2007年06月30日

わたしたちの教科書 最終話

『感動へのラスト!!希望の明日へ』

喜里丘中学校の職員室では、音也(五十嵐隼士)が
兼良陸(冨浦智嗣)にナイフを突きつけたまま、教師たちと対峙していた。
陸を助けようとして背中を刺された耕平(伊藤淳史)。
早紀(真木よう子)が悲痛な悲鳴を上げる。
「みなさん!落ち着いて!
 ちょっと冷静になって下さい!
 いいですか?これから僕がこの学校のイジメを解決します!」
「音也!バカな真似はやめなさい!」雨木(風吹ジュン)が叫ぶ。
「何も出来なかったアンタに、僕を否定する資格はないよ!」
「・・・」悲しそうに首を横に振る雨木。
「この世界を支配しているのは暴力だ!
 世界は怒りと憎しみに満ち溢れている!!
 僕がそれを証明する!!
 こいつを殺して!この世界の真実を証明する!!」同じころ、珠子(菅野美穂)は、自ら法廷で証言することを
望んでやってきた朋美(谷村美月)を、原告側証人として申請する。
証言台に立った朋美は、明日香(志田未来)が死んだとき、
2年3組の教室にいた、と言い出す。

「小学校2年生の時に、私がいたクラスに、
 明日香が転校してきました。
 明日香が、施設に入ったあとです。
 初めて会ったその日から、私と明日香は、友達になりました。」

「ともみ!」「みかづき!」
「きりぎりす!」「すいしゃ!」
「しゃんでりあ!」「あすか!」

しりとりをしながら下校する、小学生時代の二人。

「学校の帰り道に、立ち入り禁止の廃墟がありました。
 私と明日香の、秘密の隠れ家でした。
 私たちは、学校が終わると、毎日そこに行き、
 日が暮れるまで、ずっとそこにいました。
 楽しいことは、全部半分こにしよう。
 悲しいことも、全部半分こにしよう。
 あなたは、私で、私はあなた。
 ずっと二人で、生きていこうって。
 子どもっぽいかもしれないけど、
 私たちだけの、秘密の約束でした。
 小学校を卒業しても・・ずっとそんな関係が続くと
 思っていました・・・。」
朋美の表情が暗くなる。
「変わったのですか?」と珠子。
「・・・はい。変わりました。」
「どのように変わったのですか?」
「私が・・・一人の男の子を好きになりました。
 名前・・言ってもいいですか?」
「・・・言えますか?」
「言えます。
 今は好きじゃないから。
 ・・・兼良陸君です。」
「・・・」

職員室。
音也は、戸板(大倉孝二)と熊沢(佐藤二朗)に、職員室の入り口を
封鎖するよう命じる。
他の学年の教師たちが職員室に駆けつけるが、戸坂は、
「誰も入るな。生徒も近づけるな。」と言い、熊沢と共に
ドアの前にロッカーを置く。

床に座らされる教師たち。
「その子を・・・離せ!」と戸坂。
「は?
 だったらあんたがコイツの代わりに死ね!
 あんたら先生だろ!?
 生徒の身代わりになって死ねば、教師の鑑だよ!
 世間に祭り上げられて、ヒーローになれるかもしれない!
 先生だったら、生徒の為に死ねるよね!?」
「・・・」
「はい、手を挙げて!」
「・・・」

法廷。
「兼良君のこと、好きになったこと、
 私、明日香には言えませんでした。」
「どうして?」と珠子。
「明日香がまた、一人ぼっちになるからです。
 あれが・・私と明日香の間に出来た、
 初めての秘密でした。
 あれが・・・全てのイジメの始まりでした・・。
 私は、兼良君と一緒に帰るようになりました。
 休みには、映画に行ったり、遊園地に行ったりして、
 明日香と過ごすことがなくなりました。
 ある時・・・見てしまったんです。
 ・・・見知らぬおじさんが・・・高校生の女の子と・・・
 車の中で・・・キスをしていました・・。
 援助交際だとわかりました・・・。
 わ、私・・・その人が誰だか知らなくて・・・
 気持ち悪いって言いました!
 ・・・最低だね!って言って・・・兼良君を見たら・・・
 兼良君・・・泣いていました ・・・」
朋美は、必死に動揺を抑えようとしながらそこまで話すと、涙を流す。
「彼の・・・お父さんだったのですね・・」と珠子。
「・・・次の日・・・兼良君が私の席に来ました。
 昨日急に帰ったから、謝りに来たのかなって思って、
 微笑みかけたら・・・
 兼良君・・言いました・・・」
「何と?」
「お前・・・雑巾臭いって・・・。
 雑巾の匂いがするって言って、私のイスを蹴りました。
 クラス全員が・・・それを見ていて・・・ 
 その日から私のあだ名は、雑巾になりました。」
涙をこぼしながら微笑む朋美。
「私・・・1年2組の、イジメられっこになりました。」
「・・・」

職員室。
「イジメっ子の為に死んでくれる人、いませんか?」と音也。
「私が代わるわ。」と雨木。
「あんたは黙ってろ!
 俺はこの教師たちに聞いてんだ!」
「・・・」
「八幡先生、だよね!
 あの人が書いた記録読んだから知ってるよ。
 あんたさ、何で教師になったの?」
「・・・金八先生に・・・憧れて・・・。」と八幡(水嶋ヒロ)。
「金八先生なら、真っ先に名乗り出るんじゃないの!?」
「・・・」
「吉越先生、ダメだよ!
 学校の先生がそんなバイトしちゃ。」
「はい・・」怯えながら答える希美(酒井若菜)。
「熊沢先生!イジメがあるのに、見て見ぬふりしてたんだ!」
「・・ああ。」
「業者からお金貰ってた戸板先生!
 生徒の親と不倫してた大城先生!
 あんた達は、全員教師失格だ!!」

法廷。
「明日香さんは、あなたが苛められていることを、
 気付いていたんですか?」と珠子。
「はい。
 明日香にだけは、私がいじめられる様になった事情を話しました。
 ・・・明日香は、兼良君と話そうとしてくれましたが、
 私が断りました。」
「どうしてですか?」
「同情されたくなかったからです。
 私・・・見下されていると思って・・・
 明日香に酷いことを言いました。
 あなたみたいな・・・親もいない子に同情されたくない。
 あなたは・・・可哀想な子だったから、
 私には優越感があったから、一緒にいただけだって。
 明日香は・・・何も言わず・・・
 ただ悲しそうにしていました。」
「・・・」
朋美が微笑む。
「いじめは、2学期になっても続いたけど、
 私、我慢出来ました。
 ピアノがあったからです。 
 ピアニストになる夢があったし、
 ピアノを弾いている時間だけは、いじめられていることも、
 忘れられました。
 ・・・でも・・・教室で誰かが投げたモップが当たって・・・
 指を骨折しました。
 指が曲がっているのを見たとき・・・すぐにわかりました。
 あ・・・終わったんだ・・・
 もう、どうでもいいんだって・・・。
 ・・・死のうと思いました。
 帰りに、カッターナイフを買って、
 誰にも見られないように、久し振りに秘密の隠れ家に行きました。」
 
職員室。
「正直に言えばいいじゃん。
 本当は生徒より、自分の方が可愛いんだろ!?
 生徒のことなんか大嫌いなんだろ!?」
「・・・」
音也が教師たちを責めていると、兼良が口を開いた。
「やめて下さい。
 悪いのは、全部僕です。
 先生たちは・・・いつも一生懸命僕達の為に、
 頑張ってくれてました。
 先生たちは、悪くありません。」
兼良はそう言いながら、胸に回されていた音也の腕を自ら押さえる。
「・・・ふーん。よくわかってんじゃん。
 だったら・・・死ね!」

廃墟。
朋美が、自らのノドにカッターナイフの刃を向けようとしたそのとき、
やってきたのは明日香だった。
明日香が、カッターナイフを握っていた朋美の手を掴む。
「明日香・・」
カッターを取り上げて放り投げる明日香。
「・・・あのさ・・
 あのさ、朋美・・・」
「何で邪魔するの?
 邪魔しないで!!
 何で・・・なんで死んじゃダメなの!?
 私が生きようが死のうが私の勝ってじゃん!
 ・・・みんな言ってる。死ねって。
 それにもう・・ピアノも弾けないの。
 生きててもしょうがないの・・・。」
「そんなことないよ・・・。
 朋美にはいるじゃん。
 朋美が死んだら悲しむ人沢山いるじゃん。
 ・・・お父さんやお母さんに相談すれば・・」
「あなたに私の気持ちなんてわからない!!
 ・・・だったら代わってよ・・・。」

法廷。
「だったら代わってよ。
 私の代わりにあなたがいじめられてよって・・・。
 そしたら明日香・・・」

廃墟。
「・・・いいよ。」
「え・・」
「私が代わる。
 私が朋美の代わりになる。」
「・・・」
「だからもうそんなこと・・」
「何で!?何でそんなこと言うの!?」
「だって朋美、約束したでしょう?
 あなたは私。
 私はあなたって。
 どんなことも半分ずつって。
 大丈夫。私だったら、悲しむ人はいないから。」

法廷。
「明日香は自分で噂を流し始めました。
 ・・・兼良君のお父さんのことを、みんなに言いました。
 噂はすぐに兼良君に知れて、
 次の日・・・明日香の机の上には・・
 消臭剤が置いてありました。
 ・・・私には、また、静かな毎日が戻ってきました。
 ・・・明日香の笑顔と引き換えに・・・。
 ある時誰かが言いました。
 藍沢なんて死ねばいいのに。
 ・・・違う!違うの!!
 明日香は私の身代わりになってくれただけなの!! 
 心の中で何度も言いました。
 でも・・私言えなかった・・。
 何も言えず・・・黙っていました・・・。」
「・・・明日香さんが、教室の窓から転落した時・・・
 あなたはそこにいたと・・・言いましたね。」と珠子。
「はい。
 みんな、校庭のケンカを見に行ってました。
 私も、一度は外に出ましたが、
 怖くなって、教室に戻りました。
 明日香、死のうとしているんだ、と思いました。」

教室。
「明日香。」
窓から外を見る明日香に声をかける朋美。
「朋美・・・」

職員室。
「こいつは、何の罪もない女の子をいじめて、
 自殺させたんだ!
 俺が、この俺がその子に成り代わってこいつを裁く!!」
その時、耕平が苦しそうに起き上がる。
「誰にも・・誰にも・・裁くことは出来ません。
 藍沢明日香は・・・そんなことを・・・望んではいません!!」
「黙れ!!」
一瞬動揺しながらも、耕平にナイフを向ける音也。
その瞬間、雨木が、ナイフの刃を掴んだ。
指の間から流れる血。
戸板と熊沢は、そのチャンスを見逃さす、音也に飛びかかって
押さえつけた。
音也は、雨木に助けを乞うように「母さん…」と呻いた。
雨木は、そんな音也に首を振ると、警察に電話するよう教師たちに
指示した。
耕平は、解放された兼良に近づこうとして、そのまま意識を失って
倒れた。

法廷。
「明日香の笑顔は、昔と同じでした。
 イジメより酷いことをした私に、微笑みかけてくれました。
 明日香の笑顔を見て思いました。
 やっぱり私・・・あの時死んでおくべきだったんだって。」

教室。
「朋美・・・どうしたの?」
「・・・」
「大丈夫?」
「・・・なんで・・・なんでそうなの?
 明日香、私のせいでいじめられてるんだよ。
 どうしたの?大丈夫?なんて、
 私一度も明日香に聞いたことなかったんだよ?
 なのに何で・・。」
「昨日ね、加地先生に言われたの。
 私たちは、駅伝のタスキを繋いでいるんだって。
 私もさ、朋美からタスキを受け取ったの。
 朋美と一緒に走ってるんだって思えばさ、
 全然大丈夫!」
「・・・」
「ね、それよりさ、一昨日ね、あそこに行ってみたの。
 私たちの・・・秘密の隠れ家。
 ね、私たち又一緒に、」
朋美がうつろな表情で窓を開ける。
「・・・朋美・・・。」
「・・・ごめんね。」
涙をこぼしながらそう言うと、朋美は手すりに手をかけてよじ登る。
「朋美!!一昨日さ、私も一昨日死のうと思った!
 私が死んだって悲しむ人はいないし、
 ただ消えるだけだし、
 そう思ってさ、私秘密の隠れ家に行ったの。
 でも・・・死ぬの止めちゃった。」
「・・・どうして?」
朋美と同じ様に手すりに腰掛ける明日香。
「・・・私は一人じゃないってわかったの。
 私にも、私が死んだら悲しむ人がいるってわかったの。」
「友達?」
明日香が首を横に振る。
「先生?」
明日香が又首を横に振る。
「家族?」
首を横に振る明日香。
「朋美にもいる。
 どんな人にも。
 世界中のどんな人にも、生まれたときからいる!
 悲しんでくれる人はいる!
 生き続ければいつか気付く!
 きっと励ましてくれる!
 だから死なないで・・・。
 死んじゃダメだよ!生きてなきゃダメだよ!!」
真っ直ぐ朋美を見つめて明日香が言う。

法廷。
朋美の言葉に涙をこぼす珠子。
「間違いありませんか?
 ・・・死んじゃダメだよと・・・
 生きてなきゃダメだよと・・・
 ・・・明日香は・・・言ったんですね・・・。」
「はい。」

学校。
手すりに掴まる朋美の手に、自分の手を重ねる明日香。
「ともみ、みかづき、きりぎりす・・・」
「すいしゃ、しゃんでりあ、・・・あすか。」
8歳のころ、手をつないで夕暮れの道を歩いたときと同じように、
しりとりをするふたり。
「帰ろう?
 私たち、また一緒に帰ろう?」
「・・・」
「一緒に帰ろう?」
明日香の言葉に、朋美は涙をこぼしながら微笑み、
小さく頷くと、手すりから降りた。
明日香は朋美が窓からちゃんと降りたことを確認すると、
自分も教室へ戻ろうと立ち上がる。
ところが次の瞬間、明日香は、足を滑らせて転落してしまう――。

上履きのキュっという音に、ゆっくりと振り返る朋美。
そこに明日香の姿はなかった・・・。
外から悲鳴が聞こえる。
「明日香・・・」

法廷。
「自殺ではなかったのですね。
 事故だったのですね。」と珠子。
「明日香が死んだのは・・・私のせいです。
 あの時一緒に私も死にました。
 ・・・お願いします。私を死刑にして下さい。」
俯いたまま話す朋美。
「これ以上自分を責めちゃダメ。
 ・・・朋美ちゃん?」
珠子は、朋美の元に歩み寄って声をかける。
が、ゆっくり顔を上げた朋美からは表情が消えていた…。
「朋美ちゃん!?」

1年後。
結審を明日に控えた珠子は、喜里丘中学校を訪れた。
耕平は、ケガの後遺症で、まだ車イスに乗ったままだった。
早紀とともに、リハビリに励んでいるのだという。
 
耕平とともに2年3組に向かった珠子は、持参したたい焼きを耕平に
差し出した。
喜里丘中学校には、雨木以外、ほとんどの教師が残っていると耕平が言う。「雨木さんは、どこに行かれたの?」と珠子。
「わかりません。」
「・・・そう。」
「・・・正直言って、今もいじめはあります。」
「・・・そう。」
「ただ、毎回のように、職員室の議題に上がるようになりました。
 毎晩遅くまで大激論です。」
「そう。」
「・・・時々、想像することがあります。
 学校から、社会から、いじめや自殺がなくなる特効薬を、
 誰かが発明するんです。」
「うん。」
「その時、学校はどうなっているんだろう。
 世界はどんな姿をしているんだろう。
 僕達はどうしているんだろうって、想像します。
 ・・・でも、何も思い浮かびません。」
「・・・」
「頭の中が真っ白になります。
 人はこのまま問題を抱えながら、
 それでも生きていくしかないのかって・・・。」
「青春ね。」
そう言い微笑む珠子。
耕平が鯛焼きにかぶりつく。
「あなたに、聞きたいことがあるの。
 仁科朋美さんのこと。
 何度か手紙を書いているんだけど、彼女、引っ越したのね。」
「僕も、ずっと連絡を取ろうとしているんですが、
 きっと、仁科はまだ・・・。」
「心に傷を抱えたままだと思うわ。」
「・・・
 明日、全校でホームルームがあります。
 藍沢さんのことを忘れない為に、毎年行うことになりました。
 よろしかったら、生徒たちに、何かメッセージを
 残していただけませんか?」
「私が!?
 ・・・」

明日は、明日香の命日。
珠子は、黒板の前にたち、チョークでそれを記した。

この世の中を変えることが出来るか。
これは明日香が耕平に聞いた質問でした。
いじめを無くす特効薬・・・
非現実的なものかもしれませんが、耕平がそう思いついたのは、
この問題を真剣に考えているからだこそ、と思います。

 
翌日。裁判所。
開廷前、珠子のもとに、直之(谷原章介)がやってきた。
「よく続いたな。」
「・・・」
「あの日仁科朋美の証言が出た時点で、君の目的は果たされ、
 この訴訟は取り下げられると思っていたよ。
 意地か?」
「・・・あなたの言うとおりだったのかもしれない。
 私のしたことは間違いだったんじゃないか。
 何が正しいのか、何が悪いのか、
 勝ったら嬉しいのか、負けたら悔しいのか・・・。
 何もわからない。
 ・・・明日香は・・・こんな裁判望んでなかったのかもしれない。」
「・・・被告代理人から一言言わせてもらう。
 訴訟は勝敗に関わらず意義のあるものだった。
 君の闘いに、恥じるところは何ひとつなかった。」
直之の言葉に驚く珠子。
少し微笑んだあと、腕組みをし、
「・・・不遜な物言いね。」と睨みつけてみる。
そして二人は微笑みあうのだった。
「開廷だ。」
二人が着席する。

その頃、喜里丘中学校では、各教室で、ホームルームが行われていた。
テーマは
『世界を変えることが、出来ますか?』
珠子が、黒板に書いたものだった。
生徒たちは、思い思いの意見を発表していた。
「出来ると思います!
 僕達一人ひとりが、それを信じて、頑張ることが必要だと思います!」
「私は、出来ないと思います。
 私たちに出来るのは、ただ、毎日を大事に生きることでは
 ないでしょうか。」

早紀のクラスのホームルーム。
「僕は、どちらかと言うと、世界を変える前に、
 自分を変えたいです。
 自分を変える方が難しいと思います。」

希美のクラスのホームルーム。
「その質問は間違っていると思います。
 人は世界を変えています。
 私たちは生きているだけで、世界を変え続けているんだと
 思います。」

戸板のクラスのホームルーム。
「世界は別に、誰のものでもないし、
 誰かの考えに合わせて変えるとかいうのは、 
 おこがましい感じがします。」

八幡のクラスのホームルーム。
「答えは、この質問そのものにあると思います。 
 僕達は、社会に向け、自分自身に向け、 
 問いかけ続けるべきです。」

熊沢のクラスのホームルーム。
「何も、世界を変えたりしなくても、
 そう悪くはないんじゃないでしょうか。」

耕平のクラス。
「ケンカをしてはいけません。
 人のものを盗ってはいけません。
 物を大切にしよう。」

一人の生徒の言葉にはっとする耕平。
これは、明日香が言っていた言葉。

「ケンカをしてはいけません。
 人のものを盗ってはいけません。
 物を大切にしよう。
 動物や草花を可愛がろう。
 先生、世界を変えることは出来ますか?」


裁判所。
「判決を言い渡します。
 主文、原告の請求を、一部を除き、棄却する。
 判決の理由を説明します。
 藍沢明日香さんに対しては、生徒らによるいじめが存在したにも
 関わらず、被告は適切な処置を怠ったものであり、
 被告に、安全配慮義務違反があったものと認められます。
 しかし、仁科証人の証言によれば、
 藍沢明日香さんは、いじめを苦に自殺したものとは認められず、
 明日香さんの死亡と、いじめの因果関係は認められません。
 以上より、明日香さんがいじめを受けたことによる、
 精神的苦痛についての慰謝料請求を任用し、
 明日香さんの死亡についての、損害賠償請求は、棄却することと
 しました。」

夕方、珠子は、藍沢家の墓がある寺を訪れ、花を手向ける。
そこにやってきたのは、雨木だった。
会釈を交わす二人。
「あの・・・」珠子が声をかける。
「今・・どうなさっているんですか?」
「不登校児をあずかる、ボランティア活動をしています。」
珠子に背を向けた雨木が振り返る。
「積木さん。」
「はい!」
「先日、フリースクールを運営している知人から、
 仁科朋美さんの居場所を聞きました。
 彼女を救えるのは、あなただけです。」

珠子は、朋美がいるというフリースクールを訪れた。
「・・・朋美ちゃん。」
朋美は、うつろな表情で何もせずにただ座っていた。
「・・・あなたに、連れていってほしい場所があったの。」
「・・・」
「・・・明日香に、会いに行こう。」
うつろな表情のまま、少し顔を上げる朋美。
幼い頃、明日香としりとりしながらあの場所へ向かった日々を思い・・・。

珠子と朋美は、明日香と朋美が秘密の隠れ家と呼んでいた廃墟を訪れた。
壁に描いた虹や花の落書きを、お日様の光が優しく照らしている。
そこには、いまもまだ、ふたりが過ごした風景が残っていた。
 
奥に入っていった朋美は、そこで壁に書かれた文字に気づいた。
遅れてやってきた珠子も、その文字を見て立ち尽くす。
それは、明日香が書いたものだった。

明日香より。明日香へ。
わたし、今日死のうと思ってた。ごめんね。明日香。
わたし、今まで明日香のことがあまり好きじゃなかった。
ひとりぼっちの明日香が好きじゃなかった。
だけど、ここに来て気付いた。
わたしはひとりぼっちじゃないんだってことに。
ここには8才の時のわたしがいる。
わたしには8才のわたしがいて、13才のわたしがいて、
いつか20才になって、30才になって、
80才になるわたしがいる。
わたしがここで止まったら、
明日のわたしが悲しむ。昨日のわたしが悲しむ。
わたしが生きているのは、今日だけじゃなんだ。
昨日と今日と明日を生きているんだ。
だから明日香、死んじゃだめだ。生きなきゃだめだ。
明日香。たくさん作ろう。思い出を作ろう。
たくさん見よう。夢を見よう。明日香。
わたしたちは、思い出と夢の中に生き続ける。
長い長い時の流れの中を生き続ける。
時にすれ違いながら、時に手を取り合いながら、
長い長い時の流れの中を、わたしたちは、歩き続ける。
いつまでも。いつまでも!

朋美の目から涙が流れ落ちた。
そんな朋美の肩を抱き、寄り添う珠子。
壁に描かれた窓の絵の向こうには、美しい青空が広がり、
優しい光が二人を包み込んでいた。


※一部公式HPあらすじを引用しました。


「ともみ!」「みかづき!」
「きりぎりす!」「すいしゃ!」
「しゃんでりあ!」「あすか!」

二人は小学校からの親友でした。
家族のいない明日香にとって、朋美の存在の大きさは計り知れません。
そんな朋美がいじめに遭うようになり、
明日香は身代わりを申し出た。
「大丈夫。私だったら、悲しむ人はいないから。」
この言葉が悲しいです。

いじめのきっかけは、兼良の父親の援助交際でした。
だらしのない大人が、子どもを深く傷つけてしまった。
兼良の父親はそのことに気付いていないんでしょうね。
ドラマの中のこととはわかっていても、腹立たしい思いです。

中学1年の1学期から始まっていたいじめ。
明日香が身代わりを申し出て、標的は朋美から明日香ん。
学年が変わっても、それは続き・・・。

事件の三日前、耕平は喜里丘中に赴任。
そこで、朝礼の時間に教室を抜け出して木の下に座る明日香を
見つけます。
この時、ひどいイジメがあったんでしょうね・・・。
お父さんの時計を質屋に入れて買った教科書が、
いたずらされてしまい、明日香は絶望してしまったのでしょう。

木の下での明日香と耕平の会話。

「藍沢明日香さん?担任の加地です。
 横に座っても、いいかな?」
「はい。」明日香(志田 未来)が答える。
「へー。」明日香の本を手に取る耕平。
「先生、質問があります。」
「うん?何?」
「世界を変えることは出来ますか?」
「世界を、変える?」
「はい。」
「えっと・・それは、どういうことかな。」
「この世界では、一年間に120兆円ものお金を使って、
 毎日戦争が行われています。
 空爆で戦争に巻き込まれる子供や、
 自ら銃を持って戦争をしている子供もいます。
 私と同い年の女の子が、兵士より先に地雷原を歩く仕事を
 しています。
 私とその子はどこが違うんでしょうか。」
「・・・」
「食べるものがなくて死ぬ人がいるのに、
 食べ物を捨てる人がいます。
 1秒間でサッカー場一面分もの緑が消えても、
 温暖化で南極の氷が解けても、
 それでも人は去年買ったばかりの服を、
 流行おくれと言ってゴミにします。
 どうしてですか?」
「・・・難しい、問題だね。」
「先生は幼稚園の時に習いませんでしたか?
 ケンカをしてはいけません。」
「習った。」
「人の物を取ってはいけません。」
「うん。」
「物を大切にしよう。
 動物や草花を可愛がろう。」
「うん・・」
「たったそれだけのことを、みんなが守っていれば、
 世界はこんなことにならなかったんだと思います。
 どうしてですか?
 どうして幼稚園児にわかることが、大人になると
 わからなくなるんですか?」
「・・・」
「先生、世界を変えることは出来ますか?」
明日香にまっすぐ見つめられ、答えることの出来ない耕平。
その時、チャイムが鳴る。
「あ、授業始まるよ。そろそろ戻らなきゃ。」
「はい。」
「藍沢さん、学校楽しい?」
「はい。」
「友達、いるよね?」
「います。」
「何か、困ったことある?」
「ありません。」
「そうか。
 何かあったら先生に言いなさい。
 ほら、走って。一時間目始まるぞ。」
「先生、」
「何?」
「先生も授業あるんじゃないんですか?」
「うん?ああ!」
教室へと急ぐ二人。
耕平はこの時見せた明日香の笑顔に少しほっとする。


辛い自分よりも、もっと辛い思いをしている人たちがいる、
そう必死に考えて耐える明日香の気持ちを思うと、
胸が苦しくなります。

希美の授業中、突然涙を流す明日香。
その日明日香は、鯛焼きを手に、珠子の事務所に会いに
行っていますが、珠子は居留守を使い会いませんでした。
その後、繁華街を歩く明日香を耕平は目撃。

そして翌日、事故の二日前、明日香は学校を休んでいましたが、
それは、自殺しようと廃墟へ向かっていたんですね。
そこで、明日香は大切なことに気付き、壁にメッセージを残す。

次の日、事故の前日、明日香は珠子を事務所の前で待ち伏せ。
学校を辞めて就職しようかと思っている、と相談。
珠子の後を付いて、洋食屋・ブラジルへ。
偶然耕平が二人に気付き、三人で同じテーブルに着きました。
そこで耕平は、二日前に明日香に聞かれた、
「世界を変えることは出来ますか?」の答えを自分なりに
考えてみた、とノートを見せます。

そしてその帰り道、耕平は明日香にタスキの話をした。
「俺はアンカーだったから、そのタスキには、
 俺の前に走った、4人のランナーの気持ちが詰まっているんだ。
 人生も同じだと思う。
 辛い時、苦しい時、何より力になってくれるのは、
 友達だよ。
 友達の数だけ強くなれる。
 例えば、このノートだってそうなんだ。
 藍沢が、俺に問いかけてくれたから、俺は勉強した。
 藍沢が俺に、タスキをかけてくれたんだ。
 だから今度は、藍沢が俺のタスキを受け取る番だ。
 ・・・学校に来いよ。
 そこには、沢山のタスキがある。
 人生の素晴らしい出会いが、沢山待ってる。」
「・・・はい。」笑顔で頷く明日香。


明日香は、耕平の駅伝のタスキの話に、
自分と朋美は今一緒に走っているんだ、と考えた。
そんな明日香の優しさに、自分は生きていてはいけないと
自殺を試みる朋美。
必死に説得する明日香。

そして、事故は起きてしまった。

「死刑になるなら、私はその人の名前を話します。」
朋美は、やはり自分のことを言っていました。
自殺しようとする自分を止めようと、同じ様に窓に腰掛け、
教室に戻ろうとした時に足を滑らせてしまった明日香。
呆然と立ち尽くす朋美の後姿と、大きな窓のシーンが
悲しかったです。

明日香役の志田さんは少ししか登場しませんでしたが、
今回新たに登場したシーンを見て、
彼女の正義感溢れる強い視線はやっぱり魅力的だな、と感じました。


一方・・・職員室に立てこもる音也。
「正直に言えばいいじゃん。
 本当は生徒より、自分の方が可愛いんだろ!?
 生徒のことなんか大嫌いなんだろ!?」
音也は自分が学生の頃、そう痛感してしまったのでしょうか。
彼の怒りの矛先は、いじめっ子と、そしていじめを解決して
くれなかった教師たちに向けられていました。
これに対して、兼良は、
「やめて下さい。
 悪いのは、全部僕です。
 先生たちは・・・いつも一生懸命僕達の為に、
 頑張ってくれてました。
 先生たちは、悪くありません。」
と言いました。
これは、やはり耕平や珠子が彼を変えたのかな。
「ふーん・・・わかってんじゃん。」
教師を庇ういじめっ子の言葉を、音也はどう捉えたのでしょう。
母親の教師として、いじめを無くそうと必死になっていたその姿は
彼に伝わっていたのでしょうか。

息子の犯罪を通報した母・雨木の思い。
その後、姿を消した雨木はフリースクールでボランティアをしていた。
音也と雨木の親子関係も、変えることが出来た、と
考えていいのですよね。


明日香の命日に行われるようになったホームルーム。
珠子がテーマに選んだのは、
『世界を変えることが、出来ますか?』
明日香が耕平に問いかけた言葉。
明日香の死が、生徒たちの心の中にある思いを引き出させた。
いじめは簡単にはなくならなかったけれど、
それでも教師たちのいじめに対する姿勢は大きく変わりました。
明日香は世界を変えるきっかけをくれたんだと思います。
どの教師たちも、生徒の言葉を、思いを、全て受け止めようと
真剣に聞き入っていたのが印象的でした。



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2007-10-17

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B000TU8ZSKわたしたちの教科書 DVD-BOX ~ディレクターズカット完全版~菅野美穂 伊藤淳史 真木よう子 フジテレビ 2007-10-17by G-Tools



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B000OZ2GQ2わたしたちの教科書 オリジナルサウンドトラックTVサントラ ワーナーミュージック・ジャパン 2007-05-23by G-Tools


4594053815わたしたちの教科書(上) 2007-05-23by G-Tools



B000OCY5FAわたしたちの教科書 (出演 菅野美穂) by G-Tools



第一話
明日香、転落死
「世界を変えることは出来ますか?」
 生徒の証言、明日香は急にキレることがある?
「先生になら言えるかもしれない。」
「良かった。
 先生に会えて良かった!」

第二話
八幡、保管庫から指導記録を盗む
「僕も・・・金八先生になるのが、夢だった。
 もう・・・疲れちゃった。
 もうヘトヘトだよ。
 学校は砂漠だよ・・。
 僕らが、スポイトで水を撒いたって、花は咲かない・・」

第三話
「今この国で起こっているのは、
 大人と子供の戦争です。
 いじめ、自殺。
 今子供達がしていることは、自爆テロです」(日野医師)
 学校の勉強、教師を信じず、受験勉強を優先する山藤
「心からぶつかってきてくれたのは、
  加地先生が始めてだった。」
その後早紀の過去の不倫を中傷するビラを作る
給食費未納、受験優先、体罰

第四話
希美、キャバクラ勤め。画鋲事件。
「誰にでも秘密はある」熊沢の言葉
トイレを詰まらせたタバコの吸殻
希美に名前を間違えられ続けた生徒・長部
公式HPによると、希美が長部の名前を間違えていたことが
"例の『画びょう事件』を引き起こしたわけ"とあります。

第五話
耕平へのいじめ
「後悔だけじゃ頑張れません。
 積木さんのことを、同志だと、思っているからです。
 同じ未来を見てる、同志だと思っています。
 藍沢・・・藍沢明日香の笑顔です。
 目を閉じると、藍沢の顔が浮かびます。
 どこか悲しそうな、藍沢の顔です。
 だけど、確かに彼女は、僕の前で笑ったことがあった。
 だからもう1度、藍沢の笑顔を思い出したい。
 ・・・積木さんも、そうなんじゃありませんか?」
父の援助交際、加地のいじめ追及に、
「加地先生は、僕達が藍沢明日香さんを殺したと
 思っているんですよね。
 クラス全員がもう知っています!!」
「あなたのことが嫌いです」
「僕は、あなたのことを軽蔑しています。」
「あなたは何もわかってない。
 一つもわかってない。」
と大人に絶望する兼良
「死刑になるなら、私はその人の名前を話します。」(朋美)
「子供達を、警察などにゆだねたくない!
 子供達を、マスコミなどにさらしたくない!
 子供達を、法廷の場などに、立たせたくない。」(雨木)

・保健室で眠る耕平にコースター(ロッカーの番号)を渡したのは?

第六話
・三澤亜紀子の日誌
『2月2日。
 藍沢明日香と面談。 
 養護施設での生活、及び進路に悩んでいるようだ。
 勉強しても意味が無いと怒鳴り、自分の教科書を破り捨てた。
 咎めようとすると、藍沢は私を突き飛ばし、帰宅してしまう。

 2月6日。
 藍沢明日香と面談。
 試験の結果がおもわしくなく、事情を聞く。
 感情的になり、学校制度への批判をはじめる。
 支離滅裂だ。

 2月9日。
 藍沢明日香が勝手に早退しようとする。
 声をかけると、私はいじめられているといって、
 破れた教科書を見せた。
 それは先日あなたが破ったものだと指摘すると、
 突然泣き崩れた。』

 明日香の虚言癖を裏付けるもの!?
 日誌は手書きでなく、印刷したもの。

・戸板、珠子に接触。

・生徒たちにいじめアンケート、対話。
 いじめの実態は一つも出てこず。

・学校の壁に落書き

第七話
・雨木、直之に本当のことを話す!?
・「あの副校長と話して確信したよ。
 本件は我々が勝つことになるだろう。」と直之。
戸板先生、珠子を三澤亜紀子に引き合わす。
・戸板先生、養育費を払えず自殺を考えていた。
・父の思い出の時計を質屋に入れて、新しい教科書を買った明日香

・「あんたはいつだって目を閉じてたんだ。」
 音也の言葉。

第八話
・苛めることに少しも罪悪感を感じていない生徒たち
・耕平、ポーのサインを見逃す
・学校に脅迫状
 『この学校にはイジメがある!
 教師全員、テレビで謝罪しろ!
 さもなくば、二人目の自殺者が出る!』
・『カスコ』
・雨木の息子、出所。包丁で事件を起こした?

第九話
熊沢と娘・桜
・学校への脅迫状、壁の落書きはポー。
・耕平にコースターを渡したのは熊沢。
・大人の矛盾。
「黒いものを黒いと言えなくなる。
 白いものを白いと言えなくなる。
 それが大人だ。
 それが俺だ。」(熊沢の言葉)

第十話
「思い浮かべてみて。
 生きられなかった人のことを。
 思い浮かべてみて。
 彼女がいつか、着るはずだったセーターの形を。
 彼女がいつか、食べたかもしれないケーキの甘さを。
 いつか見たかもしれない夕日の色を。
 いつかしたかもしれない恋のことを。
 いつか見たかもしれない夢のことを。
 思い浮かべてみて。
 それは全部失われたのよ!
 永遠に失われたの。
 だから覚えてなきゃいけないの。
 彼女のいつかを、誰かが覚えてなきゃいけないの。
 あなたは生きなきゃいけない!
 彼女が生きるはずだった未来を生きなきゃいけない!
 あなたがしたことは・・・私のしたことよ。
 私たちは・・・同じ荷物を背負って・・・
 彼女が生きるはずだった未来を、歩き続けるの。
 陸君、もしもあなたにそれが出来るなら・・・
 そこに私もいる!」

『ご依頼の、雨木真澄教論に関する資料をお送りいたします。
 雨木教諭は、2001年度まで私立翔嘉学園中学校で教鞭を取っていました。
 雨木教諭が退職した理由は、当時、同校に在籍していた雨木教諭の
 長男・音也が引き起こした、死傷事件が原因ではと思われます。
 同級生の脚部をナイフで刺したこの事件は、
 ケンカを発端とした、偶発的な事故として判断されていました。
 しかし、当時の在校生の話を集めた結果、
 事件前日、長男音也が、友人にこう話していたことが判明しました。
 「僕が処刑する。悪いいじめっ子は、僕が処刑する。」』

第十一話
・音也、14才の時に同級生を刺す。
 二十歳の時、高校生を繁華街で刺し、1年間服役。
 被害者は二人とも、いじめの加害者。
 二つの事件のもう一つの共通点、
 事件後二つの学校からいじめが無くなった?


【明日香の作文】
『おかあさん
 一ねん三くみ あいざわあすか
 わたしはおかあさんのことをたまこさんと
 よびます。
 おかあさんはわたしを、あすかさんとよびます。
 わたしとたまこさんがしょうてんがいをあるくと、
 コロッケやのおばさんはいいます。
 あら、そっくり。おんなじかおねといいます。
 わたしとたまこさんは、すこしはずかしいけれど、
 すこしうれしくて、かおをみあわせます。
 めかな。はなかな。くちかな。ほっぺたかな。
 せのたかさもたいじゅうもちがうのに、おんなじかお。
 テレビをみていると、おんなじところでわらいます。
 すきないろ。すきなすうじ。すきなようふく。
 みんなおんなじ。
 なんでかな。なんでおやこはにてるのかな。
 はなれてもすぐみつかるようにかな。
 かがみをみて、おかあさんをおもいだせるようにかな。
 おやこってふしぎです。』


【明日香の戸籍】
父・惣次郎
母・俊枝
(長男)
夫 謙太郎 
昭和40年6月11日

父・光男
母、みつ子
(次女)
麻美
昭和49年2月2日

父・藍沢謙太郎
母・空欄
(長女)
明日香
平成5年6月18日


キャスト

積木 珠子(30) ・・ 菅野 美穂
◇◇◇
加地 耕平(24) ・・ 伊藤 淳史
大城 早紀(27) ・・ 真木 よう子 (過去に生徒の父と不倫)
吉越 希美(25) ・・ 酒井 若菜  (キャバクラ)
戸板 篤彦(29) ・・ 大倉 孝二  (借金)
八幡 大輔(25) ・・ 水嶋 ヒロ  (指導記録隠し)
熊沢 茂市(45) ・・ 佐藤 二朗  (娘を信じてあげられなかった)
雨木 音也(20) ・・ 五十嵐 隼士
宇田 昌史(30) ・・ 前川 泰之  クライサー法律事務所
大桑 久雄(40) ・・ 戸田 昌宏
日野 圭輔(?) ・・ 小市 慢太郎

藍沢謙太郎(河原雅彦)七年前若年性認知症に。
藍沢惣次郎(山本學) 三年前息子のことを知り引き取る

◇◇◇
瀬里 直之(36) ・・ 谷原 章介
◇◇◇
藍沢 明日香(14) ・・志田 未来

雨木 真澄(53) ・・ 風吹 ジュン

【喜里丘中学校 2年3組 】
朋美 ・・ 谷村 美月 (明日香の友達?)父親は都議会議員
山田 加寿子 ・・ 鈴木 かすみ (ポー)
野部 千春 ・・ 山本 ひかる
兼良 陸 ・・ 冨浦 智嗣 (父に愛人)父親は警視庁
本多 雅樹 ・・ 池田 晃信

山藤拓巳・・登野城佑真(早紀の過去を暴露)

須藤 彩佳 ・・ 柳田 衣里佳 (シュークリームにトラウマ)
山西 麻衣 ・・ 伊藤 沙莉 (頭良いがコンパスで自分の腿を刺す)

徳田嘉則・・・吉田ニコル
白井岳志・・・城野真之介
本多雅樹・・・池田晃信


洋食屋『ぶらじる』コック ・・・・ 土田 アシモ
洋食屋『ぶらじる』おばちゃん ・・・・ よしの よしこ

三澤亜紀子・・・前任の教師

兼良由香里・・・渡辺典子

スタッフ

■脚本■
 坂元 裕二
 (『東京ラブストーリー』『愛し君へ』『ラストクリスマス』
  『西遊記』『トップキャスター』ほか)

■音楽■
 岩代 太郎

■主題歌■
 BONNIE PINK 「Water Me」
 (ワーナーミュージックジャパン)

■ディレクター■
 河毛 俊作
 (『抱きしめたい!』『ギフト』『沙粧妙子最後の事件』
  『きらきらひかる』『人間の証明』
  映画「星になった少年」ほか)

 葉山 浩樹


菅野 美穂さんの主な出演作品


この記事へのコメント
記事の完成まえのコメント失礼します!

教室と法廷が交互に変わり緊張感から呼吸を忘れそうでした!

朋美と明日香は幼馴染いつも一緒に下校して夕暮れまで遊んだ仲でした、しりとりが明日香の作文を思い出しぽろっと…中学に入り環境が変わった朋美、思春期の女の子が兼良に恋をして明日香に内緒にしてしまう気持ちもわかります!ピアニストを目指していて骨折して希望を失ったのも解ります!しかしなぜ、両親に、そして親友の明日香に相談しなかったのか?親ってそんな存在なのかな?親友ってそんなに頼りないのかな…

兼良も父親の援交に悩んだのですね、朋美に何らかの形でリークされるのを恐れた結果がイジメの始まり!後に自分で告発するまでの葛藤は幼い彼には重かったでしょうね!そして子供の話を聞かない母親が…

音也の目的はイジメの排除、そして何も出来ない教師への警鐘!深くは描かれませんでしたが、教師としての雨木と違い母親に対する愛情も感じられたかな?あの場面で刃を止めたのが雨木でよかった!音也も母親の手から流れる血をみて考え方が変わるといいですね!

深読みしすぎた自分が恥ずかしい!明日香は事故死でした、そして優しく強い娘でした…皆にイジメられながらも朋美の言葉にもめげずに自殺もくいとめる、自分の立場も辛いのに…素敵な考えを持っていたので事故死が切ないです!

加地の怪我はリハビリで何とかなりそうですね!良かった〜ずっと雨木の手先になっていた加地ですが、希望をもって教職につき、明日香の話を聞いてあげた時の喩えが希望に繋がったのですね!明日香の質問の答えとしては的外れのような気がしましたが話しを聞く姿勢が大事なのかも?たしか雨木も助言していましたね?

珠子も明日香の死を背負って生きていくのかな?朋美と兼良にはきつい現実ですね!

この終わりかたで良いと思います!イジメはあると言う加地ですが教師が生徒と向き合う姿、珠子と明日香の残したメッセージ、何よりも少し前進したのだから!
Posted by けた at 2007年06月30日 20:33
ちーずさん、ご苦労様です。続きも楽しみにしています。

明日香の壁に残したメッセージは、なんというか、今までどこでも言われてこなかった大事なことのように感じました。「そうなんだ。私たちは昨日と今日と明日を生きてるんだ。死んでしまったら、明日の自分が悲しむ。」
もっとも、この気持ちにまでなれたなら、誰も死のうと思わないけれど。

ただ、生きるはずだった未来を残念ながら事故で失ってしまった若い友人を持っている私には、とりわけ心に残りました。「生きている」というのは、当たり前だけど素晴らしいことです。
死んでしまった明日香のために、生きているときには何もできなかった母親として、生き方を変えて闘う珠子も、素敵だと思いました。自分の中の罪悪感から逃げずに、やってしまった失敗にしっかり向き合う(迷いながらも向き合う)道を選ぶ彼女は、実にりりしかったです。

まだ、言いたいこともあるけど、ちーずさんのレビューが完成してからにしますね。では…
Posted by やすこ at 2007年06月30日 21:23
ちーずさん、おつかれさまです。

このドラマに関しては言いたいことというか感想というか、とてもまとめられそうにありません。社会的な問題を興味本位に、スキャンダラスに扱っていなかったことが本当に救いでした。それだけは言えます。
断片的な感想を言うと、「志田未来は大女優だね。」と思いました。あの圧倒的な存在感は凄い。女優としての成長が止まりませんね。「探偵学園Q」は成功すると思います。
最後に、あのラストは最高だったと思います。落書きされた窓から光りが差し込むラスト。あれはよかった。
Posted by マンデリン at 2007年06月30日 23:00
ちーずさん、見事なレビュー本当にありがとうございました。
ドラマを観たのですが、ちーずさんのレビューで読むとまた違った感動というか、重みがあります…
私の率直な感想は、この重いテーマに対して、よくできた脚本だったと思います。
特に教師側が丁寧に書かれていて、教師もまた一人の成長過程の人間として描き、最後まで逃げずに受け止めようとしている、ホームルームの姿に、このドラマの一つの大きなメッセージがあると思いました。
珠子自身も明日香の死に正面から向き合ったことから、訴訟と形になったと思います。そして最後まで投げ出しませんでした。
本人も言っているように、何が正しいのかは誰にもわかりません…でもまず、大事なことは、大人が子供に正面から向き合い、とことん受け止めようとすること…
親としてもそれが大事だと思います。
うまくまとめられませんが…
このドラマの深さを教えてくれたのは、ちーずさんのレビューです。
本当にありがとうございました。
来期も、楽しみにしております。お忙しいでしょうが、どうぞ宜しくお願いします。
Posted by nyao at 2007年07月01日 13:41
ちーずさん、お疲れ様でした。このドラマのレビューは、とくに大変だったのではありませんか?

このドラマのテーマは、なんだったのだろう。けして「いじめ」ではない。そう思って、私は観ていました。(番組HPにもそんなことが書いてあったような…)むしろもっと幅広い、「簡単に変えられない世界で、人間は何のために生きているのか」とか「何が正しく、何がまちがっているのか」とか、「人は不正とどこまで闘うべきか」とか、そんなことがいっぱい詰まっていたように思います。

一緒に観ていた夫が、中学校のHRの場面で「嘘くさいなぁ。中学生がこんなこと言うか?」と言ってました。でも、あれはきっと子どもたちの言葉を借りた製作者の(つまり大人の)メッセージなのだろうと思います。リアリティーが、表現のすべてではないですよね。

ラストシーンの明日香のメッセージをみつめる二人。朋美も珠子も救えなかった「明日香の孤独」。でも、二人はきっとここから明日香の「タスキ」を受け取って生きていくのでしょう。事故死の瞬間まで、過酷な運命の中で(しかも朋美も珠子も、その運命に一端の責任を負っていて)なおかつ「生きる希望」を失っていなかった「明日香の孤独」に圧倒される思いでした。

珠子の方が、年齢的にも立場的にも自分に近いので、つい彼女の今後を考えてしまいます。きっと生涯「あれでよかったのだろうか?」と自分と明日香に問い続けながら、闘いつづけていくのでしょう。

このドラマが、単に「いじめ」を扱ったドラマと受け取られないことを望んでいます。人間はみんな、「孤独」のタスキをつなぐランナーなのですから…。

では、ちーずさん、来期もよろしくお願いします。
Posted by やすこ at 2007年07月01日 22:12
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