2007年08月16日

ホタルノヒカリ 第六夜

『干物女のキス』

ついにマコト(加藤和樹)に思いを告げた蛍(綾瀬はるか)。

マコトから電話がかかってきた。
「突然、あんなこと言ったりして・・
 おろ・・驚かれたんじゃ・・」
「嬉しかったです。
 俺、嫌われてると思ってたから。」
「そんな!
 ・・部長!!」
家に上がりこんだ猫を追い、高野部長(藤木直人)がそっと
部屋に入ってきた。
「シーッ!」慌てる高野。
「部長!?」とマコト。
「いえ、あ、あの、
 部長によく似たニャンコが、時々、うちの庭にやってくるんです。」
「雨宮さん、一軒家なんですか?」
「え?・・ええ。」
「一人で?」
「え・・」「アイタッ!」高野が何かを踏みつける。
「うわっ!大丈夫ですか?」
「シーーーッ!」

「誰かいるのかな・・。
 もしもし?
 もしもし?」とマコト。
「あ・・もしもし。」
「ご両親と一緒に住んでいるんですか?」
「あ、いえ・・家族は、松本の方に。」
「じゃあ、お盆休みは実家に?」
「いえ。そういう予定は。」
「予定がないなら、あの・・
 よかったら・・」
「・・・はい!」

縁側で高野の足の手当てをする蛍。
「「良かったら、」「はい。」
 「会いませんか。」「はい!」
 今までのぎこちない会話が、嘘みたいにスムーズに!
 このお盆休みは、手嶋さんとデートすることが決定しました!」
「嬉しいのはわかるが、コントに出てくるみたいな包帯の巻き方は
 やめてくれ。」
「でも、痛いんじゃ。」
「誰かが食べこぼしたせんべいの欠片を踏んづけたからだろ。」
「あー、あれ痛いんですよねー、せんべいの欠片って。
 誰がそんなの食べこぼしたんでしょうねー。」
「もういいって。」
「・・・部長も、うまくいくといいですね。」
「何が。」
「奥さんと仲直り。」
「・・・」
「ちゃんと言えるといいですね。
 君が好きだもん。
 君を失いたくないもん。」
「そんな言い方しないもん!」
「そう言ってたじゃないですか!」
「いいから、私のことはほっとけ!」
「そういうわけにはいきません!
 部長のことも心配です!
 奥さんと、もう1度、やり直すことは出来そうですか?」
「・・・ああ。」
「本当に?」
「大丈夫だよ。」
「良かったー!」
「君は、自分のことだけ心配してろ。
 今度こそ失敗するんじゃないぞ。」
「はっ!!」嬉しそうに敬礼する蛍。

高野の部屋。
高野は離婚届を見つめ・・・。

翌日。会社。
社内で目が合い微笑み合う蛍とマコト。
18時。
「明日から、夏休みー!」社員たちがはしゃぐ。
「でも3日間だけだけどねー。」
社員の一人が、夏休みにバーベキューをしようと提案する。
だが誰も乗ってこない。
「手嶋、付き合っちゃれや。」神宮寺要(武田 真治)が言う。
「あ、俺は雨宮さんとの約束が。」
みんなが一斉に二人に注目する。
「蛍と!?」と神宮寺。
「君たち、夏休み一緒に過ごすの!?」

「すみません、俺・・」手嶋が蛍に謝る。
「いえ。」

「どういうこと!?俺、てっきりさ・・」
みんなが今度は優華(国仲 涼子)を見つめる。
気にしてない素振りで仕事をする優華。

蛍とマコトは、こうしてインテリア事業部公認のカップルと
なったのである。

仕事後、男性社員が会議室で乾杯する。
「どこがええんじゃ?
 手嶋、蛍のどこがええん?」神宮寺が聞く。
高野が心配そうに二人を見つめる。

高野家の縁側。
高野がその時のことを蛍に話す。
「で・・手嶋さんは、何て言ってたんですか?」
「彼は、君の干物っぷりには気付いていない。
 まあ会社での姿しか見てないから、
 当然といえば当然だが。」
「はい・・。」
「時折舞い上がってしまう、君の妙な行動も、
 一つのミステリアスな魅力と捉えている節がある。
 彼は何なんだ。残念な男なのか?」
「何言ってるんですか!
 彼女が出来たんだから、おめでとうとかでしょ?」
「ある意味ではめでたい男だがな。
 君を、素敵な大人の女性と思っているようだから。」
「素敵な大人の女性・・」
「ああ。」
「ありがとうございます!!」
「問題は、私も素敵な大人の男性だと、」
「失礼いたします!!」
「聞けよ!
 いいか?
 大人の女性と、大人の男性が一緒に暮らしてるって知ったら、
 たとえそこに何もなくても、世間はそうは思わない。
 手嶋だって誤解するに決まってる。
 わかるか?」
「はぁ・・じゃあ、部長の奥さんも?」
「私の妻のことはいい。
 君の話だ。
 社内で君と手嶋のことが、公になったからには、
 絶対に、」
「わかりました!!
 私と、部長が同居していることは、
 絶対にバレないようにします!!
 雨宮蛍、素敵な大人の女性として、がんばります!!」
蛍は高野にそう言うと、スルメを噛む。

「ずっと昔。
 遠い夏の記憶。
 幼かった私の手の中にいた、
 小さなホタル。
 今にも消えてしまいそうな、小さなヒカリ。」


デートの日。
蛍が表参道に到着する。マコトはまだ来ていない。
「大人の女性・・・。
 大人の女性っていうのは、少し遅れてくるのかも!
 ・・いや。大人だから早く来るのか!?
 わからない・・。大人がわからない!」

「お待たせー!」
「しまった!油断している時に!」
「だーれだ?」誰かが蛍を目隠しする。
「なんてことを!お茶目な手嶋さん!」
「そんな・・決まってるじゃないですか。」
振り返ると、そこにはマコトではなく神宮寺が立っていた。
「おっす!」
「何で要さんが!?」
「暇じゃけ。
 おー、来た来た!手嶋、こっち!」
「要さん!どうしたんですか?」
「三人で遊園地でも行かんか?」
「どういう・・ことですか?」マコトが蛍に聞く。
「さあ・・」
「どうしよう・・。
 どうやってこの邪魔者を追い払う!?
 ・・・待てよ。
 私は、大人の女性。
 大人は余裕のあるところを見せなければ。」

「あ・・じゃあ・・行きましょうか。」
「え!?三人で!?」とマコト。
「話わかるのー、蛍!
 ほいじゃ三人いうのもなんだしー、
 もう一人呼んでー、」
「もう一人!?」と蛍。
「ダブルデイト!」

遊園地。
マコト&蛍が同じアトラクションに乗る。
(空中自転車?)
神宮寺&優華とすれ違い、微笑みあう。

「どういうつもりなんですか!
 これ終わったら帰りますよ!」と優華。
「せっかく来たのに!?」
「要さんを連れ戻すために来たんです!
 二人の邪魔して、何になるって言うんですか。」

「・・なんか、もめてるみたいですね。」蛍がマコトに言う。
「ああ・・・」
「なんだ・・この空気は・・。
 大人の女性なら・・この状況、どう脱する?
 はっ!!
 そもそも大人の女性は、ダブルデートなんてしないんだよっ!
 間違えたーーっ。」


優華が神宮寺を連れて帰っていく。

「お願い!もう二度とこんなことしないで下さい!
 お願いします。」
優華は神宮寺にそう言うと、先に帰ってしまう。

「じゃあ・・私達も帰ります?」蛍がマコトに言う。
「え!?」
「間違えた!?また、間違えたか!?」
「わかりました。じゃあ、送っていきます。」
「・・はあ。」

街を黙って歩く二人。
「怒ってるのかな・・・。
 がっかり、してる?
 楽しくなかった!?
 楽しく・・なかったよね・・。
 ごめんね。ごめんよ、こんな女で・。」

「雨宮さん。」
「はい!」
「さっきから、同じとこ、ぐるぐる回っているような、
 気がするんですけど。」
「!!
 そっか。じゃあ、ここで結構です。」
「うちまで送ります。」
「とんでもない!ここで、失礼します。」
「でも・・」
「さよなら。」
蛍はそそくさと帰っていく。

後ろを確認し、高野家に入っていく蛍。
玄関に寝転がり、考える。
「バツだ・・・。
 恋愛をずっとサボっていた・・バツだ!
 デート一つ、満足に出来ない・・・。」


部屋の置くに行くと、高野はアイロンを掛けていた。
「おかえり。」
「ただいま。」
「なんだか、お疲れだな。」
冷蔵庫を開け、嬉しそうにビールに手を伸ばそうとすると、
電話が鳴る。
マコトからのメールだ。
「あっ!!」
動揺する蛍は、携帯をアイロン掛けする高野の方に放る。
「何?」
「手嶋さんから・・メール。」
「私にか?」
「私に!」
「またかよ。自分で読め。」
「私に死ねと言うんですか!?」
「素敵な大人の女性が、何言ってんだ、ほら。」
仕方なく携帯を受け取る蛍。
メールには、
『07/08/15 19:36
 明日は2人で
 ドライブに行きませんか?』
とあった。
「ドライブ!?
 やった!リベンジだ!
 明日はうまくやってやるーっ!」浮かれまくる蛍。
「今日はうまくいかなかったのか?」と高野。
「・・・あ・・は・・明日のために、今日は早く、
 寝ーーちゃおっと!
 すみません。今日は部長の相手は出来ません。」
「相手してくれって頼んだ覚えは一度もないよ。
 それよりほら、返信しなくていいのか?メール。」
「あ、そっか!
 返信・・・
 返信・・・
 えっと・・」
「これから干物女に変身します。」
「返信と、変身をかけた、親父ギャグですね!」
「・・・」
「そんな返信できません!
 えっと・・・
 こういうのはどうでしょう。
 私は今、アロマテラピーを、楽しんでいます。」
「素晴らしい、嘘だな。」
「じゃあ・・・こういうのはどうです?
 私は今、」
そこへ再びマコトからのメール。
「考えているうちに又来た!」
『07/08/15 19:38
 たびたびすいません
 ところで雨宮さんは、
 ひとり暮らしですよね?』
「!!部長!!」
「いきなり確信をついてきたな・・。」
「何て返しましょう。」
「はいって打っとけ。」
「え!?
 ・・・嘘つくって・・心が痛みます。」
「さっきアロマテラピーがどうとか!」
「嘘の規模が違うじゃないですか!
 はぁぁぁどうしようかなーーー。」
縁側に横になる蛍。
「寝るな!」
「だってー、何て書いていいかわかんないもーーん。」
「さっと受け流して、別の話題振っとけ。」
「はぁ・・・。」
またメールが届く。
「考えてたら、また来た!」
『07/08/15 19:4
 ごめんなさい
 もう寝ちゃったのかな・・・
 お休みなさい』
「部長!向こうから会話を終わらせてくれました!」
「メールを打つことに慣れてなかった、自分に、感謝するんだな。」
「はぁ!」

蛍の部屋。
スルメを食べながらドライブの情報誌を広げる蛍。
「ドライブかー。
 最近のドライブはどうなんだろうなー。
 うん!?
 大人の女性のドライブ。
 セクシーな誘惑!?
 ・・・おぉ!これだ!!」

朝。
洗面所の鏡に、セクシーポーズを決めてみる蛍。
「早くしてくれないか。会社行くんだから。」
高野がノックする。
「お休みなのに!?」
「管理職は部下が休みの間もいろいろやることがあるんだ。
 早くしろ!」
蛍が戸を開ける。
「どうです!?クラクラします!?」
「はっ!?」
「セクシーな女が、ほらここに!」
「え!?どこ??どこどこ??」
「ここですよ!私です!!」
「・・ま、多少、大人っぽくは見えるがな。」
「よっしゃーっ!
 今日のデート、作戦を立てたんです。
 名づけて、セクシー!大作戦!!エヘッ。」
唖然とする高野。

マコトが運転する車の助手席に座る蛍。
マコトにウィンクしてみると、
「雨宮さん。」
「はい。」
「眠いんですか?」
「・・・」

高野が会社に行くと、男性社員たちが来ていた。
みんな、特に予定もなく、会社に来てしまったらしい。
女性社員のいない職場の開放感を味わいたくて来たと豪徳寺。
筋トレしている社員もいる。
神宮寺も、家にいるとイライラすると言い出社。
「この職場の男たちは・・みな休みをもて余してしまうのか・・。」

緊張からか、車の中でお茶をがぶ飲みする蛍。
「何か話しかけなきゃ。」
「手嶋さんは、普段、どんな音楽聞くんですか?」
「雨宮さんは何を聞くんですか?」
「え・・・」
「何にしよう・・・。
 大人の女は・・・」
「ボサノバです。」
「ボサノバ!?」
「間違えた!?
 話題を変えよう!」

「血液型は、何型ですか?」
「AB型です。」
「・・好きな食べ物は、何ですか?」
「好きな食べ物ですか?」
「中学生かよ、自分!
 どうすればいいの?
 逃げ場なしのドライブデート。
 私には難易度が高すぎるーーーっ。」


会社。
会社にやってきた社員たちは、書類のある場所も、
コーヒーの粉のある場所も、発注伝票のある場所もわからない。
高野が全部そろえると、男性社員たちは
「おーーっ。」と感心する。
「うわーー。お盆休みなのにここはいっぱい人がいる!
 嬉しいなーー。」
嬉しそうに二ツ木(安田 顕)がやって来た。
「何だお前もかよ・・。」

ドライブ中の2人。
居眠りから覚める蛍。
「しまった!緊張のあまり寝てしまった!!」
「今・・私・・寝てましたよね。」
「・・・」
「すみません!!」
「いえ。」マコトが微笑む。
「しかも最悪!
 昨日の、ビールか!?」

「あの・・すみません・・。
 ご不浄に・・」
「え!?」
「トイレに行かせて下さい!」
「わかりました!ちょっと待って下さい。」

トイレから出て来た蛍。
「宇宙のちりになりたい・・。」

表参道に車が到着する。
「・・・どうも、ありがとうございました。」
「雨宮さん。やっぱり、家まで送ります。」
「いえ、ここで結構です。」
「送らせて下さい。」
「ここで、結構ですから。失礼します。」
蛍が車から降りる。
「さようなら。」
そう言い走り出す蛍に、マコトは・・・。

デート後、マコトは会社に出社した。
「手嶋!」驚く高野。

高野家。
縁側でビールを飲みながら落ち込む蛍。
「あーあ・・。メールが来ない・・・。
 今日は手嶋さんからメールが来ない・・。」

携帯を見つめるマコト。
「どうした?」高野が声を掛ける。

その頃、山田姐さん(板谷 由夏)は恋人とプールサイドにいた。
そこへ神宮寺がやって来た。
「要!?」
「あ!見つめた!恋愛ハンターのおばさん!」
「おばさんじゃありません!
 何なのよー。」
「ちょっと相談に乗ってもらいたいことがあるけん。」
「しょうがないわねー。」
その時、山田姐さんの携帯が鳴る。

「あの、お休みのところ、すみません。」
電話をしたのは蛍だった。
「あの・・・ちょっと・・相談に乗ってもらおうかと思って・・。」
「しょうがないわねー。」

山田姐さんのもう一つの携帯が鳴る。
「もしもし?」
「あ、もしもし。ちょっと、相談に乗ってもらおうかなと
 思ってさ。」と豪徳寺。
「あなたに、悩みがあるとは思えません。お大事に。」
山田姐さんは電話を切ってしまう。

「もしもし、蛍?」
「はい!」
「仕事の悩み?それとも、恋の悩み?」
「・・仕事じゃ・・ない方の悩みです。」
「はーー。恋かー。
 あのね、恋の悩みに、正解なんてないの。
 もし正解があるとしたら、それは、自分が出した答え。 
 それが正解よ。わかる?」

「わかった。ほいじゃ。」神宮寺が帰っていく。
「え!?要!?」

「ごめんね。」山田姐さんが蛍に言う。
「はい。」
「何があったか聞かないけど、いいことじゃない。
 恋に悩むってことは、その恋を大切にしようって思ってるって
 ことよ。
 夏なんだもん、じゃんじゃん悩んだ方がいいわよ。
 じゃあね!」
「・・・はい。」

バーのカウンター。
「雨宮が男と住んでる!?」と高野。
「電話をかけた時に、誰かいるような気がしたんです。」
「気のせいだろ・・」
「以前、彼氏がいるって聞いたこともあって。」
「いないよ。」
「どうしてわかるんですか?」
「・・彼氏は君だろう。
 夏休み一緒に過ごすって。」
「あんまり楽しそうじゃないんですよね・・」
「緊張してるからじゃないのか?」
「うちまで送るって言っても、結構ですって。
 俺嫌なんです。」
「もう嫌になったのか!?雨宮のこと。」
「こんなことで、いちいち悩む、自分が嫌なんです。」
そう言い酒を煽るマコト。

高野家。
携帯を見つめる蛍。
「メール届いてないのかなー。
 (電波の棒)3本立ってるよな・・。」
がっくりと肩を落とす蛍。
その時、電話が鳴る。
「なんだ、部長か・・。
 もしもし?」
「素敵な大人の女性の君に、謝らなければならないことがある。」
「あら。何ですの?素敵な大人の男性さん。」
「今、表にいる。」
「え?」

玄関を開けると、高野が戸を背に立っていた。
「どうしたんですか!?」
「だから、いるんだ!」
「は?何が?」
「表に・・・表のタクシーの中に・・・手嶋が。」
「え!? 
 あーーーっ!!
 どうしてですか!?」
「君は、着替えた方がいい。」
「え!?
 はぁぁ!?
 もうっ!!」

「何着よう。えっと・・
 部長のジーパン貸して下さい!!
 部長!?」
高野の部屋に行くが、高野はいない。
「あれ!?部長!?」
高野が庭で、石を積み上げている。
「部長!!何やってるんですか!」
「・・・」黙々と石を積み上げる高野。
「・・・部長・・・酔ってるんですか?
 部長!?酔ってるんですね!!」
高野が蛍の倒れ掛かる。
蛍の膝に頭を乗せ、蛍を抱きしめる高野。
「ミユキ・・・。」
「ミユキ!?・・・奥さん!?」
「ミユキ!
 お前・・・太ったな。」
「はぁ!?ちょっと部長!しっかりして下さいよ!
 私は奥さんじゃありません!
 アホ宮です。 ア・ホ・宮!
 ちょっとしっかりして下さいよー。
 部長ー!」

「お客さーーん。
 熟睡してますからね、
 置いていきますよー。」
タクシーの運転手が手嶋を玄関に寝かせる。

玄関ではマコトが熟睡。
庭では高野が熟睡。
部屋は散らかっているし、着替えも済んでいない。
パニックに陥る蛍。
「部長!部長!!ぶちょー!!」

マコトを何とか和室の布団に寝かせた蛍。
次に、高野を自分の布団へ。
「よし、次!」
その時、やっと高野が目を覚ます。
と思ったら、またすぐ寝そうになる。
「部長!起きて!起きて下さい!
 ・・起きないとチューしますよ!」
その言葉に高野が飛び起きる。
「なんだ君は。なんだここは!」
「私の部屋です!」
「なぜ。」
「部長の部屋の方が綺麗だからです。」
「え?」
「部長の部屋を私の部屋ということにし、
 部長は、同居人の、おタカさんってことにします。」
「は??
 ・・・
 はっ!!」

障子のガラス窓から和室を覗き込む蛍と高野。
「君、一人で運んだのか?」
「うん。火事場のアホ力です。
 部長のものを片付けます。
 手伝って下さい!」
「ああ。」

玄関の靴、髭剃り、派ブラシ、タオル、茶碗を片付けていく2人。
高野が急須を落とし、割ってしまう。
「何やってるんです!静かに!」
「はっ!」
「とりあえず、目に付くとこだけで構いません。」
「はっ!」
「同居人のオタカさんは、散らかし上手ということに
 しておきますから。」
「はっ!
 はぁ!?散らかし上手は君だろ!」
「しーっ!いいから!黙って、急いで下さい。
 早く!」
「はっ!」

蛍の部屋。
正座する高野に、蛍がペットボトルのお茶を渡す。
「どうも、すみませんでした。」と蛍。
「いや、謝るのはこっちの方だ。
 手嶋は大丈夫か?」
「熟睡しています。
 運んだ時も、ピクリともしませんでした。」
「そうか。」
「どういうつもりだったんですか?」
「2人で飲んでいて、途中から、私の妻の話になった。」
「ミユキさん・・」
「付き合ってた頃の話になり、つい・・・」
「泥酔するほど、飲んでしまったんですね。」
「一生の不覚だ。すまない。」
「いえ。」
「君の恋を、台無しにしてしまうところだった。」
「・・・部長。」
「うん?」
「私・・・笑わないで下さいね。
 自分から、誰かに告白したの、初めてなんです。
 今までは、何となく始まって、
 何となく自然消滅して。
 ちゃんと正面きって、好きですって自分の気持ちを伝えたのは、
 手嶋さんが生まれて初めてなんです。
 初めての、大切な、大切な恋なんです。
 部長が、別居中の奥さんのことを、今でもすごく思っているように、
 私も、手嶋さんを失いたくありません。」
「私の妻の話は余計だが・・そっか。」
「部長、私のこと奥さんと間違えて、
 私に抱きついてきましたよ。」
「えぇ!?」
「私のか細いからだに抱きついて、
 ミユキーって。」
「まさか・・」
「私みたいな、素敵な大人の女性だったんでしょうね、奥さん。」
「・・・酒の力は・・・恐ろしいな。」
「でも・・」
「うん?」
「ちょっと、ドキドキしちゃいました。」
「え・・・」
「部長も、男の人なんだなーって。」
「・・・」
「さてと!手嶋をチューして起こすか!」
「そういう無茶はやめろ。」
「え!?チェッ。」

和室。
マコトの寝顔を見つめる蛍。

蛍の部屋。
正座したまま考え込む高野。
「ある時は、ヘビ女。
 ある時は、カメ女。
 ある時は、タイヤ女。
 またある時は、顔なし女。」


手嶋の隣りで眠ってしまった蛍を見つめる高野。
「そして今は・・・ただの女。」

蛍にタオルケットをかける高野。
蛍の手はマコトの手に重なっていることに気付く。

高野が家を出ていく。

翌朝。
風鈴の音にマコトが目を覚ます。
「雨宮さん!?」
「はっ!!
 おはようございます。」
「おはようございます。
 ・・・あの・・」
「大丈夫ですか?」
「え?」
「すごい飲んじゃったみたいだから。
 具合はどうですか?」
「大丈夫です。」
「良かった!」
「あの・・」
「昨夜、部長が・・」
「ああ。」

お茶を入れる蛍。
マコトは縁側に腰掛け、庭を見つめている。
縁側の下に並んだ二つのスリッパ。
茶色い大きなスリッパには、『タカコ』と名前が書いてある。
「お茶、どうぞ。」
「すみません。」
「なんか、変な感じ。
 手嶋さんがうちの縁側にいるなんて、考えたこともなかった。」
「いい縁側ですね。」
「ほんと!?」
「なんか、のんびり出来るっていうか。」
「そうなんです!
 ここで、一日の終わりに缶ビールを飲むと、
 すっごい美味いんです!
 ・・・」
「わかります。」
「え?」
「俺、雨宮さんが会社の屋上で、自分を励ましているとこ、
 見かけたことがあるから。」
「・・・」
「そっかー。
 ここが雨宮さんが元気を取り戻す場所なんだ。
 ほっとする場所ですね。」
マコトの言葉に嬉しそうに微笑む蛍。
「美味しい!」とマコト。

マコトを駅の近くまで見送る蛍。
「じゃあ、ここで。」
「はい。」
「同居人のオタカさんによろしくお伝え下さい。」
「はい。」
「部長にもお詫びしなきゃ。」
「はい・・。」
「突然押しかけて、すみませんでした。」
「いえ。気にしないで下さい。」
「じゃあ。」
「じゃあ。」
「・・・あの!
 本当は、誰か男の人と一緒に暮らしているんじゃないかって、
 ちょっと、疑ったりしてたんです。
 家まで送ろうとすると、嫌がったから。」
「すみません・・」
「いえ。
 勝手に疑ったりして、すみませんでした。
 じゃあ。」
「じゃあ。
 ・・あの!」
「はい。」
「お部屋、散らかってて、すみませんでした。」
「いえ。」
「あの家は、あの縁側は、私のお気に入りなんです。 
 ほっとする場所だって、手嶋さんが言ってくれて、
 嬉しかったです。」
「はい!」
「また、誘って下さいね。
 ドライブも、遊園地も。
 リベンジ、させていただけますか?」
「はい!!」
「じゃあ、また!」
「じゃあ、また!」
お辞儀をして別れる2人。
と、マコトが蛍の元に駆け寄る。
「今から行きましょう!」
「え?」
「もう一回行こう!遊園地。」
「え?」
マコトは蛍の手を取り、そして走り出す。

家を覗き込む高野。
マコトがいないことを確認し、ほっとする。
縁側に、湯のみが二つ並んでいる。
少し寂しそうに高野が微笑む。

この時の高野部長、私には寂しそうに見えました。

遊園地。
子どものように楽しそうに遊ぶ二人。

高野家。
湯のみをい洗い、掃除機を丁寧にかけ、冷蔵庫を掃除する高野。
掃除を終えて縁側に座ると、考え込む。

遊園地のゲームセンター。
ゲームではしゃぐ蛍。
プリクラでいろんなポーズを決める。

高野家。
離婚届を記入していく高野。
署名をし、判を押した。

桟橋を歩く2人。
「昨夜、高野部長が話してくれました。」
「何を?」
「奥さんと付き合っていた時のこと。
 初めて、デートしたときのこと。
 初めて手をつないだときのこと。
 いつの間にか、忘れちゃうんだよなって。」

「偉く緊張してたはずだし、
 かなりドキドキしてたはずなんだけど。
 いつの間にか忘れちゃうんだよな。
 あの頃に戻りたいとは思わないが、
 いや、思ったとしても、戻れるわけないが、
 もし、私が今の君だとしたら、
 繋いだ手は、二度と離さない。」
高野はマコトにそう話していた。

「だから君も、話しちゃダメだって。
 酔って覚えてないかもしれないけど、応援してくれました。」
「・・・」
「蛍さんって、呼んでもいいですか?
 ・・・いいなな?」
「・・・はい!
 じゃあ・・私も、マコトさんって呼んでもいいですか?」
「はい!」
「マコトさん!」
「蛍さん!」
マコトが手を差し伸べる。その手を取る蛍。
2人は手をつないで歩き出す。
「マ、マコトさん!」
「蛍さん!」
「マ・・マコトさん!」
「蛍さん!」
名前を何度も呼び合う2人。
「ああ・・・これが、いわゆるラブラブモード。
 私達、出来たてラブラブバカップルー!!」

マコトが立ち止まる。
見詰め合う2人。
「す・・すみません。」
「いえ。」マコトが微笑む。
そして2人は、キスを交わした。

「ああ・・・ありがとうございまーーーす!!」

ポストの前。
妻・深雪宛ての封筒を見つめる高野。
そして、高野はそれをポストに投函した。

お花のお稽古が終わった優華を、要が待っていた。
「またですか?今度は何ですか?」
「俺がお前に会いたいけ誘いに来た。
 それだけじゃ。」
「・・・」
要が優華にヘルメットを渡し、バイクにまたがる。
「乗れ。」
「・・・要さん。
 私・・・あっちがダメならこっちって・・
 簡単じゃないんです。
 要さんじゃダメなんです。」
「・・・」

高野の家に、すいかを手に二ツ木が訪ねてくる。
「なんだ、留守か。
 突然来てびっくりさせてやろうと思ったのにな!
 どうしよっか。」すいかに語りかける。

高野に声を掛ける蛍。
「部長!!ただいま!ただいまただいま!ただいまただいま!」
「何だよ鬱陶しいなー。
 デートがうまくいったのか?」
「わかります!?」
「全身に書いてある。」
「エヘヘヘ。
 あ!何か作って下さい!」蛍が買物袋を提げる高野に言う。
「何で私が!」
「じゃあ私が作りましょうか!?
 何買ったんです!?」
「見せないもーーん。」
「いいじゃないですか!」
「ほら!」高野が蛍に鍵を渡す。
「はっ!」鍵を開ける蛍。
「どうぞ!
 ただいまー!」
高野、そして蛍が家に入っていく。

高野の庭をスイカが転がっていく。
「・・・どういうこと!?
 あの2人!!どういうこと!?
 ・・・一緒に・・・暮らしてる!?
 嫌だっ!!嫌だーーーっ!!」
二ツ木が走り去る。


※一部公式HPあらすじを引用しました。



大人の女性を演じる蛍。
マコトとの初心者デートが初々しくて可愛かったです。
会話が弾まず、焦る気持ちが懐かしい。(笑)

「でも・・」
「うん?」
「ちょっと、ドキドキしちゃいました。」
「え・・・」
「部長も、男の人なんだなーって。」
「・・・」

この時、高野部長はどう感じていたんでしょう。
複雑な表情を浮かべているように見えました。

やっぱり、蛍は高野部長と一緒にいるほうが蛍らしいかなー。
ありのままの自分でいられるって、一番ですよね。
蛍にとって、高野部長は、縁側と同じ。
一番リラックスできる場所なんだと思う。

蛍とマコトのデートを邪魔しようとした要。
でも、蛍も悩んでいると知り、優華に怒られたこともあり、
引き裂くことは諦めたようです。
「要君じゃ、ダメなんです!」
と優華に言われてしまった要も辛い!

夏休みに会社に集まる男性社員たち。
女性社員はオフとオンをきっちり切り替えているんですね。
女性社員がいないと物の場所がわからない男性社員たちは、
高野部長以外、少し女性社員に頼りすぎ?
この課の女性社員たちはみんなカッコイイです。



ランキングに参加中!応援クリックよろしくお願いいたします。
人気blogランキング    TV Drama Ranking



干物女、七変化!?
第一話・干物女
第二話・ヘビ女
第三話・カメ女
第四話・タイヤ女 オオカミ女
第五話・顔なし女


加藤和樹さん、音楽活動もされています。
instinctive love(DVD付)
instinctive love(DVD付)加藤和樹 �G�C�x�b�N�X�E�G���^�e�C�������g 2007-07-25売り上げランキング : 511Amazonで詳しく見るby G-Tools
Kazuki Kato 1st Anniversary Special Live “GIG” 2007 Face (DVD付) instinctive love 加藤和樹デビュー1周年記念ブック「BREAK!」 そばにいて(DVD付)


原作
ホタルノヒカリ 9―IT’S ONLY LITTLE LIGHT IN MY LIFE (9) (講談社コミックスキス)
ホタルノヒカリ 9―IT’S ONLY LITTLE LIGHT IN MY LIFE (9) (講談社コミックスキス)ひうら さとる 講談社 2007-07-13売り上げランキング : Amazonで詳しく見るby G-Tools
ホタルノヒカリ 8―IT’S ONLY LITTLE LIGHT IN MY LIFE (8) (講談社コミックスキス) ホタルノヒカリ―IT’S★ONLY★LITTLE★LIGHT★IN★MY★LIFE (7) ホタルノヒカリ―IT’S★ONLY★LITTLE★LIGHT★IN★MY★LIFE (6) ホタルノヒカリ―IT’S★ONLY★LITTLE★LIGHT★IN★MY★LIFE (5) ホタルノヒカリ―IT’S★ONLY★LITTLE★LIGHT★IN★MY★LIFE (4)


キャスト
雨宮 蛍 ◇ 綾瀬 はるか 

三枝 優華 ◇ 国仲 涼子
手嶋 マコト ◇ 加藤 和樹(新人) 
神宮司 要 ◇ 武田 真治
山田 早智子 ◇ 板谷 由夏
二ツ木 昭司 ◇ 安田 顕
曽野 美奈子 ◇ 浅見 れいな
沢木 瞬 ◇ 渡部 豪太 
田所 潤平 ◇ 渋江 譲二 
室田 鈴子 ◇ 松本 まりか
香住 初子 ◇ 松下 さら 
豪徳寺 賢 ◇ 丸山 智己
山口 隆俊 ◇ 松永 博史

高野 誠一 ◇ 藤木 直人


スタッフ

脚本 ◇ 水橋 文美江

原作 ◇ 「ホタルノヒカリ」 ひうらさとる(講談社「Kiss」連載中)

音楽 ◇ 菅野 祐悟

プロデューサー
 ◇ 櫨山 裕子
◇ 三上 絵里子
◇ 内山 雅博


演出
 ◇ 吉野 洋
◇ 南雲 聖一
◇ 茂山 佳則


主題歌 ◇ 「横顔」aiko (ポニーキャニオン)




綾瀬 はるかさんの主な出演作品



藤木 直人さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、あっさりと二人の仲が会社の皆にばれてしまいましたね!

要の邪魔もあっての初デートはぎこち無く終わりましたが、ドライブデートに誘うマコトもリベンジだったのに、あまりにもネタふりしないのもどうかな?緊張のあまり?寝てしまった蛍より辛かったのかな?

今回は「ただの女!」と形容した部長ですが、部長と蛍の関係も進展の兆し?要のプロポーズは砕け散りましたが、まだ想いが届く可能せいもありますよね!

蛍は中学生からやり直したほうがいいかも?鏡に写して肩出したり、訳わからんウインク、雑誌から切り抜いた姿より部長に見せる姿のほうが可愛い!縁側に息を抜ける三人はどんな恋模様を描いてくれるのでしょうか!

最後の二ツ木の「嫌だ〜」も意味深ですね〜
Posted by けた at 2007年08月16日 21:07
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

ホタルノヒカリ〜第6話・デート!
Excerpt: ホタルノヒカリですが、雨宮蛍(綾瀬はるか)は手嶋とデートします。ただ、武田真治がくっついてきたりして上手くいきません。蛍は相手の気持ちばかりいろいろ考えすぎで、せっかくのデートも全く楽しんでいないよう..
Weblog: 一言居士!スペードのAの放埓手記
Tracked: 2007-08-16 20:02

ホタルノヒカリ 第6話
Excerpt: 恋の悩みに正解なんてないの。<br />もし正解があるとしたら、それは自分が出した答え。<br />繋いだ手は2度と離さない。だから君も離しちゃダメだって。。。山田姐さんも、高野部長もいいこと言うな〜♪<br /><br /><br />
Weblog: アンナdiary
Tracked: 2007-08-16 20:38

ホタルノヒカリ 第6話
Excerpt: ホタルノヒカリ 第6話<br />日テレ? 2007/08/15(水)? 22:00〜? (終戦記念日)<br />「干物女のキス」<br /> <br /> <br />★はじめに<br /> <br />今回も速攻。<br />「リベンジさせていただけますか?」のあと、独特のフフンと笑う綾瀬..
Weblog: シャブリの気になったもの
Tracked: 2007-08-16 21:44

ホタルノヒカリ 第6話「干物女のキス」
Excerpt: 第6話「干物女のキス」
Weblog: Happy☆Lucky
Tracked: 2007-08-16 22:12

「ホタルノヒカリ」第六話 〜汝は既に干物女ではなく女である〜
Excerpt: ついにマコト(加藤和樹)に思いを告げた蛍(綾瀬はるか)。そしてマコトからも「嬉しかった」という返事をもらい、お盆休みに一緒にデートをすることが決定した。<br />しかもマコトがオフィスのみんなの前でデートを公言..
Weblog: 混沌と勇気日記。 〜破滅の世界に打ち砕く勇姿を持て〜
Tracked: 2007-08-16 23:38

ホタルノヒカリ(第六話)
Excerpt: http://sapuri777.fc2web.com/index.html<br />↑美容と健康のサプリ情報館のリポートです。<br /><br />トップページにある以外の記事は、左側のリンクの下、「最近の記事」か「カテゴリー」で..
Weblog: テレビなコラム(テレコラ)
Tracked: 2007-08-17 19:14

ホタルノヒカリ (武田真治さん)
Excerpt: <br />◆武田真治さん(のつもり)<br />武田真治さんは、毎週水曜よる10時日本テレビ系列にて放送されている連続ドラマ、『ホタルノヒカリ』で神宮司 要を演じています。<br /><br />一昨日は『ホタルノヒカリ』第6話が放送されました。..
Weblog: yanajunのイラスト・まんが道
Tracked: 2007-08-17 23:54

ホタルノヒカリ 第6夜:干物女のキス…大切な恋に最大のピンチ
Excerpt: あ〜ぁバレてやんの…(||||▽ ̄)アウッ!<br />デートの成功でルンルンしながら、部長に絡みつく蛍・・・<br />事情を知らない二ツ木さんにしてみれば、イチャイチャの同居カップルに<br />見えるわなぁ・・・{/face2_s..
Weblog: あるがまま・・・
Tracked: 2007-08-18 17:15
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。