2008年01月06日

のだめカンタービレinヨーロッパ Special Lesson 2-2

11月
パリの街を歩く千秋。

「やっと帰って来た!」

Dubai
「はぁ!?休みが欲しいだぁ!?」
電話に向かって怒鳴るエリーゼ。

「1日・・・半日だけ、着替えを取ったらすぐ戻りますから。」
「演奏旅行は3ヶ月続くって言ってあったでしょう!?
 こっちは契約どおりちゃんとデビューさせてやったんだから!」
「はい・・それはありがたく思っています。」
「え?聞こえない。」
「感謝してます!」
「もし戻ってこなかったら・・その時・・
 フッフッフッフ。」

千秋の脳裏に蘇る恐怖のくすぐり刑。

「それと、コンクールの優勝記念コンサート、年明けに決まったそうよ。」
「え!?」
「いよいよヨーロッパデビューね。」
「・・・」
「じゃあ。」


B00137UQ2Qパリだ!プラハだ!!ぎゃぼー!!! のだめカンタービレ in ヨーロッパ上野樹里 玉木宏 小出恵介 アミューズソフトエンタテインメント 2008-05-09by G-Tools



B00137UQ2G[のだめカンタービレオフィシャルガイド] パリだ!プラハだ!!ぎゃぼー!!! のだめカンタービレ in ヨーロッパ ロケ地マップ(仮)ドキュメンタリー アミューズソフトエンタテインメント 2008-04-11by G-Tools
嬉しそうに微笑み、アパートの窓を見上げる千秋。

「あいつまだ学校かな。
 東京公演のことはちゃんと報告しないとな。
 ヨーロッパデビューのことも。
 いや・・その前に掃除か。」


まずは自分の部屋へ。
綺麗に掃除された部屋に驚く千秋。

「電話したときは確かにここにいたのに・・・。
 ・・・っていうか俺・・何でこんなに動揺しているんだ・・。
 あいつがこの部屋にいて、あのピアノを弾いていれば大丈夫だと・・
 ・・・大丈夫って何が・・・
 そういえば・・あいつと会ってからというもの・・」


(千秋の妄想)
人生ゲームの上に立つ千秋。
「部屋の前で拾われる
 こたつと共に侵略される
 ほっぺにキスを許す
 一緒に留学しようと誘う
 のだめの実家へ行く
 居住先を同じにする
 うっかり手を繋ぐ
 うっかり鍵を渡す」

『多忙にて思考停止中』で立ち止まる千秋。
目の前は崖。その先がない。
「今までこの辺で踏みとどまっていたはずなのに・・・」
ふと気付くと、崖の先に浮島が見える。
緑あふれる島、小鳥のさえずり、プリごろ太のキャラクターたちに、
マングース!
『Welcome!!
 変態の森』

髪はボサボサ、老婆のようによろめきながら螺旋階段を上るのだめ。
そこへ千秋が部屋から飛び出してきた。
「あ・・」
「のだめ!?」
「お帰りなさい・・先輩・・
 デビュー・・おめでとうございました・・
 お勤めご苦労様です・・」

「またアレになってる!」

「今日・・お腹いっぱいなんで・・
 これで失礼します。」
のだめが自分の部屋に帰っていく。
「ちょっと待て!
 どうしたお前。腹いっぱいって・・
 学校で何かあったのか!?
 ていうかやったのか!?」
「別に。何も・・。
 何も出来なかったんです・・。
 のだめは何一つ・・
 さっぱりついていけなかったんです・・。
 みんなのだめより若いのに・・すごく立派なインテリジェンスで・・
 音楽にも詳しくて・・・。
 のだめは・・子供にも笑われて・・
 のだめは・・井の中の蛙で・・
 世界はすごく広かったんです・・。
 ・・そんだけです。」
「・・・お前にインテリジェンスがないのは、今に始まったことじゃ
 ないだろ!?
 それでも受かったんだから!」
「なんかの間違いだったんですよ。
 きついレッスンもボロボロだったし・・。」
「だって・・お前を誘ってくれたピアノの先生は!?」
「全然ダメーって。
 何しに来たの? 
 こんにちは〜ベーベちゃーん・・。
 そんだけです。」
「そんなバカな!
 ・・・お前・・また何とか体操とかやったんじゃないのか!?」
「精一杯ピアノ弾いたですよ!
 でもダメだって言われたんです!
 もう22歳なのにベーベちゃんだなんて・・。」
「お前何を弾いたんだ。
 ちょっと弾いてみろ!!」
のだめをピアノの前に座らせる千秋。
「先生の前で弾いた通りに!」

髪を指で払い、鍵盤に指を置くと、のだめはあの時と同じ様に弾き始める。

「超絶・・・!
 しかも何で・・そんな弾き方を・・・」


部屋を見渡した千秋は、ルイのビデオに気付く。

「バカなやつ・・。
 焦る必要なんかないのに。」


「もういいのだめ。
 もういいからやめろ!」
のだめの腕を捕まえてやめさせると、千秋はのだめを抱きしめる。
そんな千秋を突き飛ばすのだめ。
「何やってんですか!
 のだめのピアノは聴けないっていうんですか!?」
「そうじゃなくて、俺はお前のピアノが好きだから・・
 だから焦らなくても・・」
「千秋先輩一人が好きだって仕方がないんですよ!
 もぉっ、的外れなことばっかり!!」
「・・・」
「同情するなら金をくれっていうんですよ。」
「・・・」
「・・・もう出てって下さい!
 のだめのことは放っておいていいですから!」
のだめは千秋を部屋から追い出してしまう。

部屋を追い出された千秋を、フランクとターニャが待っていた。
「千秋・・お帰り・・」
「お疲れ・・」
無言で自分の部屋に戻る千秋。

のだめの部屋
泣きながら髪をかきむしるのだめ・・。

千秋の部屋
考え込む千秋。

「的外れ・・」

ベッドに倒れこみ、シュトレーゼマンが言った言葉を考える。
「だからその辺のことを、はっきり分けなさいって言ってます!」

「くっそ・・・。」

着替えを準備する。

「俺だって・・楽譜を前にしたとき、
 いつも高い壁を感じている。
 でも・・・
 ひとつひとつ、自分で乗り越えるしかないから・・」


千秋がアパートを出ていく。

オクレール氏の前で再びピアノを弾くのだめ。
「うーん、すっかりわかんなくなっちゃったみたいだね。」とオクレール。
「・・・」
「そうだな!
 リサイタルで弾いてみる?」
「はい?」
「年末にロワールで開かれるリサイタルに、毎年一人僕の生徒を
 演奏者として紹介しているんだけど、
 今年は君、行ってみる?」
「リサイタル・・・む、無理です!ノン!
 のだめより、上手い人なんて沢山いるし。」
「人に聞かせたくないの?」
「・・・」
「じゃあなんの為にここに来たの?
 君は何の為にピアノを弾いているの?」
「何のため・・・」考え込むのだめ。

別の日のレッスン。
オクレール氏の代わりに女性アシスタント・マジロ(猫背椿)が
のだめの楽譜を渡す。
「これがリサイタルの課題曲。
 モーツァルトとラベル。」
「むきゅ・・モーツァルト・・」
「それから私、アシスタントのマジロです。
 オクレール先生は外の仕事でお忙しいので、暫くレッスンは
 私が見ます!」
「はい・・」
「時間もないことだし、さっそく初見から始めましょう。」
「え・・」
のだめを睨むマジロ。
「あ・・はい。」

初見演奏が大の苦手なのだめは苦戦。
「いくら初見演奏だからって、あなた、最初にちゃんと楽譜見た!?
 まず当然だけど、拍子とテンポをチェックして!
 もう1度!」
「はい・・」

「あなたアナリーゼはしてきたの!?
 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。
 1756年、オーストリア・ザルツブルグに生まれ、
 ハイドン、ベートーヴェンと並ぶ、ウィーン古典、三巨匠の一人で、
 1789年に発表されたこの第18番が最後のピアノソナタだと
 言われており、モーツァルト音楽が一貫して持つ、
 明るく華やかな音色を基調としている一方、
 熟成し、深みに達した大曲となっている。
 晩年のモーツァルトの楽曲をアナリーゼすることは難しいけど、
 彼の生きた時代背景や精神性を分析することは、
 モーツァルトの音色を奏でる上で欠かせないことなのよ!」
「精神性・・・」

マジロのレッスンを受け、家で、学校で、練習を続けるのだめ。

「何でそんなに悲しいモーツァルトなの!?
 あなたモーツァルト嫌いなの!?」
「嫌いじゃないですけど・・」
「けど?」
「楽しくないっていうか・・
 自信がないんです。」
「は?」
「アナリーゼも出来ない、初見も出来ない、
 今までこんな勉強してこなかった・・」
「日本でやってこなかったの!?
 音大に通ってたんでしょう!?」
「やってこなかったんです・・」
「じゃあやんなさいよ!」
「・・わかんないし。」
「わかろうとしなさいよ!」
「・・・なんの為に弾いているんですかね・・。」
「・・・だったらやめなさい。
 日本に帰って好きな曲を好きなように弾いてればいいじゃない!!」
マジロは怒って帰ってしまう。
楽譜を抱えて涙するのだめ・・・。

のだめの部屋
R☆Sオケの写真、そして家族の写真を見つめるのだめ。
泣きそうになり、思い出の箱からノートを取り出す。
『おなら体操』の楽譜と、『のだめ先生の指導案』。
『のだめの音楽指導
 美しい心を育てる
 幼稚園の音楽』
そのノートに、千秋とのだめのイラストがあった。
『やあ、夫です』千秋の横にはそう書かれている。
それを見て、また涙ぐむのだめ・・・。

携帯を取り出し、千秋に電話をかけてみる。
その時、ミルヒーの言葉が蘇る。
「今のままでは、千秋と、一緒にはいられない。」
電話を切り、家族の写真を見つめながら涙するのだめ・・。

そののだめが立ち上がり・・・。

Berlin
「千秋。ヨーロッパデビュー曲、決まりましたか?」
シュトレーゼマンが聞く。
「いえ。まだ。」
「ニューイヤーに相応しく、ブラ1なんかどうですか?」
「え・・」
「千秋が、どれだけ成長したか、楽しみです。」

「ブラームス交響曲第1番。
 俺がR☆Sで初めて指揮した曲。」


懐かしそうにスコアを見つめる千秋。
のだめのことがよぎり、携帯で電話をかける。

「アロー、のだめです。
 ただいま留守にしております。
 御用の方はメッセージをどうぞ。」
「・・・」

早朝
のだめの部屋にのだめはいなかった。

マジロがオクレールに報告する。
「メグミ・ノダ。
 一年目といってももう22。
 彼女をどのように育てるおつもりですか?」
「うん・・・考え中。」
「はぁ・・。少し言いすぎたかもしれません。
 もしかしたら、彼女本当に日本に・・なんてことも・・。」
穏やかに微笑むオクレール。

廊下を歩くオクレール。
部屋の中から聞こえてくるのだめのピアノに微笑み、教室へ。
「ずいぶん早くから練習しているんですね。」
「オクレール先生!
 え!?もう朝!?」
「まさか昨日からずっと?」
「なんとなく・・もう少しでわかりそうなんで・・モーツァルト。」
「なんとなく、ね。
 これは?
 ラセイト・モジャモジャ?」
「のだめ作曲のモジャモジャ行進曲です。」
「メグミ・ノダ。
 君が作った曲なの?」
「そうです!」
「ふーん!
 楽しそうな曲だね。
 初めは小鳥が鳴くように。
 次第に活発に軽やかに賑やかになっていく。」
「え?」
「これは童話の中のお話なのかな?」
オクレールが初見で弾き始める。
その横で楽しそうにハミングしながら指を動かすのだめ。
「あ!間違えた!」のだめが指摘する。
「君の曲は予測しづらいから。」
「予測?」
「でもこういう音楽でしょ?この曲は。」
オクレール、再び楽しそうに弾き始める。
「おっと。不安が出て来た。
 空が陰って、誰かが慌てて騒ぎ出す。」
「嫌われ者のもじゃ木です。臭いんです!」
「もじゃ木?」
「虫も寄り付かない彼は、ただ立っているだけの人生に
 辟易していたので、嵐が来るのが嬉しいんです。
 だからここはもっと大げさに!
 フォルテで楽しそうに森に不安を撒き散らす!」
「君が弾いてごらん。」
「はい・・」
のだめが弾き始める。
「フォルテなんて書いてないじゃない。」
「書き忘れです。感じて下さい!」
「君がそうやって言いたいこといっぱいあるみたいに、
 他の作曲家だって言いたい事いっぱいあるのに。」
「え・・」
「君はその声を本能的に、感覚的にしかとらえない。」
「・・・」
「モーツァルトが何を見て何を感じ、この曲を作ったのか。
 どんな世界で、どんな音色で、聴いていたのか。
 もっと耳を済ませて聴いてごらん。
 でも、あのシューベルトのソナタは良かったよ!
 コンクールで弾いた。
 もう1回あれ弾いてよ。」
「・・はい。」
のだめはシューベルトのソナタを弾きながら、千秋の言葉を
思い出していた。

「シューベルトは本当に気難しい人だった。
 自分の話ばかりしてないで、相手の話もちゃんと聞け。
 楽譜と正面から向き合え。
 ほら、見えてこないか?この曲の情景が。」


晴れやかな表情で帰宅してくのだめ。
途中、教会から聞こえてくる賛美歌に足を止める。

クラスの最年少の少年・リュカがやって来た。
「お姉ちゃんもよく来るの?
 僕は、おじいちゃんと毎週来てるんだー!
 ねえ、中で一緒に聴こうよ!」

教会の中
後ろの席で聖歌隊の歌に聞き入る二人。
「モーツァルトの、アヴェ・ヴェルム コルプスだよ。
 晩年のモーツァルトが、たった一曲だけ完成させた、自曲なんだ。」
教会を見渡しながら聖歌隊の歌声に聞き入るのだめ。

フランクの部屋
「年末に、ロワールのお城へ!?」興奮するターニャ。
「ええ。リサイタルを主催するブノワさんっていう人は、
 長い歴史を持つ伯爵家の元貴族なんだそうです。
 のだめ一人じゃ道とか不安だし、もしよければ、」
「いやー!行く行く!それって最高のバカンスじゃなーい!」
大喜びのターニャ。
「それ、僕も行っていい?」とフランク。
「あら、年末も又アニメフェスタじゃなかったの?」とターニャ。
「来年はそのリサイタル僕が出るかもしれないからね。
 下見しておかないと。」
「いいわねー!オタクは妄想力豊かでー!」
「なぁに!この!」
「それで、千秋はどうするの?」とターニャ。
「先輩は・・忙しそうだし・・
 いつ帰ってくるかわかんないから・・」
「でもそれ初リサイタルでしょ?絶対知らせた方がいい、」
そう言いかけたフランクをターニャが叩く。
「バカねー。千秋がいない間に自分が成長しておきたいっていう
 女心が何でわかんないかなーっ!!」
「何だよそれ・・」
「そうだ!だったら、代わりに誰か誘わない?
 今度こそ、将来有望ないい男!」
「あ!一人いますよ、一人!」
「誰だれ!?どんな人!?教えてよ!」

機内
「どういうことだ。何でまた日本に!」千秋がエリーゼに聞く。
「マエストロたっての希望で、演奏旅行終了を祝うパーティーを
 日本で行います。」
「そのためだけにわざわざ行くのか?
 俺はパリに戻るつもりで・・」
「来年も一緒に頑張りましょうという楽しいパーティーよ。
 必ず参加して頂戴。」
「じじぃの見張り役が必要なだけだろ!」
「そうよ。それが何か?」

「その必要は、ありません!」
女性を従え、シュトレーゼマンがやって来た。
「千秋がパーティーに来たら、女の子たちみんな横取りされます!
 パーティーの主役は、私です!
 パリでも、どこへでも、帰んなさい!
 のだめちゃんによろしくね♪」
「はぁ・・」
シュトレーゼマンにわざとマメをぶつけられ、白目をむく千秋。

こうして飛行機が日本に到着した直後、千秋は乗り換えてフランス・パリへ。

クリスマス(ノエル)

タクシーの中。

「街はノエル。
 3ヶ月に及ぶ演奏旅行も、ようやく終わった。
 ツアー見上げは、ハモンセラーノとキャビアだ。
 それから・・・」


ハートのネックレスを取り出す千秋。

「あいつ、今頃どうしているんだろう。
 慣れない国で、ノエルにたった一人で・・・
 明かに様子だっておかしかったのに・・。」


交通渋滞に巻き込まれ、千秋はタクシーを降りて走り出す。

アパートに到着し、階段を駆け上がる千秋。
のだめの部屋の呼び鈴を押しても、返事がない。

「・・・まだ帰ってないのか!?
 ・・・まさか身投げなんてこと!!」


その時、隣の部屋からのだめの笑い声が聞こえた。
「・・・え!?」

千秋の部屋
「お城ってここのことですかね?」のだめが黒木に聞く。
「さすがにそれは・・」
「それからのだめ、モンサミッシェルには絶対寄りたいんです!」
そこへ千秋が駆け込む。
「あ!千秋君!」
「先輩!!」
「・・・」
「どうしたんですか?帰ってくるなら連絡してくれればいいのにー。」
「自分の家に帰るのに何で連絡しなきゃいけないんだ!
 ていうか人んちで何やってるんだ。」
「ああ、今黒木君と旅行の計画立てていたんです。
 のだめ年末にロワレに行くことになって。
 黒木君も一緒に!」

「旅行!?
 まさか、二人っきりで!?」


「千秋君!違うんだ、これはあのその、だから、」
「千秋先輩、暇なら、行きませんか?」
「・・・もういい!
 俺は心配しない!
 勝手にしてくれ!!」
千秋が部屋を出ていく。
「・・・」

夜道を歩く千秋。

「何で俺が出ていかなきゃならないんだ!
 くそっ!
 今からシュトレーゼマンのところへ戻るか?」


「千秋先輩!」のだめが追ってきた。
「・・・」
「先輩!
 先輩ですよね、この匂い。」
「・・・」
「真一君・・」
「・・・」
「むっきー!
 何で無視するんですか!?
 久し振りの再会というのに!!」

「どっちが・・」

「別に、無視してるわけじゃ。」
そう言い歩き出す千秋。
「あ・・わかった。
 ツリーを勝手に部屋に入れたから怒ってるんでしょう?
 でも先輩電話くれないし、雪コンコン・・。」
「お前が連絡すればいいだろ!」
「ええ、だって特に用がなかったし・・。」
「・・・」
「のだめだって忙しかったんですよ。」
「・・・」
「さあさ、帰りましょう。
 二人のラブを彩るツリーの飾りつけが待ってますよ。」
のだめの手を振り解く千秋。
「もう嫌だ。お前変態!
 人がせっかく素直になろうと・・・」
ネックレスの箱を握りしめる千秋。

「やっぱやめよう・・。
 今ならまだ間に合う!」


それをポケットにしまい込む。
「先輩・・・」
「何がラブだ。面白がりやがって。
 好きだ好きだって言うわりに表面的で真剣に向き合おうとしない!
 ふざけた妄想ばっか。
 お前の音楽に対する態度と一緒だな。」
「・・・」
「俺はやっぱりついていけない。」
そう言い立ち去る千秋・・。

譜面をぎゅっと抱きしめるのだめ。

「これでいいんだ。
 あいつにはこれ位言った方が、
 俺様に対する態度も少しは改まるだろう。
 ちょっとは危機感持てっつーの!」


「むっきゃーっ!!」
のだめ、千秋の背中を飛び蹴り!
「うわっ・・」
「ふん!
 ケツの穴の小さか男たいね!
 そげんか男こっちから願い下げたい!
 ツリーぐらいで・・・ふん!!」
そう言い立ち去るのだめ。

「信じられない・・
 本当に・・・」


「待てー!この!!」
今度は千秋がのだめを投げ飛ばす。

「JUDO!」「IPPON!!」と町の人々。

「願い下げなのはこっちだ!ふざけるな!!」
「ふざけとっとは・・どっちですか!!」
マフラーを使い千秋を転ばすのだめ。
「お前・・いい加減に・・」
顔を上げた千秋の目に飛び込んできたのは、とびかかってくる
のだめの姿。
「ヒィーーッ!」
千秋に馬乗りになるのだめ。
「のだめはいつだって本気とけ・・、
 なんで逃げるとですか!?
 近づいたかち思うたら離れてく・・
 先輩も・・・音楽も・・・」
「別に・・離れてるわけじゃ・・」
「たった今離るうかしよったじゃなかですかー!」
泣きながら千秋の首を絞めるのだめ。
「ま・・待て・・」

「殺される・・」

「わかった・・わかったから・・」

「本当にごめんだ!こんな女!」

「お前の気持ちは、わかったから。」
「・・本当に?」
「・・・うん。」
「先輩・・」
千秋を抱きしめて泣くのだめ。

「なんで・・なんで俺が態度を改めさせられているんだ・・。」

町の人々が二人に拍手を送る。

サン・マロへと車を走らせる千秋。
助手席にはのだめ、後部座席にはターニャとフランク。
「バカンス!バカンス!
 いよいよこれからバカンスが始まるのねー!」とターニャ。
「先輩、二人きりになれなくてがっかりなのはわかりますけど。」
「違う!」
「のだめの初リサイタルですよ。
 みなさんに喜んでもらえるよう、頑張りますよ!
 先輩のヨーロッパデビューに負けないよう、精一杯演奏します!」

「そうだな。
 恵の初リサイタル、俺もすごく楽しみにしているよ。
 ついでにその教会で、結婚式でもするか。」


「勝手に脳内アテレコするな!!変態!!」

途中、黒木たちと合流する。
連れてきた将来有望な男が黒木だったことに、ターニャの怒り心頭!
「ノン!ターニャ、あっちあっち!」
言われたほうを振り向くと、少年・リュカがいた。
「のだめ、遅いよー!」
「ごめんごめん。
 こちらターニャ。
 こちらリュカ・ボドリク。
 将来有望な10歳です。」
「・・・」

立派なお城に驚く一行。
「おーーーっ!」
「シャトー。」

「ようこそ!マダーム・ノダメ。」
城主(ダニエル カール)がモーツァルトの仮装で出迎える。
「コスプレーヤー??」
「今日は、特別な趣向で、出迎えると。」と執事。
「さ、遠慮はいりません。こちらへどうぞ!」

「趣向?」

「よく来たね。学生諸君。
 どう?驚いた?」
「こちらが、のだめ夫妻の部屋です。」
「え・・いや・・あの・・」動揺する千秋。
「すみません。夫の車で行きますって言ってあったもんですから。
 ぎゃはーん。」
カバンでのだめの頭を叩く千秋。

ドレスに着替えるのだめ。
「素敵な部屋ですね。」
「つーかあの城主、やっぱりかなりのモーツァルトマニア。」
「モーツァルト練習しておこうかな・・」
「練習してきたんだろ。」
「・・・あの・・・」
「何。」
「はぁ・・
 それが・・
 うしろのファスナーが上がらないんです。」
「お前が日本を出るとき、ヨーコ(のだめ母)が作ってくれた
 ドレスだろ?」
「はい・・」
「お前太った?」
「え!?ふと・・太った??」
ビリッ!
「何ですか、今の音は・・・」

教会の入口
「12ユーロ?そんなに取るの?
 のだめリサイタルで!?」とターニャ。
「はい。運営費ですので。」と受付の男性。
「私達、主催している城主のゲストなの。」
「みなさんゲストなので・・」
「ふん!フランス人って本当にケチね。」
ターニャの言葉に顔を曇らせる受付男性。
「のだめの為だ。楽しみだね〜!」
フラクとリュカは金を払い教会の中へ。
「ちょっと!お金貸してよ。」ターニャが黒木に頼む。
「え?」
「今日の為にこの服買っちゃったのよー。
 で残り、7ユーロ。」
仕方なくお金を出す黒木。
「大体それ、リサイタルに来る格好?」
「はぁ!?ちゃんとお洒落してるじゃない。」
「じゃなくて、目がチカチカする。
 上は表柄でスカートは虎柄だよ。」
「これは虎じゃなくてゼブラよ!
 ・・ていうかあんたなんかにファッションのこと言われたくないわ!
 自分こそそのダッサイ服装どうにかしなさいよ!」
「僕だって君には言われたくないよ。」
「意味わかんなーい。」
「趣味悪いって!」
「・・・」
「あ・・」
「信じらんない・・。
 本当に失礼な男ね!
 だからモテないのよ!」
「君だって男の品定めばかりして、失礼じゃないか!」
「仕方ないじゃない!
 私にはもうそれしかないんだから!」
「・・・」
「バッカみたい!
 こっちだってあんたみたいなの好みじゃないから安心してよ!!」
怒って先に教会に入るターニャ。

教会の中
「今年はどんな子かしらね!」
「一昨年来た男の子は良かったな。」
「あの子はドイツのコンクールで2位を取ったらしいよ。」
人々が噂する。

「あー・・のだめ・・大丈夫かな・・」とフランク。
「あ・・」と黒木。

そこへ、モーツァルトのいでたちでのだめ、登場!

「のだめ・・何よあの格好!」とターニャ。
「モーツァルト!」とリュカ。

笑顔で華麗にお辞儀をして見せるのだめ。
城主はとても嬉しそう。

「最悪だ・・
 どうなる・・のだめの初リサイタル!」


「あの、はじめまして。のだめです。
 本日はお忙しい中、のだめの初リサイタルにお越し下さって、
 ありがとうございます。
 楽しんで演奏するので、みなさん、頑張って聴いて下さい!」
茶目っ気たっぷりに挨拶するのだめ。

「頑張るのはそっちでしょ!」とターニャ。
「頑張りますよ!!」

ピアノの前に座ると、まずのだめは一音鳴らし、反響を確かめる。
そして・・・

「キラキラ星!」とリュカ。

「あ・・この音色は・・・
 いつの間に・・
 あいつちゃんとわかってる。この曲を。
 教会の響きを。
 そして・・モーツァルトを・・。」


この日の為に、のだめはモーツァルト関連の本を沢山読み込んでいた。

「モーツァルト、キラキラ星変奏曲。
 35年の人生のうち、10年もの月日を旅に費やしたと言われ、
 旅をしない音楽家は不幸だ、とたくさんの人や言語に、
 音楽に触れてきたモーツァルトが、
 シャンソン曲に触発され、生み出した変奏曲。」


ピアノから生まれた音が、美しい真珠玉に姿を変えていく。

「まんまるの・・
 美しい形の音の粒・・・。」とターニャ。

曲が終わると、人々が温かい拍手を送る。

「釣れたての魚ちゃんのように、
 ピチピチとした演奏だな!」と城主。

2曲目。

「ピアノソナタ第18番。
 モーツァルトの最後のピアノソナタ。
 バッハを思わせるバロック的な対位法。
 難解な曲。
 普通違う旋律が出てくるだろうところで、
 第一主題と同じものが・・・。
 やっと違う旋律が出て来たと思えば
 すぐに消え
 どーすんだ、と惑わせておいて、
 あっさりとまとめる。
 そのバランス感覚。
 モーツァルトって、理論でどうこう言える相手じゃ
 ないんだよな。
 あいつはそこまでわかって弾いている。」


「すごい・・あっという間に違う世界に引き込んでくる・・
 これがはじめてのリサイタルだなんて・・。」と黒木。
「どうしてこんな音が出せるの?
 私だって・・この一年パリで必死にピアノをやってきたつもりよ。
 でもすごく辛かった。
 長い時間一人でいると寂しくって・・
 怖くなってきて・・
 この先もずっとこうなんだって思ったら・・
 ・・・私には無理。耐え切れない。
 向いてない。」とターニャ。
「そんな・・」と黒木。

「ブラボ!」城主が、みんなが拍手を贈る。
カツラを取り、お辞儀をするのだめ。

「素晴らしいモーツァルトだった。」感激する城主。
「さて、モーツァルトはもう、終わったし、」
そう言うと執事の肩にもたれて寝てしまう。

3曲目が始まる。
その音に、寝ようとした城主も飛び起きる。
 
「メゾフォルテをフォルテシモで・・
 ラヴェル 鏡 
 道化師の朝の歌。
 のだめがパリに来て、初めて弾いた曲。
 あれからまだ数ヶ月しか経ってないのに・・
 近づいたと思えば・・・離れてく。
 こいつはすぐ・・理解の範ちゅうを超えていくから・・
 俺は多分・・・いろいろなことを覚悟しておいた方がいい。」


「ブラボー!!」
観客らが立ち上がって拍手を送る。

「ラヴェルって・・いいね!」と城主。

観客の中から千秋を見つけるのだめ。
千秋も立ち上がり、拍手を送っている。
その姿にのだめは嬉しそうに微笑んだ。

その日の夜
「皆さん!今年も我が音楽祭に来てくれてありがとう!
 それでは、はじめまして、ヴォルフガングー!」
乾杯!
「なぜ俺たちまでこんな格好・・」と千秋。
「でも当時の仮装なんてなかなか経験できるものでもないし、
 燕尾とそんなに違わないよ。」と黒木。
(衣装のチョイスは青緑!)
「では、演奏する方はこちらに、どうぞ。」
「は?俺は指揮者で、演奏はまるで。」と千秋。
「ヴァイオリンが堪能だと、聞いております。
 のだめさまから。」
「・・・」

「のだめ!!」

「生憎、楽器を持ってきてないんで。」
「私のヴァイオリンを、お貸しします。」
「あんたが弾けばいいだろ!」
「・・・」

「それにしても、ターニャ。
 いつにもまして・・すごいね。」とフランク。
「当然よー。この城のマリー・アントワネットになってやるわー!」
「は?」
「このパーティーには城主の息子も来てるはずなのよ!」

「紹介しよう、魚ちゃん。
 こちらが、我が息子のロワンだ。」と城主。
「どうもはじめましてー。」とのだめ。
「独身なんですよ。今、嫁さん募集中ですよ!」
「はい!はい!!
 私、のだめの友人で・・」しゃしゃり出るターニャ。
城主の息子が振り返る。
「おや。君は・・残り7ユーロ。」
「・・・リサイタルの受付・・。
 終わった。私のパーティーが・・。」

「のだめさん、今日は素晴らしい演奏をありがとう。
 僕はすっかりファンになった。
 是非またここでリサイタルしてくれないかな。」
「え・・いいんですか?」
「じゃあ私もお願い。
 うちのサロンパーティーで演奏してくれないかしら。」
「本当に!?」
「是非、受けるといい。
 芸術は、人の目や耳に触れて、また育っていくものだから。
 って、オクレールさんの受け売りだけどね。」と城主。

この時のだめは、オクレール氏がなぜリサイタルを薦めてくれたのか
その意味に気付く。
「君は人に聞かせたくないの?」「なんの為に弾いているの?」
その質問の答えも・・。

「ありがとうございます!」
「どうもありがとうございます!」
声を賭けてくれた人にお礼を言うのだめ。

「ふん!どうせ私なんか、
 ピアノがなかったらロシアから出て来たただの田舎娘よ!」とターニャ。
「だったら君も、演奏してアピールすればいいじゃないか。」と黒木。
「はぁ!?」
「僕も少し前まで君と同じだった。
 異国の孤独に耐え切れず、逃げ出そうとしてた。
 でも恵ちゃんの演奏を聞いて勇気を貰ったよ。
 やっぱり音楽は、世界共通なんだ。」

「一緒にオーヴォエ四重奏をやりましょう。」
積極的に他の人たちに声をかける黒木。

黒木のオーヴォエに耳を傾けるターニャ。
いつしか微笑を浮かべながら黒木を見つめていた。

パーティールームを抜け出した千秋をのだめが追ってきた。
「あ!先輩逃げてる。」
「やってられるか、こんな格好。
 おまえよくこの格好でリサイタルやったな。」
「それよりのだめ、お仕事が舞い込んだんです!
 サロンパーティーと、ここで又リサイタル!
 すごいでしょう!?」
「へー!すごいな。」
「モーツァルトの言った通り、旅はしてみるもんですねー!」
「ちょっと意味、違うと思うぞ。」
「・・・どうでしたか?のだめの・・初リサイタル。」
「・・・すごく・・・心臓に悪かった。」
そう言いのだめに上着を投げつける千秋。
「へっ!!」
「ふざけんな、バカ!
 何だよあのラヴェルの出だし!殺す気か!?」
「・・・」
「・・・でもま・・良かった。泣けた。」
その言葉に、満面の笑みを浮かべるのだめ。
「キヒヒヒヒヒ!
 じゃあ、次は、先輩の番ですね!
 先輩も、この服を着て、ヨーロッパデビューしてみたらどうですか?
 さあ、アンドレイ!」
デジカメで写真を撮るのだめ。
「誰がアンドレイだ!お前・・まさか・・」
のだめのデジカメを奪う千秋。
「あ・・むきゃっ」
丈の短いズボンから出た足のアップ!アップ!アップ!
「ヒーッ!なんだこれ!」
「むっきー!!」

千秋とのだめのカメラの奪い合いを、窓越しにフランクが気付く。
「何あれ、ケンカ!?」とフランク。
「じゃれてるだけだよ。子供にはわかんないだろうけど。」とリュカ。
「くぅぅぅ。
 あ、ほら、でも土下座してる。」
「土下座?」
土下座するのだめの写真を撮る千秋。
そんな千秋にけりを入れるのだめ。
「あ!酷い!」
やがて、抱きしめあう(取っ組み合う)二人。
「はい、子供はここまで。」フランクがリュカに目隠しする。
「えー、あとちょっと!」
「そう!
 僕はピアノを弾きに行くよ。
 来年のリサイタルにってスカウトされるかもしれないからね!」
「僕が先に行く!」
「僕が先だ!」

城の中庭
「返して下さいー!」
「嫌だ!」
「はー、良かったー!」カメラを奪い返すのだめ。
「・・・あんな弾き方するなんて・・・知らなかった。」
「ふふ。そりゃあずっと学校でヒミツの特訓してましたから。
 あのラヴェルは少し、反射がきつめというか。」
「はぁ?」
「キラキラ星はどうでしたか?
 あれ実は、オクレール先生の選曲なんです。
 さすがヨーダでしょ?」
「ヨーダ?」
「のだめ、これからもっといろんなこと勉強します。
 またみんなに聴いてもらえるように。
 喜んでもらえるように。
 もっと練習して、いつか絶対ピアノコンツェルトで先輩と同じ
 舞台に立って見せます!」
「・・・お前って・・・」
「はい?」

「日本にいる時からそうだったけど、
 いつも一緒にいるようで、そうでもない。
 一人で旅して、
 いつの間にか帰って来てる。」


千秋はのだめを引き寄せ、キスをした。

「それでいい。
 俺が見失わなければ・・・。」


2008年 正月
裏軒

「あけまして、おめでとーー!」峰が樽酒の鏡割りをする。
「のだめの初リサイタルも成功したことだし、
 次はいよいよ千秋さまのヨーロッパデビューね!
 ドキドキしてきたわぁ!」と真澄。
「千秋君が、好きだーーーっ!」と高橋。
「そういえば、清良がウィーンのヴァイオリンコンクールで
 3位に入賞したらしいよ。」
「うぉー!!」
その話に落ち込む峰。
「どうしたの、龍ちゃん。」と真澄。
「コンクールが終わったあとも何の音沙汰もないらしくて。」と父。
「電話してやりなさいよ!
 あの性格だもん。
 コンクールに入賞したくらいで自分からかけてこれないわよ。」
真澄はそう言い峰に携帯を渡す。

峰が清良に電話をかけてみる。
「あ、もしもし。清良?」
「うん。」
「コンクール・・・えっと・・お疲れ!」
「ダメだった。
 私もまだまだだな・・。」
「あ、そうだ。
 年賀状、ちゃんと届いたか?」
「いっぱい届いてて、どれが年賀状だかわかんない。
 ・・・留守にするって言ったのに。
 こんなに読めるわけないし。
 字汚いし。」
「・・悪かったな。」
「・・・」
「清良?
 負けず嫌いもいいけど、辛い時は連絡しろよな。
 お前も、こんなに、いい仲間がいるんだからさ。」
峰はそう言い、携帯をみんなに向ける。
「ヒューヒュー!清良、頑張って!」と真澄。
「あけましておめでとー!」と萌。
「龍太郎のオヤジです!」
みんなが一斉に清良に声をかける。
「・・・ありがとう。」
「又、次頑張れよ!
 まだ始まったばっかじゃねーか。 
 やれるだけやってダメだったら、その時は帰ってくればいいじゃん!
 寂しいときは、いつでも電話してこいよ、な!」
「・・・ていうか、寂しいなんて一言も言ってないし!
 結果出すまで帰んないし。」
「おぉおぉ、そうかそうか!じゃあな!」
電話を切ると、みんなが峰を冷やかす。
「うるせー! 
 お前ら、今からミーティングだ!」
「え?」
「R☆Sオーケストラ、再演に向けて本格始動だ!!」
「とうとうこの日がやってきたか!」と大河内。
「おぉ!とうとうやってくるんだよ!」
その時裏軒に誰かがやってきた。
「き、きたーーー!!」「松田さまーーー!!」
「松田さんが、好きだーーっ!」と高橋。
「よっしゃーっ!!
 楽しい音楽の、時間だぁーーっ!!」と峰。
「イェイ!!」

その頃、清良は山のように届いた峰の手紙を一つ一つ読んでいた。
"自信持てよ。""頑張れ清良""マヂで""絶対大丈夫!!"
"愛しの龍太郎より"
「・・・ありがとう。」
清良は嬉しそうに微笑むと、ヴァイオリンケースを手に出かけていく。

千秋真一 ヨーロッパ デビューコンサート

千秋が舞台の上に立ち、オーケストラと挨拶を交わす。
会場席には、フランク、ターニャ、黒木、リュカ、
ジャン、ゆうこ、片平、エリーゼ、シュトレーゼマン、
カフェで声をかけてきた男性、そしてのだめ。
のだめの胸には、ハートのルビーのネックレス。

観客にお辞儀をし、オーケストラと向きあう千秋。

「俺も頑張らなければ。」

オーケストラも微笑を浮かべ、千秋とアイコンタクト。

「ずっと憧れていた場所・・・」

そして、千秋が指揮棒を振る。

「ブラームス、交響曲第1番。
 ブラームスが20年もの歳月をかけて作った、
 壮大な交響曲
 日本で絶望の中にいた俺を、救い上げてくれた曲。
 ヨーロッパに来ることも、プロの舞台に立つことも、
 ずっと諦めていた。
 たくさんの人に支えられて、ここまで来れた。
 精一杯の感謝をこめて、
 そして又ここから始まるんだ!
 この曲から・・また新たなステージへ!
 さあ、悲劇から希望と救済へ!
 喜びのコラール!」


「ブラボー!!」
シュトレーゼマンの声のあとに、観客たちからの盛大な拍手が鳴り響く。
涙を流しながら聞き入っていたのだめは、曲が終わったと同時に、
ダッシュで会場を飛び出していく。

オーケストラと挨拶を交わし、客席に向かってお辞儀をする千秋。

舞台の袖に来た千秋にのだめが駆け寄る。
「おめでとうございます!
 あの・・サイン下さい!
 1番です!」
「お前・・・
 早すぎる!まだ挨拶が残ってるんだぞ。」
そう言いつつもサインをする千秋。
「すみません・・
 あの・・それから・・
 先輩、この前キス・・しましたよね。
 あれよく覚えていないんで、もう1度お願いします。」
「・・・」
目を閉じて唇を突き出すのだめ。
千秋は顔を近づけると・・・
両頬にサインペンで渦巻を書いてニッコリ。

「ステージに出て下さい。」担当者が呼びに来た。
「はい!」
ステージに向かう千秋、一度立ち止まり、のだめの方に振り返る。
のだめは、誇らしげに、温かい笑顔で、千秋のことを見つめていた。

「ヨーロッパデビュー・・と同時に・・」

思わずのだめをぎゅっと抱きしめる千秋。
目を閉じ、幸せそうに微笑むのだめ。

「変態の森へ!」


Lesson1では千秋の苦悩が描かれ、千秋は周りの人の思いに
支えられながらも自分でそれを克服。

そしてLesson2では、のだめが思い悩む姿が描かれていました。
子供の頃から、ピアノを習う環境としては整ってはいなかった。
ただ、好きという思いで自己流でピアノを弾いてきた。
将来の夢は幼稚園の先生になり、園児たちにピアノの楽しさを
教えることでした。

それが、千秋と出会ったことで、いつか同じ舞台に立ちたいと
思うようになり、その思いから、フランス留学。

そこで初めて見せつけられた、世界のレベル、大きな壁。

その上、千秋は自分ではない、才能豊かで将来有望な
若手ピアニストとコンツェルトを共演。
焦るのだめは、彼女と自分を比べ、彼女の真似をし、
少しでも追いつこうと取り憑かれたようにピアノを弾く。

自分がなぜピアノを弾いているのか、その答えも自分で出せないほど
追いつめられて・・・。

ただ楽しくて弾いてきた大好きなピアノが、
こんなにも辛く苦しい存在となってしまった。

ルイの育った環境とのだめの育った環境を比べ、
のだめを思う千秋に、愛を感じました。
自分で乗り越えなければいけない、と必要以上に手を貸そうと
しない千秋の姿勢にも。

オクレール先生に与えられた初リサイタルという場に向けて、
自分の力で大きな壁をひとつ乗り越えたのだめ。
モーツァルト姿で演奏するのだめは、本当に楽しそうで可愛いくて。
なんの為にピアノを弾くのか、ちゃんと答えを見つけることが
出来ました。

千秋のヨーロッパデビュー公演。
最初はこのオーケストラのメンバーに嫌われていた千秋ですが、
この時には強い信頼感で結ばれていました。
奏者とのアイコンタクトになぜか泣ける〜!

千秋の指揮する姿は力強く、美しく華麗で、
時折見せる微笑みが優しくて、
目を真っ赤にして指揮棒を振る姿にもらい泣きしそうになり、
何度見ても感動します。

のだめが見せる涙と笑顔。
上田樹里さんはいろんな表情を魅せてくれました。
笑顔の表情も泣く表情もいろんなパターンを持っていて、
レビューでそれを上手く言い表せないのが悔しいと思えるほど。

周りを固めるキャラたちもみんな個性豊かで温かい人ばかりで。

今後ものだめ・千秋とその仲間たちの成長を見ていきたいです。
充実なスペシャルドラマでした!



どらま・のーと『のだめカンタービレ カテゴリ』


※一部公式HPあらすじを引用しました。


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キャスト

野田 恵(上野樹里)  ピアノ科
千秋真一(玉木 宏)  ピアノ科
峰 龍太郎(瑛  太)  ヴァイオリン科
三木清良(水川あさみ) ヴァイオリン科
奥山真澄(小出恵介)  管弦楽科
多賀谷彩子(上原美佐) 声楽家 千秋の元恋人
大河内守(遠藤雄弥)  指揮科
佐久 桜(サ エ コ)  管弦楽科
峰 龍見(伊武雅刀)  『裏軒』主人
河野けえ子(畑野ひろ子) 雑誌『クラッシック・ライフ』編集者
佐久間学(及川光博)  音楽評論家
江藤耕造(豊原功補)  ピアノ科講師(エリート)
江藤かおり(白石美帆) 江藤の妻
谷岡 肇(西村雅彦)  ピアノ科教師(落ち専)
フランツ・シュトレーゼマン(竹中直人)世界的指揮者
              通称ミルヒー(ミルヒ・ホルスタイン)
桃平美奈子(秋吉久美子) 理事長

石川怜奈(岩佐真悠子)
田中真紀子(高瀬友規奈)
玉木圭司(近藤公園)
橋本洋平(坂本 真)
鈴木 萌(松岡璃奈子)
鈴木 薫(松岡恵望子)
岩井一志(山中崇)
金城静香(小林きな子)
井上由貴(深田あき)
金 井(小嶌天天)
黒木泰則 …… 福士誠治

フランク …… ウエンツ瑛士
ターニャ …… ベッキー
並木ゆうこ …… 山口紗弥加
孫Rui …… 山田 優
片平 元 …… 石井正則(アリtoキリギリス)

ジリ・ヴァンソン
片桐はいり
猫背 椿
ダニエル カール
パンツェッタ・ジローラモ
セイン カミュ


スタッフ
原  作 : 『のだめカンタービレ』二ノ宮知子(講談社)
放送日時 : 10月16日(月)スタート 毎週月曜よる9時放送
※全11回予定
プロデュース : 若松央樹(フジテレビ)
清水一幸(フジテレビ)
脚  本 : 衛藤 凛
演  出 : 武内英樹(フジテレビ)ほか
制  作 : フジテレビドラマ制作センター

主題歌:ベートーヴェン 「交響曲 第7番」
エンディング曲:ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」




上野樹里さんの主な出演作品



玉木宏さんの主な出演作品


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フジテレビ「のだめカンタービレ in ヨーロッパ」第二夜:ライバル出現で波瀾万丈! 初リサイタルと二人の恋の結末は!?
Excerpt: 本当に楽しい音楽の時間でした。第一夜に比べると、少々駆け足な展開が気になったものの、流れも構成も脚色も見事でした。そして、何よりも素晴らしかったロケーション!
Weblog: 伊達でございます!
Tracked: 2008-01-07 00:36

のだめカンタービレ (玉木宏さん)
Excerpt: ◆玉木宏さん(のつもり)玉木宏さんは、1月4日と5日、フジテレビ系列において放送された2夜連続ドラマスペシャル『のだめカンタービレ IN ヨーロッパ』に千秋真一役で出演しました。
Weblog: yanajunのイラスト・まんが道
Tracked: 2008-01-07 14:50

のだめカンタービレ in ヨーロッパ 【第二夜】
Excerpt: <br />■二夜連続ドラマスペシャル「のだめカンタービレ inヨーロッパ」<br />・のだめカンタービレ (フジテレビ)<br /><br />第二夜:2008年1月5日(土) 21時03分〜23時30分放送<br /><br />新春スペシャルとして帰ってきたドラマ..
Weblog: THE有頂天ブログ
Tracked: 2008-01-07 23:38
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