2009年04月30日

アイシテル−海容− 第3話

『告白…少年の殺意』

少年鑑別所、面会室
さつき(稲森いずみ)智也(嘉数一星)に会いに行くが、
智也は目を合わそうともしない。
「やっぱり、背ちょっと伸びたね。
 入ってきたときすぐにわかった。
 あっという間にお母さん、追い越されちゃうね!」
優しく穏やかに語りかけるさつき。だが智也は何も答えない。
「お弁当作ったんだ。
 智也の好きな玉子焼き。それから、鳥のから揚げも。」
「・・・」
「だけど、差し入れダメなんだって。
 だから、バッグと一緒に、受付に預けて。
 食べさせてあげたかったんだけど、規則だからって。
 お母さん、知らなくて、」
「ウザイ。・・・ウザイよ。
 帰っていい?」智也が担当官に聞く。
「智也・・・」
さつきは担当官に二人きりにさせて欲しいと願うが、
聞き入れられず・・。

無視されるだけでなく、ウザイの言葉。
さつきの気持ちを思うと辛いです。
取り残されたさつきは、調査員・富田(田中美佐子)に聞いてみる。
「いつから智也は・・あの子は変わってしまったんでしょうか。」
「・・・子供って、色んな顔を持っていると思うんですよ。
 今会っていたのも、お家で接していたのも智也君で、
 何ていうか・・向き合っていくことが大事だと思うんです。」
「でも・・まともに話すこともできなかったんです。
 それを向き合うって・・」
「出来ますよ。智也君を好きな気持ち、変わりませんよね?」
「はい。」
「お母さん、新しいスタートラインに立ったんです。
 智也君を、辛抱強く、見つめてあげて下さい。」
「見つめる・・。」
「ええ。大丈夫ですね?」
「大丈夫です。智也は私の、子供ですから。」

新しいスタートライン。
こんな風に考えるのって、一人だったら無理だったろうな。
さつきには冨田という心強いサポートがいてくれて、
恵まれているように思います。


小沢家
聖子(板谷由夏)を必死に支えようとする秀昭(佐野史郎)と美帆子(川島海荷)。
部屋では聖子が事件に関する新聞の切り抜きを集めていた。
「知りたいのよ。少しでも。犯人のこと。」
「パパに買い物までさせて、こんなことして何が面白いの!?」
「美帆子、いいんだ。パパは買い物が苦じゃないし、
 ママの気が紛れるんだったら。」
「良くない!こんなの、余計きよたんのこと思い出すだけ!」
「やめて!やめて!
 忘れたくないのよ。
 だって私のせいで、私が時間さえ間違えなければ、
 きよたんは死なずに済んだんだから!」
「ママ・・」
「私が、きよたんを死なせたの。」
「違う。パパも美帆子もそんなこと、これっぽっちも思ってない。」
「私のせいよ。
 私が、早く帰ってさえすれば、あんなことにはならなかったの!」
「いい加減にしてくれ!!
 お前が悪いと言えば気が済むのか?
 清貴を死なせたのはお前だって俺が言えばそれで満足なのか、
 だったら言ってやる!
 清貴を死なせたのはお前だ!
 お前がきよたんを死なせたんだ!!」
「・・・」
「・・・これで気が済んだか?」
「・・・」
「こんなのいつまで続くの・・。」泣きながら部屋を飛び出す美帆子。

「・・・すまなかった。」
「いいの。」
「正直なところ、俺はこれ以上、事件のことを考えたくないんだ。
 考えれば考えるほど、清貴が殺された理由を知りたくなる。
 でも知ったところで納得できる自信がない。
 だってそうだろう?きよたんが殺されなきゃいけない理由なんて
 あるわけないんだ。
 気が向いた時でいい。少し外の空気を吸いに行かないか?」
夫の言葉に頷く聖子。

和彦(山本太郎)は、自宅以外で暮らせるよう、アパートの部屋を借りる。
さつきがその部屋にやって来た。
「遅かったな。」
「ごめんなさい。」
「ちょっと狭いけど、敷金はゼロだし。
 会社から近いっていう条件は満たしてる。
 学生時代のアパートを思い出さないか?
 といっても、一人暮らしの経験なかったんだな。」
「何も聞かないのね、智也のこと。」
「お前の顔見りゃ、どういう状態だったくらいは。
 ・・あいつ、どうだった?何か言ってた?」
「何も話さなかった。」
「そうか・・。」
「和君は?会いに行かないの?」
「お前に何も話さないのに俺が行ったって。」
「智也に会いたくないの?」
「普通の状態だったら会いに行くさ。
 でも今の智也は・・」
「普通じゃないっていうの?」
「普通のわけないだろ。あんなことしたんだよ!」
「・・・」
「・・・色々、買い揃えないとな。」
「そうね・・。」
「マスコミの目を盗んで、俺の荷物だけ運び込もうと思ってる。」
「・・・どういうこと?」
「もし、ここがマスコミにバレたら、同じ事の繰り返しだろ?
 騒ぎが収まるまで、別々に暮らそう。」
「離れている間に、もし智也が帰ってきたら?」
「お前と一緒に実家にいろよ。
 子供は母親と一緒にいるのが一番いいんだ。」
「でも!」
「先のことは話すな。
 智也がいつ帰ってこれるなんてわからないだろ?」
「・・・和君。智也と暮らしたくないの?」
「そうじゃないよ。俺はお前たちのことを、」
「嘘よ!智也から逃げたいのよ!」
「もういい。このことは又話そう。」
「私からも逃げるの!?」
「もういいって言ってるだろ!」
「・・・」
「・・とりあえず、時間を置こう。
 それがいい。」
「・・・」

この時点での別居は辛いですね。
私にも、和彦が逃げているように感じてしまいます。


さつきの実家
母・敏江(藤田弓子)の書道教室では、智也のことが原因で、
何人もの生徒が辞めていた。
敏江は彩乃(田畑智子)に、そろそろ辞めようと思っていたと強がり、
このことはさつきには言うなと口止めする。

さつきが実家を訪れる。
さつきに笑顔で語りかける敏江。

そんな中、智也の学校からさつき宛てに電話が入る。

小沢家
聖子がやっと、台所に立てるようになった。
だが聖子は、清貴の食器を手に取ると、その場から動けなくなってしまう。
「ママ!バター取って。私も手伝うよ。」
美帆子が聖子の気持ちを上手くそらす。

鑑別所の面会室
富田は家から持ってきたおもちゃを智也に見せる。
「気分転換に遊ばないかなと思って。
 トランプとかどう?ババ抜きとかさ。」
「二人で?」
「・・・だよね。あ!じゃ、オセロは?
 おばさんこう見えてもメチャクチャ強いんだから。」
「でも・・足りない。これ。」
「ほんとだ!あいつ無くしちゃったか。
 えーっと、じゃあ・・」
「これでいい。」
智也はサインペンと自由長を選ぶ。
「ありがとう。
 ぶっちゃけ何もしたくないって言われたら
 どうしようかと思ってた。せっかく持ってきたのに。」
絵を描く智也を見つめる富田。
「絵、好きなの?」
「・・・」
「ほかにする事がなかったからか。」
智也が頷く。

「健太って、おばさんの子供?」
「うん?」
「ケンタって読むんだよね。」
自由帳に書かれた名前を読む智也。
「そうそう。オセロのこれ、なくした犯人!」
「4年生だったよね。」
「覚えててくれたんだ。
 4年生のくせに字下手でしょ。酷いでしょ。
 おばさん一人で育ててるからなかなか手が回らなくてね。」
「お父さんは、いないの?」
「病気でね。健太が保育園の時に死んじゃった。」
「関係ないよ。お父さんなんて、いてもいなくても。」
「・・・うん?もう書かないの?」
「うん。」
「見てもいい?」
智也が頷く。
自由帳には、赤い戦隊ヒーローが描かれていた。
「うわ!何これ!すっげ。」

智也の学校
教師が智也の私物をさつきに返す。
「休学願いについては、先ほどお話させていただいたとおり郵送で。
 ただ、今後の智也君のことや、他の生徒への影響を考えると、
 他の選択肢も。」
「・・・退学ということですか?」
「いつ智也君が戻られるかわからないということですし、
 動揺から日に日にカウンセリングを必要としている生徒が
 増えていましてね。
 PTAの方からも色々と。
 あいや、すぐに結論をとは申しません。
 智也君にとって、一番いいと思われるものを一緒に考えていければ。」
「・・・」

学校の廊下を歩いていたさつきは、智也の担任に声を掛けられる。
「夏休み明けに学習発表会があったことはご存知ですよね。」
「はい。」
「これ、去年の夏に智也君のグループが作ったものなんです。
 カブトムシの研究をしたいと言い出したのは、智也君でした。」
「智也が・・」
「智也君、カブトムシが好きでしたからね。
 写真も、智也君が。
 これなんかも良く撮れてるなー。
 お家でもカブトムシの話、熱心にしてたんでしょうね。」
「・・・」
「目立つ存在ではありませんが、周りを和ませる雰囲気を持った
 子でしたよ。智也君は。」
「・・・」

自宅で智也の描いた絵を見つめる富田。
「母ちゃん、この味噌汁なんか味がしないよ。」
健太の言葉に、富田は健太が熱があることに気づく。
「ごめんね!気づかなかった私が悪い。
 味噌汁の味がしなかったのも熱のせいだったんだね。」
「料理の腕にも原因ありそうだけど!」
「減らず口!誰に似たかな!」
「母ちゃんに決まってるでしょー。」
笑い合う二人。
「7度8分。もう寝よう、ね!」
「えー。テレビ見るのに。」
「これ以上熱が上がったらどうするの、ほら!パジャマ着て。
 今飲み物もっていくから。」
その時富田は健太の持っている本の表紙の絵が
智也が描いたヒーローだったことに気づく。

バーで部下と会う和彦。
「プロジェクトの方は心配ありません。
 来週の先方とのミーティングが無事に終われば、
 着地は目の前です。」
「そうか!それ聞いて安心したよ。」
「でも・・気になることが。
 部長が中心になって、プロジェクトメンバーを入れ替えるって・・。」
「俺を変えるって話か?」
「ぶっちゃけそうです・・。」
「理由は体調不良ってとこだな。」
「野口さんが、先方の常務と特別なパイプを持ってるってこと
 部長は知らないんですよ!」
「部長サイドの動きがあったら・・又知らせてくれるか?」
「もちろんです。
 だから、退職願なんて出さないで下さい!
 息子さんの損害賠償の為に、退職金が必要なんだろうなんて言ってる
 連中がいるんですよ。」
「言いたいヤツには言わせておけばいい。
 ・・・俺はまだ潰れない。」

和彦は部下に慕われているんですね。
彼の力でプロジェクトは成功しようとしている。
彼が悔しがる思いもわかります。


さつきの実家
カブトムシの自由研究を広げるさつき。

『カブトムシの一生で一番安心できるところは、
 幼虫の時に過ごす、土の中だと、ぼくは思います。
 やわらかい土は、まるでお母さんのお腹の中のように温かく、
 カブトムシの赤ちゃんを守ってくれているからです。
 そして、ぼくも赤ちゃんカブトムシのように、
 お母さんに守られているんだ、と思います。』

様子を見に来た母親に、さつきは語りだす。
「私ね、智也がカブトムシが好きなこと知らなかったの。
 やっぱり、母親失格よね。」
「子供の事全部知ってる親なんていないわよ。
 それに、親って、子供に教わる事の方が多いんだから。」
「でも私は、あの子の為に、もっともっと智也のことを知らなきゃ
 ダメなの。」

土の中と母親の胎内を重ねてみるなんて、
智也はさつきのことが本当に大好きだったんですね。


智也を知りたい、という思いから、さつきは警察に出向き、
智也の荷物を見せてもらう。

面会室
智也が来るのを待つ間、自宅に電話をする富田。
「嘘言ってんじゃないの!
 ピコピコピコピコ、ゲームの音してんじゃないの!
 せっかく熱下がったんだから、ご飯食べてスポーツドリンク飲んで
 大人しく寝る!
 ・・・え?おかゆは飽きた!?
 出前!?!?
 バッカ言ってんじゃないの!」
そこへ智也が連れられてきた。
「とにかく大人しく寝てて!
 ぶり返したらキツいの自分なんだよ。
 つべこべ言わない!じゃあね!」
電話を切った富田を笑顔で見つめる智也。
「健太君、風邪引いたの?」
「お。やっぱり聞こえてたか。
 仕事してるとね、なかなか気づいてあげられなくてさ。
 でも大丈夫!熱下がったし。
 無事、元のバカ息子に戻りました。
 あ!ところであれ!
 これこれこれ。」
自由帳を広げる富田。
「スカルガイ、でしょ?」
「探したの?」
「わかってたわよ、最初から。」
智也が笑みを浮かべる。
「何?」
「嘘つくの下手だから。」
「そっか!」
智也がページをめくってみると、次のページにもスカルガイらしき
絵が書いてあった。
「これ・・健太君が書いたの?」
「ううん。私。」
「絵の才能はゼロだね。」
「だよね。へへ。ゼロかー。」
「・・・キャッチボール、したんだ。」
「キャッチボール?」
「あの子と・・。」
「・・・」

警察
さつきはダンボール箱の中から、写真を一枚見つける。
「あの、この写真は智也の部屋のどこで?」
「机の引き出しですね。」と刑事。
刑事はその写真のコピーを取り、さつきに渡す。

面会室
「あの子って・・清貴君の、こと?」
富田の言葉に智也は頷く。
「僕があの日のことを話したら、おばさん、もっと健太君と一緒に
 いられるんでしょ?」
「智也君・・・。」

智也は人のことを思いやる、優しい子だったんですね・・。

さつきは智也と同じ学校の生徒に写真を見せ、一緒に映っている
友達の事を聞いてみる。

面会室
「僕、あの日は、いつもと違う道を帰ったんだ。」
「どうして?」
「工事。
 それで・・あの家の、前の道に。」
「・・それから?」

(回想)
「鍵、ないの?」と智也。
「うん。」と清貴(佐藤詩音)。
「・・もしかして、トイレ?」
清貴が頷く。
「お庭でしちゃえば?」
「無理だよ。だって・・・」
「ウンチ・・」
清貴が頷く。
「そこの公園のトイレは?ティッシュなら僕が、」
「あの公園はダメだよ。
 ママが、悪い人がいるかもしれないから、
 一人で行っちゃダメだって・・。」
「じゃあ・・うち来る?」
「いいの?」
「ちょっと歩くけど、我慢出来るよね。」
(回想終わり)

「それから・・それから・・僕の家の、マンションのエレベーターに
 乗って・・・
 あの子に・・トイレを・・・貸してあげて・・・。
 そしたら・・・あの子が、僕の部屋で、グローブを見つけて・・
 キャッチボールが、・・したいって・・
 それで・・」
頭を抱える智也。
富田はそんな智也を抱きしめる。
「もういいよ、智也君。ありがとう。話してくれて。
 だからもういいよ。ありがとう。」

さつきは写真に写った智也の友人を訪ねていく。
「これ、僕んちで撮った写真だよ。」
「じゃあ、このカブトムシも君の家で?」
「智也が俺んちで飼わせてくれって言うから。
 自分ちで飼えばいいじゃんって言ったんだけど、
 智也、お母さんが虫苦手だからって。
 見つかって、怒られるのは平気だけど、
 お母さんが可哀想だからって。
 智也、お母さんのことが好きだったから。」
「・・・」

智也の思いを知り、涙を流すさつき・・。

智也はお母さんのことが大好きだった。
それは、今も・・なのかな。


買い物帰りの聖子と秀昭。
「驚いた。」と聖子。
「何が?」
「スーパーの安売りの日、あなたの方が詳しいなんて。」
「タイムセールも、頭に叩き込んでいるんだ。」
二人の側を、清貴と同じ年ぐらいの子が通り過ぎていく。
「きよたん・・。」
聖子はその場に倒れてしまい・・。

美帆子の友達は美帆子を元気付けようと、遊園地に誘う。
「ごめん。まだそんな気分にならない・・。」

美帆子が帰宅すると、医者が家から出てきた。

「ママと買い物に出たんだよ。
 やっぱり、まだ無理だったのかもしれないな。」と秀昭。
「・・・」母親の様子を見に行こうとする美帆子。
「ママは眠ってるぞ。
 大丈夫。心配いらないよ。」

実家に帰ったさつきは、書道教室の看板に『人殺し』と
書かれていることに気づき・・。

「ただいま。彩乃・・お母さんは?」
「出かけてる。
 和彦さんどうしてんの?会ってるの?」
「・・・会ってる。」
「大変なのはわかるけど、何でお母さんに電話の一本も
 よこさないのかな。
 智也のことはもちろんだけど、お母さん、お姉ちゃんたちのことも
 心配してんのよ。」
「わかってる。」
「だったら・・
 ともかく、これ以上お母さんに心配掛けないでほしいな。」
「・・・表の看板のほかにも、私のせいで?」
「・・・」
「どうなの?彩乃・・」
「・・書道教室の生徒、何人も辞めてる。
 お母さん強がっているけど、堪えていると思う。
 生きがいだもんね。
 ・・もうよそう。ごめんね。私から言い出したのに。」
「安心して。
 私ここ出ていくつもりだから。」
「ちょっと待って。そんなつもりで私・・」
「違うの。和君がね、新しい部屋借りたの。
 早く言わなきゃと思いながら、言うきっかけ無くしてて。」
「本当なの?」
「うん。もう和君そこで一人で住んでるの。
 だからこれ以上、お母さんに心配掛けないで済むから、
 安心して。」
「だったら私、止めないよ。
 母さん怒るかもしれないけど・・母さん困ってるところ、
 これ以上見たくないから。」
「彩乃にまで心配かけて・・ごめんね。」
「何言ってんだか。
 お茶でも入れようか。熱いの。」

さつきは写真に写った智也の笑顔を見つめ・・。

翌朝、さつきは置手紙を置き、実家を出た。

『ありがとう お母さん 彩乃
 それから ごめんね 
 さつき』

自宅へ戻る途中、さつきはいつもの看板を見つめる。
『ママはあなたが大好き』

野口家
何もない智也の部屋を見渡すさつき。
そこへ、和彦がやって来た。
「いたのか。着替え取りに来たんだ。お前もか?」
「急に来てみたくなっただけ。
 智也の部屋が見たくなって。
 ここで今まで暮らしていたのに、ちゃんと見ていなかった気がして。
 こんなに小さかったんだよね、智也・・。
 きてよかった。やっぱりここが私の家。
 逃げてた私、バカみたい。
 これからは智也のこと見つめてく。
 向き合えるまで・・。
 智也がね、それを教えてくれたの。
 智也のことになると、和君とケンカになるけど、
 気が付いたのよ。
 お互い思っていること、素直に話したの、初めてだったって。」
「・・・そういやそうだよな。」
「今日ね、出てきたの、お母さんのところ。
 置手紙なんて初めてした。」
「ここに住む気か!?」
「智也と一緒に。
 ・・着替え、何が必要?言ってくれたら出すよ、私。」
「さつき!
 ・・・お前も用意しろ。」
「・・・」
「着替えだよ。」
「人の話聞いてる?だって私、」
「借りたアパートに来るんだ。
 早くしろよ。」
夫の言葉にさつきは嬉しそうに微笑み・・。

実家を出たさつきに、和彦も覚悟を決めたのですね。
和彦は自分から逃げたわけじゃなかった。
さつきの笑みが見れて嬉しかった。


ファミリーレストラン
さつきに呼び出され、富田がやってくる。
「お待たせしました!」と富田。
「すみません。お忙しいところお呼び立てして。」
「いえいえ。
 実は、嬉しかったんですよ。
 こういう仕事をしていると、どういう状態で電話をくれたのか、
 わかったりしちゃって。
 お母さんの声、とっても前向きな感じでしたよ。」
「智也のこと、誰よりも早くあなたにお伝えしたくて。」
「智也君のことで何か?」
「わかったんです。智也が変わらず優しい子だったってことが。
 智也は私の智也に変わりはなかった。
 こうして離れてみて、一緒に暮らしていたときには気づかなかった
 当たり前のことがわかった。」
「そうですか。
 私も、智也君の優しい気持ちに、触れることが出来ました。」

同じ店に、友達に誘われて美帆子がやって来た。
美帆子たちは偶然、さつき達のすぐ側に座る。

「あの日も・・優しさから始まっていたんです。」
「あの日?・・智也は、話しはじめたんですか?」
「いえ、全てを話してくれたわけではありません。
 ただ、出会ったときの状況はしっかりと。」
「前から知っている子ですか?」
「いえ。あの日が、初対面の子でした。」
「会った事もない子・・・。」
「私も意外でした。
 智也君は、困っていたその子を、助けようとしたんです。」
「どういうことですか?」
「家に入れずに、トイレを我慢していた子が、困っているのを
 見かねて、智也君は声を掛けてあげたんです。
 最初は、公園のトイレを教えたそうですが、不審者が目撃された
 公園だったみたいで。
 自分の家のトイレに、案内したんだそうです。」
「智也が・・うちのトイレに・・。」
「その後のことも、近いうちには話してくれると思います。
 そんな優しさを見せた智也君がなぜ・・・
 清貴君に、あんなことしたのか・・。」

清貴、の名前にはっとする美帆子。

「あの日のことを話し始めてくれたことは、
 大きな進展です。
 でもこれから先、お母さんの力が、きっと、必要になります。」
「はい。」
「頑張れますか?」
「はい。私、最後までちゃんと向きあうつもりです。」
「はい。」

智也は優しい子のままだった。
母親のことをとても大切にしていた。
その優しさは今も持ち続けている。

今回、そのことを知ることが出来て、ほっとしました。
ただ、その優しい子がなぜ・・。
彼がいい子だったからこそ、余計に事件を辛く感じます。

海のように広い寛容な心で、相手の過ちや無礼などを許すこと。

海容という言葉を二つの家族に当てはめるとしたら・・
さつきと和彦は、まずは海のように広い心で、ありのままの智也と
向き合うこと。
そして子供と一緒に一生掛けて被害者家族に償うこと。

聖子たち被害者家族は、大切な子供の命を奪った相手を
許す事が出来るのかな・・。

自分が聖子なら、さつきなら。
考えてはみるのだけれど、答えは見つかりません。



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公式HP

海容=海のように広い寛容な心で、相手の過ちや無礼などを許すこと。


原作
4063722724アイシテル~海容 前編 (1) (KCデラックス)伊藤 実講談社 2007-03-06by G-Tools


4063722732アイシテル~海容 後編 (2)伊藤 実講談社 2007-03-06by G-Tools



主題歌
アイシテル
アイシテルMONKEY MAJIKbinylrecords 2009-06-10売り上げランキング : 5828Amazonで詳しく見る by G-Tools



挿入歌
B001VOD50Gうつし絵新垣結衣ワーナーミュージック・ジャパン 2009-05-27by G-Tools



「Forgiving」アイシテル~海容~オリジナル・サウンドトラック
「Forgiving」アイシテル~海容~オリジナル・サウンドトラックS.E.N.S. BMG JAPAN 2009-05-27売り上げランキング : 90683Amazonで詳しく見る by G-Tools



B0023B15U8アイシテル ~海容~ (稲森いずみ 主演) [DVD] by G-Tools



【キャスト】
野口 さつき - 稲森いずみ
野口 和彦 - 山本太郎
野口 智也 - 嘉数一星

小沢 聖子 - 板谷由夏
小沢 秀昭 - 佐野史郎
小沢 美帆子 - 川島海荷
小沢 清貴 - 佐藤詩音

富田 葉子 - 田中美佐子
富田 健太 - 吉川史樹

森田 彩乃 - 田畑智子
森田 敏江- 藤田弓子

佐伯 正志 - 高山猛久
小泉刑事 - 小松和重

麻衣子 - 志村玲那
宏美 - 折山みゆ
野口真緒
猫背椿
ダンカン

【スタッフ】
脚本 - 高橋麻紀・吉本昌弘
原作 - 伊藤実 「アイシテル〜海容〜 前編・後編」
プロデューサー - 次屋尚・千葉行利
演出 - 吉野洋・国本雅広
音楽 - S.E.N.S. 「Forgiving」
制作協力 - ケイファクトリー


稲森いずみさんの主な出演作品



板谷由夏さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、富田と面会する智也の悪びれることない笑顔やカブトムシの件、本当は優しさから始まったトイレを貸したりキャッチボールをしようとした智也は本当に清貴を殺したのか、疑問が残りました!清貴を可愛がる家族といつも両親の事を思い言いたい事を我慢していた、智也の凶行では無い気がしてきました!例えばボールを無くしボールの代わりに石でキャッチボールしていたなんてどうでしょう!頭に当たった清貴に駆け寄り血液がついた、どこかで和彦の愛情を疑った智也の狂言が自分の妄想です!

秀昭がときには怒鳴ったり、家族の為に買い物をする姿は自分のときは無かったです!家庭を守るために清貴が亡くなっても、しっかりしなくちゃという父親の強さや優しさが痛い自分がいます!和彦タイプだったのかな〜彼女から見たら…
Posted by けた at 2009年04月30日 20:08
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アイシテル〜海容〜 第3回 感想
Excerpt: 『告白…少年の殺意』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2009-04-30 19:46

アイシテル〜海容〜(3)
Excerpt: &nbsp; <br /><br />視聴率は 14.2%・・・前回(13.7)より <br /><br /><br />「告白・・・少年の殺意」 <br /><br /><br />
Weblog: ドラ☆カフェ
Tracked: 2009-04-30 20:42

アイシテル (稲森いずみさん)
Excerpt: ◆稲森いずみさん(のつもり)稲森いずみさんは、日本テレビ系列で毎週水曜よる10時から放送されている連続ドラマ『アイシテル~海容~』に野口さつき 役で出演しています。先週は第3話が放送されました。●第1..
Weblog: yanajunのイラスト・まんが道
Tracked: 2009-05-03 22:47

癥湵獣潺礮捯洯睥楧桴⵬潳猯癥湵猭晡捴潲⵲敶楥眯
Excerpt: _彟䔀彛
Weblog: 癥湵獣潺礮捯洯睥楧桴⵬潳猯癥湵猭晡捴潲⵲敶楥眯
Tracked: 2017-01-06 15:42
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