2007年10月26日

医龍 Team Medical Dragon2 KARTE:03

『その手術は失敗する』

朝田龍太郎(坂口憲二)、伊集院登(小池徹平)、藤吉圭介(佐々木蔵之介)は、
老患者、西沢孝文(牟田悌三)の扱いで野口賢雄(岸部一徳)に逆らい、
北洋病院に左遷された。
元チームで、明真大学付属病院に残ったのは、荒瀬門次(阿部サダヲ)と
里原ミキ(水川あさみ)だけ。
だが、朝田は北洋病院院長、善田秀樹(志賀廣太郎)に新たなチームを
作ると宣言する。
 
北洋病院の医局
伊集院は一緒に飛ばされた医師たちに買ってきたコーヒーを配る。
「僕、カフェインは取らないタイプ、なんで。」と野村博人(中村靖日)。
「せっかく買ってきたのに・・」
「俺、エスプレッソしか飲まないから。」と外山誠二(高橋一生)。
「・・なんだよこれ。何様なんだよ・・」小声で呟く伊集院。
小高七海(大塚寧々)は伊集院にウィンクをしてくる。
「え・・なんで!?」
「不倫。」と野村。
「え!?何か言いました?」と伊集院。
「不倫の女王。」
「彼女が!?」パソコンのキーボードを叩きまくる野村。
『小高七海。
 麻酔医。
 年齢不詳。
 教授との不倫がバレて医局を
 干されたという噂・・・。』
「そうなんですか!?」
画面を見つめたまま頷く野村。
「・・・本当にここで・・チームが出来るのか・・。」
「チーム!?」寝ていた松平幸太朗(佐藤二朗)が体を起こす。
「わ!いたんですか!・・酒臭い!」
伊集院が買ってきたコーヒーを勝手に取り飲み出す松平。
「お前、あのバチスタチームの若造かよ。」
「ええ・・まあ。」
「エリートが、こんな病院に左遷されたわけだ。」
「左遷って! 
 ・・まあ・・そうだけど。」
「チーム・・チーム、チーム!」松平が笑い出す。
「作れるもんなら・・作ってみろ!」
「・・・」
松平は又横になる。
「医局で酒飲んでますよ。いいんですか?」
伊集院が野村に言うと、野村は口では答えずキーボードを叩いて返事する。
『松平幸太朗。
 消化器外科医。
 33歳。
 アル中。
 もう何円もメス握らず・・・。』
「大丈夫かな・・。本当にこの人たち・・。」

伊集院がへきえきしていると、西沢が運び込まれた。
すぐさま朝田はICUへ運ばせる。

ICUに西沢の孫、翔太(山本裕典)が駆けつける。
「先生!助けて下さい。お願いします!」
「術前の評価は全て済んでいる。
 今から、緊急オペを行う。」

明真・野口の部屋
片岡一美(内田有紀)は朝田の去ったメイシンメディカルシティー構想に、
鬼頭笙子(夏木マリ)を用意し、北洋を静かにつぶす計画を進行しつつあった。
鬼頭の姿に驚く善田秀樹院長(志賀廣太郎)。
明真の新しい救世主は、鬼頭でした!

北洋・医局
「ふーん、緊急オペ?
 聞いてないなぁ。」雑誌をめくりながら呑気に答える小高。
「聞いてないじゃなくて手伝って欲しいんですよ!
 MEの方も!」
「緊急オペ?」寝ていた松平が辛そうに起き上がる。
「何々?オペ?俺に切らせてくれんの?」と外山。
「とにかく手伝って下さい!急患です!」
「OK!行こうぜー、エッブリバーディー!」張り切る外山。

明真・野口の部屋
「鬼頭先生はね、メイシンメディカルシティーの構想に、
 いたく共感してくださってね。
 そのドクター人生の全てを賭けて、メディカルシティーの実現に、
 尽力してくださるそうだ。」と野口。
「あなた、北洋病院の院長?」鬼頭が善田に聞く。
「ええ。」
「朝田先生が、北洋で、新しいチームを作ろうとしているのは、
 本当?」
その時善田の携帯が鳴り、善田は席を外す。
笑みを浮かべる鬼頭。

北洋病院
緊急オペを医師たちは拒否し、困惑する伊集院。
「しょうがない。このメンバーでいく。」と朝田。
「切らせろよ。俺に。」野村がオペ着に着替えてやってきた。
「・・・」
「あんたの噂は聞いてるが、テクニックじゃ負けねーよ、俺。」
「・・わかった。前立ちに回れ。」
「前立ち!?・・・第一助手かよ・・。」

ミキ(水川あさみ)が北洋に駆けつける。
「藤吉先生! 
 ようやく見つけました。手術記録のコピー。」
藤吉がそれを受け取る。

明真・野口の部屋
「わかった。すぐに戻る。」電話を切る善田。
「西沢さんがうちに運ばれました。」
「誰?」と野口。
「あなた方が、クレイマーとして処理しようとした西沢さんです。
 心臓に異常があったんです!」
善田はそう言い部屋を足早に出ていく。
「・・・だって。」と野口。
「あとは、任せて下さい。」と片岡。

北洋病院
伊集院たちがオペ室に行くと、新人麻酔医があたふたと準備をしている。
「麻酔医、挿管はまだ終わってないのか?」と朝田。
「あ、はい・・今。」
「おせーんだよ、イライラさせんな。」と外山。
「麻酔の導入に90分・・。荒瀬先生なら30分なのに・・」(伊集院)
「これより、収縮性心膜炎の剥離術を行う。
 メス。」

朝田のオペを目の当たりにした外山、
「ほぅ。そこそこ早いな。」
「こっち側を剥離しろ。」
「へいへい。鑷子(せっし)、ハーモニック、
 よく見て勉強しな!・・・僕ちゃん!」
「・・・」

見学室
藤吉はミキが持ってきた手術記録のコピーを読みながらオペを見守る。
「・・・そういうワケか。」
「だから野口先生は、あそこまで反対した。」とミキ。
「危険だぞ・・朝田。」

心膜の癒着剥離。
「伊集院、あの女の麻酔医は医局か?」朝田が聞く。
「はい。」
「呼んで来い。」
「え!?今からですか!?」
「この麻酔医一人じゃ持たない。」
「わ、わかりました!」
「癒着剥離は俺らで充分!」と外山。
「・・・」伊集院は黙ってオペ室を出ていく。

医局
オペの様子をモニターで見ながらパソコンに何やら打ち込む野村。
『収縮性心膜炎
 オペ難航!』
医局に戻ってきた松平もモニターを見上げる。

オペ室
開胸した朝田は、腫瘍と思われた部分から何かをそっと引っ張る。
「なんだこれ!」と外山。
「ガーゼだ。」と朝田。
「ガーゼなんて・・なんでそんなもんが。」

医局
その様子に、野村は『ガーゼオーマ』とタイプする。

オペ室
「ガーゼが癒着して、腫瘍のようになるっていう・・」
「ガーゼなんて、なぜ、そんなもんが!」と外山。
「まさか!前回の手術の時のおき忘れ!?」
「その通りだ。」と朝田。
「嘘だろう!?」と外山。

見学室
「西沢さんは、8年前明心で僧帽弁子癇術のオペを受けた。
 恐らくその時、執刀医が止血に戸惑い、
 心臓内にガーゼを残してしまった。」と藤吉。
「それが癒着し、腫瘍のようになって、心臓を圧迫していた。」

北洋・院長室
「信じられない・・」と呟く善田。

オペ室
「8年間もガーゼが放置されてたってことかよ・・」と外山。

見学室
「先生の悪い予想、当たりましたね。」とミキ。
「ああ・・これだけ癒着してると、ガーゼオーマを剥離するのは
 容易じゃないぞ。」

オペ室
「それ以上圧迫すると、血圧を維持できません!」とスタッフ。
「これより、ガーゼオーマの剥離摘出手術を行う。」と朝田。
「面白くなってきたぜ。」と外山。
「麻酔医、ボリューム入れろ。」朝田が指示する。

明真・野口の部屋
携帯を閉じる片岡。
「ガーゼオーマの摘出?」と鬼頭。
「ええ。それもかなり難しい。
 うちは医療スタッフが揃っていません。
 朝田先生の腕を持ってしても、上手くオペが出来るかどうか。」と片岡。
「それがあなたの狙いでしょう?」
鬼頭の言葉に微笑む片岡。
「もしよかったら、今から北洋にご一緒しません?
 提携病院を見ておくのも、今後の参考になるかと思いますので。」
黙ってコーヒーを口にする野口。

北洋・オペ室
「行くぞ!」

見学室
「肥厚した心外膜にガーゼがびっしり癒着し、心臓と一体化している。
 これを少しずつ剥がしていくんだが、
 剥がしすぎても心筋の損傷が起こる。
 この見極めが抜群に難しい・・」と藤吉。

小高の手を引いて歩く伊集院。
「お願いします!患者さんの命が掛かってるんです!」
「美容院予約してあるんだってー。」
「何言ってるんですか!?勤務時間中ですよ!」
「だってもう何年も麻酔やってないもーん。
 引き方忘れちゃったよー。」
「だって麻酔科でしょう!?」
「ねえ、」
「なんですか!?」
「その真ん中分けってさ、狙い?」
「・・狙ってない!!」
「ちょっと眼鏡取ってみて。」
「ちょっと、やめて下さい!」

見学室
「あれだけの癒着を、心筋を傷つけないで完璧に剥離している!」とミキ。
「さすがだ。」と藤吉。

オペ室
心尖部を残すのみとなった時、外山が交代を申し出た。
朝田が応じて、外山が剥離し始める。

見学室
「早い。」と藤吉。
「剥離の層も性格。」とミキ。
「・・やるな。」

オペ室。
「ヘッヘッヘ。
 麻酔医、術中のCOは?」外山が聞く。
「え・・ああ・・」
「まだ測定できてないのか!早くしろよバカ!」
「・・CO、4.8、CIで3.02です。」
「よし、大丈夫だな。」と外山。
その時、それは起きた。
バッキング…。
不慣れな麻酔医が薬を効かせきれなかったため、西沢の体が反応し、
大きく揺れたのだ。
外山は心尖部を傷つけ、大量の出血をさせてしまう。
「麻酔医何やってるんだ、お前のせいだぞ!!」責める外山。
「吸引しろ!」朝田が怒鳴りつける。

見学室
「早くリペアしないと間に合わないぞ!」と藤吉。
「龍ちゃん・・」

オペ室
「ボリューム入れろ。」
朝田の指示におろおろとするばかりの麻酔医。
「落ち着け。ヘッドダウンするんだ。」
「はい!」
そこに、伊集院が小高を連れてきた。
「バッキングかぁ。ちょーっと遅かったね。」と小高。
伊集院がオペに加わる。

オペ室の前で不安そうに祖父の無事を祈る翔太。

片岡と鬼頭が北洋に到着する。
「今着いたから。」誰かと電話で話す片岡。
「どうしたの?」と鬼頭。
「バッキングしたみたいです。
 このままじゃ、恐らく、術中死でしょう。」
「・・・あなた医者?」
「・・・」
「あなたの行動を見ていると、医者か、少なくてもそれ同様の知識を
 持ってないと、不可能だと思うんだけど。」
「いいえ。経営者です。
 行きましょう!」

オペ室
朝田冷静にリペアを進めていく。
その作業を見つめていた小高は、若い麻酔医に秘かに指示を出し始めた。
そんな小高の様子に気付く朝田。
朝田と目が合うと、小高はそっと視線をそらす。

医局では松平と野村が、院長室では善田が、
食い入るようにモニターを見つめている。

オペ室
リペア終了、そしてガーゼオーマの摘出完了。
止血を確認し、閉胸。

見学室
「良かった!持ちこたえた。」ほっとするミキ。
そこへ片岡と鬼頭がやって来た。
「行くか。」
藤吉とミキは二人に会釈をし、見学室を出ていく。

「オペ、終了。」
朝田の迅速な処置で、西沢のオペは無事終了。
「良かった・・」と伊集院。
「術後の管理は大丈夫だな?」
伊集院が麻酔医に聞く。
「え・・」小高に助けを求める麻酔医。小高はそっぽを向く。
「・・ええ、なんとか。」と麻酔医。
「頼んだぞ。」
「はい。」

見学室
少し微笑みを浮かべて伊集院を見つめる鬼頭。

朝田がオペ室を出ていく。

「じいちゃん!!」
翔太に優しく微笑み、頷く朝田。
祖父の無事を知り、ほっとする翔太。

オペ室
外山が麻酔医を殴りつける。
「何やってるんですか!」と伊集院。
「こいつがきちんと麻酔管理しねーからだよ!」
「何も殴ること・・」と伊集院。
「こんなダメチームやってらんねーや。」
外山が出ていく。
「大丈夫ですか?
 あなたも何か言ってくださいよ!」
伊集院が小高に言う。
「・・・朝田先生ってさぁ、いい男よねー。」
「・・何言ってるんですか、そんなこと言ってる場合ですか!?」
「焼かない焼かない。」
「焼いてない!」
伊集院をからかいながらオペ室を出ていく小高。
その表情からすっと笑みが消えていく。

屋上
「メイシンシティーの構想を蹴って、
 本当に、ここでやっていくつもり?」鬼頭が朝田に聞く。
「・・・ああ。」
「・・人間には与えられた才能がある。
 確かに、この小さな病院で働く医者も必要でしょう。
 でも、世界の檜舞台でこそ、才能を発揮しなければならない
 選ばれた人間もいる。
 あなたや、私のようにね。」
「・・・」
「与えられた才能を生かさないのはそれだけで罪よ!
 どうして?」
「・・・ここには、俺を必要とする患者がいる。
 それだけだ。」
「ハッハッハ。やっぱり、私が思っていた朝田龍太郎は、
 もう存在しないようね。
 自分の腕を磨くことしか頭に無い徹底したエゴイスト。
 だから、天才だった。朝田龍太郎は。 
 ・・・私は野口の構想に賛成よ。
 今、目の前の一人を救うより、10年後の1万人を救える医療を目指す。
 その為に、私の持てる能力の全てを使って進んで行く。
 あなたは、目の前の一人の為に、この病院で朽ち果てなさい。」
鬼頭が去っていく。
朝田は遠くを見つめ・・・。

病院の廊下を歩く藤吉と伊集院。
「鬼頭先生は明真の統括委員長兼、
 メイシンメディカルシティー推進実行委員という、
 肩書きだそうだ。」藤吉が伊集院に言う。
「その為にアメリカから・・」
「シカゴ大学の客員教授の地位を蹴って、明真にやって来たんだ。
 本気だよ。」
「どうしてですか?」
「鬼頭先生は、ある意味徹底的なリアリストだ。
 日本発信の世界最先端医療トップになれるとあれば、
 野口とだって手を組むさ。」
「そんな・・」
朝田が二人の前を横切る。
「朝田!ちょうど良かった。
 ちょっと来てくれ。
 伊集院、お前もな。」

明真・野口の部屋
片岡にワインを注ぐ野口。
「ガーゼオーマか。
 それを切り抜けるとは・・・」と野口。
「あとはお任せください。」
二人が乾杯する。

北洋・カンファレンスルーム
「8年前の、西沢さんの手術記録だ。
 僧帽弁のオペをした山本という若い医師が、
 どうも気になる。
 そのオペの直後、突然地方の病院に異動した。」と藤吉。
「これは!?」と伊集院。
「執刀者、山本邦弘。
 よく見ると、それ以外の字と大きさ、字体が違う。」
「改ざんしたってことですか!?手術記録を!」
「本当は別の誰かが執刀していた・・」と朝田。
「術者を見てみろ。
 看護師、助手共に人数が多すぎる。
 僧帽弁の手術に、こんなに人数を引き連れて執刀する医師は、
 一人しかいない。」
「・・・」
「野口先生!」と伊集院。
「その通りだ。」と藤吉。

明真・野口の部屋
「あんなオペ・・しなきゃ良かった・・。」
当時のことを思い返す野口。

北洋・カンファレンスルーム
「恐らくそのあと、不調を訴えた西沢さんの申し出で、
 CTなどを撮り、ガーゼの置忘れに気付き、
 誰かが野口に報告した。」と藤吉。

8年前、不調を訴えて病院に来た西沢と、彼に付き添う妻。
「この人、微熱が続くもんで、検査をしてもらったんですけどね、
 どこも悪くないっておっしゃるんですよ。
 でも、本人はしんどそうだし・・」と妻。
「どこも、悪くない?」
「ええ。全然、異常はないって。」
「それは酷いなー。」と野口。
「先生?」
「わかりました。それはね、恐らく、風邪ですよ。」
「あらそう!」
「私が風邪薬を処方するように、特別に言っておきましょう。」
「本当ですか!?それは助かります!
 いえね、この人、ここ(胸)が悪いって言うんですけどね、
 野口先生にやっていたんですから、滅多なことあるわけないって
 言ってたんですよ。」と妻。
「奥さん、それは違うな。」
「え?」
「私は教授ですから、直接切ったりはしないんですよ。
 切ったのは、山本先生です。
 私は心配で、立ち会いましたけどね。」
「そうだったの?私てっきり。あらやだ、勘違い!」
「それじゃあ、お大事に。」

北洋・カンファレンスルーム
「とんでもないですよ!重大な医療ミスだ!
 しかも悪質極まりない隠蔽だ!」と伊集院。
「だからこそ西沢さんをクレイマー呼ばわりして葬り去ろうと
 していた。」と藤吉。
「このことは、もちろん、」と伊集院。
「・・話すのが、義務だろう。」と藤吉。
「そうですよね!これ、大スキャンダルですよ!
 医療裁判になりますよね!」と伊集院。
険しい表情を浮かべる朝田。

決意を胸に伊集院、藤吉、そして朝田は西沢の病室へ。
だが、そこには片岡がいた。
「藤吉先生。朝田先生も。
 どうか、されました?」
「どうかって・・」と伊集院。
「ひょっとして、ガーゼオーマのお話?」
「・・・」
「それでしたら今、西沢さんに野口先生からの伝言を
 お伝えしたところです。
 今はいないとはいえ、明真の執刀医が犯したミス。
 野口先生も、酷く責任を感じておられ、
 治療費の全額負担はもちろん、お見舞金を受け取ってほしいと、」
「待って下さい!
 そもそも執刀したのは、」
伊集院を止める藤吉。
「お金を払えば済むって問題じゃないでしょう。」と藤吉。
「西沢さんも、納得していただけましたけど。」と片岡。
「西沢さん、お望みなら、医療裁判という、」と藤吉。
「医療裁判!?そんな大事な。」と片岡。
「充分大事でしょう。これは。」と藤吉。
「裁判を起こすには、大変なお金が掛かります。」と片岡。
「勝てば、いいんじゃないんですか?」と伊集院。
「残念だけど、そうなると明真は、日本でもトップクラスの、
 弁護士を立てると思う。
 それに、裁判って時間が掛かるんです。
 あなた達は、お年を召した西沢さんに、
 何十回も裁判所に通わせるおつもりですか!?」
「・・・」
「お見舞金の、200万です。どうぞ。」
「・・・」
片岡が差し出した封筒を、西沢は受け取ろうとしない。
「西沢さん、今日ここにいらっしゃらない奥様、
 お体を悪くされて、家でも薬がちだってお聞きしました。
 その奥様の為にも、受け取っていただけませんか?
 家で心配されていると思うし、今後、ご夫婦お二人じゃ、 
 何かと入りようかと思います。
 きっと、奥様も喜んでいただけると思いますよ。」
「・・・」西沢は片岡を見つめる。
西沢のベッドに封筒を置く片岡。
「無駄な努力をするよりも、お互いにとっていい方法を、
 前向きに考える。
 先生たちよりも、西沢さんの方が、よっぽど柔軟なようですね。」と片岡。
「それが野口先生の・・いや、あんたの考えか。」と藤吉。
「ビジネスでは、私はいつも、お互いに得する方法、
 ウィン・ウィンを目指しております。」
「これはビジネスじゃない!」と藤吉。

朝田は怒った表情を浮かべながらも、
黙って聞いているだけでした。


病院の中庭
「ちくしょう!何て女だ、全く!」
アイスキャンディーを食べながら怒る伊集院。
「顔は可愛いのになー。」
伊集院の隣りに座る木原毅彦(池田鉄洋)。
「執刀医は野口先生なのに!!」
「シ、シーーッ!!大きな声出すなっちゅーんだよ!
 そりゃ俺もびっくりしたよ。
 でも証拠がないだろ。」
「手術記録のコピーが、」
「無理無理無理無理。オペ室にいた全員、口裏合わせるさ。
 野口先生と、あの老人。
 どっちが怖いって話よ。
 所詮世の中、長いものには巻かれろって話な。」木原が笑う。
「ところで、何でここにいるんですか?」
「うん、ここはうちの提携先だから、今日は論文の発表の為の
 データ貰いに来たんだ。
 またちょこちょこ来るからな。」
「・・・」
「うわっ!うわっ!!あ、あた、あたたたたたた、当たった!」
アイスの当たり棒にびっくりする木原は、
小高七海の姿を見かけ、もっとびっくり。
「こっちにもアタリが・・・キュン!キュンってきた!
 めっちゃ好きやねん、ああいうタイプ!!」

病院の廊下
「しょうがないっすよ。
 裁判なんて・・よくわからないし・・
 悔しいけど・・確かに、金あったら助かるし。」
翔太が藤吉にそう話す。

西沢の病室
「採血の結果も問題ありません。順調です。」と朝田。
「ありがとうございました、先生!」
朝田が病室を出ていこうとすると、西沢が呼び止める。
「先生・・」
「はい。」
「さっきの、ガーゼの話、本当ですか?」
「・・ええ。」
「・・・」
「西沢さんがもし訴えられるんなら、我々は全面的に協力させて
 もらいます。」
西沢が首を横に振る。
「裁判なんて、やってる間に、ぽっくり逝ってしまいます。」
「奥さん・・大丈夫ですか?
 8年前、奥さんが西沢さんを連れてこられた。
 気にされるんじゃ。」
「妻はもう・・わかりません。
 最近は特にね。
 あれ程元気で、前の手術のときも、
 やれ病院へ行けだなんだ・・
 私の世話をばかり・・。
 人の世話ばかり焼いて、自分のことは、忘れとったんでしょうなぁ。
 3年ほど前から急に・・ここんところは、ずーっと家でね・・。
 家から、もう一人では出られんのです。
 ただね、隣の県で、女学校時代の同窓会があるんですよ、今でも。
 そん時だけは、いろいろ、思い出すんでしょうなぁ。
 不思議と、元気になるんです。
 朝から、いや、出かける前から、口紅つけて、帽子被ってね。
 あいつにとっては、年に一度の、外出でね。
 それに連れていくのが、私の役目です。
 一緒じゃないと、いかんのですよ、私と・・。」
「そうですか・・。」
「だからね、だから・・治したかった。
 私が倒れるわけにはいかんのですよ。」
「・・・」
「いかんのです・・。」
朝田は西沢を見つめ・・・。

明真・野口の部屋
「そう!西沢さん、無事退院したわけだ。」
「今日の午後。」と片岡。
拍手する野口。
「さすがだねー、片岡ちゃん。」
「人は、お金の前では驚くほど単純ですから。」
「人は理念では動かない。やつらも少しはわかっただろう。」
微笑を浮かべる二人。

北洋病院
翔太に付き添われ、西沢が退院していく。
「お気をつけて。」と藤吉。
「お体、大切にね。」と院長。
「この病院で診てもらって、本当に良かった。
 8年前、私に、検査を進めた妻も、きっと、そう思っていると思います。
 本当に、ありがとうございました。」
西沢が礼を言い、病院を出ていく。
朝田、伊集院らはその背中をずっと見送る。

病院に片岡がやって来た。
片岡の横を無言で通り過ぎていく朝田、藤吉、伊集院、そして善田。
「これから、ミーティングいいですか?」
片岡が善田に言う。
「ええ。」
「あ・・っと。
 西沢さんから伝言です。
 こんなもの受け取れないって。」
藤吉が封筒を片岡につき返す。
「・・・」
「あと、あなたにご心配していただかなくても、
 妻は元気です。
 ・・・ってさ。」
藤吉はそう言うと片岡に笑いかけ、そして立ち去る。
その様子を見ていた朝田、伊集院も、微笑みを浮かべ、そして歩き出す。
封筒を手に立ち尽くす片岡。

同窓会に向かう妻に付き添う西沢。
目の前に聳え立つ山のような歩道橋を見上げ、
「上がろうか。」と西沢。
「・・・」
「なーに、大丈夫。心臓はもう治った。」
二人は微笑み、ゆっくりと階段を登っていく。
そんな様子に、こっそり見守っていた翔太は嬉しそうに微笑んだ。

明真大学付属病院
鬼頭はアイマスクをして音楽を聞く荒瀬門次(阿部サダヲ)の
イヤホンを外す。
「そういうわけで、またよろしく。」と鬼頭。
「ついに野口に寝返った。」
「とにかく今後、私の指示に従ってもらう。
 それと、朝田たちとの接点は完全になくなったものと思いなさい。」
「オペは見に行く。うちの提携病院だ。」
「何の足しにもなんないわ。
 バッキングするような麻酔医しかいないのよ。
 その後出て来た女の麻酔医は多少増しだったけど。」
「女!?」

北洋病院
廊下を歩きながらチョコを頬張る小高。

明真
「手術のチームは掛け算。
 ゼロが一人入れば全てゼロになる。
 朝田一人が100点でも、あのチームじゃ、どうしようもないわ。」
「ハッハッハッハッハ。」突然大笑いする荒瀬。
「ゼロどころかマイナスだぜ!?」
「わかったでしょう。
 これからカンファレンス始めるから。」
「でもさ・・・マイナスとマイナスかけたら、プラスになるぜ。
 それも結構でかいプラスにな!」
「・・・何言ってんの。」
「戻ってきたか・・小高・・七海!」

北洋病院
廊下を歩く小高と朝田がすれ違う。
小高は振り返り、微笑みを浮かべて朝田を見つめ・・・。


※一部公式HPあらすじを引用しました。


予告で見た荒瀬の「戻ってきたか」発言は、加藤のことかと想像して
いました。
荒瀬は小高のことを知っているんですね!
「マイナスとマイナスかけたら、プラスになるぜ。
 それも結構でかいプラスにな!」
このセリフがカッコ良かった!

態度も口も悪いですが、外山の腕は本物でした。
突然噴出した血液を機敏に避けるなど、反射神経もすごい。

朝田のオペの腕を目の当たりにした片岡、
眠っていた医師魂に火がついた、というところでしょうか。
それは、片岡だけでないようで・・・面白くなりそうです!

救世主は鬼頭先生でした。
鬼頭も朝田も立派な医師なのに、目指す方向が違う。
鬼頭は野口と組み、医師としての姿勢を貫くことに。
朝田を変わったと言う鬼頭。
以前の朝田って、
"自分の腕を磨くことしか頭に無い徹底したエゴイスト"
でしたっけ?
だとしたら、彼が変わった理由は・・・。
いろいろ想像してしまいます。

片岡に細かく報告しているのは誰なのでしょう。
前から北洋にいる、松平?それとも善田?
医者並の知識を持ち合わせている片岡。
ただの経営者とは思えません。
初回、善田の娘なのかな、と想像したのですが、
善田と片岡の2ショット場面では特にそういった感情の動きは
見せていませんでした。
藤吉に封筒をつき返されたときの彼女の表情も、
悔しさとか動揺よりも、なんだか穏やかに見えて・・。
彼女の本当の狙いは何なのか。気になります。


木曜ドラマは3本ともそれぞれ面白くて。
金曜が午後出勤で良かった〜!

今クールは
(月)【ガリレオ】
(木)【3年B組金八先生】
(木)【ジョシデカ!−女子刑事−】
(木)【医龍 Team Medical Dragon2】
(金)【歌姫】
(金)【モップガール】
(土)【ジャッジ〜島の裁判官奮闘記〜】
(土)【SP】

この8本をレビューしていく予定です。
他にも記事にしたいドラマはあるんですが、
好きなドラマ上位8本に絞りました。
ちなみに、現段階の今クール好きなドラマランキング!

1.医龍2(◎)
2.ガリレオ(◎)
3.ジョシデカ!(○)
4.歌姫(◎)
5.3年B組金八先生(◎)
6.ジャッジ〜島の裁判官奮闘記〜(◎)
7.浅草ふくまる旅館(△)毎週、ほのぼの〜!
8.死化粧師(△)ストーリーはモップガールより気に入っています。
9.モップガール(◎)谷原さんがイイ!
10.暴れん坊ママ(△)主婦・母の立場で見ています。
11.スワンの馬鹿!(△)2話でちょっとテンションダウン。
12.ドリーム☆アゲイン(△)
13.働きマン(△)
13.ハタチの恋人(−)
13.有閑倶楽部(−)

=未視聴=
SP(◎)
おいしいごはん(−)
相棒6(−)
オトコの子育て(−)
ハリ系(−

コメント、TBありがとうございます。
お返事が出来ていなくてすみません。
レビューのない火曜、水曜になるべくお返事出来る様心がけます。


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■主題歌
B000VZE26MONEAI SPHERE of INFLUENCE ユニバーサル シグマ 2007-11-07by G-Tools



「医龍2 Team Medical Dragon」オリジナルサウンドトラックTVサントラ B000VZK7YI


医龍~Team Medical Dragon~ DVD-BOX坂口憲二 乃木坂太郎 稲森いずみ B000F072HY


ドラゴンぬいぐるみ









キャスト

朝田龍太郎 … 坂口憲二
片岡一美 … 内田有紀
伊集院 登 … 小池徹平
霧島軍司 … 北村一輝
荒瀬門次 … 阿部サダヲ
里原ミキ … 水川あさみ
木原毅彦 … 池田鉄洋
藤吉圭介 … 佐々木蔵之介
鬼頭笙子 … 夏木マリ
野口賢雄 … 岸部一徳

江上 彰 … 板尾創路
田島由紀夫 … (ライブデモの患者)

善田秀樹(志賀廣太郎)北洋病院院長

外山誠二(高橋一生)血管外科
小高七海(大塚寧々)麻酔科
松平幸太朗(佐藤二朗)消化器外科
野村博人(中村靖日)臨床光学技士

第一話ゲスト
富樫ゆかり … りょう
富樫   …  田中実

第二話ゲスト
西沢孝文(牟田悌三)
翔太(山本裕典)


スタッフ
■原作
 乃木坂太郎
 「医龍〜Team Medical Dragon〜」
 (小学館刊 ビッグコミックスペリオール)

■原案
 永井 明

■取材協力
 吉沼美恵

■脚本
 林 宏司

■プロデューサー
 長部聡介
 三竿玲子

■演出
 水田成英

■音楽
 澤野弘之
 河野 伸

■制作
 フジテレビドラマ制作センター



坂口憲二さんの主な出演作品


この記事へのコメント
今回も加藤ちゃんはでてきませんでした。
ついに野口元教授が、一美のことをちゃんづけで呼びだしましたね!

荒瀬が小高を知っていたことは意外でした。

私は原作を未読ですが、1も2も大好きです!
2は少しハゲタカにもにていますね。(外資、などハゲタカで聞きなれた言葉が出てくるので・・・)
Posted by anriko at 2007年10月26日 17:20
加藤と鬼頭にあのヒールは似合わないと思っていましたが鬼頭でしたね!

朝田と話す鬼頭の言葉が読み取れないです!朝田を応援しようとしているのか、失望したのかが読みにくいです!

野口の医療ミスが争点になるのかな?白い巨塔に似るのは嫌だな〜もっとねちねちと悪役を演じてほしいです!

片岡は朝田を潰すために仕事をしているのかな?医療の現実を暴くために潜入しているような気が…

今回のチームも凄そうです!外山が出てくると伊集院がかすみますね!小高のキャラにも期待!

ちーずさんの朝田病気説が生ナマしく思えてきました
Posted by けた at 2007年10月26日 22:10
ちーずさん、こんばんは♪
>以前の朝田って、
"自分の腕を磨くことしか頭に無い徹底したエゴイスト"
でしたっけ?
これ、私も疑問でした。
原作ではそういう部分もありますが、少なくてもドラマの朝田は目の前の患者を救うことに全力を尽くす医師だったんではないかと、、
もし変わったのだとしたら、やはり「時間がない」ことと関係があるのでしょーか。
今一番気になるドラマです!
Posted by at 2007年10月26日 22:23
こんばんは。コメントありがとうございます!

★anrikoさん★
野口部長、"ちゃん"付けで呼んでいましたね〜!
そのうち、"君、○○好きだっけ?"も登場するのかな。
荒瀬と小高、元々は明真にいたので、お互い知っていたのかも。
荒瀬のあの反応!小高の今後の活躍に期待出来そうです。
もうすぐ、第4話です!

★けたさん★
鬼頭には鬼頭のポリシーがあるんですよね。
金の亡者というわけではなく、それぞれ医師としての方向性が違う。
二つのチームから目が離せません!
第1シリーズで荒瀬を見たときも手ごわそう!と思ったけれど、
今回も曲者ばかり。ハマりました。

★翠さん★
いつもありがとうございます!
翠さんもあのセリフ、疑問に思われましたか。
朝田先生は本心を人にあまり話したりしないので、
鬼頭は彼を誤解していたのかな。
もうすぐ第4話。楽しみ〜!
Posted by ちーず at 2007年11月01日 20:30
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「医龍2 第3話」手術のチームは掛け算
Excerpt: ゼロどころかマイナスだぜ でもさ マイナスとマイナスを掛けたらプラスになるぜ それもけっこうデカいプラスにな
Weblog: バスタイムTV(お風呂テレビでドラマに浸る)
Tracked: 2007-10-26 14:35

医龍 Team Medical Dragon 2 第3回 感想
Excerpt: 『その手術は失敗する』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2007-10-26 17:52

医龍2 第三話
Excerpt: ●キャスト<br />坂口憲二<br />内田有紀<br />小池徹平<br />阿部サダヲ<br />水川あさみ<br />池田鉄洋<br />佐々木蔵之介 <br />夏木マリ 他〜<br /><br /><br />●原作<br /><br />医龍―Team Medical Dragon (3)/永井 明<br /><br /> <br />¥530 <br />Amazon.co.jp <br /><br /><br />●主..
Weblog: ちょっと変な話
Tracked: 2007-10-26 22:21

医龍2 第三話
Excerpt: 「その手術は失敗する」
Weblog: 特に個性の無いブログ
Tracked: 2007-10-26 23:10

医龍2 (坂口憲二さん)
Excerpt: <br />◆坂口憲二さん(のつもり)<br />坂口憲二さんは、毎週木曜よる10時フジテレビ系列にて放送されている連続ドラマ『医龍 TEAM MEDICAL DRAGON2』に朝田龍太郎役で出演しています。
Weblog: yanajunのイラスト・まんが道
Tracked: 2007-10-27 13:02

《医龍2》KARTE★03
Excerpt: 道路で意識を失っていた西沢が救急車で北洋へ運ばれた。伊集院が声を掛けるが、医局のぐうたら医師たちが乗ってこない。<br />そんな中で朝田は手術を敢行。<br />
Weblog: まぁ、お茶でも
Tracked: 2007-10-28 03:48
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