2007年10月19日

医龍 Team Medical Dragon2 KARTE:02

『捨てられる患者』

朝田龍太郎(坂口憲二)、藤吉圭介(佐々木蔵之介)、
伊集院登(小池徹平)、荒瀬門次(阿部サダヲ)、
里原ミキ(水川あさみ)…。
元チーム・ドラゴンのメンバーを再結成させたのは、
北洋病院のオーナー、片岡一美(内田有紀)だった。

外資系投資会社の重役である片岡は、経営困難に陥った北洋病院に融資し、
滞る返済の形に営業権を握り、そして、明真大学附属病院と業務提携した。

チーム・ドラゴンのオペを見学室から見つめる片岡と野口賢雄(岸部一徳)。
「朝田龍太郎・・・さすがですね。」と片岡。
「彼らのオペは、いわゆる(ジェスチャー付き)、アートでね。」
「朝田先生だけじゃない。
 助手、器械だし、麻酔医、見事なハーモニーです。」
「うん。どれが欠けても成立しない。
 オペはチームワークだから。」見学室を出た二人。
「ランチでもどう?」と野口。
「一つ、アポを済ませてから伺います。
 ・・・増えましたね、患者。」
ロビーを見下ろす二人。
「まだまだこんなもんじゃないよ。うちは。」
二人は見つめあい、笑みを浮かべる。

北洋病院
担当医が明真大学付属病院へ異動となり、遠くて不便になると
困り果てる患者。
ほとんどの医師が明真へ異動となっていた。
そんな患者に深々と頭を下げる院長・善田秀樹(志賀廣太郎)。
そこへ片岡がやって来た。
善田は黙って彼女の後を付いていく。

明真
「悪魔ですよ、あの女!
 計算づくで妊婦のバチスタしかけるなんて!」と伊集院。
「朝田先生に命を救ってもらったっていうのに・・」とミキ。
「可愛い顔してやることエグいねー。」と荒瀬。
「一体、何をたくらんでいるんですか!?」伊集院が藤吉に聞く。
「さあな。多額の移籍金をせしめて、北洋の医者を明真に移した。
 代わりに明真のダメ業員たちを、北洋に送り込むって話もある。」
「そんなことしたら、北洋はつぶれるじゃないですか!」
「医局員だけじゃない。
 おそらく今後は、治る見込みの無い、金にならない明真の患者たちを
 どんどん北洋へ回す。」
「そして明真は症例実績をあげる・・」とミキ。
「そう。野口先生は、北洋に明真の膿を全部押し付けるきだ。」
「そんな・・」
「間違いなく北洋は明真の姥捨て山になる。
 医者も患者も切り捨てられる。」
「・・・」

伊集院が考え込みながら歩いていると、片岡がやって来た。
「こんにちは。」笑顔で声をかける片岡。
「北洋病院を、一体どうするつもりですか!?」
「・・・」
「明真の受け皿になって、一体何のメリットがあるんです!」
「北洋のお陰で、明真は変わります。」
「・・・」
「明真は世界屈指の心臓外科病院になる。
 よかったですね、伊集院先生も、そのスタッフの一員ですよ。」
微笑を浮かべながらそう言い、立ち去る片岡。

野口部長の部屋
野口が朝田に模型を見せながら話す。
「これが3年後に建設予定の、メイシンメディカルシティーだ。
 もはや国内規模じゃない。
 世界にメイシンの名を、とどろかすつもりだよ。
 その為に、優秀な医師の確保や、設備、オペ実績、
 あらゆることが審査されて、初めて国から許可がもらえる
 超一流病院の証。
 心臓移植の、認定施設だ。
 明真は、心臓移植の認定施設を目指す。
 知っての通り、国が認めた、心臓移植認定施設は、
 国内に6施設しかない。
 明真が7番目の心臓移植認定施設に選ばれれば、
 国内最大規模の、心臓外科病院になる。
 そのためにも、君の、ゴッドハンドが必要なんだ。」
野口に左腕を触れられ、払いのける朝田。
「頑張ってもらうよ。北洋からもごっそり優秀な医師を移動させたから。」
「代わりに、明真の医局を放り出した。」
「そう。うちはこれからも、どんどん症例数を増やして、
 オペ実績をあげないといけないからね。
 腕の悪い医者は、ノーサンキュー。」
「俺がアメリカで移植手術を学んできたのは、
 あんたに協力する為でも、明真で教授になるためでもない。」
「じゃ、なんの為?」
「俺はバチスタの、次を考えている。」

部屋の外で二人の会話を聞く片岡。

野口が朝田に拍手をする。
「ブラボー。ブラボー。
 とにかく僕は、全面的にバックアップさせてもらうから。」
野口をしばし見つめた後立ち上がる朝田。
コーヒーカップが倒れ、野口の夢の模型にかかってしまう。
ハンカチをポケットから取り出し、丁寧に拭いていく野口。
「僕は、君のやることには協力は惜しまない。
 ただね、僕の構想を邪魔する者は・・・許さない。
 何人たりとも。
 そのことは、覚えておいてくれるかな。朝田ちゃん。」

野口の部屋を出た朝田は、片岡に気が付く。
「私の素性は、もうおわかりなんですよね?
 明真とうちは、業務提携しました。
 長い付き合いになると思います。
 これからもよろしく。」
「・・・」
「何か?」
片岡に顔を近づける朝田。
「黄疸なないようだ。」
「え・・」
「術後の経過は順調なようだな。」
そう言い立ち去る朝田。

フジテレビ公式によると、朝田は野口にここで真っ向対立するんですが、
敵とも味方ともいえない表情で黙って聞いていました。

敵対する片岡も、朝田にとってはまずは患者。
医師という立場を優先する朝田先生が素敵です。
野口部長の部屋の水槽、先週は空っぽだったのに
今週は大きなアロワナが悠々と泳いでいました。


病院の屋上で話す伊集院と木原毅彦(池田鉄洋)。
「すごいよ!野口先生の野望は!
 明真を、世界有数の心臓移植認定施設にしようって言うんだからさ!」
興奮気味に木原が話す。
「そんなことが可能なんですか!?」
「厚労省にも働きかけ、海外からもどんどん名医を呼んで、
 世界の最先端の移植手術をやっていくつもりらしいぞ。」
「最先端・・」
「俺たちは、世界最高の医療スタッフの一員になるんだ!
 俺たちの技術が、世界を引っ張っていくんだ!
 外科医として、これほど嬉しいことはない!
 ついてこーい!ワッハッハッハ!」

木原先生・・北洋に飛ばされないか心配!

そんなある日、明真に西沢孝文(牟田悌三)という老患者が、
孫の翔太(山本裕典)に付き添われ、ナースステーションに現れた。
「ダメですよ、西沢さん。何回来て貰っても、診察結果は同じです。
 別になんともないんだから。」と医師。
「いえ・・心臓の痛みが・・」
「病院を暇つぶしに使ってもらっちゃ困るんですよ。」と看護師。
「痛みが、普通とは違うんですよ・・」
「もういい加減にしてよ!
 先月も診たでしょう!?
 何回見てもなんともなかったじゃない!」
「・・ですから、心臓の再検査を・・」
「西沢さんみたいなのをね、最近の言葉じゃ、クレーマーって
 言うんですよ。」
「わかったわかった。そんなに心配なら、北洋病院で診てもらいなさい。
 今度からそういう風になったから、ね!」
「おいちょっと待てよ!
 じいちゃんは前にここで手術してもらったから診てくれって言ってんだよ!
 年寄りをよそに回そうっていうのか!?」
声を荒げて文句を言う孫の翔太。
「そんなひがんだような事言わないの。
 うちはね、難しい治療を必要とする患者さん専門の病院に
 なったんだよ。
 おじいちゃんのような病状は、北洋で診てもらって。
 いいね!」
そう言い捨て立ち去る医師。
翔太は壁に貼られた『メイシンメディカルシティー』のポスターを
見つめる。
そんな様子を、通りがかった伊集院と木原が見ていた。

山本裕典さん!『花君』ぶり〜!
"萱島"とは違った、男っぽい役ですね。
それにしても患者にクレーマーという言葉を使うとは酷い!


その頃、野口の部屋を北洋病院院長、善田秀樹が訪ねていた。
「メイシン・・メディカルシティーですか・・」善田がポスターを見つめて言う。
「ああ。3年後には世界で有数の病院にしてみせる。
 待合室にはクラシックが流れ、一流ホテル並みのサービスを
 提供する、世界に誇れる病院にね。」
「お金持ちだけを相手にして、ですか。」
「何が言いたいんだ?」
「病院は、そういうもんじゃない。
 誰もが平等に受けられる医療、
 そして地域に根ざした医療が必要なんです。」
「それを目指した君の病院経営は、破綻した。」
「・・・」
「わかってる。悪いのはこの国の医療制度だ。
 当直と休日出勤で多くの勤務医が疲れ果て、
 常に、医療ミスの恐怖にさらされながら、
 労働時間とリスクに見合ったものとは到底言えない給料しか
 貰えない。
 医者の献身と、努力によって、かろうじて守られてるのが、
 日本の医療の現状だ。
 人は、医者に聖人君子であることを求める。
 冗談じゃない!医者にだって生活がある。
 そのくせ患者ときたら、悪しきマスコミの影響でワガママし放題!
 生半可な知識で、やれ治療が悪い、やれ看護が悪い!
 酷いのになると、救急車をタクシー代わりに呼ぶ輩もいる。
 だったら、ヤツラの思うような病院を作ってやろうじゃないか!
 最高の医療!最高のスタッフ!最高のサービス!
 その代わり、それに見合う報酬は頂く。
 それのどこがいけないんだ?
 それが現実だ。それが資本主義だ!」

この時の、過酷な日常を過ごす医師の映像が
ドキュメンタリータッチで考えさせられました。
人物を水槽越しに捉える映像が不思議な感じ。


夕方、報道陣を前に、野口はメイシンメディカルシティーの設立を公表。
「明真大学付属病院は、心臓移植認定施設を中心とした、
 世界に冠たるホスピタリティーを誇る総合病院として、
 3年後の、メイシンメディカルシティーの設立を目指します。」
野口が記者たちに背後のパネルを誇らしげに紹介する。
「このところ、妊婦のバチスタ手術やライブデモンストレーションなどで、
 目覚しい実績を遂げられていますが、
 移植認定施設への認可の為に、何か、特別なチームを組まれる、
 ということはありますか?」記者が質問する。
「もちろんです。北洋病院とも、業務提携を結び、
 極めて優秀な医師に来ていただきました。
 彼らと、そして、我が明真の誇る、心臓外科の第一人者、
 ・・・」
空席の朝田の席を見つめる野口。
「・・など、精鋭を集めて、厚生労働省から認可を頂くべく、
 症例数を重ねていきたいと思っています。」
「その中心はやはり、朝田龍太郎先生ですか!?」
「ま・・」
「今日は、会見にはお見えにならないんですか?」
「え、ええ・・彼は・・血管学会に出ております。」

その頃朝田は医局のソファーで眠っていた。
「行かなくていいんですか?」伊集院が声をかける。
「ああ。」
「でもすごいですよね!
 野口先生の心臓移植認定施設の構造!
 やっぱり、朝田先生がチーフになるのかな!」嬉しそうに話す伊集院。
「・・・」興味なさそうな朝田。

記者会見の席
記者たちからの質問が続くなか、報道陣をかき分けるように、
男が野口に近づく。
翔太だ。
翔太は持っていたペンキを、メディカルシティーの完成図にぶちまける。
「おい!こんな病院なんかな!潰れりゃいいんだよ!!」
騒然となる場内で、藤吉だけが冷静に翔太を見つめていた。
 
翌日、騒ぎを起こした翔太の一件が新聞に載る。
『記者会見場にペンキ男乱入』
アイスキャンデーを食べる伊集院と木原の話題は、騒ぎを起こした翔太のことに。
「ふーん。とんでもないクレーマーですね。
 あ、その孫か。とんでもないのは。」
「あの年寄りな、8年前うちで、僧帽弁置換術のオペを受けてるんだよ。
 ま、あの年になりゃ、不整脈の一つも見つかるだろ。
 いちいち構ってらんねーっつーんだよな。
 ま、これからは、そういう投薬だけで済むような患者は
 北洋病院に移すって決まったし、
 うちはほら、高度医療を提供する特定機能病院、だから、な!」
「あ、そういえば野口先生、早速心臓移植の選考し始めてるって
 話ですよ。」
「マジか!?ついにきたな、おい!」
「外科医として、一世一代のチャンスですよね!」
「そう!チャンス!チャンスだよ!
 ・・・外れた。」アイスキャデーの棒を確認する木原。
「あ、当たった!」
『アイスバット(当たり)』
そんな話をしていると、2人の目の前を当の西沢と翔太が藤吉に伴われて
歩いて行くではないか。
 
野口の部屋
「大変でしたね。」と片岡。
「いつだってこういうおかしな人たちいはいる。
 どうっていうことはない。」
「北洋に移籍させる医局員は決まりました?」
「いずれ劣らぬクズばかりだ。
 間違いなく、北洋を潰してくれる連中だよ。」
野口のリストを見た片岡。
「今すぐ潰すわけではありません。
 三ヶ月持たないと見ています。
 潰れたあとは更地にして、年収3千万以上の富裕層に特化した、
 人間ドッグ専門の病院を作るつもりです。」
「その人間ドッグで問題が見つかった患者は、自動的にうちに回す。」
「その為の、("いわゆる"のジェスチャー)業務提携です。」
片岡が微笑む。

「野口先生は絶対許さないってば!!
 藤吉先生はどうせ恩情をかけてあのクレーマーの老人を
 診察するつもりだよ!早く止めて来いよ!
 いいか、野口先生に知れたらもうカンカンだよ!!
 ああいう患者を診るなってきつく言われてるんだからさ!」
木原が伊集院に必死に言うが、伊集院は行こうとしない。
「明真は生まれ変わるんだよ!
 規則に反することをしちゃ、お前まで睨まれるんだぞ!
 な!」
「・・・わかりましたよ。」
「よし、行ってこい!!」

藤吉の診察室
西沢を診察する藤吉。
「先生・・なんで、じいちゃん診てくれるんだ?
 ・・あんなこと、したのに・・
 ・・この病院は・・変わるんだろ?」
「関係ない。俺には。」
「・・・」嬉しそうに微笑む翔太。

その様子を診察室の前にいた伊集院が聞いていた。
伊集院がドアに手を伸ばすと、ドアが開く。
「藤吉先生!」

廊下を歩く二人。
「あの、正直言って、今野口先生の神経を逆撫でするようなことは
 しない方がいいと思うんです。
 何といても、あの患者はクレーマーなんだし。
 こんなことで、先生が移植チームに加われないようなことになると・・」
「・・クレーマー?」
「あのお年よりです。
 何でわざわざ先生が診るんですか?」
「何で診るのかって?」
「はい。」
「患者だからだ。」
「・・・」
「病院がどう変わろうと、医者は患者を診る。当たり前のことだ。」
「でも・・」
「クレイマーだと言ったな。」
「はい。」
「お前はあの患者を診たのか?」
「・・・いえ。」
「何も診ないで、クレーマーだと!?
 病気はないと、決め付けるのか!?」
「・・・」
「なら、医者を辞めろ。
 お前に医者の資格はない。」
「・・・」
藤吉がカルテを差し出す。
そこには、重大な疾患が見て取れた。
「朝田を呼べ。」藤吉が言う。

野口の部屋
「このリストに、朝田龍太郎は入っていないんですね。」と片岡。
「朝田?何を言ってる。入るわけがない。」
「彼らは諸刃の剣です。
 野口先生ならおわかりだと思ってたけど。」
「どういう意味?」
「コントロール出来なくなれば、新たな障害になるということです。」
「たとえリスクがあっても、彼の腕は必要だよ。
 移植認定病院になるためには。」
「リスクは最低限に抑えるのがセオリーです。
 彼より優れた腕を持ち、野口先生の構想にも理解のある医師が
 いたとして・・・
 それでも彼は必要?」
「・・・そんな医者。」
「人材をスカウトするのが、外資の得意分野ですよ。野口先生。」
片岡は微笑み会釈をすると、部屋を出ていく。

片岡が部屋を辞すのと入れ替わりに、医局員が飛び込んで来た。
話を聞いた野口の顔色が変わる。
 
朝田が病院の廊下を歩いていく。

苛立たしそうに西沢のカルテを閉じる野口。
コーヒーの染みの付いたメディカルセンターの模型を見つめ、
「新たな障害か・・」と呟く。
 
朝田も加わって、西沢の精密検査が行われる。

「朝田先生があのクレーマーの患者を診てる!?」と野口。
「私も、野口先生の方針に反するからと止めたんですが・・」
密告しているのは、木原。
「たかが年寄りだ。
 私に刃向かってまで、何をそんなにムキになっているんだ。ヤツラは。」
「私にはさっぱり・・」

野口の携帯が鳴る。片岡からだ。
「君、」野口が木原に言う。
「はい。」
「外資系企業の一番のセオリーを知ってるかい?」
「・・・いえ。」
「決断は早く、だ。」

New York
片岡はある人物と会っていた。

銅像で姿が隠れていますが・・もしかして加藤!?
彼女はUCLAにいるんでしたっけ。


西沢のエコーを見る藤吉、朝田、伊集院。
「心膜の石灰化と拡張障害が見られる。
 明かに収縮性心膜炎だ。」と朝田。
「ああ、既に、心室中核の?と、?の逆流も見られる。」と藤沢。
「でも、西沢さんの場合ご高齢ですし、薬物治療にした方が
 いいんじゃないんですか?」と伊集院。
「ところがだ。これを見てくれ。」
レントゲン写真を見つめる三人。
「心尖部の著しい心膜の肥厚が異常だ。」と朝田。
「ああ。」
「これ・・腫瘍ですかね。」と伊集院。
「いや・・・違う。
 再手術が必要だ。
 8年前のオペは誰が?」と朝田。
「山本先生となってる。」と藤吉。
「山本・・・」
「ずいぶん前にセイナン病院へ異動された先生です。」
「とにかくこれで、西沢さんはただのクレーマーじゃないことが
 はっきりした。」と藤吉。
「・・・」

病院の階段。
「じゃあ、西沢さんには緊急入院、」
伊集院がそう言いかけたとき、野口と教授たちが階段を下りてきた。
「これが最後通告だ。
 あの患者から手を引きなさい。」野口が朝田に言う。
「・・・」
「君にはやってもらいたいことが山ほどある。
 薬物治療が関の山の年寄りは、他に任せなさい。」
「薬物治療か再手術かは、俺が決める。」
「・・・ここで、移植チームに加われなくてもいいのか?
 明真は私の病院だ。
 私の方針に逆らうものは、置いとくわけにはいかないんだよ。」
「・・・」
「朝田先生・・」と伊集院。
「あんな老人一人の為に、君は全てを捨てるつもりか?
 君は、自分が聖人君子か何かになったつもりかね?」
「・・・」
「この間、北洋の院長に説教したよ。
 医者は聖人じゃない。
 医者に重い責任と義務だけを、押し付ける今の世の中は間違っている、
 とね。
 それを、人々に知らしめる為に、私は新生メイシンを立ち上げる。
 この考えは、間違ってる?朝田君。」
「・・・いや。間違ってない。」
「朝田・・」と藤吉。
「朝田先生・・」と伊集院。
「ただ、目の前に苦しんでいる患者がいて、
 それに手を差し伸べない医者がいるとしたら・・・
 それは医者じゃない!」

「・・・」
「俺は、医者だ。」
そう告げ、立ち去る朝田と藤吉。
野口が鋭い視線を伊集院に向ける。
伊集院は俯き、考え、そして朝田の後を追った。

様子を見守っていた片岡を無視して通り過ぎる朝田と藤吉。
伊集院は彼女の前で足を止め、一礼し、そして歩き出す。

病院の掲示板の前に人だかりが出来ている。
『リスクマネージメント
 人事異動のお知らせ
 10月19日付けをもって下記の通り・・
 
 胸部心臓外科 朝田龍太郎 北洋病院 胸部心臓外科
 胸部心臓外科 伊集院登  北洋病院 胸部心臓外科
 循環器内科  藤吉慶介  北洋病院 循環器内科』

「というわけで、よろしく頼むよ。」と野口。
「全員ですか?」と片岡。
「いや、君の言うとおり、麻酔の荒瀬と器械だしの看護師は、
 うちに残した。」
「これでチームはバラバラになる。」
「ああ。万が一、チームドラゴンが君のところで活躍して
 もらっても困るからね。」
「あり得ません。うちは潰れる病院です。」
「流石の朝田も、どうしようもないだろう。」
「ええ。」
「彼には、徹底的に潰れてもらおう。北洋でね。
 ・・・ところで、どうして君は、朝田が欲しいんだ?
 君は北洋を潰そうとしている。
 潰れるのは間違いないだろうが、あの男はいろいろと面倒を起こすよ。
 邪魔なだけだと思うがね。」
「・・・彼には、理念があるからです。」
「理念?」
「医者としての信念、と言ってもいいかもしれない。」
「だから?」
「だから・・・潰れてもらいます!
 医者として、二度と立ち上がれないくらいにね。」
微笑みあう二人。
「見えました。朝田に代わる、メイシンの新しいエースが!」

階段の踊り場に集まるチームドラゴン。
「私も辞める!
 チームがバラバラなんてとんでもないわ!」とミキ。
「しょうがないだろう。それが目的なんだから。」と藤吉。
「そんな・・」
「それに、ここを辞めてもどこも雇ってくれませんよ。」と伊集院。
「明真を敵に回して雇ってくれる病院なんてない。
 荒瀬もな。」と藤吉。
「・・・」
「チームを完璧に潰すつもりだ。」
「でもいいの!?こんなことで!」とミキ。
「どこに行っても・・・医者のやることは一つだ。」と朝田。
「覚悟は出来てる。」と藤吉。
「ええ。」と伊集院。
「伊集院君・・」とミキ。
「僕も、医者ですから。」
伊集院の言葉に、ミキと荒瀬が顔を上げる。

医師たちを掻き分け、掲示板の前に歩み出るある医師。
噛んでいたガムをある名前の上にベタっと貼り付けた。
血管外科の外山誠二(高橋一生)だ。

「血管外科の外山誠二。
 二年前に大きな問題を起こし、それ以来ずっと医局から干されてます。」

麻酔科の小高七海(大塚寧々)は自分の名前の入った異動通知書を
掲示板から静かに剥ぎ取り、ゴミ箱に捨てる。

「麻酔科の小高七海。
 反抗心が強く、ことごとく執刀医と対立。
 私生活にも問題があり、明真を追い払われました。
 北洋に残ったのは、明真に移籍出来なかったダメ連中。」
片岡がリストを誰かに渡す。

頭を抑えながら、給水機の水を飲む松平幸太朗(佐藤二朗)。
「松平幸太郎。消火器外科医ですが、
 三年前他の病院で、医療ミスで訴えられ、
 北洋に移籍。
 以来、三年間一度もメスは握っていません。」

ベンチに腰掛けていた臨床光学技士・野村博人(中村靖日)は、
人が来ると逃げるようにその場を去る。

「臨床光学技士の、野村博人。
 対人恐怖症気味で、他人とコミュニケーションが図れない。
 どの手術チームにも入れてもらえず、干されてました。
 あとは、朝田たちチームドラゴンの三人です。」
片岡が話していたのは、北洋病院院長・善田。
片岡の言葉に驚く善田。
「これから、よろしくお願いしますよ。院長。」
「・・・」

朝田、藤吉、伊集院を見送る荒瀬とミキ。
「龍ちゃん・・」
「75キロ!
 ・・・潰されんなよ。」
見詰め合う5人。
こうして三人は明真を去った。

北洋病院
「ようこそ、北洋病院へ。
 治療方針その他、今後の全ては、
 オーナーであるイーグルパートナーズ社代表の私の方針に
 従ってもらいます。いいですね?」片岡が案内する。
「西沢さんの診察はさせてもらえるんだろうな?」と藤吉。
「もちろんです。野口先生から聞いてますから。」

「ここが、あなた方の職場です。」
片岡が案内した医局は、明真とは様子が違っていた。
ソファーにもたれ、テレビに笑いながらガムを噛む外山誠二。
ウィスキーの瓶を手に、ソファーに横になる松平幸太朗。
パソコンに熱中する野村博人。
お菓子を食べながら雑誌をめくる小高七海。

病院の屋上。
「こう言っちゃ何ですけど・・要するに、使い物にならなかった
 医者たちの集まり・・ですか。」と伊集院。
「しょうがないだろう。片岡は、鼻からこの病院を建て直す気なんて
 なさそうだしな。」
「見て下さい!医局員で、あんな年になるまで働かせているんですよ!
 明真じゃ考えられない!」
善田が患者のリハビリをしている。
「院長だ・・あの人。」と藤吉。
「え!?嘘!」
善田が三人に気付き会釈する。
会釈を帰す三人。

「それで、イーグルパートナーズ社に?」と藤吉。
「はい。お恥ずかしい話です。
 上手い融資話に乗って、お金を借りたばっかりに
 こんなザマです。」と善田。
「でも、返せないとわかっていてお金を貸付け、
 代わりに経営権を握るなんて・・」と伊集院。
「それが、彼らの常套手段です。
 要は、経営を悪化させた私に、原因がある。」
「でも・・」
「いや、私が北洋を潰したんです。」
「・・・」
「私が辛いのは、病院を取られたことじゃない。
 私の志に共感して、共に頑張ってくれた仲間たち。
 そして患者さんを守ってやれなかった・・
 そのことが何より苦しいんです!」
「・・・守りますよ。」と朝田。
「え!?」
「ここに来た患者は、俺達が守る。」
「・・・朝田先生にお聞きしたい。」
「はい。」
「先生ほどの人であれば、日本、いや、世界中の病院から引く手あまただ。
 なのになぜ、うちに来たんです?」
「・・・俺はチームを作りたい。
 その為に日本に戻ってきました。
 俺には時間が無い。」
「朝田・・・」
「患者の為に、最強のチームを作ります。」
善田は朝田の言葉に感謝し、頭を下げる。

医局
テレビに笑い転げる外山誠二。
引き出しにぎっしりチョコレートの詰まった小高。
やっと目覚めた松平。
コンピューターで遊ぶ野村。

明真・野口部長の部屋
「再手術!?あの老人を?」
「ええ。朝田先生が、そう決めたようで。」と片岡。
「それはま、勝手にやってくれたまえ。
 君の病院だ。」
「はい。」
「ただ、一つ。
 念のため言っておく。
 そのオペは、失敗するよ。」
「・・・」
「必ず、ね。」
同席する善田院長が二人に背を向け、黙って聞いていた。

地図を手に歩く西沢の容態が急変する。

北洋病院
西沢のカルテを見つめる朝田。

救急車が街を走る。

野口部長の部屋
「それで、例の先生はいつこちらに?」野口が片岡に聞く。
「まもなく来ると、連絡が。」
「そうか。それは楽しみだ。
 君も、うちへの協力を頼むよ。
 なんせ、提携病院なんだから。
 明真の受け皿となって、うちで手に負えない患者を
 どんどん受け入れてくれないとね。」
「お二人は、北洋を潰すつもりでしょう。」と善田。
「まあ、結果的にそうなるかもしれませんが。」と片岡。
「それもいいじゃないか。
 小さな犠牲のお陰で、大きなものが誕生する。
 自然の摂理だよ。」と野口。

スーツケースを手に病院に到着した人物。

善田が笑い出す。驚く片岡と野口。
「彼を・・朝田先生を放り出したのは、
 お二人の、最大のミスでした。」と善田。
「ミス!?」
「あの男は、全てを変える!
 泣きを見るのは、あなた方の方ですよ。」
「・・・」

カルテを見つめる朝田。

病院に運び込まれた西沢。

レントゲン写真を思い浮かべ、朝田が診察室へと急ぐ。


※一部公式HPあらすじを引用しました。


西沢さんのレントゲンに移った塊は、腫瘍ではないようです。
8年前の手術の時の、医療ミスでしょうか。
後に引く問題となりそうです。

お金の無い患者を北洋に送り込み、
優秀な医師は明真に、使えない医師を北洋に。
3年を目処に北洋を潰し、富裕層専門にした人間ドッグにする。
そして、問題の見つかった患者は、メイシンへ。
野口と片岡はそこまで考えていたんですね。

『ハゲタカ』を見たあとなので、"外資"という言葉にすごく反応してしまう。
片岡は美人女性でなく、鷲頭のような迫力のある男性が演じても
面白かったかも!
片岡が抱えているのは野望だけ?
実は、善田院長に反発する実の娘とか!?

片岡、野口らにより、分裂してしまったチームドラゴン!!
荒瀬もミキも一緒に明真辞めればいい、と思っていたけど、
いくら北洋の院長がいい人でも、オーナーの片岡には逆らえないですね・・。

チームを作る為に日本に戻ってきた朝田。
俺には時間がない・・って、朝田先生、
重い病気を抱えているんでしょうか・・。
自分の持つ全ての技術を仲間たちに伝えたい、ということ?
気になります!

荒瀬やミキがレギュラー出演でなくなると寂しいですが、
新たなメンバーも個性豊か。
とくに、ガムクチャの外山誠二が気になります。
佐藤さんの怪演も見られると嬉しいな。

新・チームドラゴン結成も嬉しいですが、
初期のメンバーでのオペも最終話までに見せてほしいです。
朝田を旧・新チームドラゴンでオペするシーンがよぎりました。

明真の新しい救世主は!?
「戻ってきたか!」荒瀬の嬉しそうな顔。
加藤?それとも鬼頭?こちらも気になります。



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■主題歌
B000VZE26MONEAI SPHERE of INFLUENCE ユニバーサル シグマ 2007-11-07by G-Tools



「医龍2 Team Medical Dragon」オリジナルサウンドトラックTVサントラ B000VZK7YI


医龍~Team Medical Dragon~ DVD-BOX坂口憲二 乃木坂太郎 稲森いずみ B000F072HY


ドラゴンぬいぐるみ









キャスト

朝田龍太郎 … 坂口憲二
片岡一美 … 内田有紀
伊集院 登 … 小池徹平
霧島軍司 … 北村一輝
荒瀬門次 … 阿部サダヲ
里原ミキ … 水川あさみ
木原毅彦 … 池田鉄洋
藤吉圭介 … 佐々木蔵之介
鬼頭笙子 … 夏木マリ
野口賢雄 … 岸部一徳

江上 彰 … 板尾創路
田島由紀夫 … (ライブデモの患者)

善田秀樹(志賀廣太郎)

外山誠二(高橋一生)血管外科
小高七海(大塚寧々)麻酔科
松平幸太朗(佐藤二朗)消化器外科
野村博人(中村靖日)臨床光学技士

第一話ゲスト
富樫ゆかり … りょう
富樫   …  田中実

第二話ゲスト
西沢孝文(牟田悌三)
翔太(山本裕典)


スタッフ
■原作
 乃木坂太郎
 「医龍〜Team Medical Dragon〜」
 (小学館刊 ビッグコミックスペリオール)

■原案
 永井 明

■取材協力
 吉沼美恵

■脚本
 林 宏司

■プロデューサー
 長部聡介
 三竿玲子

■演出
 水田成英

■音楽
 澤野弘之
 河野 伸

■制作
 フジテレビドラマ制作センター



坂口憲二さんの主な出演作品


この記事へのコメント
昨日のドラマを再度DVDを見ているかのように復習できました( ^)o(^ )
新しい先生はやはり夏木マリ? 例のおじいさんの前回手術は怪しい結果のようですね。次回がますます楽しみだわ。
Posted by kumiko at 2007年10月19日 20:23
ちーずさんの読み凄いです!朝田の時間がないでそこまで膨らますとは〜自分はバチスタのうえをいく術式がよぎっただけです!

野口の考えも納得するところがあったな〜映像で見せられた医者の努力や献身は確かにきつそうだった!観合った報酬がないのも現実ですね!先日検診のために血液検査にいきましたが4時が受付終了でおそらく4時一分を差した時計をみたはずなので受け入れてもらえると思っていましたが見事に玉砕!まだ若い可愛らしい女の子なのでゴネルのをやめましたが隣にいたおばちゃんだったら容赦しないぞ!婚姻届を出しに行ったときを思い出した〜次の日に担当医に愚痴をいったら謝られてしまいました!事務系と患者を思う気持ちを持った医師の違いをまざまざと見てしまいました!

朝田の信念が素敵です!伊集院をおこる藤吉もカッコイイですね!木原と仲良くする伊集院にはこたえたかも知れませんね!

北洋のスタッフも一癖ありそうです!院長も朝田の考えを理解しています、自ら患者に接する姿は野口と正反対最後の言葉に重みを感じました!

新しい明真構想は白い巨頭を思い出されます!最後の手術は野口かな?片岡の父親が善田は賛同!ビーズの熊のアップにヒントありかな?本当は北洋の再建なのかな?欲しいのは名真だったりして!

明真に帰ってきたのは加藤でも鬼頭でもないかも!ラストカットのヒールは少し二人には似合はないかも?
Posted by けた at 2007年10月19日 20:32
『医龍1』を観ていないまま、観始めた私ですが、とにかくおもしろい!はまって観ています。
実は、うちの夫は病院関係者で、一緒に観たのですが「あまりに真実」なので正視できない様子でした。金持ちを大事にし、お金にならない患者を切り捨てないとやっていけないのが、病院の現実だそうです。強いて言うと、どんな病院でも医師は今や分刻みで駆け回っているそうで「こいつら、暇すぎる」と言うのが唯一のクレームのようです。「まぁ、ドラマだから語り合わないと話進まないよな」と言っておりました。

私も「俺には時間がない」という台詞は、朝田の病気?!…と思ってしまいました。

それから、岸部一徳さんの迫力には驚かされます。あの人が、昔は「サリー」だったなんて…信じられない名優ぶり。「往年のサリー」VS「朝田」の場面では、朝田が闊歩して部屋を出て行っても、イマイチ「サリー岸部一徳」が貫録勝ちしちゃっている気がするのは、私だけでしょうか?がんばれ!坂口さん!
もっとも、坂口憲二さんが「サリー」の芸歴に追いつくのは大変ですよね。
Posted by やすこ at 2007年10月22日 21:12
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医龍Team Medical Dragon2 KARTE 02:捨てられる患者
Excerpt: 救世主って誰???( ̄〜 ̄;)むぅ<br />ちっ、予告でも顔見せが無いんでやんの…ん?もしかして鬼頭先生なの?<br />そういえば…夏木マリさん、ご結婚が決まったようでおめでとうございますデス{/kaeru_love/}..
Weblog: あるがまま・・・
Tracked: 2007-10-19 14:18

「医龍2 KARTE02 第2話」オレには時間がない
Excerpt: オレはチームを作りたいそのために日本に戻ってきました
Weblog: バスタイムTV(お風呂テレビでドラマに浸る)
Tracked: 2007-10-19 14:32

医龍 Team Medical Dragon 2 第2回 感想
Excerpt: 『捨てられる患者』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2007-10-19 18:13

医龍2 第二話
Excerpt: 「捨てられる患者」
Weblog: 特に個性の無いブログ
Tracked: 2007-10-21 16:15

医龍2 (内田有紀さん)
Excerpt: <br />◆内田有紀さん(のつもり)<br />内田有紀さんは、毎週木曜よる10時フジテレビ系列にて放送されている連続ドラマ『医龍 TEAM MEDICAL DRAGON2』に片岡一美役で出演しています。
Weblog: yanajunのイラスト・まんが道
Tracked: 2007-10-22 05:35

フジテレビ「医龍2 −Team Medical Dragon−」第2話:捨てられる患者
Excerpt: 本当の物語の始まりは、ここからでした。「バチスタの次を考えている」という朝田は、「チームをつくるために日本に戻ってきた」と。さらに「自分には時間がない」とも。
Weblog: 伊達でございます!
Tracked: 2007-10-22 12:45
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