)

音 楽
中塚 武

主題歌
「ひとつだけ」 歌 みつき
作詞・作曲 馬場俊英 / 編曲・プロデュース 小渕健太郎
(ワーナーミュージック・ジャパン)

演 出
佐藤 東弥

プロデュース
河野 英裕


松山 ケンイチさんの主な出演作品


この記事へのコメント
はじめまして。
ちーずさんの”どらま・のーと”をいつも楽しみにしています。
ドラマを見逃した時もそうですが、見たドラマも、ちーずさんの感想が気になってお邪魔しています。

今回、TBをさせて頂きました。
これからも、よろしくお願いします。
Posted by りんりん at 2007年04月19日 15:08
ちーずさんこんばんは、今回も素適なエピでしたね!

すずちゃんが亡くなっていたなんて… 留守番電話の声を聞くために強盗したなんて!野口さんの傷口を見たときはヤラレタ〜そしてニコのすずちゃんの声色とセリフ、ニコもひとつ大人になったようです!

恋愛の意味がまだわからないニコ、カラーボール、二億の仏像、足の模型など色々伏線をはっていて、それが凄く効いてくる脚本と涙させられるエピにすでにハマッテいます。
Posted by けた at 2007年04月19日 20:53
ちーずさん、こんにちは。
今回もよかったですね〜、泣きました。野口さんの奥さんがお腹の手術跡を見せるシーン、あれは名シーンですね。わたしも手を合わせたくなりましたよ。
それにしても大後寿々花ちゃん、上手すぎます!最高です。
視聴率が一桁だったらしいけど、打ち切りの憂き目に遭わずに最後まで楽しませてほしいものですね。
Posted by マンデリン at 2007年04月19日 21:57
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