2008年05月12日

トップセールス 第5回

『別れ』

1980年5月
ミヤケ自動車株式会社優秀セールスマン表彰式にて、
槙野久子(夏川結衣)は金バッチを受賞する。
表彰式に遅刻して駆けつけた久子は壇上で、
「たった今、一台ご契約いただいて参りました。」と挨拶。
「後輩です。」同じく壇上の谷口克彦(鈴木一真)が誇らしげに
隣りのセールスマンに自慢する。
「所長!今月15台目です!
 月刊売り上げ記録、更新しました!」
舞台の上から客席の所長に報告する久子。
「あいつ・・。」嬉しそうに微笑む岡野所長(蟹江敬三)。

「1980年、日本の自動車生産台数は、アメリカを抜いて、
 世界一に、上り詰めようとしていました。」


パーティー会場
「おめでとう!」柴田(椎名桔平)が久子に声をかける。
「ありがとう!」
「久し振りだな。3年ぶりか?」
「うん。
 真理子は?元気にしてる?」
「うん。」
「子どもさんは?」
「もう3歳だよ。」
「可愛い盛りかー!
 柴田君、係長に昇進したんだって?順調だね!
 仕事も家庭も。」
「しかしよく食べるな!」
「所長の分です。
 ・・所長?」

その所長は具合悪そうに腹を押さえ、先に帰ることに。柴田家
「ただいま。」
「おかえりなさい。」真理子は人形を製作中。
「カオリは?」
「もう寝てる。
 チャコに会った?表彰されたんでしょ?彼女。」
「うん。よろしくって言ってた。」
「お夜食すぐ用意するね。」
「ああ、いいいい。」
「お茶漬けにしようか。」
「先に、休んでていいんだぞ。」
「どうして?鬱陶しい?」
「うん?」
「お帰りなさいぐらい言わせてよ。
 でなきゃ、カオリと私、二人だけの家族みたい。」
「・・・」

1980年6月
久子は注目の女性トップセールスとして雑誌の表紙を飾る。
その雑誌を手に、営業所の前に立つ男がいた。

「それは、表彰式から、一月過ぎた頃のことでした。」

「うん?お父さん!?
 ・・・お父さんのはずないか。」

そんな中、久子は失踪した父親・浩太郎(石橋蓮司)が
寄席の呼び込みをしていることを知る。
光枝の店の常連さんたちが見たというのだ。

その寄席を訪ねていく久子。
そこに、父はいた。
「父さん・・」
浩太郎は久子に気づくと、そっと目を伏せ・・・そしてその場を去る。

浩太郎を追いかける久子。
「どうして逃げるの!?」
「・・・」
「この間、営業所、覗いてたでしょう?」
「・・お前が雑誌に載っているのを見て、それで・・。
 悪かったな。」
「何で黙って帰っちゃったの?」
「お前、どうしてここが。母さん知ってるのか?」
「話してない。」
「そうか。」
「お父さん、昔と変わらないね。」
「え?」
「すぐわかった。
 市場で働いていた頃と、ちっとも変わらないの。」
「・・立派になったな、チャコ。」
「お父さん、私ね、」
その時。
「何してんの、そんなところで。
 お客さん?」
それは、父が一緒に住んでいる、八重(秋野暢子)という女だった。
「・・そうだよね。  
 もう、20年も経ってるんだもんね。
 でもお母さんはずっと一人だったから。
 お母さんと私は、ずっとずっと二人きりだったから!!」
久子はそう父を責め、立ち去るのだった。
すぐに久子を追おうとする浩太郎を、八重が引き止める。

寄席を出た久子は、父が追いかけてくれないことにますます落胆し、
悲しそうに歩き出す。

そのことが尾を引き、久子は納車する約束を忘れたり、
納車する車に傷をつけるという失敗をしてしまう。

「何をぼんやりしてるんだ。」と所長。
「約束すっぽかしたり車に傷つけたり。
 あんたらしくないね。」と藤山邦子(梅沢昌代)。
「すみません・・。」
「引き抜きの話でも来たのかい?」と藤山。
「そんなんじゃないですよ。
 やだな私ったらうっかりで。
 大丈夫!うーやーたー、で頑張ります!」
「・・何があった。槙野。」
「・・・父に会いました。」
「お父さんって蒸発した?」と藤山。
「私・・どうしたらいいのか・・。」

咳き込みながら久子にお茶を入れる所長。

「母に、話そうと思います。
 黙っているのは母を裏切るみたいで嫌だから。
 でも、女の人と一緒にいることを知ったら、
 どんな気がするか・・。」
「黙ってなさい。」と藤山。
「え?」
「20年も行方を知らなかったんだ。
 死んだも同じじゃないの。
 女が一人で子どもを抱えて生きていくのは並大抵じゃない。
 私がよく知っている。」
「藤山さん・・。」
「特攻で突っ込んで死ぬのも地獄かもしれないけど、
 残された方だって生き地獄だ。
 空襲で親兄弟はみんな死んで、頼る当てはなし。
 子ども二人抱えて・・・
 岡野さんの助けが無かったら、子ども連れて線路に飛び込んでた。
 今になって死んだはずの亭主が、よそで所帯持って幸せに生きて
 ましたなんて聞かされたも、私は喜べない。
 辛かったこと一つ一つ、諦めたこと一つ一つを思い出して・・
 亭主を恨むだけだ。」そう言い涙ぐむ藤山。
「そうですよね・・。私バカみたい。
 のこのこ会いに行ったりして・・。
 会わなきゃ良かった・・。」
所長は二人の話を無言で聞き・・。

藤山さんの自分の過去を重ねての言葉には
重みがあります・・。


所長は一人で光枝の店・アベベを訪ねていく。
「寄席・・ですか。あの人らしい。
 昔から芝居小屋だの寄席だの好きな人でしたから。
 楽屋に出入りして、役者と間違われたなんて、
 自慢してたこともあったんですよ。」と光枝。
「・・ご主人、戦争には?」
「若い時分に胸をやられたものですから。」
「そうですか・・。」
「うちの店に、青物を入れてましてね。」
「店ですか。」
「親が根津で、料理屋をやっていたんです。
 戦時中に三島に疎開して、今も向こうで。
 もう、弟の代ですし、駆け落ち同然に出たものですから、
 滅多に帰りませんけど。
 ・・・そうですか。あの人、女の人と・・。」
「その・・ご家族のことに、私が口を挟むというのも・・」
「筋が違いますよね。
 夫の消息、どうして所長さんから聞かされなきゃなんないんでしょう。
 ・・久子があなたに頼みましたか?
 どうにかしてくれって言ったんですか?」
「いえ。私が、勝手に。」
「・・お帰り下さい。」
金を払おうとする所長。
「結構ですから。」
所長が頭を下げ店を出ていくと、光枝は一人涙する。

着物に着替えた光枝は、喫茶店に夫を呼び出す。
「・・よう。」
「・・・言い訳の一つもないんですか。
 20年間ほっぽり出しといて、今になって娘の前に現れるなんて。」
「・・一目、見られれば良かったんだ。
 外からでも顔が見られりゃ・・。
 声かけようなんて思ってなかったよ。」
夫をまっすぐ見つめる光枝。
「家行けないし・・・昔んとこ引越しちまったろ?」
「あの近くにいましたよ。 
 引っ越してもずっとあの近所に。
 何もかも宙ぶらりんにして、出てったら連絡もよこさないで。
 どうするんです?これから。」
「どうするって・・。」
「久子のことですよ。また放り出す気ですか?」
「・・・」
「ろくに話もしないで、いなくなった訳も言わず。」
「今更俺が何を言ったって・・。」
「また逃げる。
 いっぺんくらい、ちゃんと娘と向き合ったらどうなんです?
 あの子ずっと、あなたを待ってたんですよ!」
「・・・」

そこへ八重がやって来た。
八重は光枝の姿に驚くも、浩太郎の隣りに立ち言い放つ。
「うち、切れまへんえ。
 もう15年も、この人のん世話してますねん。
 浩さん、仕事。」
浩太郎が席を立つ。
「久子、ずっと覚えてました。
 あなたとドライブしたこと。
 一度だけ、お父さんと一緒に、ぴっかぴかの車に乗ったって。
 ボロボロのセコハンでしたけどね、本当は。
 あの子、それで車のセールス始めたんですよ。」
「・・・」
浩太郎が喫茶店を出ていく。

その帰り、光枝は久子のいる営業所に寄ってみる。
「どうしたの!?」驚く久子。
「お父さんに会ってきた。」
「え!?」
「・・女の人も。」
「・・・お母さん。」
「あんたはもう、悩まなくていいから。」
「どういうこと?」
「今までどおり、せっせと車を売りなさいと。
 それ言いに来ただけ。」
そう言い立ち去ろうとした時、岡野所長と一緒になる。
「主人に、会ってきました。」
「そうですか・・。いや、私・・余計なことを申し上げて。」
「いえ。
 もし、娘に聞かされていたら、娘も私も、もっと辛かったと思います。
 ありがとうございました。
 お心遣いを頂いて。」
微笑みながら礼を言う光枝。
「いえ・・。」
その時、所長は胸を押さえて倒れてしまう。
「所長!!」

病院
「まったく、大げさだな。
 こんなのただの風邪だよ。」
「そんなこと言って!悪い病気だったらどうするんですか!?」と久子。
「もう若くないんですからね!
 よーく点検してもらって下さい!」と藤山。
「人のことポンコツみたいに。」と所長。
「入院の手続きしてきます。」藤山が席を外す。
「こんなとこ閉じ込められちまって・・。
 検査でなんだで、すぐには出られんなー。」
「少しゆっくり休んで下さい。
 所長働きすぎですよ。」と久子。
「槙野。これから営業所は、厳しくなるぞ。」
「え?」
「これ以上日本車は売るなと、アメリカがねじ込んできた。
 こうなったら、輸出に制限が掛かるのは時間の問題だ。」
「はい。」
「それでも工場は分刻みに車を作る。
 だぶついた方は、国内で売るしかない。
 また、追いつめられる者も出てくる。
 阿部のようにな。」
「・・・」
「もう二度と、犠牲者は出さない。
 それが俺の責任だ。
 休んでるわけにはいかんのだ。
 槙野。」
「はい。」
「お前に一つ、頼みがある。」
「はい。」
「机の、2番目の引き出しに、古いノートが入っている。
 俺の昔の顧客名簿だ。」
「はい。」
「横山という家がある。
 19年前に一台目を買っていただいて以来、ずっと付き合いが続いている。
 そろそろ代替の時期だから、お前、俺がここを出るまで、
 暫く繋いでおいてくれるか?」
「最近よく通っていらしたの、そのお宅ですか?」
「ああ。お前なら、力になれるかもしれない。
 一度、様子を見てきてくれ。」
「わかりました。
 あの・・」
「うん?」
「ありがとうございました。
 母に、話してくださって。」
「納車する車に、また傷でもつけられちゃ敵わんからな。ヘヘ。」
「んもう!
 ・・もう、これっきりになるんですかね、父と。」
「・・・」
「でも、お陰で吹っ切れました。」
所長の心配そうな顔に、久子は明るく笑う。

夜、営業所に戻った久子は、所長の机からノートを取り出す。

横山家を訪れる久子。
するとうちの中から
「ふざけんな!」の大声と大きな物音が聞こえてくる。

震える手でお茶を出す妻・早苗(野村真美)。
「岡野さんが入院なんて・・心配だわ。」
「鬼の霍乱ですかね。
 でも大丈夫です。検査入院みたいなものですから。」
「早く良くなるといいけど。」
「代替のご相談には、私が乗らせていただきます。
 よろしくお願いいたします。」
「ええ。」
部屋の奥から、また大きな物音が。
「息子です。浪人生で。昼間っからうちにいて。」
「そうですか。」
「はい。」
「丁度、お勧めしたい車があるんですよ。」
パンフレットを取り出す久子。
早苗はお盆を抱えながら体を震わせ・・。

横山家の車を査定する久子。
駐車場には大量の酒瓶が置いてあった。

営業所
「大変だよ槙野さん!」と森。
「どうかしたんですか?」
「変なのが来ちゃったよ。」
「所長の代行だって言うんだけど、谷口さんどう思う?」
「ああ、うちは重要拠点だから、所長が不在だと困るってことだろ。」
「所長時期退院しますよ。
 橋本マネージャーだっているんだし。」と久子。
「鬼の居ぬ間に、意のままに操ろうって魂胆かね。」と佐々木。
「上のほうには所長のことを良く思わない人も多いから・・。」と藤山。
「これ、岡野外しですよ!
 よりによってメーカー本社の営業統括本部から人を送り込んで
 くるなんて!」と森。
「メーカーから?」と久子。
それは・・柴田だった。
「柴田君!どうして?」

病院
「まさか、柴田君がうちに来るとはなー。」と岡野。
「何考えてるんでしょう。メーカーも、ミヤケモータース本社も。」と久子。
「俺が死ぬとでも思ったかね。」
「つまんない冗談言うのやめて下さい。」
「ふふ。」
「まだかかるんですか?入院。」
「うん・・ま、もう少しな。」
「早くもどってきて下さいよ!所長あっての営業所なんですから。」
「なんだ。この間はゆっくり休めとか言っておいて。」
時分のおでこをピシャっと叩く久子。
「あ、持ってきましたよ。所長のノート。」
「行ってきてくれたか!」
「はい。」
「どうだった?」
「きちんとしたお宅でした。
 ただ・・・車、酷く汚れていました。
 お酒の空き瓶もいっぱい隠してあって・・。」
「・・奥さんだ。
 ここ半年ばかり、酒が止められんのだそうだ。
 ご主人は、毎晩深夜のご帰還で、大学生の娘さんも寝に帰ってくるだけ。
 あの家はいつも、奥さんと息子の、二人きりだ。
 俺が知り合った頃はまだアパート住まいで、
 いつか、車を持ちたいと、言ってらした。
 9月に、敦也君が生まれて、それを機に、車を買っていただいた。
 仲のいい家族でね。
 敦也君は少年野球の選手で、試合があると、車でどこにでも
 応援に行ってた。
 あの家に越してからだ。歯車が狂い出したのは。
 ご主人の勤め先が、倒産寸前で、大手に吸収されてな。」
「ええ。」
「辛い目に遭ったんだろう。
 それから、笑顔を見せなくなった。
 奥さん、怯えた様子だったろう?」
「・・・もしかして、敦也君、暴力を?」
「いたまに、覗いてやってくれ。
 他人の目があれば、そうそう、暴れたりせんから。」
「はい。」

1980年6月、営業所
「若輩者ですが、精一杯務めますので、お力添え、よろしくお願い
 いたします。」柴田が挨拶をする。

「何としても販売台数を増やせ。
 メーカー、本社からそう指示を受けて、柴田君は、
 所長代行として、派遣されてきたのでした。」


「営業の手順が悪すぎますね。
 これじゃ、効果が上がるはずないでしょう。」
森を叱る柴田。
「効率、効率ですか。所長代行!」
「森さん。今月は、販売目標を達成できないようでは困りますよ。」
「人間関係ってやつがあるんですよ。
 効率だけじゃなくてですね、
 岡野所長の下で、地域に根ざした営業をやってきたもので。」
「従来のやり方にこだわっていては、これ以上販売台数は伸びません。」「誰かさんの点数稼ぎには、付き合ってられないね。」と佐々木。
「佐々木さん、何か。」と柴田。
「いえ。販売台数、伸ばしてきます。」佐々木が出かけていく。
「私もいいですか?所長代行!」と森。
「・・はい。」
「槙野さん、今日も所長のお見舞い行くよね?
 俺も一緒に!」と森。
「・・ええ。
 行って来ます!」
久子も気まずい雰囲気の中、営業に出かけていく。

居酒屋に集る柴田、大森、高村。
「いくら説明してもダメだ。
 日本車が今どういう状況に置かれているのかまるでわかってない。」と柴田。
「正論だな。
 俺もアメリカで、日本車のバッシングは散々見た。」と高村。
「だろ?それなのに、営業所のやつらは、俺をメーカーの間者だと
 決め付けてる!」
「お前は人望のあるやつだと思ってたけどな。」と大森。
「あそこで人望があるのは、岡野所長だけだ。」
「どうした。柴田らしくないな。所長と何かあったのか?」と高村。
「・・・」

営業所
営業に向かう準備をする久子に柴田が声をかける。
「槙野さん、ちょっといい?」
「はい。」
「この、横山さんっていうお宅なんだけど。」
「今日回る予定です。何か?」
「又?」
「・・・」
「随分通っているけど、注文はまだ取れないの?」
「ええ。」
「どうしたんだ。代替のお客さんだろ?
 君なら早々に落とせるケースだ。」
営業所の人々が二人に注目する。
「慎重に進めているだけです。
 ちょっと、問題を抱えたご家庭なんで。」
「じゃ、暫くは電話営業だけにして、様子を見ることにしよう。」
「でも・・岡野所長が、20年も大切に付き合ってこられた
 お客様ですから。」
「・・・だから特別か。」
「え?」
「所長からの引継ぎだから、他のお客様よりも優先するということ?
 そもそもね、家庭の問題とやらに踏み込みすぎているんじゃないのかな。」
「車を買っていただくのに、ご家庭の事情を把握するのは当然です。」
「だからって時間を無駄に費やしていいということにはならない。
 君はトップセールスだろ。もっと自覚を持って。
 記録を更新することが、君の使命だ。」
「・・・何なの?私ロボットじゃない。
 私車を売るロボットじゃないのよ!
 信じられない!柴田く・・・所長代行がそんなこと言うなんて。
 所長なら、・・・」
「何?所長なら、何?」
「・・・」
「いい加減にしてくれないかな。
 ここは岡野個人商店じゃないんだ。」
柴田のこの言葉に谷口が営業所を出ていく。
「あなたにこの営業所の何がわかるの!?
 あなたのやり方じゃ、車は売れないわ。」
久子が、他の営業マンたちがみな、柴田に反抗の意志を現すように
営業所を出ていった。

病院
「今月は苦戦だなー。」と所長。
「本社で、営業所の統廃合が検討されているのをご存知ですか?
 月々の目標が達成できない営業所は、容赦なく切り捨てられます。」
と柴田。
「うちは、危機感が足りないか。」
「率直に言って、甘いと思います。
 今うちの営業所は、危ない状況です。
 もっと貪欲に、なるべきです。」
「わかった。遠慮なく、葉っぱかけてくれ。」
「はい。」
「だが、間違えるなよ。
 この商売は、狩りのように見えて、実は農業だ。
 実りを得るためには、耕す時間も必要だ。」
「でも、今そんな悠長なことは、」
「耕さずに刈り取り続ければ、いずれ何も、実らなくなる。
 うちの連中は、それを知っている。
 刈り取ることだけを、急がせるな。」咳き込む所長。
「大丈夫ですか?」
「ああ。」
所長に水を渡したとき、柴田は所長のノートに気づく。
『クルマを売ることは
 未来を作ること』
所長を見つめる柴田。
「営業所を、頼む。
 俺は、君を、信じている。」所長が頭を下げる。

柴田家
「うちなんか取材して記事になるの?」と真理子。
「なるなる!企業戦士を影で支える美人妻ってね。
 人気企画なんだ。」と大森。
「美人妻かー!」
「しかし、柴田はすごいよ。
 30そこそこで、天下のミヤケ自動車の係長だもんな。」
「高村君なんかもっとすごいんでしょう?
 通産省自動車課の、課長補佐だっけ?」
「俺は、相変わらずペーペーだ。俺だけ味噌っかすだな。」
「そんなこと。」
「柴田を選んだ真理子の目に、狂いはなかったってことだ。」
「偉くならなくていいのよ。のんびりやってくれた方が。
 あの人、全然休まないんだもの。」
「寂しすぎるよな。話するのが、夜食の時だけだなんて。
 俺ならもっと一緒に、」
「寂しいなんて言ってない。
 どこの課程もこんなものよ。
 第一線で働いているんだもの。
 家庭を顧みる余裕が無いの、当たり前じゃない。」
「・・・」

病院
岡野は家族写真と、ミニカーを見つめ、
そしてカレンダーの19日を気にする。

夜、久子が横山家を訪れると、家の中から大きな物音と息子の怒鳴り声。

家に上がると、敦也がバットを手に暴れていた。
「敦也!」息子を止めようとする母。
「バカヤロウ!ふざけんな!」
あまりの光景に固まる久子。
早苗はイスに身を隠す。
「やめなさい!敦也君、バット、バット下ろして、ね!」と久子。
「警察呼んで下さい。」
早苗の言葉に敦也は再び暴れだし・・。

そこへ、岡野が駆けつける。
「所長!どうして・・」
「よせ、敦也君!」
「警察なんか呼びやがって!」バットを振り回す敦也。
「警察じゃない!俺だ!
 ミヤケモータースの岡野だ!」
「うるせー!」
「落ち着くんだ!
 君に、渡すものがあって来た。」
「来んな!」
バットを投げ捨て部屋に篭る敦也。

「一体どうしたんです。奥さん!」
「死ねって・・
 酒ばっか飲みやがってお前なんか死ねってあの子・・。」
「何があったんですか。」
「今朝、もめたんです。
 主人と息子・・。」

朝、部屋でルービックキューブをしていた敦也の座るイスを
突然蹴り飛ばす父。
「生活態度が悪いから三流大学も落ちるんだ!」

「主人大声を出して・・
 私のことも責めるんです。お前のせいだって・・。
 お酒飲んじゃって・・
 そしたら、あの子が来て・・
 お前はもう死ねって。」そう言い泣き出す早苗。

「敦也君、入ってもいいか?
 今日は君の・・・誕生日だよな。」
「誕生日・・」と久子。
「毎年祝電で済ませてきたが、今年は、渡したいものがあって来た。
 入るぞ。」
ドアを開けると、敦也は岡野に突進。
「帰れったら!」
暴れる敦也を抑えようとする岡野。
「槙野!」
「はい!」
「ポケット!俺の上着のポケット!」
「はい!
 これですか?」
ポケットから一枚の写真を取り出す久子。
「これを君に渡したかった!この写真を!
 最初に車を買っていただいたときの写真だ。
 見ろ!この赤ん坊が、君だ。見てみろ!
 古臭いクルマだろ?
 これでも38万9千円もしたんだぞ。
 当時としちゃ大金だ!
 暮らしも、楽じゃなかった頃に、無理して買って下さった。
 どうしてだか聞いたことはあるか?
 どうして車を買ったか。
 ・・・君だよ。君が生まれたからだ。
 今でもはっきり思いだせる。
 お母さんがお姉ちゃんをおんぶして、
 お父さんが赤ん坊だった君を抱いて、
 営業所に見えられた。
 この子に、広い世界を見せてやりたい。
 だからクルマが欲しい。
 そう仰った。
 君は知らんだろう。赤ん坊だったから。
 だが俺は覚えてる!
 君は、待ち望まれて生まれた子だ!
 家族に、喜びを運んできた子だ!
 俺は知ってる。ちゃんと覚えてる。」
岡野の言葉に号泣する早苗。
そして、敦也も声を出して泣き出し・・。
岡野はそんな敦也をぎゅっと抱きしめる。
「大丈夫だ。君は大丈夫だ。」

「なんだこれは!
 早苗!一体何の騒ぎだ!」横山が帰ってきた。
「横山さん。」
「岡野さん・・あんた何してるんですか?」
「あなたの代わりです!」と久子。
「え・・」
「本当は、お父さんに抱きしめてほしいんです!
 どうして、背中を向けるんですか?」
「何を言ってるんだ!」
「向き合ってあげて下さい!
 初めて、車を買った時みたいに・・
 初めて、ドライブした時みたいに・・
 逃げないで!
 見捨てないで!」
「もういい。」と岡野は久子に言い、久子が持つ写真を敦也に渡す。
「帰るぞ。」
「はい!
 ・・・所長!?所長!?」
岡野が倒れた。

病院
岡野に付き添う久子。
「今・・何時だ?」岡野が目を覚ます。
「8時です。」
「仕事は、いいのか?
 気を抜いたら、トップセールスの座から転げ落ちるぞ。」
「所長!」
「なんて顔してるんだ。」
「無茶しないで下さい。医者に黙って、病院抜け出すなんて。」
体を起こそうとする岡野。
「ダメですよ!」
「心配するな。
 もう平気だ。
 なあ、槙野。」
「はい。」
「どうしてだろうな・・。」
「え?」
「みんな、一生懸命働いてきた。
 もっといい明日がある。
 もっと幸せになれる。
 そう信じて・・
 健気に働いてきて、ようやく今の暮らしを手に入れた。
 ・・・それがどうだ。
 車は、汚れたまま捨てられて、
 家には家族がいない。
 ・・・こんなはずじゃなかったのにな。
 こんな所にたどり着くはずじゃ・・。」
「所長・・」
「あの子が、バット振り回して叩きつけていたのは・・
 あれは悲しみだ。
 血を吐くような、悲しみだ。
 槙野。」
「はい。」
「お前は、希望を売れ!」
「え?」
「車を希望に変えて、喜びと共に売ってくれ!
 お前なら出来る!」
岡野はそう言い、久子の手にミニカーを握らせる。
「いいな。」
「・・・一人じゃ無理です。所長がいないと。
 側にいてくれないと。一人じゃ・・。
 早く元気になって下さい!
 そうじゃないと・・渡し・・」
泣き出す久子を抱き寄せる岡野。
久子は岡野の胸で号泣し・・。

病室にやって来た柴田は、そんな二人を目撃する。

「約束して下さい。
 どこにも行かない、側にいるって。」
「側にいる。約束する。」
「ずっとですよ!」
「ああ。ずっとだ。
 ・・・もう泣くな。
 泣くな。」
その言葉に顔を埋めて泣き出す久子。

柴田は声をかけずにそっと病室を跡にした。

岡野のベッドに入り、岡野の隣りに横になる久子。
眠っている岡野の唇に、そっとキスをし微笑んだ。

1980年12月8日
「ビッグニュース聞いたか!?
 ジョン・レノンが撃たれた!」
谷口がそう言いながら営業所に駆け込む。
「え!?」「嘘!?」「俺立ち直れない!」
「百恵ちゃんは引退しちまうし、王選手も現役やめちゃうし、
 何なんだろうな、今年は。」と佐々木。
「はい、では日曜日に伺います。
 ありがとうございました。」久子が電話を置く。
「嬉しそうだね。」と藤山。
「はい!」
久子は柴田の机へ行き、
「横山さんからご注文いただきました。
 週末に契約してきます!」と報告。
「そうか!」
「年末、ご主人の田舎に帰省されるそうですよ。
 ご家族揃って車で。」
「良かったな。」
「・・ちょっと出てきてもいいですか?」
「ああ。
 伝えたい人がいるんだろ?
 戻ってきて日報賭書けよ。」
「はい!」

花束を手に病院に笑顔で駆けつける久子。

営業所の電話が鳴る。
「はい。ミヤケモータース城南営業所でございます。
 東都病院さん、」

岡野所長の顔に、白い布が被せられていた。
久子はその場に立ち尽くし・・。

病院にやって来た柴田は、久子に岡野のノートを渡す。
「所長のノート、お前が持ってろよ。」
久子はノートを受け取りページをめくっていく。
『クルマを売ることは、
 未来を作ること』
「嘘つき・・。
 約束したのに・・。
 側にいてくれるって・・ずっと側にいるって・・。」
久子はノートを抱きしめて泣き出し・・・。

葬儀の日は雪だった。
久子たちは空を登っていく煙を見つめて涙する。
久子の手には、岡野のミニカー。

「病気は、肺ガンでした。
 入院した時には、もう手の施しようがないほど、
 進行していたそうです。
 所長は、全部知っていました。」


アベベ
「ただいま・・」
「ちょっと待って!」
光枝がお清めの塩をまく。
「大丈夫?」
「・・うん。」
店の中には、父・浩太郎がいた。
「お帰り。」
「あんたも食べるでしょ?」と光枝。
「どういうこと?」と久子。
「・・・ま、座れ。」と浩太郎。
久子が浩太郎の隣に座る。
「お前と、話したくて来たんだ。
 いいか?」
「・・・うん。」
「飲むかね。」
ビールを注ぐ浩太郎。
「俺・・すぐに戻るつもりだったんだよ。
 借金返したら、すぐに、帰れる。
 そう思ってたんだよ。
 だけど・・働いても、働いても、借金が嵩んで・・
 どん詰まりになっちまってよ・・。
 そんな時・・ここ(心)に、穴が開いてな。
 その・・空っぽの、得たいの知れない穴が、帰りたいっていう気持ちを
 飲み込んじまうんだよ。
 今になってわかったんだが、その穴っていうのは・・・
 後悔だ。
 その後悔が、ここへ、巣作っちゃってよ。
 怖かったんだよ。その穴と向き合うのが。
 だから・・・逃げて逃げて・・
 そのうち・・戻れなくなっちまった。」
そう言い寂しそうに笑う父を睨む久子。
「逃げきれりゃしませんよ。
 生きた分だけ、後悔も増えるんですから。
 抱えて、踏みとどまって・・
 生きていくしかないんです。」
光枝はそう言いお好み焼きを出す。。
「ほら、冷めないうちに、しっかり食べて。
 しっかり生きていかなきゃ。」
母の言葉に久子はビールを飲むと、お好み焼きを口に運ぶ。
二人で一つのお好み焼きを突く父と娘・・。

「じゃ。」父が帰っていく。
「お父さん!
 覚えてる?あの時言ったこと。
 一緒にドライブした時のこと。」

「ねえ、どこ行くの?」
「チャコはどこに行きたい?」
「・・・ずーっとずーっと先!お日様の向こうまで!」
「よーし!お日様を追い越して、ずーっと先まで走ってみるか!」

「お前は、お日様の婿まで走ってるよ。」
父の言葉に泣きべそをかく久子。
浩太郎は、そんな久子の頭を撫で・・そして立ち去った。

「たった一度だけ、父が帰って来た、夜のことでした。」


※一部公式HPあらすじを引用しました。


今回も、心に染み渡るようなストーリーが詰まっていました。

所長と久子の関係は、師弟愛以上のものがあったのかな。
久子がキスしたのにはびっくりしました。
久子にとって、上司であり、父のような存在でもあり、
とてもとても大切な人だったんですね。

そして・・久子の思い出は美化されたものだったんですね。
本当は、ぴっかぴかな車ではなく、セコハン・・中古車だった。
その日の幸せな思い出を、何度も何度も思い浮かべているうちに、
中古車は新車に姿を変えていた。
そう思うと切ないです。

久子が目を輝かせながらそう話していたのを、
光枝はどんな思いで聞いていたのでしょう。
あれは中古車だったよ、なんて訂正することは出来なかった。
久子の大切な、数少ない父親との思い出だったから。

失踪した父との再会、そして失望。
アベベには、所長という大きな存在を失った久子のことを心配して、
光枝が呼んだのでしょうか。
父親との間のしこりが無くなって、良かった。

横山家にも、所長たちのお陰で平和が戻りました。
敦也が生まれた記念に買った初めての車。
貧しくても、家族の心は結びついていて・・。

「みんな、一生懸命働いてきた。
 もっといい明日がある。
 もっと幸せになれる。
 そう信じて・・
 健気に働いてきて、ようやく今の暮らしを手に入れた。
 ・・・それがどうだ。
 車は、汚れたまま捨てられて、
 家には家族がいない。
 ・・・こんなはずじゃなかったのにな。
 こんな所にたどり着くはずじゃ・・。」

忙しさに追われて、一番大切なことをどこかに忘れてきてしまう。
余命を知っている所長のこの言葉に、胸が痛くなります。

家族に誕生日を忘れられていただけでなく、
父親からあんな風に一方的に叱られたら(しかも暴力的に)
敦也はどれだけ傷ついたか・・。
1枚の古い写真が、横山家の心をもう1度寄り添わせてくれた。
所長は、自分にとって記念すべき第一号のお客様を
もう1度幸せにし・・そして命絶え・・。

「お前は、希望を売れ!
 車を希望に変えて、喜びと共に売ってくれ!
 お前なら出来る!」

久子は所長のこの言葉をどう貫いていくのでしょう。

ところで、敦也役の浅利陽介君は『ROOKIES』では野球部員なので、
バットをそんな風に使っちゃダメだよーなどと思ってしまいました!



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B001340ZZM孤独の向こう平原綾香 川江美奈子 藤井理央 DREAMUSIC( C)(M) 2008-04-16by G-Tools



【キャスト】

槙野久子(夏川結衣)
昭和24年生まれ。
10歳のときに、父が借金を背負い失踪。母・光枝に女手一つで
育てられる。高校卒業後、一流企業の興亜化繊のOLとなるが
不文律の定年25歳を前に居場所を失う。
一生懸命働ける場所を求めて、自動車セールスの世界へ。
「女に車が売れるはずがない」という常識を覆して
トップセールスマンに成長する。
のちに外資系の輸入車ディーラーに転職。社長へと上りつめていく。

柴田隆男(椎名桔平)
久子の幼なじみ。
高校時代、久子の気持ちに気づかず、仲間の一人・真理子と
つきあい始め結婚。
大学卒業後、ミヤケ自動車(メーカー)に就職。
ディーラーに出向しているときに久子と同じエリアの担当になる。
メーカーに戻ってからは、アメリカ勤務をへて購買部次長として
部品の購入やコスト管理を担当。
平成7年、日米自動車協議の時には渉外担当として通産省の方針と対立する。

柴田(野沢)真理子(石田ひかり)
久子の高校時代の同級生。
久子と隆男が実は互いに想いをよせていることを知りながら、
久子に隆男との仲をとりもつように頼んだ。
結婚式で久子たち同級生と再会し、再び不安になるが、その想いを
封じ込め幸せな家庭を作るために努力する。
人形づくりにめざめ、次第に生きがいを見いだしていく

大森吾郎(山口馬木也)
高校の同級生。
明るい人柄で仲間の潤滑油的存在だが、マドンナだった真理子に
恋心をいだいていた。
一浪一留して小さな経済関係の出版社に就職。
取材で知り合ったミツダ電子の社長に見込まれ秘書に転職。
ミツダ電子はバブル景気にのって急成長し、のちに贈賄事件と
不正融資事件で転落の道をたどる。

高村雅之(大沢健)
高校の同級生。
東大法学部を卒業し、通産省のキャリア官僚となる。
久子のことをずっと思い続けていて、独り者を通している、
日米自動車協議では、WTOに提訴しようとする対米強硬派の
一翼を担い、メーカーを守ろうとする隆男を対立する。

槙野光枝(十朱幸代)
久子の母。
料理屋の娘だったが、仲買人として店に出入りしていた久子の父・
浩太郎と駆け落ち同然で結婚。
久子が10歳のとき、浩太郎が借金を抱えて失踪してからは行商を
しながら久子を育て上げた。
小さなお好み焼き屋「アベベ」を開き、久子の仲間たちのたまり場に
なっていた。愚痴は言うのも聞くのも大嫌い。久子のよき手本である。

槙野浩太郎(石橋蓮司)
久子の父。
青物の仲買人をしていて、幼い久子をよく市場につれていった。
久子が商売を好むのはその影響。
失踪する前に、車を購入し、最初に久子を乗せる。
そのたった一度のドライブの感動が、久子が車のセールスを始める
きっかけとなる。
久子がトップセールスの表彰をうけた記事を見て、再び久子の前に現れる。

岡野英二(蟹江敬三)
久子が働くミヤケモータース城南営業所の所長。
特攻基地の整備兵として終戦を迎えた。
セールスの現場にいたころは、「一日に一台車を売る男」として
有名だった。
人を見る目は確かで、組織作りにも岡野なりの信念がある。
久子は父のように慕う。

谷口克彦(鈴木一真)
ミヤケモータース城南営業所不動のトップセールスマン。
ひたすら売り上げを上げるべく、信念をもってセールスに励む男。
久子とは営業方法が違い、対立することもあるが、次第に認め合う
間柄になっていく。

藤山邦子(梅沢昌代)
ミヤケモータース城南営業所経理担当。
営業所のことは全て知っている。岡野も邦子には頭があがらない。
戦争未亡人で、働く女性の先輩。
久子には好意的で何かと味方になってくれる。

中野晴美(佐藤仁美)
ミヤケモータース城南営業所の事務担当。
適当な年齢で結婚相手を見つけて主婦になりたいと願っていて、
働きまくる久子を敵視している。谷口を思い続けている。

佐々木義男(塩野谷正幸)
営業所の古参セールスマン。
「すっぽん」どあだ名される粘り腰で、好成績をあげている。

森達郎(櫻井章喜)
営業所のセールスマン。
いつも成績は最低レベルだが、全く気にしないお調子者。

阿部幸雄(塩谷瞬)
久子と同期中途入社の気弱なセールスマン。
ぜんそくを患ってきた母を思い、売りにくい排ガス規制対策車を
売ろうとするがうまくいかない。

営業マネージャー・相川(モロ師岡)

八重(秋野暢子)
浩太郎(石橋蓮司)

【スタッフ】
作…山本むつみ
音楽…栗山和樹
主題歌…「孤独の向こう」平原綾香
演出…吉村芳之 西谷真一(NHKエンタープライズ)
制作統括…岩谷可奈子(NHKエンタープライズ)



夏川結衣さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、辛い回でしたね!

久子の活躍に姿をくらませていた父親が、一目娘の顔を見ようと営業所を覗くのは分かりますが、居なくなったときの住所の傍に店を出し、女手一つで久子を育てたのも浩太郎の帰って来る場所を用意していたように思えます(屋号のアベベも浩太郎に分かるようにつけたのかな?)遠く離れた場所でなく近くの寄席で仕事をしていたのが保険に見えてしまい久子への言葉が言い訳にしか聞こえてきませんでした…それでもこれが二人のもとへ戻れない男としてのケジメなのかな?へたに優しさを見せられるよりスッキリするのかも、こんな時だからこそ光江が助言したのかもしれませんね。

居酒屋で大森や高村と話す柴田の言葉が、敵視する営業所の味方で上と闘っていると、とっていいのか、これからもっと大変になるのを営業所の甘い連中は分かっていないととっていいのか本心が理解出来ませんでした!久子のやり方の敵になるのか影から応援するのか来週も楽しみです!

岡野の死が辛いです…あの使い込んだノートのようにお客と付き合ってきたのでしょうね!横山家の異変にもすぐに気がつき対処しようとした矢先なのでしょうね、相手は分かっていると思い込むから必要なことが伝わらない、岡野の立場から見れば何が足り無いのか見えてくるのかな?「耕さずに刈り取り続ければ、いずれ何も、実らなくなる」が柴田に伝わっていればいいけれど、森林伐採とかにも繋がる名言です!

久子の岡野へのキスは複雑な気持ちでいっぱいだったのでしょうね!目の前でみた横山家の対処への尊敬、父親への絶望に悪役を買って光江に伝えてくれた男としての懐の深さ、父親に重ねてオヤスミのチュ、そして恋愛感情もあったのかもしれませんね…これからもっと強い女性になっていくのかな!
Posted by けた at 2008年05月12日 19:22
ちーずさん、こんにちは。
藤山役の梅沢昌代さんという女優さん、ふだんからよく目にする女優さんですよね。名もなき役が多いと思いますが、いい女優さんですよね。ヒロインに味方してくれる役だからなおさらそう思うのかもしれませんが、久子の父を糾弾する心情とその真意が切ないまでに伝わってきて、熱演に見入ってしまいました。
秋野暢子が妖艶でしたね。先週の予告からゾクゾクしてましたが最高でした!最近は情報系の番組でコメンテーターとしてよく見かけますが、本分は女優さんですね!嬉しくなります。
今週の涙腺決壊はラストの親子3人の場面。しみじみとした名場面でした。【二人で一つのお好み焼きを突く父と娘・・。】そう、そのシーンが今週一番泣けました。「父と息子」、「母と娘」よりも、「父と娘」、「母と息子」の関係性のほうがより劇的な気がします。より思いが強いというかな?
Posted by マンデリン at 2008年05月12日 23:33
『別れ』というタイトルだったので、柴田君との生き方≠ナの対立と別れが描かれるのかと、少々不安だったのですが、別れの対象は「父親」と「岡野所長」でした。

「・・・こんなはずじゃあなかったのにな。・・・こんな所にたどりつくはずじゃ。・・・」
日本人みんなが感じていることが、こめられた台詞だったように思います。
岡野所長は「柴田君、君を信じている。」と言っていたけど、その後の時代の流れを考えれば、柴田君が岡野所長のように仕事をしていけるはずもなく(彼の思いとは無関係に)『別れ』は、岡野所長ががんばったような仕事が人と人をつなぐ時代≠ニの別れだったのかもしれません。

なんて書くと淋しくなりますが、このドラマの最大の難関は、我々が「その後の時代」を知っていることにあります。そこを、どううまく描いてくれるのか、興味は尽きません。
Posted by やすこ at 2008年05月14日 17:29
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