2009年04月23日

アイシテル−海容− 第2話

『禁断の葬儀』

小学生の母親として、また妻として、ごく普通の生活を送っていた
主婦の野口さつき(稲森いずみ)。
しかし5年生の息子・智也(嘉数一星)が、小沢聖子(板谷由夏)の
息子・清貴(佐藤詩音)を殺害した罪で警察に保護されてしまった。
淡々と殺人を認める智也に、さつきと夫の和彦(山本太郎)は
「なぜうちの子がこんなことを・・」
「自分たちの育て方が間違っていたのか・・」
と悩み苦しむ。

いっぽう聖子もまた、ニュースで小学生が犯人だという事実を知り
ショックを受けていた。
だがなによりも聖子を苦しめていたのは
「私がランチのために15分家を空けなければ、
 キヨタンはいなくならなかった」
という、母親としての責任と後悔の念だった。
見えないキヨタンにあやまり、話しかける聖子の様子を、
娘の美帆子(川島海荷)や夫・秀昭(佐野史郎)は心配する。


取調室
「智也?嘘でしょ?
 あなたが、あんなことするなんて。
 何があったの?お願い、本当のこと言って。」
「本当だよ。」
「嘘よ!あのジャンパーだって、何か理由があるのよね?
 ほら、ちゃんとみんなに説明しなさい!
 口ついてるんでしょ?」
「お母さんこそ、耳付いてんの?」
「・・・」

「刑事さん、僕が殺しました。」
両親の前で淡々と、そう語る智也。なぜ智也はこんなにも両親に対して心を閉ざしてしまっているのでしょう。
私が智也の母親なら、事件を起こしたのと同じくらい、
この時の智也の冷たい目にショックを受けたと思います。

「現実を受け止めて下さい。」
刑事の言葉もすぐには受け入れることは出来ないさつきと和彦・・。


ランドセルを抱きしめながら自分のことを責め続ける聖子。
食事を取る事も忘れ、考えるのはキヨたんのことばかり。
「ごめんねママのせいで・・」
「やめてくれ!!
 頼むから自分を責めないでくれ!
 それでキヨたんが帰ってくるわけじゃない。」
「キヨたんを返してよ!
 何で・・なんで死んじゃったの?誰が殺したの?
 許せない・・返して!!返してよ!!」

最愛の息子を奪われた、底無しの悲しみ。
被害者の立場なのに精神的に追い詰められていく小沢家・・。
彼らは、犯人が10歳の少年だと、テレビのニュースで知らされます。


智也のジャンパーに付いていた血痕は、清貴のものだった。
智也は児童相談センターから鑑別所に送られる。

証拠品として押収され、空っぽになった智也の部屋。
「あの刑事が言う通り、現実を受け止めるしかないんだ。
 あいつ、警察で俺のこと見もしなかった・・。
 俺達の知らない智也がいたんだ。」
「智也のあんな顔・・」
「俺さ、正直・・あいつに会うのが怖いよ。」
「・・怖い?」
「お前は違うのか?」
「私は・・・私は・・・」
その時、部屋に石が投げ込まれる。
「何!?」
「・・嫌がらせだよ。」
「嫌がらせ?」
「俺達・・殺人犯の親だからな。
 これが俺達の現実なんだよ。」
思わずその場に座り込むさつき。
「どうすればいいの?私達・・これからどうすれば・・。」
「さあな・・。
 ただ一つだけ言える事は・・
 これからは一生・・
 こういう物を背負い続けて生きていくってことだ。」

野口家がこれからしなければならないのは、
重い現実を受け止めること、
そして、罪を犯した子供と向きあうこと。
言葉で言うのは簡単だけれど・・。


和彦は事情を説明しに会社へ行く支度を始めます。
「智也のことは?」
「今はどうにも出来ないだろ?」
「だからって・・今会社のことなんて。」
「俺はな、会社に人生掛けてきたんだよ。」
和彦の気持ちが理解出来ないさつき。
そしてさつきは、清貴の告別式へ行こうとします。
「やめとけ。頭を下げて済む問題じゃないんだぞ。」
さつきの気持ちを理解出来ない和彦。

マスコミから隠れて裏口から出かけていく和彦。
マスコミの中を掻き分けてタクシーに乗り込むさつき。

被害者家族に謝ろうとするさつきの姿勢。
物凄く勇気のいることだと思います。
智也の母として、自分がしなければならないこと、
そんな思いで出かけていったのでしょう。


さつきが葬儀会場に着くと、秀昭が喪主の挨拶をしていました。
「清貴は、私達家族の太陽でした。
 その太陽を、奪った犯人が、まだ、幼い少年であったという
 事実に、私達は衝撃を受け、混乱しております。
 ですが、犯人が誰であろうと・・
 家族の思いはただ一つ!
 清貴を殺さないでほしかった!!
 生きて返してほしかった!!」

秀昭の言葉に耐え切れず、さつきはそこから逃げ去ります。

そんなさつきに声を掛ける家庭裁判所の調査員・富田(田中美佐子)。
「大丈夫ですか?
 智也君の、お母さんですよね。
 警察で、一度だけお会いしたんですけど。
 私、家庭裁判所の調査官の、富田です。
 智也君の事件を担当することになりました。」
「智也の・・」
「はい。」
「取り返しのつかないことを・・
 どうすればいいんですか・・
 私はどうすれば・・。」泣き崩れるさつき。
「お母さん、落ち着いて下さい。
 ちょっと、深呼吸しましょうか。」

「私・・行かなきゃと思って。」
「葬儀に、参列しようとなさったんですね。」
「智也がしたこと、謝らなきゃって。
 でも・・そんな簡単なことじゃなかった。
 智也がしたことは・・。
 こんなことになってしまって・・私どうしていいのかわかりません。
 何もかも。」
「何もかも?」
「一生懸命育ててきたんです。
 あの子が産まれてからは、仕事も辞めて、育児に専念して。
 母親としてやるべきことは一切手抜きせずに、
 精一杯、育ててきたつもりでした。」
「そうですか。」
「夫が、あの子に会うのが怖いって言うんです。
 私否定できなくて。
 母親なのに・・。
 会いたい。会いにいかなきゃって思うのに。
 やっぱり、会うのが怖くて・・。」
「・・・私が、調査官補の頃、ある裁判官が、
 こんなこと言ったんです。
 親子の関係は、片思いの恋愛に似てるって。
 相手の心を知りたくて、でも知るのが怖くて。
 傷つきたくないから、なかなか一歩が踏み出せない。
 でもその一歩を踏み出さないと、相手の心には、
 永遠にたどり着けませんよね。
 片思いのまんま。
 一緒に、答えを見つけましょう。」
富田の優しい言葉に頷くさつき。
「野口さん、智也君のこと、好きですか?」
「・・え?」

自宅に戻ると、ドアには落書き。そして、嫌がらせ電話。
会社側に自宅謹慎を命じられた和彦は、ビールを空けていました。
「葬儀に行ったのか・・。
 だから言ったろ。お前はかってないな。
 何もわかっちゃいない。
 智也のことも、俺のことも。」
「・・・」
「ここは出ていくしかねーな。
 まいったな。」

そんな中、何も知らない母からの電話。
母親の優しい声に泣き崩れるさつき。

小沢家。
仏壇の前から動くことの出来ない聖子。
「キヨたん・・本当にいなくなっちゃったのね・・。
 二度と会えないのね・・。」
「会えるよ。ママは天国でキヨたんに。
 私は無理だけど。地獄行きだから。」と美帆子。

「天国には行けないよね。
 消えちゃえばいいなんて言っちゃって・・。
 でも・・本当に消えることないじゃん。
 ずるいよキヨたん!
 もう私に勝ち目ないじゃん。
 バカ!チビ!
 面と向かって言えないじゃん!
 ・・・なんで死んじゃったの?
 嫌いだったけど・・又会いたい!
 ケンカしたいよ!
 キヨたんのバカ・・。バカ・・。」
清貴の部屋で1人泣き崩れる美帆子・・。

「消えちゃえばいいのに。」
美帆子はそう思ってしまったことを、自分は天国には行けない、と
思うほど責めていて・・・。


実家に帰ったさつきを、母(藤田弓子)と妹(田畑智子)は
温かく迎え入れます。

「おばあちゃんの肩揉んでくれるなんて言ってくれてね。
 ・・・優しい子だよ。
 あんなことするような子じゃない。
 それなのにどうして・・」泣き出す母。
「わからないの。
 どうしてこんなことになったのか。
 ここ数日で、私が信じてきたものが全部消えて・・
 何もかも、変わっちゃった気がして。
 どうしていいかわからない・・。
 答えなんか見つからない。」
「お姉ちゃん・・」
「母親失格よ・・。」
「そんなことない。
 そんなことないよ。」さつきを抱きしめ、一緒に涙する母、妹。

翌朝、さつきには雑炊が用意されていました。
懐かしい、温かい母の味に、さつきは少し笑顔を取り戻します。
そして、思い浮かぶのは、富田の言葉。
「智也君のこと、好きですか?」

小沢家
仏壇の前に座る聖子。
「聖子・・気持ちはわかるけど、食べるなり寝るなりしないと。」
「いいのよ私なんてどうなっても。」
「聖子・・」
「あんな目に遭ったキヨたんに比べたら。
 こんな小さな箱に入ってしまって・・。
 もう触れることも・・抱きしめることも・・
 頬擦りしてあげることも・・
 永遠に出来ない!
 憎い・・キヨたんをこんなにした犯人が憎い!
 その子も・・死んでもらいたい。
 何歳だろうと関係ないわ!」

関東少年鑑別所
智也に対し、気さくに明るく接する富田。

「この間さ、息子から借りた、バトルフォース、
 ガン!ガン!ガンガン!ゴーーーッ!
 すっごい面白かった!」
「・・それ、もう古いよ。」
「そうなの?マジで?
 あ・・そうか。私、中古しか買ってあげてなかったんだ。へへ。」
富田の言葉に微笑む智也。
「おばさんの子供って、何歳?」
「4年生。」
「どんな子?」
「どんな子かー。そうねー。
 勉強嫌いだし、だらしないし、あ、時々しょうもない嘘つくの。
 すぐバレるけど。」
「へー!」
「悪い子じゃないんだけどね。
 って、親の私ぐらいは思ってないと。」
この時、智也の表情からすっと笑みが消えました。
「・・・」
「智也君、どうかした?」
「別に。」
「・・・」

鑑別所にお弁当を持ってきたさつき。
「智也に会いに来ました。」
「お弁当ですか?」
「はい。あの子に、食べさせてあげたかったんですけど。」
「あー、そうですね。規則ですもんね。」
「この間の、答えですけど。
 私は智也が好きです。
 私は、あの子の母親ですから。
 どうしたらいいのかまだわかりませんけど、
 今私に出来ることを、やりたいと思って。」
「大丈夫ですよ。もう一歩、踏み出したんですから。
 その先にきっと、答えはあります。」
富田の言葉にさつきは笑顔を浮かべて頷き・・。



富田が息子のゲームで徹夜したのは、智也との会話のきっかけを
掴むためだったのかな、と思いました。

「悪い子じゃないんだけどね。」
この言葉に反応した智也。
さつきがどのようにこの言葉を使っていたのかわかりませんが、
智也は母親に嫌われぬよう、いい子を演じるのに
疲れてしまったのかな・・。

さつきは母・敏江の温かい愛情で、一歩踏み出すことが出来ました。
「私は智也が好き。」
まずは、その思いを智也に届けること。
そして、智也がしてしまったことを一緒に受け止めること。
さつきには、守りたいもの(智也)がいる。
さつきには、支えてくれる母親と、一緒に考えてくれる富田がいる。
和彦は、智也と向きあうのにもう少し時間が掛かりそうですが・・。

まだ10歳の殺人犯に対して殺意を覚える聖子。
守らなければならないもの(清貴)を奪われてしまった小沢家。
家族が受けた深い傷は、どうすれば癒えるのでしょうか。
どんなに考えても答えは見つかりそうにもありません。


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公式HP

原作
4063722724アイシテル~海容 前編 (1) (KCデラックス)伊藤 実講談社 2007-03-06by G-Tools


4063722732アイシテル~海容 後編 (2)伊藤 実講談社 2007-03-06by G-Tools



主題歌
アイシテル
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挿入歌
B001VOD50Gうつし絵新垣結衣ワーナーミュージック・ジャパン 2009-05-27by G-Tools



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【キャスト】
野口 さつき - 稲森いずみ
野口 和彦 - 山本太郎
野口 智也 - 嘉数一星

小沢 聖子 - 板谷由夏
小沢 秀昭 - 佐野史郎
小沢 美帆子 - 川島海荷
小沢 清貴 - 佐藤詩音

富田 葉子 - 田中美佐子
富田 健太 - 吉川史樹

森田 彩乃 - 田畑智子
森田 敏江- 藤田弓子

佐伯 正志 - 高山猛久
小泉刑事 - 小松和重

麻衣子 - 志村玲那
宏美 - 折山みゆ
野口真緒
猫背椿
ダンカン

【スタッフ】
脚本 - 高橋麻紀・吉本昌弘
原作 - 伊藤実 「アイシテル〜海容〜 前編・後編」
プロデューサー - 次屋尚・千葉行利
演出 - 吉野洋・国本雅広
音楽 - S.E.N.S. 「Forgiving」
制作協力 - ケイファクトリー


稲森いずみさんの主な出演作品



板谷由夏さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、智也が抱えていた悩みはなんなのでしょうね!警察での両親に対する態度からは和彦やさつきに話しても理解できない事のようにみえます、富田の話には微笑みを浮かべながら話す智也、おばあちゃんの前では良い子だった智也、受験や良い子のレッテルなどの色々なものを背負い込んでいた時に清貴と聖子の関係を羨ましく思ってしまった衝動的な犯行なのかな?

清貴の葬儀に出ようとする、直接誤りたいという、さつきの気持ちは判らないでは無いけれど、遺族の気持ちを逆撫ですると思いました、ましてや礼服や真珠のネックレス姿で現れたら、「なぜそんなに落ち着いていられるの?」が自分が当事者だったら思うところです!

聖子が10才の少年に殺意を抱くのも当然だと思います、肉親が殺された怒りは相手が児童とか責任能力の有無なんて関係ない!同じ目に合わせたいと思うのは親として間違っていないと思います!これからの展開でさつき達を責める事になるのか?〜海容〜の副題が気になるところです!被害者と加害者の家族が壊れていくなか、さつきだけは富田の助言で大きな愛情を示すのかな?

今回の野口家の家宅捜査をする警察の配慮のなさ、マスコミの被害者家族や加害者家族に関わらない取材は気になりました〜
Posted by けた at 2009年04月23日 20:44
はじめまして。
突然のご連絡失礼いたします。
バラエティちゃんねる、管理人の田中光と申します。

サイト名:バラエティちゃんねる
URL:http://tvs.uah.jp/tv/

この度は、相互リンクのお申し込みのため御連絡させていただきました。

既にこちらのサイトの方にはリンク(http://tvs.uah.jp/tv/link/dir-11.html)を設置して紹介させていただいております。

よろしければ相互リンク宜しくお願い申し上げます。

田中光
Posted by 田中光 at 2009年04月30日 20:39
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アイシテル〜海容〜 第2回 感想
Excerpt: 『禁断の葬儀』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2009-04-23 19:21

アイシテル〜海容〜(2)
Excerpt: <br /><br />視聴率は 13.7%・・・前回(13.2)より <br /><br /><br />「禁断の葬儀」 <br /><br />
Weblog: ドラ☆カフェ
Tracked: 2009-04-23 21:53

アイシテル〜海容〜 第2話「禁断の葬儀」
Excerpt: 第2話「禁断の葬儀」
Weblog: Happy☆Lucky
Tracked: 2009-04-28 15:40
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