2008年11月11日

イノセント・ラヴ 第4話

『幸せの兆し』

佳音(堀北真希)は、少年刑務所を仮釈放された兄・耀司(福士誠治)と
アパートで一緒に暮らし始める。
耀司は、保護司の松下(浅野和之)から紹介された工場で働くことも
決まっていた。

夕食の準備をしていた佳音は、耀司が散歩に出た際に、
壁に貼っておいた殉也(北川悠仁)との写真をはがす。

「お兄ちゃん、ごめんね。
 どうしてかよくわからないけど、
 私はあの人に、お兄ちゃんのことを見られたくなかった。」


教会
みんなが帰ったあと片付けをしていた殉也は、
鋭い視線を感じ、振り返るが、誰もいなかった。耀司がアパートに戻る。
「遅いよお兄ちゃん!どこ行ってたの?」
「ああ・・うん。」
「いっか。早く座って!今準備するから
 明日からしごとだね!
 保護司の松下さんが迎えに来てくれるって。」
「そっか。」
「うん。 
 ごめんね。私も付いていきたいんだけど、
 新しい仕事が入ってて。」
「仕事?」
「うん。ピアノバーのウェイトレス。
 時間は遅いんだけど心配しないで。
 ホステスとかじゃないから。
 それに・・・紹介してくれた人、すごくいい人だし。」
「・・あいつか。」
「うん?」
「いや・・。
 うん!美味いよこの漬物。」
「本当!?自分で漬けてみたんだけど、
 なかなかお母さんの味になんなくて。」
耀司はコルクボードから写真が剥がされていることに気づき・・。

一方、殉也は、昴(成宮寛貴)を訪ねる。
ふたりが会うのは、昴が殉也の留守中に聖花(内田有紀)の人工呼吸器を
停止させた一件以来だった。
洵也の姿に動揺する昴・・。

「返すよ。聖花の部屋の鍵。」と昴。
「・・・」
「こんな危ない男、二度と聖花に近づけられないだろ?」
「昴・・・傍からはどう見えても、聖花は俺の目には生きてるし、
 笑ってる。
 大げさじゃなく、俺の命なんだ。」
「・・・わかったよ。」
殉也はその言葉を聞くと、昴の手に合鍵を戻す。
「だったら大丈夫。
 昴がいたから、ここまでやってこれたんだ。
 俺一人だったらくじけてたかもしれない。
 来週、聖花の誕生日なんだ。
 うちに来てくれるよね?」
「・・・ああ。」

耀司保護司・松下と共に、就職先の工場へ。
「秋山君は、ある罪を犯して、長野の刑務所に服役していたんだが、
 服役中の態度が良かったので、仮釈放が認められたそうだ。
 いろいろと、助けてやるように。」と工場長。
「秋山です。よろしくお願いします。」
無表情で挨拶する耀司を、工員たちはひそひそ噂しながら見つめ・・。

佳音は、殉也がピアノを弾いているパブレストランを訪れる。
「秋山佳音ちゃん。
 19歳か。
 いいよ。殉也の紹介なら間違いないだろう。」と店長の宮川(矢島健一)。
「ありがとうございます。」と殉也。
「よろしくお願いします!」
「でもまだ未成年だよね。親御さんの了承は取ってるの?」
「あ・・私、親はいないんです。」
その言葉に驚く殉也。
「へー。じゃあ、洵也と同じだ。」と店長。

開店前の掃除を始める佳音。
「秋山さん。」殉也が声を掛ける。
「佳音でいいです。」
「じゃあ、佳音ちゃんで。」
「はい!」
「お父さんとお母さん、亡くなったのいつ?」
「・・・6年前・・13歳の時でした。
 家が火事で・・。」
「兄弟は?」
「・・・」
「ずっと、一人?」
「・・・はい。」
「今まで、どうやってきたの?」
「中学を卒業するまでは親戚にお世話になって、
 それからは、色々バイトして。
 でも働くの好きだから。」
「偉いんだね。
 僕は、父が教会のパイプオルガンの職人で、
 周りの人が良くしてくれて、
 音楽学校を出られたんだ。
 あまり恩返しできてないけどね。
 でも・・一人で頑張れるなんて、本当に偉いね。」
「・・・」
佳音は兄のことを言い出せず・・。

工場
仕事をする耀司の下へ、工員・卓夫(浅利陽介)がやってくる。
「秋山さーん。
 ねえ、ある罪って何やったの?」
「・・・」
「ねー教えてよ。」
男を無視して黙々と仕事をする耀司。

パブレストラン
微笑みながらピアノを弾く殉也を見つめて幸せそうに微笑む佳音。
そこへ、昴がやってくる。
昴の姿に殉也がにっこり微笑むと、殉也も微笑返し、テーブルへ。
「こんばんは。」佳音が挨拶する。
「新しい職場はどう?気に入ってる?」
「はい!とっても!」
「ここならずっと殉也のそばにいられるしね。」
「・・・え?」
「あ・・答えなくていいから。」
「お水を持ってきます。」
佳音が席を離れると、誰かが親しげに昴の肩に手を置く。
振り返る昴。
「久しぶり。」
「・・・」
「すごい久しぶりだよね!何年ぶりかな。」
「ああ・・そうだな・・。」
「今、一人?」
その男・ユキオ(中村倫也)は両手で昴の手を包み込む。
それを見て驚く佳音。
佳音の視線に、昴は手を引っ込める。
「もしかして、恋人いるの?
 それまさか女ってことないよね。」ユキオが聞く。
「違うよ。」
「僕ね、時々ここの店来るんだ。
 あの人の弾くピアノが好きで。」
「・・・」
「まあ、気が向いたら連絡して。
 僕今フリーだから。一応。」
ユキオはそう言うと自分の席に戻る。

動揺しながら水を昴に運ぶ佳音。
「見てたよね。」
「・・・」
「いまのは秘密ね。
 ・・・君にも、人に言えない秘密があるでしょ。」
「秘密?」
「お兄さんのこと。」
佳音はその言葉にグラスを落としてしまう。
「すみません!」
「君と、僕だけの秘密だよ。」
昴はそう言い、ガラスを拾うのを手伝った。

佳音がアパートに戻ると、耀司は畳に横になり眠っていた。
「お兄ちゃん!布団敷いて寝ないと風邪引くよ。」
「ああ・・ずいぶん遅いんだな。」
「うん。でもその分時給もいいから。」
「そうか。」
昴との秘密を考える佳音。
「どうした?」
「・・ううん。
 ねえ、明日休みだから一緒にどこか行かない?」
「・・うん。」

翌朝
二人が出かける支度をしていると、
耀司と同じ工場で働いている工員・卓夫が突然やってくる。

耀司は卓夫をアパートの外に連れていく。
「何の用だ。」
「こういうもん買わないかなーと思って。」
瓶に入った薬を見せる卓夫。
「いらないよ。」
「ふーーん。真面目なんだねー。
 妹さん可愛いじゃん!」
「妹に手を出したら殺す!」
「うわ!物騒なこと言うね、お宅!
 何やったの?もしかして殺し?」
卓夫がわざと大きな声で言うと、近所の人が逃げるようにその場を離れる。
「さっさと行け。」

耀司が戻ると、佳音が不安な表情で立っていた。
「・・準備は出来たか?」笑顔を浮かべる耀司。
「うん。」
「行こうか!」

佳音と耀司は、中華街へ。
肉まんを食べる二人。
「うーん!やっぱり中華街の肉まんはコンビニとは違うね!」と佳音。
「そうなのか?」
「そうなのかってそうじゃん!」
「・・・よくわかんないからさ。」
「・・・
 お兄ちゃん!
 これからは、ずっと一緒にいようね。」
「うん?」
「こうやって一緒に美味しいものを食べたり、
 綺麗な景色一緒に見たりしよう!
 お父さんとお母さんが生きてた頃みたいに。」
「・・・うん。」
耀司と手をつないで歩く佳音。
「よせよ、恥ずかしい。」
「いいじゃんたまにはー。
 子供の頃、よくこうやって歩いたよね。
 こっちにお母さんかお父さんがいて、
 私がブランコしてって言うと、
 ビューンって持ち上げてくれた。」
「そうだっけ?」
「いつ頃からかなー。
 ・・・」
楽しいクリスマスの思い出、火事の思い出がフラッシュバックする。
「いつから・・家族で・・手をつながなくなったのかな・・。」
兄の手を離す佳音。
脳裏に浮かぶのは、ベッドの布団を剥がれ、悲鳴を上げる幼い自分。
そして佳音が呼吸困難を起こす。
「佳音?
 佳音・・佳音?佳音?
 いい家族だったよ俺たちは!
 仲良くて、楽しくやってた!
 いっつも一緒で、いっつも笑ってた!
 佳音?佳音覚えてるだろう?
 な!?佳音!!」
「・・・うん。そうだよね。」
「よし。行こうか。」
「うん。」

佳音に笑顔が戻り、そんな佳音を嬉しそうに見つめる耀司。

その後二人は遊園地へ。
メリーゴーランドに乗せた兄の写真を撮る佳音。

街を散策する二人。
そんな中、佳音は、偶然、殉也の姿を見つける。
「・・・お兄ちゃん!」
「どうした?」
「疲れたから、ちょっと休んで行こう!
 あっち!」
佳音は、耀司を店とは逆の方向に引っ張ってその場を離れた。

しかし耀司は、殉也の姿を見逃してはいなかった。

その時、佳音も耀司も気づかなかったが、
殉也は、美月と一緒にいた。
古着店で、日曜学校のお楽しみ会で使う衣装を探していたのだ。

カフェ
「早く食べないと溶けるぞ。」
「あ・・これ、ちょっと溶けた方が美味しいんだよ! 
 うん、美味しい!」
「・・・帰ろうか?」
「え?」
「うちに帰ろう。」
「だめだよ!だって、まだいろいろ行くところあるんだよ!
 展望台だって上ってないし。」
「俺はもうちょっと疲れた。
 帰るぞ。」
「・・・」

アパート
何も貼られていないコルクボードを見つめる耀司。
「佳音。」
「うん?」
「・・お前、好きな人と・・・ダメになったって言ってたよな。
 俺のせいで。」
「・・・好きな人なんていないよ。
 今はもういない。気にしないで。」そう言い微笑む佳音。
「あ・・うん。」
「ほら、お兄ちゃんも食べて食べて。」
「ありがとう。」

その夜、佳音は、幼いころの自分が男に追われている夢を見る。

森のようなところを逃げる佳音。
転んでしまった佳音に近づいていく男。
別の男が助けに入り、その男を突き飛ばすと、
拾った木の棒で何度か殴りつける。。
「やめて!やめて!やめてーー!!」
佳音の悲鳴に、棒を持つ男が振り返る。それは・・耀司だった。

夢から飛び起きる佳音。
兄は隣に敷いた布団で背中を向けて眠っている。
そこへ、誰かがやってくる。

玄関を開けると、大家が立っていた。
「大家の広田ですけど。」
「いつもお世話になっています。」
「あなたの所、お兄さんが一緒にいるんですって?
 ちょっと困るのよねー。怖がっている人もいるし。
 あなたのことは、温情で置いてあげているのよ。
 まさかお兄さんが出てくるとは思わないから。」
「・・・」
「このままだと、あなたにも出ていってもらうことになるから。
 お兄さんの方は何とかして頂戴ねlお願いね!」
「・・はい。」

佳音は心配そうに兄の方を見る。
耀司はさっきと同じ姿勢で眠っていた。
だが、佳音は気づかなかったが、その瞳は開いていて・・。

聖花の部屋
聖花の爪を切る殉也。

殉也の家を掃除していた佳音は、カレンダーの14日に○が付いていることに
気づく。
「誕生日・・」
「明日は聖花の誕生日なんだ。」と殉也。
「あ・・聖花さんの。」
「お祝いしてあげようと思ってるんだけど、
 昴も来るし、佳音ちゃんも来てくれる?」
「いいんですか!?」
「もちろん!」
「はい!」
「良かった!
 ・・今日は鼻歌が出ないんだね。」
「あ・・」
「君が歌うと聖花が喜ぶんだ。」
殉也はそう言い、ピアノを弾きながら歌いだす。

"Amazing Grace"の日本語版です。

するとそこに、美月(香椎由宇)がやってきた。
殉也と親しそうにしている佳音の姿を見て凍りつく美月。

二人が美月に気づく。
「美月!」
「あ・・寸法合わせようと思って来たんだけど、
 また今度にする。」
「いいよ。せっかく持ってきたんだから、測っちゃおう。」
「でも・・」美月が佳音を睨むように見つめる。
「・・あ、私、そろそろ帰ります。」
「もう帰るの?」
「はい。
 また、来週来ます。」

「殉ちゃん、今の子何?」と美月。
「何って、週に1回、掃除しに来てもらってるんだよ。」
「そっか。お手伝いさんか・・。
 名前は何て言うの?」
「秋山佳音。」
「佳音・・。」
「彼女も両親を亡くしているんだ。
 あんなに若いのに一人で頑張ってる。
 なるべく力になってあげたいと思うんだ。」
「・・・そうだ。昨日、昴さんから聞いたんだけど、
 明日聖花さんの誕生日パーティーなんでしょ?」
「うん。」
「私も来てもいい?」
「もちろん。
 にぎやかな方が聖花も喜ぶよ。」
美月はカレンダーに貼られた佳音のスケジュールに表情を曇らせ・・。

翌朝
「おはよう聖花!
 今日はお客さんがいっぱい来るよ。」殉也が聖花に言う。

その頃、佳音はスーパーでケーキの材料を買い物していた。

耀司の働く工場に、池田(豊原功補)が訪ねてくる。
「隠れて妹さんに会ったりしたら、何されるかわかんないんでね。
 直接話そうと思って。
 ・・何か、隠してるでしょう?」と池田。
「・・・」
「何隠してるのかな。」
「帰れ!」
「バレたら妹さん、傷つくようなことかな。」
「・・・」
「あの事件が起きた時、マスコミの論調は、引きこもりの青年が
 親を逆恨みした不幸な事件って感じだった。
 でも、君は、芯の有る、しっかりとした男だ。
 大切に育ててくれた親を逆恨みするようなひ弱な人間とは思えない。
 ・・・誰か庇ってんじゃないのか?」
「何も話すことはない。帰ってくれ。」

アパート
せっかくデコレーションしていたケーキを落としてしまう佳音。
「あーあ・・」

工場
池田と別れ、仕事場に戻った耀司に近づいてきたのは卓夫だった。
「あんたさー、親殺したんだってな。
 すんげーよな。
 普通出来ねーよそんなこと。」
「・・・」
「殺す時ってさ、どんな感じなの?
 ナイフが食い込んでいく感じって。
 やっぱさ、普通に肉とか切るより、
 弾力があったりするわけ?」
耀司は、そんな卓夫を工具で殴りつけると、倒れた彼に向って
電気ドリルを突きつけ・・。

佳音に見せる優しいまなざしとは全く別の顔!
人を殺した時のことを面白おかしく聞かれて激怒する耀司。
やっぱりこの人は殺していないんじゃないかな。


長崎家
殉也は、誕生日パーティー用にリビングを飾りつけ、
食事の用意なども済ませていた。
「ちょっとやりすぎかな。
 でもいいよね。
 一年に一度だし。」
殉也が車椅子に乗せた聖花に言う。

するとそこに昴から連絡が入る。
「もしもし。」
「殉也・・ごめん。今日は行けないわ。」
「そっか。仕事忙しい?」
「いや。行かないことにしたんだ。」
「・・・」
「俺は二度とこの前みたいなことはしない。
 お前が聖花の面倒を見続けるっていうなら
 出来る限りサポートはするつもりだ。
 でも、この前言った事は・・
 俺の気持ちは、変わってないんだ。
 聖花はもう起き上がることはない。
 笑うことも。」
「・・・」
「そんな聖花に、お前が心を囚われているのは良くないことだって
 俺は思ってる。
 だから・・パーティーには行けない。ごめんな。」
「・・わかった。」

その頃美月は自分の部屋で、『長野両親殺害放火事件』について
調べていた。
そこへ、殉也から電話が入る。
だが美月は電話には出ずに、ネットの記事を読み続け・・。

佳音は、聖花のためのバースデーケーキをやっと作り上げる。
するとそこに、耀司の働く工場から連絡が入った。
「もしもし。」
「もしもし?お兄さんのことで、ちょっと来てもらえますか?」

耀司がトラブルを起こしたことを知った佳音は、工場に駆けつける。
「一体何なんだ!黙ってちゃワケがわからんだろう!
 あ、妹さんだ。」と岩崎工場長(有福正志)。
「お兄ちゃん・・どうしたの?」
「うちの若いのとケンカになって!
 理由はわからんが。」
「ケンカ!?」
「いやあの・・違うんです。
 俺が悪いんです。俺が、いろんなこと、余計なこと言ったから。」と卓夫。
「やっぱり無理なんだな!
 やっぱりあんたみたいな人間を、ここに置いておくわけにはいかないよ!」
「すみませんでした!
 兄には、私からもちゃんと言います。
 もう二度と面倒は起こしませんから!
 本当に、本当にすみませんでした!」
必死に謝る佳音。
耀司はそんな佳音を見つめ・・。

耀司とともにアパートに戻ってきた佳音。
ケーキを見つめてすこし考えたあと、
「お兄ちゃん、私ちょっと出てくる。
 すぐ戻るから。」
そう言いケーキを手にアパートを飛び出していく。

長崎家
「・・・そろそろワイン開けようか。
 ・・そうしよう。」
聖花にそう語りかけ、ワインをあけようとした時、
インターホンが鳴った。

「佳音ちゃん・・」
「ごめんなさい、遅くなっちゃって。
 もうみんな帰っちゃいましたか?」
「あ・・いや・・」

「誰も来なかったんだ。
 良かった。君が来てくれて本当に。
 ありがとう。」
「あ・・ケーキ。
 走ってきたから崩れちゃったかもしれないですけど・・。」
ケーキを開ける殉也。
「セーフ!」
「良かった!」
「あ・・ギリギリ、セーフ!」
「そうですね!」
「じゃあ、食べようか!」
「はい!」

「聖花、佳音ちゃんがケーキ作ってきてくれたよ。」
「おめでとうございます!」

誕生日の歌を歌い、ロウソクの火を吹き消す二人。

窓の外から、そんなふたりの姿をじっと見つめている男がいた。
耀司だった。

カーテンの隙間から耀司の顔が見えるんだろうな、と心構えしていても
怖い!
耀司からは聖花が見えていないんですよね。


あくる日、耀司は、スーパーで金槌を買い求めると、殉也の家へと向った。
こっそり家の中に入り、ようすをうかがう耀司。
金槌を手に、部屋の奥へと進んでいく。
聖花の部屋に足を踏み入れた耀司は凍りつく。
殉也に髪を洗ってもらっている女性が穏やかな表情で
自分のことを見つめていたのだ!

同じころ、佳音のもとに突然、美月がやってくる。
「桜井美月と言います。」
「はい。」
「殉ちゃんのことは小さい頃からよく知っています。
 父同士仲良くて。」
「・・・」
「あなたのことを、全部調べさせていただきました。
 お兄さんのことも。」
「・・・」
「あ、殉ちゃんに言うつもりはありません。
 その代わり・・・彼の前から黙って消えてください。」
「・・・」
「彼には、聖花さんていう大きな十字架があります。
 これ以上余計なものを背負わせるわけにはいかないの。
 彼の純粋で綺麗な世界を、あなたの存在で汚して欲しくない。」
「・・・」
「わかるわよね。」
「・・・」

殉也は約束の時間を3時間過ぎても訪ねてこない佳音に
電話をしてみる。
だが電話は電源が切られているのか繋がらなかった。

編集部
「長野の親殺し、まだ追っかけてるのか?
 本当に芽があるのか?この事件。」上司が池田に聞く。
「大ありですよ。
 ちょうど今、宝の山掘り当てたところです。」
「ふーん。」
「犯人の、秋山耀司の妹。
 事件のあと、PTSDで、地元の精神科に掛かってるんです。
 その医者の居場所を突き止めました。」
「医者は喋らないだろう。守秘義務があるから。」
「そこは上手く喋らせますよ。」


その夜、池田は、誰もいない編集部で耀司の事件についてまとめていた。
『長野両親殺害放火事件に新事実!
 「週刊時潮」編集部 池田次郎

 兄の歪んだ愛情
 耀司元受刑者と妹・佳音の仲の良さは近所でも有名で、
 2人はどんな時も一緒にいたという。
 耀司元受刑者は佳音を誰よりも可愛がり、佳音が道に迷った時には
 何時間も名前を叫び続け、町中を探し回っていたと近所の人が
 証言していた。耀司元受刑者にとって妹・佳音は特別な存在で
 あった事は周知の事実であった。
 誰の目から見ても仲の良い兄妹であった2人だが、耀司元受刑者の
 佳音に対する愛情はいつしか兄妹愛を超え、兄の妹への
 歪んだ愛情へと化していったのだった。
 そんな耀司元受刑者がひきこもるようになったのは、
 事件発生の1年前、誰よりも愛している妹・佳音を一時も
 自分の目から離したくなかったと考えると納得がいく。
 やがてこの耀司元受刑者の歪んだ愛情が両親殺害という、
 見るも無残な』

物音に立ち上がる池田。
とくに変わった様子もなく、席に戻りパソコン画面を見つめる。
そこに、耀司の顔が映っていた!
耀司はいきなり池田を金槌で殴りつけると、
彼のパソコンにあるデータを消去し始める。

その日、佳音は、約束していた殉也の家の掃除に行かなかった。
が、佳音の足は、自然と殉也がいる教会へと向っていた。
すると、扉が開き、子どもたちと一緒に殉也が出てきた。
佳音の姿に気づいたものの、彼女のようすがおかしいことを感じとる殉也。

「お兄ちゃん、その時私は、大きな罪を犯しました。
 あなたさえいなければと・・心の中で、思ったのです。
 あなたは私のために戦っていたのに。
 あなたのしたことは・・本当は・・何もかも、
 私のためだったのに。」


佳音は、溢れる涙を堪えて、殉也の前から走り去り…。

※あらすじは一部公式HPを引用しています。


佳音のナレーション、これは真実を全て知ったあとの佳音なのですね。

佳音と一緒にいる時の耀司は、笑顔も声もとても優しい。
"佳音"と名前を呼ぶ時も愛情を感じます。
メリーゴーランドに乗せられて恥ずかしそうな耀司も可愛かった。

前半は、耀司の妹へ向ける優しいまなざしに和まされ、
後半は耀司の狂気に震えました。
卓夫に電動ドリルを突きつけた時の冷たい目!
殉也の家の窓ガラスの向こう側に立つ冷たい表情!
スーパーのレジに金槌をポンと乱暴に置く後ろ姿!
殉也を待ち伏せしている時の、スーパーの袋の中の金槌が
太陽に透けて見えるシーン!
サスペンスドラマの恐怖です!

あの時聖花と目が合わなければ、耀司は金槌で殉也を襲って
いたのでしょうか。
もしもそんなことをしたら、佳音がどんなに悲しむか・・。

耀司の暴走は嫉妬という感情ではないと思うんですよねー。
耀司の一番の目的は、佳音を守ること。
耀司の一番の恐怖は、佳音が記憶を取り戻すこと。
それを阻止しようとする為の行動なのでは。

自分のせいで恋がダメになる=佳音、情緒不安定になる=
パニックを起こし、封印した過去を思い出してしまう。
だから殉也を襲ったのか?

佳音が見た夢、あれは実際にあったことなのでしょうか。
耀司の頭が坊主頭なので、あれは佳音が忘れている事実と今が
入り混じったものなのかもしれません。



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2000年12月  
 殉也、聖花の家に着ぐるみで訪ね、交際申し込む  
2001年12月24日 
 秋山家の事件
 耀司、逮捕後両親の殺害を自白したが、裁判では無罪を主張
2004年    
 聖花、殉也との結婚式前日に薬を飲み過ぎて植物状態に
2007年12月  
 佳音、横浜に上京

事件を伝えるネットの記事
『長野両親殺害放火事件とは、2001年12月24日長野県下高井郡で
 発生した、公務員の秋山誠太郎さん(46)、妻の順子さんが 
 刃物で殺害され、自宅が放火された事件。
 事件発生時、長男の耀司さん(18)と長女の佳音ちゃん(13)は 
 駆けつけた消防隊員によって無事保護された。
 しかしその後の調べで、同県警は長男の秋山耀司を事件の容疑者と
 断定し、殺人および放火の容疑で逮捕した。
 逮捕後、秋山容疑者は両親の殺害と放火を自供した。

 警察の調べによると、遺体の損傷が激しいことと、
 発見された居間に灯油がまかれたような跡があったことから、
 失火ではなく故意の放火であると断定。
 また、司法解剖の結果、誠太郎さんの胸部、順子さんの腹部に、
 ナイフによる複数の刺し傷があり、火災発生時にはすでに
 死亡していたことがわかった。
 凶器になったナイフは、事件の二日前に長男の耀司さんが
 近くの量販店で購入したもの。その後警察は、量販店の店員の証言と
 防犯カメラの記録、隣に住む主婦の「事件発生時に、誠太郎さんと
 耀司くんの言い争う声が聞こえた」という証言を得たことなどから、」』


家族写真と佳音の記憶:
佳音=白い服
兄=紺に黄色い文字のトレーナー
母=白いアンサンブルにグレーのスカート
父親=グレーのカーディガンに茶のパンツ

父親が耀司を叱っているときの記憶
父=グレーのカーディガン
兄=黒系フード付きTシャツ

耀司の事件当日の記憶:
兄=紺無地のTシャツ+白いシャツ、黒に白ラインのジャージ
父親=ベージュのカーディガン、ストライプのシャツ、茶系のパンツ
母=ピンク系のトップ、グレー系のスカート

佳音が思い出しかけた記憶:
グレー系のセーター、黒系のパンツの男が佳音のベッドの布団を
剥ぎ取り・・

気になるセリフ:
・「人は見かけによらない」春江の言葉
・「あの日の夜も、本当に楽しかったんです!
 父がいて母がいて、兄がいて。
 みんな笑ってた。
 あの頃は一人ぼっちじゃなかった。
 ・・・兄が二人を・・
 父と母を殺したなんてあり得ません!」(佳音→池田)

・「時々思うんだ。
 聖花の体は確かにここにある。
 けどもし心がここに無いとしたら・・
 だとしたら俺は聖花の何を愛しているのかなって・・。」(殉也→昴)
・「うーん。聖花は、そんなにいい女じゃなかったよ。
 優しくもなかったし、誠実でもなかった。
 いい奥さんになるようなタイプじゃなかった。
 そういう女だからこそ・・好きになるってことも
 あるんじゃないかな。」(昴→美月)
・「事実を・・暴くのが記者の仕事だからね。
 それが事実なら、そうしますよ。」(池田→佳音)

謎:
・殉也の両親の死
 父親はパイプオルガン職人。周りの人が殉也を音楽学校に入れてくれた。
・秋山家両親刺殺事件
・逮捕後両親の殺害を自白し、その後裁判では無罪を主張した耀司
・聖花が植物人間になってしまったこと
・聖花の身内は?
・聖花の裏切りとは?
・昴の好きな人とは?

オープニング:
佳音=destiny(運命・宿命)
殉也=memory(記憶・思い出)
聖花=betrayal(裏切り)
昴=denial(否定)
耀司=sacrifice(犠牲)
手帳に書き込まれるTRUTHの文字
池田=disclosure(暴露・発覚)
美月=jealousy(嫉妬)


フジテレビ公式HP
クロスネックレス劇中使用モデル





イノセント・ラヴ×ヴァンドーム青山コラボジュエリー






ピアノオルゴール


主題歌はアルバムの収録曲
B00005HV8JDistance宇多田ヒカル 河野圭 村山晋一郎 EMI MUSIC JAPAN(TO)(M) 2001-03-28by G-Tools



B001I1D6GKフジテレビ系月9ドラマ 「イノセント・ラヴ」 オリジナル・サウンドトラックTVサントラ EMI MUSIC JAPAN(TO)(M) 2008-12-03by G-Tools



B001GXR0WQイノセント・ラヴ (堀北真希、北川悠仁 主演) by G-Tools



キャスト

秋山 佳音(19) … 堀北 真希
長崎 殉也(28) … 北川 悠仁
桜井 美月(23) … 香椎 由宇  父親が殉也をサポート
秋山 耀司(24) … 福士 誠治

秋山誠太郎(平田 満)
秋山順子

由香里(須藤理彩)
美代子(筒井真理子)

ルリコ … 八木優希
勇 … 澁谷武尊 

松下保護司 … 浅野和之
東野 晋 … 中原丈雄 医師
宮川(矢島健一)店長
卓夫(浅利陽介)
ユキオ(中村倫也)昴のパートナー
岩崎(有福正志)工場長

瀬川 昴(28) … 成宮 寛貴
義道神父(53) … 内藤 剛志(特別出演)
遠野 聖花(28) … 内田 有紀
池田 次郎(43) … 豊原 功補

Bar Primo Piano

スタッフ

脚 本
 浅野妙子
音 楽
 菅野祐悟
MAYUKO
主題歌
 宇多田 ヒカル「Eternally - Drama Mix -」
プロデュース
 中野利幸
演 出
 加藤裕将
松山博昭
制 作
 フジテレビドラマ制作センター



堀北 真希さんの主な出演作品



『ゆず』の音楽


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、このドラマは意外いとベタなのかもしれませんね?複雑に入り混ざっているけど今までの浅野妙子さんの作品をみると、どうなるの?はあるけれどミステリー性は無い作品が多いみたいですね社会で孤独になる若者を描くのが得意そうです!

皆さんと同じように当初から佳音と殉也の恋愛の描き方が不思議に感じていましたが今回、両親が泣くなり耀司が捕まったあとの生活が描かれていなかった事に気づきました、兄の事でバイトが続かない事や恋愛にも自信が持てないところを、育ってきた環境の中学生時代でも描いて欲しかったかな?他人の写真を撮ったり盗んだり無断で家に入る事が印象に残りすぎましたね〜友人がいないとかセリフでも言ってたけど、足らない気がしますしました、せっかくのセコムしているのに皆スルーして出入りも〜色々考えて来たけれど池田の記事が一番しっくりきます!記事の続きでも皆さんの予想通りなのかな?佳音が道に迷ったときの、兄の狼狽と、夢のなかの耀司の狂気、現実でも襲い掛かる姿に佳音のためなら何でもする意思がうかがえます!しつこく疑問を持つ自分は聖花の髪を洗う殉也をみて犯行を留まるところは佳音の家族は血縁関係が無い、薄いのかな?寄せ集めと言うか、耀司も髪を洗っていた姿をみていたのかな?

美月の嫉妬も怖いですね〜名前から過去を洗うとは、もしかして嫉妬心が無いと他人を好きになれないのかな?今までの情報では、お嬢様なので誰にでも同じ愛を与える殉也を独占したいのか〜昴とユキオは…中村さんは『ジャッジU』の友人をコントロールして『ギラギラ』ではライバルのクラブを破綻させる役でしたね!二作品を見た後なので怪しさ満
載です、顔つきは悪ではないのに〜次作品も楽しみな子です〜やはり推理を続けようと思ったのは、ここだけに書いておこう
Posted by けた at 2008年11月12日 20:29
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イノセント・ラヴ 第4回 感想
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イノセント・ラヴ 第4話「幸せの兆し」
Excerpt:  第4話「幸せの兆し」
Weblog: Happy☆Lucky
Tracked: 2008-11-11 23:18

イノセント・ラヴ 第4話 「幸せの兆し」
Excerpt: とりあえず殉也(北川悠仁)を見ただけで何もせず帰る耀司(福士誠治)。
Weblog: テレビお気楽日記
Tracked: 2008-11-12 17:33

イノセント・ラヴ 第4話:幸せの兆し
Excerpt: やっちまったなぁ┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ〜<br />妹の為に、罪を重ねる男がいたんですヨ〜{/face_gaan/}<br />男は黙って 不法侵入{/ee_2/}<br />男は黙って 殴打{/ee_2/}<br /><br />う〜ん、やっぱり両親を殺した..
Weblog: あるがまま・・・
Tracked: 2008-11-15 15:43
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