2007年12月09日

歌姫 第九話

『あなたが二人いればいいのに』

太郎 (長瀬智也) とじっくり話をしたい、と 美和子 (小池栄子) は
毎晩メリー (遠山景織子) の店で待つが太郎は現れない。
太郎は「及川勇一」だったという以前の自分の姿が信じられなかった。
さらに美和子と話をして過去の記憶を思い出してしまうと、
この10年のことを忘れてしまうのではないかと不安を抱えていたのだ。

そんな想いを持ちながら、太郎と 鈴 (相武紗季) はキスをし、
抱きしめあう。
浜子の夕食に呼ぶ声に慌てて離れる二人。
「あ・・今日の、ご飯は何やろうね。」と太郎。
「・・・」照れて笑う鈴。
「ほいたら、行くぜよ。」
「うん!」

キスのあとの二人の様子が微笑ましい。
好き合った同志のキスだったんだなぁと感じさせてくれました。
鈴からのキスも良かったですが、ここは太郎からのキスで
彼の気持ちを見せてほしかったかな。
「なんや二人で話しておったみたいっちゃ。」浜子が勝男たちに言う。
「まさか、太郎東京へ行くつもりながや・・」と泉。
「・・・」

そこへ太郎と鈴がやって来た。ぎこちない様子で食卓に着く二人。
「けんど、楽しみちや。
 可愛い女の子が、・・・」
ご飯を食べようとした鈴の手が止まる。
「社長はやっぱ、男の子が欲しいがか?
 泉も鈴も女やし、男の子が欲しかったがやろ。」
バクバクご飯を食べながら話す太郎。
「けんど男の子は、太郎がおるき充分ちや。
 うちには、両方おるき、とにかく元気な子が一番ちや。」と浜子。
「そう!元気な子が一番ぜよ。」と勝男。
「鈴、食べや。」
「あ・・うん・・今晩は、ええき。
 ご馳走様でした!」
「鈴?」
鈴は自分の食器を下げてしまう。
「やっぱり、そういうことなんじゃ・・」と晋吉。
「ちょっと!」と泉。
「・・・と、思ったけんど、やっぱりいかんちや!
 もう1度、いただきます!」
席に着きなおし、ご飯を食べる鈴。
「うん?どういたがじゃ?鈴。」浜子たちが不思議がる。
「うまい!!」

太郎とキスした唇でご飯を食べたくなかったんですね。
鈴の乙女心が可愛い。
それに比べて太郎はいつも通り。
男だから?それともファーストキスじゃないから?
それでも鈴を見つめる眼差しがとても優しく見えました。


食事の後部屋に戻った鈴、
「・・・うち・・キス・・してしもうたちや・・。」
そう呟くと、ぼーっとしたまま押入れから掛け布団だけ取り出し、
横になる。
「・・・!!
 服、着たままちや。」
着替えようとした鈴は、鏡に気付き、自分の顔を見つめながら
太郎とのキスを思い出し・・・
「くぅーーーーっ!」
と叫ぶと大の字に横になり、手足をばたつかせ幸せに浸るのだった。

その頃太郎は勝男、晋吉と酒を飲んでいい気分。
「出産の前祝じゃ!」と上機嫌な太郎。
酒の飲めぬ晋吉は困り果て、勝男も明日があるからとたしなめると、
「二人ともつれないこと言うなよ。
 ワシだってのう、飲みたい夜があるがじゃ。
 飲めん男は男やないきね。
 わしは男の中の男やき、とことん飲むがぞ飲むときは!」
太郎の言葉に
「よし!今夜はとことん飲むがぞ、太郎!」と勝男。
「ダイナマーイト!飲むぜよ飲むぜよ!」

太郎は鈴とキスしたことで浮かれているんですね。
鈴とのことで幸せいっぱいな太郎が可愛いです。


メリーの店
「はぁー。今夜もフラレたみたいyわ。」と美和子。
太郎に"今は正直言って、全くの他人にしか思えんき。"と言われたことを
思い起こす。
「勇さんと私は、そもそもなして結婚したかと思う?」美和子がメリーに言う。
「親の決めた結婚、って聞いたやけんど?」
「そう。そもそもはね。
 でも、東京の女子大通うのに、私が東京に出て来たとき、
 勇さんの家に居候させてもらったの。
 親同士も仲良かったから。
 すかした格好して何やっても出来が良くて、
 なんだかちょっとキザだったね、勇さん。
 ま、秋田から出て来た娘っ子には東京の人はみんなキザに見えたけど。
 最初はなんだかとっつきにくい人だなーと思ってたから、
 私はなんとも思ってなかったの。
 いざとなったら結婚なんかしねーでも構わねって思ってたくらいだから。
 そしたら勇さん、私のことね・・・
 愉快でメンコイ女子だって。
 勇さん私にのぼせ上がっちゃってさ。
 美和子さんは、ひまわりみてーな人だって。
 普段はあまり喋らないんだけども、笑顔が優しくて・・・
 そこに私も惚れちゃったんだなー。
 ・・・ダメだ。私もなんでこんなこと話してんだべ。
 こんな話してもどうにもなんねーのに。
 さ、帰るべ。明日もあるしね。お勘定おねげーします。」
「今晩はええき。」
「え?」
「毎晩来てくれちゅーけんど、すっぽかされゆうき。」
「だけども、」
「うちも女の端くれやきね。
 おまんの痛みやち、ちったーわかってるつもりちや。」
「・・・へば、今晩だけは、そのお言葉に甘えさせてもらいます。
 ご馳走様でした!」
美和子が帰っていく。

太郎の方が先に美和子を好きになったんですね。
なんだか意外でした。
でも、東京で生まれ育った太郎にとって、美和子のような女性は
とても魅力的で、惹かれたっていう気持ちはわかるかな。
美和子のことを知れば知るほど、鈴を応援する人たちも、
美和子の幸せを願うようになっていくのですね・・。


オリオン座の隣の店で元気に働く美和子。

オリオン座
「美和子さん当分おるつもりやろうか。
 この際自分ほっちょいてもええと思いますき。
 赤の他人としか思えんがでしょう?」とジェームス。
「ほうやけんど、夫婦やって言うしな・・。
 わしも他人にしか思えん言うたがやけんど。」と太郎。
「ほっちょくがです!
 戻りとうないがやったら、相手にすることないですき!」
「まっことお前、一人で盛り上がって・・。」

二人のやり取りを聞いていた勝男と浜子は・・。

オリオン座隣の店
「丸顔!」とゲルマン。
「うん?」
「太郎がこのままなんちゃ思い出さなかったらどうするつもりじゃ?」
「勇さんが思い出してくれるまでここにいる覚悟だよ。」
「一年思い出さなかったら一年おるがか?」
「うーん・・」
「10年思い出さなかったら10年おるがか?」と漁師。
「・・・」
「ずっとここに住むいうわけですか?」とロシア。
「そう言われると困っちまうんだけども・・
 いろいろ話したら思い出してもらえる自信あったんだけど・・
 でもそういう訳でもねーみたいだし。
 ま・・気合入れなおしてるとこよ!」
「・・・」

オリオン座 映写室
「けんど鈴さん辛いやろにゃ。」とジェームス。
「まっことおまんはすぐ話をそっちに持っていって。」と太郎。
「わしは二人の恋を応援しゆうがですよ!
 いや、土佐清水の人たちはみーんな応援しゆうがです。」
「んなわけないやろう。」
「いっそガーっとキスでもすればええがや。」
飲み物を吹き出す太郎。
「あ!!ちょっと何するがですか!!
 ・・・太郎さん!太郎さん!!」
「いやいや、なんちゃないなんちゃない。」
「・・あ!!」
「あ?」動揺する太郎。
「もしかして・・」
「いやいやいやいや。
 わしはなんちゃせんきね!
 鈴とキスなんかしとらんき!!」
「・・・え?」
「あ!!」
「えーー!!そうだがですかぁ!?キスしよったですか!!」
「いや、しちゃせんしちゃせん。」
「絶対しよったがぜ!鈴さんとついに結ばれた!!」
「お前声がでかいんじゃコラッ!」
「絶対しよった!」
「たまたまこう、唇と唇が触れ合っただけやきね。」
「そういう状態をつまりキス!!というがです!!
 日本語で接吻、英語でキーーッス!
 英語でキーーーッス!!」はしゃぐジェームス。
「・・・おまえ何じゃ。」

太郎と鈴を応援するジェームス。
二人のキスを知りはしゃぐジェームスが可愛い。


オリオン座に美和子がやって来る。
「こんにちは。」
「ああ、美和子さん・・」と浜子。
「これ、おすそわけです。
 昔、勇さんが好きだったんですよ。
 ハンバーグなんですけど、飲み屋の調理場少し貸してもらって
 作ったんですよ。
 あつかましいとは思ったんだけど、すみません。」
そこへ、晋吉が駆け込んできた。
「お母様!!大変です!!泉が、産気づきました!!」
その言葉に勝男も慌て出す。
「慌てることないき。婿さんはほら、産婆さん呼んできいちゃ。」
「ハイ!!産婆さん!!」晋吉が飛び出していく。
「太郎!!泉が生まれるぜよ!!」映写室に向かって叫ぶ勝男。
「お父ちゃんは、手伝うちゃ。お湯沸かして。」

太郎とジェームスが映写室から飛び出してきた。
「おいジェームス、おまん、ちっくとフィルム交換頼むき。」と太郎。
「わかりましたき!」
「あ・・」太郎が美和子に気付く。
「こんにちは。」
「どうも。」太郎が家に向かおうとする。
「ほっとらかしでいいのかい?ここ。」と美和子。
「・・・」
「男の人がいっても、やることねーから。」
「・・・そうちゃね。」
テーブルを片付け始める太郎。
「勇さん・・」
「・・・」
「やっぱりね、あんたには私と向き合う義務があると思うんだ。」
「義務?」
「そんなに昔を思い出すのが嫌ですか?」
「・・・いや。」
「そんなに昔の自分を知るのが怖いですか?」
「怖いとかやのうて。」
「私と一緒だった過去を、そんなに消しさりたいですか?」
「そうやないぜよ・・
 思い出そうとしても、ほんまに思い出せんのじゃ。」
「でしたらもう少しだけ・・もう少しだけ努力してもらえませんか?」
「・・・」
「今夜はきちんと、私と話す時間作って下さい。
 それで・・」
「それで、何じゃ。」
「一晩一緒にいて下さい!!
 肌のぬくもり感じたら、思い出すこともあるかもしれねえべ。」
「・・・」視線を反らす太郎。
「逃げねーで、私の顔きちんと見て下さい。」
美和子にそう言われ、太郎は美和子を見つめ・・・。

泉は無事に赤ん坊を出産する。
「よく頑張ったね、泉。」と浜子。
「泉・・ほんっとに頑張った。ありがとう!ありがとう!
 偉大だよ・・母は偉大だよ・・」泣きながら妻に感謝する晋吉。
「晋吉さん、泣かんでよ。」と泉。
「元気な赤ちゃんで良かったねや。
 まっこと可愛い男の子やねや。」と勝男。
「女の子ですよぉ・・」と晋吉。
「なんじゃ女の子やったんか。」と勝男。
「けんど感動ちや
 泉、たいしたもんぜよ。
 おまんも、立派なお母さんになったもんじゃ。」と太郎。

泉と赤ん坊の部屋を出る太郎、鈴、勝男、浜子。。
「ほんまに小さいぜよ。
 まことチビザルみたいちや!」と鈴。
「ほんまやねや。」と太郎。
「鈴のときの方がもっと真っ赤な顔しちょったがよ。」と浜子。
「えーーっ。」
「やっぱり鈴は山猿やったやねや。」と太郎。
「そうそうそう!
 ほんまはな、オカンにな、山で拾われてな、 
 ってなんでやねん!」
「はい!」
「太郎とすーずでタロタロリンリンリン♪」
「ほんで太郎は川で拾われたってわけやねや。」と勝男。
「そう!うちでは太郎は川で拾ってきた息子やき。」と浜子。
「そうそうそう!
 うちではな、子どもはな、どっかで拾ってくるからな!
 って、なんでやねん!」と勝男。
「はい!」と浜子。
「勝男と浜子で うちーら夫婦で ございます、
 もう30年!!」
「なんじゃそれ。いつ練習したんじゃ。」と太郎。
「いやいやいや。ほんじゃけん、ちょっともうずいぶん昔やねや。」と勝男。
「そうそうそう。」と浜子も笑う。
「娘ながら参ったちや。」自分のおでこをポンと叩く鈴。
「ほんまやねや。わしらももっと練習せないかんねや。」と太郎。
「ほんまちや!」
時計が8時を知らせる。
慌てて夕食の支度を始める浜子と鈴。
太郎は時計を見つめ・・・。

勝男と浜子の夫婦漫才最高!
太郎や鈴を元気付けようと、こっそり二人で練習したんでしょうね。


夜10時、メリーの店の時計を見つめる美和子。
「今夜も来ねーべかね・・。」
そこへ、太郎がやって来た。
「わしは逃げるわけやないきね。
 いまだに何ちゃ思いだせん。
 けんど10年辛い思いさしたがやほんまやったら、
 わしにも責任あると思うき。」
「・・・悪いのは勇さんじゃねー。
 戦争が悪いんだよ。
 ほらほれ、久し振りに私にお酌してくれたら、
 湿っぽいのはやめるべ!ね!!
 いやぁ、嬉しいなぁ!!」

自分の部屋の窓から明かりの消えた太郎の部屋を切なそうに見つめる鈴。

一人考え込みながら酒を飲む勝男。
そこへ鈴がやって来た。
「おぉ、鈴。どういた?」
「太郎ちゃん、おらんよね。」
「ああ、さっきメリーの所に行ったき。」
「え・・」
「わしがねや、ちゃんと話してこい言うたがよ。」

「ちゃんと、昔の自分を知って、それでもここに残りたいんであったら、
 おればいいき。
 相手さんにも、わかってもらえるやろ。」
「・・・うん。」
勝男に言われて頷く太郎。

そのことを知った鈴は家を飛び出していく。

メリーの店
「おぉ、メリー聞いたか!?
 わしはインテリやったんやと!」上機嫌で酒を飲む太郎。
「こんな変わってると、そもそもこういう人だったんでねーかっと
 思うっちゃ!」美和子もとても楽しそう。
二人の様子を笑顔を浮かべて見守るメリー。
「勉強ばっかしとったき、反動でこうなったんやがの。」と太郎。
「いつも、いっつも、こうカリカリカリカリ一生懸命勉強してたー!」
「まっこと気持ちわるいなー。」太郎は大笑い。
「気持ち悪くなんかねーべっちやー!」

その頃鈴は、医者の家を訪ねていた。
「昔の奥さんいうひとが、現れたらしいねや。」と医師。
「話をするうち、記憶は戻ってしまうやろうか。」と鈴。
「そういう兆候があるがか?」
「太郎ちゃん、夏にのど自慢の大会出ちょったやろ?
 あんな姿、見たことなかったき、びっくりしたやけんど、
 太郎ちゃん自身は、自分がギター弾きよったことに、
 全く引っかかってのうて。」
「そんな自分に、疑問を抱いてないがか?太郎は。」
「そうなんじゃ。」
「それはもしかしたら、昔と今が混ざりおうちゅうかもしれんねや。」
「え?」
「それか、ギターを弾けん自分を、忘れちゅうがかもしれん。」
「それが・・前に鎌安先生の言いよった・・
 記憶が戻ったら、今の生活を忘れる・・いうことかい?」
「そういうことが、いくつも重なって、
 どんどんどんどん、今のことを忘れていくかもしれんねや。」
「・・・」

鈴が向かった場所は、メリーの店ではなく、
お医者さんでした。
よく、メリーの店に行かなかったなぁ。
でも二人のあんなに楽しそうな姿を見ずに、正解でした。
メリーは客商売のプロですね。
誰がきても、穏やかに話を聞いてくれる。


鯖子の旅館に美和子を送り届ける太郎。
「鯖子さんに、門限7時なのに特別扱いしてもらってるで!」
「ほんまかい。」
「ここが私の部屋!
 どんぞ、どんぞ!」
ふすまを開け、倒れこむ二人。部屋に布団が敷いてある。
酔っ払った二人は倒れても大笑い。
「大丈夫かい?」
「しーーーっ!!」と言いながら大笑いの美和子。
「ほいたら、おやすみなさい。」
「あれ?泊まっていかねーの?」
「え?」
「せっかくだから泊まっていけばいいでねーの。」
「いや・・・失礼しますき。」部屋を出る太郎。
「待って!」美和子が太郎に後ろから抱きつく。
「泊まっていきなよ・・。」
「・・・」
「泊まって下さい。」
「・・・それは出来んぜよ。」
「なして?」
「わしが、昔の自分を知るがと、これから新しい関係を築くがとは、
 別やと思うき。」
「・・・参っちゃうな・・。」
「ごめんちや。」
「そうでねーんだ。そうでねーの。
 そういう生真面目なところは、勇さんのまんまだなーと思って。」
「・・・」
「それじゃあ、おやすみなさい。」
「・・おやすみなさい。」
「今晩は来てくれてありがとうね。
 きちんと私と、向き合おうとする律儀なところも、
 勇さんのまんまだなーと思ったわ。
 ・・・へば!」
美和子がふすまを閉める。

旅館を出た太郎は、振り返り、旅館を見つめ・・・。
つらそうな表情を浮かべ、そしてオリオン座へと歩き出す。

太郎の前にはオリオン座、後ろには鯖塩。
この立ち位置は、今の太郎が置かれた状況そのものですね。
鈴、太郎(勇一)、美和子。
タイトルどおり、太郎が二人いればいいのに・・。


山之内一家の門構えに『政治家 山之内慎太郎』の看板が掲げられる。
「親分、お元気で!」クロワッサンが見送るにきた。
「おぅ。わざわざ挨拶に来てくれたのか。」
「はい。」
「おまんはほんまに、久松んとこで極道するがか?」
「自分は日本一の極道になって、幸せにしたい女子がおりますき。
 ほんじゃけ、命賭けて日本一の男になっちゃります。
 命賭けてその女子を愛してみせますき。」
「悪いことは言わん。やめちょけ。」
「え・・」
「おまんに極道は向いちゃせん。
 そのうち鉄砲玉にされるがが関の山じゃ。」
「久松の兄貴は、自分を可愛がってくれちょりますき。」
「わしも、いざっちゅう時はおまんを鉄砲玉にしょう思っちょったがやき。」
「・・・」
少し微笑む山之内。
「命、大事にしいや。松。」そう言い、クロワッサンの頬を優しく叩くと歩車に向かう。
「わしは!!
 わしは親分に行け言われたら、いつでも行く覚悟でしたき!」
「・・・」
「親分に拾うて貰ったご恩は、一生忘れませんき。
 今まで自分のようなアホな半端者を可愛がってくれて、
 ほんまに、ありがとうございました!!」
「アホな男ぜよ・・まっこと。」
深く頭を下げるクロワッサンに微笑むと、山之内は車に乗り込んだ。
走り出した車に、クロワッサンはもう1度深く頭を下げるのだった。

オリオン座
ゲルマンが出産祝いに魚を届けにやってくる。
「ゲルマン、ぐっときたぜよ!」と太郎。
「これ僕が釣ったのよ。
 早くも漁業、覚えたのよ。」
というロシアの頬を引っ叩くゲルマン。
「調子に乗るなや!」
「痛いよ!ぶたないでよ!
 ぶったらブリに良く似てるのよ!!」
「魚か!」太郎と晋吉、二人のやり取りに大笑い。
自分の頬を抑えて痛みを分かち合う?鈴。
「それより、赤ん坊の名前決まったか?」と漁師。
「実はね、画数をちゃんと考えた方がいいんじゃないかなと
 思ってるんですよ。」と晋吉。
「ゲルマン、映画見ていくかい?」と勝男。
「もちろん見ていくぜよ!
 今日から新作だがやろ?」
「もうじき上映やきね。」と勝男。
「ええ席取らんと。」ゲルマン、漁師、ロシアが館内に向かう。
「いやぁ、どうしよっかなー、ほんとに迷うなー。
 一生の問題だしなー。」と晋吉。
「わしなら男やったら旭、女やったらルリ子ってつけるきねや。」と太郎。
「あ、それもしかして!」と勝男。
「小林旭と朝丘ルリ子ですろか?」とジェームス。
「日活アクションで来ましたかー!」と晋吉。
「カッコイイと思わんかい?」と太郎。
「裕次郎でくるかと思いきや、マイトガイ旭できよったか。」と勝男。
「ほうなんじゃー。」と太郎。
「女やったら、ブリ子で決まりじゃ。」いつの間にか鯖子がきていた。
「鯖子さん!」と太郎。
「ブリ子って・・」と鈴。
「それか鯵子。」
「そんな名前付けたら子供が可哀想やろ。」
そう言いながら鯖子の頬をつねる太郎。
「なんでじゃ!わしかて鯖子で何が悪い!」
太郎の頬をつねり返す鯖子。
「おまん、子どもが欲しいがか?」
「そりゃ、いつかはな。」
「誰と作りたいがじゃ。」
「え・・」鯖子の頬から手を離す太郎。
「誰と作りたいがじゃーーーーっ!!」
太郎の両頬をつねりながら絶叫する鯖子。
「何興奮しゆうがですか。」ジェームスが引き離す。
「使用人の分際でわしに意見するがか!?あ!?」
「つーか、鯖子は何しに来たがぞ?」と勝男。
「映画じゃ映画。」
「何でもいいから行けよ行けよ。
 ほれジェームスも。」
太郎が二人を館内へと押しやる。

太郎を見つめる鈴。
鈴の視線に気付く太郎。
「・・太郎ちゃん、ほら、そろそろ時間ちや。」
いつもと変わらぬ様子で明るく声をかける鈴。
「おぉ、そうちゃそうちゃ。」太郎が映写室に向かう。

そんな二人の様子を、美和子が見ていた。

「美和子さん?」買物から戻った浜子が声をかける。
「あ・・すみません。
 ちょっと、寄らせてもらおうかなと思って。
 でも、まだ仕事あるから、又あとで来ます。」
「あの・・」
「はい。」
「よかったら・・お時間ちょっとええですろか。」

港で話す二人。
「すみません。お仕事中に。」
「いえいえ、こちらこそ、本当に、急に私みたいのが現れて、
 みなさんずいぶん迷惑ですよね。」
「・・・」
「本当に、嫁かどうかも、みなさんにしたらわからないのに。」
「・・・太郎ね、あ、太郎でええろか。うちらにとってあん子は・・
 太郎でしかないき。」
「そりゃもちろん、構わねえですよ。」
「・・・太郎は、この10年ずーっと悩んじょったがやですよ。
 普段は元気で、もうアホなことばっかり言うて、
 大騒ぎしゆうけんど、
 やっぱり、ふとしたときに、焦ったり、不安になったり、
 しよったと思うがです。
 ほんまの、そもそもの自分は何なんやって。
 うちらみんな、見ん振りしよったがです。
 正直、どうしたらええかわからんかったき。
 あん子は、10年間苦しんで苦しんで生きてきた人間やき、
 幸せになってもらいたいがです。
 心のどっかに不安を抱えるようなことせんで済むような生活、
 させてやりたいがです。
 ほんじゃけ・・太郎が、もし美和子さんと東京行くがが、
 ほんまの幸せやったら・・
 うちは、それを、邪魔するつもりはないですき。
 ・・・これはほんまよ。」
そう言い立ち去ろうとする浜子。
「ありがとうございます。
 勇さんの命を救ってくれて、
 勇さんを、ずっとずっと大事にしてくれて、
 本当にありがとうございます。」
深く頭を下げる美和子。
「ほいたらね。」
浜子が去っていく。

さば塩
美和子の部屋に顔を出す鯖子。
「おまんはここに何しに来たがじゃ。」
「え・・」
「太郎の顔を見に来たがか?
 それとも太郎を連れ戻しに来たがか。」
「・・・」
「何が何でも太郎を本気で連れ戻すゆう気がないがやったら、
 自分は傷ついていくだけやきね。
 帰った方がええがぞ。」
鯖子はそう言い、ふすまを閉める。

とあるキャバレーで酒を飲む久松とその手下たち。
「おい、松!」久松がクロワッサンを呼びつける。
「はい!」
「おまん、土佐清水じゃ色々顔が利くらしいな。」
「あー、まーまー!!
 あの町の人間は、みんなワシには頭の上がらん連中ばっかりですき。」
「ほうか。
 そしたら、金集めてこいや。」
「え・・」
「これから四国制覇して、本州上陸して、やがては全国制覇じゃ。
 金が要るんじゃ。なんぼあっても足りんくらいじゃ。わかるやろ。」
「・・わかりますき・・」
「顔が利くやったら、とことん、搾り取ってこい。」
かつおのたたきをクロワッサンの口に押し込む久松。
「まーまーせいぜい頑張ってきー。」
「・・・」

オリオン座
「結局、やや子の名前は何にしたがじゃ?」と太郎。
「"華"でどうやろ。」泉が赤ん坊にミルクを上げながら答える。
「華ちゃんか、ええ名前やね。」と浜子。
「華のある子になるようにという思いを込めました。」と晋吉。
「ん?社長がつけたか?」と太郎。
「いや。」勝男が首を横に振る。
「僕が決めたんだ。」と晋吉。
「何でじゃ。
 子どもの名前はおじいちゃんが付けるって決まってるがやろ。」と太郎。
「え・・」鈴、浜子、勝男たちみんなが驚く。
「いつからそんな決まりが出来たがよ。」と鈴。
「それがしきたりやろ。」と太郎。
「え・・しきたり・・」と浜子。
「うん。この前もあったやろ。」と太郎。
「この前・・って?」と泉。
「この前、誰がやや子を産んだがぞ。」と勝男。
「いやほんじゃけん・・・え?誰か産んだやろ?」
「・・・太郎ちゃん?」と鈴。
「まっこと先生は何でも突っ走ってこの家のしきたりを守らんで。」と太郎。
「あ、いや・・でも、」と晋吉。
「なんでわしが推薦したルリ子押さんかったんじゃ、社長もー。」
「・・・」
「ルリ子がええって言うとっちょったがやろー。」と太郎。
「ほら・・あの、ほんじゃけん、それは太郎に、娘が出来たときに
 つければええがよ。」
「そりゃそうやけんど・・。」
「お、ささ、仕事じゃ仕事。
 ご馳走さんでした。」太郎が出ていく。

「すみません、僕、岸田家にそんなしきたりがあったなんて
 知らなかったもんですから。」と晋吉。
「そんなもんないっちゃ!」と勝男。
「・・太郎ちゃんもしかして・・
 もしかして・・昔の自分の家と混同しちう・・」と鈴。
「・・・」

ホールで植木の手入れをしながら勝男が言う。
「太郎をこのままこうして働かしておいて、ええがやろうか。」
「あん子が、自分でちゃんと、決断下すやろ。」と浜子。
「徐々に、昔を思い出しよるみたいやし。」
「・・・」
「寂しいねや・・。」
「・・・」
「太郎が、おらんようになったら・・」
「それ以上言わんでよ!
 それ以上言わんでよ・・。」
「・・・」

映画館の二階から、太郎が掃除する姿を見つめる鈴と晋吉。

「今日一日、変わったことはあったかえ?」泉が晋吉に聞く。
「いや、とくには。いつも通りだったと思うよ。」晋吉が報告する。
「今の生活、忘れちうわけやないがやね!」と泉。
鈴が頷く。
「記憶が戻っても、今のうちらのことを忘れんがやったら、
 太郎はここに残ると思うき。」と泉。
「・・そうかの。」赤ん坊に触れる鈴。
「ねえ鈴ちゃん、太郎君と美和子さんの関係が、どれだけ深い関係
 だったのか、僕には、それはよくわかんないけど、でもね、
 もし、自分に得体の知らない過去があったとして、
 そこで、僕が他の誰かと結婚していたとしても、
 それでも、僕はきっと、当たり前かもしれないけど、
 今の生活をとると思うよ。」
「・・・そうやろうか。」
「鈴は美和子さんに遠慮しちゅうがか?」と泉。
「・・・うちな、美和子さんから、お守り貰うてな。
 あの時は、お互い、なんちゃわかっちょらんかったき。」
「そのお守り、お姉が預かるき。」
「え?」
「鈴やち、ずーっと太郎のこと思っちょったがやき。
 誰にも遠慮することないがよ。」
「ね、鈴ちゃん。僕が思うにね、
 鈴ちゃんと太郎君が恋人同士になるという既成事実は、
 現時点でとっても重要なことだと思うんだ。
 それにほら、今の太郎君にとって美和子さんは、
 全くの他人なんだから。
 頑張りなよ、鈴ちゃん。」
「鈴、後悔せんようにするがで。」
「そうやけんど・・わかっちゅうがやけんど・・
 世の中の人たちは・・どうやって・・恋人同士になっちゅうが?
 なんでみんな、そんなに上手くいくがじゃ。」
「僕だってね、泉にこう、お付き合いを申し込もうとしたとき、
 どれだけ勇気を振り絞ったことか。
 みんなさ、ちょっとずつちょっとずつ、勇気を出しているんだよ。」
「・・・うち、お兄さんが、ええこと言うが、初めて聞いたちや。」
「えーーーっ。いっつもいいこと言ってるじゃないかぁ。」
笑いあう姉妹、そして晋吉。

鈴の部屋
「大丈夫ちや。
 よし!」
鈴は太郎に手紙を書き始める。
幼い日の出来事を思い出しながら。

ある日、太郎と海岸を散歩していた鈴は、海岸に流れ着いた小瓶を拾う。
「これ、何やろう。」
「おぉ、これは中に手紙が入っているがぜよ。」
「手紙?」
「うん。 
 これはねや、どこにいるかわからん人に自分の思いを伝える為に、
 手紙を書いて海に流すがじゃ。」
「へー。・・何でそんなこと太郎ちゃん知ってるが?
 もしかして記憶戻ってきたが?」
「いやいやいや、この前映画でやっとったがよ。」
「どんなことが書いちゅうがやろ。」
手紙を広げて読む二人。
『・・・さん
 あなたは今、どこにいますか?
 私は今でもずっとあなたを思っています。
 どこかで生きていると信じてます。
 ずっとずっと待っています。
 会いたいです。戦争は終わりました。
 また一緒に暮らせる日を信じて
 私は明るく生きています。
 あなたの笑顔が恋しいです。
 戻ってきて下さいね。
 待っています。』
「・・・ぐっときたぜよ。」と太郎。
「これ書いた人、ほんまにその人に、会いたいやろねや。」
「愛に溢れた手紙ぜよ。」
「よし、ちゃんとその人に届くように、もう一回海に流すがぜよ。」
「うん、そうやねや。」
「えい!」鈴が瓶を海に放る。
太郎は沖に流されていく瓶を見つめ・・・。
「どいういたが?」と鈴。
「わしのことを心配しちゅう人もおるがかの。」
「ほいたら、うちが太郎ちゃんに手紙書いてやるき。」
「鈴が大人になって、ほんまに大事な人が現れた時、
 ちゃんと手紙を書いちゃりや。」
太郎は微笑み、鈴の頭を撫でた。

その時のことを思い出し微笑む鈴。
そして太郎に手紙を書いていく。

海岸に流れ着いた手紙、宛名は見えませんでしたが、
美和子が流したものなのかもしれません。
そうでないにしても、戦争によって引き裂かれた家族は
数え切れないくらい入る、ということですよね。


映画館のロビー
「おぉ社長。今夜はここで飲むがか?」と太郎。
「・・・」
「うん?どういたがぞ。」
「・・・太郎。」
「なんじゃ。」
「おまん・・もしかしたら・・記憶が戻りつつあるかもしれん。」
「え?」
「おまんの言うしきたりなんぞ、岸田家にはないき・・。」
「・・いや、社長の言う意味がようわからんき。」
「じゃけん、ややこの名付け親は、うちでは、誰でもええがじゃ。」
「・・・」
「納得いかんろ。
 けんど、これが現実なんじゃ。」
「・・・これは・・・めでたいことぜよ。」太郎が微笑む。
「え?」
「記憶が戻っても、ここでの生活を忘れてないってことやろ。
 今の生活を忘れずに記憶が戻っちゅうがとしたら、
 これはほんまにめでたいことぜよ!」
「けんど・・」
「わしそのしきたりが、昔の家でほんまやったかどうか、
 あの人に確認してくるき。
 記憶が戻りつつあるかどうか、確かめてくるき!」
「太郎、ほいたらここに・・・
 ここに・・・残るがか?」
「当たり前ぜよ!」
そう言い映画館を飛び出していく太郎。

メリーの店に駆け込む太郎。
「おう、太郎!」とゲルマンたち。
「いらっしゃい。」とメリー。
「みんなおったがか。」と太郎。
「メリー、あの人は?」
「もうじき来るやろ。」
「太郎!明日はシケそうやき、今夜は飲むぜよ!」とゲルマン。
「おぉ!よっしゃ!景気付けに駆けつけの3杯じゃ!」

鯖塩、美和子の部屋には山之内が来ていた。
「お嬢!勇一君連れて、東京へ帰るぜよ。」
「え!?」
「はよう支度せい。」
「ちょっと叔父様!勝手に決めねーでよ。」
「無理にでも連れていくぜよ。」
「何言ってんだ?」
「わしゃ政界に進出するがに、
 勇一君を巻き込みたい思うてんねや。
 男っぷりもええし、そもそも、そういう星の男ながやき。
 ええ考えやろ?」
「んだかもしれねーけど!」
「かつての住まいに住んで、なじみのある場所に行って、
 かつての仲間と顔をあわせれば、記憶は蘇るかもしれんやろ。」
「・・・」
「な、よう考えるがじゃ。
 東京での生活は勇一君にとって、ここでの生活より、
 はるかに幸せなはずやろ。」
「・・んだよね・・。」

映写室に太郎を探すにきた鈴。手には手紙。
「やっぱり・・部屋に置いちょった方がええやろうか・・。」

山之内と美和子がオリオン座を訪ねてくる。
「はい、お嬢。ここで待ちゆうがぞ。
 今、勇一君連れてくるき。」
「・・・」
「なんじゃお嬢。どういたがぞ。」
「叔父様・・」
「ああ。」
「このまま東京さ帰ろうか。」
「何を言うがじゃ。」
「あの人にはあの人の、今の生活があるが。」
「お嬢・・」
「あの人はこの土地で、ここの人たちと幸せに暮らしてる。
 あの人は姿かたちは勇さんだけど、今は全くの別人だもんね。」
「そうかも知れんけんど・・」
「無理やり連れ戻すような真似しても、
 お互いこの先いいことねえべ。」
「もうこのまま、一生会わんつもりなのか。」
「・・・」
「せっかく、生きちょったいうがやに。
 せっかくこうしてまた会えたいうがやに!
 これっきりにするつもりか。」
「・・・なんかの拍子で思い出せば、帰ってくるかもしれねーがら。」
カバンを手に映画館を出ようとする美和子。
「それでええがか!?
 それまで、待ちいうがか!」
「・・・待てねーかもしれねーな。誰かええ人出てきたら。」
「勇一君のことはもうどうでもええがか?
 自分の亭主が目の前におるゆうがやに、どうでもええがか!?」
「・・・私は・・」
「もう勇一君のことは思うちゃせんがか?
 勇一君には何の未練もないがか?」
「・・・未練ねえわけがねえべ。
 なんとも思ってないわけねえべ!
 そんなわけねえべった!
 私はずっと、勇さんを想ってたよ。
 死んだという知らせ貰った時から、今まで10年以上ずっと!
 ずっと勇さんを想ってたよ。
 どっかで生きてるんでねえか、
 ひょっこり現れるんでねえか、
 そう思いながら生きてきたよ。
 あの頃のまんまの顔で、笑いながら帰ってくるんでねーかなって、
 そう思いながら生きてきたの!
 ・・・勇さんと最初に喋った時、勇さんに言われたんだわ。
 惚れ抜いて、惚れ抜いて、惚れ抜いた男とは、必ず又出会えるって。
 その通りだなって思ったわ。
 だって・・目の前にその本人がいるんだもん。
 勇さんが目の前に・・笑って現れたんだよ。
 信じられないぐらいの衝撃だべ。
 も、ここに座って、何がなんだかわかんないくらいガチガチになって。
 何喋ったのかも・・覚えてねえぐらいぼーっとなって。
 私はね・・私は、幸せだなぁって思ったわ。」
「ほんなら、なら・・連れて帰るぜよ。」
「だけども、これがあるうちには幸せにはなれねえべ。
 あの人はもう、私のことは覚えてねえ。
 それに、他のほれてる女子もいる。」
「さくらのことは・・さくらのことはちゃんと話したがか?」
「・・・あの子は今までどおり、私が一人で育てていくだけだ!」
「何でちゃんと話さんがぞ!
 さくらは・・勇一君とおまんの娘やろが。」
「・・・さくらはもう、お父さんは死んだと思ってるから。」
「お嬢・・」
「今までどおり育てていくだけだ。」
美和子はそう言うと、カバンを手に映画館を出ていく。
「お嬢!!」

映写室にいた鈴は、二人の話しに愕然とする。
鈴の手から太朗宛の手紙が落ちた。
「太郎ちゃんに・・・娘・・。」

太郎がさば塩の戸を開けようとしたとき、美和子が戻ってきた。
「あ。」
「・・・」
「あの・・」
「さよなら。」
美和子が去っていく。


※一部公式HPあらすじを引用しました。


10年間、太郎がいつか消えてしまうのではと怯えながら
それでも太郎に一途に思いを寄せてきた鈴。
やっと、不器用な二人の想いが通じ合ったと思ったら・・。

戦争に引き裂かれた夫婦。
再婚もせず、夫はいつか帰ってくると信じ、
一人で子どもを育ててきた美和子。

もしも自分が美和子の立場だったら、今の美和子のように
必死に太郎の記憶を取り戻そうとするだろうし、
子どものことだってもっと早くに話しただろうと思います。
無理やり太郎を東京へ連れ帰ることだって出来たはず。

美和子はまずは太郎の記憶を取り戻そうとしている。
記憶を取り戻せば、きっと一緒に東京へ戻ってくれるという
自信があるんだろうな。

鯖子、メリーさん、ゲルマンたち。
土佐清水の人々も、美和子を知れば知るほど、彼女の良さを知り、
彼女の幸せを願うようになっている気がします。
ただ一人、ジェームスだけは太郎と鈴の恋を応援。

勝男と浜子は、太郎を失う寂しさに耐えながら、
太郎の幸せを一番に考えています。
「ちゃんと、昔の自分を知って、それでもここに残りたいんであったら、
 おればいいき。
 相手さんにも、わかってもらえるやろ。」
勝男のこの言葉どおりだな、と思いました。

記憶を失くした太郎は、本当の自分はどういう人間だったのかと
思いつめることがあった。
でもいつの日か、記憶を取り戻したら今の記憶を失ってしまうのでは
という恐怖感の方が大きくなっていた。

もしも太郎が昔の記憶を取り戻せなかったとしても、
それでもやはり、責任感の強い太郎が子どものことを知ったら
美和子を選ぶしかないでしょう。
太郎は今の記憶を忘れた振りをして土佐清水を去っていくのかな。
自分の気持ちを断ち切るため、鈴に新たな一歩を踏み出させるため・・。

両方の記憶を持ったとき、太郎はどうしたいと思うんだろう。
勇一は美和子に夢中で、二人の間には娘がいる。
太郎は不器用に鈴を愛している。

太郎と鈴のキスが、太郎からではなかったのは、大きな意味があるのかも。
太郎の不器用な想いを、鈴はまだ知らない・・。

子どものことを知ってしまった鈴は、きっと身を引こうと思うでしょう。

クロワッサンの鈴の愛は本物です。
次週予告で彼は鈴の為にしなければならないことに目覚めるのかな。
鈴に惚れられるような男になってほしいです。

太郎の記憶の中に残っていた、赤ん坊誕生と名づけのしきたり。
あれは、自分の娘・さくらが生まれたときの記憶なのでしょう。

太郎は勇一として東京にもどり、そしてしきたりに従って、
さくらが産んだ息子に、旭と名づけたんですね。
そして鈴とクロワッサンは、孫にルリ子と名づけた。
クロワッサンが名づけたんだとしたら嬉しいかな。

父(太郎)の死をきっかけに歌手を引退した歌姫・さくら。
さくらにとって、歌うことの意味とは?
タイトルの歌姫の意味は?


TBSの社長の失礼な発言を知りました。
TBSのドラマの視聴率が低いことを嘆いておられるとのこと。
「今クールは早く終わってくれないかなと思っている。
 視聴率表を見るのが憂うつ」
私は『ジョシデカ!』『歌姫』を楽しみに見ているので、
社長のこの発言に気分が悪くなりました。
もちろん仕事上数字が気になるのはどの世界も同じ。
でも、一生懸命作っているキャスト、スタッフの皆さん、
そしてそんなドラマを楽しみにしている視聴者に対しても
失礼な一言だと思いました。

たぶんほとんどの視聴者はドラマを視聴率で選びません。
いいドラマは視聴率が高かろうが低かろうが支持します。
視聴率が悪いと打ち切りにならないか心配になりますが、
完走できそうで良かったです!
スタッフさん、キャストのみなさん、楽しみにしているので
最後まで頑張って下さいね!
・・とここで呟いてみる。(笑)



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第一話より
・小泉旭は“昭和の歌姫” 清川さくら (ジュディ・オング)の息子。
 本名・小泉さくら
・さくら、父の死が原因で突然引退。
・さくらの元に、一通の手紙が届く。
 『高知県土佐清水市市場町
 土佐清水オリオン座
 松中佳一郎』
・映画『歌姫』
 脚本・ジェームス太郎
 監督・大浜万次
・懐中時計はさくらの父の形見の品。8時15分を差している。

・松中佳一郎の娘・ルリ子、婚約者に逃げられる。
 先月亡くなった母親の遺言で、"歌姫"を最後に上映することに。
 映画"歌姫"は、戦争で記憶を失った男と、彼を愛する女の純愛の話。

・四万十太郎(旭の祖父)
 10年前の8月15日、終戦の日に四万十川に流れ着いた太郎。
 ということは、物語は1955年(昭和30年)?

第二話より
・太郎はギターが弾きながらエルビス・プレスリーを歌っちゃう。
 鯖子さんの英語の間違いも指摘できる。

第三話より
・クロワッサンの松、苗字は松中でした。
・神宮寺くんはジェームス・ディーンのファン。(ジェームス太郎の由来?)

第八話より
・及川勇一
 いぶりがっこが好き
 父親は高知の出身で、親分とは学生時代からの親友
 両親は空襲で亡くなる
 弟は満州で戦死
 父親は市議会議員
 美和子の父親も秋田の県議
 美和子とは幼い頃からの許婚
 東京帝大の学生だった
 子供の頃から柔道を習っていた。黒帯
 性格は穏やか
 音楽が好き、歌も上手でギターも一度聴いたら弾いてしまう腕前 
 母親は音大出
 勇一の夢は、父の後を継ぎ政治家になること

太郎が鈴の二十歳の誕生日に贈った真珠のネックレス。
美和子が勇一の二十歳の誕生日に贈った懐中時計。
勇一が美和子の二十歳の誕生日に贈ったひまわりのブローチ。

父(太郎)の死をきっかけに歌手を引退した歌姫・さくら。
さくらにとって、歌うことの意味とは?
タイトル、歌姫の意味は?


オープニング(主題歌にあわせた映像)
・映画館の観客席にクロワッサンの松。鯖子さんに絡まれてる!
・笑顔で自転車を漕ぐ太郎。
・自転車を停めようとする鈴、無視して先を行く太郎。怒る鈴!
・真っ赤なバラの花束を持ったクロワッサンの松。
・お遍路さん姿の神宮寺くん。
・ゲルマン、メリー、泉と晋吉。
・映画館の前に立つ鈴に驚く太郎。鈴、笑顔で太郎にパンチ!
・仁王立ちする鯖子さん。
・フィルムを手に、勝男と浜子。
・映画館に殺到する村の人々。
・映写室からお客さんが入っていくのを嬉しそうに見つめる太郎。
・幼い鈴と一緒にフィルムをセットする太郎。
・海を見つめながら手を組んで祈る鈴。
・観客席。クロワッサンを構う鯖子。迷惑そうなクロワッサン。
・メリーの美脚に見とれるジェームス。
・面白そうに笑う人々。
・映画上映に拍手を送る観客たち。
・その様子に嬉しそうに微笑む太郎。
・海で祈っていた鈴が振り返る。
・スクリーンに映し出される太郎の姿。
・彼が、オリオン座を去っていく。


第1話 「記憶を持たない昭和のスーパーヒーロー登場」 2007年10月12日 (金) 放送
第2話 「熱い男の魂の唄!甦る一片の記憶」 2007年10月19日 (金) 放送
第3話 「涙ごしに現れた運命の人」 2007年10月26日 (金) 放送
第4話 「あんな男にワシの女を渡せるか!」 2007年11月2日 (金) 放送
第5話 「妹から好きな女に変わる時」 2007年11月9日 (金) 放送
第6話 「失くした記憶の中で愛した女?」 2007年11月16日 (金) 放送
第7話 「生れ変わって出会えた夫婦の奇跡」 2007年11月23日 (金) 放送
第8話 「接吻」 2007年11月30日 (金) 放送
第9話 「あなたが二人いればいいのに」 2007年12月7日 (金) 放送
第10話 「・・・」 2007年12月14日 (金) 放送



キャスト

四万十 太郎(及川勇一)
小泉 旭 (二役) … 長瀬智也
 
岸田 鈴 … 相武紗季
 
クロワッサンの松(松中) … 佐藤隆太
 
神宮寺くん (後のジェームス) … 大倉忠義 (関ジャニ∞)
 
小日向 泉 … 大河内奈々子
ゲルマン … 飯島ぼぼぼ
メリー … 遠山景織子
芥 川  … 秋山竜次
小日向 晋吉 … 西村清孝
愚連隊A … 越村友一
愚連隊B … 澤田誠志
タバコ屋のチン毛さん … 比佐一成
漁師のパンティくん … 明樂哲典
松 中  … 小野 了
ロシア  … 丸山麗

泉 (大河内奈々子)
晋吉 (西村清孝)
 
山之内の親分 … 古谷一行 (特別出演)
 
清川さくら … ジュディ オング (特別出演)
 
鯖 子  … 斉藤由貴  民宿 さば塩
 
岸田勝男 … 高田純次
 
岸田浜子 … 風吹ジュン


スタッフ

脚 本 … サタケミキオ
プロデューサー … 磯山 晶
演 出 … 坪井 敏雄、金子 文紀、木村政和
音楽プロデューサー … 志田博英
音 楽 … 福島祐子
高見 優
主 題 歌 … TOKIO 『青春 (SEISYuN)』
ユニバーサルミュージック
制 作 … TBSテレビ
製 作 … TBS



長瀬智也さんの主な出演作品
16:57 | CM(3) | TB(2) | 歌姫 | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちーずさん、レビューお疲れ様です♪
読みながらまた涙が…
タイトル通り太郎ちゃんと勇さん二人いればいいのに…

美和子の最後のシーン泣きっぱなしでした
何で美和子はあんなにいい人なんだよー…
もっと嫌な人ならこんな思いもせず思い切り鈴を応援できるのに…と思ってしまいました
でも嫌な人がいないのもこのドラマのいいところですよね
本当に一人一人愛しいキャラばかりで皆大好きです!

社長の発言には私もかなり腹立ちました
頑張っているスタッフ・キャストに失礼すぎる!!
こんな発言気にせず頑張ってほしいですね
楽しみにしている視聴者は大勢います!
Posted by 麻由 at 2007年12月09日 23:58
とうとう太郎と美和子の子供さくらの存在が明かされましたね!太郎は美和子が妊娠していることを知っていて出兵したのでしょうか?それとも出兵してから美和子は一人妊娠に気づいたのかな!戻ってくる可能性の低い旦那を待ち女手ひとつで子供を育ててきた美和子、親分との会話だけでも涙がこぼれました〜

鈴と太郎ちゃんの淡いキス!鈴もそうですが太郎ちゃんも浮き足だっていましたね、やっとひとつに繋がった気持ちが可愛いですね!ご飯さえも唇を汚したくない鈴がいじらしいです〜

来週はクロワッサンが男をあげる回になるのかな?かっこ悪くてもいいから精一杯何かを守る姿がみたいですね!

社長のコメントは聞いていませんが、トップは視聴率は低いけどスタッフは素晴らしい作品を作ってくれています!くらい言わないと下の者はついていけませんよね!今期の中では一番ワクワクして次週が楽しみなドラマなのだけどな〜
Posted by けた at 2007年12月10日 20:13
いかん
会社のお昼休みなのに涙がとまりません。
絶対これはいいドラマだ。
Posted by 40男 at 2007年12月21日 12:48
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歌姫 第9回 感想
Excerpt: 『あなたが二人いればいいのに』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2007-12-09 19:39

歌姫 第9話
Excerpt: ツライな〜切ないな〜。。。鈴と美和子さんどちらの気持ちも痛いほどわかるから、余計にツライ。誰がいけないんでもない「戦争」がいけないんだ。今回は、美和子の思いに泣けた。だけど太郎との間に、娘がいたなんて..
Weblog: アンナdiary
Tracked: 2007-12-09 20:49