2009年05月07日

アイシテル−海容− 第4話

『被害者家族への手紙』

さつき(稲森いずみ)は担当の調査員・富田(田中美佐子)の励ましで、
母親として智也(嘉数一星)と向き合う決心をする。
さつきは富田から事件当日、智也が困っていた清貴(佐藤詩音)を
自宅のトイレに案内したと聞かされる。
「やさしい気持ちでその子に声をかけていた…」
許されることではないと知りつつ、わずかに救われた気分になるさつき。
だが、そんなさつきの様子を清貴の姉・美帆子(川島海荷)が偶然
目撃してしまう。


恐怖心と闘いながら、さつきの方を振り向く美帆子。
その時さつきは、笑みを浮かべていました。
自分たちはこんなに苦しんでいるのに、加害者の家族は笑っている。
これは美帆子にとって大きなショックだったはず。

富田はさつきに、髪留めをプレゼント。
「たまにはこういうのもつけて。
 気分も明るくなるし、少しは前向きになるかもしれないし。」
淡い水色の髪留めを、いつかさつきは髪に付けるのでしょうか。


富田と別れたあと、さつきは花屋の前で足を止め・・。川原に座り考え込む美帆子。
そこへ買物帰りの秀昭(佐野史郎)が通りがかる。
美帆子の隣に座る秀昭。
「パパも最近な、ここで一休みするんだ。」
「え?」
「この土手・・よくキヨタンを肩車して歩いたんだよ。
 あいつ高い高いーってはしゃいで、なかなか降りようとしない。
 しまいにはこっちの方が疲れて。
 ・・・ついこの間のことなのに・・。
 ママには、もう事件のことは考えるな、考えたってキヨタンは
 帰ってこないなんて言っておきながら、
 気が付くといつも心では、事件のことを考えている。
 キヨタンはもういない・・。
 なのに犯人の少年は・・。」
「パパ・・今日私ね、」
「何だ。何かあったのか?」
「・・・ケーキ食べすぎちゃって、お腹いっぱい。」
「何だよ、美帆子の好きなコロッケ買ってきたのに。」
「大丈夫。それも食べるよ。」
「美帆子。」
「何?」
「お前は強いな。救われるよ。」
「・・・」

花を買ったさつきは、事件現場に向かう。
そこには、沢山の花やおもちゃが手向けられていた。
手を合わせながら、両親の葬儀での言葉を思い浮かべるさつき。
「ごめんなさい・・。ごめんなさい・・。」
泣きながら謝り続け・・。

買物から帰った二人に、聖子(板谷由夏)は富田から、
後日訪ねていきたいと連絡があったと報告する。
「それって・・意味あるのかな。
 話なんて聞いてもらったって、キヨタンが帰ってくるわけじゃないし。」
と美帆子。
「私は、知りたい。
 キヨタンが死んでしまった理由。」
「・・・」

部屋に戻った美帆子は、カレンダーの4月27日に書き込んだ、
『My Birthday』を塗りつぶしてしまう。

面談室
その日、富田と共に宮本(山崎画大)も同行し、智也に会いにきた。
「話すよ。この間の続き・・今日、ちゃんと・・。」と智也。
「・・大丈夫?」と富田。
智也が頷く。
「あの子に、うちのトイレを貸して・・」
「清貴君・・だよね?」
智也が頷く。
「それから・・一緒にキャッチボールしたの。
 あの子、結構上手くて。
 お父さんがいつも、キャッチボールしてくれるんだって、
 自慢してた。」
「そう・・。」
「だけど、僕はあまり上手く出来なくて。」
「うん。」
「そしたら、僕のこと下手だって。」
「言われちゃったんだ。」
「僕が、父さんは忙しくて、キャッチボールなんかしないからって
 言ったら・・」

「お兄ちゃんち変だ!」

「・・・変?」

その頃、さつきは清貴の家族にあて、手紙を書き始めていた。

面談室
「むかついた。」
「下手だって言われたこと?」
「・・・」
「じゃあ・・おうちが変って言われたこと?」
「むかついた。
 だから・・だから・・・。
 あの子が・・悪いんだ・・。」
「・・・」

小沢家
夕食をとりながら、聖子はふと呟く。
「キヨタンがいた頃は、食卓がにぎやかだったわよね。
 ご飯粒つけただの、お醤油こぼしただのって。」
「聖子・・」
「私達ってさ・・この先も永遠に、笑ってご飯食べたり
 出来ないのかな。」と美帆子。
「・・・」
「そんなことないよ。ただ少し時間が掛かるだけだ。」と秀昭。
「少しってどれ位?」
「・・・」
美帆子は席を立ってしまう。
「ごめんなさい・・ついキヨタンのこと思い出しちゃって。」
「聖子・・俺はいつか又みんなで笑い合う日が来ると信じている。
 そうでなきゃ・・キヨタンも天国で笑えないだろ?」
夫の言葉に聖子は頷き・・。

野口家
妻が書いた手紙を読む夫・和彦(山本太郎)。
「あの場所に行ったの。
 お菓子とか、ぬいぐるみとか、沢山置いてあって・・
 わかっているつもりだったけど・・本当に智也は・・
 許されない事をしたんだって・・。」
「それでこれを・・」
「もちろんわかってる。
 どうしたって、消えてしまった命は戻らないし、
 こんなことしても、何の償いにもならないって、
 わかっているけど・・。
 親として、せめてお詫びの気持ちを伝えなきゃいけない気がして。」
「・・読んでもらえるのかな・・。」
「・・・」

家庭裁判所
富田は野口夫妻に面談での智也の様子を話す。
「むかついた!?」驚くさつき。
「ええ。」
「何にむかついたんですか?」と和彦。
「うーん、それについては、まだ、調査が必要です。
 智也君は、普段からよくそういうことを口にしていましたか?」
「いいえ。・・・ただ、」
「はい。」
「最近、そういう態度は取っていたと思います。」
「いつ頃から?」
「半年ほど前からでしょうか。
 いつも、不機嫌そうで、急に無口になって。」
「半年前?」
「それまではそんなことなかったんですが、
 いってきますも、ただいまも言わなくなって。」
「その頃に、智也君の変化の原因になったようなことは
 何か思い当たりませんか?」
「僕は、反抗期なんじゃないかなって。」
「私もそうかなと。
 パソコンの育児サイトにも、そういう意見が多かったので。」
「あ、育児、サイト。」
「同じ悩みを持つお母さんたちと話すサイトで。」
「ええ。」
「子育てって、常に自分を試されているみたいで、
 不安だし、孤独ですから。
 絶対に失敗は許されないと思うと、気持ちが、追い詰められてしまう
 ことがあって。」
「そういう時に、サイトを。」
「悩みを誰かに知ってもらうだけでも、少しは楽になりますから。」
「子育ては・・苦行ですか?」
「・・・いいえ!そんなことは!
 ・・・。」

担任と面談する美帆子。
担任は、美帆子を気遣いながら、このままでいけば
希望通りに国立付属に入れると話す。
「先生・・それ・・もういいんです。
 私、進学やめるかもしれないから。」
美帆子は担任にそう答え・・。

子供達のアルバムを見ながら微笑む聖子。
清貴、そして美帆子の愛らしい写真に、
「いつまでもメソメソしてちゃダメね・・。」と呟く。
そこへ、担任から電話が入る。

その頃、さつきは震える手で小沢家のポストに手紙を投函する。

自宅待機を命じられていた和彦が会社に出向く。
「プロジェクトの資料、ちょっと変更したいところがあって。
 今週のプレゼン、俺が出るから。」
「でも、部長が・・」と部下。
「お前までそんなこと言うなよ。
 このプロジェクトは俺が一番良くわかってる。
 任せとけって!」
部下は困惑した様子で・・。

さつきは、妹・彩乃(田畑智子)から連絡を貰い、喫茶店で会う。
恋人からプロポーズされたことを報告する彩乃。
「その人・・智也のことは?」
「話したよ。でも平気。それで変わるような人じゃないから。」
「・・・」
「大丈夫だって!悪いけど、これでも男見る目あるんだから。」
「良かった・・。彩乃には、幸せになってほしいから。
 そうだ、これ、貰ってくれる?」
「何?ヘアゴム?」
「お世話になっている、家裁調査官の方から貰ったの。
 これをつけて、前向きな気持ちになれって。」
「それを、何で?」
「私はもう・・こういうものをつける資格がない気がして。」
「お姉ちゃん、それは違うよ!
 いつか、お姉ちゃんにも、普通に、穏やかに暮らせる日がきっとくる!
 こんなダメな妹だけどさ、これ位は言わせてよ。
 いつか、このヘアゴムを、付けられる日が絶対来るって!」
「彩乃・・」
「ね!そう信じよう!」
「ありがとう・・。ありがとう・・。」

カウンセリング室
箱庭に人形を並べていく智也。

彩乃と会った帰り、さつきはお店に売られているカブトムシの幼虫に
子供たちが群がっていることに気付き・・。

美帆子が帰宅する。
「美帆子、さっき、澤田先生から連絡貰ったんだけど。」
「・・・」
「ねえ、今日、三者面談だったんでしょう?
 何で言わなかったの?
 それに、高校に行かないかもしれないってどういうこと?」
「別にいいじゃん。自分の進路ぐらい自分で決めるよ。」
「何言ってるの・・。ちゃんと説明して。」
「早く家を出たいの。それだけ。」
「どうして!?」
「私なんて、この家に必要ないし。」
「ちょっと、美帆子・・」
「私なんていてもいなくても同じじゃん!
 ママはキヨタンのことで頭一杯なんだから!」
「それは・・キヨタンが亡くなったばっかりだから・・」
「違うよ!もっとずっと前からだよ!
 キヨタンが生まれたときから、ママの目にはキヨタンしか
 映ってなかったでしょう!?」
「そんな・・」
「違うって言うかもしれないけど、ずっとそうだった!
 そういうのってちゃんと感じるから!
 私が小学4年生の時、キヨタンのトーマスが無くなったの、
 覚えてる?
 あれ、私が捨てたの。
 パパもママもキヨタンに甘くて、欲しがるものは何でも買ってあげて、
 うちの一番はいつもキヨタンで・・。」
「・・・」
「だから・・・キヨタンなんか消えちゃえばいいって・・
 ずっと思ってた。
 そしたら・・本当に消えちゃった・・。
 私があんなこと言ったから消えちゃったんだよ・・。
 私最低でしょ!
 だからいなくなればいいんだよ。」
「そんなことない・・」
「そうだよ!私が消えればよかったんだよ!
 そしたらママもこんなに悲しまずに済んだのに!
 ママだってそう思ってるんでしょう!?
 キヨタンの代わりに私が死ねばよかったって!」
「思ってない!そんなこと思うわけないでしょう!?」
「嘘!
 みんな・・勝手に私が強いとかしっかりしてるとか・・
 私のことなんか・・誰も・・誰もわかってないくせに!」
「美帆子・・」
美帆子は泣きながらそう言うと、部屋に篭ってしまう。

聖子は帰宅した秀昭に美帆子のことを話す。
「美帆子がそんなことを・・」
「一人で、あんなに苦しんでたなんて・・
 全然気付いてあげられなかった。 
 母親失格ね・・。」
「俺だって同じだ。」
「美帆子の言うとおり、キヨタンには、確かに甘いところが
 あったと思う。」
「うん。」
「愛情に差は無くても、子供には、微妙に違うって、
 感じてしまうのかもしれない。
 どうしたらいいんだろう・・。」
「ちゃんと、愛してるって伝えるしかないよ。
 遅くは無いさ。あの子は生きているんだから。
 僕達の側で、生きてくれている。」
「そうね。美帆子は生きている。
 そのことを、当たり前にしか思っていなかった。」

美帆子の部屋の前から語りかける秀昭。
「美帆子、お前の気持ち、気付いてやれなくてごめんな。
 家族の笑顔が一番の宝物なのに・・
 お前を泣かせるようじゃ、親失格だ。
 でもこれだけは信じてくれ。
 パパもママも、お前のこと本当に大切に思っている。
 今までも、そしてこれからも。
 それだけは、絶対に変わらないから。」
父の言葉に美帆子はまた涙をこぼし・・。

美帆子が下に下りていくと、手紙が置いてあった。
『ママと買い物に行ってきます。
 留守番よろしく
 パパ』

美帆子は、和室に広げっぱなしになっていたアルバムに気付く。
「懐かしい・・。」
ダンボールの中には、清貴の育児日誌と、美帆子の育児日誌が
びっしりと入っていた。
美帆子はその一つを取り、ページをめくっていく。
『今日はミルクを沢山飲んだ。
 元気に大きくな〜れ!』
『今日から、離乳食を始めました。
 すくすく元気に育ってね!』
『お父さんの腕を掴んで、初めてタッチが出来ました。』
『美帆子が、初めてママと言ったぞ!バンザイ!』
『美帆子の日々の成長が、ママを幸せにしてくれます。
 貴女に会えて、本当に良かった。ありがとう。』

「ママ・・」涙する美帆子。

そこへ、二人が帰ってきた。
「美帆子・・」
「ママ・・私・・」
美帆子を抱きしめる聖子。
「辛い思いをさせてごめんね・・。
 ダメなママでごめん・・。」
「私も・・ごめんなさい。
 あんな酷い事言って・・。」
「美帆子は悪くない。
 わかってあげられなかったママが悪いの。」
「私・・この家にいていい?」
「何言ってるの!当たり前でしょう!」
「キヨタンも・・そう思ってくれるかな・・。」
「もちろんよ。
 キヨタンはね、お姉ちゃんのことが大好きだったんだから。」
泣きながら微笑みあう二人。

「ママ、これ。」秀昭が聖子にプレゼントを渡す。
「美帆子、お誕生日おめでとう!」「おめでとう!」
「覚えててくれたの?」
「こんな時だからこそ、ちゃんとお祝いしようってママと。」
「今日はね、あなたが産まれて来てくれた、大切な日だから。」
「ママ・・」
「開けてみて!」
「うん!」
それは、カシオの腕時計だった。
「嬉しい!これ欲しかったんだ!」
「そう言ってたから、注文しておいた。」
「ありがとう!」
「よし、じゃあ、誕生日の準備だ!」
食事の準備をしようと立ち上がった秀昭は、郵便物の中に
ある手紙を見つける。
それは、さつきが出したものだった。

「パパ、どうかした?」
「・・・」

野口家
ベランダで風に当たるさつき。
「私、正直言うと、子育てを苦痛に感じてた時があったんだ。
 智也が生まれた頃、とにかくよく泣いて、夜鳴きも激しくて、
 毎日全然眠れなかった。
 一日中あの子の泣き声聞いてたら、頭が変になりそうで、
 ベランダに逃げたことがあった。」
「何で今その話するんだよ。」
「結局、あの時と同じなのかもしれない。
 私が育児サイトに書き込みとかしているのも。
 ベランダがパソコンになっただけで・・。」
「・・・」
「きっと・・私はいつもどこかで、智也から逃げてたのよ。
 それが・・智也に伝わって・・。」
「だからってこんなことにならないだろう!」
「・・・」
「何だこれ?」和彦が昆虫ケースに気付く。
「カブトムシの幼虫。」
「幼虫って、お前虫ダメだろ?」
「智也が好きだから。」
「さつき・・。」
「意味ないかもしれないけど、それでも、智也の気持ちに
 少しでも近づけるなら・・。」
「・・・」

小沢家
手紙を読む秀昭。
「このたびは、息子のしたことのために耐え難いご心痛を与えてしまい
 何とお詫び申し上げてよいのか言葉が見つかりません。
 なぜ息子がこんな恐ろしい事をしたのか、日々考え、自問しても、
 いまだに原因はわからず、母として苦汁の日々を過ごしております。

 ・・・何なんだこの手紙は!ただの言い訳じゃないか!!
 わからないって何だ!
 自分の子供が人の命を奪っておいて、わからないで済まされる
 問題じゃないだろ!!」
「・・・」
「こういう親だから子供が!!」
「・・パパたちショック受けると思って言えなかったんだけど・・」
「何?」と聖子。
「私、見たんだ。」
「見たって何を!?」と秀昭。
「犯人の母親。」
「・・・本当なのか!?」
美帆子が頷く。
「あの人・・・笑ってた。」
「・・・」

面談室
その日も、智也はさつきと会うことを拒否した。
さつきは担当者に、差し入れを託し、又来ると伝えて欲しいと頼む。

担当医から智也の心理テストの結果を聞く富田。
「彼は非常に気持ちが優しくて、繊細な子供だと思います。
 それと、箱庭を、このように川で分断して、橋もかかっていない。
 彼はとても孤独を感じています。
 何かを必死に守ろうとしているように、思えますね。」
「守る?」
「この守っているものが、一体何なのかについては、
 まだ特定は出来ないんですが。」
「・・・」

事件現場を訪れる富田と宮本。
「ここで、清貴ちゃんと何かがあった。
 智也君をむかつかせた・・何かが。」
辺りを見渡す富田の目に、ある看板が留まる。
『ママはあなたが大好き』
母親が赤ん坊を抱く、あの看板だ。

智也にさつきからの差し入れが届く。
それは、昆虫図鑑だった。
「お母さんからだ。
 好きなのか?昆虫。」
担当官に聞かれて頷く智也。
「お母さん、また来るそうだ。」
智也は図鑑を受け取ると、ページを開き・・。

和彦の会社
和彦は、プロジェクトから外されることになる。
それがクライアントの意向と知り、和彦は愕然となる。

小沢家
訪ねてきた富田に、秀昭はさつきの手紙を付き返す。
「こんなものは受け取れません。返して下さい。」
「・・・わかりました。」
「大変遺憾です。
 私達がどれ程の苦しみを与えられたか、
 まるでわかっていないとしか思えません。
 口先だけの謝罪なら、無い方がマシだ!」
「犯人の小学生は、どういう子なんでしょうか。
 どうして清貴を・・」と聖子。
「すみません。最初にお話したとおり、加害者については、
 お答えすることが出来ないんです。」
「犯人がどんな人間で、清貴との間に何があったのか、
 未成年だから知ることが出来ないなんておかしいじゃないですか!
 ささやかな家族の幸せが、見も知らない他人の手によって奪われたんです!
 どうして教えてもらえないんですか!!
 妻も娘も、そして私も、あなた方の想像をはるかに超えた苦しみを
 味わった!」と秀昭。
「・・・」
「あの日、その子と清貴は、どうして一緒にいたんでしょうか。」と聖子。
「・・・わかりました。それだけ、お話します。」
「ちょっと、富田さん。」慌てる宮本。
「清隆君は、トイレに、行きたかったんです。」
「トイレに!?」と秀昭。
「ええ。
 それで少年は、自分の家のトイレを、清隆君に貸したと。」
「一体どういうつもりなんだ!」と秀昭。
「犯人の子は・・清貴に優しくしてくれたんですか?」と聖子。
「おい、何言ってる!」
「その子の母親は、どういう人なんでしょうか。」
「・・・すみません。少年の家族についても、お教えすることは
 出来ませんので・・」
「教えてもらわなくたってわかる!
 自分の子供が何をやったかもわからないなんて、
 無責任な手紙を書く親だよ!!」
「わからないって・・本音なのかもしれない。」と聖子。
「聖子・・」
「だって・・だって私だって、美帆子があんなに苦しんでいるの、
 気付いてあげられなかった。」
「違うよ聖子!それとこれとは、全然違う!!」
「・・・」

野口家
カブトムシの世話をするさつき。
そこへ、和彦が帰宅する。
「俺さ・・会社辞めるよ。」
「え!?」
「そしたら退職金も入るし。
 これから賠償とか、色々金も要るだろう。」
「会社から、辞めろって言われたの?」
「いや。」
「だったら何で?」
「言われなくてもわかるんだよ。
 社会は俺達の事許さないんだよ。
 これから先も・・多分ずっと。」

その日、さつきは富田に呼ばれて裁判所へ。
富田がさつきに手紙を返す。
「ご遺族から、返して欲しいと。」
「わからないです・・。いくら考えても・・どう償えばいいのか。」
「わからないと思いますよ。
 正解などないですから。
 それでも、扉を叩き続けるしかないんです!
 立ち止まってはいられないんです!」
「・・・」

帰り道、返された手紙を手に呆然と歩くさつき。
ふと立ち止まり、富田から貰った髪留めをぎゅっと握り締めると、
さつきは顔を上げて歩き出す。

面談室
「この写真、智也君見たことがあるんじゃないのかな?」
富田は智也に、あの看板の写真を見せる。
「知らない!」冷たい目で答える智也。
「本当に?よく見て、智也君」
「知らないって言ってんだろ!」
勢い欲立ち上がる智也。
「智也君、落ち着いて。」
宮本は智也の肩を押さえ、静止しようとする。
「触るな!!」
智也が宮本を突き飛ばす。
その様子に富田は・・。


「お兄ちゃんち、変!」
殺意の動機は、この辺にあるようです。
智也が反応した、母が赤ん坊を抱くあの看板。
一体何が智也をそこまで追い詰めてしまったのか・・。

智也が親を無視する態度をとるのは、反抗期ではなく、
何か原因があるんですね。半年前に何があったのでしょう。
彼が必死に守ろうとしているものは、何なのか?


子供を育てる。
相手が人間だからこそ、みんな、迷いながら子育てをしていると思う。
これが正しい、という答えはないと思うから。

「子育てって、常に自分を試されているみたいで、
 不安だし、孤独ですから。
 絶対に失敗は許されないと思うと、気持ちが、追い詰められてしまう
 ことがあって。」
子育てについてこう語るさつき。
きっとさつきは真面目な人なんでしょう。
何でも完璧にやりこなすタイプ。
もう少し、肩の力を抜いて考えることが出来たら、
こんな風に思いつめることはなかったんじゃないのかな。

そして野口家では、今回のことで初めて、美帆子の寂しさを知ることに。
「愛情に差は無くても、子供には、微妙に違うって、
 感じてしまうのかもしれない。」

美帆子のことがあったからこそ、聖子は母として、さつきの戸惑う
気持ちが少しわかるようです。
現実は、それを受け入れるまでもっともっと時間が掛かるとは
思いますが・・。

完璧な母親、父親、家族、子育てなんて、きっとないのでしょう。
失敗し、反省し、それを繰り返しながら、
きっと家族の絆は強まっていくんですね。


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公式HP

海容=海のように広い寛容な心で、相手の過ちや無礼などを許すこと。


原作
4063722724アイシテル~海容 前編 (1) (KCデラックス)伊藤 実講談社 2007-03-06by G-Tools


4063722732アイシテル~海容 後編 (2)伊藤 実講談社 2007-03-06by G-Tools



主題歌
アイシテル
アイシテルMONKEY MAJIKbinylrecords 2009-06-10売り上げランキング : 5828Amazonで詳しく見る by G-Tools



挿入歌
B001VOD50Gうつし絵新垣結衣ワーナーミュージック・ジャパン 2009-05-27by G-Tools



「Forgiving」アイシテル~海容~オリジナル・サウンドトラック
「Forgiving」アイシテル~海容~オリジナル・サウンドトラックS.E.N.S. BMG JAPAN 2009-05-27売り上げランキング : 90683Amazonで詳しく見る by G-Tools



B0023B15U8アイシテル ~海容~ (稲森いずみ 主演) [DVD] by G-Tools



【キャスト】
野口 さつき - 稲森いずみ
野口 和彦 - 山本太郎
野口 智也 - 嘉数一星

小沢 聖子 - 板谷由夏
小沢 秀昭 - 佐野史郎
小沢 美帆子 - 川島海荷
小沢 清貴 - 佐藤詩音

富田 葉子 - 田中美佐子
富田 健太 - 吉川史樹

森田 彩乃 - 田畑智子
森田 敏江- 藤田弓子

佐伯 正志 - 高山猛久
小泉刑事 - 小松和重

麻衣子 - 志村玲那
宏美 - 折山みゆ
野口真緒
猫背椿
ダンカン

【スタッフ】
脚本 - 高橋麻紀・吉本昌弘
原作 - 伊藤実 「アイシテル〜海容〜 前編・後編」
プロデューサー - 次屋尚・千葉行利
演出 - 吉野洋・国本雅広
音楽 - S.E.N.S. 「Forgiving」
制作協力 - ケイファクトリー


稲森いずみさんの主な出演作品



板谷由夏さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、親の責任から小沢家に本名入りの手紙を投函するさつき、言い訳や無責任な母親と解釈した秀昭の逆鱗はわかる気がします!富田に投函しても良いか確認を取らなかったさつきは軽率でした!自分を責める美帆子の清貴への嫉妬を知った聖子がさつきの手紙の内容に理解を示したり子育て日記で美帆子への愛情を言葉ではない形で表すのはよかったです!

智也が清貴を殺めてしまったのが「お兄ちゃん家、変!」ときに子供は相手の事を考えずに残酷な言葉を発してしまいます、でも高学年の智也が怒りを表したのはカウンセラーの何かを必至で守るでした、あの人形が抱いているのは何でしょうね!

さつきと話す妹の綾乃にきたメールが気になります!
Posted by けた at 2009年05月07日 20:28
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