2008年04月27日

Around40 #3

『思い込み女VS非常識男』

居酒屋の帰り道。
「緒方先生、付き合ってもらえませんか?」
恵太朗(藤木直人)は聡子(天海祐希)にそう言いと、
自転車を停め、公園の中に入っていく。
「・・・人気のない公園??」
「ちょっと?」
緒方が振り返る。
「冷静に、冷静に・・。」
「な、何しようっていうの?こんな所で。
 それに私、付き合うなんて一言も言ってないからね。」
「・・・何か勘違いしてますか?」
「え!?」

恵太郎は、公園のゴミ拾いを付き合ってほしいと言ったのだ。
「全然勘違いしてないから!」と聡子。
「絶対してました!」
「してない!」
「してました。ムキになってるのがその証拠です。」
「ま、岡村さんがそう思いたいならお好きにどうぞ!」
「そうやって形勢振りになると開き直るところ、
 一番上の姉にそっくりです。
 あ、あと自意識過剰なところも。」
「じ・・自意識過剰!?」
ゴミを捨てていた恵太郎は、そこに捨ててあるテーブルに目を留め・・。テーブルを運ぶ二人。
「ねー、まだ着かないの?」
「ここです。
 上までお願いします。」
「信じられない!なんで私が・・。」
「ほんっとに信じられないですよね。まだ充分使えるテーブルを、
 不法投棄するなんて!」
「重い・・」

恵太郎の玄関の前にテーブルを下ろす二人。
「大丈夫ですか?」
「何が・・」
「腰とか。」
「大丈夫よこれくらい!」
「あとは、自分でやりますから。
 ありがとうございました。」
「はいはい、どうも。」
階段を下りていく聡子は、自分のあとをついてくる恵太郎に気付く。
「な、何?」
「いや、自転車取りにいくんです。」
「あ・・ああああ。」
「ほんっと自意識過剰ですね。」
「・・・」

朝、ベッドで目覚めた聡子が呟く。
「腰痛い・・。」

病院
昼食に出前の蕎麦を食べる聡子。
そこへ恵太郎がやって来た。
「あ!」
「何。」
「お箸使ってくれてないんですか!?」
「ああ・・。」
「ちゃんと使って下さいよ!」
「そんなことしたら、食事のたびに岡村さんの顔思い出さなきゃ
 ならないでしょう?」
「使わないなら、返して下さい!」
「何の用?」
「あ・・患者さんです。
 授業中、突然声の出なくなった男の子が、
 小学校の養護の先生と小児科に来たんですけど、
 頭部のCTや脳波、声帯には異常がないんで、
 精神科で見てほしいそうです。」

声が出なくなった男の子・俊(武井証)を診察する聡子。
「今度は、おうちの人と一緒に来てくれるかな。」
「・・・」
「じゃあ、ちょっと待っててね。
 岡村さん、お願いします。」
「向こうで待ってようか。」
岡村が俊を連れていく。

養護員と話す聡子。
「おうちの方とはまだ連絡取れてないんですよね。」
「はい。
 お母さんは、最近働き始めたらしくて、お忙しいようで、
 今日も、連絡がつかなかったんです。」
「そうですか。
 俊君は、精神科で見ていきたいと思ってるんで、
 今度、おうちの方と一緒に来て下さいとお伝え下さい。」

病院内のプレイルーム
野球のバットとグローブを見つめる俊。
「野球好きなの?」と恵太郎。
「・・・」

そこへ、養護の先生が戻ってきた。
「ありがとうございました。
 今度は、お母さんと一緒に来て下さいって。
 失礼します。」
養護の先生は恵太郎に挨拶をし、俊を連れて帰っていく。

「俊君!」恵太郎が呼び止める。
「今度は、キャッチボールをやろうか。」
俊はその言葉に恵太郎を見つめ・・・。

竹内家
鼻歌交じりに家事をこなす瑞恵(松下由樹)。
ふと掃除の手を止め、恵太郎の心の相談室に行った時のことを思い起こす。

「私、40なのに、このままでいいんだろうかって、
 すごくモヤモヤしたり、焦ったりするんです。」
「どうして、そう感じるんだと思いますか?」
「仕事を持ったり、ボランティアをしたり、
 社会との繫がりが、何もないからだと思います。」
「社会とのつながりを持ちたいと思っているんですね。」
「はい。
 ・・社会参加したいけど、何をやったらいいのかわからないんです。」
「ご主人に、その気持ちを話しましたか?」
「主人に話したってちゃんと聞いてくれません。
 食事だって、作ってもちゃんと食べてくれないし。」
「一生懸命やっているのに、褒めてもらえないって、
 辛いことですよね。」
「・・そう!そうなんです!
 私は今、世の中の誰からも必要とされてないって気がするんです。
 自分の存在の意味を、確かめたいんです!」
「そうやって、自分と向き合うことは、素晴らしいことだと思いますよ。」
「そうでしょうか。」
「カウンセリングで何が出来るか、一緒に考えていきましょう。」
「・・一緒に?」
「はい!」
「・・はい!」

その時の恵太郎の笑顔を思い出し、一人微笑む瑞恵。

奈央(大塚寧々)は
『結婚も子供もキャリアも、すべて手に入れること。
 そして
 女であり続けること』
『望むものすべてを手に入れて自分も成長する』
というコンセプトのもと、新雑誌を立ち上げようと勝負に出る。

「本当にそんなこと出来ると思います?」
後輩の南ゆかり(吉瀬美智子)が編集長(大場久美子)にささやく。
「さあ、どうかな。」

「新しい幸せの象徴は、私です。」
自信満々に微笑む奈央。

洋食屋グランポン
カウンター席で雑誌をめくる聡子。
「わ!奈央だ。
 中学高校の時から考えると奈央が一番変わったよね。
 中身も外見も。
 昔は引っ込み思案で、太ってたなんて全く想像つかないよね!」
聡子の言葉に、マー君(筒井道隆)は冷蔵庫に張った写真を見つめる。
幼い頃の自分とぽっちゃりした奈央の2ショット写真。
「ね、昔はさ、奈央とマー君って結婚の約束してたんでしょ?」
「そんなの小学生の時の話だよ。」
「マー君はさ、結婚のことどう思ってんの?」
「まー、したいけど、本当に好きな人としかしたくないから。」
「気長に待ってるって感じで、いいよなー、男は。」
「何で?」
「だって男はさ、いくつになっても父親になれるでしょ?
 でも女にはタイムリミットがあるもの。
 だから早く結婚って思ってたんだけど、
 簡単に好きな人が出来るわけでもないし。
 なんか、年々、人を好きになりにくくなってる気がする。」
「うん。」
「私・・ずっと一人かもしれないって思い始めた。」
「俺もそうかもしれない。」
「この、かもしれないっていうのが厄介なんだよねー。
 まだ結婚出来るかもしれないって思ってるってことだから。
 あーあ、この先、結婚するのかしないのかがわかったら、
 こんな中途半端な気持ちでグチグチしなくても済むのに。
 私って、弱い女だー。」

その帰り道、占い師に手相を見てもらった聡子。
「あんた強いね!」
「私?強いですか?結婚運!」嬉しそうな聡子。
「あんたが強いの!」
「私?」
「人に頼んなくてもやっていける!」
「・じゃ、出会いはどうですか?男性との出会い!」
「出会いはあるんだけどねー、」
「え?どういう意味ですか?」
「いい人に出会っても自分からダメにしちゃったり、
 いい出会いだってことに気づかない。」
「どうすればいいんですか?」
「思い込みを、捨てなさい!」
「思い込み?
 私は割りと、思い込み激しくないほうですし、
 柔軟だと思います。」
「ほら、そうやって言っちゃってることが、
 思い込んじゃってんの。」
「そう・・ですか?」
「そうだよ。」

病院
聡子は俊の姿を見かけて声をかける。
「こんにちは。
 また来てくれたんだ。今日はお母さんと一緒?」
「・・・」
「そっか。お母さんと一緒じゃないと、診察を受けることが
 出来ないのね。」
そこへ、恵太郎がやって来た。
俊が恵太郎に歩み寄る。
「こんにちは。
 30分なら時間あるから、キャッチボールやろっか。」
俊が少し微笑み、そして頷く。

病院の敷地内でキャッチボールをする二人。
その時、ゴミ箱の瓶を回収する音に、俊は耳を押さえて震えだす。

診察室
「俊君帰ったの?」と聡子。
「はい。」
「何しに来たんだろう。」
「又おいでって言いました。」
「どういうつもり?」
「俊君が声を出せないのは、何か抱えている問題があるからだと
 思うんです。
 それを見つけるために、積極的に関わっていくべきだと思うんです。」
「親の許可なしに、精神科で見ることは出来ない。」
「どうしてもダメですか?」
「子供が精神科にかかると、親は育て方が悪かったんじゃないかって
 自分を責めたりすることがあるの。
 勝手に見たりしたら、トラブルになるかもしれないでしょう?」
「親が一緒に来ないんだから、しょうがないじゃないですか。」
「気持ちはわかるけど、自分の子供を病気扱いされて
 怒鳴り込まれたケースもあるわ。」
「・・・」
「とにかく、俊君と積極的に関わることはやめて下さい。」

両親が急きょ出かけることになり、姪の瑠花を預かることになった
聡子。
「デートの予定もないし、このまま一生一人かも。」
珍しく弱音を吐く姉に驚く弟・達也。
「まさか、一人で生きていくって決めたの?」
「決めてないけど、覚悟を決めつつあるっていうかね。」
「でも、結婚や出産は諦めても、恋愛って道が、
 ありますからね!」と達也の嫁のマキ。
「恋愛もなかなかねー。
 この年になるとドキドキすることもなかなか難しくなるのよ。」

心の相談室
診察室の前で化粧直しをする瑞恵。
「竹内さん、お入りください。」
「はい!!
 こんにちは!」
「こんにちは。
 今日は、どこかへお出かけですか?」
「いえ、別に。」
「・・そうですか。どうぞ。
 あれから、気持ちに何か変化はありましたか?」
「はい。
 人って自分の話を聞いてくれる人が一人いるだけで、
 気持ちが前向きになれるんですね!」
「そうですか。」
「岡村さんのおかげです。」
身を乗り出して話す瑞恵・・。

公園
「見て見て!」遊具に乗って遊ぶ瑠花。
「見てるよー。」
「見て見てー!」
「見てるよぉ。」
「見て見てー!」
「見てるって言ってるでしょー。」
「見て見てー!」瑠花が遊具から手を離す。
次の瞬間、遊具から落ち・・
泣き出す瑠花に駆け寄る聡子。
「ごめんごめん・・瑠花、ごめん・・。」

病院
「もう大丈夫だからねー。
 お手々ね、バーンとしちゃっただけで、すぐ良くなりますよって、
 お医者さんも言ってたからね。」と聡子。
「うん!」

そこへ、恵太郎が通りがかる。
「あ!あれ?お子さんですか?」
「はい?」
「聡子おばちゃん、ありがとう!」と瑠花。
「おばさんでしたか。」
「叔母です!
 ていうか、何しに来たの?オフなのに。」
「もしかしたら、今日も俊君来るかもしれないって。」
「ちょっと。この前話したことわかってる?
 もしかして岡村さん、俊君のことだけじゃなくて、
 患者さんとの距離のとり方が、近すぎるってことない?」
「・・・あ。」
「思い当たることある?」
「僕、ここ意外で、悩み相談の仕事やってるじゃないですか。
 そこに相談に来てる、40歳の主婦の方が・・
 僕に、好意を持っているみたいなんです。」
「自意識過剰なんじゃない!?」
「・・・もういいです。」
「冗談よ。
 患者さんに、好意を持たれることはよくあることだけど、
 上手く、距離をとるべきよね。」
「気をつけているつもりなんですけど。」
「40歳か・・。私と同い年の人が、あなたに行為をねー!」
「え?40なんですか?緒方先生。」
「今のところ39だけど、その、驚き方はどういう意味?」
「もっと若いのかと思ってました。」
「まあね。」
「まさか、そんな大人だったとは。」
「大人気ないってこと?私が?
 岡村さんは、いくつ?」
「33になりました。」
「6つしか違わないのね。」
「しか・・。
 緒方先生が大学一年の時に、僕中学一年生ですよ。
 それってかなりの年の差ですよね。」
「彼女が本当のあなたを知ったら、がっかりするでしょうね。」
「彼女?」
「あなたに好意を持っている40歳の女性よ!」

その時、聡子の携帯が鳴る。
「もしもし?」
「瑞恵だけど。
 聡子の弟さんの美容室って、雑誌に載ったことあるようなお店よね。
 紹介してもらえないかなー。」
「いいけど。瑞恵んちからは、遠いんじゃない?」
「たまにはお洒落なお店に行ってみたいのよ。」
「わかった。達也に伝えておく。」
「ありがとう。じゃあ、よろしくお願いします。」
「うん。じゃあね。」

「瑠花、帰るよ。」
「見て見てー。」瑠花は恵太郎に自分が描いた絵を見せている。
「うん?わ、すごいねー。」
「帰るよー。」
「お兄ちゃんと遊んでるからー。」
「おじちゃんね、忙しいのよ。」

瑠花はすっかり恵太郎に懐いてしまう。
そこへ、マキが迎えに来た。
「ママ!」
「お手々大丈夫だったかなー?」
「本当にごめんなさい、瑠花に怪我させちゃって。」
「ううん。」
「仕事大丈夫だった?」
「はい。今日は帰っても大丈夫って言われましたから。
 あの、こちらの方は?」
「こんにちは。」恵太郎が挨拶する。
「うちの臨床心理士の岡村さん。
 瑠花と遊んでてくれたの。」
「ありがとうございました!」
「いえいえ。」
「いつも、姉が、御世話になってます!」
「・・・うん?」

待合室で俊を待つ恵太郎。
俊がやって来た。
「来るかなって思ってた。」
恵太郎の言葉に俊も微笑む。

キャッチボールをする二人。

その様子を病院の窓から副院長(松尾貴史)が見つめ・・・。

副院長室に呼ばれる聡子と恵太郎。
「診察を受けていない子ども、つまり、うちの患者じゃない子供に
 病院内で関わって、何か問題があったらどうするんだ。」
「申し訳ありません。」と聡子。
「でも、何か助けを求めてここに来てるのかもしれないじゃないですか。
 患者さんじゃないからって何もしないわけにはいきません。」と恵太郎。
「岡村さん。」聡子が止める。
「もしトラブルが起きたら、岡村先生個人の問題じゃ済まないんだよ。
 病院全体の責任問題になるんだから。」と副院長。
「二度と、こういうことはないようにします。
 申し訳ありませんでした。」
聡子はそう言い深く頭を下げ・・。

「あれほど言ったでしょう!」聡子が恵太郎に言う。
「困った人を見て見ぬ振りをしろって言うんですか!?」
「まずは母親と一緒に診察を受けてもらわないと、
 トラブルになるって言ってるの。
 勝手なことしないで!」
そう言い立ち去る聡子。

美容室
「その心理士さん、もしかしたら、お姉さんの特別な人かもって
 思ったんですよね〜!」マキが瑞恵に言う。
「心理士さんって仕事大変な割りに、給料安いんじゃなかった?」と達也。
「だから、もし、お姉さんとその心理士さんがお付き合いすることに
 なったら、格差恋愛ってことよね!」
「私が、心理士さんと付き合ったら・・」瑞恵が呟く。
「若い男なんだろ?40女相手にするわけねーだろ。」と達也。
「そんなことないんじゃない!?」と瑞恵。
「え・・」
「・・うん?ううん。
 じゃあ、その心理士さんのこと、聡子に聞かなきゃ。
 本当に、特別な人じゃないのか。」

洋食屋グランポン
「特別な人よ。」と聡子。
「えーっ!?」驚く瑞恵、マー君、奈央。
「ほんっとうに特別、変な人なんだから!」
「へー。そういう心理士さんもいるのねー。」と瑞恵。
「心理士さんに知り合いでもいるの?」と聡子。
「・・ううん、いないよ。」
「瑞恵先輩はどうなんですか?」と奈央。
「うん?何が?」
「髪型も変わったし、口紅も変わったでしょ!」
「え・・わかる?」
「わかりますよー。」
「全然わかんなかった。」と聡子。
「なんか、恋でもしてるんですか?」
「恋!・・そんな大げさなものじゃないけど・・ちょっとね。」
「え!どういうこと?人妻なのに?」と聡子。
「ダメだよそんなの。」とマー君。
「ちょっと位ときめいたっていいじゃない。」
「いいと思います!」
「何が?」と瑞恵。
「結婚しても、子供を産んでも、女を忘れないっていうライフスタイル。」
「俺まだわからないんだけど、
 ライフスタイルプロデューサーって何なの?」
「え?何?
 結婚して、子供産んで、女を忘れないって、
 どんだけ欲張りなのよ。」と聡子。
「奈央は、子供、まだ考えてないんでしょう?」と瑞恵。
「ううん。出来るだけ、早く欲しい。」
「何で急にそうなったの?」とマー君。
「好きな人の子供がほしくなったってことでしょう?」と聡子。
「それ以上に、自分の子供がほしいって、思ったんだ。
 子供を持つと、自分も成長できそうだし。」
「随分自分中心だね。」とマー君。
「そりゃそうよ。いまや出産だって、自己実現の一つなんだから。」
「そうなの?」と聡子。
「何にせよ、産むなら早い方がいいしね。」と瑞恵。
「私ね、ようやくわかったの。
 結婚って才能がなきゃ出来ないのよ。」と聡子。
「確かに、先輩が男に好かれる女を演じたとこ、一回も見たこと
 ないけどね。」と奈央。
「そんなことまでして彼氏が欲しいと、思わないんだもの。」
「女なら誰でもやるんじゃない?」と奈央。
「私は出来ないの。」
「ま、39年間出来なければ、これからも出来ないっか。」と奈央。
「私のことわかってくれる人がいないんだったら、
 一人で生きてってもいいかな。」
「運命の人がいるかもしれないのに。」と奈央。
「運命の人・・
 偶然、思いもよらないところで、再会したりするのよねー。」と瑞恵。
思いにふける瑞恵と聡子。
その時、店の扉が開き・・・。
期待を込めて振り返ると・・・それは新庄(丸山智己)だった。
「こんばんは。」
「奈央のお迎え?」と瑞恵。
「ええ。偶然近くで仕事だったもんで。」
「いいわねー。
 そろそろ行かなきゃ。」
「お笑いの番組、録画セットしてくるの忘れちゃった。」
瑞恵と聡子が帰っていく。

「ご飯は?」奈央が新庄に聞く。
「久し振りに、青山のラトゥール行かない?」
「せっかくだからここで食べていけば?」
「どうしても鴨のポアレが食べたい気分なんだよね。」
「それじゃあしょうがないっか。ここにはないもんね。」
「あるよ。」
「えー!?」
「鴨のポアレ、作るから。」

マー君の作った鴨のポアレを口に運ぶ新庄と奈央。
「・・・美味い!
 さすが、妻がよく来てるだけあります。」
「本当だ!美味しい!」
「もったいないなー。 
 味は完璧なのに。
 内装や外観にこだわりが感じられないんだよねー。
 この店のコンセプトは何ですか?」
「コンセプト?」
「僕が出来ることがあれば何でもやりますよ。
 まずは外観から何とかした方がいいんじゃないのかな。」
「結構です。
 大切なのは、中身だから。」
「・・・」
「料理も、男も。」
「・・・」
「いいんじゃない?この店はこのまんまで。」と奈央。
「そうだろ?」
「うん。どっかイケてない感じが、マー君ぽくってさ。」
「え・・」

マー君、カッコ良かった!
鴨のポアレを「あるよ!」ってささっと作っちゃうところも、
新庄の申し出を断り、「大切なのは中身だから」って言うところも。
一本筋の通った男です。
彼の思いは奈央に届く日は来るのでしょうか。


新庄家
ワインを飲む二人。
「マー君が私のことを好き!?」
「うん。」
「子供の頃から仲良かったからね。」
「そういうんじゃなくって、女として好きなんじゃないのかな。」
「あり得ないって。
 ね、そんなことより私、産婦人科に行こうと思って。」
「え?」
「大丈夫だとは思うんだけど、一応、ちゃんと妊娠できる状態なのか
 調べてもらおうと思って。」
「子供か。」
「考えてなかった?」
「新しいライフスタイルを提案する材料になるかもな。」
「・・え?」
「・・・いいね、子供!
 やっぱり男の子かなー。どっちがいい?」

この夫婦は似た者夫婦というか・・。
二人とも子供を仕事の材料の一つに考えているところが嫌です。


新庄夫妻を取り上げた雑誌を読む瑞恵。
「人生ってわからないものよねー。 
 地味で目立たなかった奈央が、セレブの人と結婚して、
 聡子みたいにちやほやされてた人が、一人で生きていくかも
 しれないなんて言ってるんだから。」
「じゃあ聡子さんに、老後も安心の保険、勧めてみてくれる?」と夫。
「聞いてたの?」
「プラン立てておくから、よろしくな!」
「そういう時ばっかり私を必要とするんだから。
 ま、いいけど。
 あ、お帰り。」
洋介が帰って来た。お弁当箱は重いまま。
「食べなかったの?」
「パン食った。」
「もう・・そういう時は言ってよ。」
「ね・・お母さんなんか変じゃない?」洋介が父に言う。
「そうか?」

瑞恵が聡子の勤める病院に、保険のプランを持ってやってきた。

同じ頃、恵太郎は病院に来ていた俊の姿を見つけ、
1時間後にキャッチボールをしようと約束する。

敷地内のベンチで恵太郎を待つ俊。
看護師がすぐ側のベンチで喋っているのが聞こえてくる。
「そういえば最近、精神科も子供の患者さんが増えましたよね。」
「この前の中学3年生の子が欝になったのって、母親に問題が
 あったらしいよ。」
「そうなんですか?」
「だから今は、別々に暮らしているんだって。」
「そうなんだ・・。」
「かわいそうだけど仕方ないよね。」

その言葉に俊は・・。

保険のプランを広げる聡子。
「ありがとう。これで老後も安心だわ。」
「ね、これロビーで見つけたんだけど、
 検診って、受けておいた方がいいのかな。40だし。」
「うん。乳がんと子宮頸がんの検診は、受けるべきよ。」
「やっぱり聡子は受けてるんだ。」
「ううん、私は全然受けてない。」
「え!?医者がしなくてどうするのよ。
 もしかしたら、子供産むこと、考える時がくるかもしれないんだし。」
「くるかなぁ・・。」

産婦人科
問診表に書き込みながら、奈央は母親に抱っこされた赤ん坊に
微笑みかけ・・。

恵太郎が俊の待っているはずの場所にいくと、俊の姿はなかった。
病院内を探し回る恵太郎。
看護師たちから、俊は帰っていったようだと知らされ・・。

どうしても気になった恵太郎は、俊の住所を調べて訪ねていく。
インターホンを押すと、俊が出てきた。
「こんばんは。
 帰っちゃったから、どうしたのかなと思って。」
「・・・」
「俊?」母親の声。
「すみません。
 愛成会病院で心理士をしています、岡村と申します。」
母親の影が動く。
「ちょっとお話したいことが、」
家に上がりこもうとする恵太郎を俊が止める。
その時、酒の瓶がガシャガシャ音を立てて倒れる。
その場に座り込み耳を押させる俊。
恵太郎は部屋のあちこちに酒瓶・カンがあることに気づく。
「お母さんいるんだよね。」
俊は恵太郎を玄関の外に出し、部屋の戸を閉める。
「もしかして、俊君困っていることがあるんじゃないのかな。」
首を横に振る俊。
「ちょっと待って。
 何かあったら、電話して。」
恵太郎がメモを渡すと、俊は部屋に戻ってしまう。

病院
「俊君の母親から、家に来るなってクレームの電話があったそうよ。
 どういうこと?」と聡子。
「昨日、病院に来たのに、いつの間にか帰ったんで、
 何かおかしいなと思って・・。」
「だからって、いきなり家に行くなんて非常識でしょう?」
「・・・」
「大体どうやって家がわかったの?」
「・・・小児科でカルテを。」
「それって、個人情報を勝手に利用したってことでしょう!?
 わかってる!?」
「でも・・」
「あなたの行動の責任は私にあるの!
 これ以上勝手な真似をしたら、庇いきれないから!」
「・・・」
その時、恵太郎の携帯が鳴る。
嫌な予感がした恵太郎は、聡子に謝り電話に出る。
「はい。岡村です。
 ・・・もしもし?
 俊君??
 俊君どうした?家にいるの?
 すぐ行くから!」

「どうしても行くの!?」聡子が聞く。
「・・はい。」
「・・・どうしても行くなら私も行く。
 勝手なことされたら困るから。」

二人は自転車で俊の家に向かう。
部屋の戸を開けると・・・俊のうめき声。
母親が倒れていた。
母親に呼びかけながら、聡子は恵太郎に救急車を呼ぶよう指示を出す。
救急車を呼ぼうとすると、俊が阻止しようとする。
「俊君?お母さん助けるためよ。」
だが俊は恵太郎を見つめて何かを訴えようとしている。
「・・・大丈夫だよ。お母さんとは、決して離れ離れにさせないから。」
恵太郎の言葉に安心し、頷くと、俊は掴んでいた手を離す。

病院
母親に付き添う俊。
「俊君も、わかっていると思うけど・・
 お母さん、何か辛いことがあって、お酒飲みすぎちゃったみたいだね。
 お母さんの病気は、俊君のせいじゃないからね。」
恵太郎の言葉に泣き出す俊。
「俊君。ずっと辛かったね。
 ちゃんと治せば、お母さん元気になって、
 また俊君と一緒に暮らせるから。
 ここで絶対治すから。僕を信じて。」
泣いていた俊は恵太郎を見つめて言う。
「ありがとう・・」
そして母の手を握り、号泣し続け・・・。

そんな様子を見ていた聡子は・・。

副院長室
「申し訳ありませんでした。」聡子が謝る。
「今回は、たまたま危なかった母親を救うことが出来たわけだけれど、」
「そのお陰で、俊君の声が出なくなった原因がわかりました。
 母親の、アルコール依存症は、自分のせいだと思いこんでいたようです。」
「だからって、個人情報を勝手に利用した件もあるし。
 岡村先生には辞めてもらうよ。
 遅いなー、岡村先生。呼んであるのに。」
「副院長!岡村さんは、患者さんとの距離のとり方が近すぎたり
 することもあるかもしれません。
 でも・・助けを求めてきた人の気持ちに寄り添おうとする姿勢は、
 医療現場で働くものとして、間違えているんでしょうか?」
「間違えてない。けれど、間違ってるんだよ。」
「・・・お願いします。もう1度チャンスを下さい!」

副院長室をノックしようとした恵太郎に、聡子たちの会話が聞こえてくる。

「岡村さんのことは、私が責任を持ちます。」
「岡村先生を辞めさせないで欲しいということか?」
「なかなか心を開かなかった俊君が、
 岡村さんのことを信頼しているんです。
 岡村さんの代わりになる心理士は、
 他に誰もいないと思います!
 お願いします!」

恵太郎は静かにその場を後にし・・・。

病院の屋上で考え込む聡子。
「緒方先生。」恵太郎が声をかける。
「ありがとうございました。」
「何が?」
「僕のこと、庇ってくれて。」
「俊君のためよ。
 岡村さんがいなくなったら、俊君が困るでしょう!」
「・・・」
「私も少しは困るけど。」
「・・・」
「知らないうちに、勝手に思い込んでいることってあるのね。
 子どもの診察は、親の許可を得てからの方がいいって
 思いこんでいたせいで、私は大切なことに気づけなかった。
 俊君が抱えている問題を、早く知ることが出来たのは、
 岡村さんのお陰。
 ありがとう。」
そう言い頭を下げる聡子。
「・・・」
「言っとくけど、岡村さんのやり方が、いつもいい結果を生むとは
 限らないからね。」
「はい。」
見詰め合う二人。
「ね。」
「はい。」
「付き合ってくれる?」
「え・・」
「・・・」
「・・・」
「なんか勘違いしてない?」
「へ?」

診察室。二人の前には出前の蕎麦。
「全然勘違いしてませんから!」と恵太郎。
「絶対してた!」
「してません!」
「ムキになってるのがその証拠!」
「別にいいです。緒方先生がそう思いたいならお好きにどうぞ!」
「さ、召し上がれ。」
「どうせ一人前じゃ出前頼めないから、僕の分も頼んだだけですよね。」
「あらよくわかったねー!」
「そんなことだろうと思いました。
 実家にいた時、二番目の姉に付き合わされて、
 よく出前食べさせられていましたから。」
そう言いながらマイ箸を取り出す恵太郎。
「!!」
なんと聡子も、恵太郎がプレゼントしたマイ箸で食べようとしていた。
「いただきまーす!」と聡子。
その様子を見つめ微笑む恵太郎。
「いいんですか?
 食べるたびに、僕の顔を思い出さなきゃいけないんですよ。
「そんなの、慣れればいちいち思い出さなくなるわよ。
 それとも、いちいち思い出してほしいわけ?」
「ああいえばこう言う人だな。」
「3番目のお姉さんにでも似てるんじゃない?」
「なんでわかったんですか?
 あれ?その話しましたっけ?」
「風の噂で。さ、食べて。」
「いただきます。」

病院にやって来た瑞恵は、そこに恵太郎を見つけて驚く。
「岡村さん・・」
「こんにちは!」
「運命ですよね。」
「え・・」
「白衣姿も、またいいですね!」
「・・・そうですか?」
「あ!」恵太郎のエリを直す瑞恵。

そんな二人の姿に気づく聡子。
恵太郎が言っていた相談相手が瑞恵で、
瑞恵が言っていた心理士が恵太郎なんだと気づき・・。
二人に声をかけずにその場を去る。

瑞恵が聡子に契約書を渡す。
「わざわざありがとう!
 ね、ちょっとときめいている人って、心理士?」
「え・・」
「ほら、この間、心理士のことちょっと知っているみたいだったし。」
「・・・うん。
 それで、さっきロビーでバッタリ会っちゃったのよ!
 ここでも働いてるんだって!」
「岡村さん。」
「何でわかったの?」
「男性心理士は岡村さんしかいないから。」
「あそう!
 ・・・じゃあ、聡子が言ってた、変な心理士って、
 岡村さんのこと!?」
「そう。」
「うっそー信じられない!
 あんなに穏やかで優しい人なのに!」
「優しい?」
「私の話、何でも受け止めてくれるし、
 私のこと、小さなことでも、理解してくれようとするし。」
「瑞恵みたいな、心理士に対する愛情や信頼の気持ちって、
 陽性転移っていって、治療の過程ではよくあることなのよ。
 心理士から見れば一般的なことだから。
 あんまり、瑞恵が、心理士に対して好意を持ちすぎると、
 カウンセリングがし辛くなって、心理士がチェンジしちゃう
 こともあるからね。」
「・・・聡子。」
「うん?」
「私に焼きもちやいてる?」
「・・・焼きもち?」
「岡村さんが、私によくしてくれるから。」
「はぁ!?どうして私がそんなことで焼きもち焼くのよ。」

洋食屋グランポンに奈央が一人でやって来る。
「今日旦那は?」
「うん?・・・ミラノ。」
そう言い爪を噛む奈央。
「何かあった?」
「何で?」
「それくらいわかるよ。奈央のことなら。」
「・・・私・・・子ども生むの難しいんだって。」

マンションに帰宅する聡子。
「焼きもちって何?全く!」
憤慨しながら自転車を押して歩く。
そんな聡子を、男(加藤雅也)が見つめていることに、
聡子は気づかず・・。

※一部公式HPあらすじを引用しました。


お!ここであのカメラマンが登場するのですね。
予告で見た加藤さんと天海さんの2ショットは本当にお似合い!
聡子の恋がどう動き出すのか、楽しみになってきました。

前回、聡子のまだ早いという決断にそむき、
患者に励ましの言葉をかけ、患者を追いつめてしまった恵太郎。
今回は素直に聡子の言いつけを守るのかな、と思ったら、
彼も自分の信念を曲げようとせず。
でも今回はそれがいい方向に向かいました。

恵太郎に恋してしまった瑞恵。
化粧して、お洒落して、まるでデート気分でカウンセリング。
夫に話を聞いてもらえず、家事をしても感謝されず。
こういう主婦が、恵太郎に恋してしまう気持ち、わかるなぁ。(笑)
『無理な恋愛』の正午と同じく、最初は片思いしているだけで
満足でも、その思いはどんどんエスカレートしてしまいそうですね。
そうなると、笑い話じゃなくなってしまう。
それに、恵太郎が自分にだけ優しいと勘違いしてしまっている
ところが痛い。
恵太郎はカウンセリングという仕事をしているだけなのに。

瑞恵と恵太郎に挟まれた聡子は複雑ですね。
あの忠告は、瑞恵が今後傷つかないためにしたんだと思いますが、
聡子の気持ちの中に、焼きもちという感情はあったのでしょうか?

子どもを仕事のステップアップに利用しようとする新庄夫妻。
奈央には、すぐそばでいつも温かかく見守ってくれている
マー君の思いに早く気づいてほしいです。



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主題歌
B0015DMNME幸せのものさし/うれしくてさみしい日(Your Wedding Day)竹内まりや Warner Music Japan =music= 2008-05-21by G-Tools



B0016HO2V4Around40 ~注文の多いオンナたち~ (天海祐希、藤木直人出演) by G-Tools




キャスト

緒方聡子(39)・・・天海祐希
岡村恵太朗(33)・・藤木直人
森村奈央(35)・・・大塚寧々
大橋貞夫(39)・・・筒井道隆 洋食屋グランポン
竹内瑞恵(39)・・・松下由樹
*   *   *
南ゆかり・・・吉瀬美智子
編集長・・・大場久美子
川崎謙吾・・・松尾貴史()副院長
新庄高文・・・丸山智己

緒方達也(28)・・・AKIRA
緒方マキ(24)・・・さくら
緒方友康(69)・・・林 隆三
緒方晴子(61)・・・加賀まりこ
ほか



スタッフ

製 作
 TBS
制 作
 TBSテレビ
プロデューサー
 瀬戸口克陽
 成麻畝子
脚 本
 橋部敦子
演 出
 吉田健  
 ほか
音 楽
 山下康介


天海祐希さんの主な出演作品



藤木直人さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、恵太朗と聡子の掛け合いが楽しみになってきました!

自意識過剰とか大学一年のとき中学一年とかぐさっとくる言葉ですが、どこか憎めない恵太朗です、少しずつですが影響を受ける聡子の素直さも好きです!

瑞江も家庭で会話もないので寂しいのでしょうね!カウンセリングとはいえ自分の言葉を一生懸命に聞いてくれる存在は大きいのでしょうね!勘違いとはいえ、ときめく事で明るさを取り戻せればいいのかな?聡子も精神科の医者なら、あんなにバッサリと切り捨てなくても…やはりヤキモチなのかな?

奈央の子供を産むのが難しいは辛いですね!確かに子供を利用しようとする考え方は嫌いですが女性としては大変な問題、新庄がの乗り越えられない展開なのかな?マーくんのような包容力は無さそうですね!

たまに昔の彼女から電話がありますが、彼女も晩婚なので(昔、占い師に言われたのを守ったみたいですが)子供を追って走り回るのがシンドイらしです…ちょうどドラマの女性たちの悩みなどに当てはまるのかな?だいたい一時間以上一方的に話して切るのですが、こんなのもストレスの発散なのかな?こっちは「ふーん!」と空返事なのですがドラマをみていると、それでもいいのかなと思います!
Posted by けた at 2008年04月27日 19:38
けたさん、コメントありがとうございます!

そうそう、聡子は恵太郎に、少しずつですが影響を受けていますね。
いいことはいい、でも譲れないところは譲らない。
そういう、はっきりしたところが好感持てます。

瑞恵の寂しさは、主婦としてわかるなー。
私は本当に、いい時に仕事を始められたと思っています。
仕事していなかったら、瑞恵のようになっていたかも!

子どもはいつでも授かれる、と思っていた奈央。
最後の一つの幸せが手に入らないと知った今、
奈央がどう変わるのかも楽しみです。
出来ればマー君の愛に気づいてほしい!

昔の彼女さんは、けたさんに話を聞いてもらえるだけで
スッキリするんでしょうね。
同性には言えない愚痴って結構あるもんですよね!
Posted by ちーず at 2008年04月30日 18:29
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Excerpt: 『思い込み女vs非常識男』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2008-04-27 19:41
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