2008年04月27日

トップセールス 第3話

『傷』

1974年11月
大澤土木の行方を捜す久子。

「いいんですか?ほっといて!」経理の藤山邦子が岡野所長に言う。
「何が?」
「あの子一人で車取り返しに行きましたよ!」
「今頃行って車があるもんか。
 とうに売っ払って、夜逃げしてるさ。」
「所長!お電話です。例の人。」と事務の中野。
「お!きたきた。」岡野が電話に出る。

「一度に2台なんて槙野さんにしちゃ出来すぎだと思った!」
そう言う中野を睨みつける藤山。

途方もなく歩く久子。
「あれがうちの車だったら・・・
 !!あれだ!待って!!」男は駐車場に車を停めると、アパートの2階に住む女に車の鍵を
見せて微笑む。
そこへ、久子が追いついた。
「車!返して下さい!代金頂いてないんです。」
「誰だお前!」
「セールスマンです。」
「は?セールスマン?」
「その車私が売ったんです!」
「どけ!」
「うーやーたーーー!!」
久子はそう叫ぶと、男の手から鍵を引き抜こうとする。
「あれ・・」
「何してんだ。」
男が久子を突き飛ばす。
そんな久子を抱きとめたのは、所長だった。阿部も一緒だ。
「なんやおっさん!やんのかコラ!」男がすごむ。
「まあまあ、落ち着いて下さいよ。
 うちのもんが失礼したようで、申し訳ない。」
「因縁つけやがって。とっととうせろ!」
「わかった。すぐ帰るから、車のキーを渡しなさい。」
「何だと?」
「乗って帰るんだ。それとも・・こちらさんで車の代金、
 払ってくれんのか?」
「ふざけんな!」
男が所長に殴りかかるのを所長は華麗にかわし、男の腕を締め上げる。
「いやいや、暴力はいかんな、暴力は。」
そう言いながら、所長は男のポケットから鍵を抜き取り阿部に放る。
車に乗り込もうとする三人。
すると男は足に隠していたナイフを取り出す。
所長は阿部のカバンを盾に男の攻撃をかわし、
カバンの中から折りたたみ傘を取り出すと、それで応戦。
二階の女が所長目がけて植木鉢を投げつけようとする。
「所長!上!」久子の声に、所長は植木鉢をかわす。
そしてナイフを持つ男の手を傘で思い切り殴りつけ、足を叩くと、
男はその場に倒れこむ。
「買う気になったらいつでも営業所にいらっしゃい。」
所長は男にそう言うと、
「行くぞ!加勢が来ないうちに逃げるが勝ちだ!
 槙野!!」
「所長・・・立てません・・。」
「・・・」

お好み屋あべべ
「車がその会社に渡ってること、どうしてわかったんですか?」
久子の母・光枝がお好み焼きを焼きながら聞く。
「電話で通報がありましてね。
 こういう時に、情報をくれる連中がいるんですよ。
 ま、こんなことしながら(マージャン)、
 日ごろお付き合いしているね。」
「あー、あれ。」いつか雀荘を訪ねた時のことを思い出す久子。
「あの会社、実態はやみ金融の取り立て屋です。
 債務者に車を騙し取らせて、それを横流しして、
 金に変えるのが手口で。
 女一人で乗り込むようなところじゃないんだぞ!」
「目の前にうちの車があって・・つい夢中で。」と久子。
「怖くなったか?」
「え・・」
「台数を売るうちには、誰でも一度や二度、こんな目にあうもんだ。
 恐れるなよ。これ位で、車を売ることを怖がるな。」
「・・はい!
 あれ?ここ。」
所長の背広がほころびていることに気づく久子。
「あ。あの若造物騒なもん振り回すから。」
「貸して下さい!繕ってきます!」
「いいって。」
「いいです!」
「いいよ。」
「いいです!すぐですから!」
久子は所長の上着を脱がせると、自分の部屋に持っていき
直し始める。

「正直言うと、助かります。
 繕い物はどうも苦手だ。」と所長。
「ずっと、お一人ですか?」と光枝。
「若い頃一度、所帯を持ちましたが、
 3年も経たずに、女房に愛想つかされまして。」
「お子さんは?」
「いません。身軽なもんです。
 お!これ美味いな!」
「こんなものが、お口に合います?」
「いやあ実に美味いです!
 一人ものの晩飯なんてのは、侘しいもんでしてね。
 酒とつまみでいっつも適当に、すませてしまう。」
「また食べにいらして下さい。」
「ええ。」
「一度、所長さんにお目にかかりたかったんです。
 うちの子、押しかけていって、さぞご迷惑でしたでしょうに。
 どうして雇ってくださったんだろうって。」
「・・・傷が、見えたんですな。」
「傷・・ですか?」
「私ね、この仕事は心に傷のある人間にしか、
 出来んと思っています。
 セールスというのは、情の仕事です。
 客が信用するのはここ(頭)じゃない。
 こっち。心です。
 相手の思いに寄り添う心が、客を動かし、車を買わせる。
 心に傷の無い人間は、人の気持ちには寄り添えない。」
所長の言葉に頷く光代。
「・・・あいや、こんな話お母さんには、釈迦に説法でしたな。」
「岡野さん。」
「はい。」
「娘を、よろしくお願いします。」

チンピラに怯むことのない強さ。
そして、不器用さ。
岡野所長、魅力的な男ですね!
心に傷の無い人間は、人の気持ちには寄り添えない。
素敵な言葉です。
岡野のこの言葉は光代の心にも響いたよう。
彼のことを人として信用したようです。


所長の背広を繕っていた久子は、ポケットから落ちた赤いミニカーに
微笑む。

久子の同級生で、今は出版社に勤める大森吾郎は、
首相の姿をカメラで追う。

「1974年11月26日、田中角栄辞任。
 若きジャーナリストのレポートが、
 一国の首相を退陣に追い込む引き金になった。」


営業所
「さっすが!
 11月もやっぱりトップは谷口さんですね♪」
嬉しそうに谷口に語りかける中野。
「もう一押しで二桁いったのに。」と谷口。
槙野の成績は5台。
「結局5位か・・。」と呟く。

阿部は1台、森は2台。
「阿部ちゃんがいてくれて助かるよ!
 俺、これで連続3ヶ月最下位脱出!」
「森さん・・」
「気にするな!どうせ俺たちにトップセールスは無理なんだから。」
「そんな・・。」
「阿部さん所長との同行訪問なくなってから、さっぱりですね。」と中野。
「晴美!」藤山が叱る。
「どうしよう・・。今月まだホットないしな・・。」と阿部。
「阿部、あれどうしたっけな。
 ほら、角の、金物屋の。」と所長。
「あ!!荒木さん!荒木さんです!
 そうだ。あそこ当たってきます!
 よし。行ってきます!!」
張り切って出かける阿部を微笑んで見送る所長たち。

「5台じゃ、物足りないねー。
 上で争うか、森みたいに下で、のんびりやるか。
 真ん中あたりでウロウロしてんのが、
 いっちばんつまらんぜー。」
久子にそう言い出かけていく佐々木。

「珍しいこともあるもんだ。
 すっぽんが人を励ますなんて!」藤山が久子に言う。
「あれ励ましですか?」と久子。
「少なくてもライバルとして認めたことだよ、あんたのことを。」
「そうなのか。」
「食いついたら話さないスッポンの佐々木に意識させたんだから、
 あんたなかなかだよ。」
「そうか!そうですよね!
 よし!今月も頑張るぞ!
 いってきます!!」
「いってらっしゃい!」
「何あれ・・。」中野は不機嫌そう。

訪問先で偶然柴田と一緒になった久子。
先日お好み焼き屋での気まずい雰囲気を思い出す。
「何でいるのよ!」
「お前こそ・・あれ!ひょっとして!」
「まさかここに営業!?」
「お前も!?」
先を急ごうとする柴田。
「あら?あれ柴田君の車じゃないの?
 大変子どもが悪戯してるよ。」
「え!?」
・・・それは久子の嘘だった。
「あ!こら!卑怯者!」

「ミヤケモータース・槙野と申します!」
「ミヤケ販売の柴田と申します!
 手ごろな価格で、燃費のいい車でしたら是非ミヤケ販売を、」
「デザイン!走り!全てにおいてご安心いただけるのはミヤケモータース!」
・・・二人は結局、出入り禁止となってしまった。

バーで話す柴田と大森。
「それでどっちも出入り禁止か?痛み分けってとこだな。」と大森。
「冗談じゃないよ。俺が前から営業かけてた会社だぞ。」
「同じミヤケグループ同士でも競合するんだな。」
大森が本を取り出す。
「お前読んだか?これ。興奮したねー!
 一人のジャーナリストが、一国の宰相を追いつめた。
 ペンの力ってやつを、俺は改めて認識したよ。
 俺もやるぞ。排気ガスの空気汚染問題、来月号の特集で
 徹底的に追求する!」
「なんだ、宣戦布告をするために呼び出したのか。」
「いや。全面戦争が勃発する前に食い止めに来た。」
「うん?」
「俺槙野に話したから。
 高校の頃、柴田は槙野に惚れてた。
 それを槙野が自分でぶち壊した。そう話した。」
「・・・」
「俺なりに釘を刺したつもりだ。
 柴田。お前もう真理子選んだんだろ?
 今更槙野の方向くな。」
「・・・」
「俺の気持ちも少しは察しろよな。
 お前が相手だったから、俺は真理子のことを諦めたんだ。」
「・・・」
「再会するべきじゃなかったのかもな、俺たち。」
「・・・」

ミヤケモータース
社是を読み上げる社員たち。
そこへ、シュプレキコールが聞こえてくる。

「この頃、排気ガスの毒性が、社会問題となり、
 規制の強化と、低公害車の開発を求めるデモや集会が
 各地で開かれていました。」


抗議に集った人たちは、所長に要望書を渡す。
「低公害車の発売まで、自動車販売の自粛を求めます!
 幹線道路沿いの住民は、喘息や気管支炎に来る芯でいるんですよ!」
「儲かれば何を打ってもいいのか!?」
「販売を自粛しろ!!」
「そうだ!!」
仕方なく要望書を受け取る所長。
「うちの子喘息なんです! 
 ぜいぜいと胸へこませて、苦しそうに息をするんです!
 夜になって発作が起きると、席が停まらなくて!
 お母さん苦しいよ、息が出来ないよって・・。
 子どもが苦しむのを、見ているのを親としてどれだけ辛いか・・。
 車なんて・・世の中になければいい!」
「・・・」

住民の言葉に落ち込む阿部は、
「営業を回る気にならないんです・・」と言い座り込む。
「ダメですよね、こんなんじゃ・・。
 今月まだ一台も売ってないのに。」
「デモのせい?」久子が聞く。
「田舎のお袋を思い出して。
 北海道の、赤平っていうところにいるんですけど、
 お袋、昔から喘息で・・。
 夜中に発作を起こしては、布団の上で、前かがみになって、
 ぜいぜいぜいぜい、苦しそうにするんです。
 俺・・車売っていいのかな・・。」

車の公害について記事を書いた大森は、編集長に怒鳴られる。
「車関係の広告が何ページ載っているか数えてみろ!」
大森は担当を代えられてしまう。

久子は真理子(石田ひかり)に誘われ、思い足取りで柴田家を訪ねる。

「いつもこんなに作るの?」と久子。
「ううん。今日は特別!クリスマス近いし、やっとチャコが
 遊びにきてくれたからね!」
「結婚式からはや半年過ぎたか。」
「そうよ!もういい加減新婚じゃなくなっちゃう。」
「1年はOKでしょ。新婚って言っても。
 これ、なんて言う料理?」
「カチャトーレ。」
「はー、初耳だ!
 昔っからそうだったよねー。
 真理子の家に遊びに行くと、聞いたことのない料理が出てきて。」
「そう?」
「洒落た器に、洒落た料理が、綺麗に盛り付けられてあるの。
 私憧れたなー。」
「私はチャコの料理に感心してたよ。」
「何で?」
「冷蔵庫開けて、あ、今日はタマネギとお茄子があるわ、なんて
 言いながら、ぱぱっと作っちゃうでしょう?」
「手抜きを感じさせないところが、腕の見せ所です!」
「そうそう!
 ・・・チャコと私って、全然違うよね。
 料理一つ取っても。」
結婚指輪をふと見つめてそう言う真理子。
「うん。」
「それなのに、どうして同じ人を好きになっちゃったんだろう。」
「・・・え?」
「私、高校の時からちゃんと知ってた。
 チャコが柴田君のこと好きなの気づいてたよ。」
「そんなこと・・」
「ごまかすのはやめて。」
「・・・」
「5人一緒の時、いつも一番元気でみんなを盛り上げてるのは
 チャコだったけど、気づいたの。
 チャコがふっと黙ってどこかを見ている時、
 その視線の先にはいつも柴田君がいた。」
「何言ってんの・・」
「チャコの気持ち知ってて頼んだのよ。
 柴田君に私の気持ちを伝えてって。」
「・・・」
「だって、柴田君もチャコを見ていることに、
 私気づいてしまったから。
 だからチャコにキューピッド役を頼んだの。
 計算したのよ。
 柴田君の気持ちをチャコから引き離すにはどうしたらいいのか。
 どうすれば柴田君が私を選ぶか。」
「・・・」
「ごめんね。今まで黙ってて。
 嫌な女でしょ、私。」
「・・・どうして今になって言うの?
 ずっと黙ってなさいよ・・。
 秘密にしたいなら、ずっと秘密にしなさいよ。
 結婚だって知らせてこなけりゃ良かったのよ。
 ずっと会ってなかったでしょ?私達。
 何なの?私へのあてつけ?」
「安心がほしかったの!」
「え?」
「もう7年経ったんだ。もう大丈夫って、確認したかったの。
 ずっと不安だったから・・。
 この関係は嘘。柴田君の本当の相手はチャコ。
 その気持ちが消せなかったから・・
 もう二人は関係ないんだって、自分の目で確かめるつもりだったの!
 ・・・でも私・・・また間違ったみたい。
 前より苦しい・・。
 前よりもっと不安・・。」
そう言い泣き出す真理子。
「真理子・・」
「柴田君を取らないで!!
 7年頑張ってきたの!
 一緒になりたくて、こんな家庭を作りたくて、
 ・・・お願い!あの人を取らないで・・・。」
「・・・」

柴田も、思い足取りでケーキを手に帰宅する。
「ただいま!」
「お帰りなさい!」真理子と久子が出迎える。
「遅かったじゃない。チャコもう2時間も前から来てるのよ!」
「お先にいただいてます。」
「ごめんごめん、はいこれ。」

「うわー、美味そうだ。」
「良かったね、料理上手な奥さんで。」
「俺ちょっと太った?
 今日お客さんにさ、新婚太りかってからかわれたよ。」
「本当?どれどれ。」
柴田の腹に触れてみる真理子。
「やめてくれよー。
 今度Yシャツ買うときにさ、1サイズ大きいのにして。」
「39じゃキツイ?」
「うん、ちょっとね。」
「あ、そういえば又Yシャツ洗濯籠に入れたでしょ!
 クリーニングに出すから入れないでって言ったでしょ。」
「ごめんごめん!」
二人の仲睦まじい様子に、久子は少し俯いて微笑みを浮かべ・・。

柴田は柴田で、友達の忠告を受け、
久子との間に一線を引くために、真理子との仲を見せつけたのでしょう。
真理子が好きになれません。
自分の好きな相手が、他の人を好きなのなら
自分でぶつかって、それで諦めればいいのに。
でも、久子だって断れるという選択もあったはずだし、
柴田にだって、その選択はあったはず。
そうしなかったのは、やっぱり運命なのでしょうか。
それにしても今更昔の想いを穿り返されて、
やっぱり久子が気の毒に感じてしまいます


「狂乱物価と騒がれた、74年の暮れ。
 不況の中で迎えた75年。
 失業者は、100万人を越えていました。
 4月30日、テレビニュースが、サイゴンの町を進む、
 解放軍の戦車を映し出し、15年続いたベトナム戦争が、
 ようやく、終結を迎えました。」


1975年5月
ミヤケモータースにコンピューターが設置される。
それと同時に、営業マネージャー・相川(モロ師岡)がやって来る。

「販売台数、利益計算、顧客データなどは、
 今日から全て、マネージャーの私が管理します。
 営業日報も、私に提出して下さい。
 岡野所長には・・今後の営業所改革に向け、
 戦略的な活動を行っていただきます。」と相川。

「何なんですか、あれ・・。」
「所長、営業にタッチしないんですか!?」
森や久子らが藤山に聞くと、
「やっちゃったみたい。お偉いさんと、コレ(ケンカ)。
 4月にトップが交代したろ?
 今度の社長、排ガス対策をした新車じゃなく、
 対応前の車を売りまくれって。」
「えーっ。」

ミヤケモータース本社
「人が苦しもうと、公害の元凶といわれようと、
 儲かればいいって言うんですか!?」

「4月から、排ガス50年規制に合わせた、低公害車が
 発売されていました。
 でも、今年いっぱいは、規制前の車も、売ることが許されて
 いたのです。」


「前の車欲しがるお客さんもいるからなー。
 新型車は値段高い割りに燃費も走りもイマイチだから。」と森。
「そこを説得するのが販売会社の仕事だって、
 上に噛み付いたんだよ。」と藤山。
「所長、処分されるんですか?」と久子。
「とはいっても、この営業所をここまでにした人だから。」
「切りはしないが、実権は本社の意向を汲んだマネージャーに
 握らせるってわけか。」
「そんな・・。」と阿部。

「いつまで油売ってんだ。営業所に張り付いて立って、車は売れんぞ。」
所長が戻ってきた。
「はい!!」

「俺・・嫌ですよ。前の車を売るの・・。
 排ガスなんか、出さない車、売りたいです!」と阿部。
「ほんと・・そうだよね。」と久子。

久子、そして柴田も、訪問先で低公害の車を進めてみる。

柴田の客役に、坂上忍さん。

柴田はミヤケ販売に来ていた所長に挨拶する。
「もしかして、君の影響か?
 車を売るのは、乗る人の未来を一緒に作ること。」
「アハハ。はい。」
「やっぱりな。」
「何でしょうか。」
「いや、いいんだ。
 うちの槙野、頑張ってるぞ。
 じゃあ。」
所長が帰っていく。

「岡野さん、大丈夫かな。
 トップが変わる度に振り回されたんじゃ、溜まらんな。」
柴田の上司が話している。
「あの、岡野所長が何か。」柴田が聞いてみる。
「岡野さんとこな、うちと同じ様に店頭販売始めるんで、
 相談に見えられたんだよ。」
「大丈夫か、というのは・・。」
「ああ・・岡野さん・・現場外されたんじゃないのかな。」
「え・・」
「あの人は、無茶な指示には決して従わない人だからな。
 ミヤケモータースも経営陣が変わって、
 営業所は相当締め付けられてるらしいぞ。」
「・・・」

営業所
「君たちはどういう意識で働いているんですか!
 毎日毎日、契約なし!
 ホットなし!査定なし!」
営業マネージャー・相川が森と阿部を叱りつける。
「おかしいなー。ここんとこ調子悪いんですよね。」と森。
「君はいつ調子がよかったんですか!?
 過去のデータを集めてチェックしました。
 売り上げ最下位は常に君ですね!」
「すみませーん。」
「もっとも今はその座を阿部君に譲っているようですが。」
「申し訳ありません・・」
「は?聞こえませんが!」
「申し訳ありません。」
「君たちだけですよ、私が赴任してから3週間、
 まだ1台も売ってないのは!」
「月末、ばっちり追い込みます!」と森。
「君はどうなんですか?阿部君!」
「はい・・あの・・頑張ります。」
「は?聞こえませんが!?」
「・・・」
「もう下がっていい。」

胃を抑えながら席に戻る阿部。
「阿部さん・・」久子が心配そうに声をかける。
藤山がそっと胃薬を阿部の机に置く。
「どうも・・。」
薬を手に席を立つ阿部。

「毎日ああネチネチ嫌味言われてりゃ、
 胃も痛くなるよ。」と藤山。
「あっちとは大違いですねー。」
久子の視線の先には、少しもへこたれていない森。
「あれは大物だ!」と藤山。

所長が戻ってくると、相川は今度は所長に嫌味を言う。
「一台も売らない人間を今までよく雇っていましたね。
 中野さん、今日までの販売台数のデータ、ディスクに落として下さい。
 本社に持っていきます。」
「はい。」
「これは問題になりますよ。
 今後厳しく指導し直すにしても、これまでのあなたの管理責任は
 問われますよ。」
「ああ、わかった。」
「実績のある営業所だと聞いていたんですが、
 こんなもんですか。」
「・・・」
「仕方が無い。売り上げゼロ社員には、私の顧客を回すなどして、
 手を打ちますよ。」
「・・すまんなー。」

怒りがおさまらない久子は、外に出ていく。
すると、阿部が座り込んでいた。
「俺・・セールス、向いてないですよね・・。」
「え?」
「押し弱いし、槙野さんみたいに楽しい話出来ないし。
 排ガス対策に合わない車売りたくないし。
 槙野さん、俺・・どうしたらいいんでしょう。」
「甘えたこと言ってないでよ!
 みんな必死よ。
 楽して売ってる人なんてどこにもいないのよ!」
「・・・槙野さん。」
「泣き言言う暇あったら営業電話の一本でもかけなさいよ。」
「・・・」
「阿部さんのせいよ!」
「・・・」
「阿部さんがそんなだから、所長までバカにされるんじゃない!」
「所長が・・」
「しっかりして下さい!」
そう言い捨て、立ち去る久子。
阿部は辛そうに俯き・・・。

1975年6月
本社と電話で話す相川。
「はい!順調に成績も伸びてまいりました!
 営業対策の改善も、着々と、はい。
 あのゼロ営業マンが、今また5台取ってきましたよ!」
阿部は槙野を抜き5台も低公害車を売っていた。
「たまたまですよ。」と言いながら胃薬を飲む阿部。

「所長は、今日も留守です。
 店頭販売を始めるための、勉強会や、視察に出かけてばかり。
 所長のいない寂しい営業所では、相川マネージャーが、
 実権を握っていました。」


1975年7月
「おかしいな。」
「どうかしたんですか?工場長。」と久子。
「また阿部が売ってきたんだよ。」
「えー。7月これで6台目!絶好調ですね。」
「いい客ばっか掴んでんのかよ。」
「さあ。」
「新車のホイル、アルミにグレードアップしたいって客が、
 今月だけで3台あるんだよ。」
「マネージャーに紹介されたお客さんは、お金持ち揃いなんですかね。」
「この不景気にこんな注文取ってくんの阿部だけだぜ。
 ちょいと妙だな。
 問題にならないうちに、所長に話しておくわ。
 知らないんだろ?この件。」
「今、相川さんが全部見てますから。」
「あいつじゃわかんねーよ。
 金儲けしか頭にねーもん。」

その阿部が、相川に怒鳴られている。

「どうしたんですか?」久子が藤山に聞く。
「お客さんの入金のことで・・。」

「こことここ、それからこの客!
 未回収!いつになったら回収できるんだ!
 納車の30日以内って決まってるだろう!」
「・・はい。あの・・」
「もういい!この客の車は引き上げろ!
 入金は見込めん!」
「・・・」
「さっさと行け!すぐに引き上げてこい!」
「もう少し・・待って下さい。」
「ダメだ!30日後の売掛残になると決済上困る!」
「でも・・」
「クズが。いい。私が行く!
 中野さん、この客の住所打ち出して!」
「はい。」
「もう頂いているんです。」
「何?」
「代金は、もう頂いているんです。」
「それじゃあ何で会社に入金しない。」
「あの・・」
「使いこんだのか!?」
「・・・」
「自分で使ったんだな!」
「・・はい。」
「横領だぞこれは!!
 とんでもないことをしでかしたな。
 今から警察へ行くか?
 嫌か?
 嫌なら使い込んだ金を返済しろ!すぐにだ!!」
「でも・・すぐには・・」
「中野さん!阿部の実家に電話!」
「・・・」
「身元保証人は親だな。
 払えないなら親にかぶってもらう。いいな!」
「勘弁して下さい!親には連絡しないで下さい!」
「ダメだ!中野さん電話!」
「・・はい。」
「明日、明日までに何とかします!
 1日だけ、待って下さい!!お願いします!!」
「・・・明日までだぞ。」

机に戻った阿部に声をかける久子。
「阿部さん・・」
阿部はすがるような視線で久子を見つめ・・。
阿部が事務所を飛び出していく。

「飛び出していった阿部君は、夜遅くになっても、
 戻りませんでした。」


阿部の机を調べる久子、藤山、佐々木。
引き出しから、督促状が見付かる。
「サラ金か。やっぱりな。」と佐々木。
督促状は次々と見付かる。
「あいつ、自腹でつぎ込んだな。」と佐々木。
「え・・」
「このところ、台数伸ばしてたろ。
 相川が客を回したからだと思っていたが、
 違うな、こりゃ。」と佐々木。
「何でこんな借金を?」と久子。
「値引きだな。阿部のやつ、多分とんでもない値引きをして、
 それで成績を上げてたんだろう。」
「でも、値引きの限度額が決まってます。」と久子。
「限度額を超えて値引きをした分、自分で足して、
 注文書上ごまかす。
 追いつめられたセールスマンが使う手だ。」
「うちでそんなこと一度だって、」と藤山。
「所長がそういうこと絶対にさせないし、
 やれば必ず見抜く人だから。」
「あ・・工場長が、阿部さんが売ってきた車には、
 高価な付属品をつけてたって。」
「自分の金で買って、それで客にサービスしてたのか。
 道理で売れるはずだよ。」
「こんな借金してまで・・。」
「あちこちから借りて、それを返すために又借りて、
 とうとう客から受け取った金に、手を付けたか・・。」

そこへ、所長が戻ってきた。
「よ!遅くまで、ご苦労さん。」
「・・・」
「どうした?」

所長、佐々木、久子は阿部の家へと走り出す。
玄関の戸には、『金返せ』の張り紙が何枚もされている。
「阿部!いるのか!?」
所長はガスのメーターが回っていることを確認し、
窓ガラスを破る。
「ガス臭い!」と久子。
「槙野!救急車!」と所長。
「・・・」
「早く!」
「はい!!」
裏口の窓を割って部屋の中に入った所長は、
部屋の中に倒れている阿部を発見する。
テーブルの上には、生命保険の証書が置いてあった。

阿部の葬儀が執り行われる。

阿部の母親が営業所に挨拶に来る。
「明日、幸雄の遺骨と一緒に、赤平に帰ります。」と母。
「そうですか・・。」と所長。
「おとなしい、気持ちの優しい子でした。
 私はやめれって言ったんですよ。
 あんたみたいに気の優しい子に、セールスは向かないっしょって。
 初めて車が売れたとき、あの子電話で泣いてました・・。
 私も、嬉しくてねー。お赤飯炊いたんですよ、うちで。
 所長さんのことが大好きで、
 おっかねーけどいい人だ、所長さんみたいになりたいって。」
久子は母親に阿部の私物を渡す。
そこへ柴田がやって来た。
「少し前、自分のせいで所長さんが立場を悪くしたって、
 電話かけてきまして。
 あの時・・もっと話し聞いてやればよかった・・。
 思いつめてたなんて・・何も気がつかなくて・・。」
久子の顔色が変わる。
「私のせいだ・・。」
「あなたが・・槙野さんかい?」
久子が頷く。
「すごいねー。幸雄と一緒に入ったのに、
 もう立派なセールスマンだっていうっしょ。
 いっつも、幸雄を励ましてくれて、本当に、どうもありがとう。」
「違うんです・・。
 私のせいです・・。
 私が言ったんです・・。
 阿部さんが売らないと、所長が困るって・・。」
「・・・」
「私が阿部さんに言ったんです。
 申し訳ございませんでした・・。」
泣きながら謝罪する久子。
「私の、責任です。申し訳ございませんでした。」と所長。
「なして・・なして、うちの子は死んだんでしょう・・。
 車売るのに・・命捨てねばならないんでしょうか・・。
 人さんのことは、恨みたくない。
 私は、車を恨みます。」
母親の言葉に泣き崩れる久子、そして藤山。

阿部の母親が帰っていくのを深く頭を下げて見送る久子と所長。

振り返ると、柴田が立っていた。
見詰め合う柴田と久子。
柴田が所長に頭を下げる。

「柴田君・・なんで・・。」
「うちの所長に聞いて・・心配になって。」

相川が戻ってきた。
「今本社に説明してきました。
 今回のことは、会社が無理やりやらせたわけではない。
 彼が時分の判断でやったことです。
 未回収金を会社が負担するというのはやむを得ないとしても・・
 彼の個人的借金、」
所長が相川に掴みかかる。
「個人的な借金だと!?
 知ってたんじゃないのか!?」
「て、手を、放しなさい。」
「あいつが追いつめられていたこと、お前は気づいてたんじゃないのか!!」
「私の責任じゃない!彼が勝手に、」
所長は相川を殴りつけ、そして営業所飛び出していく。
「所長!」その後を追う久子。

その日から、セールスマンたちは日報を相川ではなく
所長の机に置くようになった。
みな、相川を無視。
相川は自分の机に置かれたたった一つの阿部の報告書を見つめ・・。
「俺のせいじゃない。」と呟いた。

所長を探していた久子は、夜の公園のブランコに彼の姿を見つける。
所長はそこで酒を飲んでいた。
「所長・・」
「弱いもんだな、こんな時は。
 槙野。」
「はい。」
「お前、ミヤケが昔、何を作ってたか知ってるか?」
「いえ・・。」
「戦闘機を作ってた。戦時中。」
「・・・」久子は所長の隣りのブランコに座る。
「俺は毎日、ミヤケの戦闘機を整備してた。
 一等整備士で、航空隊にいた。年は17だ。
 日本は神国だ。最後の一艇まで戦うのだ。
 そう信じてた。
 みんな若かった。俺といくつも変わらない。
 同い年のやつもいたな。
 片道分の燃料しか積まずに出撃する仲間を、
 俺は何人も何人も見送った。
 お国の為に、立派に死んでこいと言って。
 ・・・酷い話だ。
 二十歳やそこらのやつらを・・。
 戦争に負けて、まだ10年と経ってない頃、
 二度と見たくないと思っていたミヤケのマークを、
 俺は日比谷公園で見た。
 モーターショーの会場だ。
 みんな目を輝かせて、自動車を見ていた。
 ミヤケの車を見ていた。
 お前と同じだ。」
「え?」
「ミヤケの戦闘機で人の未来を断ち切ってきた俺が、
 同じミヤケで、これからは、人の未来を作れるんじゃないか。
 そこから俺は、生き直した。
 なのに・・くそ・・
 俺はまた、人の未来を潰しちまった・・。」
手で顔を覆い涙する所長。左手にはミヤケのミニカーが握り締められ・・。
「お前まだ、信じられるか?
 これが、人の未来を作る仕事だと、そう思えるか?」
所長の言葉に答えられずにいる久子。
「信じなくちゃな。
 信じなくちゃ。阿部に、申し訳が立たん。」
「はい・・。」泣きながら頷く久子。
所長が久子の頭を撫でる。

営業所に戻ると、柴田が待っていた。
「柴田君・・。」
「お前・・大丈夫か?」
久子の瞳から涙が溢れる。
「大丈夫じゃないみたい・・」柴田に背を向ける久子。
柴田が久子の前に立つ。
「槙野。」
「私のせいなの。」
「お前のせいじゃないよ。」
柴田はそう言うと、持っていたカバンを落とし、
久子をぎゅっと抱きしめ・・・。
一瞬柴田を抱きしめようとした久子は、慌てて彼から離れる。
柴田はカバンを手に取ると久子に背を向けて歩き出し・・。


※一部公式HPあらすじを引用しました。


まさか、阿部が自殺してしまうとは・・。
阿部の部屋の壁には、『自分を信じろ!!』『必ず車は売れる』など、
自分を励ます張り紙がしてありました。
遺影の笑顔は、今まで阿部が見せたこともないような
晴れやかな笑顔で・・。

阿部さんはあの優しさが所長に見込まれたのだと思います。
これから、という時に、会社の体制が変わり、所長は追いやられ・・。
もしもあのまま所長が取り仕切っていたら、
こんなことにはならなかったでしょう・・。

所長を思い、阿部にキツイ言葉を言ってしまった久子。
自分が追いつめてしまったという思い。
彼女はこれから、それを背負って生きていくのですね。

戦争中同世代の若者たちを見送ってきた所長は、
二度と見たくないと思っていたミヤケのマークに偶然再会。
今度はミヤケで人の死ではなく、未来を生み出そうと思った。
所長の見せた涙にもやられました。

久子、柴田、真理子の三角関係。
柴田は真理子との新婚生活の幸せを久子にわざと見せつけ、
自分の気持ちに釘を刺したようでした。
ですが、久子が大変な思いをしていると知ると、
心配で駆けつけてしまう。
泣くのを我慢する久子を抱きしめてしまう。

つらい思いを好きな人に頼ろうとせずに突っぱねた久子は立派でした。

先日、こんなニュースを見つけました。

東京日産社長に林文子さん 首都圏の販売拡大で
日産自動車は24日、元ダイエー会長の林文子さん(61)を5月1日付で執行役員に起用すると発表した。6月末には東京日産自動車販売(東京)の社長に就く。

林さんは輸入車販売で実績を残し、ビー・エム・ダブリュー(BMW)東京社長を務めた。自動車セールスでの活躍ぶりは、NHKで放映中のドラマ「トップセールス」にも反映されているという。日産はこれまでの経験を、首都圏での販売に生かすことを期待している。

林さんは2005年には経営再建中のダイエーの会長兼最高経営責任者(CEO)に就任。07年に副会長となり、08年3月に退任した。
47NEWSより=

林文子さんはこのドラマのモデルになった方ですよね。
ふと気づきました。
久子も文子さんも、私の母が生きていれば同い年。
うちの母は若くして結婚したのですが、
夏川さんのようにとても綺麗人でした。
そして、あの世代にしては行動的で、久子が免許を取る前に
車を運転していました。

私の知らない母の青春時代を久子に重ねてみたり、
私が見ることの出来なかった母の将来の姿を重ねてみたり。
このドラマに、ますます愛着が湧いてきました。



ランキングに参加しています。 よろしければクリックお願いいたします。
人気blogランキング     TV Drama Ranking



B001340ZZM孤独の向こう平原綾香 川江美奈子 藤井理央 DREAMUSIC( C)(M) 2008-04-16by G-Tools



【キャスト】

槙野久子(夏川結衣)
昭和24年生まれ。
10歳のときに、父が借金を背負い失踪。母・光枝に女手一つで
育てられる。高校卒業後、一流企業の興亜化繊のOLとなるが
不文律の定年25歳を前に居場所を失う。
一生懸命働ける場所を求めて、自動車セールスの世界へ。
「女に車が売れるはずがない」という常識を覆して
トップセールスマンに成長する。
のちに外資系の輸入車ディーラーに転職。社長へと上りつめていく。

柴田隆男(椎名桔平)
久子の幼なじみ。
高校時代、久子の気持ちに気づかず、仲間の一人・真理子と
つきあい始め結婚。
大学卒業後、ミヤケ自動車(メーカー)に就職。
ディーラーに出向しているときに久子と同じエリアの担当になる。
メーカーに戻ってからは、アメリカ勤務をへて購買部次長として
部品の購入やコスト管理を担当。
平成7年、日米自動車協議の時には渉外担当として通産省の方針と対立する。

柴田(野沢)真理子(石田ひかり)
久子の高校時代の同級生。
久子と隆男が実は互いに想いをよせていることを知りながら、
久子に隆男との仲をとりもつように頼んだ。
結婚式で久子たち同級生と再会し、再び不安になるが、その想いを
封じ込め幸せな家庭を作るために努力する。
人形づくりにめざめ、次第に生きがいを見いだしていく

大森吾郎(山口馬木也)
高校の同級生。
明るい人柄で仲間の潤滑油的存在だが、マドンナだった真理子に
恋心をいだいていた。
一浪一留して小さな経済関係の出版社に就職。
取材で知り合ったミツダ電子の社長に見込まれ秘書に転職。
ミツダ電子はバブル景気にのって急成長し、のちに贈賄事件と
不正融資事件で転落の道をたどる。

高村雅之(大沢健)
高校の同級生。
東大法学部を卒業し、通産省のキャリア官僚となる。
久子のことをずっと思い続けていて、独り者を通している、
日米自動車協議では、WTOに提訴しようとする対米強硬派の
一翼を担い、メーカーを守ろうとする隆男を対立する。

槙野光枝(十朱幸代)
久子の母。
料理屋の娘だったが、仲買人として店に出入りしていた久子の父・
浩太郎と駆け落ち同然で結婚。
久子が10歳のとき、浩太郎が借金を抱えて失踪してからは行商を
しながら久子を育て上げた。
小さなお好み焼き屋「アベベ」を開き、久子の仲間たちのたまり場に
なっていた。愚痴は言うのも聞くのも大嫌い。久子のよき手本である。

槙野浩太郎(石橋蓮司)
久子の父。
青物の仲買人をしていて、幼い久子をよく市場につれていった。
久子が商売を好むのはその影響。
失踪する前に、車を購入し、最初に久子を乗せる。
そのたった一度のドライブの感動が、久子が車のセールスを始める
きっかけとなる。
久子がトップセールスの表彰をうけた記事を見て、再び久子の前に現れる。

岡野英二(蟹江敬三)
久子が働くミヤケモータース城南営業所の所長。
特攻基地の整備兵として終戦を迎えた。
セールスの現場にいたころは、「一日に一台車を売る男」として
有名だった。
人を見る目は確かで、組織作りにも岡野なりの信念がある。
久子は父のように慕う。

谷口克彦(鈴木一真)
ミヤケモータース城南営業所不動のトップセールスマン。
ひたすら売り上げを上げるべく、信念をもってセールスに励む男。
久子とは営業方法が違い、対立することもあるが、次第に認め合う
間柄になっていく。

藤山邦子(梅沢昌代)
ミヤケモータース城南営業所経理担当。
営業所のことは全て知っている。岡野も邦子には頭があがらない。
戦争未亡人で、働く女性の先輩。
久子には好意的で何かと味方になってくれる。

中野晴美(佐藤仁美)
ミヤケモータース城南営業所の事務担当。
適当な年齢で結婚相手を見つけて主婦になりたいと願っていて、
働きまくる久子を敵視している。谷口を思い続けている。

佐々木義男(塩野谷正幸)
営業所の古参セールスマン。
「すっぽん」どあだ名される粘り腰で、好成績をあげている。

森達郎(櫻井章喜)
営業所のセールスマン。
いつも成績は最低レベルだが、全く気にしないお調子者。

阿部幸雄(塩谷瞬)
久子と同期中途入社の気弱なセールスマン。
ぜんそくを患ってきた母を思い、売りにくい排ガス規制対策車を
売ろうとするがうまくいかない。

営業マネージャー・相川(モロ師岡)

【スタッフ】
作…山本むつみ
音楽…栗山和樹
主題歌…「孤独の向こう」平原綾香
演出…吉村芳之 西谷真一(NHKエンタープライズ)
制作統括…岩谷可奈子(NHKエンタープライズ)



夏川結衣さんの主な出演作品


この記事へのコメント
こんなに深いテーマになるとは思っていませんでした!今期一番かな!

冒頭のサギに対する所長の行動や言動がリアルでした!まず車を押さえないとね、たわいの無い話なのに人物を見抜き娘を託した母親と所長の会話が気に入りました、阿部の一台目を売った時の母親の喜びが久子の母親にリンクしていて…

実は排ガス規制でパワーが落ちた車よりも国内最高の中古車のパワーを選んだ自分を恥ずかしく思えるドラマです!それだけテレビの影響が大きいのかな?話は変わりますが硫化水素の作り方を流したテレビ局はマズイでしょ!平然と流していますがヒントになっているのかな!なんか簡単に報道するマスコミも考えて欲しいです!

今回は久子の人生では無くて皆のたちばを描いていくのが素敵でした!マンデリンさんの色々な角度から見る視線に納得できる作品です!
Posted by けた at 2008年04月27日 22:18
ちーずさん、こんにちは。
まさか阿部くんが死ぬとは・・・。ショックでしたね。久子も彼にちょっと厳しかったかな。それだけに母親の息子を悼む言葉は切なかったです。
真理子の告白も衝撃でしたね。次回も超楽しみです。
Posted by at 2008年04月28日 19:57
こんばんは。コメントありがとうございます!

★けたさん★
所長は経験を重ねてきただけあって、本当に大人ですよね。
パニック状態の久子に必要以上にアドバイスしないのは、
彼女をセールスマンとして伸ばすためなのだと思います。
久子のお母さんも、久子の生きかたを辛口ながらも
応援してくれています。
今回久子の上司と話すことが出来て、きっとほっとしたことでしょう。
最近のNHKドラマには沢山の感動を貰っています。

★マンデリンさん★
お名前入ってなかったけど、マンデリンさんですよね。
管理画面でIPが出るのでわかりました。^^
阿部君の死は突然で、本当に驚きました。
公式HP人物紹介は結構先の話まで書かれているのに、
阿部君のことは書かれていなかったので。
久子は大好きな所長のために、阿部君にキツイことを
言ってしまいました。
自分の一言が人を死に追いやってしまうなんて・・。
久子の心の傷も心配になりました。
阿部君のお母さんの、人を恨まず、車を恨むという言葉も
心に残りました。
阿部君のお母さんは、もしかしたらあのあと、二度と車に乗らなかったのかもしれませんね・・。
Posted by ちーず at 2008年04月30日 18:19
どうなのかなぁ・・・と思って観ていた第3回ですが、数字を追うマネージャー・相川の様子が自分の上司に重なって見えてきました。こんな風にして、非人間的な職場が出来ていったのね。
しかも、その相川がコンピュータとともにやってくるというところが、また象徴的でした。本当にコンピュータって、いろいろ便利ではあるけれど、一番大事なことを見えないようにする道具でもあると思います。

最後に、みんなが営業日報を所長の机上に置いていったところが、羨ましかった。現在では、こんな抵抗力も薄れているような気がします。
柴田君をはじめ、濃密な仲間に囲まれている久子が羨ましいです。
Posted by やすこ at 2008年04月30日 19:03
やすこさん、こんばんは。

数字重視。会社としてはわかるのだけれど、
数字しか見ていない相川に対して、
所長はちゃんと働く人のことも考え、
そして成績も伸ばし。
今の世の中は、数字しか見えなくて普通になって
きてしまっているのでしょうか。
数字に表れない繋がりって、すごくあると思うのに。

日報を所長の机に置いていく営業マンたち。
相川に、その思いは伝わったのでしょうか。
Posted by ちーず at 2008年04月30日 19:32
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。