2008年04月20日

Around40 #2

『39歳のプライドと偏見』

30万円を支払い、結婚相談所に入会した聡子(天海祐希)。
何か言いたげなスタッフに、
「39歳の女の市場価値なら、きちんとわかっています。
 贅沢言ってる場合じゃないってことも。
 私より、年収や身長が低い方とも、
 積極的に、お会いしていきたいと思います。
 再婚や、50歳の方との結婚も、
 前向きに、考えていこうと思います。」とそう語る。

竹内家
就職情報誌をパラパラとめくる瑞恵(松下由樹)。
「資格が必要なのは無理ねー。
 洗い物や掃除!
 ・・わざわざ家事みたいなこと外でやらなくてもねー。
 人気のマスコミ業界!未経験OKだって!どう思う?」
「・・・」パソコンに向かう夫は無言。
「ねーってば!」
「ずっと専業主婦だった40歳が、簡単に採用してもらえるわけ
 ないだろ。
 大体何のためにやりたいんだよ。」
「もうそろそろ、自分の為に何かやりたいの。」
「洋介私立に入れたのは誰の為だよ。」
「洋介の為に決まってるでしょ!」
「無理して私立入れたのも、この家買ったのも、
 お前が自分の為にしたことじゃないのか?」
「・・・」新庄家
「まだ寝ないの?」
「うん、もう少し。」仕事中の奈央(大塚寧々)。
「終わったら、俺の部屋くれば?」
「平日はお互いの生活を尊重するって約束でしょ。」
「はい。森村さん。」
「はい。」
「じゃ、これでも飲めば?」
「ありがと!おやすみ。」

翌日
自転車で仕事に向かう聡子は、恵太朗(藤木直人)に追い抜かれ、
ムキになって抜きかえす。

病院スタッフに挨拶をする恵太郎。
「岡村先生、白衣は?」聡子が聞く。
「着ません。」
「どうして?」
「その方が、患者さんと打ち解けやすいと思うんで。」
「でもここの病院では、一目でスタッフがわかるように、
 白衣を着る事になってるんだけど。」
「・・わかりました。
 病院内を歩くときは白衣を着ますけど、
 カウンセリング中は脱ぎます。」
「うん・・まあ・・そういうことなら。」と聡子。
「あ、それから、先生と呼ぶのはやめて下さい。」
「・・どうして?」
「僕は医者じゃありませんから。」
「でもここでは、心理士さんも先生って呼んできてるんだけど。」
「岡村さんで、いいですか?」と看護師。
「はい!」
「じゃあ・・岡村さん。
 まずは、室井さんのカウンセリングをお願いします。
 会社の人間関係が原因で、出社できなくて半年たつ患者さんよ。」

カウンセリングルーム
「室井さん。睡眠は、どうですか?」と恵太朗。
「眠れてます。朝も7時に起きています。」俯いたまま答える室井。
「いいですね。朝ご飯は食べたんですか?」
「はい。納豆ご飯を。」
「いいですね! 
 納豆には、何を入れるんですか?」
「ネギとわさびです。
 あ、普通の人はカラシだと思うんですけど。」室井が顔を上げる。
「そんなことないですよ。
 僕なんかラー油ですから。」
「え・・ラー油?」
「試してみて下さい。
 僕も、わさび試します。」
「はい!
 いや・・ラー油か。」笑顔を見せる室井。
「ご飯も美味しく食べているようだし、久し振りに、ベックテスト
 やりましょうか。」

聡子の診察を受ける室井。
「心理士さんが変わって、不安でしたけど、
 話しやすいし、安心しました。」
「そうですか。」
「今とてもいい状態だって、一緒に喜んでくれて。
 いい心理士さんですね。」
「じゃあ、お薬、今までどおり出しておきますので、
 飲み続けて下さいね。」

その日、恵太朗の歓迎会が開かれる。
始めは恵太朗に興味津々だったナースたちだが、
「ケチじゃなくエコ」を連発する恵太朗に、
スタッフたちは引き気味に。

グランポン
「ああいう人がいると、全然食べた気がしない!
 美味しくないし。」
マーくんの料理を美味しそうに頬張る聡子。
「その人、よっぽど空気読めないんだね。」
「マーくんに言われちゃおしまいだ。」
「え?」
「あれじゃ絶対結婚出来ないよね。」

お見合いパーティーに参加する聡子。
「スタイルいいですねー!
 何か運動とかされてますか?」(太った男性)
「いえいえ。」
「人のスタイル褒めてる場合じゃないでしょ・・」

「がさつですが、根はいい子なんです。」(息子たちの写真を見せる男性)
「・・・いきなり二人の母親はないでしょう!」
「・・しっかりしてそうな息子さんたちですね。」

「新婚旅行は、露天風呂つきの部屋でゆっくり過ごす、なんて
 いうのもいいですよね!」
「私と一緒に入りたいってこと!?
 ずいぶんストレートね。」


つい相手の男性を厳しい目で見てしまう聡子だが、
フリータイムになると、誰にも話しかけられずにいた。
「ちょっと!!」

病院
恵太朗は聡子に、室井のベックテストの結果を見せる。
「病状回復していると思います。
 そろそろ、励ましの言葉をかけてみたらどうかと思うんですけど。」
「え?」
「室井さん、ちょっと背中を押したら、
 会社に行けるようになる気がするんです。」
「室井さんは、今の室井さんで大丈夫って声をかけてきたから
 ここまで良くなってきたの。」
「でも・・」
「患者さんの背中を押すタイミングを間違えると、
 かえって悪くなることもあるから慎重にならないと。」
「わかってます!」
「だったら、室井さんが自分で現状を変えようと思うようになるまで
 待ちましょう。」
聡子はそう言い恵太朗に資料を返す。

出版社
「新庄さんご夫婦を、今注目のカップルとして取り上げたいんです。
 結婚したことで、彼のライフスタイルのコンセプトが、
 どう変化するのか興味があるし。」
後輩の南ゆかり(吉瀬美智子)に頼まれる奈央。
「主人に、相談してみる。」
「お願いします!
 森村さん流石ですね!」
「え?何が?」
「まさか結婚で逆転狙ってくるとは思いませんでした。」
ゆかりの言葉に微笑む奈央。

編集長が戻ってきた。
「あの、特別号の企画読んでもらえましたか?」奈央が聞く。
「仕事も結婚もっていうテーマよね。」
「はい。」
「もう一つ何かないかなー。
 新庄高文と結婚した、あなたならではの企画が、
 何かあるはずなのよね。」
「・・はい。考えてみます。」
「それが見付かれば、新しい雑誌のコンセプトに繋がるかもしれない。」
「はい!!」

結婚相談所
「先日のお見合いパーティー、私には合わなかったです。」
「合わなかった・・」と担当者(片桐はいり)。
「ええ。あれは、短時間で自分をアピールするのが上手な人が、
 得をしますよね。
 ですから、私の良さをわかってもらえなかったと思うんです。」
「・・・今日は緒方様に、是非ご紹介したい方がいらっしゃるんです。 
 50歳の、」
「50歳!」
「・・・」
「なんでもありません!」
「50歳の会社経営者で、奥様と死別された方です。」
「・・・優しそうな、方ですね。」

本屋
『恋と結婚運2008』という雑誌を立ち読みする聡子。
恵太朗に声をかけられ、慌てて雑誌を戻す。
聡子の雰囲気がいつもと違っていることに気づいた恵太朗、
「お見合いでもするんですか?」
「え・・」
「一番上の姉が、お見合いしたときも、そういう感じだったんで。」
「お見合いじゃないから!
 岡村さんは?」
「仕事です。東京都の、悩み相談室の。」
「そ!」
「じゃあ、お見合い頑張って下さい。」
「お見合いじゃないって言ってるでしょう!」

お見合いの日
「息子が就職で、うちを出たんですが、
 その時に言われたんです。
 再婚のことを考えたらどうかって。」
「そうですか。」
「結婚相談所で緒方さんのような方と出会えるなんて僕は運がいい。」
「いえ、そんな。」
「緒方さんの専門は、産婦人科ですか?それとも、小児科ですか?」
「いえ、精神科です。」
「・・精神科ですか。」
「はい。」
「・・・」急にうろたえるお見合い相手。
「あの・・」
「何もかも、お見通しですよね。」
「え・・」
「本当は私、再婚する心の準備全く出来てなくて・・
 妻を亡くした喪失感でいっぱいで・・
 先生!」
「先生・・」
「私、どうしたらいいんでしょう・・」涙ぐむ男性。

「全く勘弁してくださいよ!
 今度はちゃんとした人を紹介して下さい!
 高いお金払ってるんですから!」
電話で担当者に文句を言う聡子。

聡子の前を歩く瑞恵とマーくん。
三人は、奈央の住むマンションを訪ねていく。

最上階の部屋に住む新庄と奈央。
「ここのスイーツは今一番のお勧めで、
 この間雑誌に紹介したばっかりなんですよ。」
新庄が紅茶を入れる。
「紅茶もいい香り!
 いいわねー。私は主人に、お茶なんて入れてもらったことないから。」
「この間雑誌の取材で言っちゃったんですよ。
 いつもは仕事で忙しいけど、たまの休みには妻にお茶を入れるって。」
「そんなことだろうと思った!」と奈央。

席を外す新庄と奈央。
「明日から、ミラノに行くことになったんだ。」
「ミラノ?」
「うん。モデルナ社が直接俺と話がしたいんだって。」
「じゃあ・・明日取材受けるのは延期しなきゃね。」
「悪い。向こうから又連絡するよ。」
「うん。」
「それじゃあみなさん、ごゆっくり。」
「あの、奈央のこと、よろしくお願いします!」
聡子が頭を下げて頼む。
「先輩何それ。」
「はい、わかりました。」と新庄。

「いいわねー。
 お互いのライフスタイルを認め合ってて。
 相手に気を使わなくて。」と瑞恵。
「ただの同居人みたい。」とマーくん。
「一人が長いと、気を使う生活なんて想像できない。」と聡子。
「ね、子供はどうするの?」瑞恵が聞く。
「うーん、出産はまだいいかなー。仕事も楽しいし。」と奈央。
「奈央はそうよね。キャリアもあって、セレブの夫も手に入れて、
 ほんと幸せよね。ね!」と瑞恵。
「うん・・」と聡子。
「私も、社会参加したいなー。」
「社会参加?どうしたの?急に。」と聡子。
「働いて、社会と繋がってたいの。」
「瑞恵は、家族と繋がってるじゃない。」
「うん・・。
 聡子は最近どうなの?出会いを求めて何かしてる?」
「えー・・・」
「ねえ、結婚相談所とかってどうなの?」
「・・どうなんだろうね。」
「行くだけ行ってみたら?」と奈央。
「どうかな・・。」
「まー、聡子は結婚しなくても、やっていけるからね。」
「え?」
「私は一人じゃやっていけないから、結婚するしかなかったけど。」と瑞恵。
「私だって一人は嫌よ。
 老後は一人じゃ寂しいからって言ったのは瑞恵でしょ?」
「老後のために結婚しようとは思わないって言ってたのは
 聡子でしょう?結婚する理由ないじゃない。」
「そんなおこt・・。」

竹内家
夕食の準備を整え、家族を待つ瑞恵は、就職情報誌をまた開いてみる。
『一人で悩んでいませんか?
 東京都精神保健局心の悩み相談室』の広告に気づくが、
気にせずページをめくる。
そこへ夫が帰って来た。
「おかえり!」
「あー、疲れた。」
「すぐ食べられるから。」
「やきとり食った。」
「え・・」
続いて息子も帰って来た。
夫はスーツのままソファーでくつろぎ漫画を読み始める。
「着替えてきて。シワになるでしょ。」と瑞恵。
息子が持ってきたお弁当箱は、手を付けられていない。
「食べなかったの?」
「パン食った。」
そう言うとゲームを始める洋介。
夫はマンガを読みながら笑っている。
「シワになるって言ってるでしょ!」
「チッ。」夫は舌打ちして立ち上がると、マンガを放り投げる。
「・・・
 洋介。ご飯食べよう。」
洋介も舌打ちし、ゲームをやめようとしない。
「ちょっと!誰の為に作ったと思ってんのよ!!」
瑞恵の怒鳴り声に、夫も息子もリビングを出ていく。
瑞恵は息子が手を付けなかったお弁当を一人で食べ始め・・。

主婦としては辛いシーンでした。
洋介はどうしてお弁当を食べないのでしょう。
何か理由があるんじゃないのかな。
お弁当を食べる場所、仲間がいないとか・・。


結婚相談所
スタッフが聡子に男性会員のプロフィールを紹介していく。
「あの・・他にいらっしゃいませんか?」
「今ご紹介した方たちにお会いになってみてはいかがでしょう。」
「私考えたんです。
 本当に結婚したいのか。」
「はい・・」
「今結婚したい理由はただ一つ。
 出産のタイムリミットが迫っているからです。」
「わかります。」
「私・・この方たちの子供が欲しいと、思えないと思うんですよね、
 どう・・頑張ってみても。」
「・・・残念です。 
 今現在、緒方様の希望条件にマッチングする方は、
 以上になります。
 せめて、あと1年も早く来てくださっていれば・・
 今とは違う状況になっていたと思うんですけどね。」
スタッフはパソコンを閉じてしまう。
「・・・」

病院
聡子の診察を受ける室井。
「どうです?何か変わったことはありましたか?」
「今朝、会社に電話をしました!」
「何を話したんですか?」
「明日、部長に会う約束をしました。
 これからのことを、話してこようと思います。」
「素晴らしいです!前に一歩踏み出せましたね。」
「カウンセリングで、岡村先生・・あ、岡村さんが言って下さったんです。
 小さな一歩でいいから、そろそろ踏み出すときかもしれないって。」
「・・・」

ナースステーション
「岡村さん!」
「はい。」
「室井さん、明日会社に行って話をしてくるそうよ。」
「良かった!」
「どういうこと?
 私は、室井さんが自分で現状を変えようとするのを待ちましょうと
 言った筈よ。」
「結果的に、室井さん現状を変えようとしたじゃないですか。」
「薬で不安症状が抑えられていただけかもしれない。
 これからは必ず私に相談して。
 患者さんの最終責任は私にあるから。」
「僕の判断は尊重してもらえないんですか?」
「二人三脚でやっていきましょうって言っているの。」
「僕には指示通りにしろとしか聞こえません!」
「そんなこと言ってないでしょう!
 とにかくこれからは、勝手な判断はしないで!」
「・・・どうして怒ってるんですか?」
「え?」
「僕が勝手なことをしたからですか?」
「そうよ。」
「医者としてのプライドが、傷ついたからじゃないんですか?
 患者さんの中には、もっと早く背中を押して欲しかったって
 思っている人だっているかもしれません。
 そうすれば、もっと早く一歩を踏み出せて、
 違った生活を送れてたかもしれまいんですから。」
「・・・」
恵太朗が部屋を出ていく。

実家でご飯を食べる聡子。
「今までの患者さんの中にもいたんだろうなー。
 私が背中を押していれば、もっと早く一歩を踏み出せた人が。」と聡子。
「精神科は、患者さんの状態がわかりにくいからなー、
 大変だよなー。」と父(林 隆三)。
「人事だと思って!」
「精神科選んだのは聡子なんだから。」
「まあそうだけど・・」
「内科を一年で辞めて精神科に行くって聞いた時は驚いたけど、
 聡子が、自分の意思で、一歩踏み出そうとしているのが
 よくわかったからさ、だから俺は何も言わなかったんだよ。
 一歩踏み出すタイミングっていうのは、結局、本人が決めるんじゃないか?」
「うん・・。」

父親が風呂に入りにいくと、聡子は晴子(加賀まりこ)と話し込む。
「ね、晴子さん。大学病院を辞めて、ここでナースとして働くって
 決めたとき、やっぱり悩んだ?」
「ううん。私はいっつも、尊敬できるドクターの側で働くのが
 一番って思ってたからね。」
「ま、晴子さんは、あんまり何も悩まないんだろうな。」
「失敬だな。悩んだわよ、ここでナース始めて15年位経った頃、
 先生に、一緒になってくれないかって言われて、
 もう悩んで悩んで、はー、なかなか踏ん切りがつかなかった。」
「ふーん、晴子さんでも、そういうことなかなか一歩踏み出せないんだね。」
「なかなかねー。
 聡子さんも、なかなか恋愛には一歩踏み出せない。」
「踏み出せなかったね、ま、昔のことだけど。」
「好きな人いたの!?」
「まあね。」
「結婚したかったの?」
「その気持ち・・彼には言えなかった。
 言ってたら何か変わってたのかなー。」
「結婚してたかもしれない。」
「39になって、こんなにジタバタしなくて済んだかもしれない。」
「結婚相談所入ったりねー。」
「うん。・・なんで知ってんの!?」
「聡子さんの部屋行った時に、パンフレット見ちゃったのよ。」
「お父さんには言わないで。」
「先生ー!」

そんな折、奈央からある男性を紹介したいという電話が入る。
相手は弁護士、バツイチで子供なし、周りの評判も良いという。
奈央たちの結婚式で聡子を見かけ、ずっと気になっていたらしい。

翌日、奈央の立会いで、その男性・大島(寺脇康文)を紹介される。
二人を引き合わせると、奈央は先に帰ってしまう。

竹内家
食事の支度をしていた瑞恵は、出来上がった料理を運んでいたとき
手がすべって落としてしまう。
皿は割れ、家族の為に作った酢豚が床に散らばる。
瑞恵は大きなため息をつき・・・。

夜景の見える雰囲気の良い場所を歩く大島と聡子。
「どうするんだっけ、こういう時・・。
 もう少し近寄った方がいい?」

「笑顔で、立ち上がったじゃないですか。」
「はい?」
「結婚式で、ブーケを取ろうとして転んだあと。
 あの時思ったんです。
 この人はきっと、誰かに頼ったり甘えたりしないで、
 一人で、頑張ってきた人なんだろうなって。」
大島の優しい言葉に、聡子は後姿を眺め・・・。
「肩幅オッケー、全てオッケー」

「聡子さんって、お呼びしてもいいですか?」
「はい。」
「今日は、楽しかったです。」
「私も楽しかったです。」
「また会っていただけますか?」
「はい!」
見詰め合う二人。
「ちょっと・・ちょっとちょっと・・」
その時、病院からの呼び出し連絡。
「すみません・・」

「ニャーンニャンニャンニャニャニャニャン♪」
『不思議なピーチパイ 』を歌う聡子。

そこへ、患者の室井が母親と一緒にやってくる。
「一度は・・会社に行こうとしていたんですけど、
 3日前から、また部屋に閉じこもるようになりました。
 薬も、飲んでなかったみたいです。」と母。

聡子は恵太朗にカウンセリングを頼む。
「室井さん、かなり回復しているように見えて・・。」と恵太朗。
「患者さんが本当に良くなったかどうか、簡単に判断できることじゃ
 ないから。」と聡子。
「・・・すみませんでした。
 もっと、慎重になるべきでした。」
「ううん。私のほうこそ感情的になりすぎた。
 こっちこそ、ごめんなさい。
 とにかく、室井さんのことを第一に考えて、やっていきましょう。」
「・・・何か、いいことがあったんですか?」
「え?」
「二番目の姉がそうなんですけど、
 もっと怒られるかなと思っても、そうじゃない時って、
 いいことがあった時なんで。
 まあ、一番わかりやすいのは、男性関係が上手くいっている
 時なんですけどね。」
「私は、プライベートを仕事に持ち込んだりしません!じゃあね!」
「あ、あの・・すみませんでした。」
「まだ言ってんの?」
「医者としての、プライドが傷ついたんじゃないかなんて
 言ったりして。」
「あー。」
「医者としての誇りは、大切だと思います。」
恵太朗はそう言い、その場を去る。

グランポンで話す瑞恵と聡子。
「結婚を前提にした付き合いなの?」
「そんなのって・・まだ一回しか会ってないのに・・。」
「どういうつもりで聡子と会っていると思う?」
「さあ・・」
「さあじゃないわよ!
 これ以上いい人絶対にいないんだから!」
「年収高いから?」とマーくん。
「絶対捕まえなきゃ!
 なんか、ワクワクしてきた!」
「何で瑞恵がそんなに盛り上がってんのよー。
 他に楽しいことないの?」
「・・・」
「何か話があるんじゃなかった?」
「うん・・」

そこへ、奈央が大島を連れてやってきた。
「今晩は。突然すみません。
 聡子さんがこちらにいらっしゃると聞いたもので。」と大島。
「大島さんですね!」と瑞恵。
「今晩は。」と聡子。

「そうですか。
 別れた奥様との間に、お子様はいらっしゃらなかったんですね。」と瑞恵。
「ええ。」
「ご両親はご健在ですか?」と瑞恵。
「母は、亡くなりました。
 父は、兄夫婦と一緒に暮らしています。」
「じゃあ、万が一お父様に介護が必要になったとしても、
 お兄様夫婦が面倒見てくださるんですか?」と瑞恵。
「はい。」
「ちょっと失礼じゃない。」と聡子。
「あ、そんなことありませんよ。
 こういうことは、ちゃんと話しておくべきだと思います。
 結婚を前提にお付き合いを申し込む前に。」
「・・・」
「別れた妻は年下で、仕事を持っていなくて、
 子供も居なかったせいか、僕が全てだったんです。
 でも僕は、仕事が忙しくて、彼女のことが負担になっていきました。
 再婚するなら、自分の世界を持っている女性と一緒になりたいと
 思います。」
「聡子は自分の世界を持ってるものね。」と瑞恵。
「聡子さん。
 結婚を前提に、付き合っていただけませんか?」
「・・・」
「あの、すみません。
 こういうことに慣れてないんで舞い上がっちゃっているんだと
 思います。」と奈央。
「今まで待った甲斐があったわね!」と瑞恵。
「僕はいつまで待てばいいんだろう。」とマーくん。
「大島さん、一つだけいいですか?」と聡子。
「はい。」
「私、39歳なんです。」
「はい。」
「子供のことは、どうお考えですか?」
「ああ・・授かりものだと思っています。
 授かったら授かったで嬉しいし、
 授からなかったときは、夫婦二人の生活を楽しめばいいと思います。
 だから僕は、聡子さんの年齢には、こだわっていません。」
大島の答えに嬉しそうな聡子。
「ほら、聡子!なんか言いなよ。」と瑞恵。
「前向きに、考えさせていただいます。」
「イエスなの?ノーなの?」と奈央。
「39にもなってこんなこと言ってもらえると思わなかったから!」
「嬉しくてたまらないってことなんです!
 昔っから聡子は、男の人に素直になれなかったり、
 頼れなかったりで、損してきたんです。」と瑞恵。
「わかりますよ。」と大島。
「ありがとうございます。」と瑞恵。
「やっぱり女性は、男性と違って、仕事だけしていても幸せには
 なれませんからね。」と大島。
この言葉に里この表情が変わる。
「そうですよね!」と瑞恵。
「どれだけ、世の為人の為になる仕事をしていても、
 女性として幸せじゃなきゃ、幸せな人生とは言えない。
 これからですよ。聡子さん。」
聡子の表情の変化に気づく奈央。
「そうですよねー!」瑞恵は聡子の変化に気づかず上機嫌。
「あ、そうだ。今度聡子さんと一緒に行きたいところがあるんです。
 ずっとマンション暮らしだったんですけど、
 一軒家を持つことを考えているんで、
 モデルハウスを回ろうと思っています。」
「いいですね!」と瑞恵。
「僕の理想の家は、」
語り続ける大島の声が聡子に届かなくなる。
聡子が何か言いかけた声を、奈央の声がかき消す。
「お醤油!お醤油取ってマーくん!!」
「醤油?何にかけるの?」
「いやあの・・
 先輩。よーく考えた方がいいと思うな。」
「え?何?」と瑞恵。
奈央が聡子に頷く。
「・・・」
「どうしたの?」と瑞恵。
奈央は聡子に、言ってはダメと首を横に振る。
奈央の気持ちに気付いた聡子は・・・
「大島さん。」
「はい。」
「私はそうは思いません。」
落胆する奈央。
「私は今まで、仕事中心の生活を送ってきましたが、
 幸せじゃないなんて思ったことはありませんでした。」
「聡子・・」と瑞恵。
「あ・・いや、失礼なことを言ったのなら、謝ります。
 でも、過去のことではなく、これからの話をしませんか?」
「そうよ。」と瑞恵。
「今までの私の人生を否定する人と、
 これからのことをどうやって考えていけばいいんですか?」
「冷静になりなさいよ。
 これ位のことで可能性潰しちゃっていいの?」と瑞恵。
「これ位のこと?
 今までの私の人生で、確かなものっていったら、
 仕事だけだったの。」
「確かなもの・・」と瑞恵。
「瑞恵には家庭があるじゃない。
 私には仕事しかなかったから、私を頼ってくれた患者さんの為に、
 一生懸命やってきたんです。
 精神科の患者さんは、病状がわかりにくくて、
 治ったかどうかもわかりにくいし、
 わからないまま来なくなっちゃう人もいるし、
 道でバッタリ会った時、声をかけたくても、声をかけちゃいけないから、
 悩むことも多いけど・・
 私は、一生懸命やって来たの。
 大島さん。」
「はい。」
「やっぱり、あなたとの将来を考えることは出来ません。」
「先輩、本当にそれでいいの?
 39歳ってことをもう1度よく考えたら?」と奈央。
「39歳だから、譲れないこともあるの。
 私は、私の仕事に誇りを持っている。」

大島が帰った後話す三人。
「ごめんね奈央。せっかく紹介してくれたのに。」
「なーんでああいう風にしか出来ないんだろう、先輩は。」
「あ、何か話があるんじゃなかった?」
「・・ううん。大丈夫。」と瑞恵。
「どうしてこういう時に人の心配が出来るんだろう、先輩は!」と奈央。

家に帰った聡子は、テレビをつけて寂しそうに考え込む。

店に一人残った奈央。
「あーあ。結婚決まれば先輩も大逆転だったのになー。」
「大逆転って何?」とマーくん。
「私は、仕事と結婚以外にも、まだまだやりたいことがあるんだ!」
「どういうこと?」

竹内家
散かった部屋を片づける瑞恵。
就職情報誌の『東京都精神保健局心の悩み相談室』を見つめ・・・。

病院
『今週のこころに響く名言集
 美しくて立派な女性が未婚でいるのは、
 すべての男性に対する静かな、声高な告発である。
 ゴルツ』
それを見つめて微笑む聡子。

出版会社
「テーマは、仕事も結婚も出産も。
 出産しても、女を続ける私。」と奈央。
「なるほど。でも、インパクトのある、イメージタレントが必要よね。
 誰を想定しているの?」
「私です。
 私がやります!」

東京都立精神福祉保健センター
「こういうところに来るの、初めてなんです。
 来るの迷ったんです。
 心の相談室って・・どういう所なのか全然わからなかったですし。」
瑞恵がカウンセラーにそう語る。
「よくいらっしゃいましたね。
 ここでは、どんなことを話しても大丈夫ですよ。」
笑顔で答えるカウンセラーは・・恵太朗だ!

病院
聡子は看護師たちに飲みに行こうと誘う。
最初は喜んでいた看護師たちだが、恵太朗も誘うと聞くと
顔を曇らせ・・。

いつもの居酒屋
「みんな遅いねー。」と聡子。
「来ないんですかね。」と恵太朗。
「注文しよう。」
「緒方先生にプレゼントがあるんです。この前のお詫びに。」
「いいわよそんなプレゼントだなんて。」
「これからも、よろしくお願いします。」
恵太朗が差し出したのは・・・
「箸か!」
「・・・うん。ありがとう。
 こちらこそよろしく!」

店員に注文していく聡子。
「あの・・本当に食べきれるんですか?」
「そんなこと考えながら注文していたら楽しくもないし美味しくもないでしょ。」
「わかってないじゃないですか。」
「好きなものを好きなだけ頼みたいの。黙って。」
「そういうわけにはいきません。」
「今日はね、私の奢り。お箸のお礼!」
「お金の問題じゃありません。」
「だったら帰れば!」
「僕が帰ったら余計食べ残しが増えるじゃないですか。」
「食べるわよ、全部!」

帰り道
自転車を押して歩く二人。
「あー・・お腹いっぱい。食べ過ぎた!」と聡子。
「本当に全部食べるとは思いませんでした。」
「食べるって言ったでしょ。」
「3番目の姉も、食べるって言い出したら絶対に食べる人でした。」
「何番目のお姉さんまでいらっしゃるの?」
「3番目です。」
「4人兄弟の末っ子?」
「はい。」
「ふーーーん。」
「そういえば、お見合い、どうなりました?」
「お見合いなんかしてないって言ってるでしょ。
 そんなの岡村さんに関係ないし。」
「・・・緒方先生。付き合ってもらえませんか?」
「・・・ちょっと!?」

※一部公式HPあらすじを引用しました。


「やっぱり女性は、男性と違って、仕事だけしていても幸せには
 なれませんからね。」
この一言で、聡子は大島と別れてしまいました。
もったいない!
でも、大島の何気ない一言は、一生懸命仕事してきた聡子を
否定するものだった。
妥協せずに、自分の信念を貫いた聡子は素敵だし、立派だと思う。

瑞恵が就職情報誌を見ながら呟くシーン。
これ、わかるわかる!と思ってしまった。
私も今の仕事と出会えるまで、あーでもない、こーでもないと
呟いたっけ。(笑)

瑞恵の仕事選びも、聡子のお見合いパーティーでの呟きも
どこか似ていますね。
あーでもない、こうでもないと、決断できない。
今ひとつ、本気じゃない二人。
周りに流されて、焦っているだけだからなのかな。
こういう時に結果を出すと失敗する可能性が多いと私は思う。

料理を落としてしまった瑞恵は、今まで必死に繋ぎとめていた糸が
ぷつんと切れてしまったのでしょうね。
主婦という仕事は、やって当たり前、と思われがちで、
感謝されることも忘れられがち。
せめて家族から「ありがとう」の言葉が貰えれば、
家族のためにと家事・料理を張り切れちゃうものなのだけど、
瑞恵の夫も息子もまるでその様子がないし、
それどころか、舌打ちまでされてしまう。
でもそうさせてしまう瑞恵にも何か原因はあるのかもしれませんね。
家を買ったこと、息子の受験。
どうやら瑞恵が突っ走って決めてしまったことのようです。

仕事に私生活に絶好調に見える奈央ですが、
どこかに大きな落とし穴があるように思えてハラハラ。

聡子、瑞恵、奈央、そしてマーくん。
それぞれの幸せを見つけてほしい。

(更新予定)
土曜日のドラマですが、ノーマークだった『ROOKIES』が面白かったので、
レビューしたいと思います。

『ごくせん』は三浦春馬君の鋭い目つきが良かったなー。
今回は仲間意識の薄い3Dの生徒たち、というのが今までとは
違っていて、ちょっとだけ新しい!
でもレビューはちょっと迷っています。

『トップセールス』はビデオ録画しそびれてしまいました。
再放送に期待!

『ロスタイムライフ』は月曜日にアップ予定です。



ランキングに参加しています。 よろしければクリックお願いいたします。
人気blogランキング     TV Drama Ranking



「Around40」×「TOPKAPI Vacchetta」オリジナルバッグが新登場!


主題歌
B0015DMNME幸せのものさし/うれしくてさみしい日(Your Wedding Day)竹内まりや Warner Music Japan =music= 2008-05-21by G-Tools



B0016HO2V4Around40 ~注文の多いオンナたち~ (天海祐希、藤木直人出演) by G-Tools




キャスト

緒方聡子(39)・・・天海祐希
岡村恵太朗(33)・・藤木直人
森村奈央(35)・・・大塚寧々
大橋貞夫(39)・・・筒井道隆 洋食屋グランポン
竹内瑞恵(39)・・・松下由樹
*   *   *
南ゆかり・・・吉瀬美智子
新庄高文・・・丸山智己
緒方達也(28)・・・AKIRA
緒方マキ(24)・・・さくら
緒方友康(69)・・・林 隆三
緒方晴子(61)・・・加賀まりこ
ほか



スタッフ

製 作
 TBS
制 作
 TBSテレビ
プロデューサー
 瀬戸口克陽
 成麻畝子
脚 本
 橋部敦子
演 出
 吉田健  
 ほか
音 楽
 山下康介


天海祐希さんの主な出演作品



藤木直人さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、恵太朗がでてきて大分雰囲気が変わりましたね!

恵太朗のエコへの思い入れは凄いですね!あそこまでやらないと大衆の意識は変わらないとおもいますが、流石にタッパー持込で居酒屋に行くのは自分には無理です!信念を強くもつ恵太朗が聡子にどんな影響を与えていくのか楽しみです。患者の室井への独断での判断は成功したのかと思いましたが失敗に終わってしまいました、でも聡子の心を揺らしたのは確かです、ラストの付き合ってくださいは室井の家かな?瑞江の相談も受けているので、そこの絡みも気になります!

瑞江の悩みも外で仕事すれば見合った報酬が評価になるけど、家事は家族の感謝や笑顔だけなので夫や息子の態度にはショックでしょうね…夫の言葉から家の購入や息子の私学の受験は自分の見栄だったのかな?受験の間夫のことはおざなりになっていたり友達といっしょの学校生活を楽しみにしていた息子の言葉を断ち切ったりしたのかもしれませんね!もっと家庭でやらなければいけない事に気づいていくのでしょうか!

奈央も新庄と結婚して幸せそうだけどマーくんの言うとおり同居人みたいですね!仕事に打ち込むことですれ違いが多くなりそうです、すこし心配かな?

聡子が結婚相談所に申し込むとは…行き詰ったのかな?おじさんばかりしか紹介してくれなかったりパーティーで話す時間も短いし、あれで30万は可哀想です男の立場からみたら居酒屋へ行って女の子たちに一緒に飲もうと誘うほうが確立が良いような気が…大島はかなり理想に近かったのにもったいないかな?確かに女性に対しての考え方は違っていたけど、もう少しじっくりと付き合って自分の持っている考え方を話していれば理解してくれそうな気がします、ひとつの考え方の違いで拒んでしまうのはどうかな?そんなに上の立場としての意見には聞こえなかったので…
Posted by けた at 2008年04月20日 18:18
ちーずさん、こんにちは。

わたしも母親が作ってくれた弁当を食べずに持ち帰った経験が何度もありますね〜。母親への反発とか食べたくないとかじゃなく、単に友だちと学食へ行く流れになったとか、友だちとパンを買う流れになったとか、学校を抜け出してホカ弁買って公園で食べることになったとかなんですけどね。それでも母親はショックでしょうね。ちーずさんの言葉に今さらながら反省してます。
今回もアラフォーの切実な焦りを我がことのように感じながら見ました。面白いですね。
ちーずさん、「トップセールス」を見逃したそうで・・・うお〜それじゃ感想を書けないじゃないかぁw。えっとでも二言だけ・・・「あ〜あの頃の話かぁ」「泣いた」。
Posted by マンデリン at 2008年04月20日 19:58
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

Around40〜注文の多いオンナたち〜 第2回 感想
Excerpt: 『39歳のプライドと偏見』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2008-04-20 18:53

Around40 (藤木直人さん)
Excerpt: ◆藤木直人さん(のつもり)藤木直人さんは、毎週金曜よる10時TBS系列にて放送されている連続ドラマ『Around40〜注文の多いオンナたち〜』に岡村恵太朗 役で出演しています。先週は第2話が放送されま..
Weblog: yanajunのイラスト・まんが道
Tracked: 2008-04-21 02:17
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。