2007年04月23日

冗談じゃない! 第2話

『秘密がバレた!?』

新婚ホヤホヤの圭太(織田裕二)と絵恋(上野樹里)の新居に、
フランスから理衣(大竹しのぶ)が転がり込んできた!!
昔の恋人が義理の母親として同居することになった圭太は
ひどく動揺する。
「しばらく泊めて。一週間か、一ヶ月か、一年か、ずっとか…」
と開き直る理衣。
しかし、日本に来た理由を頑なに話そうとせず、和室のふすまを
閉めてしまう。
ふすまを開けると、すでに着替え始めている。
目のやり場に戸惑う圭太。
ふすまを閉め、すぐにフランスに電話をする絵恋。
「マモンはどうしちゃったの!?」
「絵恋!昨日からいないの!
 パリに行っているのかと思ったら電話通じなくて。」と香恋。
「さっき来た!」
「え?日本!?」
「どうしちゃったの?何があったの!?
 パパは?」
「もしもし?マモンどうしちゃったの?」広瀬が電話に代わる。
「こっちが聞きたいの!ケンカ!?」
「いいや。」
「マモン!?」和室を覗く絵恋。理衣は既に布団の中。
「ダメだ、眠ってる!」
「ちょっと起こして。」と広瀬。
「パパ知ってるでしょ。
 マモンはちょっとやそっとじゃ起きないって。」
「うん・・・じゃあ明日電話させて。ね。」
「わかった。」絵恋が電話を切る。「お父さんたちにも内緒で来たのか?」
「理由もわからないって。」
「まさか・・本当に1ヶ月、1年いるつもりじゃないだろうな。」
「せっかくの新婚生活なのに!」
「そうだよ!!」
「マモンにはとっとと出てってもらおうね。」
「うん!!」
下着姿で気持ち良さそうに眠る理衣の寝顔に、圭太は
「冗談じゃないよ!」と呟くのだった。

翌朝。
包丁が勢い良くまな板を叩く音で目覚める圭太と絵恋。
「何・・」
「なんだろう・・」

「おはよう!」ノックもせずに理衣が部屋に入ってきた。
「な、なんですか!」
「そろそろ起きないと遅刻するわよ。」
「マモン、プライバシーの侵害!」
「カワイイわね。いまどきペアルック?」
「いいじゃない、別に外に出かけるわけじゃないんだから。」
「もしかしてマクラ、イエス・ノー枕?」
「何それ。」
「なんだっけ、ほら、三枝の、新婚さん、」
「いらっしゃーい!」
つい乗ってしまう圭太。
「あっはー!それそれ!ブラボー!」
理衣が部屋を出ていく。
「何それ。」
「何だろ・・」

「時差で早起きしちゃったから、散歩に行ったの。
 そしたら、スーパーが24時間営業じゃない!
 東京って便利よね。
 いただきます!」
「・・いただきます。」
嬉しそうに微笑みながら納豆に手を伸ばす圭太。
「あ、マモン、圭太納豆食べないの。」
「え?納豆好きだったよね。」
「・・・」
「マモン、何で?」
「だって納豆嫌いな人なんていないじゃない。」
「そんなことないよ、だって私嫌いだし。」
「絵恋は食べたことなかったからでしょ?」
「日本に来て初めて食べたとき、びっくりした!」
「圭太さん、絵恋が嫌いだからって、我慢しているんじゃ
 ないでしょうね?」
「あ、いや・・」
「そうなの!?」
「う、うん。」
「えー、ショックー!」
「そんなことでショック受けてどうすんのよ。
 ね、圭太さん。」
「そうですよね!」
「じゃあもっとショックなことがあるっていうこと?」
「・・・そんなことよりお母さん、」
「そのお母さんっていうのやめてくれない?
 圭太さんぐらいの人に言われると、60越えてるような
 気がするよ。」
「すみません。」
「マモン、ちゃんと話して!
 何で日本に来たの?」
「うーん・・ちょっと言えないな。」
「迷惑なの。」
「迷惑?」理衣が圭太に聞く。
「あいや・・」
「新婚生活の邪魔はしません。」
「充分邪魔だよね、圭太。」
「うん・・」
「冷たいなー。せっかく温かいお味噌汁作ってあげたのに!」
「・・・」
箸を掴み、同じ様に納豆をかき混ぜる圭太と理衣。
「ねーねー、納豆って混ぜ方決まってるの?」
「え?あーそうそうそう。
 これがね、一番美味しい納豆の食べ方なの。
 ねー、お母さん。」
「お母さんじゃなくて、理衣!」
「いやそれは・・」
「んーー!」
「私も食べる!」と絵恋。
「絵恋、大丈夫?」
「だって、悔しいもん。
 圭太が好きなものを、私も好きになりたい!」
「無理しない方がいいと思うけど・・」
納豆を口に運ぶ絵恋。
「ん!!やっぱり無理!!」

パシフィック電機。
退職願を上司に差し出す圭太。
「2、3年経ったら戻れるのに。」
「戻れないでしょ。
 こんな理不尽なリストラする会社、存続しているとは
 思えません。」
「・・・」
「失礼します。」

「高村君、結婚したばかりだろ?
 奥さんのことも考えろよ。」
佐々木部長(小林すすむ)が心配そうに声をかける。
「問題は仕事への評価です。
 お世話になりました!」
晴れやかな表情で会社を去る圭太。

部屋を掃除していた理衣は、林家ペーパー子夫妻が紹介する
テレビショッピングに、掃除機を止めメモを取ろうとする。
その時、電話が鳴る。留守電の電源を入れる理衣。
電話はフランスにいる娘からだった。
「マモン、いるんでしょ?返事してよ! 
 とにかくこれ聞いたら電話してちょうだい。お願い!」
理衣は電話には出ず、また掃除機をかけ始める。

大学のカフェ。
絵恋のことを避ける聡(田中 圭)。
「何で避けるの?何かすねてる?」絵恋が聞く。
「そりゃすねるでしょー。
 付き合ってたと思っていた人が、休みが明けたら
 結婚しちゃったわけですから!」絵恋の友人が言う。
「え?友田君、誰と付き合ってたの?」
「付き合ってたじゃん!
 俺たち付き合ってたよね!?」
「え?そうなの?」
「だって!キスしたじゃん。」
「したけど、挨拶でしょ?」
「友田君、可哀想!」と友人。
「・・もういい!絵恋のことは忘れる!」
「え?」
「頑張ればどうにかなる?」
「無理!だって圭太のこと愛してるもん!」
悲しみに耐える聡。

その頃圭太は、友人が勤める会社を訪ねていく。

圭太の部屋の掃除を始める理衣。
机には、ロボットやら工具やら埋め尽くしている。
「相変わらずオタクねー。」理衣が微笑む。
ゴミ箱を開けたとき、理衣は退職願の下書きを見つける。
テレビからは、パシフィック電機パソコン事業撤退の
ニュースが流れていた。

友人・藤原が勤める、ヒカリエレクトロン社を訪ねていく圭太。
「一度、断っておいて申し訳ないんだけどさ、
 ヘッドハンティングの話、まだ生きてるかな。」
「高村、まさか・・」
「んなわけないだろ!こっちから見限ったんだ!」
「だよな!
 わかった。上司に報告してみるよ。
 いい返事、できると思うよ!」
「よろしく頼む!」
「OK!」

理衣がベランダの洗濯物を取り込んでいるのを
隣のベランダから山田(田口浩正)覗きこむ。
「何ですか!?」
「隣の山田です。あなたお手伝いさん?」
「違いますよ!」
「あ、ごめんなさい。じゃあ絵恋さんのお姉さんだ!」
「ああそうです。」
「はじめまして。僕、高村君の大学ん時の同級生なんです。」
「大学の!?」理衣が覗き込む。

仕事も決まりそうでほっとした圭太が家に帰ると、
山田と息子が理衣たちと楽しそうに、圭太の帰りを待っていた。
学生時代の話題で盛り上がっていると知ると、
圭太は着替えもせずに席に着く。
山田が昔の恋人(理衣)のことを話し出すのではという
不安が圭太を襲う。

鍋をつつく4人。
「大学の側のカレー屋さん、ゼミのあとに良くいったじゃん!」
「私もあそこのカレー好きだった!」
「あれ、お母さんなんで知っているんですか?」
「・・・だって私梅ヶ丘音大だもん。」
「え?本当ですか?
 すごく近かったんだよ、うちらの大学。
 昔会ったことあるかもしれませんよ!」
「え?じゃあ圭太とマモンも会ったことあるかも!」
「それはないと思うよ。」
「何で?」
「会ってるかも!」と理衣。
「会ってる!絶対に会ってる!」と山田。
「でもね、年齢的にちょっとずれてるから。」
「そうかー。お母さん僕達より少し下ですもんね。」
「あ、あらー、気がつきませんで。」理衣が山田にワインを注ぐ。
「マモン今年で45です。」と絵恋。
「絵恋はっきり言いすぎ。」
「嘘でしょう!?お母さんめちゃくちゃ若いじゃないですか!」
「ありがとうございます!」
「よーく見ると小じわが多いけどね!」
山田の息子・朗の言葉にむっとする理衣。
「・・音大って、OBの人よく出入りしていましたよね。」
「ええ。先生に指導受けに入ったり、後輩に指導したり。」
「よく合コンしてました。」
「合コン!?」絵恋が目をパチクリさせて圭太を見つめる。
「僕はしてないよ。な、山田!」
「そうだっけ?」
「圭太!」
「僕は研究室にずっと篭ってたじゃない。思い出せよ、山田。」
「あー、そっかー!
 高村君は合コンじゃなくてロボコンに夢中だったんだよね!」
「ロボコン?何それ?」
「ロボットコンテスト。」
「なんかオタクっぽい!」
「いやいや、噂は聞いてたよ。
 年上の人と付き合ってたらしい!」
山田を蹴り上げる圭太。
「イタッ!こら!足癖悪いぞ!」
山田が朗を叩く。
「本当なんですか?年上の人って。」と絵恋。
「絵恋、20年も前のことよ。嫉妬したってしょうがないじゃない。」
「だって・・」
「いや、わかりますよ、奥さんの気持ち。
 人を本気で愛すると、過去も未来も現在も、
 全部独占したくなるんですよね。
 高村君、めんどくさいかもしれないけど、
 奥さんの気持ちちゃんと受け止めてあげてよ。」
「うん。」
「うちの妻もそうだったんだ。僕もそうでした。
 ・・・もっと独占したかったー!
 でも独占出来ない世界に行ってしまったんです。」
泣き出す山田。
「はい。」朗が父にハンカチを差し出す。
「ありがとう。」
ハンカチで鼻をかむ山田。

ベッドに横になる圭太。洗濯物がきちんと畳んで置いてある。
「可哀想だね、山田さんも朗君も。」絵恋がやって来た。
「うん・・」
「なるべくご飯一緒に食べましょう。」
「や、山田たちと?」
「だって男二人で大変そうだし。」
「いや、話長いじゃない、それにさ、」
「圭太は昔のことで話されたくないことがあるの?」
「・・ないよ、別に。」
「怪しい!」
「いや、それよりさ、これもしかしてお母さんが洗濯したの?
 絵恋こんな畳み方しないだろ?」
「そうだね!」
「パンツも!?」
「助かっちゃった!」
「いや、普通洗わせないだろ、お母さんに。」
「気にしてなかったよ。」
「こっちが気にすんの。」
「なんで?」
「なんでって・・・」
「マモンいてくれると助かるなー。」
「早く帰ってもらうんじゃなかったの!?」
「だって・・」
「絵恋!シャンプー切れてるー!」理衣の声。
「はーい。」
絵恋が部屋を出ていく。
「・・・もーぅ。冗談じゃないよー。」
圭太はベッドで手足をバタバタさせながら呟いた。

朝。
藤原からメールが届く。
『例の件
 高村圭太様
 おつかれさまです。
 ヒカリエレクトロンの藤原です。
 級で申し訳ないのですが、本日11時に弊社のロビーに
 来ていただけませんか?
 宜しくお願いいたします。』

「よし。11時か。」
携帯にスケジュールを書き込む圭太。
「就職活動?」背後から理衣が覗き込む。
「うん・・うわぁ!!」
「何で隠すの?」
「いや、お母さんには関係ありません。」
「お母さんじゃなくて理衣!」
「・・呼べるわけないだろ!」
「どうして?」
「いいから帰れよ!」
「ずいぶんじゃない。」
理衣はゴミ箱から拾った退職願を圭太に見せる。
「あ!」
「提出したの?」
「関係ないだろ!」取り替えそうとする圭太。
「絵恋は知ってるの?」
理衣は退職願を背中に隠す。二人は大接近!
「圭太?」絵恋の声に慌てて離れる二人。
「何してんの?」
「え、いや、絵恋、単4の乾電池知らない?」
「電池?」絵恋も一緒に探し出す。
「ね、これ、大事な書類なんじゃない?
 危うく捨てるとこだった。」と理衣。
「何?」絵恋が聞く。
「いや、これはね、もういいんです。
 ありがとうございました。」
「なーんだ。そうだったんだ。」
「はい。」
「ご飯出来てるわよ。早く着替えなさい!」
「はーい。」「ありがとうございまーす。」
「電池寝室にあったかも。」
理衣に続き絵恋も部屋を出ていく。
ドアをしめ、大きなため息をつく圭太。

ヒカリエレクトロン社。
「申し訳ありません。」担当者が頭を下げる。
「ど・・どういうことですか?」
「ですから、今回は残念ながら。」
「理由を、教えてもらえないでしょうか。」
「単刀直入に申し上げて、
 パシフィック電機さんが必要とされない人間は、
 うちでも、必要ないと言うことでして。」
「しかし・・去年は、声をかけていただいたんじゃないでしょうか。」
「去年。
 私共の業界では、大昔じゃありませんか。」
そう言い笑い出す担当者。
「ハハハハ・・・」
困惑しながら一緒に笑う圭太。

高村家。
電話の音に駆け寄る理衣。
絵恋が受話器をとる。
「もしもし。パパ?
 え・・全然知らなかった。本当に?
 私何も聞いてない。
 わかった。じゃあね。」
「ママ、パパから何度も電話来てたんでしょう?
 何で言わないの?」
「言ってもしょうがないじゃない。」
「ちょっとママ、座って下さい。」
「座ってるよ。」
「ちゃんと話して。何で日本に来たの?
 いつまでいる気なの?
 マモン?」
「・・・」理衣が泣き出す。
「マモン?」
「・・いろいろあるのよ。」
「いろいろ?」
「いろいろ。」
「それで日本に来たの?」
「心の整理がついたらちゃんと話す。」
「わかった。」
「暫く置いてくれるでしょう?」
「当たり前じゃない。ママを追い出すわけないでしょう。」
「ありがとう絵恋。」
絵恋と抱きしめ、泣きながら微笑む理衣。

辞表を提出した圭太は、仕事に行くフリをしてファミレスで
就職情報誌を広げる。
どれもこれも、32歳、37歳と、年齢制限で引っかかるものばかり。
そこで接客する店長は、以前、立ち飲み屋でハンカチを貸した
冴子(飯島直子)だった。
「あの!この間あの、池袋の居酒屋で!!」と冴子。
「あ!」
「あの、ハンカチ、洗濯してあります。
 いつか、運命の糸が再び絡み合い、又お会い出来るかなって。
 ハンカチ、持ってきます!」

「あれが、店長のハンカチ王子?」
「どっちかっつーとハンカチ親父でしょ。」
「この間ふられて泣いたばっかりなのに。」
「ていうか付き合ってないっすから。」
店員たちが噂する。

圭太の携帯が鳴る。絵恋からだ。
「圭太、お昼ご飯まだでしょう?」
「いや、まだだけどどうして?」
「良かった!もうちょっと待っててね。」
「え?」
「マモンがお弁当作ってくれたの。
 今からお届けします。」
「いや、いいよ。」
「今向かってまーす。」絵恋はタクシーの中にいた。
「向かってるってどこに?」
「会社!」
「いや、でもね、会議が・・それに弁当出るから。」
「えーーっ。」
「それにね、会議、抜けられないから。」
「わかった。
 じゃあ、受付に預けておくね。」
「ちょっと、絵恋!今どこ?」
絵恋はタクシーの運転手に今いる場所を聞く。
「水道橋!」
「わわわわわかった!」
圭太は店を飛び出していく。
「あ、ちょっと!王子!待って〜!行かないで〜!!」
泣きべそをかく冴子。
その直後、インターホンの音に、「いらっしゃいませ。」
すぐに店長の顔になるところが面白かった!


タクシーが捕まらず、会社まで走る圭太。
絵恋を乗せたタクシーを追い越し、なんとか先回りすることが
出来た。
会社の下りエスカレーターをかけあがる。
「あのー、すみません。
 技術開発部の高村圭太に届けてほしいんですけれど。」
絵恋が受付に声をかける。
「絵恋!」
「圭太!
 会議、大丈夫なの?」
「ちょっと、抜けてきた。」
「すっごい汗かいてるよ。」
「あ・・会議でちょっとエキサイトしちゃってさ。」
「はい、これ。」
「ありがとう・・外で食べようか。」
「え?会議大丈夫なの?」
「あ・・会議室に篭ってばっかりじゃいいアイディア出ないからね。
 ちょっと休憩!」
「高村君!考え直してくれたか!」佐々木部長が声をかける。
「あ・・部長、その件に関しましては後日改めて、」
「高村の妻の絵恋です。
 主人がいつもお世話になっております!」
「絵恋さん・・20歳の!
 このたびは私も尽力を尽くしたんですが、」
「部長、その件に関しましては、また後日連絡します。
 行こうか。」
絵恋を連れ、会社を出ていく圭太。

「外で食べるの?」
「うん。」
「ごめん、付き合えない。授業なの。」
「あ、大丈夫だよ。」
「じゃあ早く帰ってきてね。」
絵恋は圭太の頬にキスをして帰っていく。
そんな様子を見つめる佐々木部長。
圭太は部長に会釈をし立ち去った。

公園。
弁当を広げてみると、ハートの形が作ってある。
「何考えてんだ・・」

テレビショッピングで林家ペー、パー子夫妻が紹介する
ボクシングエクササイズ用品を楽しそうに見つめる理衣。
そこへ圭太が帰ってきた。
「あら!」
「どういうつもりだ!」圭太が弁当を置く。
「美味しかったでしょ?」
「食べてない。」
「なんで?せっかく作ったのに!」
「人の神経逆なでして面白がるんじゃないよ!」
「昔思い出して作ったのにー。」
「昔?」
「デートの時作ってったでしょ?」
「・・」
「どこ行った時か覚えてる?」
「覚えてなーい。」
「本当は覚えているくせに!」
「あのね、」
「上野動物園、トントン見に行ったでしょ?
 リンリンとランランの子供の。」
「カンカンとランラン。」
「あ、そっか。
 リンリンとランランは双子の歌手だ。」
「大体トントンはフェイフェイとファンファンの子供!」
「そうだっけ?並んだよねー。」
つい微笑んでしまう圭太。
「そんなことはどうでもいいんだ。
 約束が違うだろ?
 日本には滅多に来ない。
 だから、あの場さえ乗り切れば、」
「見通し甘かったね。」
「は!?」
「ね、わざわざお弁当の文句言いに帰ってきたの?」
「フランスに帰ってもらうためだ。」
「またその話?会社はいいの?」
「・・いいんだ!」
「辞表出したんでしょ?
 肩たたきされてムっとなって。」
「・・・」
「やっぱり。
 ほんと変わらないね、昔っから。
 プライドばっかり高くて。」
「ばっかり!?僕はちゃんと成果を上げてきた!」
「で、再就職は?」
「・・・」
「その年じゃ難しいでしょうね。
 技術者には35歳定年説ってあるんですって。」
「能力のないヤツが勝手に決め付けているだけだ。」
「世の中には、能力のないヤツの方が多い、でしょ?」
「ああ!」
「で、自分もその中の一人ということに、
 気付かされつつある。」
「・・・」

そこへ、インターホンの音。
理衣のフランスからの荷物が届いたのだ。
荷物の数に驚く圭太。
キベリエ(理衣の名前のワイン)も箱ごとある。
「・・・冗談じゃないよ・・。」

翌朝。
和室はすっかり理衣の部屋状態になっていた。
「これじゃ旅行じゃなくて引越しじゃないか。」
「本当だね。」
「絵恋からちゃんと言ってよ。
 僕が何言っても、聞いてくれないから。」
「私も話したよ。」
「それでもダメ?」
「うん。色々あるみたい。」
「色々って?」
「よくわかんないけど・・」
「ちょっと、じゃあ、認めるの?」
「仕方ないんじゃない?」
「絵恋・・」
「マモン圭太のお弁当作っているとき、すごい楽しそうだった。
 まるで恋人に作っているみたいに。」
「え?」
「嫌々だったら考えるけど、家事手伝ってもらうの
 すごい助かるし。」
「いや、大学が忙しいのもわかるけどさ。」
「でも、部屋一つ余っているんだしいいんじゃない?」
「絵恋、二人っきりの新婚生活は?」
「おはよう!やっぱり日本人ね!お風呂最高!」
「朝風呂ですか?優雅ですね!」圭太がイヤミを言う。
「私も活動開始!
 久し振りの日本だから、いろいろ会いたい人や、
 会わなきゃならない人がいっぱいいるのよ。」
「あの、お母さん。」
「あー良かったー、間に合って。(荷物が)
 圭太さんも、頑張ってね!」
「頑張るって何を?」
「いや・・それは、仕事でしょ。」
理衣は絵恋に聞きながら、着ていくドレスを決め始める。
「ほんとに・・・」圭太が呟く。

パーティー会場。
キベリエが用意されている。
「南フランスでワイナリーをやっております広瀬と申します。
 今度うちのワインもこのお店で扱っていただくことに
 なりまして、どうぞお試しになって下さいませ。
 よろしくお願いいたします。」
挨拶をして回る理衣。
「杉田さん!!」
「理衣さん!ボンジュールボンジュール!」
「お会いしたかったです!」
「私も。まさか来て頂けるなんて!」
「杉田さんのお店のオープニングですもの!
 うちのワイナリーに来ていただいたの、何年前でしたっけ?」
「三年前かな。
 ご主人や娘さんはお元気ですか?」
「あ・・まあなんとか。」
「みなさんご一緒ですか?」
「私一人です。」
「そうですか。」
「暫くおりますおんで、ゆっくりお食事でも。」
「いいですね。」
微笑みあう二人。

高村家に又荷物が届く。
大きな大きな荷物。
「高村理衣さん宛てです。」
「高村理衣?
 うちは高村ですけれど、理衣は広瀬です。
 何を頼んだのかな・・
 わかりました。受け取ります。」
「3万8千円です。」
「え・・」

それは、テレビショッピングで放送していたパンチングマシンだった!

何社も回る圭太だが、再就職先はなかなか決まらず。
「妥協した方がいいんじゃないんですか?
 うちよりいい条件を出す会社はないと思いますよ。」
担当者にそう言われる始末。

ボクシングの試合を会場。
守りに入った選手を見つめる圭太。
立ち上がると、大声で声援を送り始める。
「バカヤロー!あきらめんなー!
 打ち返せ!」
青の選手が反撃を始める。
「そうだ!気持ちだ気持ち!!」
「そうだ!気持ちだ気持ち!!」
「男なら根性出せ!」
「そうだ!男なら根性出せ!!ハートだよハート!」
「そう!ハートだよハート!」
圭太が声の主の方を振り返る。理衣だ!
「・・・」

ピアノバー。
カウンターに並ぶ理衣と圭太。
「あー!最高!やっぱり格闘技のあとはワインよりビールよね。」
「酒を飲みたい気分じゃない。」
「飲めないからでしょ?」
「・・・」
「せっかくなんだから楽しみましょう!」
「あのね、デートじゃないんだ。
 話を付けたいんだ。」
「話をつけるっ?」
「頭下げるよ。僕が悪かった。
 飛行機代出すよ、帰って下さい!」
「そんな邪険にしないでよ。仲良くしましょう!」
「目的は何だ?何がしたくて日本に来たんだよ。」
「昔の恋人と、再会したの。
 その人の近くにいたくて。」
「・・・冗談だろ?」
「もちろん冗談!
 ・・・じゃなかったら、どうする?」
真剣な表情で見つめられ焦る圭太。
理衣がいたずらっぽく笑う。
「・・・思い出したよ。理衣にはいっつも振り回されてた!」
「そうだっけ?」
「自覚なしか。
 いつも人を惑わせるようなことばっかり言って!」
「そういう私が好きだったんでしょう?」
「・・・」
「何やっても怒らなかったよね。
 いつも優しい顔してた。」
「昔の話はいいんだよ。」
「し始めたのは圭太でしょ?」
「そっちだろ!帰れフランスに。」
「絵恋にしゃべっていいの?」
「しゃべりたきゃ喋ればいいだろ。」
「あー、開き直るんだ。」
「君だって困るだろ。広瀬さんに知られたら。」
「別に!」
「別にって?」
「いいよい、もう。」
「どういう意味?」
「・・・広瀬、浮気しているの。
 私が気がついてるってことに気がつかないのが
 むかつくのよね。
 ・・・もう嫌になっちゃった・・」
「・・・」
「圭太に振られなかったら、どうなってたんだろう・・」
「振ったのは理衣だろ。」
「圭太とずーっと付き合ってたら、
 どんな人生だったんだろう・・・」
見詰め合う二人。
「・・・今頃、何言ってんだよ・・。」
ピアノの演奏が終わる。
「ピアノは?」
「・・・」
「どうして辞めたの。」
「弾いてるよ、時々。」
「ピアニストになる為に留学したんだろ?」
「・・・」
理衣は立ち上がり、ピアノにつくと、演奏し始める。
美しい音色に聞き入る圭太、そして客たち。
ところが、途中、音を外す理衣。
弾きなおしても、やはり音を外してしまう。
理衣の右手を優しく包み込む圭太。
労わるように理衣をカウンター席にエスコートする。
杉田が二人の関係を怪しむように見つめる。

パンチングマシンにパンチ、キックを決める絵恋。
そこへ、電話がかかってくる。
「はいもしもし、高村です。
 もしもし・・・」

「怪我したの。留学してすぐ、パリで、
 事故にあって・・。」
「・・・」
「そんな顔しないでよ。」

圭太の携帯が鳴る。絵恋からだ。
席を外して電話に出る圭太。
「もしもし?」
「今どこ!?」
「あ、ちょっと、上司と飲んでるんだ。
 佐々木って部長。」
「嘘つき!」
「え?」
「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき!!」
「・・何言ってんの?
 今すぐ、帰るから。」
「嘘つき!!」絵恋は電話を切ってしまう。

「帰る!!」
「どうしたの?」
「絵恋の様子が、おかしいんだ!
 もしかしたら・・・
 まずいよ!!」
「ね、ちょっと待ってよ!」
理衣が圭太の後を追う。

タクシーを降りる二人。
「じゃ暫く時間潰してから上がってきてね。」
「何でー?」
「・・・ステイ!!」
その場にフリーズする理衣。
圭太が部屋へと急ぐ。

「ただいま!」
玄関を開けると、絵恋のパンチが待っていた。


公式HPより=



絵恋が知ってしまった秘密は、圭太の会社のことかな?
あの電話は、佐々木部長からだったのか?

理衣の涙、家出の原因は、広瀬の浮気。
広瀬は本当に浮気しているんでしょうか?
ワインに理衣の名前を付けるほど妻を愛している広瀬が
浮気しているとは考えにくい気がします。
何か別のことを隠そうとしていた広瀬を、
理衣が誤解したとか?

辞表のこと、お弁当のこと。
圭太が絵恋に仕事を辞めたことを隠しているのを、
理衣は明かそうとしているように見えました。
夫婦間で秘密を持つな、と言いたいのかな。

大竹さんの演じる理衣を見ていると、『男女七人夏物語』の
桃子を思い出します。
あのドラマも、さんまさん&大竹さんが演じる二人も、
当時大好きでした。
泣いたり笑ったり暴れたり。
ストレートに感情表現する理衣と絵恋に挟まれた圭太。
ちょっと気の毒だけど、でもオロオロする姿が楽しいです。

ピアノバーでの大竹さんの演奏は、「あて振り」ではなく
1ヶ月以上練習されて、本当に弾かれたそうですよ!

次週、どうやらあそこに就職するようですね!



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キャスト

高村圭太 (たかむら けいた) : 織田裕二
高村絵恋 (たかむら えれん) : 上野樹里
友田 聡 (ともだ さとし) : 田中 圭
広瀬香恋 (ひろせ かれん) : 仲 里依紗
広瀬世恋 (ひろせ せれん) : 菅野莉央
広瀬未恋 (ひろせ みれん) : 森迫永依
山田 朗 (やまだ あきら) : 荒井健太郎
大西さん (おおにしさん) : 梅沢昌代
あけみ : 高畠華澄
岩崎 舞 (いわさき まい) : 立川絵理
山田元雄 (やまだ もとお) : 田口浩正
杉田修造 (すぎた しゅうぞう) : 高田純次
佐々木 (ささき) : 小林すすむ
広瀬壮平 (ひろせ そうへい) : 草刈正雄
野々村冴子 (ののむら さえこ) : 飯島直子(特別出演)
広瀬理衣 (ひろせ りえ) : 大竹しのぶ


スタッフ

製作 : TBS
制作 : TBSテレビ
脚本 : 伴 一彦
音楽 : 佐藤直紀
主題歌 : 織田裕二『Hug, Hug』(ユニバーサル・シグマ)
プロデューサー : 伊與田英徳
演出 : 土井裕泰  石井康晴  川嶋龍太郎



織田裕二さんの主な出演作品



上野樹里さんの主な出演作品



大竹しのぶさんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、結構あっさりした笑いですが楽しめますね!

さんまさんと比べるとノリツッコミは織田さんでは役不足かな?でも頑張ってますよね!

「踊る…」を卒業しても走りまくる織田さん若いですね〜

まだ回りの役者さんがが絡まないので判りませんが、古いですが「奥様は18歳」を思い出しました、ケロンパか富士真奈美さんか覚えていませんが、田口さんか大竹さんが、おなじ様な役どころになるのかな?
Posted by けた at 2007年04月23日 20:41
けたさん、こんばんは。

さんまさんと大竹しのぶさんの掛け合いは
本当に楽しくて楽しくて。
大好きなドラマでした。
織田さんは、さんまさんと違って、
大竹さんや樹里ちゃんに振り回されている姿で
楽しませてくれています。
織田さん、若い!そしてカッコイイ!
『奥様は18歳』なるほど〜!
あれは先生と生徒の夫婦でしたよね。
面白いドラマでした。
ご近所さんが、夫婦の秘密に気付きそうになり・・という
展開でしたっけ?懐かしいです。
田口さんも大竹さんも、新婚夫婦の味方になって
くれる展開だとうれしいです。
Posted by ちーず at 2007年04月30日 18:53
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