2007年07月21日

山田太郎ものがたり 第三話

『告白VS夢の松坂牛』

庭に植えた野菜を見渡す太郎(二宮和也)。
まだ小ぶりな野菜たちに
「みんな頑張れ。」と優しく声をかける。
太郎のお腹がグーっと鳴る。
「俺も頑張れ!」笑顔でそう呟く太郎。

進路相談。
鳥居(吹石一恵)に悩み事を聞かれた隆子(多部未華子)。
「悩みかー。
 恋の悩みなら・・・。」

「とくに、ありません。」
「若いっていいなー。悩みがなくて。
 私は・・・」

鳥居の頭に浮かぶのは、クールな永原眞実(吉沢 悠)の姿。
思わず頭を振る鳥居。
「えーっと・・じゃあ、進路のこととか、
 何か今気になっていることとか。」鳥居が隆子に聞く。
「はぁ・・・」
「気になっている人ならいるけど・・」
「別にないです。」
「そう・・じゃあ・・」
鳥居にまたもや永原の姿が浮かんでしまう。
「違う!!だから出てこないで!!」
「将来、やりたいことは?」
「それは・・」
「ずばり!!玉の輿に乗ること!!」
「今は・・まだありません。」
「そっか。
 ま、これから考えていけばいいと思うんだけど、
 池上さんは、あれかな?
 もう少し、積極的になった方が、いいかな。」
「ですよねー・・・。」
「そう・・積極的に・・
 積極的にならなきゃな・・・。」
教室。
特進クラスのホームルーム。
「校長先生が、暫く放課後に、学校の畑のお手伝いをしてくれる
 人を2名探しているそうなんですが、誰かいますか?」
鳥居がおどおどと提案する。
生徒たちは誰も手を挙げようとせず。
クールに“我関せず”な御村(櫻井翔)。
そんな中、
「じゃあ、僕やります!」
ずっと考えていた太郎が手をあげた。
野菜をもらえるかもしれない、という望みを持っての立候補だった。

「王子様とお近づきになるチャンス!
 ほら!私!立候補しなきゃ!
 ほら!私の手!上がれ!!」

手を挙げようと必死に頑張る隆子。

「では、もう一人。山田君と一緒にやりたい人!」と鳥居。
「はい!!」
女子生徒たちが、太郎とお近づきになれる千載一遇のチャンスと
ばかりに手を挙げ始めた。
「なんだ!君たちは。」唖然とする杉浦(忍成修吾)。

鳥居はくじで決めようと提案する。

「あー、クジなんて絶対に無理だ・・。
 私、福引のティッシュすら当てた事ないのに。」

諦めモードの隆子。

折りたたんだ紙を一つ選び、選ぶ鳥居。
「では・・池上さん、お願いします!」

「あーあ、やっぱり池上さん!
 ・・・ってハイ!!私、池上です!!」

挙手して席を立ち上がる隆子。
太郎の方を振り返ると、太郎はニッコリ微笑み会釈してくれている。

「これは、奇跡だー!!」

隆子の妄想。
花の冠を太郎が隆子の頭の上に置き、
「似合うよ。」

「奇跡が起きたーーー!!」

温室。
「私は君が来ることはわかっていたよ。」
一ノ宮校長(宇津井健)が言う。
「どうしてですか!?」
「君の狙いは、トマトか?それとも、ナスか?」
「あ・・バレちゃいましたか。」
隆子が温室にやって来た。
「うん!?なーんだ。二人っきりじゃないんだ。」

二人はつなぎに着替えさせられ、早速校長の手伝いを始める事に。

「違う!なんかイメージしてたのと違う!
 ・・・それにしても、山田君は何でも着こなすなー。 
 この!着こなし王子!!」


「山田君ってさ、意外とこういう作業、慣れてるんだね。」
「ああ、まあ、うちの畑でやってるからね。」
「ふーん。そっかー。」
「!!うちの畑って、どういうこと!?
 どんな家に住んでんの!?
 もう、スケール大きすぎてわかんない。」

倒れそうになる隆子を支える太郎。
「はっ!!」
見詰め合う二人。
「大丈夫?」
「ご、ごめんなさい!!」
二人の様子を笑顔で見守る校長。
「あ!先生、今日は一時間の約束ですよね。」
「そうだったかなー。いやだけど、もう少し、」
「時間外労働は賃金を要求します!」太郎が笑顔で言う。
「ああ、そうか。
 そいじゃまた明日!」
「はい!失礼します!!」

太郎が畑仕事を終えスーパーに行くと、"横綱コロッケ"争奪戦で
見事な技を繰り広げたスーパー主婦・まりあ(柴田理恵)がいた。
野菜市GOGOセールで見事に賞品をゲットするまりあ。
「カッコイイ!!」太郎が思わず呟く。
「あら!あん時の。」
「はい!ご無沙汰しています!」

スーパーを一緒に回る二人。
まりあが新しいスーパーの広告を太郎に見せる。
『超目玉企画 恒久松坂牛争奪タイムセール
 2kgをなんと98円 (1パック限り)
 みんなで楽しくBBQ』

「私にはこれまでの戦いの経験とデータがある。
 その松坂牛、誰にも渡さないよ!」
「・・・あの!
 僕を弟子にして下さい!!」

山田家。
「ほんっとにすごい人で、
 今度、俺の師匠になってもらった!」
楽しそうに母・綾子(菊池桃子)に話す太郎。

池上家。
「ほんっとに面白い子でさ、
 私の弟子になりたいって言うのよー!」
嬉しそうに隆子に話すまりあ。
「それ本当にうちの生徒?」
「間違いないわよ!」

山田家。
「はい発表します!
 あんちゃんは、今度1週間後の開店セールで、
 これゲットします!!」
「塊のお肉なんて食べたことない!!」
弟妹たち、大喜び!

池上家。
「いたんだもん、だって。」
「うちのクラスには、お家に大農園があるお金持ちだって
 いるんだよ。」
「いくら何だって、そんな子いないでしょうよ。」
「いるの!いいよ信じなくたって。」

山田家。
「こんなバーベキューパーティーうちで出来たら素敵じゃない!」
綾子も目を輝かせる。
家族の幸せそうな様子に、太郎も嬉しそうに頷くのだった。

夜、一人屋根に寝転び、スーパーのちらしを見つめる太郎。
「バーベキューか・・・。」と呟き、そして微笑む。

翌日。学校でまりあのことを御村に話す太郎。
「スーパーの達人!?」
「うん。
 まあ御村君には、一生接点がないかもしれないけどね。」
「確かにな。」
「それで今日からさ、特訓なんだよ!」
目を輝かせながら師匠の話をする太郎を見つめる御村。
太郎と出会ってからのワクワクした日々を思い起こす。
「な、俺も行っていいかな。」
「え?いやいいけど・・何で?」
「・・・」
「え?何で?何なの?ねえ!」

そんな二人の様子をうっとりと見つめる女子たち。

「隆子わかりやす過ぎ。」正美(大塚ちひろ)が隆子に言う。
「何が?」
「どうだったの昨日!山田君と!」
「どうって・・」
「山田君と友達になれるプラチナチケットを手にしたんでしょ!
 もう羨ましい!」
「あんなヤツと畑仕事して何がそんなに楽しいの?」と杉浦。
「あんた関係ないでしょ!」と正美。
「ま、俺と違って、イモ臭いあいつには畑仕事がお似合いだけど!」
「山田君がイモならあんた何なのよ!」
「俺は・・・あれだよ。果物の・・王様の・・」
「ドリアンね!臭いからあっち行って!」
正美が杉浦を追い払う。

温室。
見事に実った野菜を見つめ、
「うちのと何が違うんだろう・・・」太郎が呟く。
「それは食べちゃダメですよ。」
校長が永原と共にやって来た。
「紹介しよう。我が校の卒業生で、永原眞実君。」
「山田太郎君だね。よろしく!」
「こんにちは。」
「永原君はね、こういった農作物を科学の立場で研究しているんだ。
 君が、いろいろ聞きたいことがあるんじゃないかと思ってね。」
「興味があるんだって?」と永原。
「はい。 
 あの・・・どうやったら、でっかい野菜が出来ますか?」
「え?」
「あの・・できれば、家族8人で食べても、満腹になるくらいの。」
校長と永原が笑い出す。

「見るのも嫌なのに・・見ていたい・・。」
温室の影からこっそりとのぞきこむ鳥居。
「先生?何してるんですか?」と隆子。
「何って・・何も・・
 さようなら。」
一度は立ち去ろうとした鳥居だが、再び引き寄せられるように温室へ。
「私・・彼のこと好きなの?嫌いなの!?」

鳥居の背後にいつの間にか大崎(福井博章)が立っていた。
驚く鳥居。
「どうしたんですか、最近。
 何か悩み事があるなら、この僕が、いや、僕でよければ!」
答えに戸惑う鳥居。
「どうせ仕事中に男のことでも考えてたんだろ!」
耳元でささやかれて驚く鳥居。今度は永原だ!
鳥居、慌てて逃げ出す。ドタ、っと転ぶ音!?

「カワイイなー。」永原が呟く。

畑仕事をする太郎と隆子。
校長は気を利かせ、二人きりにしてあげる。
「ね、山田君ってさ、」
「うん?」
「ほら、昨日、家に畑があるって言ってたけど、
 それってどんな家に住んでんの?」
「どんな家ってうちは、
 まあ一戸建てに家族8人で住んでるけど。」
「・・・8人!?8人ってどういうことですか!?
 太郎君と、
 お父様とお母様と、(なぜか外国人)
 お兄様と、お姉さまと、
 それから執事が三人!?」

妄想モード突入の隆子は、太郎が
「でも、一戸建てって言っても、」
と話し続けていたのを聞いていなかった。
「私も、家族に入れて下さい!」
振り向くと、太郎はもういなかった。
校長先生が、もう帰ったと隆子に伝える。

スーパー。
「師匠!よろしくお願いします!」
まりあが御村を睨む。
「友達の御村君です。
 今日は見学に来ました。」
「断っておくけど、スーパーは戦いだからね!」
「・・・はい。」
「じゃあ行くよ!」
「はい!!」

「今日はね、夕方のタイムセールの攻略法。
 一番安くなるからって閉店間際に駆け込んじゃダメよ。」
「どうしてです?」
「まずほしい商品を、品薄になる前に確保する。」
「そういうことか!」
「いい?店員が値段を張替え始めたら、棚に戻す。」
三人が棚に戻した商品に、店員がシールを貼る。

「なるほど!これを底値まで繰り返すわけですね!」
「さすが一番弟子!
 他の人にバレないように注意してよ。
 行くわよ!」
「はい!!」

商品を無事ゲットするまりあと太郎。
御村は他の客に取られてしまう。
「ほーら言わんこっちゃない!
 ボーっとしてるから!」
「すみません・・」
「戦いだって言ったでしょう!
 今ので死んだよ!あんた。」
「師匠、御村君は今日は見学だから、ちょっとは大目に。」
「・・・もう一回やらせて下さい!!」

帰り道。
ゲットした商品に満足そうな御村。
「いやー、面白かったでしょう。」と太郎。
「ああ、ちょっとな!
 これ食うか?」
「そりゃもちろん食べます・・え!?
 いらないの!?」
「俺は魚がほしくて来たわけじゃないから。」
「え!?じゃあ何?」
「・・・また明日な!」
スーパーの袋を太郎に渡し、御村が帰っていく。
「え!?ちょっと、何!?何がほしかったの!?」
不思議そうな表情で御村を見送る太郎。

池上家。
「ほんっとにイイ子!
 あんたの彼氏だったらいいのにー。」
「嫌です!そんな超庶民!」
「庶民は悪くないよ。」と隆子の父・龍之介(六平直政)。
「私が頼んだら付き合ってくれるかもよ。
 師匠の言うことは絶対だからさ!」
「向こうから頼まれても嫌です!
 私は玉の輿に乗るんだから!」
「お!いいねー玉の輿!」と父。
「あんた、相手なんかいないじゃない。」
「いるもん!」
「いるのか!?」と父。
「まだ・・彼氏じゃないけど・・」
「どうせブサイクでしょ。
 お金持ちでブサイクなのと、
 うちみたいに庶民だけどイケメンだったらどっち取る?」
「パパは、庶民でブサイクだけどな。」と父。
「その人は、お金持ちで超イケメンなんだもん!」
「そーんなマンガみたいのいるわけない!」とまりあ。
「庶民でブサイクならいっぱいいるぞ!」と父。
「父さんは黙ってて!」まりあと隆子が声を揃える。

山田家。
眠ってしまった子どもたちに布団をかけなおす綾子と太郎。
「ね、その師匠って方、お母さんも会ってみたいな。」
「どうだろう。
 母ちゃんとは多分気が合わないんじゃないかな。」
「うん?どうして?」
「何ていうか・・全てが真逆な人だから。」
「え!?尚更会ってみたくなっちゃった!」
「会ったら多分、母ちゃんお説教されちゃうな。」
「???」

学校。
正美に太郎とのことを追求される隆子。
「早くコクっちゃいなよ。」
「は!?そんなの・・」
そこへ杉浦も乱入。
「でもま、マジな話お似合いな二人だよな。」
「え!?」
「ベスト・イモカップル!」
「だから!山田君はイモじゃないってば!
 !!
 別に、隆子がそうって言ってるわけじゃないよ。」と正美。
「わかってる。」
「いやーん、ひどーーい!」杉浦が走り去る。
「違うよ隆子!違うよ!」弁解する正美。
「わかってるって。」

「・・・そう。わかってる。
 確かに、王子様と庶民の私では不釣合いだ。
 でも・・・
 でも・・・
 でも・・・」


園芸に使う買物を頼まれ、大型ショップにやって来た太郎と隆子。
安いものがいっぱいある、と太郎は目を輝かせる。

「私の王子様は、ちゃんと庶民の感覚も持っている。
 そこが・・・その辺のお金持ちとは違うところ。
 私みたいな庶民でも、親しみを持てるところだ。」


帰り道。
「山田君ってさ、何で、菜園係に立候補したの?」
「まあ・・・最終的には、家族の為かな。」
「へー。」
「池上さんは?何で?」
「え?私は・・・忘れちゃったな。
 ・・・この間の進路相談でさ、いろいろ聞かれたんだけど、
 山田君は将来やりたいこととかある?」
「え?なんだろう。
 ・・・俺は、家族が全員笑顔でいれたら、
 うん。それが一番だな。」
「本当に家族思いなんだね。」
微笑みあう二人。

「あれー!?
 今、この二人いい感じじゃない!?
 もしかして、ベストカップル誕生じゃない!?
 ご通行中のみなさーーん! 
 私、玉の輿に乗りまーーす!!」


スーパーの前。
御村に質問するまりあ。
「じゃあこのチラシの最重要ポイントはどこ?」
「え・・」
「左上。ここが目玉商品!
 ちらしはスーパーからのラブレターであり、
 主婦たちへの挑戦状なの。
 情報を制したものが戦を制する。
 わかる!?」
「・・・なるほど。」
そこへ太郎が駆けつける。
「遅いぞ!」と御村。
「よっしゃ!じゃ揃ったところで、始まるよ!」
まりあが紙を広げる。
「今度開店するあのスーパーの見取り図。」
「師匠!これどうやって手に入れたんですか!?」
「情報を制する者は戦を制する・・・」御村が呟く。
「そしてこの図を立体化したものが・・・これ!」
「うわ!師匠すごい!!」
「凄すぎる・・」
「私の経験だと恐らく標的の松坂牛は・・・
 このシマチン(島方の陳列台)ストリートを抜けて
 食肉コーナーの奥に設置された、
 特設ワゴンに置かれる可能性が高い!
 となると、入り口から一番近い道順は・・」
作戦を考える三人。

帰り道。
「戦いか・・・」そう呟き微笑む御村。
「スタート地点さえ確保出来れば、勝ったも同然よ!
 あとは気合!もう気合!」
「あ、師匠!ここです。」
「ほー、こりゃ又・・」
「母が又、是非師匠にお会いしたいと。」
「はい。是非!」
「行きましょう!」

「ただいま!」
「あんちゃんお帰り!」
沢山の弟妹に、まりあ、びっくり!
「あ!御村のあんちゃんも一緒だ!!」
「こんばんは。お土産買ってきたよ。」
「うわー!ありがとう!!」
「御村のあんちゃんも入って入って!」
「母ちゃん!師匠に来てもらったよ。」
「太郎がいつも・・お世話になっております!!」
感激して出迎える綾子。
「お母さん!!
 あなた立派な息子さんを育てになって・・」
感動して綾子を抱きしめ泣き出すまりあ。
そんな様子に微笑む太郎と御村。

「いつも心に、」「家族の笑顔!」
「いただきます!!」

「なんだかすみません、晩御飯まで作っていただいて。」
「いいのよ!」
「おばちゃん、これおいしい!!」
「よかたね!」
「母ちゃん、これおいしいよ。」
妹が綾子の茶碗に卵焼きを乗せる。
「どうもありがとう!」
質素な食事に、笑顔いっぱいの食卓。
そんな様子に涙ぐむまりあ。

壁に貼られたスーパーの広告を見つめる御村。

「ちょっとあんた!
 絶対に松坂牛ゲットするよ!」まりあが言う。
「はい!!」
「さ、こんなことしてらんない!
 特訓だ!行くよ!!」

庭でスクワットする太郎。

「二人とも、どうしちゃったの?」弟たちが御村に聞く。
「師匠に火が付いちゃったのかもね。」
「御村!あんたもやるんだよ!」とまりあ。
「俺もですか!?」
「そうだよ!スクワット100回!」

弟妹たちの掛け声に合わせて特訓する二人。

松坂牛ゲットまであと5日。
まりあの指導と弟妹たちの応援のもと、特訓を続ける二人。
神社の階段を駆け上がり、作戦を練り直し、ランニング。

そして夜は工事現場で働く太郎。

松坂牛ゲットまであと1日。

池上家。
「最近、母さん遅いね。」
「例の、開店セール対策で大変なんだろ。」と父。
「ああ、そっか。」
「なあ隆子、この間の話だけどな。」
「うん?」
「いやいや、お前が玉の輿に乗るとか言ってただろ。
 もちろんそうなりゃ、パパも嬉しいけどな。
 でもな、パパは、相手が金持ちだろうが、
 貧乏だろうが、イケメンだろうが、ブサイクだろうが、
 そう・・・お前が・・・幸せになってくれれば・・・
 それで、」
振り返ると隆子はいなかった。
「いい話してたのに・・」いじける父・龍之介。

夜道を走る隆子。
「そうだよ・・私・・・もうこの気持ち抑えきれないじゃない!
 もう・・行くしかないじゃない!
 そう!明日!!」


工事現場で働く太郎。
「いよいよ明日だな・・。」

「決めた!
 私・・いよいよ・・明日・・・」


「明日・・・」

太郎に気付かず、その後ろを走りぬけていく隆子。

「告白します!!」

「松坂牛、ゲット出来るかな。」

決戦の日。

休み時間、隆子が太郎の元へやって来た。
「どうした?」
「・・・あのさ、菜園の作業、今日やっちゃわない?
 それで、それ終わったら、一緒に・・」
「・・・」顔を見合わせる太郎と御村。
「あれ・・なんか今日用事あったり・・する?」
「うん・・」
「結構大事な用だったりするんだよね。」と御村。
「・・・そうか。そうだよね。
 いや・・なんかほら、毎日毎日あそこに通うのも嫌だしさ、
 今日まとめてやっちゃったら、明日から行かなくてもよくなる
 わけだし、」

「何言ってんの、私!違う!!
 こんなことが言いたいんじゃない!!
 ちょ、ちょっと黙れ!私の口!!」


「・・・じゃあ、そういうことで。」
太郎に背を向ける隆子。
「待って!
 俺、戻ってくるからさ。
 そしたら一緒にやろうよ。」
「・・・いいよ。私一人で終わらせるから。」
「約束する。
 必ず戻る。」
隆子は黙ってその場を去る。

笑い出す御村。
「何!?」
「お前たち・ほんと面白いな。」
「・・・」

松坂牛タイムセールの入場制限が始まる。
イライラした様子で太郎たちを待つまりあ。

一人園芸の作業をする隆子。

太郎と御村がスーパーに駆けつける。
「いい?こっからは個人戦。
 もう敵同士だからね。」
「え!?」
「わかってる!?
 松坂牛は限定1個。
 弟子だからと言って、容赦しないよ。」
「・・・はい!」
「行くよ!」
三人が歩き出す。

松坂牛は、まりあの狙い通りの場所に設置される。
行列を掻き分け、人々を驚かせながら前へ前へと進むまりあと太郎。
主婦たちに怒鳴られながらも、なんとか先頭に歩み出る。
「あれ!?御村君は!?」
「何ぼーっとしてるんだよ。いよいよ始まるよ!」

「大変長らくお待たせしました。
 松坂牛限定争奪セール、いよいよスタートです!!」

広い牧場、一頭の松坂牛を目指してスタートラインに並ぶ主婦、
そして太郎とまりあ。

「レディーーーッ、ゴーっ!」

人々が一斉に走り出す。
先頭は、マリアと太郎。

「やっぱりあんたとの一騎打ちだね!」
「はい!」
「じゃあ又あとでね!」
まりあがなぜか列から離れる。
「え!?」
一瞬足を止める太郎。慌てて自分を抜いていく主婦たちを追う。

そして見事、松坂牛をゲット!!
「やったーー!!」
勝利品を天に掲げる太郎。

その頃、『一ノ宮校長の有機無農薬菜園』を一人で仕上げた隆子。
太郎が来るのを不安そうに待つ。

スーパーを出た太郎がまりあと御村の姿を見つけて駆け寄る。
「師匠!もうどこに行ってたんですか!」
二人が拍手をして太郎を迎える。
「御村君も途中いなくなっちゃうし。」
「やったね!」
「はい!ゲットしました!」
「おめでとう!
 これで全部揃ったね。」
「そうですね!」
まりあと御村が顔を見合す。
「??」
「私達も、目当てのものは買えたからさ。」
まりあが野菜を、そして御村はバーベキューコンロを掲げる。
「え!?」
「さ!今からあんたんちに行って、バーベキューパーティーだ!」
「お前がやりたかったのは、これだろ。」
御村がポケットからちらしを出す。
バーベキューを楽しむ家族の笑顔の部分を。
「・・・」
「あの子たちの喜ぶ顔、私も見たいからさ。」
「師匠・・・
 御村君・・・」
思わず涙ぐむ太郎。
笑顔で太郎を見つめる二人。
「ありがとうございます。」
「大体さ、肉だけじゃバーベキューパーティー出来ないだろ。」
「あ・・ほんとだ!」
三人は大笑い。
「じゃ、行こうか!」とまりあ。
「あ、師匠・・実は・・待たせている人がいるんです。」
「あ、そうだったな。」
「何?彼女!?連れておいで連れておいで!」
「じゃ、行って来ます!!”」
御村に肉を預け、太郎は学校へと急ぐ。

菜園を見つめる隆子。
「ずいぶん進みましたね。
 これ、君一人で?」校長が声をかける。
「なんか、時間があったんで。」
「ふーん。
 まだ何か、やることはあるのかな?」
「あ・・もう帰ります。」
隆子が立ち上がる。
「お!待ち人来るかな?」
太郎が息を切らしてやって来た。
「本当に戻ってきてくれた・・・。
校長は、また二人に気を利かせそっと立ち去る。

「ごめん。終わっちゃった?」
「ううん。いいの。勝手にやっただけだから。」
「あ・・あのさ、お詫びっていったら変なんだけど、
 今夜うちでパーティーやるから、
 もしよかったら、来ない?」
「え!?」
「パーティー!?パーティーって、あのパーティー!?」
仮面舞踏会を妄想する隆子。
「・・こんな格好で・・平気?」
「全然大丈夫だよ!行こう!」
太郎は戸惑う隆子の手を取り、歩き出す。

校長がそんな二人を嬉しそうに見送っていた。

「池上隆子、今夜、王子様のお屋敷に、
 お招きを受けました!
 ダンスは上手く踊れないけど・・・」


「もうすぐだよ。」
「・・・はい!」

「ごめんなさい、みなさん。
 私、一足お先に、玉の輿に・・乗ります!」


「ここ。俺んち。」
「・・・え!?え!?え!?え!?」
太郎の家族が笑顔で太郎を迎えている。

「あら!隆子!」なぜか母・まりあもいる。
「嘘・・・こんなの・・・いやーーーーーっ!!」

山田家の近所の階段を歩く男。
ジャケットにはあのカエルのパッチワーク。
和夫(松岡 充)だ!

バーベキューを楽しむ家族の姿に満足げな太郎。
その笑顔は、チラシにあった幸せそうな家族の笑顔と同じだった。
まりあと御村が太郎に寄り添い微笑む。

「あんちゃんお肉焼けたよ!」
「おぅ!」

「なんかいい匂いがする!!」
笑顔を輝かせる和夫。

太郎は幸せそうに家族の笑顔を見渡していた。


※一部公式HPあらすじを引用しました。



太郎が広告を見つめていたのは、あの幸せそうな家族の笑顔。
太郎が一番欲しかったのは、肉ではなく、家族の笑顔だったんですね。

妄想シーンが多くて、ちょっと飽きてきたかなー。
隆子が太郎を、お金目当てでしか見ていないところが
ちょっとつまらないんですよね。
もちろん、これから彼女が変わっていくために、
必要な描写なんですけれど・・・。

そんな中、隆子のお父さんがとってもいい味を出しています。
「パパは、相手が金持ちだろうが、貧乏だろうが、
 イケメンだろうが、ブサイクだろうが、
 そう・・・お前が・・・幸せになってくれれば・・・」
そんな父の願いはまだ娘には届きませんでしたが、
いいお父さんです!

まりあが山田家を訪れる場面からグっと引き込まれていきました。
人情もろいまりあのお母さん。
貧しくても笑顔でいっぱいの山田家に、心をぐっと捕まれたんですね。
なんだかじーんとしてしまいました。
松坂牛限定1個特別セール、本当にあったら事故が起きそうで
危険!
セールや人ごみが苦手な私はいくらお安くても戦いに挑めそうにも
ないので、太郎やまりあの、家族の為に頑張る姿や愛情の深さは
やっぱり温かくていいな〜と思います。

隆子が3話で太郎がお金持ちではないと知ってしまったのが
意外でした。
今後彼女の妄想は、彼女の太郎への思いはどうなってしまうのか!?
予告を見ると新たな王子様登場!?それが和夫!?

次週、やっと和夫が家に戻ってきます。
なぜか外国人たちと共に!?
話のつなげ方が上手ですね!続きが早く見たいです。



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キャスト

山田太郎 ・・・二宮和也
御村託也 ・・・櫻井 翔
池上隆子 ・・・多部未華子
杉浦圭一 ・・・忍成修吾
中井正美 ・・・大塚ちひろ
      ◆
鳥居京子 ・・・吹石一恵
永原眞実 ・・・吉沢 悠
大崎新之助・・・福井博章
池上まりあ・・・柴田理恵
池上龍之介・・・六平直政
執事・磯貝・・・綾田俊樹
御村聖一 ・・・麿赤兒
御村露子 ・・・西田尚美

山田次郎 ・・・鎗田晟裕
山田三郎 ・・・清水尚弥
山田よし子・・・村中暖奈
山田五子 ・・・吉田里琴
山田六生 ・・・澁谷武尊
山田七生 ・・・稲垣鈴夏
      ◆
山田和夫 ・・・松岡 充
山田綾子 ・・・菊池桃子
一ノ宮校長・・・宇津井健


スタッフ

原作:森永あい『山田太郎ものがたり』
   (角川書店 あすかコミックス)
脚本:マギー
チーフプロデューサー:瀬戸口克陽
プロデューサー:高橋正尚・下山潤
演出:石井康晴・山室大輔・川嶋龍太郎
音楽:平沢敦士
主題歌:嵐 『Happiness』
制作:TBSテレビ
製作:TBS


二宮和也さんの主な出演作品



櫻井 翔さんの主な出演作品



松岡 充さんの主な出演作品



菊池桃子さんの主な出演作品



宇津井健さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、魚を何とかゲットしなおした御村、彼が欲しいものとは!友情、兄妹、それとも新しいオモチャ?なにか企んでいそうですね!

鳥居先生も永原に妄想モードですね、耳元でつぶやくのは完全なMとS大崎先生の入る隙はないのかな?校長がわざわざ太郎に紹介したのは二人に共通点でもあるのでしょうか?

そうか太郎は家族の笑顔が見たかったのか〜争奪戦でまりあが居なくなったので太郎が上に掲げた瞬間、横取りするのかと…あとで野菜やコンロを買ってきた二人にホロっとしました!

早いですね!隆子が太郎の家庭を知るのが、その分残りの脚本がしっかり出来ているのかな?和夫が帰ってきたり謎の外人うまく繋ぎますね、区切りをつけることでごちゃごちゃしなくていいかも?嗅覚のよさは和夫譲りなのですね!

池上家の両親は素敵ですね!いちばん幸せなのは隆子かな?早く気付いて欲しいです〜
Posted by けた at 2007年07月21日 20:14
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山田太郎ものがたり 第3回 感想
Excerpt: 『告白vs.夢の松阪牛』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2007-07-21 14:36

山田太郎ものがたり 第3話:告白vs夢の松阪牛
Excerpt: 肉ゲット、おめでと〜( ̄∇ ̄ノノ"パチパチパチ!!<br />これって限定1名様だったの?太郎、すげぇぇぇ〜!!!よく出来ました!{/face_naki/}<br />つか、セールがスタートし、場面がスローになり、大草..
Weblog: あるがまま・・・
Tracked: 2007-07-21 16:14

二宮和也&櫻井翔(嵐)&amp;amp;多部未華子 山田太郎ものがたり第3話 告白VS夢の松坂牛
Excerpt: 第3話 告白VS夢の松坂牛<br />横綱コロッケに、オープンセールで2kg 98円も松阪牛争奪戦と、なんだか食い物ネタに走りまくっているような感じの山田太郎ものがたりですが、最後はやはりホロっとさせてくれました..
Weblog: レジェンド オブ ウルトラマン(*^-^)ゞドラマレジェンド(o`・ω・)ゞ
Tracked: 2007-07-21 16:50

山田太郎ものがたり(第三話)
Excerpt: http://sapuri777.fc2web.com/index.html<br />↑美容と健康のサプリ情報館のリポートです。<br /><br />トップページにある以外の記事は、左側のリンクの下、「最近の記事」か「カテゴリー」で..
Weblog: テレビなコラム(テレコラ)
Tracked: 2007-07-21 17:25

TBS「山田太郎ものがたり」第3話:告白 VS 夢の松阪牛
Excerpt: まさか太郎が、母親が言う「庶民だけどイケメン」であり、太郎が庶民どころか貧乏とは、まったく想像もしてみなかったことで、大きなショックを受けます。
Weblog: 伊達でございます!
Tracked: 2007-07-21 19:08

山田太郎ものがたり 三話
Excerpt: を見た。<br /><br />松坂牛2キログラムが、98円って!!!<br /><br />ありえへん!絶対にありえへん。<br />しかもお一人様限りってどんなスーパーやねん!<br />ってか午後からそんなの売るわけないやん。<br />目玉商品ってのはたいてい午前中の開店直後..
Weblog: Simple*Life
Tracked: 2007-07-21 20:28

山田太郎ものがたり 第3話
Excerpt: 玉の輿に乗るのが夢な隆子。<br />隆子の勘違い妄想が楽しかったなぁ。。。<br />でも、隆子の夢敗れたり?<br />太郎が隆子の母に弟子入りした時から、いつかはバレるだろうな〜って<br />思ったけど。。。バレちゃいましたね。
Weblog: アンナdiary
Tracked: 2007-07-22 08:29

山田太郎ものがたり 第3話「告白VS夢の松坂牛」
Excerpt: 第3話「告白VS夢の松坂牛」
Weblog: Happy☆Lucky
Tracked: 2007-07-22 16:48

山田太郎ものがたり 松坂牛〜щ(゚Д゚щ)
Excerpt: 前回の女装が面白かったので今回も見る事に(笑)<br />今回は隆子ママに弟子入りです(o^-\')b<br /><br />今までの感想はこんなかんじ(o^-\')b<br />一話山田太郎ものがたり 脇役いいね(o^-\')b<br />二話山田太郎ものが..
Weblog: zenの日記
Tracked: 2007-07-22 19:57

山田太郎ものがたり 第三話
Excerpt: ●キャスト<br />二宮和也<br />櫻井翔<br />多部未華子<br />菊池桃子<br />松岡充<br />吹石一恵 他〜<br /><br /><br />●主題歌<br />嵐「Happiness」<br /><br /><br />●原作<br />山田太郎ものがたり (第5巻)/森永 あい<br /><br /> <br />¥420 <br />Amazon.co.jp <br /><br /><br />山田太郎ものがたり ..
Weblog: ちょっと変な話
Tracked: 2007-07-22 23:28

「山田太郎ものがたり」(第3話:「告白 VS 夢の松坂牛」)
Excerpt: 7月20日に放送された「山田太郎ものがたり」は、太郎(二宮和也)が隆子(多部未華子)と一緒に学校の畑仕事の手伝いをしたり、太郎が隆子の母・まりあ(柴田理恵)に弟子入りしたりする、というエピソードだ。ま..
Weblog: 鉄火丼のつれづれ日記
Tracked: 2007-07-24 00:21

山田太郎ものがたり 第3話
Excerpt: 山田太郎ものがたり 第3話<br />TBS 2007/07/20 (金) 22:00〜<br />「告白VS夢の松坂牛」<br /> <br /> <br />★はじめに<br />  <br />え〜、今回は太郎と御村の特売特訓なのだが、<br />松阪牛に走るまりあが、途中で消えるのは、ち..
Weblog: シャブリの気になったもの
Tracked: 2007-07-27 19:57
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