2008年01月06日

のだめカンタービレinヨーロッパ Special Lesson 1-2

帰り道、並んで歩くフランク、ターニャ、そしてのだめ。
「千秋・・大丈夫かな。」とフランク。
「後半立て直したんだし・・大丈夫よね、のだめ。」とターニャ。
「二人は先帰ってて下さい。
 のだめ、先輩と会います。」
「だったら僕も。」
「ノーン。来ない方がいいですよ。」
「じゃあ気をつけて。千秋によろしくね!」とターニャ。
「ウィー!バーイ!」
「バーイ!」

ホテルのフロント
「千秋さまですね、失礼ですが。」
受付の女性がのだめに聞き返す。
「あ、妻です。アイアム・ハニー!」とのだめ。
「・・・Mr.チアキ。フロントに奥様が来ていらっしゃいますが。
 え、帰れ?」
「ぎゃぼ!
 先輩、少し!少しですから・・」
のだめは内線電話を奪って訴える。千秋の部屋をノックするのだめ。
「先輩!」
返事がないのでドアを開けてみると、中からあふれ出す"負"の字。
千秋が負のオーラを放っていたのだ。
「何しにきた・・」
「先輩!
 まあまあ、そんなに落ち込まなくても・・
 まだ落ちたって決まったわけじゃないですよ!
 ほら、後半はとても素敵だったんですから!
 ただオケの人に嫌われちゃっただけですよ!
 Sオケの時と同じで、音楽性より人間性?」
「人間性・・」
「先輩誤解されやすいんですよ、粘着の完全主義だから。
 でも、コンクールの先輩から言わせていただくと、
 ある意味良かったんじゃないでしょうか。
 ポッキリ折れて、鼻が!
 人間は負けて大きくなっていくんですよ!のだめのように!」
「お前本当に何しに来た!!」
「え、エールを送ってるんですよ。」
「どこがエールだ!傷口に塩ぬりやがって!
 お前だって本当は負けたと思ってんだろ!」
「のだめジャンに負けたとは思っててないです!」
「俺だってジャンに負けたとは思ってねーよ。
 負けたのは・・・自分に。」
「・・・」

「焦ってたんだ。
 あいつの演奏を聞いて、
 それ以上でなくてはって、
 意地になって・・・」


「先輩、とりあえずディナーにでも行きませんか?
 のだめおなか空いちゃって。
 ね!結果が出るまでは楽しく過ごしましょうよ!
 出かけますよ!」

レストラン
「ほらほら、おいしそうなレストランですよ!
 おなかいっぱい食べましょう!」
二人が席に着くと、
「あらー、千秋君!だっけ。」
満面の笑みでゆうこが声をかける。
「・・・」白目をむき出す千秋とのだめ。
「今日の演奏、残念だったわねー。
 何ていうの。調子に乗りすぎて途中で殺されちゃった、
 ティル・オイレン?」
「むきゃーっ!
 ナメクジに塩をふるようなこと言わないで下さいよ!!」
「誰がナメクジだ・・」と千秋。
「オーッホッホ。ナメクジ!
 いやーだーもう、せっかくの楽しい食事をねー!
 まー、無理もないわね。
 ああもはっきりとジャンに差をつけられちゃったら。
 アッハッハ!」
「ゆうこ、やめなよ笑うの。」とジャン。
「え?」
「ゆうこはわかってないんだよ。
 僕は聞いたよ、千秋の演奏。
 全然気に病む必要ないよ。」
「・・・」
「帰ろうゆうこ。僕もう眠くなった。」
「ちょっとジャン!デザートがまだ、
 ちょっと・・もう!」

「今のは・・慰め?」

「ジャン、どうしたの?食事の途中で急に。」
「別に。
 帰って勉強しようと思っただけだよ。」
「え?でも勉強なら明日でいいって・・。」
「よくないよ。
 なんとなく良くない気がするんだ。」
「・・・」

レストラン

「いいヤツ・・・なんだろうな。
 あいつが優勝したら・・ヴィエラ先生も喜ぶんだろうな。
 俺も早く先生に会いたかった。」


「もう一本!」ワインをオーダーする千秋。
「ぎゃぼ!」

「のだめ。帰って飲み直すぞ。」
「先輩飲みすぎ!のだめもうそろそろフランクの親戚の家にいかないと。」
「バーカ。もう電車なんかねーんだよ。」
千秋がのだめの手を引いて歩く。
「あ、あのそれって、先輩の部屋に泊まってもいいってことでしょうか。」
「ああ。別にいいんじゃない?もうどうでも。」
「デモのダメ今日、下着が上下バラバラですよ。 
 それでも、よろしいのでしょうか。」
「ふーーーん。」

千秋の寝顔に見とれるのだめ。
キスしようとするが届かない。
のだめはソファーの上に布団とガムテープでぐるぐるに巻かれて、
身動きできない状態だった。
「ムフォォォォ・・生殺し・・・」


なんとかぐるぐる巻きの布団から抜け出したのだめ。
「千秋先輩、起きて下さい!
 3次予選見に行きましょうよ!」
「休みの日くらい寝かせろ。」
「どこのお父さんですか!
 早く起きて!
 他の人の演奏聴きにいきましょうよ!
 せっかくの音楽祭なんですから!
 楽しまないと損ですよ!」
「そうか・・3次の二日目・・」

「最後に片平さんの指揮は観たい。」

千秋が起き上がる。
「はいはい、シャワー?」服を脱がそうとするのだめ。
「オラー!」千秋のパンチが飛ぶ。
「ぎゃぼー!!」

会場
舞台の上の片平は、ジャンプしながら指揮を振る。
「飛んだ!」とのだめ。
審査員たちも、観客もとても楽しそうに舞台を見つめる。

「独特の指揮法・・
 しかしなぜかわかりやすい。
 表情の動き、そして、あのジャンプから引き出される
 多種多彩なフォルテシモ。
 リズムが狂わない。
 滞空時間まで計算されている!
 彼が・・大きく見える。」


隣りではのだめが楽しそうに笑っている。

「俺も・・・喜ばせたかったな。
 あんな風に音楽を心から楽しめばよかった。
 もう1度チャンスがあったら・・・」


「ブラボー!!」

奏者の控え室
「ふぅ。ここまでくるとさすがにハイレベルだね。
 こっちもつい本気になっちゃった。」とロラン。
「その分コンクール慣れして、上手く立ち回っているやつ多いけどね。」
「確かに。」
「オケをおだててご機嫌取ったり、自分が振り間違えても、
 しれっと上手くごまかしたり。」
「そういえば彼・・」
「間違いなんてよくあることだし、
 みんなはコンクールで必死なんだし。
 あいつ・・よく謝ったよな。
 小僧がイキがって偉そうにと思ったけど。
 そうじゃないんだ。
 それまでやっていた彼の演奏は、素晴らしかったのに。
 悪いことしたな、本当に。」
「・・・」

カフェ
「先輩、結果発表って何時頃ですかね。」とのだめ。
「すぐ出ると思う。30分くらいで。」
「え!?そんな早く!?」
「お前のときもそうだっただろう?
 コンクールの先輩!」
「・・・」
窓の外を見つめる千秋。
「おぉ、ジャパニーズ。チアキ!
 本選頑張れよ!」客が声を賭けてくる。
「え?」
「僕は君を応援しているんだから。」
「本選って・・結果はまだなんじゃ・・」
「ああ、大丈夫大丈夫!
 熱さあまっての空回りは逆に好印象だよ。
 若手らしくて。」
「・・・から回り。」
「僕は母親のお腹にいるときから、もう何十年もこのコンクールの
 ファンなんだ。
 今回もまだまだ楽しませてくれよ。」
「ありがとうございます!」
「本選出れたら、オケとはうまくやれよ!」
男はそう言い帰っていく。
「先輩。目が赤いですよ。」
「いや・・べつに・・」
コーヒーを飲んでごまかす千秋。

「これより、第13回プラティニ国際指揮者コンクール、
 ファイナリストを発表します。」
ファイナリストの名前が書かれた紙が張り出される。
「あった!」千秋。
「千秋先輩!!」
千秋に駆け寄ろうとしたのだめ、片平に突き飛ばされる。
「千秋君!!僕もやったよー!
 はじめて本選まで!!
 30ぎりぎりでファイナリストになったよ、ほらー!」
「おめでとうございます!」
「君も、おめでとう!!」
千秋に飛びついて喜ぶ片平。
「ヒィー!」
「交代!!カタイラ、交代!!」のだめが叫ぶ。

「やっぱり・・あいつも本選に残ったね。
 ・・・ゆうこ?何やってんの?」
「手に光を宿しているの。
 これから本選のくじ引きでしょう。
 はっ!!」

「本選は、くじによる戦局の他に、これまで演奏した曲の中から1曲、
 自由に選んでいただきます。
 まずは協奏曲のくじ引きからです。
 どうぞ。」

ジャンとゆうこが前に出る。
ゆうこが一枚引こうとしたその時、
「待って、ゆうこ。」
「え?」
「最後ぐらい僕が引くよ。」
「ジャン?」
「協奏曲・・僕に相応しい。
 明るく華やかな曲。
 ・・・これだ。」
くじを開いたジャン、
「ヒィーーーッ!!
 ラロ・・スペイン交響曲、ニ短調・・」
「まあ!
 あのどすーん!ずどーん!って、
 重そうな曲!?」

千秋がくじを引く番。
「のだめ、お前くじ引けよ。」
「え・・いいんですか!?」
「いいからいいから。最後くらい。」
「じゃあ、先輩にふさわしい、暗くて陰湿な曲を!」
「誰が陰湿だ。」
のだめがくじに手をかざしていき・・
「むきゃーー!!これです!」
紙を開く千秋。
「チャイコフスキー、ヴァイオリン協奏曲ニ長調。」
「千秋、交換しようか。」とジャン。
「結構だ!」
「くねくねの華やかな曲ですね〜!」とのだめ。

「チャイコのヴァイオリンコンチェルト。
 子供の頃ヴァイオリンでよく練習した曲。
 俺の大好きな曲だ。」


「ボクはドヴォルザークのチェロ協奏曲!いい曲だ〜!」と片平。
「わぉ!チェロ?」とのだめ。

帰り道
「ピアノコンチェルト、出なかったですね。」とのだめ。
「ピアノの方が良かった?」
「いえー、出なくてよかったです。
 先輩とのピアノコンチェルトはのだめがやりますから!」
「・・・」

「ええ、何とか本選に残ったみたいですよ。」
エリーゼが電話でシュトレーゼマンに報告を入れる。
「ふん!こんなとこで負けるようなら、私の弟子、失格ですよ!」
と答えるシュトレーゼマンは芸者遊び中。
「でも優勝はジャンでしょう。」
「ジャン?」
「仕方ないんじゃないんですか?
 相手はセヴァスチャーノ・ヴィエラの弟子らしいし。」
エリーゼの周りはジャンの写真だらけ。
「ヴィエラ!!
 負けたら破門!!
 絶対破門の絶交!」

「はい。
 本選に残ったのは三人です。
 僕以外は二人とも日本人なんですよ。
 千秋に片平っていう。」ジャンがヴィエラに電話で報告する。
「え?チアキ?
 チアキって、シンイチ?」
「先生知っているんですか?」
「いやー、知ってるも何も、
 彼は11歳の時から、私の弟子だからね!
 アッハッハッハッハ。
 そうかシンイチついにきたか!しかも本選まで!
 まあ、ジャンも油断していると危ないぞ。
 そろそろポッキリ・・なんてな。
 ハッハッハッハッハ。」
ジャンが電話を切る。
「・・・頑張れよ、二人とも。」ヴィエラが呟く。

ホテル
譜面の勉強をする千秋。
「先輩ただいまでーす!
 夕食とかいろいろ買って来ましたよ。」のだめが帰って来た。
「おぉ、メルシー。」
「お水とジュース、どっち?」
「水。」
「それからー、こっちとこっち、どっちがいいですか?」
のだめが手にしているのはブラジャー。
水を噴出す千秋。
「店員さんが言うには、絶対こっちの方がモテるって言うんですけど、
 のだめいつもパンツはヒモって決めてるんです。
 彼氏の選択しだいで、どっちか返品してもいいって
 言ってるんですけど、先輩、どっちがいいですか?」
「知るか!
 お前邪魔すんなら帰れって言ったろ!」
「別に邪魔するつもりはないですよ。」
その時千秋の携帯が鳴る。
「くそ!誰だ。」
携帯に手を伸ばした千秋は、ブラジャーのタグを目にする。
70D。Dの字がキラリ。
「D・・・。
 もしもし?」
「おいおい。まさか親友の声を忘れたわけじゃないだろうな。」
「峰!」
「千秋さまー!真澄よ、真澄です!
 本選出場、おめでとうございまーす!」
「お前らなんで・・
 そっちはまだ・・」
「ああ、7時だよ、7時。
 のだめがメールで知らせてくれてさ。
 そしたら、みんながうちに集まっちゃって!
 祝勝会だよー!!」「イェーーイ!」
「俺たちを捨てていったんだから、優勝ぐらいしてもらわないとな!」と橋本。
「負けたらバツゲームでカラオケ歌ってもらうからな!」と玉木。
「千秋さま!萌です!」「薫です!」
「私達みーんなで応援してますから!」
「素晴らしい演奏してくれるって信じてます!」
「オケに嫌われなきゃね!」
「俺たちみたいなときみたくあんまりスパルタしすぎるなよ!」
「ほんとほんと! 
 でも・・・最高だったよな!」

みんなの言葉を聞きながら、Sオケの思い出を振り返る千秋。

「本当に・・楽しかったな。」
「国際コンクールでファイナルか。
 久々に、いい刺激をもらったよ。」と大河内守。
「優勝したら、日本で凱旋公演してよね!」と相沢舞子。
「経理関係なら任せてくれ。いい知らせ、まってるよ!」と木村。
「僕はパリジャンが好きだ。
 でも・・千秋君が一番好きだ!」と高橋。
「よこしなさい!
 千秋さま、遠く離れていても、みーんな千秋さまの活躍を
 祈っております!」と真澄。
「ちなみに僕はこの町内で二番目に有名な、」
大河内が言いかけるのを、店主が遮る。
「千秋さん!新メニューの準備も、万端です!」
『千秋真一君優勝記念メニュー
 マエ酢トロ丼
 ようするにネギトロ500円
 プロマイド付き!』
「というわけで、みんな集ったことだし、
 俺たち、R☆S、久々に練習するかー!」と峰。
「おぉーーーっ!!」
電話から聞こえてくるみんなの声に顔を見合わせて微笑む千秋とのだめ。

「もしもし、ボストンの菊地だけど。
 聞いたよ。本選頑張ってね!」と菊地(向井理)。
「ああ。そっちは?」
「こっち?うん・・まあ・・相変わらず。」
菊地の部屋では愛も変わらず、女たちが争っていた。

Wien
「おめでとう。ファイナリストかー。
 先越されたな。」
今度は三木清良(水川あさみ)が電話をかけてきた。
「清良は?ウィーンはどう?」
「うん。学校で室内楽勉強しながら、コンクールの準備を
 はじめているとこ。
 正直いっぱいいっぱいだったけど、これ聞いたら負けてらんないな。
 最後の一音まで、悔いのないようにね。」
「うん。ありがとう。」

「さ、勉強勉強!」
「え・・は!ティル!?」
「え?」
「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら・・
 先輩明日またこれやるんですか?」
「一曲、それまでやった曲の中から選ぶ課題で。」
「でもこれ3次で失敗した曲・・
 もっと得意なの選んだ方がいいんじゃないんですか?」
「あのままじゃ悔しいからな。
 暗譜も全部出来てたのに、間違えるし・・
 どうかしてた。」
「そうですね。」
「え?」
「のだめ、好きですよ、ティル。楽しくって。
 本当に愉快ですよね。」
「本当・・ティルっておまえみたいだな。」
「え?」
「ちょろちょろ悪さばっかりして。
 すぐ逃げる。
 去ったと思えば、また現れる。」
のだめの今までのいろんな行動を思い浮かべる千秋。
「で、最後は捕まえられて、殺される。」
「へ・・ぎゃぼ・・
 ティルってそんなお話だったんですか・・
 全然楽しくないじゃないですか。
 何でそれがのだめ!?その心は?」
「殺したくなる時があるしな。」
「むっきゃー!なんでのだめがティル・・」
「アッハッハッハッハ・・・」

プラハ スメタナホール

「プラティニ国際指揮者コンクール、ファイナル。
 本選は、審査員立会いのもと非公開のリハーサル、
 そしてその夜、コンサート形式で演奏を行う。」


千秋が会場へと歩き出す。

舞台に立つ千秋。
「千秋・・またティルを選ぶなんて・・」とロナン。
「どうせこの前と同じなんだろ。」

「どうするか・・千秋。
 頭を下げるか、ジョークでも飛ばすか?」と審査員。

「ハードなコンクールもこれで終わる。
 ・・・楽しもう!」


オーケストラを見渡す千秋。
「よろしくお願いします。」
そして、千秋が指揮棒を振り出す。

「最高の音!」

微笑みながら指揮棒を振る千秋。

「笑ってる。
 音が溶け合っていく。」
「何が起こったんだ。」と審査員たち。

「俺がはじめてオーケストラを指揮したとき、
 マエストロに教わったこと。
 音楽を、人を尊敬して、それが自分に帰ってくる。」


奏者たちも千秋に微笑を返しながら演奏する。

のだめ、ターニャ、フランクが会場へ向かう。
会場にはファイナリスト3名の写真が掲げられている。

「3次予選の時と、全く違っている。」
「そしてジャンとも違っている。
 流麗で、気持ちの良い演奏をするが、何となくの部分も多いジャンに対して、
 短い時間の中でも作品本来の姿、精神性を明確に表現しようとする
 強い意志と、知性を見せてくれる千秋・・」と審査員たち。

気持ち良さそうに聞き入るのだめ。

会場からの大きな拍手。
オーケストラも微笑み、千秋を見つめる。

「これが、このコンクール最後の曲。
 チャイコフスキー、ヴァイオリン協奏曲。
 四大協奏曲と称された名曲。 
 第一楽章の第一音から、どこをとってもまるで、
 歌うような美しい旋律。
 そして・・情感溢れるヴァイオリンソロは、
 子供の頃、いつかこの曲をオーケストラでやってやる、
 そうずっと憧れていた曲。 」


黒い羽が舞う幻想を見るロラン。

涙を浮かべながら聞き入るのだめ。

フランクも、ターニャも、ゆうこも、エリーゼも聞き入っていた。

泣きながら微笑み、口を尖らせ、指揮の真似をして聞くのだめ。

曲が終わると、客席から「ブラボー!」の声と拍手の嵐。
みんな、スタンディングオベーションで拍手を送る。

「終わった・・・。
 すごく楽しかった。」


千秋の瞳にも涙が光っていた。

「他の二人を待たずして・・」
「仕方ない。これだけの演奏をされては。」と審査員。

拍手はいつまでも鳴り止まず・・・

「これより、第13回、プラティニ指揮者コンクール、
 ファイナルの結果に移ります。
 発表します。
 1位、シンイチ・チアキ!」

片平が千秋に微笑みかける。
トロフィーを受け取る千秋。
観客が、オーケストラが拍手を送る。
のだめが、ターニャとフランクが拍手を送り、
ゆうこも、エリーゼも、千秋の優勝を認めるのだった。

裏軒
のだめからのメールを開く峰たち。
1位(はーと)と書かれたメールには、
千秋の晴れの姿の画像も添付されていた。

「1位・・・ってことは優勝!?」
「うわーーー!!」
抱き合い、喜ぶR☆Sのメンバーたち。
店主がくす玉を割ると、『千秋真一君、優勝おめでとう』と書かれた幕。

千秋に駆け寄るのだめ。
だが記者たちが千秋を取り囲み、近づくことが出来ない。

「千秋君!おめでとう!」片平が、
「おめでとう!」ジャンが声をかける。
「どうも。」

「あんまりいい気にならないでよね。」ゆうこがのだめに言う。
「出た!」
「ジャンも少しは悪いけど、コンクールが悪かったのよ。
 でもま、千秋みたいなタイプに負けておくのは、
 ジャンにとって良かったのかもねー。」
「ポッキリ、スッキリですね!」
「あんまりいい気になるなって言ってんでしょー!!」
白目むき出しのだめの首を絞めるゆうこ。
「ムッキャー!」
「やーだこれ何?レーヨーン?」
のだめの服に触りまくるゆうこ。

「千秋の彼女、可愛いね。」とジャン。
「彼女じゃねー。
 おたくの彼女は・・・す、すごいね。」
「だろう?最高だろ、ゆうこ。」
「いや・・そういう意味じゃなくって。」
「しかも、僕はゆうことであってから、いい事尽くしでね。
 だから今回は残念だったけど・・。
 なあ千秋。今回の結果、君からヴィエラ先生に伝えてよ。」
「は?」
「千秋は僕の兄弟子なんだろ。先生から聞いたよ。」
「・・・」
「これ、ヴィエラ先生とマネージャーの携帯番号。」
「・・ありがとう。」
「今だったら先生の演奏ツアーに連れてってもらえるかもしれないよ。
 いいよなー、千秋は。
 このコンクール、優勝者は1年のプロモーション付きだし。」
「賞金も高いしねー!」とゆうこ。
「おぉ!のだめ指輪でいいです、指輪!」
「・・・」

「メール見た。すごいね、千秋君!」清良が峰に電話を入れる。
「おぉ!ていうか、俺たち話すの久し振りだよな。
 やっぱ、俺のことが恋しくなっちゃったのか?」
「・・・コンクールまで、カイドゥーン先生のところで
 合宿レッスンすることになったの。
 携帯も繋がらないからそれだけ伝えておこうと思って。」
「え・・あ、じゃ、手紙!」
「そんなことしている暇があったら、龍も練習頑張りなさいよ。
 じゃ、みんなによろしく。」
「そんなこと!清良!!」
「え、うそ?清良??ちょっと変わって!」真澄が電話を奪う。
「もしもし、清良元気?
 あれ・・切れてるじゃない。
 龍ちゃん?・・・どうしたの?龍ちゃん!」

「のだめ、帰って飲みなおすぞ。」
「えー、又ですか?」
「俺は全然飲んでないんだよ。
 挨拶ばっかで。」
「のだめもう飲めませんよ・・」
「げ・・またお前飲んでたのか。
 何で酒が弱いクセにそんなに飲むんだ。」
「だってゆうこさんが美味しいって言うから・・」
「まったくお前は・・
 ・・・ほら。」
千秋が両腕を大きく広げる。
その胸に飛び込むのだめ。
「良かったですね、優勝。
 先輩ゴールいっこ決めたやなかですか。」

「出会ってからいいことづくし・・・か。」

千秋はのだめと出会ったときのことから思い起こしてみる。
のだめがSオケの指揮にとみんなの所へ連れていってくれたこと、
Sオケの演奏会、R☆Sオケの演奏会、
いつものだめの笑顔がそばにあった。

のだめを強く抱きしめる千秋。
「・・・D!」
その時ふと、千秋の脳裏にブラジャーのタグが浮かび上がる。
つい確認してしまう千秋だった。

日本航空のファーストクラス
「用意は出来ましたかか?エリーゼ。
 では、砂漠のプロメテウス作戦の実行です。」
シュトレーゼマンはそう言い電話を切る。

朝、フランクとターニャがのだめを迎えに来た。
「臭い!何やってるのよ、今日から学校でしょう!!」
部屋はゴミだめ状態。
ターニャとフランクはのだめに歯を磨かせ、髪を洗い、
学校へ行く準備。
「早く急ぎなさいよー!学校遅れちゃうでしょー!!」

「早くしないとバス乗り遅れちゃう!!」
「言っとくけど授業3回休んだら退学よ、退学!!」
それを聞いたのだめ、猛ダッシュ!

パリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール)
「のだめだって頑張ります!負けません!!」
校舎に駆け込む三人。

その頃千秋は片平、ジャン、ゆうこと別れの挨拶を交わしていた。
三人と別れて歩き出す千秋。
ジャンから貰ったメモをコートのポケットから取り出す。

「ヴィエラ先生の演奏旅行か。
 とりあえず契約がすんだら、すぐ会いに行こう!
 正直本当は・・・もう忘れられているんじゃないかと思ってた。
 ヴィエラ先生・・・。」


その時、何者かが千秋を羽交い絞めにし、銃のようなものを突きつける。
「動くな!」


SP、とても楽しかったので、つい張り切って文字起こししていたら、
はじめて文字数オーバーを経験しました。
後半が消えてしまい、ひぃー!な状態!
そのせいでまだ二話を見ていません。(涙)

気を取り直して感想を。
ドラマが始まる前に流れた連続ドラマ版の名シーンを見ただけで
ウルウル。
2006年10月期、楽しませてくれた『のだめカンタービレ』が
SPとなって帰ってきました!

冒頭は、懐かしいR☆Sメンバーたちとのお別れのシーン。
白目むき出すシーンがこんなにあるのはこのドラマくらいでしょうね。
みんな役になりきっていて楽しい!

ヴィエラにとって、千秋は11歳の頃からの弟子。
ずっと、そういう風に思っていてくれたんですね。
ヴィエラに忘れられているかもと不安だった千秋、
この言葉を聞いたら涙流して感激するだろうな〜!

本選直前にR☆Sメンバーからの電話。
原作にはなかった、ドラマのオリジナルのストーリー。
この部分が描かれていて良かった!
千秋はみんなと出会い、一緒にオーケストラを組んだことにより、
音楽を楽しむ、ということを学んだんですよね。

そしてSPで嬉しかったのは、千秋ののだめへの思いが、
だんだん、確かなものへと変わっていったこと。
少しずつ少しずつ、千秋の中で、のだめの存在が大きくなって
いくのが伝わってきました。
ジャンにとってゆうこが幸運の女神のように、
ジャンがゆうこと出会っていい事尽くめだと言うように、
千秋にとってのだめはそういう存在のはず。

変わらぬ千秋、変わらぬのだめ、
そしてオリジナルメンバーたちとの再会に感激!

新キャラも原作のイメージ通りでした。
ジャンを演じた、ジリ・ヴァンソンさん。日本語お上手!
日本語能力試験1級取得されているとか!
公式HP
ゆうこ役の山口紗弥加さんも楽しいー!
フランク役のウエンツさん、ターニャ役のベッキーちゃん、いい感じ!
とくにベッキー、キャラに成りきっていて素晴らしかった!
片平のジャンプしながらの指揮、これは実写で見られて良かった!
片平役の石井さんの指揮も楽しかったです。

後半を見るのが楽しみです!



2006年10月期のドラマレビューはこちら

どらま・のーと『のだめカンタービレ カテゴリ』


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キャスト

野田 恵(上野樹里)  ピアノ科
千秋真一(玉木 宏)  ピアノ科
峰 龍太郎(瑛  太)  ヴァイオリン科
三木清良(水川あさみ) ヴァイオリン科
奥山真澄(小出恵介)  管弦楽科
多賀谷彩子(上原美佐) 声楽家 千秋の元恋人
大河内守(遠藤雄弥)  指揮科
佐久 桜(サ エ コ)  管弦楽科
峰 龍見(伊武雅刀)  『裏軒』主人
河野けえ子(畑野ひろ子) 雑誌『クラッシック・ライフ』編集者
佐久間学(及川光博)  音楽評論家
江藤耕造(豊原功補)  ピアノ科講師(エリート)
江藤かおり(白石美帆) 江藤の妻
谷岡 肇(西村雅彦)  ピアノ科教師(落ち専)
フランツ・シュトレーゼマン(竹中直人)世界的指揮者
              通称ミルヒー(ミルヒ・ホルスタイン)
桃平美奈子(秋吉久美子) 理事長

石川怜奈(岩佐真悠子)
田中真紀子(高瀬友規奈)
玉木圭司(近藤公園)
橋本洋平(坂本 真)
鈴木 萌(松岡璃奈子)
鈴木 薫(松岡恵望子)
岩井一志(山中崇)
金城静香(小林きな子)
井上由貴(深田あき)
金 井(小嶌天天)
黒木泰則 …… 福士誠治

フランク …… ウエンツ瑛士
ターニャ …… ベッキー
並木ゆうこ …… 山口紗弥加
孫Rui …… 山田 優
片平 元 …… 石井正則(アリtoキリギリス)

スタッフ
原  作 : 『のだめカンタービレ』二ノ宮知子(講談社)
放送日時 : 10月16日(月)スタート 毎週月曜よる9時放送
※全11回予定
プロデュース : 若松央樹(フジテレビ)
清水一幸(フジテレビ)
脚  本 : 衛藤 凛
演  出 : 武内英樹(フジテレビ)ほか
制  作 : フジテレビドラマ制作センター

主題歌:ベートーヴェン 「交響曲 第7番」
エンディング曲:ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」




上野樹里さんの主な出演作品



玉木宏さんの主な出演作品


この記事へのコメント
長文のUP、お疲れ様です!!
専門的な言葉も多いし、大変だろうなとは思ったのですが、早い時間でUPに感激です!
第2夜も、UP楽しみにしています!
では、お体に気をつけて!
Posted by 紫陽花 at 2008年01月06日 08:11
紫陽花さん、こんばんは。
コメントありがとうございます!

専門的用語は原作が大変役に立ちました。(笑)
楽しいSPでしたね。
又続編やSPに期待したいです。

また遊びにいらして下さい。
Posted by ちーず at 2008年01月08日 20:30
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