2008年04月13日

アンフェア the movie

アンフェア the movie 『最期の作戦 オペレーションZ』

ビルの屋上。
ヘリポートには、誰かの遺体の形を記した跡が残っている。

出港間近な船を、斉木陣(江口洋介)らが捜索する。
目的の物はなかなか発見出来ない。
そんな中、単独行動を撮っていた雪平夏見(篠原涼子)が
「お目当てのもの、ありましたよ。」と斉木に報告する。
その時、刑事の一人が撃たれてしまう。
犯人を追いつめる斉木。
背後から、別の犯人が斉木に銃を向ける。
『この国の人はこういうときなんて言う?』英語で尋ねる犯人。
「maybe・・・銃をすてろ、かな。」と斉木。
「銃を捨てなさい!」雪平の声。
犯人は斉木を人質にとり、彼の頭に銃を突きつける。
『基板をかえせ!基板だ!』と犯人。
斉木は雪平を見つめ・・・
一発の銃声。
犯人が足を抱えて倒れこむ。
「悪い。
 気が短いんで先撃った。
 それに生きて確保したかったからね。」
斉木の言葉に雪平は構えていた銃を降ろし・・・。怪我をした刑事が救急車で運ばれていく。
「雪平。どうしてチップがワインケースの中にあるってわかった?」
斉木が聞く。
「矢川製鋼の会長、かなりのワイン通なんです。
 贈物をするときも必ずワインなんですって。
 秘書を酔わせて聞き出したんです。」
「根拠はそれだけ?」
「あとは・・酒飲みの勘です。」
「酒飲みの勘ね。」斉木が笑う。
「その勘で、斉木さんが今何を言おうとしているか、
 当てて見せましょうか。」
「どうぞ。」
「お前がこれまで生きてこられたのは、
 たまたま運が良かっただけ。
 単独行動は二度とするな、でしょ。」
「それは以前いた捜査一課のルールですね。
 公安のルールは違いますよ。」
「何ですか?」
「終わり良ければ全て良し・・・かな。」
微笑みあう二人。

バツイチ、子持ち、大酒飲み。
しかし、検挙率No.1の敏腕刑事の雪平は、
警察の不正が書かれているという極秘文書を追っていた。
その日も雪平は仕事に出かける前に、元同僚の三上(加藤雅也)に
電話をし、何か進展はあったかと尋ねる。
「そんなに急かすなよ。」と三上。
「ホントにやってんの?」
「やってるよ。一生懸命!」
電話中の雪平に、娘の美央(向井地美音)が何かを手に持ち
歩み寄る。
だが、母親は三上との電話に集中していて娘に気づかず、
寂しそうな表情を浮かべる美央。
「これは私にとってとても重要なことなの!」
「でもさ・・本当にあんの?そんな極秘文書って。」
「ある。絶対にある!
 警察内部の不正が証拠になって残されているのよ。」
「お前・・かなりヤバイところまで、足突っ込んでないか?」
「どういうこと?薫ちゃん。
 何か知ってんの?」
「・・・」

ベビーシッターがやって来た。
「ごめんマキちゃん。先行ってて。」
雪平が車の鍵を放る。
「はい!」

「マキちゃん?」と三上。
「ベビーシッター。」と雪平。

「行ってきまーす!」「行ってきます・・」
マキが美央を連れて出かけていく。
電話中の雪平は二人のほうを見る余裕もなかった。

「佐藤が今ニューヨーク行っててね。
 美央を、車で送ってもらうとこ。」
「え!?ダメダメ。
 車はやめた方がいいよ。」
「何言ってんのよ。ところでどうなの?出来そう?」
「無理だよ・・。
 俺こっちの方面、得意じゃないの、知ってんだろ?
 こんな時に蓮見がいたらなー。」
「何?」
「チョチョイノチョイ、なんて。」
「・・まあいいや。今からそっち行くから。」
電話を切った次の瞬間、外で大きな物音がした。

慌てて外に飛び出していくと、雪平の車が炎上している。
「美央・・マキちゃん・・
 美央!!」
美央は車の外に投げ出され、気を失っている。
「救急車・・誰か救急車!!
 美央ーーーっ!!」

「世の中には、フェアなことなんて何もない。
 目には目を。
 復讐には復讐を。
 アンフェアには・・・アンフェアを。」


豊洲警察病院
「雪平・・心当たりは?
 確実にお前を狙っての犯行だよな。」
小久保祐二(阿部サダヲ が効く。
「わかりません・・」
「わかりません・・。
 あり過ぎてわからないだけだろ!
 お前が行くとこ行くとこ、死体がゴロゴロ。
 ついには娘まで巻き添えにして自分だけ助かるとは・・
 恐れ入りました!
 お前を母親に持って、ホント娘さんも気の毒だよ。」
ボールペンをカチカチ鳴らしながら小久保が立ち去る。

「・・・どうして。」そう呟く雪平。

美央の病室
美央の手を取り涙する雪平。
「ごめんね・・。
 また・・・・
 ママのせいで・・。」

そんな奈か、小久保から雪平に電話が入る。
「お前の身代わりに死んだマキコさんの両親と連絡がついたぞ。
 関東医学大学病院だ。」
「わかりました。すぐに伺います。」

美央を看護師・浩子(加藤ローザ)に託して
警察病院を後にする。

そんな雪平とすれ違いざまに、不審な一団が病院に入ってきた。
マスクを被った集団の一人・戸田(成宮寛貴)が、
外来受付の前突然散弾銃を発砲して叫ぶ。
「It's Party Time!!」

最新のハイテク技術を備えた難攻不落の病院は
犯人グループに占拠され一気に大混乱に陥る。
 
慌てて患者を非難させる病院スタッフ。
浩子が美央を抱き上げたその時、銃声が。
覆面をつけた男たちが、人質をどこかに運んでいく。
浩子は隙を見て廊下を飛び出した。
犯人の一人は人影に気づき・・。

浩子は美央を食事を運ぶエレベーターに隠し、
「必ず迎えに来るから。」と約束し、廊下に戻る。
そこで犯人と遭遇してしまい・・。

一発の銃声が鳴り響く。

病院に駆けつける管理官・山路(寺島進)。
「周囲を封鎖しろ!
 半径100メートル誰も入れるな!
 それから病院の設計図だ!」
部下に指示を出し、空を見上げて呟く。
「Party time!」

テロの犯人と同じ呟き!

その頃雪平は、病院の廊下で泣き崩れるマキコの両親に謝罪していた。
「マキコはあんたの身代わりになって死んだんだぞ。」
「・・・申し訳ありませんでした。」
「お前が死ねばよかったんだ!
 お前が死ねばマキコは・・」
返す言葉もなく、辛い表情で泣き崩れる両親を見つめる雪平。

その様子を悲しそうに見守る斉木。

病院の廊下を歩く二人。
「斉木さん・・どうして?」
「私はあなたの上司ですから。」
「やめようかと・・警察。」
「・・・」
「今朝・・仕事の電話に夢中で、
 出ていく娘の顔が思い出せないんです。
 いってらっしゃいって・・・言ったかどうかも・・
 全然・・思い出せないんです。」

病院のロビーのテレビで、雪平は、美央のいる病院が
テロリストに占拠されたことを知る。
雪平が走り出す。
「どうしたんだ!」斉木が聞く。
「娘が入院しているんです。」
「娘さんが?」
雪平がタクシーに乗り込む。
斉木が誰かに連絡する。
「雪平警部補の娘さんが、豊洲警察病院にいる。」

病院の近くに準備された指揮本部で陣頭指揮をとる管理官・山路。
そこへ雪平が駆け込み、病院のなかの状況を教えてほしいと頼む。
山路は不快感を露にするが、そのとき、病院の人質が解放されて
いるという伝令が飛び込んできた。

雪平は病院へ駆けつけたが、美央の安否は依然わからない。

総監からの入電に報告する山路。
「現時点で把握している限り、2名の所在不明者を除いて、
 全て解放されました。」
「収容されている、被疑者たちは?」
「現在のところ、確認できておりません。」

そこへ雪平が乱入。

「あれ・・あの有名な女刑事です。」と入江次長(大杉漣)。
「その、2名の所在不明者は?」と総監。
「1名は看護師。もう一名は、警視庁公安部・・
 この、雪平夏見警部補の娘、美央ちゃんです。」
「で、犯人からの要求は?」と総監。
「電話を通じて、何度もコンタクトをとっていますが応答しません。
 犯人の目的は、ただの遊びか、薬物を狙った、」と山路。
「恐らく犯人の目的は・・篠崎警察庁長官だ。」と入江。
「篠崎長官・・。」
「今朝ほどからSPを伴って検査入院している。
 警察内部でもこのことを知る者は少ない。」と入江。
「今から、最優先事項を、篠崎警察庁長官の救出とする。
 これは、長官の命、ひいては、警察の対面に関わる事案だ。
 SAT突入の準備を。」と総監。
「雪平警部補の娘がいますし、SAT突入は、危険を伴います。」と山路。
「多少の危険はやむをえんだろう。
 人質が民間人でなく、警察官の肉親でむしろ良かったじゃないか。」と入江。

「ちょっと待って下さい!」と雪平。
「お前は部外者だ。出ていけ。」と山路。
「どういうことですか!
 警察の対面の為に、娘を殺す気ですか!
 それが警察のやることですか!」
「これだから女は。」入江が笑う。
「総監、命令を。」
「事態は、一刻の猶予もない。
 SAT突入だ!」
「わかりました。」と山路。

雪平は病院に向かいながら斉木に連絡する。
「雪平です。
 斉木さん、SAT隊が突入します!
 美央が解放されていません。
 お願いします。助けて下さい。
 斉木さんの力で・・。」
「雪平・・・申し訳ないが・・私にはどうすることも出来ない。」

病院にSATが到着、次々と配置についていく。

斉木の元に部下が資料を持ってやってくる。
「雪平警部補の車両爆破の捜査資料です。」
「ありがとう。」
書類の写真を見つめながら、斉木は恋人が自分の車で爆死したことを
思い出していた。
「同じ手口か・・。」

SATのいくつかの班が、病院内に突入しロビーで合流する。
その時、
「SATのみなさーん、ウェ〜ルカ〜ム!」
吹き抜けになった病院の二階部分で待ち伏せしていたテロ犯たち、
「囲まれた!!」
銃声が鳴り響き・・・。
氷川中隊長率いる班との連絡が途絶える。
「本庁に繋げ・・。」と山路管理官。

「氷川率いる第一SAT隊、通信が途絶えました。」山路が報告する。

病院前
「敵はSAT以上か。どんなヤツらなんだ・・。」と三上。
その場から走り出す雪平を、三上が追う。

病院内
マスクを脱ぎ捨てる戸田。
「お出迎えだ。ゲートを開け!」
と仲間に連絡する。

病院地下室
閉ざされたゲートが開く。
集団の先頭には、テロリストのリーダー後藤(椎名桔平)。
「お待ちしておりました。
 教官とご一緒できて、光栄です!」と戸田。
「突入作戦、完了しました。」
後藤を出迎える、SAT隊長の氷川!
「氷川。」と後藤。
「はい!」
「ご苦労!」
「ありがとうございます。」
「戸田、状況は?」と後藤。
「予定通り、SPは全員射殺。
 篠崎警察庁長官以外、全ての人質を解放しました! 
 ただ・・犯行を目撃されたため、やむなく、看護師一名を
 犠牲にしました。」
「・・・戸田。これ以上ミスは許さんぞ。」
「はい!」
「さっそく作業を始めてくれ。」
「はっ!」

氷川率いるSAT隊員全員が、
テロリストの仲間!?
なんてアンフェアな・・。


後藤がある部屋の扉を開ける。
ベッドに横たわっていた蓮見が起き上がる。
「お前の出番だ。」
蓮見がカバンを受け取る。
早速準備を始める蓮見は、引き出しを開けたとき、
山路との2ショット写真に気づき・・・。

この病院に、蓮見はまだ入院中だったんですね。
そのことも山路は知っているはず。


司令部
ライターをカチカチ鳴らす山路。
「管理官。病院内に動きは見られません。」部下が報告する。
「・・・」

山路は蓮見を心配しているのか・・疑っているのか・・。

なんとか病院の地下に入り込もうと、柵の鍵を開けようとする雪平。
「やめろ雪平!無謀だ!
 お前一人で戦って勝てる相手じゃないだろう!」三上が止めようとする。
「戦いに行くんじゃない。
 美央を助けたいだけ!」
「雪平・・。
 俺は一度だって、お前にやめろって言った事はないだろう!
 でも今回だけはダメだ!」
「薫ちゃん!私今まで美央に母親らしいこと何一つしてあげてないの!
 ・・・何一つ。」
雪平はそう言うと、柵を開けて先に進む。
そんな雪平の背中を蜜得る三上・・。

病院内
手すりに掴まりながら廊下を進んでいく美央。
目に付けてあった包帯は解いてしまったが、目を閉じたまま歩いていく。

テロリストと同じ黒い服に着替えた蓮見は、病院内のモニター室で
パソコンを操作。

防護服を身につけた後藤、戸田、そしてもう一人のテロ犯が、
ある実験室に潜入。
そのため、セキュリティーシステムを一時期解除する蓮見。

美央は偶然開けてしまった部屋の中へ入っていく。

テロ犯が目当ての部屋に入ると、蓮見がセキュリティーシステムを
復帰させる。
美央はセキュリティーロック付きの部屋に閉じ込められてしまう。

テロ犯の目当ては、あるウィルスと抗血清。
三人は慎重に運び出そうとするが、戸田がウィルスの入ったケースを
一つを落として割ってしまう。
「・・落ち着け!」と後藤。
「退避だ!」
移動しようとした戸田は、防護服を何かに引っ掛け、
防護服に穴が開いてしまう。
ますますパニック状態に陥る戸田。
「助けて!教官!防護服が!!」
後藤たちは急いでガムテープで応急処置をし、
薬品を洗い流す。

二人は後藤を別の部屋に入れ、"5928"とロックする。
「教官・・抗血清を、打ってはもらえませんか?」
ガラス戸越しに頼む戸田。
「・・・作戦終了まで待て。
 必ず・・・お前を迎えに来る!」と後藤。
「・・・わかりました。
 ・・・待ってます。」

地下の階段を上がっていく雪平。その後ろに三上もいた。
「薫ちゃん、今朝どうして車に乗るなって言ったの?」
「え?だって、渋滞酷かったから。」
「それだけ?」
「・・・それだけ。」

犯人から山路たちの元へ入電が入る。
「指揮官の山路だ。」
「警視庁公安部・斉木陣を呼べ。」と後藤。
「斉木?
 目的は何だ?
 指揮官は俺だ。」
「斉木以外の者とは、交渉しない。」

「斉木を呼べ。
 現場に向かわせろ。」総監が指示を出す。

ロックされた密室で防護服を脱ぐ戸田。
そこへ美央が姿を現す。

指揮本部
「犯人の声紋分析は?」斉木が到着する。
「現在進行中です。」
「私と関わりある全箇所を中心に検索して下さい。」
「わかりました。」
「斉木、お前に恨みのあるヤツの犯行か?」と山路。
「犯罪の動機の大部分は怨恨か金です。違いますか?」
「お前の知り合いってわけだ。」
「確かめてみましょう。」
斉木が犯人たちに電話をする。

「誰だ。」と後藤。
「斉木です。」
「こちらの要求を言う。」電話の声は機械で変えられている。
「ちょっと待って下さい。
 見ず知らずのあなたとは、このような大切な話はしたくありません。
 ・・どなたですか?」
「・・・」
「一体あなたは誰ですか?」
「答えるつもりはない。」
「では・・なぜ私を?」
「腐った警察の中でも、少しはマシだと聞いたからだ。」
「・・・わかりました。
 要求をお聞きしましょう。」
「こちらの目的は、これまでに溜め込んだ警察の無駄金、80億。
 その金は本来存在しないはずのもの。
 消えたところで何の問題もない。
 2時間で用意しろ。
 出来なければ、長官の命はない。」
そこで電話が切れた。

「80億って何です?」斉木が総監に聞く。
「そんなものが存在するわけないだろう!
 犯人の作り話だ!」と入江。
「本当に・・裏金は存在しないんですね?」と斉木。
「何度言わせたら気が済むんだ!」机を叩く入江。
「ならば、裏金かどうかはともかく、
 要求はどうしますか?
 80億、用意しますか?」と山路。
「存在しないものは出せない。」と入江。
「では・・総監。どうしますか?」と山路。
「総監、命令を。」と入江。
「要求は飲めない。
 第2SAT隊を突入させる!」と総監。
「反対です。
 第1SAT隊を一瞬にして倒した人間です。」と斉木。
「斉木!」と山路。
「彼らを甘く見てはいけません!」
「斉木、犯人の言いなりになるつもりか!?」
「・・篠崎長官を殺すおつもりですか?」と斉木。
「テロに屈するぐらいなら、長官は自ら死を選ぶだろう!」と入江。
「まるで死んでもらいたいような言い草ですね。
 長官が殉職すれば、時期長官は自分だとでもお考えですか?
 入江次長。」と斉木。
「不謹慎だぞ。口を慎め!」と総監。
部屋を出ていく山路。
「・・失礼しました。」斉木が総監らに謝る。

「第2SAT隊が、下水道から突入してきます。」
蓮見が後藤らに報告する。
「配置につきます。」と氷川隊長。

携帯を閉じる山路。
「また犠牲者が出るぞ。」と呟く。
まさか、山路は蓮見と通じてる!?

「山路管理官。
 雪平は、こちらには来ませんでしたか?」斉木が声をかける。
「あ、そういえば出てったきり見かけていないな。」
金平糖を頬張る斉木。
「お前が突入に反対するなんて意外だな。」と山路。
「無駄なことは嫌いなんです。」
「・・無駄ね。」

地下室を進む雪平と三上。
「斉木って、どんなヤツ?」
「どうして?」
「いや・・別に。」
「終わり良ければ全て良しってタイプ。あとはわかんない。」
「へー。お前がわからないなんて、めずらしいな。」
「しっ!」
雪平はSAT隊に気づき、それが第2SAT隊と確認する。

「小島小隊長率いる第2小隊のようです。」
後藤にも連絡が入る。
「小島・・タケシか・・。」と呟く後藤。

第2SAT隊が向かった場所へ静かに進んでいく雪平と三上。
その時、銃声音が鳴り響く。

「第2SAT隊・・全滅しました。」
後藤に連絡が入る。

殺されたのは、第2SAT隊・・・。
「雪平!」三上が呼ぶ。
「第1SAT隊が生きてる・・。
 まさかあいつらの仕業?」
「そう考えるしかないな。
 これは待ち伏せだな。
 つまり、情報が筒抜けだってことだよ。」
三上が雪平に、SAT隊の銃を渡す。
その銃から弾がこぼれ落ち・・・。

姿を消したと思われた第1SAT隊が戻ってきた。
急いでその場を離れる雪平と三上。
SAT隊が二人を追う。

「このままじゃ見付かる。
 俺がやつらをひきつける。」と三上。
「何言ってんの、そんなのダメよ!」
「美央ちゃんが待ってるんだろう?」
三上はそう言いと、雪平を残して飛び出していく。
「薫ちゃん・・。」

ロックされた部屋
美央が戸田に水を渡す。
「ありがとう・・。」
「お兄ちゃん・・大丈夫。
 ママが、迎えにくるから。
 きっと、迎えにくるから。」と美央。
「ママ・・」美央が呟く。

美央はママを、
戸田は後藤を、
信じて待つ二人です。


雪平は美央の病室にたどり着く。
が、美央はいなかった。

指揮本部に電話をする雪平。
「雪平、どこにいるんだ。」と山路。
「病院の中にいます。」
「第2SAT隊はどうなった?」
「全滅です。
 第1SAT隊が、立て篭もりの実行犯です。」
「・・・何だって?」
「第1SAT隊は第2SAT隊が、地下から来るのを事前に知って、
 待ち伏せしていました。」
「どういうことだ。」
「警察内部に、内通者がいる可能性があります。」

「内通者?」と入江。
「誰が裏切り者なんだ!」と総監。

入江、山路、斉木のアップ。

美央の病室
「今地下にいます。
 これから、娘の病室、602号室に向かいます。」
「一人で行くのか?」と斉木。
「・・斉木さん?」
「死ぬのは許さないぞ。」
「行きます。」
電話を切った雪平は、病室の前に置いてあった薬品を見つめ・・。

雪平が仕掛けました。
内通者は誰!?


声紋の結果が山路に届く。
「誰だ!」と総監。
「後藤国明です。」
「後藤・・」山路が呟く。
「元SAT対の指揮官で、その後、警察学校の教官となった人物です。
 1997年1月、警察内部の数千万に及ぶ、領収書の改ざん問題を、
 内部告発したことで、辞職を余儀なくされ、
 その後、業務上横領罪で、8年間刑務所暮らしです。」
「我々・・警察への復讐が目的か・・。」と総監。

病院
美央の病室にSAT隊が近づいていく。
扉を開けたその時、雪平が仕掛けた薬品が爆発!

その様子を見守っていた雪平、
「内通者は誰・・。」

「雪平、聞こえるか?俺だ。」
「薫ちゃん?」
「ああ・・」
「よく逃げられたわね。」
「え・・まあ・・運が良かったんだ・・。」
「・・・」
「そんなことより、今どこ?
 美央ちゃんは?」
「今6階。病室にはいなかった。
 ・・・薫ちゃんは?」
「地下。」
「・・わかった。
 1階のロビーで待ち合わせよう。」

6階の吹き抜け部分から下を覗き込む雪平。
「・・・薫ちゃんが・・裏切り者?」

ロビー
「薫ちゃんも使えないなー。
 引き上げるわよ。」と蓮見。

雪平が蓮見に気づく。
「どうして・・蓮見が・・。
 蓮見がいるってことは・・。」
山路が内通者なのか!?

指揮室のベランダから病院を見つめる山路。
そこへ斉木がやって来た。
「心配ですか?」
「何が。雪平か?
 あいつは死なねーよ、絶対。」
「世の中に絶対なんてないのはご存知でしょう。」
「・・・」
「後藤国明とは同期だそうですね。」
「だから?」
「いや・・」
「後藤ほど、部下から信頼の厚い人間はいない。
 SAT始まって以来の名指揮官と呼ばれた男だ。」
「・・・」
「お前、俺を疑ってるのか?」
「いや・・でも内通者がいるのは確かなようです。
 しかも病院内に知り合いもいますよね。
 蓮見杏奈。」

「犯人から入電です!」
時間を確認する斉木。3時20分。
山路が部屋に戻っていく。

「約束の時間だ。」と後藤。

「テロに屈するわけにはいかん!
 入金は出来ない。」と入江。

「入金は出来ないそうです。」斉木が後藤に伝える。
「長官の命がなくなってもか。」と後藤。

モニターに拘束された長官の姿が映し出される。

「長官もきっと同じ思いだ。」と入江。
「そうでしょうか。」と斉木。
「伝えろ!」
「・・長官を殺せと言っているんですか?」
「伝えろ!!」入江が怒鳴る。

「どうした?」と後藤。
自ら受話器を取る入江。
「入金はしない!
 長官もきっと同じ思いだ。」
「・・そうですか。
 ならば・・」
後藤が長官の額を撃つ。

「なんてことを・・。
 ・・・これでもう80億引き出せないぞ。」と入江。
入江の言葉に驚く総監、そして山路たち。
「・・・はっ。」我に返る入江。
「裏金の存在を、認めましたね。」と後藤。
「・・しかし長官がいない今・・お前たちに交渉の余地はない。」と入江。
「30分以内に、指定口座に80億振り込め。
 次は東京都全都民が人質だ。」と後藤。
「全都民!?」と斉木。
「黒色・・壊疽菌を使う。」
後藤はそう言い電話を切る。

「黒色壊疽菌・・なんだそれ。」と山路。

「豊洲警察病院には、細菌兵器を取り扱う研究室があります。
 木村、説明を。」と斉木。
「はい。
 黒色壊疽菌は、病変部が、墨のような黒色になることから
 名づけられ、その病状の進行の早さが、大きな特徴でもあります。
 感染経路は、主に、飛まつ、接触、
 つまり、人から人へと感染していきます。」
「斉木、危険度はどの程度なんだ。」と山路。
「保管分全部が散布された場合、
 東京都民の80%が、一週間以内に死に至る計算です。」
「解毒剤やワクチンは?」
「抗血清は現在、病院内の研究員用に一人分、
 あとは、政府要人用に別場所に保管されていますが、
 それ以上、日本には、存在しません。」と木村。

病院内、美央を探し回る雪平は、どこからか聞こえてくる鈍い音に気付く。
まるで合図を送るようなその音。
美央がハンガーでパイプ管を叩いていた。
雪平も銃でパイプを叩き、同じ様に合図を送ってみる。
返事が返ってきた。
美央は生きている。自分を待っている。
雪平が音を頼りに動き出す。

4階、感染病棟
シーツに包まった人影を発見する雪平。
「美央!!」
ロックを解除しようとするが、やみくもにナンバーを押しても
エラーメッセージが出るだけ。
「美央!!」
母親の声に、美央が顔を出す。笑顔で母親に歩み寄る美央。
ガラス越しに手を合わせる二人。
「美央・・」
「美央・・ずっと待ってた。
 ママが来るの、待ってたよ。
 ママ・・」
「うん?」
「お兄ちゃんを、助けてあげて。」
「お兄ちゃん?」

山路に連絡を入れる雪平。
「お前今どこだ!」
「感染病棟にいます。」
「感染病棟?」
「中に美央がいます。
 他にも、感染者らしき人物が一名。  
 それから、化学防護服もあります。」
「防護服・・
 どんな症状だ。皮膚の色は?」と斉木。
「皮膚?
 黒くなっています。」
「壊疽菌だ。」と斉木。
「壊疽菌?どういうこと?」
「立て篭もり犯が持っている病源菌だ。
 警察の裏金と引き換えに、バイオテロを起こそうとしている。」
「バイオテロ?」
「娘さんは?美央ちゃんの様子は?」
「美央は・・・
 ・・・」
「どうした。」
「・・・感染しています。」
「・・・」
「どんな病気!?どうしたらいいの!?」
「抗血清を打たない限り、数時間で確実に死亡します。」と木村。
「その薬大至急用意して!」

「それは無理だ!」と入江。
「・・誰?」
「入江次長だ。」と山路。
「壊疽菌によるバイオテロの可能性がある今、
 貴重な抗血清を民間人に使用するわけにはいかない。」と入江。
「どういうこと? 
 このまま娘を見殺しにするってこと!?」
「雪平警部補。」
「・・総監?」
「壊疽菌を見つけ、バイオテロを阻止して欲しい。
 都民全員が、娘さんと同じ目に遭うんだ。」と総監。
「そうだぞ雪平。警察がテロに屈するわけにはいかんだろ。
 我々を、いや、都民を救ってくれ。
 時間がない。今やつらの計画を阻止出来るのは、
 病院にいる君しかいないんだ!
 まずは君が壊疽菌を確保しろ。
 そうすれば娘さんの命は、必ず保証する。
 約束だ。」と入江。
「・・内通者がいる今、あなた方の言葉は一切、
 信用しません。」
雪平が電話を切る。

美央とガラス越しに話す雪平。
「ごめんね・・。
 ママのせいで・・辛い思いばかりさせちゃって。」
「美央、平気。」
「ママここから出たら・・警察辞めて、
 美央とずっと一緒にいるから。
 美央のこともう一人にさせないから。
 今までは全然ダメだったけど、
 これからはいいママになる。」
「・・・ママは、いいママだよ。」
「・・・」
「ママは、いっつも、いいママだったよ。」
「美央・・」
「美央、ママのこと、大好きだもん。
 ママ、これ。」
美央が、持っていたカードを開いて見せる。
『ママ
 大好き 
 美央
 せいぎのみかた』
と書かれた横に、雪平の絵が書いてあった。
「ママ、お誕生日おめでとう!」
「・・・忘れてた。
 今日だったんだ。」
「朝、渡そうと思ったんだけど、渡せなかったの。」
泣き出す雪平。
「警察、辞めないでね。
 ママ、悪い人、やっつけてね!」
美央が雪平に微笑む。
「美央・・ここにいて。
 ママ絶対に助けに来るから。」
雪平の言葉に頷く美央。
「美央、待ってる。」
娘の笑顔に頷くと、雪平が動く。

病院の廊下を突き進む雪平、斉木に電話をかける。
「斉木さん、壊疽菌はどこですか?」
「どうした?」
「バイオテロを阻止して娘の抗血清を手に入れます。」
「誰も信用しないんじゃなかったのか?」
「信じてません。斉木さんのことも。
 でもあなたの指示で何かあったら、
 裏切り者はあなた。
 それだけでも成果はあります。」
「やっといつもの調子に戻ったな。
 娘さんを一人にしていいのか?」
「大丈夫です。私の娘ですから。」
「恐らく壊疽菌は地下だ。」
雪平は地下に向かう。

コンピュータールーム
「篠崎長官の網膜と静脈のデータ入力、
 パスワードの解読が終了しました。」と蓮見。
「壊疽菌セット、完了しました。」
タイムリミットは、12分。

地下室に向かった雪平は、SAT隊員2名が警備についていることに気づく。
携帯でタイマーセットし、その場に置いて姿を隠す雪平。

携帯の着信音に、警備していた一人が動く。
雪平は持ち場に残った隊員を気絶させ、武器を奪う。
その直後、雪平の頭に銃が突きつけられた。
「そこまでだ。」

「もしもし。」電話に出る入江。
「約束の時間まであと10分。
 結論は出ましたか?」と後藤。
「待ってくれ。今、入金の準備に手間取ってる。」
「ほう。入金する気になりましたか。」
「・・・都民の命には代えられない。」
「自分の命じゃないのか!?」

雪平を殴りつける隊員。
「もういいだろう。」
別の隊員たちが雪平に銃口を向ける。

突然の銃声に、隊員二名が倒れる。
雪平を救ったのは、斉木だ!
斉木はすばやくもう一名の隊員に飛び掛り、その男の銃で撃つ。
「大丈夫か?」
「どうして・・」
「目には目を、
 型破りには型破りを、
 付き合うしかないだろ。」
「・・・」
「さ、時間がない。急ごう。」
雪平の手を取り助け起こす斉木。

タイムリミットまであと8分27秒。
地下室を走る二人。
「どうしてここだと?」
雪平の言葉に斉木は答えない。
雪平が大きな換気扇を潜り抜けようとした時、
向こう側を地下鉄が通り過ぎていく。
「この空気の流れを利用するつもりね・・。」
「雪平!これだ。」
斉木が装置を発見。タイムリミットはあと6分30秒。
「外します!」
「待て!
 慎重に外さないと、中の細菌が放出してしまう可能性があるぞ。
 解体の経験は?」
「・・・」

コンピュータールーム
「あと5分。準備は整いましたか?」後藤が入江に聞く。
答えに戸惑う入江。
「もう、私の正体はご存知ですよね。入江次長。」
「後藤国明・・そうだな?」
「ええ。お久し振りです。」
カメラの前に腰掛ける後藤。
モニターに後藤の姿が映し出される。
後藤の背後の壁は長官の血で染まっている。
「後藤・・・」
「私はね、無実の罪で、8年間刑務所に入っていました。
 ずーっとこの日が来るのを、待ってましたよ。
 入江さん。あなたの不正を告発しようとした私を、
 あなたは、」
「後藤!!」
「目的は、あなたと篠崎長官に対する、復讐です。
 早く入金して下さいよ。
 それとも・・この場で全部お話しましょうか。」
「・・・」

感染病棟
「僕も・・信じてるんだ。」
「・・お兄ちゃんも?」
「・・うん。・・一緒に・・頑張ろう・・」
美央は苦しそうな戸田の手を握りしめ・・。

装置の解除を試みる斉木。
雪平の右手が銃を掴む。
「・・まだ疑っているんですか?私を。」

入江はパスワードを入力し、80億送信しようとする。

斉木が緑色の導線を切ると、装置のタイマーが消えた。
・・と思ったが、再び動き始める。
警報が鳴り響き、シャッターが閉まっていく。
残り時間、20秒。
青い導線を選ぶ斉木。
迷いながら、切断した時、残り時間は3秒。
装置が再び止まった。

「振込みがされていません!」と蓮見。
「どういうことだ!壊疽菌はどうなってる?」と後藤。
「信号が停止しています。
 トラブルがあったようです!」
「シェルターを開けろ!!」

「今が最大のチャンスだ!
 特殊班、行くぞ!」と山路。
「はい!!」
「待ってろよ。」山路がサングラスをかける。

壊疽菌を収納したケースを手に走る雪平と斉木。
テロ犯の銃弾が雪平の腕に当たる。
「雪平!目と耳をふさげ!」
斉木が手榴弾を投げる。

「戸田隊5名負傷。
 侵入者は壊疽菌を持って逃走中。
 多分・・雪平です。」蓮見が後藤に報告する。

雪平を支えながら病院の階段を上がっていく斉木。
その時、病院内をアナウンスが流れる。
「雪平、夏見。
 取引しよう。
 壊疽菌をよこせ。
 そうすれば、抗血清を渡そう。」
「おい雪平!行くな。」
「抗血清・・」
「抗血清が手に入ったとしても、防護服なしで感染病棟に入ったら、
 その瞬間お前も感染するんだ!」
「美央が助かるのなら、それでも、かまわない。」
「この傷じゃ感染病棟にたどり着く前に死ぬぞ!」
「・・・」
「今は治療が先だ。頼む。」

感染病棟
「・・おにいちゃんとは・・お別れだ・・
 きっと・・お母さん・・来るから・・
 さようなら・・」
戸田は美央にそう言うと、最後の力を振り絞り、美央の前から
姿を消す。

コンピュータールーム
「行くぞ!」
後藤たちが銃を手に出ていくと、蓮見はパソコンを操作し・・
情報をチップに移していく。

診療室
雪平の怪我の手当てをする斉木。
「車の爆破事件、心当たりはあるんですか?」
「・・・」
「また単独で何か、探っているということは・・
 あるんですね。」
「警察内部の、不正な証拠となる・・
 機密文書の噂があるんです。」
「内部告発でもしようとしているんですか?」
「・・・」
「もうやめた方がいい。」
「どうしてです?」
「6年前、私は警視庁の裏金を調べていたんです。
 それが、あと一歩で確証を掴めるというところまできて・・
 事件は起こったんです。
 婚約者が、私の車に仕掛けられた爆弾の犠牲になったんです。」
「・・・」
「今朝の美央ちゃんのように・・
 幸い命は助かりました。
 しかし・・全身に大火傷を追って・・
 私の為に・・」

彼女は、病院の屋上から飛び降りた。
斉木は婚約者の両親に「娘を返せ!」と掴みかかられ・・。

「もうやめた方がいい。
 手を引きなさい。」
「・・・」
そこへ、テロ犯が突入してくる。
銃を構えながら、後藤たちが歩み寄る。
「壊疽菌こっちによこせ。
 代わりに抗血清を渡す。
 娘を助けたいんだろ?早くしろ。
 娘が死ぬぞ。」
「雪平、壊疽菌を。」と斉木。
「斉木さん?」
「今は美央ちゃんの命が一番だ。」
斉木はそう言うと、雪平から壊疽菌を奪う。
斉木はゆっくりと後藤に近づき、壊疽菌を置く。
「抗血清を。」手を伸ばす斉木。
後藤は一歩前に出て、斉木をじっと見つめ、彼の手に抗血清を渡すと、
壊疽菌を受け取る。
二人は同じタイミングで後ろに下がる。
「5928。感染病棟の暗証番号だ。」
後藤はそう告げると、部下と共に部屋を出ていく。

「早く美央ちゃんのところへ!」
「斉木さんは?」
「俺は後藤を追う。」斉木も診察室を出ていく。

「これで・・裏切り者は動き出すはず。」

蓮見、山路、井上を思い浮かべる蓮見。
斉木のことは・・信じているんですね。


コンピュータールーム
データを全てコピーした蓮見は、隠していた銃で仲間の二人を
突然撃ち殺す。
足早にその場を去ろうとするが、うめき声に足を止める。
「何。」
別室に縛られていた三上の口のガムテープを剥がす蓮見。
「何なんだお前。何がやりたいんだ。
 警察への復讐か?雪平か?」
「バーカ!どっちも興味ないわよ。
 私はね、頭脳ゲームに勝ってお金を手に入れたいだけ!
 お金は人と違って裏切らない。
 これでまた自由の身。じゃあね!」
蓮見が立ち去る。

「80億が・・」唖然とする入江。

コンピュータールームに戻ってきた後藤たちは、
すぐに仲間が殺されていることに気づく。
「蓮見を探せ!」
「はい!」

地下駐車場
「長官と次長のセキュリティーデータさえ入力されれば、
 いつでもどんな扉でも開けられるのよ。」
車に乗り込もうとした蓮見は、何かを踏んでしまったことに気づく。
慌てて銃に手を置くが、近づく人の顔に安心する。
「脅かさないで下さい。
 機密文書です。」
蓮見がその相手にメモリを渡す。
「その代わり、半分の40億はいただきますよ。」
男が金平糖を渡す。
「??」
次の瞬間、蓮見は射殺される。
撃ったのは・・斉木だ!

立ち去ろうとする斉木に銃を向ける後藤。
「・・斉木か。
 斉木、機密文書は?」
「・・ここにあります。」
「確認しよう。」
斉木は振り向くと同時に、後藤に銃を突きつける。
「・・・俺を裏切るのか?」
「裏切ってなんかいませんよ。
 予定通りです。」
「どういうことだ。」
「・・・」
「本当に予定通りならば、それは俺が手にするはずだ。」
「・・・」
「お前も俺を騙すのか?
 それを世間に公表して、上層部の総退陣と、謝罪を要求するんじゃ
 なかったのか?」
銃を構えあう二人。
「真の正義があり、その正義に仕える、理想の警察を作るんじゃ
 なかったのか!?」と後藤。
「・・・」
「そのために、仲間を殺す犠牲まで払って、
 この計画を、実行したんじゃなかったのか!!」
「・・・」
銃を下ろす斉木。
「すみません、後藤さん。」
後藤もゆっくりと銃を下ろし、斉木に歩み寄ろうとする。
次の瞬間、斉木は銃を発砲。
後藤がその場に倒れる。
「正義に犠牲は付きものです。」
その場を離れようとする斉木。

「斉木さん・・。」
雪平が立っていた。
見詰め合う二人。
そこへ、テロ犯が駆けつけ、雪平目がけて発砲する。
急いで姿を隠す雪平。

そこへ、山路率いる警察が突入。
テロ犯は諦め武器を置く。
「確保!!」

三上もなんとか自力で駐車場へやって来た。
その時、後藤がうめきながら立ち上がる。手には壊疽菌。
銃を構える山路。
「山路・・これでいいのか。」
「・・・」
「なあ・・教えてくれよ。」
銃を下ろす山路。
誰かが後藤目がけて発砲する。
「やめろ!!」と叫ぶ山路。
だが2発、3発、数え切れないほどの銃弾が後藤を襲い・・。
壊疽菌を手に倒れていく後藤。
住んでのところで、三上がキャッチ!
「セーフ・・。」

雪平は立ち上がると、すぐに美央の待つ感染病棟へ。
後藤が教えた暗証番号で、扉が開く。
「美央・・しっかりして、ね!
 ママ絶対に、美央を死なせないから。」
ぐったりした美央に抗血清を打つ雪平。
「もう大丈夫!ね!美央・・良かった。」
「ママ・・」美央はそう呟くと、瞳を閉じる。
「・・・美央。
 美央・・
 美央・・死なないで。
 死なないで!
 美央・・死なないで!
 美央・・
 ママの顔を見て・・
 お願い。美央・・
 ママの顔を見て。目を開けて!美央!
 お願い・・」
美央の体を必死にさすり、抱きしめる。
「お願い!目を開けて!
 死なないで・・」
薬の副作用だったのか、美央が再び意識を取り戻す。
「ママ・・」
「美央・・」
「美央・・待ってた・・。」
雪平は美央を抱きしめ・・・。
「信じて、待ってたよ、ママ・・。
 ママ?」

ヘリポート
青い花の花束を手に姿を現したのは、斉木。
ヘリポートには、斉木よりも先に、雪平がいた。
「終わり良ければ全て良しですか・・斉木さん。」
「・・・よくこの場所がわあkりましたね。」
「酒飲みの勘です。」
「そうでした。
 体は大丈夫ですか?」
「おかげさまで。」
「政府の抗血清が間に合ったんですね。」
「意外に早く到着したんです。
 あなたの計画だと、私も今頃壊疽菌で死んでいたはず、
 それとも、予定通りですか?」
「この世に絶対なんてない。
 完璧な計画も存在しないものですね。
 もともとは雪平さん、亡くなったあなたのお父さんが始めたことです。」
「・・・」
「それを同僚の安本刑事が引き継ぎ、私が実行した。
 6年前、私の車に爆弾を仕掛けたのは、警察上層部の人間でした。
 恐らくあなたに仕掛けたのも同じです。
 本来市民を守るべき警察が市民を殺し、
 不正を正すべき警察が不正を行う。」
「あなたのやったことは、無差別テロと同じこと。」
「警察のアンフェアを正すために行った、最後のアンフェアです。
 以前は、私も警察の不正に真っ向から立ち向かおうとしていました。
 地道に告発の文書を作っては、何度も上司に掛け合ったり、
 周囲に疎まれながらも、内部調査を繰り返したり。
 でもそんなことでは何も変わらなかった。」
「目的は80億?」
「あなたが探していた、極秘文書ですよ。」
「それを公表するつもり?」
「それを必要としている人物、政府関係の人間と、
 取引することになっています。」
「政府関係者と取引?」
「個人の力など小さなものです。
 マスコミに公表したところで、潰されて終わりでしょう。
 後藤さんのやり方では甘いんです。
 表向き幹部を摩り替えたところで、組織は何ら変わらない。
 組織の改革には組織が、権力には権力が必要なんです。」
「・・・」
「力がなければ・・・愛する者さえ守れないんですよ。」
花束を見つめて呟く斉木。
「そんなことない。
 そんなことヨウコさんが望むわけない!」
「・・・」
「ヨウコさんはあなたに真っ直ぐでいてほしかったはず。
 正義の味方でいてほしかったはず。
 組織や権力なんて必要ない。
 あなたらしく戦ってほしかったはずよ!」
振り向きざま銃を構える斉木。雪平も銃を構える。
「あなたが消えれば、計画は完璧に終わります。
 いつものように撃ってみて下さい。」
「・・・」
「私は撃てますよ。」
斉木が発砲する。
「あなたのやり方は・・復讐の連鎖を生むだけ。」
雪平が銃を下ろす。
斉木は震える手で銃を乱射。だが雪平には当たらない。
諦めて住をおろす斉木。
お互いに歩み寄る二人。
その時、斉木が崩れ落ちる。
背後から心臓を撃たれていた。
「斉木さん・・斉木さん!斉木さん!」
斉木は薄れ行く意識の中、胸ポケットからメモリを取り出し、
それを雪平に託し、息絶える。
「斉木さん!斉木さん!!斉木さん!!」
雪平は自分の手に残された機密文書入りのメモリをぎゅっと握りしめ、
辺りを見渡す。

狙撃犯は銃弾を胸ポケットにしまい・・。

「次のニュースです。
 日本の犯罪被害者や、遺族たちを支援する、犯罪被害者救済機構宛てに、
 匿名で、海外から多額の寄付金、総額、80億円が送られていたことが、
 今日わかりました。
 救済機構の関係者は、贈り主を探していますが、
 未だわかっていません。」

ヘリポート
斉木の遺体があった場所を見つめ、そこに横たわる雪平。
彼女に手には、機密文書の入ったメモリー。
『キラキラ星』を口ずさむと、雪平は静かに目を閉じ・・・。
 
公式HP


ドラマ版でハマった『アンフェア』の映画版、地上波に初登場!

テロリストが病院を占拠。
『SP』と似てる!テロリストの主張も『SP』と似てる!
『アンフェア』の方が先に公開しているから、
『SP』が似てる、と言うべきかな。

冒頭のヘリポートの遺体のマーク・・・これは斉木のものでした。

マキコの両親に責められる雪平を、斉木は辛い表情を浮かべて
見守っていました。
彼も、同じ経験をしていたのですね。
最後に登場した青い花の花束は、婚約者の好きだった花なのでしょうか。
彼は80億、全て寄付したのですね。
彼の正義感は何度も裏切られ、間違った方向へ向かってしまった。
婚約者が生きていれば、そうはならなかったのかもしれません。

第2SAT隊突入を反対した斉木、
被害者をなるべく少なくしようという思いはあったようです。

入江が嫌なヤツでした。
自分の身を守る発言ばっかりで、最後はテロ犯に殺されて終わるのかと
思っていたら、生き延びたところが妙にリアルで。

自分のせいで娘を危険な目に合わせてしまった・・・
雪平は警察を辞めようと決心しますが、
そんな雪平の気持ちを変えたのは、美央の応援でした。

雪平の父親が残したY'Sファイル。
そこには、警察の上層部を消し、新たな上層部を作る為の資金と、
計画書が記されていた。

雪平の父親が殺され、それを安本が、後藤が、そして斉木が引き継ぎ・・。

結局は、警察が、警察の汚点を隠すために人の命が奪われてきた
・・という、あり得ない展開でドラマは完結。
なんだかすっきりしないですね。
後藤を、斉木を撃ったのは、誰?
警察の中の悪を全て消し去るのは不可能なのか!?

美央ちゃんのパパの登場が最後まで登場しなかったのが残念!
スケジュール的に無理だったのでしょうか。

どらま・のーと『アンフェア the special・コードブレーキング−暗号解読』にいただいたsakuraさんからのコメント。

安藤の「安」と
安本の「安」が同じで、
斉木の「斉」と
斉藤ユタカの「斉」が同じなんですね。←ユタカって斉藤なんですね。最近、知りました。
これを考えると、犯人は斉木?

sakuraさん、大当たり!
それにこの繋がり、面白いですね!

記事書くのに一日がかりになってしまいました。
『ロスタイムライフ』の感想は明日の夜アップします。
(実はまだ見ていません・・)
今から1時間遅れで『日本沈没』再生します。


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ドラマ版レビュー
どらま・のーと『アンフェア』レビュー


『アンフェア』ヒストリー

『予告小説殺人事件』(×印)
第1&第2の犠牲者:木村弘務&龍居まどか=刺殺。
第3の犠牲者:編集長=刺殺。
第4の犠牲者:愛する者(松本)=絞殺
第5の犠牲者:か弱き者(平井)=刺殺
※雪平、瀬崎を射殺

『募金型誘拐事件』
第6の犠牲者:牧村紀世子=射殺
※雪平、牧村に銃を向けるが撃たなかった

『Xマーク殺人事件』(X)
第7の犠牲者:広田裕次=絞殺 Xマーク
第8の犠牲者:武田=窒息死  Xマーク
第9の被害者:蓮見=首を絞められる Xマーク
第10の犠牲者:森川 Xマーク
第11の犠牲者:久留米 Xマーク
※雪平、安藤を射殺

アンフェア the special 『コード・ブレーキング〜暗号解読』
「after X comes Y」
被害者は、公安OB5人(雪平の父を裏切った人物)
小田切(安本の協力者。雪平を助けようと安本が射殺)
※安本刑事、車に仕掛けられた爆弾により爆死

『アンフェア the movie』
「最期の作戦 オペレーションZ」
斉木が同志の後藤を裏切り暴走。
※斉木陣、何者かにより銃殺。

オープニングナレーション:
第1話=雪平
第2話=小久保
第3話=久留米
第4話=瀬崎(第4話で雪平に銃殺される)
第5話=紀世子(第8話で誰かに銃殺される)
第6話=安本
第7話=山路
第8話=蓮見
第9話=三上
第10話=佐藤
最終話=安藤

SP=雪平
映画=雪平

【 CAST 】
雪平夏見:捜査一課刑事 ― 篠原涼子

安藤一之:捜査一課刑事・死亡 ― 瑛太
小久保祐二:捜査一課管理官 ― 阿部サダヲ
蓮見杏奈:元捜査一課情報解析係 ― 濱田マリ
安本正広:捜査一課刑事 ― 志賀廣太郎

三上薫:検視官 ― 加藤雅也
山路哲夫:警視庁・特殊犯捜査係 ― 寺島進
佐藤和夫:フリージャーナリスト ― 香川照之

斉木陣:公安部・管理官 ― 江口洋介

後藤国明・・・椎名桔平
戸田・・・成宮寛貴
浩子・・・加藤ローサ
入江・・・大杉漣


【スタッフ】
監督
小林義則

脚本
佐藤嗣麻子

原作
秦建日子

B000RZAG6Gアンフェア the movie篠原涼子 ポニーキャニオン 2007-09-19by G-Tools



B000MZHT66「アンフェア the movie」オリジナル・サウンドトラックサントラ 住友紀人 ソニーミュージックエンタテインメント 2007-03-21by G-Tools



4924566667アンフェアthe movieオフィシャルガイドブック―連鎖する”闇”を完全解説 (TOKYO NEWS MOOK)東京ニュース通信社 2007-03by G-Tools



4847017250小説アンフェアthe movie秦 建日子 佐藤 嗣麻子 多田 洋一 ワニブックス 2007-04by G-Tools



B000MNOZH4アンフェア the special 「コード・ブレーキング ~暗号解読」篠原涼子 瑛太 阿部サダヲ ポニーキャニオン 2007-04-04by G-Tools



B000E8RCPEアンフェア DVD-BOX瑛太 篠原涼子 香川照之 ポニーキャニオン 2006-06-07by G-Tools



原作
4309017797アンフェアな月-----刑事 雪平夏見秦 建日子 河出書房新社 2006-09-26by G-Tools



4309407765推理小説秦 建日子 河出書房新社 2005-12-21by G-Tools



ドラマ主題歌
B000E1NYKIFaith伊藤由奈 ソニーミュージックエンタテインメント 2006-03-01by G-Tools



ドラマ挿入歌
B00005HTDWサヴァイヴァーB.ノウルズ S.バーンズ C.ルーニー ソニーミュージックエンタテインメント 2001-04-25by G-Tools



篠原涼子さんの主な出演作品


22:09 | CM(1) | TB(1) | アンフェア | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、待ちに待った放送だったので期待を裏切らない脚本に好印象でした!スリルある展開と疑心暗鬼に陥るストーリーはドラマ当時の興奮や衝撃的な結末をたのしめました!欲をだすとここまでの話をドラマSPにして原作の秦さんみたいに、読んではいませんが『アンフェアな月』として新しい脚本でSP後すぐに映画公開のほうが映画としての興業収益は上げたのかな?初回を観なかった人たちには解り難い内容なので…

栞からの繋がりはちょっと気になりますが、蓮見の狙いは上手く繋がったかな?雪平が直接攻撃を受けないとか美央が感染しているのに防護服なしで部屋に入るのは無謀だと思いましたが、ながれの速さに受け入れてしまいました!

斉木を撃った犯人は何者でしょうね?「復讐の連鎖」蓮見を殺された山路なのかな?『コード・ブレーキング』で蓮見が最後にメモリーを渡したのは斉木だと分かりましたが、安本が最後に呟いた言葉は出てきませんでしたね!

やはり間があくと熱がさめてしまいますね!ドラマの続編の映画化は苦手です…
Posted by けた at 2008年04月14日 18:59
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