2007年10月28日

ジャッジ〜島の裁判官奮闘記〜 第3回

『告白』

三沢恭介(西島秀俊)は島で起きた殺人事件を受け持つ。
それは長年の介護の果てに、妻(中原ひとみ)が寝たきりの夫を
殺してしまうという悲しい事件であった。
殺人事件のような重大な事件は合議体と呼ばれる3人の裁判官に
よって行われ、恭介は鹿児島本庁から出張してきた2人の裁判官と
裁判を進めることになる。

そんなとき、東京にいる恭介の母親、早苗(大山のぶ代)が足を骨折し、
手術を受けるという連絡が入る。
殺人事件の裁判で動けない恭介に代わって、麗子(戸田菜穂)が
見舞いにいくことになる。

一方、介護の殺人事件は、寝たきりの夫を11年に渡って一人で
献身的な介護を続けたあげく、慢性的な疲れと睡眠不足から、
思い余って犯行に及んだものと弁護士の平正明(寺田農)は法廷で
主張する。
だが、恭介は、被害者の顔の安らかな表情から、予想していたような
単純な事件ではないことに気がつき始める…。

公式HPより=
仕事で動けない夫の代わりに、自分が行こうかと聞く麗子。
島の裁判官は、こんな時にも島を離れることが出来ないんですね。

「合議体の場合、キャリアの一番長い裁判官が中央に座り、
 裁判長を務めます。
 でも島では、支部長である夫が、裁判長になります。
 もちろん、初めての経験です。」


見舞いに来た麗子の姿に、
「あら!麗子さん!
 恭介・・恭介は?」
やっぱり、息子に会いたいんですよね。


東京に住む被告人の長男・弘樹が証言台に立つ。
「ごめんや・・ごめんや・・」
息子に謝罪の言葉を繰り返し、その場に倒れてしまう母。
裁判は休廷に。

「せっかくの時間ですから、証拠を確認しておきましょう。」
二人の裁判官と話し合う恭介。
「たった一人で11年間も、被害者の介護を行ってきた被告人も
 可哀想ですが、人一人殺している以上、実刑は避けられないですね。」
と女性裁判官。
「堺さんは、気が早いね。」ともう一人の裁判官。
「警察官も話していましたが、被告人は、犯行の動機、状況について、
 ほとんど具体的に供述していません。」と恭介。
「殺そうと思って、首を絞めたことに間違いありませんと
 証言がありましたよね?
 殺意を認めるのに問題ないように思いますが。」
「確かに・・・。」
その時、被告人は持病の高血圧の悪化で倒れたとの報告が入る。
命に別状はないが、2、3日の安静が必要。
「期日が延びたことですから、じっくり、提出証拠を確認しておきます。」

女性裁判官が驚いたように、今まではスピーディーを美学としていた
恭介は、本当に代わりました。


弁護に加わった夏海(浅野温子)は平弁護士に、
「私、記録を何度も読み返しましたが・・
 単純な介護疲れ殺人ではないような気がしてきたんです。
 嘱託があったのでは。」と話す。
「嘱託か・・
 ダンナに殺してくれと頼まれた・・ 
 しかし、被告人はなぜそれを言わんのかや。」
夏海は被告人の体力が回復したら話してみたいと平弁護士に頼む。
「それはぜひ、お願いします。」快諾する平弁護士。

海を見つめて考え込む恭介。
そこへ、麗子からの連絡。
母の手術成功にほっとする恭介。
「お袋に何かあったら、いつでも連絡をくれ。」

恭介が家に帰ると、居酒屋『里美』の女将で官舎の町内会長の
池田里見(国生さゆり)が料理を持ってきてくれていた。
「困ったときはお互い様!」

病院
「しかしさあ麗子さん、あんたとんでもないのと結婚しちまった
 もんだよね。
 転勤転勤ってさ、裁判官なんかと結婚したりしなけりゃさ。」
「いえ・・やっと最近、それを楽しまなって・・。
 でも、お母さんが寂しいですよね。」
「わ、私は、一人が気楽で一番さ。
 恭介にいっておいてくれ。私のことはなんにも心配することないからって。」
「・・・」

息子に心配かけまいという母の思いが伝わってきます。

屋上から港をぼーっと見つめる恭介に、谷川淳一(的場浩司)が声をかける。
「支部長、なんだか昨日は大変だったみたいですね。
 初めての裁判長、試練の日々ってとこですか?」
「被告人が、私のお袋と同い年で。
 なんかね・・他人事とは思えなくて。」
「そういえば、お母さんのご容態は?」
「手術は上手くいったそうです。」
「そうですか。良かったですね!」
「手術にも、付き添ってやれなかった・・。
 こういうことがあると、お袋を一人にして、
 転勤続きの裁判官を続けていていいのか、
 考え込んでしまいますよ。」
「お母さん、お一人なんですか?」
「一人でもんじゃ焼き屋やってます。」
「もんじゃ焼き?」
「ええ。私、もんじゃ焼きで育てられたんですよ。」
「へー!なんか以外だな!」
「谷川さん、ご両親は?」
「なんとか元気です。
 埼玉で両親と弟と三人、ほそぼそと農業やっています。
 私も全国を渡り歩く身ですから、長男としては肩身が狭いです。
 どんな形で親孝行すればいいのか。
 ま、親には親の人生があり、子どもには子どもの人生が 
 ありますから。
 難しいっすよね。」
微笑み、海を見つめる二人。

そんな中、鈴元久美子書記官(市川実和子)が、
刑事事件から民事担当に担当を替えて欲しいと恭介に言う。
「刑事事件って、なんだかいつも救いが無いです。
 法廷にいると辛くって・・。」
「気持ちはわかるけど・・」
「すみません。支部長も大変な時にこんな大変なことを言って。」
「いや・・」
「お願いします!失礼します。」

「その週末、夫は初めて、
 娘と二人だけで過ごす休日を迎えました。」


娘・麻衣子(桝岡明)と一本道を自転車で走る恭介。
二人とも足をペダルから大きく離して、
微笑ましい!


桑野村の相撲大会に、翔太も参加していた。
「島の子は友達の家は自分の家ですから、
 めっきり兄弟が増えて家の中を走り回りますよ。」
麻衣子の担任・水谷恵子(安 めぐみ)が恭介に言う。
翔太に声援を送る麻衣子。
負けて悔しそうに土俵を叩く翔太。
「翔太君、ドンマイドンマイ!」

恭介は部屋に飾ってある歴代横綱の写真に気付く。
十三代目横綱は、今回の事件の被害者・本田勝男だった。
「被害者の若い頃か・・。
 この集落出身だったんだ。」

怒鳴り声が聞こえてくる。
村の人が、勝男の息子に向かって怒鳴りつけていた。
「やーが殺したんだ、この親不孝もんが!!」

大美島拘置支所を訪ねていく夏海と平弁護士。
「本田さん、お話になっていないことありませんか?」夏海が聞く。
「・・・」
「もしかして、ご主人に殺してくれと頼まれたんじゃありませんか?
 本田さん、嘱託殺人であればあなたの場合、執行猶予になる可能性が
 高いです。
 刑務所に入らなくていいんです。」
「わんは・・執行猶予にしてほしいなんて、言ってないど。
 刑務所に入りたくないなんて誰が言ったか!」
「・・・」
「帰れっちば!」
「・・・」

拘置所を後にした二人。
「弁解はしたくない。
 自分の侵した罪を受け入れたいという気持ちかや・・。」
「それだけでしょうか。
 ご両親があんな状態だったのに、息子さんはどうして、
 十数年間一度も島に戻ってこなかったんですか?」
「うーん、それがどうも、住んでる集落の人たちを、
 詐欺商法まがいのねずみ講に巻き込んでしまったようで。」
「詐欺商法・・」
「うん、集落の人たちにも、かなり迷惑をかけたようで、
 顔向けが出来ないんでしょうなー。
 その上、弱り目に祟り目、父親の経営する黒糖焼酎工場も、
 ちょうどその頃倒産してしまって。」
「詐欺商法に倒産・・」
「ほんっとに、えらい裁判に巻き込んでしまったや。」
「先生、次の公判期日、延ばしてもらいましょう。」
「は?」

恭平の元に、後半の期日を一ヵ月半伸ばして欲しいとの依頼書が届く。
これから嘱託殺人の証拠を集めるという夏海たちの考えを、
恭介は基本的には受け入れたい、と鹿児島の裁判官に伝える。

女性裁判官は反対するが、もう一人の裁判官は
被害者に左半身の麻痺はあったものの、
着衣の乱れ、布団の乱れがなかったことが気になっていた。

居酒屋『里美』
「よく鹿児島のお二人が了解したよ。
 あんなあやふやな弁護側の申し出を。」と野見山庶務課長(小野武彦)。
「支部長、サカイ裁判官に嫌味言われたそうです。」と鈴元。
「だろうな。」
「でも支部長、島には島のやり方があるんですって切り替えしたそうです。」
「え・・カッコイイですね!」と泉書記官(松尾敏伸)。
「カッコイイやぁ・・。」と瀬戸事務官(橋爪 遼)。
「支部長・・なんか変わってきた・・」

食事の支度をする恭介と麻衣子。
そこへ麗子が戻ってきた。
エプロン姿の恭介に、麗子はびっくり!

「おばあちゃん、良くなった?」
「うん。一ヶ月ぐらいで退院できるって。」
「一ヶ月?」
「お袋、わがまま言わなかった?」
「うん。言われへんよ。
 けど、もっと付いておうと思ったのに、身の回りのことは一人で
 出来るから、早く島に帰りなって。」
「そう・・。」

庭で考え込む恭介。
麗子が隣に座る。
「お母さん、絶対に又お店に立つつもりよ。
 死ぬまで、恭介の世話にはならないから、
 心配いらないからねーって。」
「え・・そんなこと言ったの?」
「うん。」
「・・そう。」
夫の横顔を見つめる麗子。

「第2回公判の日を迎えました。」

被害者の息子は、時間になっても裁判所に姿を見せない。

証言台に、桑野村の区長・大郷信正が立つ。
「亡くなった勝男兄は、若かりし頃は、島の横綱で、
 腕力は集落一強かったです。」
「では、被害者の勝男さんなら、もし、不本意に殺されようとしたら、
 片手でも払いのけることは出来たんですね。」と夏海。
「異議あり!誘導尋問です。」
「弁護人は質問を変えて下さい。」
「では、12年前、息子・弘樹氏が、詐欺商法で集落の人を
 巻き込んでしまったことを本田夫妻は知っていたんですね。」
「もちろんです。
 その後二人は、夜逃げ同然で逃げるように村を出ていってしまって、
 勝男兄は、私にだけは住んでいる場所を知らせてきて、
 金を送ってきたんです。
 息子が迷惑をかけた集落の人に渡して欲しいと。」
「つまり息子に代わって被害者は、区長さんに送金を続けていたんですね。」
「そうです。」
「送金はずっと続いていましたか?」
「このところ、滞ることが多くなって・・
 どうしたのかなと思っておりました。
 まさか・・こんなことになっておったとは・・」
「他に、何かお話することはありますか?」
「はい。実は、勝男兄が黒糖焼酎の工場を畳んだのは、
 倒産ではなく、
 家や会社を整理した金を、集落の人に、返すためでした。」

夏海が休廷を願い出る。
「証人は被告人の為に昨日まで、東京や大阪の知人を回って、
 嘱託殺人の証拠を探し回っていたんです。
 証人は、必ず来ます!」
その時、証人を乗せた飛行機が悪天候で引き返したと連絡が入る。
「休廷します。」と恭平。

「三沢さん、被告人の息子の証人尋問は必要でしょうか。
 今までずっと島に帰ってきていなかったんですよね。
 両親の最近の生活状況や、もちろん、事件当時のことなんて、
 何も知らないでしょう?
 弁護側に、息子の証人尋問を取り下げさせるか、
 そうでなくても、被告人質問を今日終わらせるべきだと思います。」
と女性裁判官。
「・・・いや。
 やはり先に息子の尋問を行ってから、被告人質問を行いたいと思います。」
「理由は?」もう一人の裁判官が聞く。
「嘱託があったにせよ、なかったにせよ、
 被告人は、犯行についてほとんど話をしていません。
 この家族に、どんな事情があったのか、
 それを聞き漏らさないためにも、被告人質問の前に
 関係者の証言を聞いておきたいんです。
 この島の人たちは、本心を人の前で話すのが、
 得意でないような気がします。」
「・・・三沢さん、あなた、息子の話を、被告人である母親に
 聞かせたいんですね。」
「・・ええ。」

「証人尋問は、改めて3週間後に行われることになりました。
 相変わらず、島ならではの法廷も続いています。
 例の貸金訴訟です。」


前回終わったわけじゃなかったんですね!
お互い主張を曲げない二人に、
「よし、こうなったらじっくりといきましょう。」
背広を脱ぐ恭介。
長期戦となりそうです。


「リハビリを続けていた母が、突然、島を訪ねてきました。」

海岸
息子と孫が遊ぶ姿を見つめながら早苗は麗子と話す。
「麗子さん、あの子は不器用にのめりこんじまうところがあるから、
 いろいろ迷惑かけるかもわかんないけど、
 よろしくお願いします。」
「お母さん・・」
麗子と麻衣子がジュースを買いにいく。
「リハビリ、ちゃんとやってる?」恭介が早苗の隣に座る。
「まどろっこしいけどやってるよ。
 早いとこ開店したいからね。」
「無理しちゃだめだよ。自分では丈夫なつもりでも、
 体はそうじゃなくなってるんだから。」
「・・・」
「でもお母さん、どうして急に。」
「だって、あんたが来るのを待ってたら、
 いつになることやら!」
「・・ごめん。」
「冗談だよ、冗談。
 なんかねー、店も開けないでうちの中にいるとくさくさしてくるだろ。
 だから丁度いい機会だと思ったんだよ。
 こんなことでもなけりゃ、こんな南の島に来るなんてことは
 絶対ないと思う。
 それにさ、麻衣子にも会いたいしさ。」
「・・・母さん、あのさ、その気になったら、狭いけど
 俺たちと一緒に、」
「あんた、麗子さんにそんなこと言ってないだろうね!」
「え?」
「えじゃないよ。
 麗子さんだって2、3日だから、優しくしていられるんだよ。
 そんなこともわかんないなんて、まったく!
 母さんのことを心配するより、お前は仕事をしっかりおし!
 あんたの仕事はね、人様を助ける大事な仕事なんだよ。
 母さんそれが、自慢なんだよ。
 麻衣子と麗子さんを大事にして。
 あの二人に、助けられてるんだよ。」
「・・・」
「お母さん、お茶でよかったですか?」
二人の話を聞いていた麗子が歩み寄る。

公判前日。
ロケットの中の父と幼い自分の写真を見つめる夏海。
そこへ弘樹が駆け込む。
「先生!こんなもんが!」

「そして、公判の日を迎えました。」

「これは、被害者が書いていたノートです。
 これを、新しい証拠として請求します。」
夏海の持つノートに驚く磯子。
「異議あり!証拠は公判期日前に開示するのが大原則でしょう!」
「私も昨日、被告人の息子さんから提出受けたもので、
 事前に開示できず、申し訳ありません。」
「検察官、ご意見は?」と恭介。
「・・・現段階では不同意です。」
「このノートを示して、被告人の長男・弘樹氏に質問を行います。
 証拠として採用するかどうか、その上で決めていただけませんか?」
裁判官たちが許可する。

「あなたはなぜ島を離れたんですか?」夏海が弘樹に質問する。
「・・・親父が・・怖かったんです。 
 仕事一図で・・頑固者で・・
 そんな親父から逃げ出したくて。
 それに・・」
「それに?」
「・・・区長さんはじめ、島の人たちから大金を騙し取ってしまい、
 とてもいられなくなって・・。」
「迷惑をかけた人たちに謝ったり弁償したりしましたか?」
「・・・いえ。何も・・」
「では、お父さんが工場をやめたことや、病気になられたことは
 知っていましたか?」
「・・・はい。風邪噂で。
 でも、まともな仕事にもついていなくて、
 帰れなくて。」
「お父さんが工場を閉めたのは、あなたの不始末を弁償するお金を
 作るためだったことは?」
「・・・今回島に帰ってくるまで・・全く知りませんでした。」
「では!お母さんまで体調を悪くし、
 それでもお二人が年金の中から、集落の人たちに、
 少しずつお金を返し続けていたことも、
 今回島に戻るまで知らなかったんですね!」夏海が声を荒げる。
「・・・はい。」
泣き出す弘樹を心配そうに見つめる磯子。
平弁護士が代わる。
「証人、このノートに、見覚えがあるかい?」
弘樹が頷く。
「このノートは、誰が書いたんかい?」
「親父です。親父は、日々考えていたことを、書き記していたんです。」
「以上です。」

「私から証人に、補充質問があります。
 両親が、あなたに代わって弁償を続けられたのは、
 なぜだと思われますか?」と恭介。
「集落の人たちに・・すまないと思って・・」
「それだけでしょうか。
 あなたに代わって償えば、あなたが島に帰りやすくなる。
 つまり、あなたに帰ってきて欲しかったんじゃないでしょうか。」
俯いていた磯子が顔を上げ、恭介を見つめる。
「わんも・・父ちゃんやおっかぁに会いたくて・・
 会いたくて・・
 島に帰ってきたくて・・
 帰ってきたかったけど・・
 わんが、父ちゃん殺したようなもんです。
 おっかあじゃありません!
 おっかん許して下さい・・
 わんが代わりに・・・。」
号泣する息子を見つめる磯子。

「本田さん、まだお話になっていなことありませんか?」夏海が聞く。
「・・・」
「どうしてご主人を殺してしまったのですか?」
「・・・」
「本田さん、ご主人との間に何があったのか、真実を話して下さい!」
「・・・」
諦めて席に付く夏海。

「本田さん、私はあなたに、どんな処罰を与えるか、
 判断する立場にあります。
 これまでの公判の中で、息子さんをはじめ、
 色々な人のはなしを聞きました。
 しかし私はまだ、判決を出せる自信がありません。」
恭介の発言に驚く人々。
「それは、あなたの言葉をまだ充分に聞いていないからです!
 聞かせていただけませんか?
 あなたがなぜ、ご主人を死なせてしまうことになったのか。」
「・・・」

「弁護人、質問を続けますか?」
「はい、先ほどのノート、被告人に示したいのですが。
 ここに書いてあることを声に出して読んで下さい。
 最後のページです。
 被害者になったご主人は、何かを話したくても、話せません。
 あなたが代わりに読んでください。」
「・・・いそこ ありがとう」
そう読むと、ノートを抱えて泣き出す磯子。
「・・・以上、質問を終わります。」
夏海が席に戻ったとき、磯子が話し出した。
「楽にしてくれ・・・」
「今、何て言ったんですか!?」
「楽にしてくれと・・そう言われたんです・・。
 もう、限界でした。
 主人も私も、病気になって・・
 お金が掛かって・・
 償いに回すお金も・・どうにもならなくって・・
 あの日・・家に戻ってきたら、夫は・・包丁を取ろうとして・・
 必死で止めました。
 そしたら・・」

「らくに・・らくにしてくれちま・・いそこ・・」

「その時、夫の姿があまりにも不憫で・・
 気が付いたら・・
 本当に、申し訳ないことをしてしまいました・・
 裁判長!私は、執行猶予を望みません!
 夫を殺して、このまま・・私との息子だけ、一緒に暮らすなんて、
 そんなことは出来ません!!」
涙をぽろぽろこぼしながら語る磯子・・。

「夫は、判決の規範に取り組み始めました。」

第4回公判期日(判決宣告)
「それでは、判決を言い渡します。
 主文、被告人を、懲役3年に処する。
 ただし、この裁判確定の日から5年間、その刑の執行を猶予する。
 どんな事情であれ、人の命を奪ってはいけないし、
 他に選択の道はなかったのか、残念です。
 しかし、あなたはそのことを充分に受け止めていると思います。
 これからは、そのことを胸に、島に戻られた息子さんや、
 集落の人たちと共に・・・
 生きて下さい。
 それが、亡くなられたご主人の、望まれたことでもあるのですから。
 亡くなられたご主人の分まで、生きて下さい。」
涙ぐむ磯子、そして弘樹。

三沢家
「お疲れ様。」
「ああ。」
「あ、お母さんから、お店再会したって電話あったわ。」
「え?もう!?」
「一人でお店切り盛りして、あんな大怪我して、
 弱音一つ吐かれへん。
 私お母さんのこと見直しちゃった。」
「うん。」
「あのね、私今回東京へ行って、なんであなたと結婚したか、
 思い出した。」
「え?」
「初めて、恭介さんのおうちにもんじゃ焼き食べにいった時ね。」
「ああ!」
「あの時にね、ちゃきちゃきした江戸っ子のお母さんに、
 一目で惚れたんよ。
 あなたに、プロポーズされたとき、最初にお母さんのこと思い浮かんで、
 あの人の息子やったら、間違いないやろうなって。」
「え、初めてきいたよ。」恭介が笑う。
「初めて言うたもん!」
「じゃあ、お袋に感謝しないとな。」
「そうや。」
楽しそうに笑いあう二人。

ああ、この夫婦はもう大丈夫ですね。
なんだかほっとしました。


父の墓参りをする夏海。
恭介が通りがかる。目のあう二人。
夏海が会釈をする。

「今回の事件、どうして引き受けられたんですか?」
「東京では、民事が専門だったんです。
 刑事事件も勉強しておかないと、優秀な裁判官に負けちゃうから。」
「・・・」
「私の父、弁護士になる前は裁判官だったんです。
 ずいぶん昔ですけど。
 刑事事件専門でした。
 ・・・これからも、支部長さんのお手並み、楽しみにしています。」
夏海はそう言い、歩き出す。


親子って・・・。
今回もいろいろと考えさせてくれるテーマでした。
犯人に自分の母親を重ねて見る恭介。
自分の母親の手術にも、島を出ることの出来ない恭介は
親に対して負い目を感じていたでしょう。
そんな夫の気持ちを察し、すぐに東京へ飛ぶ麗子、
いいお嫁さんです。
そして早苗も、きっと本当は息子の側で暮らしたいのに、
息子とその家族のことを一番に考えていて。
みんなが相手を思いやっているんですね。

夫を殺害した老婆を演じられたのは、中原ひとみさん!
彼女の熱演が涙を誘います。
年老いた夫婦の介護生活。
嫁として、そして将来の自分の立場に置き換え・・
人事ではありません。

中原さん、30年以上前ですが、『ライオン』のCMにご家族4人で
出演されていましたね。
実は、お嬢さんとは幼稚園が一緒だったり。

前回のゲスト・千堂あきほさんに続き、お久し振りに演技を見ることが
出来て嬉しいゲストでした。
次週も久々登場、ソニンさん!
次週予告の西島さんの泣くシーンを見ただけで、もう泣きそう!



金曜から日曜のドラマ3本を日曜に全部するのはキツいかも。
来週からは『SP』も始まりますね。
『モップガール』、もう1度見直して決めますが、
レビューなしの視聴のみにするかもしれません。


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エンディングテーマ
B000VUSILW種をまく日々中孝介 エピックレコードジャパン 2007-11-14by G-Tools



キャスト

三沢恭介(36歳)…西島秀俊
三沢麗子(33歳)…戸田菜穂
三沢麻衣子(8歳)・・・桝岡明

野見山修(56歳)…小野武彦(大美島支部の主任書記官)
谷川淳一(36歳)…的場浩司 (家裁調査官)
鈴元久美子(28歳)…市川実和子(書記官)

泉 孝之・・・松尾敏伸(書記官)
瀬戸幸彦・・・橋爪 遼

塚本隆史・・・北村有起哉
水谷恵子・・・安 めぐみ(小学校教師)

島谷マツ・・・菅井きん
池端忠一・・・梅津栄

平田  透・・・博多華丸
平田かおり・・・重泉充香
平田  悟・・・堺 翔太
悟の祖母 ・・・路井恵美子

添田 博・・・藤木勇人
添田美那・・・八田麻住
添田翔太・・・土井洋輝

検事・・・村上かず
紬工場社長・・・南条好輝

大阪地裁・裁判長・・・山西 惇
大阪地裁・所長・・・芝本 正

夏海の父(写真)・・・鈴木瑞穂

池田里見(40歳)…国生さゆり(居酒屋『里美』の女将。官舎の町内会長)
池田結・・・坂口あずさ

三沢早苗・・・大山のぶ代

平正明(68歳)…寺田農(島の弁護士)

畑夏海(43歳)…浅野温子(敏腕弁護士)


第二話ゲスト
牧竜一・・・森田直幸
牧芳子・・・千堂あきほ


第三話ゲスト
安田判事・・・利重 剛
坂井判事補・・・野波 麻帆
検事・・・村上かず
大郷信正・・・河原さぶ
本田勝男・・・平井昌一
本田弘樹・・・津田寛治
本田磯子・・・中原ひとみ


第四話ゲスト
新城瞳・・・ソニン

スタッフ
脚本:中園健司
検出:本木一博
   櫻井 賢
   大原 拓
音楽:羽毛田丈史



西島秀俊さんの主な出演作品



浅野温子さんの主な出演作品
この記事へのコメント
いや〜裁判のシーンに泣かされました!息子の証人尋問から涙が止まらなかったです〜

恭介は本当に変わりましたね!女性裁判官のセリフにもありましたがスピーディーよりじっくり事件に取り組む姿が凄くいい!

大変な仕事ですね〜マチベンでもありましたが考え方ひとつでミスジャッジになってしまう!その責任は誰が取るのかな!裁判員制度もまもなくはじまりますがコレだけの意識が持てるのかな?もし自分が抽選で当たっても拒否したいな〜僕には人を裁くことは出来ないかも、死刑になっても不起訴になっても眠れないかな良く理解していない制度ですが遺族たちに怨まれそうで怖いかな
Posted by けた at 2007年10月28日 20:51
ちーずさん、レビューありがとうございます。

被告人役の女優さん、誰だっけ…と思いながら観ていました。確か名優の誰かだ…何も言わないのに、この存在感…エンディングでやっと中原ひとみさんと知りました。
利重剛さんは、あまりかっこいい役はこの頃なかったけど、今回は味のあるいい役どころでした。

時々、麗子(戸田菜穂さん)の声でナレーションが入るのがいいですね。島に来て、夫婦が一体で生きているのが感じられます。
お母さん役の大山のぶ代さんは、子どもさんが欲しくて散々苦労して、流産したりして、結局実生活では子どものない人生を過ごしてこられたと聞いています。だから今回のお袋役は、楽しんで演じていらっしゃるのではないかと思いました。
私も、息子が二人いるのですが、将来運よくお嫁さんが来てくれたら、こんなお姑さんになりたいなぁと思うお母さんでした。

「島には、島のやり方がある!」
「じっくりといきましょう!」と上着を脱ぐ恭介は、かっこよかった。スピードアップ・効率化は、結局「人間」を見えなくしてしまいます。大切なものは、時間をかけないと見えない…気持ちのいい第3回でした。
Posted by やすこ at 2007年10月28日 23:46
こんばんは。コメントありがとうございます!

★けたさん★
裁判員制度、まだまだ自分にとっては遠い存在のような気がしていましたが、
このドラマを見ていて、人を裁くということの重大さを思い知らされます。

★やすこさん★
中原ひとみさん、利重剛さんの演技に感動しました。
大山さん、そうだったんですか。知りませんでした。
息子の幸せを一番に考えていて、お嫁さんの立場もしっかりと考えて。
本当に素敵なお母さんですね。
私も将来ああなりたいです。
>大切なものは、時間をかけないと見えない
これこそが、このドラマが描こうとしていることなのでしょう。
あと2話というのが寂しいですね。
Posted by ちーず at 2007年11月01日 20:00
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「ジャッジ〜島の裁判官 奮戦記〜」第3話
Excerpt: 親の子への愛情、子の親への想い。 罪人を人が裁くということ・・・。 NHK土曜ドラマ「ジャッジ〜島の裁判官 奮戦記〜」第3話『告白』
Weblog: 三毛猫《sannkeneko》の飼い主の日常 〜ドラマ編(仮)
Tracked: 2007-10-28 20:24

ジャッジ〜島の裁判官 奮闘記〜 第3話:告白
Excerpt: いい判決だったなぁ( ノД`)シクシク…<br />寝たきりの夫を11年に渡って一人で献身的な介護を続けたあげく、<br />慢性的な疲れと睡眠不足から、思い余って犯行に及んだものかと思われた<br />殺人事件は、実は夫から「楽にして..
Weblog: あるがまま・・・
Tracked: 2007-10-30 11:19