2008年05月04日

トップセールス 第4回

『絆』

1976年4月
ミヤケモータース城南営業所、改装記念感謝祭の日、
久子のアイディアで、キャベツ、タマネギ、大根の10円セールが
行われる。
張り切って客を呼び込む久子。
「ビタミンCたっぷりの春キャベツにタマネギ!
 どれも一つ10円!
 あ!車も見てって下さいねー!
 試乗会、やってますから!乗るだけはタダ!!」

久子の成績は営業所のトップ谷口(鈴木一真)にせまろうとしていた。

感謝祭には社員の家族も招待され、久子の母・光枝(十朱幸代)も
訪れる。
「野菜の仕入先ご紹介いただいたそうで。
 ありがとうございます。」岡野(蟹江敬三)が挨拶する。
「10円セールだなんて、うちの子無茶を言いまして。」
「お客を呼び込むには、これ位は。
 あ、家族を呼ぶっていうのも、娘さんのアイディアですよ。」
「近頃妙に張り切っているんです。」
「先月は10台、その前は9台も売ったなー。
 営業マンっていうのは、トップを争うようになると、
 もっと売りたいという、欲が出てくるもんなんですよ。」

二人の親しげな様子に悔しそうな光枝の店の常連客。

「お母さん、車に乗ってみる?」久子が声をかける。試乗車に乗り込む二人。
「運転大丈夫?オート三輪以来でしょ。」と久子。
「見くびりなさんな!」
「・・・私ね、一度だけお父さんとドライブしたことがあるのよ。
 ピッカピカの車で、お日様の向こうまで走るぞって。
 カッコよかったなー。」
「あんたそれで・・車のセールスになったんだ。」

小峰酒店を訪れる久子。
「こんにちは!」
「トラックは買い換えないぞ。」と店主・勇夫(津嘉山正種)。
「もう!いきなりバッサリなんだから。」
久子はそう言い、手伝いはじめる。
「気が利くな。」
「勝手知ったりですよ。もう半年通ってますからね!」
「何年通っても、トラックは買わねーぞ。
 もう16年乗ってるけど、どこもいかれてねーんだから。」
「ほんっとよく手入れされてる!」
「あんたんとこ、営業所で車売るんだって?」
「飛び込みで回るより、買う気のあるお客様に来ていただいた方が、
 効率がいいっていうんです。」
「営業所なんかに客が来るかね。」
「改装オープンの日だけは賑わったんですけどね。
 ま、勝負はこれからです。」
「忙しいなら、うちには来なくていいよ。」
「またまたー。来ないと寂しいくせに!」
「このヤロ。」
「毎日配達で大変ですね。」
「酒屋が配達の手間を惜しんでどうするんだ。
 勝手口に顔を出してりゃこそ、そのうちの酒の事情も
 わかるってもんだ。」
「酒の事情?」
「ああ。ダンナが寝酒に2合飲むから、そろそろ買い足すな、とかさ。
 あ、うんの呼吸だよ。
 どこそこで法事があるから、注文取れるよ、なんて教えてくれる時も
 あるしな。」
「なるほど!」
「町の酒屋っていうのは、お得意さんとのつながりで
 支えてもらってるようなもんだ。」
「よし!私も見習おうっと!」
「え?」
「お客様のお車、車検が近いんで、買い替えをお勧めしようとか、
 あ、うんの呼吸で!」
「車検がきても買い替えねーぞ。」
「ダメか!」

営業所の車を子供連れの女性客が見ている。
「お客様ですよ!」久子が受付の社員に言うと、
「奥さんに営業しても無駄!ダンナがいなきゃ決まらないから。」と社員。

事務所の予定表を見る久子。
「谷口さん、明日一緒に店頭ですね。
 よろしくお願いします!」
「それ、森に代わってもらった。」と谷口。
「客の来ない店頭に張り付いてても、成績上がんねーからな。」と佐々木。
「子連れの奥さんが覗きにくるだけですもんね。
 野菜の安売り目当てに!」と晴美。
「俺たち八百屋じゃねーっつーの!」と佐々木。
「槙野さんの野菜安売り作戦、今回は裏目に出たかね・・。」と藤山。
「子供連れか・・」久子が呟く。

翌日、久子は展示ルームに子どもの遊べるスペースを作る。

子供用スペースに成人向け週刊誌が置いてあったことを
持ち主の森に注意する久子。
「あ、入口でタバコ吸うのもやめて下さいね。
 子供連れのお客様嫌がりますから。」と久子。
「そうガミガミ言うこともないんじゃない?
 どうせお客様は来ないんだから。」と谷口。
「そうそう!営業は外歩いてナンボ。
 店頭なんてほんの、おまけだよ。」と佐々木。
「ダメですよ、そんなこと言ってちゃ。」と久子。
「ダメって何でだよ!!」森がキレる。
「森さん・・」
「さっきっから人のことダメダメって!!
 ちょっと売ってるからって偉そうに!!」
「・・・私、そういうつもりじゃ・・。」

上司に怒られてもヘラヘラと笑ってごまかしていた
森さんが、こんなに怒るとは!びっくりしました。


藤坂食品
「既存の酒屋、食料品店を、コンビニエンスストアに改修します。
 今、この5つの店舗とフランチャイズ契約を結ぶところで。」
小峰雄二(柏原収史)が谷口に説明する。
「ドミナント方式、ですね。
 集中的に出店して、いっきに知名度を高めるという。」と谷口。
「・・よくご存知ですね!」
「お客様のお仕事の内容を知らずに、車をお勧めすることは、
 出来ませんから。」
「さすが、トップセールスですね!」

営業所で電話を取る久子。
「折り返し電話くれって、何度言ったらかけてくるんだ!」
「申し訳ございません!すぐお伺いします!!」
客に謝り受話器を置く久子。
「どなたか、松崎さんからの電話受けましたか?」
久子は社員たちに聞くが、みんな無視。

店頭に、久子を担当者に指名する客が来ていた。
「大丈夫かな。彼女、最近トラブルが多くて。」
社員が客にそう言っているのを久子は聞いてしまい・・。

「いつの間にか私は、営業所の中で、
 一人浮いてしまっていたのでした。」


小峰酒店
「どうした?今日はやけにおとなしいな。
 腹でも壊したか?」勇夫が久子に聞く。
「いえ!元気ですよ。」
「・・・雄二。」
その声に久子が振り返ると、勇夫の息子・雄二と共に谷口がいた
「戻ってきたのか!」勇夫が雄二に聞くが、雄二は無視をし、
「ここが、5件目の候補店です。」と谷口に言う。
「雄二・・」
「うちと、フランチャイズ契約を結んでもらいたい。」
雄二が父親に名刺を差し出す。
「お前・・」
「時代遅れの酒屋は、もうおしまいだよ、父さん。」
「父さん・・」その言葉に驚く谷口。
「何が時代遅れだ。」
「借金だってあるだろ?
 この土地も抵当に入っているじゃないか。」
「・・・10年ぶりに顔を見せたと思ったら・・。」
「この立地は戦略上重要でね。
 何としても手に入れたい。
 契約金で借金もチャラになるし、いい話だと思うけど?」
「・・・出てけ!」
「これ、契約書のドラフトだ。」
雄二が差し出した書類を叩き落とす父。
「正式な書類は、あとで送りますよ。
 行きましょうか。」
「・・ええ。」
店を出ようとした雄二は、店の車庫にある車に気づく。
「まだ乗ってんのか!あんなトラックに・・いつまで!
 ・・必ず潰してやる! 
 店も・・あのトラックもな!」

「今の人、息子さんですか?」と久子。
「・・・」
「小峰さん!」
「うるせー。人んちの話に首突っ込むな。」
「・・・」
「何がコンビニエンスだ。クソ。」息子の名刺を握りつぶす勇夫。

「槙野?」柴田が声をかける。

外を歩く二人。
「柴田君もトラックの買い替え狙ってたのね。」
「結局、ダメだったけどな。」
「結局って?」
「俺、来月本社に戻るんだ。」
「そうなの。
 ・・じゃあ、もうお客さん取り合うこともなくなるね。」
「うん。」
「まあ、君はもはや私の敵ではかなったが。」
「よく言うよ!」
「・・もう会わなくなるね。」
「・・そうだな。」
「・・私もう戻るね。」
久子は車に乗り込みその場を去る。

バーのビリヤードで遊ぶ柴田と高村雅之(大沢健)
「そうか。メーカーに戻るのか。」と高村。
「うん。
 で、お客さんとこ挨拶に回ってたら、
 槙野にばったり。
 あいつ、お客さんちの揉め事に、クビ突っ込んでたぞ。
 まったく、おせっかい焼きなんだから。」と柴田。
「お前と、真理子の間も取り持ったし。」と高村。
「うん・・。」
「上手くいってんのか?」
「うん?」
「真理子とさ。」
「ああ。」
「俺も、秋には動くよ。」
「この間自動車課に移ったばっかりだろ?」
「今度はアメリカだ。
 向こうの自動車産業の内情を特別にレポートしてやるよ。」
「そうか・・。じゃ、最新情報を頼む!」
「・・・なあ。お前から、引き離しておくにはどうしたらいいんだ。」
「?」
「槙野さ。
 お前・・まだ引きずってんだろ。」
「・・・」
「俺は、あいつのおせっかいが昔から好きだよ。
 いつも走ってる。
 気持ちがあふれ出してる。
 あいつは、生きる力がみなぎってる。
 俺は、まぶしいような思い出、槙野を見てきた。」
「高村・・」
「間違いだったと思ってるのか?
 槙野の気持ちに気付かずに、真理子を受け入れたことを。」
「・・・」
「俺は知ってたよ。高校の頃からな。
 お前の気持ちも、槙野の気持ちも。
 だけど、黙ってた。
 お前が間違うのを、俺は黙って見てた。
 槙野を、渡したくなかった。」
「・・・知ってんのか?槙野は。」
「いや。」
「どうして伝えない。」
「お前がいる。」
「俺はもう・・結婚してる。」

柴田が帰宅すると、真理子が報告する。
「あのね・・・出来たみたい。」
「・・・」
「病院行ってきた。赤ちゃん・・3ヶ月だって!」
「・・・・・」
「・・・」
「そうか・・。良かった。良かった!そうか!子供か!」
真理子を抱きしめる柴田。

間が長かった!
この瞬間、柴田は久子のことを少し考えてしまったのかな?
でも、真理子を抱きしめた柴田は子どもが出来たことを
心から喜んでいました。


アベベ
いつもの常連客二人に愚痴る久子。
「私も、いけなかったと思いますよ。
 つい張り切って、ずけずけ言って。」
「あ、光枝さんに似たんだ。ね!」
常連客の言葉に光枝が睨みつける。
「でも、お客様横取りされたり、足引っ張られたりするんだもん!」
「やっかみ半分だろ。
 チャコちゃんの方が売れてるから悔しいのさ。」
「やっかみかー!」
「何言ってんだか。
 あんたが、自分が正しいって顔してるから、
 みんなが反発するんじゃないの?」
「そんな顔してないわよ!
 私は営業所の為を思って!」
「それ!
 その言い方偉そうだ!」
「なーによ!!」
「まあまあ、二人とも・・。」
「それよりも、その小峰とかいう酒屋だけどさ、
 今日チャコちゃんが会ったっていうの、
 ずっと以前にうちを出てった、その酒屋の、次男坊じゃねーか?」
「え?知ってるんですか?」
「うん。うちの商店街の酒屋と、小峰さんとこ、
 同じ組合だからさ。話には聞いてたんだよ。」
「ああ、あの気の毒な酒屋な!」
「気の毒って?」
「上にもう一人、跡継ぎ息子がいたんだけど、
 海で亡くなったんだよ。」
「随分昔の話だけどね・・。
 下の子が遊泳禁止のところで泳いでて溺れちまってさ、
 助けに飛び込んだ兄貴も、波に飲み込まれて・・
 結局、兄貴の方だけ助からなかったんだよ。」
「弟も、母親が死んだあと、家を出たって言ってたけど、
 戻ってきたのかね。」
「それ、それだよ。」

久子は雄二が『必ず潰してやる、店も、トラックもな!』
と言っていたことを思い出し、
「どうしてあんなこと・・。」と呟く。

谷口が営業所に雄二を連れてくる。
「いらっしゃいませ!
 ・・・あ!」
受付当番の久子は雄二の姿に・・。

「1日に10回以上、配送車で店舗を回ることになりますね。
 先日拝見したところでは、どの店舗も前の道が狭いようなので、
 荷台のバックドアは、跳ね上げ式の方が、
 通行の邪魔にならずにすみます。」と谷口。
「なるほど!」と雄二。
「あの・・お話中申し訳ありません。」久子が口を挟む。
「何でしょう。」と雄二。
「小峰さん、酒屋をやめることを、納得されたんでしょうか?」
「・・・」

「どういうつもりだ!!」
雄二が帰った後、久子を怒鳴りつける谷口。
「商談中に、口を挟んだのは申し訳ないと思ってます。
 ただ、お父様の方は、私のお客様なんで。」
「だから?」
「酒屋を続ける、コンビニエンスストアにはしない、
 そう仰ってるのに。」

「コンビニエンスって、何だい?」と佐々木。
「さあ・・」と藤山。
「小さいけど何でも揃っているお店です!
 最近ぽつぽつ出来てるでしょう!?」と晴美。
「ほー。」

「お客様を怒らせて商談を潰す気か!!
 間違いなく成長する業界だぞ!
 今配送車の手配に食い込めば、今後どれだけの利益が上がるのか
 わかってんのか!!」
「でもお父さんのお店を潰そうとするなんて、何か事情があると
 思いませんか?」
「それと車とは関係ない!」
「そうでしょうか!?」
「買いたいお客様には売る!
 買う気の無いお客様には買う気にさせる!
 それが営業だ!」
「車を売るって、もっと深くお客様に関わることだと!」
「だから御用聞きだの野菜の叩き売りだので、
 お客様の気を惹くのか!」
「え・・」
「俺はそんな売り方はしない!
 一台一台、真っ当に車で勝負してきた!
 売った分だけグラフが積み上がる。
 積み上がった分だけ会社の利益が上がる。
 それが俺の誇りだ!
 二度と余計な口を出すな!」
「・・・」

二人のやり取りを黙って聞いていた所長が立ち上がる。
「谷口。もういい。」
谷口は苛立たしそうに席へ戻り・・。

「暫く空席だったマネージャーのポストに、
 橋本さんが着任されることになりました。」


「マネージャーに就任するに当たって、ミヤケ本社より一つ
 指示を頂きました。」と橋本。
「この週末、試乗会をやれとのお達しだそうだ。」と所長。
「試乗会・・」
「どの営業所も、店頭に客を呼び込むのに苦労している。
 試乗会を開いて、売店のきっかけを作れということだな。」と所長。
「こちら、改装の時、ずいぶん人手があったそうで。
 本社でも評判になっておりまして。」
橋本の言葉にみんなが一斉に久子を見つめる。

「しっかり盛り上げなよ、試乗会。」と佐々木。
「期待していますよ!イベント担当さん!」と森。

そんな中、営業所に真理子がやってくる。
「ごめんね。仕事場にまでお邪魔して。」
「どうしたの?」
「うん。
 ねえ、お仕事どう?頑張ってる?」
「うん・・まあね。色々難しいけど。」
「そう。」
「あ、私、ちょっと出てくる。
 すぐ戻るから待っててくれる?」
「いいの。病院すぐ側だから、寄ってみただけだから。」
「どっか悪いの?」
「・・・実はね、出来たの!赤ちゃん!」
「え・・・ほんと!おめでとう。」
「チャコにはね、どうしても、直接伝えたかったの。」
「うん。」
「柴田君に話したら、すごく喜んでくれて。」
「そりゃ喜ぶよ。」
「ほんと言うとね・・ちょっと不安だったの。
 喜んでくれなかったらどうしようって。」
「そんな筈ないじゃない。」
「もう大丈夫。
 私やっと自信が持てた。
 私達、やっていける。」
「うん。」

真理子が帰っていくのを見送る久子。
真理子は笑顔で久子に手を振るも、背中を向けると複雑な表情を浮かべ・・。

久子が注文した、試乗会のチラシが出来上がる。

久子はチラシと手に、小峰酒店を訪れる。
「こんにちはー!
 ・・・あれ?
 小峰さん?」
勇夫は奥の部屋で酒に酔い横になっていた。
「何のようだ。」
「酒屋が飲みつぶれちゃ、商売になりませんよ。」
「うるせー。」
「・・雄二さん、この間、営業所に見えました。
 配送車の手配に。」
「・・・」
「余計な口を出すなって、営業所でも叱られました。
 でも気になって・・。
 店もトラックも潰すって仰ってましたけど・・。」
「・・・」
「・・・余計なおせっかいですよね。
 失礼します。」
「・・・あの、トラックが・・店に来た日に・・
 健一は死んだんだ。」
「え・・」
仏壇には、長男の写真。
「この店と、あのトラックだけだよ。
 俺と息子を、繋いでいるのは・・。」
「・・・」

営業所に戻った久子を、晴美が睨みつけ、走り去る。
「どうしたんですか?」久子は藤山に聞いてみる。
「所長にガツンとやられた!」
「え?」
「晴美、チラシを配らずに、引き出しに隠してたんだよ。」

ガレージでしゃがみ込む晴美。
「晴美さん。」久子が声をかけると、晴美は慌てて涙を拭う。
「大嫌い!
 慰めにでも来たつもり?
 親切そうな顔しないでよ。
 人のこと一段下に見てるくせに。」
「何言ってるの!?」
「私あんたに協力する気なんてないから!
 あんた見てるとイライラすんのよ!
 頑張れば何でも出来るみたいな顔して、張り切っちゃって!
 バッカみたい!!
 振り回されて、迷惑なのよ。
 鬱陶しいの!
 自分で気がつかない?
 いつもお客さんのこと考えてますみたいな顔して。
 結局自分の成績の為でしょう!?
 車をかわせる計算じゃない!
 偽善者よね、あんたって。」
「・・・悪い?そうやって車を売って何が悪いの?
 どこがいけないのよ。
 私は車を売りたい!
 そのためには、計算だってするし、人も出し抜くし、
 ずるい事だってやるわ。
 配ってきなさいよ。」
「嫌。」久子が差し出すチラシを振り払う晴美。
落ちたチラシを拾い集める久子。
「配りなさいよ!」
「冗談じゃない、あんたの手伝いなんて。」
「営業所の仕事でしょう!?」
「私の仕事はちゃんとやってる!
 これ以上働いて何かいいことある!?
 あんたみたいにガツガツ働いて、私の仕事何か変わる!?
 何も変わらないのよ!
 だったら自分の人生変えてくれる男見つけて、
 早く結婚した方がずっとマシ!」
「・・・それが仕事を放り出す言い訳?
 結婚でも何でも好きにしなさいよ。」
久子はそう言い放ち、チラシを拾い集めて晴美に差し出す。
「一度引き受けた仕事でしょ?
 明日まで、1枚1枚ポストに入れてきて。」
久子を睨みつける晴美。
晴美の手を取りチラシを持たせる久子。
「言っとくけど、私もあなたみたいな人、大嫌い!」
久子はそう言い捨て、その場を立ち去る。
晴美はチラシを見つめ・・・。

営業所に来ていた雄二を見送る谷口。
営業から戻った久子が二人を見つめる。
「槙野さん・・でしたっけ。」
「はい。」
「あなた、父の酒屋に肩入れしていたようなので、
 お伝えしておきますが・・
 あの土地、買い取る手筈がつきました。
 父がどう言おうと、店はコンビニエンスストアにします。」
「待って下さい!」
「槙野。」谷口が止める。
「すみません!
 もう1度だけ話をさせて下さい!」
「よせ!」
「どうしても潰すんですか?」
「潰す?
 改築するだけです。」
「お兄さんが亡くなった話・・聞きました。」
「・・・」
「お父さんあの店を続けたいんです!」
「そうでしょうね。」
「あの店にもトラックにも、亡くなったお兄さんの思い出が
 篭ってるから、だからお父さんは、」
「思い出?そんなもんじゃない。
 親父があのちっぽけな店にしがみついているのは、
 俺への当て付けですよ!」
「当て付け!?」
「あのトラックには、親父の憎しみが篭ってる。」
「憎しみって・・どういうことですか?」
「いい加減にしろ!
 申し訳ありません。どうぞ。」と谷口。
車に乗り込もうとする雄二。
「あのトラック、よく見ましたか?
 すごく大切に手入れされているんです。
 憎しみが篭っているなんてそんなはずありません!」と久子。
「・・・あなたに何がわかる!」
「車のことならわかります!
 どんな気持ちで乗っていらっしゃるかはその車を見れば、」
「じゃあ何だ!
 憎しみじゃなきゃ何なんだ!」
「・・・確かめにいきましょう。
 もう1度よく見て確かめて下さい! 
 決めるのはそれからに。」
「行くなら私も同行します。」
谷口の言葉に驚く久子。。
「俺のお客様だ。勝手なことはさせない。」
谷口が久子に言う。

三人が小峰酒店に行くと、勇夫は配達の準備をしていた。
「雄二・・」
「確かめに来た。」
「何を?」
「あの夜のことをだ。
 兄貴が海で死んだ日、帰りのトラックの中で、
 あんたが俺に何を言ったか。」
「・・・」
「お前のせいだ。
 あん時俺にこう言ったよな。」
「・・・」
「言ったよな!!」
「ああ・・。言った。」
「俺が死ねば良かったか!?
 兄貴じゃなくて、俺が!」
「雄二・・」
「クソ・・。」
酒の入ったケースを蹴飛ばす雄二。
「小峰さん!」雄二を抑える谷口。
「兄貴は死んだんだよ!
 もうどうだっていいじゃないか、こんな店!!
 もう継ぐやつはいないんだよ!」
「・・・好きにしろ。
 潰して気が済むなら、そうしろ。」
そう言い車に乗り込む勇夫。
「小峰さん!
 小峰さん!」
久子が駆け寄るが、勇夫は車を走らせる。
その車を見た谷口は・・・。

「わかったろ。これ以上余計な口を出すのはやめてくれ。」
雄二が久子に言う。
「・・・」
「行きましょう!お父さんのトラックを追いましょう!」
そう言ったのは、谷口だった。
「谷口さん!?」
「槙野の言った通りです。
 あのトラックは、ずっと大事に乗られている。」
「・・・」

谷口の運転する車で、三人は勇夫のトラックを追う。
雄二は窓の外の海を見つめ・・。

小峰酒店のトラックは、海沿いの道路に停まっていた。
「16年前に・・兄が死んだ海です。」
「毎日配達に使っていて、傷一つついてない。」と谷口。
車を覗き込む雄二。
「あ!」と呟き、ミラーに下がっていたお守りに触れる。
「どうしてこれが・・。」
お守りを引きちぎり、車を降りる雄二。

三人は勇夫を探して海岸へ。
勇夫はぼーっと海を見つめていた。
「親父・・。」
勇夫の駆け寄る三人。
「これ・・あの時の、お守りだろう。」と雄二。
「ああ・・。お前が、小遣いで買って、結んでくれたお守りだ。」
「あの時、引きちぎったろ。
 俺のことを捨てるように。
 引きちぎって捨てたろ!」
「・・・お前のせいじゃない。
 あれは・・俺の、せいだ。
 夏の、やけに暑い日だった。
 店にトラックが届いたのは。
 あの朝俺は・・今日は、最高の1日だと思った。
 息子が店を継いでくれる。
 トラックも、新品を買った。
 今日は、最高だ。
 嬉しくて、嬉しくて・・。
 お前たちを、海に連れ出して。
 俺は、酒を・・飲んでた。
 お前が、溺れてんのに気づかずに・・
 いい気分で俺は・・酔っ払っていた・・。
 子どもが、溺れてるぞ!波に飲まれる!
 叫び声で・・ようやく・・気がついた。
 だが、その時はもう・・お前も健一も・・波に、持っていかれた・・。
 ・・・今日は、最高だ。人生で、一番幸せな日だ。
 そう思った日に・・俺は・・一番大切なものを・・失くした。
 耐えられなかった。
 あんまりじゃないか。
 俺は・・幼いお前に・・罪を半分背負わせた。
 そうでもしなきゃ・・とても耐え切れなかった。」
「親父・・」
「酷いこと言っちまった・・。
 そう思えば思うほど・・お前と向き合うのが怖くて・・」
「そう思っていたなら、何であのトラックに乗り続けた!
 見るたびに思い出したよ。
 これを引きちぎった親父の手・・
 お前のせいだと言った声・・
 忘れさせたくなかったんだろう。
 俺に刻み付けたかったからだろう!
 親父の大切な兄貴を・・俺が殺したことを・・。」
「そうじゃない!
 俺だ。
 俺が忘れないためにだ。
 自分のしたことを。
 息子を二人とも、失くした。
 健一は海で。お前はトラックの中で。
 俺のせいで・・ 
 それを、忘れないために・・。」

「忘れないために?
 本当にそれだけですか!?」と久子。
「小峰さん、あのトラック・・16年前と、何一つ、変えていませんよね!」と谷口。
「やり直すためじゃないんですか?雄二さんと。
 もう1度あのトラックで・・。」と久子。
「やり直せるはずないんだ。
 もう、取り返しがつかない。」と勇夫。
「もういい!もう沢山だよ!」
「雄二・・」
「こんなもの・・」
雄二は海へと走り出すと、お守りを海へと放り投げ・・
「兄さん!聞こえるか!?
 ごめんな・・。
 俺のせいで死なせて・・ごめんな・・。
 でも・・もういいよな。
 親父も俺も・・もう自由になってもいいよな!?
 もう・・・許してくれるよな・・。
 兄さん!!」
「健一・・。俺は、やり直してもいいのか?
 許してくれるか?」
健一の笑顔を思い出しながら号泣する雄二と勇夫。
久子、谷口も泣いていた。

「ありがとうございました。」久子が谷口に言う。
「俺は・・・車の話をしただけだ。」

小峰酒店のトラックが夕日を受けて眩しく光っていた。

営業所
「そうか。メーカーに戻るか。」と所長。
「はい。お世話になりました。」と柴田。
「君なら、営業マンとしてもいいところまで行くんだがな。」
「いえ。営業の難しさを思い知らされました。
 毎日一台車を売る、岡野さんのようなトップセールスには、
 自分は到底なれません。」
「勢いだけで売れた時代の話だよ。
 今と違って、車を持つことは幸せなことだと、
 みんな、信じてた。
 忘れないでいてくれよ。
 車を売ることの、厳しさ。」
「はい。」
「営業は、数字が全てだ。
 何台売ったか、いくら稼いだか。
 だが君には見えるだろう。
 数字の奥に、車を売る人間の姿が。
 覚えていてくれ。
 追いつめられて、死んだものがいたことを。」
「・・・」

「あれ!?」柴田の姿に驚く久子。

「そっかー。
 小峰さん親子、16年ぶりに仲直りしたか。
 良かったな!」と柴田。
「うん。良かった!
 車に辛い思い出しかないなんて、悲しいもんね。」と久子。
「うん。」
「私ね、やっぱり信じていたいの。
 車は、幸せな未来を作るためにあるって。」
「そうだな。」
「・・子ども出来たんだってね。
 真理子から聞いた。」
「おぅ。」
「おめでとう!」
「ありがとう。」
材木に駆け上ぼり、構える久子。
「かかってこい!」
「おうっ!」
「シャキーン!
 うーやーたーーーっ!」
「シュっ!とーー!」
「アチョーアチョー!」
「うわーーっ。」台から飛び下りる柴田。
「ね!この材木、昔もっと高く積んでなかった?」
そこは、子ども時代に二人が遊んでいた場所だった。
「こんな感じだよ。
 変わったのは、俺たちだ。」
「・・・」久子は微笑を浮かべて柴田を見つめ・・。

試乗会の日
「お客さん来ませんね・・。」
「やっぱり、チラシの効果なしか・・。」
「・・・あれ!?」
チラシを手にした客が次々とやって来る。
「槙野さん、いますか?」
「はい、私です。」
「借り換えの相談に、乗ってもらいたいんだが。
 酒屋の小峰さんから、このチラシ貰ってね。
 小峰さんの推薦だから、安心して任せられる。」
「ありがとうございます!
 どうぞこちらへ。」

次から次へと、チラシを手にした客がやってくる。
「みなさん・・よろしくお願いします!」
久子は先輩社員たちに頭を下げる。
「お前さんの客まで、取っちまうぞ。」と佐々木。
「かまいません。
 どんどん売り込んじゃって下さい。」
「よし!行くぞ!」

「あなたこの間の!」
女性客が晴美に声をかける。
「いらっしゃいませ。」と晴美。
「朝早くからチラシ配って、大変だったわね。」
客のねぎらいの言葉に、晴美の笑顔が輝く。

それを見ていた藤山、所長、そして久子は微笑を浮かべ・・・。

小峰親子もやって来てくれた。
「小峰さん!!」
「よっ。似合ってるじゃねーか。」
「小峰さんのお陰です。ありがとうございます!」
「いらっしゃいませ!」谷口も挨拶する。
「配送車に追加の依頼があるんですけど。
 今からご相談できますか?」と雄二。
「もちろんです!どうぞ、中へ。」

「当分、酒屋を続けていくことになったよ。」勇夫が久子に言う。
「そうですか。」
「雄二のやつが、うちの代わりに契約する店を、
 苦労して探してくれてな。」
「良かったですね!」
「だから・・今日は・・トラックを買いに来た。」
「・・・」
「あんたの、世話になる。
 よろしくな。」
「・・・はい!!」

「こうして見てると、一人一人客との接し方は違うものだな。」
所長が谷口に言う。
「はい。」
「お前と、槙野。まるで正反対だが、共通して持っているものがある。
 人をひきつける、花。
 そして、自分を支える人の絆。
 これがトップセールスになる、営業マンの条件だ。」
「ありがとうございます。」

「2月に発覚した、ロッキード事件。
 7月になって、首相経験者が逮捕という展開を迎えました。」


大森と高村が一緒に昼食をとる。
「いいのか?こんな時に取材に来て。」
「自動車課の俺が騒いだって仕方が無い。
 取材、海外輸出の話か?」
「ああ。
 聞いたか?柴田メーカーに戻ったって。」
「ああ。
 実は俺も、秋から、シカゴに赴任するんだ。」
「シカゴ!?
 さすがキャリア。転勤先も違うな!」
「何だよそれ。」
「赤ん坊の話は?」
「赤ん坊?」
「5ヶ月だってさ。柴田はもうじき父親だよ。」
「・・・そっか。子供化。」
「これで落ち着くな、あの夫婦も。」
「・・・」

アベベで乾杯する久子と高村。
「シカゴか。いいなー。私も行ってみたいなー。」
「なあ、槙野・・」
「でも無理か。
 旅行行ってる暇に変わらなきゃ。
 私ね、今結構いい線いってるの!」
「へー!
 あ、デトロイトも、シカゴセンターの管轄だぞ。」
「デトロイト・・自動車の町だねー。」
「だからその・・車の勉強にもなるし・・」
「すごいね!
 私より車に詳しくなっちゃうね!」
「・・・通産省を希望したわけを、話したことあったっけ?」
「ううん。」
「ケンカ官庁だからだよ。」
「ケンカ!?」
「制作を立案させるために、各省庁と渡りあう。
 通商問題では、諸外国ともやりあう。
 だからケンカ官庁。」
「ケンカがしたかったの!?」
「いや俺・・こっち(ケンカ)はまるっきりだろ。」
「そうだね。」
「だから、政策を立てて、国を動かす手伝いをする。
 それが俺のケンカだ。
 なんて・・ちょっとカッコつけすぎか。」
「すごいよ。」

高村を見送る久子。
「じゃあな。」
「ねえ高村君。」
「うん?」
「ここ(心)に、熱いものがいっぱい詰まっていることを、
 私は昔から知ってたよ。
 行ってらっしゃい!
 一杯ケンカしてきてね!」
「・・・」
高村が久子を抱きしめる。
「俺と一緒に来てくれ。
 槙野を連れていきたい。
 俺は・・柴田の代わりにはなれないかな。」
「・・・出来ないよ。]高村から離れる久子。
「高村君を誰かの代わりにするなんて、そんなこと出来ないよ!」
「・・・何言ってんのかな、俺・・。」
「高村君・・」
「そんな顔すんなよ!
 今のは、なし!
 ・・・じゃあ。元気でな。」

「その年の秋、高村君は、一人、シカゴに旅立っていきました。
 それから半年過ぎた、春のことです。」


1977年4月
所長が咳払いをし、みんなの注目を集める。
「本社から、正式な発表があった。
 谷口!」
「はい!」
「年間新車売り上げ140台!
 3年連続、優秀セールスマンとして金バッジ受賞だ!
 おめでとう!」
「ありがとうございます!」
みんなが谷口に拍手を贈る。
「年間新車売り上げ、132台!
 ・・・槙野!」
「はい!」
「初の金バッジ受賞だ。」
「おめでとう!!」
所長、同僚たち全員が拍手を贈る。
「トップセールスの仲間いりだな。」と所長。
「・・・」
「おい。」
感激して涙ぐむ久子を、藤山が、晴美が、谷口が、森が、全員が
心から祝福し・・・。


※一部公式HPあらすじを引用しました。


小峰親子の車に対する辛い思い出。
久子たちのお陰で、おの親子はお互い歩み寄ることが出来ました。

今回、久子の未熟さも描かれていましたね。
「営業マンっていうのは、トップを争うようになると、
 もっと売りたいという、欲が出てくるもんなんですよ。」
所長の言葉どおり、久子は成績が伸びてきて、やる気で一杯で、
つい周りが見えなくなってしまったようです。
初心者の頃は慎重でも、慣れてくると、周りが見えなくなって
しまうことって、私自身も過去にありました。
娘の暴走を叱ってくれる母親、見守っていてくれる所長。
久子は周りの人に恵まれていますよね。
母親に注意されて、その時はケンカになってしまいましたが、
その後、久子はちゃんと社員の人たちに気配りを怠らず、
そうしたことで、久子の成功を、みんな心から喜んでくれました。
あの晴美も、苦労が実った時の喜びを知り、
これからは久子に理解を示してくれるのかな。
彼女の笑顔が嬉しかったです。

とうとうトップセールスの仲間入りをした久子。
次週はまた、悲しい別れがあるようで・・・。



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B001340ZZM孤独の向こう平原綾香 川江美奈子 藤井理央 DREAMUSIC( C)(M) 2008-04-16by G-Tools



【キャスト】

槙野久子(夏川結衣)
昭和24年生まれ。
10歳のときに、父が借金を背負い失踪。母・光枝に女手一つで
育てられる。高校卒業後、一流企業の興亜化繊のOLとなるが
不文律の定年25歳を前に居場所を失う。
一生懸命働ける場所を求めて、自動車セールスの世界へ。
「女に車が売れるはずがない」という常識を覆して
トップセールスマンに成長する。
のちに外資系の輸入車ディーラーに転職。社長へと上りつめていく。

柴田隆男(椎名桔平)
久子の幼なじみ。
高校時代、久子の気持ちに気づかず、仲間の一人・真理子と
つきあい始め結婚。
大学卒業後、ミヤケ自動車(メーカー)に就職。
ディーラーに出向しているときに久子と同じエリアの担当になる。
メーカーに戻ってからは、アメリカ勤務をへて購買部次長として
部品の購入やコスト管理を担当。
平成7年、日米自動車協議の時には渉外担当として通産省の方針と対立する。

柴田(野沢)真理子(石田ひかり)
久子の高校時代の同級生。
久子と隆男が実は互いに想いをよせていることを知りながら、
久子に隆男との仲をとりもつように頼んだ。
結婚式で久子たち同級生と再会し、再び不安になるが、その想いを
封じ込め幸せな家庭を作るために努力する。
人形づくりにめざめ、次第に生きがいを見いだしていく

大森吾郎(山口馬木也)
高校の同級生。
明るい人柄で仲間の潤滑油的存在だが、マドンナだった真理子に
恋心をいだいていた。
一浪一留して小さな経済関係の出版社に就職。
取材で知り合ったミツダ電子の社長に見込まれ秘書に転職。
ミツダ電子はバブル景気にのって急成長し、のちに贈賄事件と
不正融資事件で転落の道をたどる。

高村雅之(大沢健)
高校の同級生。
東大法学部を卒業し、通産省のキャリア官僚となる。
久子のことをずっと思い続けていて、独り者を通している、
日米自動車協議では、WTOに提訴しようとする対米強硬派の
一翼を担い、メーカーを守ろうとする隆男を対立する。

槙野光枝(十朱幸代)
久子の母。
料理屋の娘だったが、仲買人として店に出入りしていた久子の父・
浩太郎と駆け落ち同然で結婚。
久子が10歳のとき、浩太郎が借金を抱えて失踪してからは行商を
しながら久子を育て上げた。
小さなお好み焼き屋「アベベ」を開き、久子の仲間たちのたまり場に
なっていた。愚痴は言うのも聞くのも大嫌い。久子のよき手本である。

槙野浩太郎(石橋蓮司)
久子の父。
青物の仲買人をしていて、幼い久子をよく市場につれていった。
久子が商売を好むのはその影響。
失踪する前に、車を購入し、最初に久子を乗せる。
そのたった一度のドライブの感動が、久子が車のセールスを始める
きっかけとなる。
久子がトップセールスの表彰をうけた記事を見て、再び久子の前に現れる。

岡野英二(蟹江敬三)
久子が働くミヤケモータース城南営業所の所長。
特攻基地の整備兵として終戦を迎えた。
セールスの現場にいたころは、「一日に一台車を売る男」として
有名だった。
人を見る目は確かで、組織作りにも岡野なりの信念がある。
久子は父のように慕う。

谷口克彦(鈴木一真)
ミヤケモータース城南営業所不動のトップセールスマン。
ひたすら売り上げを上げるべく、信念をもってセールスに励む男。
久子とは営業方法が違い、対立することもあるが、次第に認め合う
間柄になっていく。

藤山邦子(梅沢昌代)
ミヤケモータース城南営業所経理担当。
営業所のことは全て知っている。岡野も邦子には頭があがらない。
戦争未亡人で、働く女性の先輩。
久子には好意的で何かと味方になってくれる。

中野晴美(佐藤仁美)
ミヤケモータース城南営業所の事務担当。
適当な年齢で結婚相手を見つけて主婦になりたいと願っていて、
働きまくる久子を敵視している。谷口を思い続けている。

佐々木義男(塩野谷正幸)
営業所の古参セールスマン。
「すっぽん」どあだ名される粘り腰で、好成績をあげている。

森達郎(櫻井章喜)
営業所のセールスマン。
いつも成績は最低レベルだが、全く気にしないお調子者。

阿部幸雄(塩谷瞬)
久子と同期中途入社の気弱なセールスマン。
ぜんそくを患ってきた母を思い、売りにくい排ガス規制対策車を
売ろうとするがうまくいかない。

営業マネージャー・相川(モロ師岡)

【スタッフ】
作…山本むつみ
音楽…栗山和樹
主題歌…「孤独の向こう」平原綾香
演出…吉村芳之 西谷真一(NHKエンタープライズ)
制作統括…岩谷可奈子(NHKエンタープライズ)



夏川結衣さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、今回は顧客の生活に立ち入る久子と勉強してニーズに応える谷口の信頼の得かたの違いにスポットが当たりましたが、所長の言った通りに二人の情熱を感じた回でした!

野菜の安売りや今でもあるキッズスペースを思い付いたり、販売台数を伸ばす久子の上から目線の小言に反発する社員たちの気持ちは分かります、そんな状況を苦い顔をして見守る所長と愚痴を聞いて嫌味で返す母親のバランスが好きです!

谷口を好きな晴美も久子に協力したくない気持ちはあるものの、あそこまで言われると意地でチラシを配ったみたいですね!試乗会に来た客に褒めてもらったのは縁の下の力持ちだけだった彼女には凄く嬉しかったのでしょうね!久子の受賞を心から祝っていたようです!

真理子の妊娠を知った時の柴田の間が怖かった〜喜ばない事はないと思いましたが、久子への想いが終わった瞬間も感じられました、真理子は本当に不安なのですね!わざわざ店にまで報告に行くなんて、帰る時の表情が怖かったです!

今回の酒屋さんのエピも重かったです!長男を亡くした気持ちを幼い弟にぶつけるなんて…父親の懺悔 息子が父親の気持ちを汲み取るシーンに涙です、普通なら息子の勘違いで〆るところですがリアルな脚本です!

今期最初の保存版決定です!
Posted by けた at 2008年05月04日 22:19
車が売れるたびにジーンとしちゃいますね。
高村が一人寂しくシカゴへ旅立ったのが哀しかったです。
田中角栄逮捕の頃、すでにコンビニってあったんですね。うちの田舎じゃ夜7時以降開いてる店って銭湯くらいしかなかったな〜。
Posted by マンデリン at 2008年05月05日 08:48
晴美とは、いずれ直接対決があると思っていたので、興味がありました。でも「私もあんたみたいな人、大っ嫌い!」というストレートな表現になると思わなかったので、ちょっと感動です。こうなってくると、あれしかないと思うので。二人の関係は、これからどうなるのかな?妙に「理解しあって、よかった、よかった」みたいにならないといいな。何しろ、生き方対決ですから、分かり合えるはずがない。

「高村君を、誰かの代わりにするなんて、できないよ。」久子の柴田への思いがあふれる言葉でした。

これから、高校時代の仲良し組も、時代の変化の中で今までの友情を同じように保ち続けていけなくなるわけですよね。柴田夫妻にも子どもができたし、高村君は一人シカゴに行くし・・・第4回は曲がり角・・・みんなの無邪気な「青春」が終わった回だったように思います。柴田と高村のカウンターでの会話は、2人がありのままの自分で会話する最後の時だったのでは・・・。積み上げてある板の高さのように「俺たちが変わった」のです。
私にも、高校時代とても親しくしていた男友達が何人かいました。そのころは、無邪気に共に未来を語り合ったものです。しかし、中には到底今となっては、進んだ道が違いすぎ、生き方の違いも鮮明になって、今会ったとしても昔のようには語り合えない仲間もいます。同じ業界にいると、やはりそういうことがあります。相手が何をしているか、遠くからでも見えますしね。
「友情」だけでは乗り越えられない壁が、大人になると生まれるなぁと、しみじみ感じる今日この頃です。
Posted by やすこ at 2008年05月05日 22:43
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