2009年05月14日

アイシテル−海容− 第5話

『意外な真相・・・・息子の秘密』

学校帰りの美帆子(川島海荷)は、事件現場に花を供えている
さつき(稲森いずみ)の姿を偶然見てしまい、動揺する。

面談室
智也(嘉数一星)が面談室を連れ出されたあと、富田(田中美佐子)は
看板の写真を見て暴れてしまった智也の反応を考える。
「知らないって言いながら、あんなに過剰に反応して。
 事件の日の嫌な記憶を、振り払おうとしたんでしょうね。」と宮本(山崎画大)。
「それだけかなぁ・・。」
「え?」
「母と子・・何か引っかかるんだよな、この・・
 看板から受けるイメージが。」
「どういうことですか?」
「半年ほど前から智也君がお母さんにただいまを言わなくなったのよね。」
「はい。」
「それにはきっと原因がある。
 反抗期とかでは片付けられない何かが。
 それが何なのか・・。」

小沢家
清貴の靴を手に涙する聖子(板谷由夏)。
「ママ・・」帰宅した美帆子が声を掛ける。
「お帰りなさい! 
 ダメね、きよタンのものを見ると。」
「大丈夫?」
「うん!
 ねえ美帆子。」
「うん?」
「・・その人、どんな人だった?」
「え・・」
「美帆子は見たのよね?
 犯人のお母さんの顔・・。」
「ママ・・。」
「・・ごめん・・ごめんね。」
「その人・・・全然普通にして、」そこへ、秀昭(佐野史郎)が帰ってくる。
「ただいま!
 お、この匂いはカレーかな!?」
「美帆子の好きなチキンカレー。」
「うん。 
 ・・どうした?何かあったのか?」
「・・ううん。パパはハヤシライスの方が良かったんじゃないかって
 言ってたとこ。ねえママ。」
「うん、すぐ支度しますね。」
「着替えてくるね。」

野口家
辞表を書き上げる和彦(山本太郎)。

帰宅したさつきは、富田を通して手紙が返されたことを報告する。
「やっぱり、受け取ってもらえなかったか。」
「もし私が逆の立場だったら・・
 もし智也が殺されたとしたら・・
 同じ事したと思う。」
「そうだな。
 けど・・
 世間はこう言うんじゃないか?
 加害者家族からは、未だに謝罪の言葉もないって。」
「やっぱり・・届くはずなかった。
 智也のことさえ何もわかっていない、あんな言い訳だらけの手紙で、
 謝罪の気持ち、伝わるはずなかった。
 でもね、富田さんに言われたの。
 償いは、扉を叩き続けることだって。
 だから立ち止まってはいられないんだって。
 だから・・今やれることをやるしかないと思ってる。
 智也がなぜあんなことをしたのか、
 私に原因があるとしたら、何がいけなかったのか。
 それを見つけないと、前へは進めない。」
「さつき・・。」
「私達が前へ進まないと、償いの気持ちも、伝わるはずないから。」
「・・・償いか。どうすりゃいいんだよな。
 俺が前に進むためには・・。」
「和君には、仕事頑張って欲しい。」
「・・・」

翌日、和彦は会社へ行ってみる。
部長は会議中とのことで、和彦は部下に辞表を渡す。
「確かに。
 じゃあ、僕も仕事がありますんで!」
「・・岩瀬!
 ・・・いや、何でもない。」
「それじゃあ先輩、お元気で。」
「・・・」

近所を歩いていたさつきは、子供達が水遊びしているのを見て
ある日の智也を思い出す。

富田と会うさつき。
「実は、智也がびしょ濡れになって帰ってきたことがあって。」
「びしょ濡れ?洋服が、ですか?」
「はい。
 よく晴れた暑い日で、雨なんか振るはずもないし。」

(回想)
子育て掲示板を開くさつき。
『Re:聞いてくれますか?投稿者ミドリママ投稿日:2008/09/12
>トモママさん
 子育てやご主人のグチは大歓迎ですよ。
 そのために、このサイトはあるんですからね!』
『聞いてくれますか?投稿者トモママ投稿日:2008/09/12
 こんにちは最近子育てや主人のことで、モヤモヤしていて・・・
 ・・・・ここでグチを吐い・・・』
返信が来ていたことに嬉しそうなさつき。
『ありがとう、ミドリママ。
 そう言ってもらえると、ホっとします。』
玄関の戸が開く音がする。
「あ・・もうそんな時間・・。」
ため息をつきながらパソコンを閉じるさつき。

玄関に行くと、智也が座り込んでいる。
「どうしたの!?ビショビショじゃない!
 どこでそんなことしてきたのよ。
 水掛でもしてきたんでしょ。
 いいから立って。脱いで!」
(回想終わり)

「その頃パソコンの育児サイトは、私を子育てから解放してくれる
 唯一の時間で・・。
 智也が帰ってくる時間がいつの間にか・・
 私の楽しみの終わりを告げる、合図になっていました。
 そういうイラつきから・・理由も聞かずに、
 頭ごなしに叱ってしまって・・。」
「その時から、智也君はただいまを言わなくなった。」
「はい。
 去年の、9月頃だったと思います。
 もし・・そうだとしたら・・私・・」
「違いますよ、お母さん。
 お母さんは、智也君にとって、とっても大切な事に
 気付いてあげられたんですよ。
 又、何か思い出すことがあったら、いつでも連絡ください。」
「はい。」

さつきはエリ(猫背椿)のところへ行き、娘の遥(野口真緒)に
その頃智也のことで何か変わったことがなかったか聞いてみる。
遥は智也が一人、公園の噴水に入るところを見ていたと言う。
「声掛けようとしたけど、何だか怖くて・・。」
遥はさつきにそう話す。

面談室で考え込む富田。
「びしょ濡れで帰ってきたのが去年の9月。
 ・・・何があったのか・・。」

事件現場に花を手向けるさつき。
手を合わせる姿を美帆子は又目撃してしまう。

富田は警察を訪ねていく。
「去年の9月頃、あの橋の辺りで何か事件なかったですか?
 どんな小さな事件でもいいんですけど。」
「9月ですか?
 事件っていうほどじゃないですけど。」
「何なに?」
「鐘つきばあさんっていうのがいましてね。」
「あー!夕方決まって線香焚いてリン鳴らす、
 あのホームレスのばあちゃん?」ともう一人の刑事(ダンカン)。
「夕方に?何で?」と富田。
「夕方5時に、一人息子が病死したらしいんですが、
 本人は供養のつもりだったんでしょうが、
 線香の火が原因で、ダンボールを燃やす小火騒ぎを
 起こしてしまいまして。 
 その前にも、近所の住民から、気味悪がられていまして。
 確か去年の9月か10月頃だったな。
 強制退去に・・。」
「その人、今は?」
「確か、浦和か大宮の施設に。」
刑事は部下に、どの施設だか調べるよう頼む。
「ごめんね、お手数掛けちゃって。」と富田。
「いえ、実を言うと、野口智也と、同じ年頃の娘がいるんですよ。
 だから、関われば関わるほど、他人事とは思えないんです。」
刑事の言葉に微笑む富田。

小沢家
美帆子は秀昭を部屋に呼び、聖子には聞こえないよう話し出す。
「パパにお願いがあるんだ。」
「何だ改まって。」
「事件のあった場所・・元に戻さない?」
「元に戻すって?」
「花とかお供えしてくれるのは嬉しいけど、
 橋渡るたびに、事件のこと思い出すんだ。」
「・・・」
「それに・・あの人来てる。」
ドアの向こうで聖子が話を聞いていた。
「美帆子、お前まさか・・」
「毎日のように、これ見よがしにお花供えて!
 そんなことしてもきよタンが戻ってくるわけじゃないのに!
 私溜まらないんだ。
 ママがやっとママに戻ってくれようとしているのに、
 何であんな無神経なこと!」
「・・わかった。担当の人に話してみるよ。」
「本当に?」
「これ以上あいつらに家族を苦しめられてたまるか!
 そんなこと絶対に許さない、絶対に!
 ママの為にも、家族の為にもな。」
その時、廊下を走り去る音が聞こえてくる。
「聖子!?」

聖子は事件現場にいた。
備えられた花を手に取り考え込む聖子。
後を追ってきた美帆子は、母親から花束を奪い取り、
川に投げ捨てる。
「ママ!!」
「その人は・・どんな気持ちでここに?」
「聖子。そんなこと考えるな!」
「そうだよ!もう考えるのやめようよ!
 どうやったって私達はきよタンのことを忘れないんだから!
 それでいいじゃん!」
「美帆子の言う通りだ。そんなヤツのこと考えるよりも、
 俺達家族が前向きに生きていけるよう考えよう。な!
 きよタンは、俺達の心の中に、いつまでも生きているんだから。」
「でも・・その人も、このことは一生忘れられないのよね。」と聖子。
「・・・」

家庭裁判所、面談室
「公園の噴水で?」と富田。
「何があったんでしょうか・・。
 私が理由も聞かずに叱り付けたあの日・・
 智也に一体・・。」とさつき。
「これ・・あくまで想像ですが・・」
「ホームレス?」
「ええ。丁度事件のあった橋の下辺りに住んでいて、
 鐘撞きばぁさんと呼ばれていたそうです。」
「覚えてます。子供に棒を振り回したり、石を投げつけたりする
 おばあさん!
 ・・・危険だからと、学校からもプリントで注意が。」
「お母さんからも、注意を?」
「・・・」

(回想)
手をつないで橋を歩きながら、あの看板を見つめるさつきと智也。
「智也もああだったのよ。可愛かったなー!」

その時、
「ここに来るんじゃない!
 何度言ったらわかるんだい!
 クソガキがー!!
 二度と来るんじゃないよ!!」鐘撞きばあさんの声。

「絶対にあそこに近づいちゃダメよ。
 智也はいい子だから。約束守れるよね!」
二人は笑顔で指きりを交わし・・・。
(回想終わり)

「そうですか。約束をして。」と富田。
「その人と智也との間に、何かあったんでしょうか。」
「いや、それは・・まだ・・。」
「私との約束を破ってまで智也は・・その人のところに
 行ったんでしょうか。」
「そのおばあさんは今、浦和の施設にいるそうなんで、
 この後、会いに行くつもりでいます。」
「・・・」

その頃智也は、ノートにカブトムシの絵を描きながら、
ふと、あの日のことを思い浮かべる。

(回想)
学校の帰り道、お経をあげる声が気になり、橋からダンボールハウスを
覗き込む智也。
その時、ランドセルからリコーダーが落ち、
ダンボールハウスの前で真っ二つに折れてしまう。
物音に気付き、おばあさんが出てきた。
(回想終わり)

智也は思い出したことを消し去るように首を横に振ると、
ノートをパタっと閉じる。

野口家
レンタカーで運んだ引越しの荷物を片付ける和彦。
「実は・・今日さ、新しい会社決まりそうなんだ。
 前に一度ヘッドハンティングにあった会社で、
 連絡したら、会おうって言われた。」と和彦。
「私も仕事見つける。
 これからの賠償のこともあるし、和君にばっかり、」
「お前は、無理するな。
 今は・・智也と向きあえるのはお前しかいないんだから。」
「和君・・。」
「情けないけど・・俺、まだ、智也に向きあう自信ないんだよ。
 だから、今は悪いけど・・・智也のこと頼むな。」
「うん。」

面談室
「智也君、一度は清貴君を、公園のトイレに連れていってあげようと
 思ったのよね?」
富田の言葉に智也が頷く。
「でも智也君は、清隆君の言葉を聞いて、
 自分んちのトイレに連れていってあげようって思ったのよね。
 清貴君の、ママとの約束、守らせてあげたかったんだね。」
「どうして・・。」
富田は智也の手を握り締めて、語りだす。
「去年の9月・・誰にも言えない事、あったよね。」
「・・・」

(回想)
ホームレスの女性は智也が落としたリコーダーの半分を
持って帰ってしまった。
智也が残った半分を取りに行くと、女性が出てきた。
(回想終わり)

富田の手を離そうとする智也。
「大丈夫!心配いらない!
 そのおばあさんはね、智也君のことすごいいい子だって。
 智也君に酷い事をしたって、泣いて謝ってたよ。」
「・・・でも・・僕は・・お母さんとの約束を守らずに・・
 行っちゃいけないって言われた所に、行っちゃったから・・。」

(回想)
その場から逃げ去ろうとする智也。
「待ちんしゃい。」
「・・・」

「絶対あそこに近づいちゃダメよ。
 約束守れるよね。」

智也の脳裏に母親との指きりがよぎる。

「これやったら、お母さんに叱られるやろが。」
「・・・」
智也はゆっくりと女性に近づいていく。
(回想終わり)

「それがきっかけで、会いに行くようになったんだ。」
智也が頷く。
「そのおばあさんの亡くなった子供のサトル君に、
 智也君がそっくりだったから。」
「おばあちゃん・・寂しいから・・毎日来て欲しいって。
 リコーダーも、接着剤で直してくれたから。」

(回想)
老婆に笛を吹いて聞かせたり、カブトムシの絵を描いて説明をしたり。
智也はダンボールハウスに通うようになる。
(回想終わり)

「でも・・僕はおばあちゃんの子供じゃない。
 なのに・・おばあちゃんが・・。」

(回想)
遺影に手を合わせる智也を見つめていた老婆、
「・・・サトル!サトル!!サトル!!
 ここにいんしゃい。」突然智也を力強く抱きしめる。
「離して・・痛いよ・・。」
「サトル、ここで暮らそう。ずっとここにいんしゃい!」
「ダメだよ。お母さんが待ってる!」
「サトル!サトル!ここにいんしゃい!サトル!!」
「苦しい・・助けて・・お母さん・・」
智也は老婆から必死に逃れようと、老婆の手を思い切り引っかいた。
老婆の力が緩むと智也はその手から逃れ、
「僕はおばあちゃんの子供じゃないよ!!」と言い
叫びながら飛び出していく。

公園の噴水に飛び込む智也。
彼の両手の爪は、老婆の血液が付着していた。
智也は頭から水を被り続け・・。
(回想終わり)

泣きながらその時のことを話す智也。
「ありがとう・・。話してくれて。
 辛かったね。
 その時沢山の大人が、智也君とすれ違っても、
 誰一人、声を掛けてくれなかったよね。」
「僕が悪いんだ。
 僕がお母さんの言いつけを守らなかったから、
 僕が悪いんだ。」
「智也君は悪くない!
 智也君は悪くないよ。
 気が付いてあげられなくてごめんね・・。」
「おばさん・・。」
「その時・・誰かがこうして・・
 抱きしめてあげられれば良かったのに・・
 ごめんね・・。辛かったよね・・。」
富田は智也を抱きしめながら一緒に涙を流すのだった。

鑑別所の面談室
さつきは新しい昆虫図鑑を手に訪ねていく。
「図鑑、ですか?」と富田。
「はい。
 前のものより、沢山写真が載ったものを見つけたものですから。」
「・・・そうですか。」
「あの・・智也は・・去年の9月のこと、何か話したんでしょうか。」
「・・・はい。」

その頃和彦は再就職の面接を受けようとしていた。
担当者がやってくる。
「お待たせしたのに誠に申し上げ難いことなんですが・・
 今回の話はなかったということに。
 リサーチした結果の判断ですので。では。」
「・・・」

面談室
「そんな・・智也に・・そんなことが・・。」
「施設に住んでいた女性にも話を聞きました。
 智也君が話してくれたことに、間違いはありませんでした。」
「私が頭ごなしに叱ったから・・智也は言えずに・・。」
「それだけじゃありません。
 智也君は、お母さんの言いつけを守らなかったこと、
 約束を破ったことに、深い・・後悔と苦しみを感じていたんです。」
「・・・智也・・。あの時・・私が気付いてあげていれば・・。」
「約束を破ったことで、智也君は、すぐにお母さんを呼べなかった
 そうです。」

(回想)
ずぶぬれになって帰宅した智也。
「・・・お母さん・・出てきて・・
 お帰りって言って。
 お母さん・・」
そう呟くと、その場に崩れ落ちてしまう。
さつきが玄関に出てくると、智也の表情が一瞬輝く。
だが・・
「どうしたの!?
 ビショビショじゃない!どこでそんなことしてきたのよ!
 水掛けでもしてきたんでしょ!
 ・・いいから、立って、脱いで!
 いつからそんな悪い子になったの?
 聞いてる!?ねえ!聞いてんの!?
 ・・ったくもう!」
「・・・」
(回想終わり)

「何てことを・・
 智也は私を求めてたのに・・。
 私は何てことを・・」
「残酷なようですが、そこから、智也君は、
 お母さんとの扉を、閉ざしてしまったのかもしれません。」
「・・・」

事実、その日から智也はさつきのことを避けるようになっていた。

「なのに私は・・反抗期だとばかり思っていて・・。
 智也の心の悲しみを・・探そうともしないで・・。」
「母親は・・万能じゃないですよ。
 もし私がお母さんの立場になっても、
 気が付いて上げられた自信は・・。」
「私が悪いんです。全て私が。
 ・・・智也に会わせて下さい。
 智也に会いたいんです。
 あの時出来なかったこと・・今、この手で抱きしめてあげたいんです!」
部屋を飛び出すさつき。
「お母さん!」
「離して下さい。
 智也に会わせて!お願いします・・智也に会わせて・・
 智也・・智也・・」
さつきはそう叫びながら泣き崩れ・・。

帰り道
「誰にも言えなかったなんて・・辛かったでしょうね、智也君。」と宮本。
「それを知ったお母さんも。」と富田。
「でも、そのおばあさんのことと、清貴君を殺してしまったことと、
 何か、関連性があるんでしょうか?」
「それを調べるのが私達の仕事じゃないの。」
「そうですけど・・」
「まあ、関連性があるとは言い切れないけど、
 智也君にとって、ショックな出来事だったことには
 間違いないわ。」

野口家
「智也に・・そんなことが・・。」と和彦。
「どうして私は・・智也の話を聞いてあげられなかったんだろう。
 その日から、智也は私に心を閉ざしたんだと思う。
 その後だって、智也の気持ちに気付くチャンスは、
 きっと、何度もあったはず・・。」
「そうだな・・。
 ・・・でも智也は、お前の言いつけを破ってまで、
 そのおばあさんのところに通い続けたのは何でなんだろう。」
「・・・」

事故現場に置かれていた花やぬいぐるみが撤去される。
「・・・これでいいんだよ。
 みんなが忘れたって、私達は忘れないんだから。」と美帆子。
「ああ。
 ・・・きよタン!お家帰ろうな!」と秀昭。
「きよタン・・・バイバイ・・。」涙する聖子。
「きよタンのバカ。
 きよタン・・バイバイ・・。」美帆子の泣いていた。
「これでいいんだ。これで・・。」
秀昭はそう言い、二人を抱きしめる。

恋人とレストランで食事する彩乃(田畑智子)。
「美味しいね、ここ。
 今度お姉ちゃんにも教えよう!」
「お姉さんには、会ってる?」
「うん。前みたいにはいかなくなったけど。
 この間ね、話したの。ウメちんのこと。」
「お姉さんに?」
「心配してた。あんな事件あったし、
 ウメちん引いちゃうんじゃないかって。」
「・・・ちゃんと言った?」
「私の彼は、そんな小さい人じゃないってね。」
笑い合う二人。
「今度、両親に会って欲しい。」
「うん!」

さつきはうらわホームを訪ねていく。
「あんたがあの子の・・」
「はい。」
「よう似とる!その目と顎んとこ。
 あの子・・元気とですか?」
「はい。」
「羨ましかったとです。
 死んだ息子に似とるというのもあったけど、それだけやない。
 あんないい子を持ってるお母さん。羨ましかったとです。」
「・・・」
「ばってん、悪い事をして・・ごめんやったね・・。」
「・・あの子は、智也はどうして、あなたの所に行くように
 なったんでしょうか。
 それが聞きたくて来ました。」
「笛ば・・あの子の壊れた笛ば、接着剤で直してやったら、
 なーんもお礼は出来んけ、この笛ば吹いちゃうって。」
「笛を・・」
「綺麗か音やった・・。
 こが・・ええ子持ってるお母さん・・どがんに幸せかて、
 羨ましかったとよ。
 あの子ば、昆虫が好きやって聞いて・・
 ばあちゃん、図鑑見つけてくるけ、明日も来んしゃいって。
 私は、虫のことなんかなーんちゃ知らん。
 けど、あの子の説明聞いとるだけで幸せやった。
 したらあの子、ばあちゃん、いつもニコニコ笑っとるねって。」
さつきの頬を涙が伝う。
「・・ありがとうございます。
 智也に優しくしてくれて。
 本当は・・母親の私がやらないといけないことを・・。」
さつきはそう言うと深く頭を下げ、もう一度言う。
「ありがとうございます。」

小沢家
仏壇にメロンを供える聖子。
美帆子が聖子を心配し、話しかけようとする。
「そっとしておいてあげよう。
 少しずつでも戻ってきてくれればいいんだから。」と秀昭。

「ママ、夕ご飯どうする?餃子パーティーでもやらないか?」
秀昭が明るく声を掛ける。
「餃子か。久しぶりだね!
 餃子の皮とかあったかなー。」
「買ってくるよ!私すぐに買って来る!」
「そう?じゃあ豚挽き肉と白菜もお願いしようかな。
 パパが、5人分は食べるからね。」
「頼むぞ。」
「ok!」

買い物に出かけた美帆子は、あの橋で、又さつきを見かけてしまう。
さつきは花束を手に事件現場へと歩いていく。

「何で・・何でなの?
 やっとうちが・・」美帆子が呟く。

事件現場に花を手向けようとするさつき。
「やめて!」と美帆子。
「・・・」
「・・・そんなことして喜ぶと思ってんの?
 犯人の親なんかに弟は会いたくないって言ってんの!」
「・・・!!
 清貴君の・・」
「気安く弟の名前呼ばないで!」
「・・・」
「・・・帰れよ!
 もう二度と来るな!帰れ!」
さつきは涙をこぼしながら土下座をする。
「・・・そんなことしたって、私達が、
 パパやママがどんだけ苦しんでいるかわかるの!?」
「・・・あの子が、あんなことをしてしまったのは、
 私のせいなんです。
 だから・・私が、殺したようなもんなんです。」
「だったら償ってよ!
 あんたが死んでみれば!?」
「・・・」
美帆子が走り去るが、さつきはその場から動く事が出来ず・・。


ママとの約束。
公園のトイレは使ってはいけないという、聖子と清貴の約束。
ホームレスの女性に近づいてはいけないという、さつきと智也の約束。

ホームレスの事件は原作とは違うんですね。
ドラマで内容を変えてきたのは、影響力を考えてのことなのか。
それとも、もっと日常的なことに置き換えて、
視聴者に考えて欲しかったからなのか。

でもこの老婆の登場で、さつきに欠けていたものがはっきりしたと
思います。
老婆は虫に詳しくもないのに、智也が喜ぶだろうと図鑑を用意し、
話をいっぱい聞いてあげた。
そういう時間が幸せだった。
こんな可愛い子を持つ母親が羨ましかった。
そして、彼を母親の元に返したくないという思いからなのか、
それとも本当に自分の子供と錯覚したのか、
力いっぱい抱きしめてしまった。

小学生の男の子が大人に物凄い力で羽交い絞めに抱きしめられて、
きっと死ぬほど怖い思いをしたと思う。

母親との約束を破ってしまったこと。
老婆の手を傷付けてしまったこと。

繊細でとても優しい智也は、そのことでどれだけ苦しんだか・・。
でもそんな自分に理由も聞くことなく、母親に叱られてしまい・・。

「僕が悪いんだ。
 僕がお母さんの言いつけを守らなかったから、
 僕が悪いんだ。」

優しい智也は、老婆のことも母親のことも責めず、
自分のせいと、ずっと自分を責めていた・・。


さつきはネット中毒とまでは言いませんが、
育児のストレスを育児サイトで発散させていた。

専業主婦って子供を送り出してしまうと、
自分から外に出なければ、一人ぼっちなんですよね。
だからさつきがネットの世界に楽しみを見つけてしまうのは
わかるような気がします。
子供の帰宅がそれを中断させてしまう。
一番の問題点は、さつきがそう感じてしまっていたことなのかな。
そして智也にも、母のそういう思いが伝わってしまっていて、
寂しい思いを抱えていたのかも。

でも今、さつきは自分の間違いに気付きました。
そんなさつきを、智也は受け止めてくれるのでしょうか。


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公式HP

海容=海のように広い寛容な心で、相手の過ちや無礼などを許すこと。


原作
4063722724アイシテル~海容 前編 (1) (KCデラックス)伊藤 実講談社 2007-03-06by G-Tools


4063722732アイシテル~海容 後編 (2)伊藤 実講談社 2007-03-06by G-Tools



主題歌
アイシテル
アイシテルMONKEY MAJIKbinylrecords 2009-06-10売り上げランキング : 5828Amazonで詳しく見る by G-Tools



挿入歌
B001VOD50Gうつし絵新垣結衣ワーナーミュージック・ジャパン 2009-05-27by G-Tools



「Forgiving」アイシテル~海容~オリジナル・サウンドトラック
「Forgiving」アイシテル~海容~オリジナル・サウンドトラックS.E.N.S. BMG JAPAN 2009-05-27売り上げランキング : 90683Amazonで詳しく見る by G-Tools



B0023B15U8アイシテル ~海容~ (稲森いずみ 主演) [DVD] by G-Tools



【キャスト】
野口 さつき - 稲森いずみ
野口 和彦 - 山本太郎
野口 智也 - 嘉数一星

小沢 聖子 - 板谷由夏
小沢 秀昭 - 佐野史郎
小沢 美帆子 - 川島海荷
小沢 清貴 - 佐藤詩音

富田 葉子 - 田中美佐子
富田 健太 - 吉川史樹

宮本(山崎画大)

森田 彩乃 - 田畑智子
森田 敏江- 藤田弓子

佐伯 正志 - 高山猛久
小泉刑事 - 小松和重

麻衣子 - 志村玲那
宏美 - 折山みゆ
野口真緒
猫背椿
ダンカン

【スタッフ】
脚本 - 高橋麻紀・吉本昌弘
原作 - 伊藤実 「アイシテル〜海容〜 前編・後編」
プロデューサー - 次屋尚・千葉行利
演出 - 吉野洋・国本雅広
音楽 - S.E.N.S. 「Forgiving」
制作協力 - ケイファクトリー


稲森いずみさんの主な出演作品



板谷由夏さんの主な出演作品


この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、就職が決まりおめでとうございます、あまり無理して体調をくずさないように気をつけてください。

今回のホームレスの話が清貴を殺害する理由になるのかと思いましたが智也とさつきのすれ違いを表しただけでした、キャッチボールをしたときに近くのお兄ちゃんたちの真似をして同じようにホームレスをばかにしてダンボールハウスに石を投げた清貴に悪い事だと諭すために清貴に投げた石の当たり所が悪かった事故だったことに繋がるのかと見ていたら、ホームレスの女性から逃れるために暴れたときに線香を倒し小火騒ぎから撤去され保護施設に移っていましたね、ホームレスの女性をどこかで見た役者さんだと思ってクレジットをみたら大空真弓さんの名前が、あの有名な?ちがうかな?

自分を責める智也、びしょびしょで帰って来た息子に水遊びと決めつけ理由も聞かなかったさつき、帰って来る時間が自分の時間の終わりだと思っていたとの富田への告白が痛々しい!

花を手向けるさつきへの美帆子の言葉も突き刺さります、前を向き始めた母親の聖子がさつきに出会ってしまったら元にもどるどころか違う方向に向かってしまう事も幼いながらに考えているのかな?

まだ中盤ですが、どうしても清貴の死は事故として考えたい自分がいます、繊細な智也にとって殺意があったとか無かったとか関係なく清貴が目の前で死んだ事は事実、そこからの自供にしてもらいたいです!
Posted by けた at 2009年05月14日 19:52
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アイシテル〜海容〜 第5回 感想
Excerpt: 『意外な真相…息子の秘密』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2009-05-14 19:41

アイシテル〜海容〜 第5話
Excerpt: 大学生のとき、子供と接するサークルに入っていた。<br /><br /><br />子供も大人と同じようにストレス感じながら生きている。<br /><br /><br />大人のように表現できない、発散できない子供にそのストレスは計り知れない。<br /><br /><br />もし仮に…<br /><br />ずぶ濡れになって…..
Weblog: KAT & APL
Tracked: 2009-05-14 23:48
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