2009年05月16日

スマイル 第5話

『誕生日にもらった一生の宝物』

ビト (松本潤) と 一馬 (中井貴一) は、食中毒事件の原因を調査する毎日。
ある日、街中で偶然にも二人は出所した 林 (小栗旬) と再会してしまう。

「久しぶり。人殺しのビーートちゃん。
 又誰か殺しちゃったのかな?」
「・・・」
「元気だったか?あ?」
「・・・は、はい。」
「昔の友達か?」一馬がビトに聞く。
「なんかー、大人になったっていうかー、
 お行儀良くなっちゃったんじゃねーの?
 ビートちゃん。」
林はビトの耳に息を吹きかけ、そして笑う。
林とは目を合わせずに愛想笑いを浮かべるビト。

カフェバー
「出所・・されたんですね。」
「ああ。ご祝儀くれっか?」
「え・・」
「今いくら持ってる?財布出せよ。」

「おいおいおい。」二人から少し離れた席に座る一馬が止める。「なーんて、冗談だよ。
 タバコあるか?タバコ。」
「いえ・・タバコ、止めたんで。」
「あ?お前本当にあのビトかよ。」
「・・すみません。」
「つーかさ、甲斐の野郎今何やってっか知ってる?」
「・・・」
「あの野郎本気でぶっ殺してやろうと思ってよー。
 それだけを楽しみにムショでも頑張ってたわけよ。
 つーことで・・ビト。甲斐の野郎マジリンチってことで。」
「・・・」
「どうせお前あれだろ?シャバでも弾かれまくってんだろ?
 うん?」
「・・・」
「又、俺が守ってやるからよ。うん?
 遊ぼうぜ、ビト。」
「・・・」
ビトの頭を鷲掴みする林。
「お前の会社今ヤベーんだろ?
 ドサクサに紛れて、通帳とか金とか何でもいいから
 ガッと持って来い。」

「君君君君。」と一馬。
「何だよ!」
「何怒ってんのかなぁ。」
「昔からの親友と久々に再会してんだ。
 邪魔すんなよ。」
「こりゃ失礼しました。」

「お前の番号入れろ。」林がビトに携帯を渡す。
「・・・」
「お前の番号だよ。」
「・・・」
「又楽しいこと一杯しようぜ。な!」
ビトは断れず、携帯に手を伸ばす。

「はい、ビト。入れるな教えるな。
 さあ行くぞ。」と一馬。
「おっさん。待てコラッ!」
「又、ムショに逆戻りになるよー。」
「おっさん・・弁護士?」
「あんまりお行儀が悪いと、」
「ビト!お前何弁護士と吊るんでんだ?
 法律はお前を縛り付けるけど、守ってはくんないんだよ?」
「バカ言うな。ほら行くぞ。」
一馬はテーブルに金を置き、ビトを連れて歩き出す。
「一度でも法律がお前のことを守ってくれたかぁ?
 ビーートー!」
「・・・」
「さ、行くぞ。」
一馬はビトの背中を押し、店から連れ出す。
林は不適な笑みを浮かべ・・。

「すいませんでした。何か、色々。」ビトが一馬に謝る。
「関わるなよ、絶対。」
「・・・」
「ああいう男には関わるな。」
「・・・」
「それより告訴の件だよ、問題はよ。」
「・・・謝りに行きたいです。」
「え?」
「まずは、とにかく謝りたいです、きちんと。」

リナが入院する原宿中央病院。
「本当に、どうもすみませんでした。」
ビトはリナの母親に深く頭を下げて謝罪する。
「謝って済むなら裁判なんて必要ありませんよね。」
「リナさんの容態は?」一馬が聞く。
「今のところは、何も後遺症は現れていませんけど。」
「お母さん、今回の件の発端は別にあります。
 彼に責任はなかったんです。」としおり (小池栄子) 。
「しおりちゃん、」一馬が止めようとする。
「いずれ近いうちに、それがはっきりすると思いますので。」としおり。
「しおりちゃん!」と一馬。
「リナさんをこんな目に遭わせたのは誰か、きちんと証明して
 みせますので。」としおり。
「この期に及んで何責任転換してんのよ!」と母親。
「え・・」としおり。
「あんた達、何なの?謝罪しに来たんじゃないの?
 違うの!?
 本当に悪い人は別にいますって、自分は悪くないって言ってんじゃないの!?」
「いや・・それは・・」とビト。
「謝る気なんてこれっぽっちもないんじゃない!
 悪いなんて全く思ってないじゃない!!
 あんた達!一体何しに来たのよ!!」
母親は激怒し3人の前から立ち去ってしまう。

帰り道。
「すみませんでした。」としおり。
「いい勉強になったろ。」と一馬。
「はい・・
 ビトごめんね。
 私本当に調子に乗って最悪だよね・・。」
「いや・・本当に心配なのは、リナちゃんの体調で、
 もし僕に・・責任があるなら、その罰はきちんと受けなきゃいけないし。」
「すみません先生、私ここで。」
「おぉ。じゃあ花ちゃんのこと、よろしく頼むな。」
「はい。」

花 (新垣結衣) は、声を失う原因となった報道陣を避けて
しおりとビジネスホテルで生活を始める。
「一人のほうが良かった?」としおり。
花は手を横に振る。
「でもビトの方が良かったよねー!なんてね!」
笑い合う二人。
「いい感じ?ビトとは。」
「・・・」
「上手くいってないの?」
『想いは伝えた』花はノートにそう書く。
「でも反応なし?」
ビトにありがとうと言ってもらえたことを伝える花。
「いいじゃん!最高じゃん!
 何だよノロケかい、この小娘が。」
『でも それだけ』
「それだけってもう、時間の問題でしょ。
 ね、ビトはさ、花ちゃんのこと何て呼んでるの?」
『ねえ とか』
「やっぱ花とか呼んでもらいたいよね!
 せめて花ちゃん、とかさ。」
しおりの言葉に花は照れ笑い。

町村家
「それで先生、どうでした?
 帝国食品から、もち米を仕入れてた他の業者の反応は?」と宗助 (前田吟)。
「基本的に、門前払いですね。」と一馬。
「あれ絶対口止めされてるんです。」とビト。

(回想)
山本米店
「明日はわが身ですよ。
 いざとなったらああいう会社は平気でお宅だって切りますよ。」と一馬。
「お引取り下さい。」と店主。
「いいんですか?
 同じような立場の弱者が切り捨てられんのを、
 見て見ぬふりですか?」
「帝国食品との取引が切れたら、・・・」
「切れたら何ですか!?」とビト。
「いえ・・だから・・
 お察しください!」
店主はそう言い、二人に頭を下げて頼んだ。
(回想終わり)

「辛い立場よね。」とみどり(いしだあゆみ )。
「そんな人のいい事言ってる場合じゃないっすよ。」とブル (風間健児) 。
「でも、逆の立場だったら、うちだってどうしてたかわからんよ。
 こんな、吹けば飛ぶような会社だ。
 どうしても守らなきゃならない、みんなの生活のこと考えたら、
 こんなちっぽけな正義感なんて、無意味かもしれません。」と宗助。
「・・・保護司である町村さんから、そんな言葉を聞くとは
 思いませんでしたよ。」と一馬。
「更正しようとしている、彼らを路頭に迷わせることになったら、
 彼らの将来のことを考えたら、奇麗事だけでは済まされないってことは、
 今回の件で、痛感しました。」
「そう言いながら何だかんだ、不正は許せないのよね。」とみどり。
「いや、本気で言ってんだよ。」
「わかってますって、社長。」と金太(徳山秀典)。
「俺達は社長についていきますよ!」とブル。
「僕もです!」とビト。
嬉しそうに微笑む町村夫妻。
「で、お得意さんはどうでした?」と一馬。
「ええ。今回回ったところでは、取引を止めるという会社は
 どこもありませんでした。」
「よっしゃー!!」
「社長の人柄じゃないですか?やっぱ。」とブル。
「そんなんじゃないよ。
 でも、銀行も、ちゃんと、協力してくれていますから。」と宗助。
「捨てる神あれば、拾う神あり、ですね!」と金太。
「そう!」と宗助。
「いいもんですね、そういう信頼関係って。」と一馬。
「はい!」
「さあ、これからが踏ん張りどころよ!
 みんな頑張ろうねー!」とみどり。
「はい!」
「明るい未来が、すぐそこに待ってる!」
宗助はそう言い、一馬に酒を勧める。

食後、部屋に戻ったビトは、金太に林と会ったことを話す。
心配そうな二人の様子に、ブルは
「しかめっ面してもいい事ない」と励ますが・・・。

その頃、林はメモを頼りにあるアパートを訪ねていく。
203号室のドアを乱暴に叩く林。
ドアを開けたのは美奈子(村上知子)だった。
「・・・誰?あんた。」
「・・・」林は不気味な笑みを浮かべ・・。

「これは、壮絶な生き様を見せた男の、
 愛と正義の、物語だ。」


ホテル
「私が?私が何?」としおり。
『先生 どう思う?』
「・・やだ!恋愛的にってこと!?」
花が頷く。
「弁護士としては尊敬してるよ。
 でもそういう風な目で見たことないしさー。
 ミーハーな所も気になるし。
 私と先生!・」
『おにあいハート
「ちょっと勘弁してよ!
 あのね、そういう手近で簡単な組み合わせって人は喜びたがるけど、
 当人にしたらそういう期待ってホント迷惑っていうか。
 私と先生でしょ!?ないない!いくつ年離れてんのよー。」
『でも多いよ そんなカップル』
「若いのに冷静だね、花ちゃん。」
花が頷く。
「こういうことあるとさー、決まって次に会う時意識しちゃうじゃない!」

一馬の事務所
花、しおり、ビトが仕事をする中、一馬はプっとおならを一発。
「あ・・」
「臭っ!臭いよ先生!」とビト。
「もう・・」
「失礼しました。
 花ちゃん、ちょっと笑いすぎだよ、笑いすぎ!
 ほんっと失礼しました。」
「ちょっとでも意識した自分が恥ずかしいよ。
 花ちゃんやっぱナイな。」としおり。
『おにあい!』花がジェスチャーする。
「お似合い!?
 今の先生とお似合いって私どういう女よ、もう・・。」

ビトと一馬はその日もた帝国食品の取引先を回ることに。
『がんばって!』花がジェスチャーで励ますと、
ビトは笑顔で「うん!」と頷き出かけていった。

検察庁
「あの弁護士連中、かなり大っぴらに動いているみたいですね。」
と古瀬刑事(北見敏之)。
「又あなたですか・・。」と北川検事(甲本雅裕)。
「なかなか思うように捜査、進んでないんじゃないんですか?」
「あなたはあなたの職務をまっとうしたらいかがですか?」
「ガキの頃から知ってるんですよ、あいつを。」
「早川ビトですか。」
「ヤツが関わるところで問題ばかり起きるでしょ。」
「腐ったみかんの方程式とか言わないで下さいよ。」北川が笑う。
「笑い事じゃないですよ。
 悪い芽はきちんと摘まないと。
 そのうちとんでもないことになりますよ。」

一馬とビトは、日野食品工業から帝国食品の社員が出てきたことに気付く。
ビトが二人を見かけたことがあったのだ。
タクシーに乗り込もうとする二人を慌てて引き止める一馬たち。
「すみません!
 帝国食品の方ですか?」と一馬。
「ああ。」年配の男が答える。
「私あの、町村フーズの顧問弁護士をしております、
 伊東一馬と申します。」名刺を差し出す一馬。
「え・・」
「僕は、町村フーズの社員です。」とビト。
若い社員は深刻な表情を浮かべビトたちを見つめている。
「行くぞ!」上司がタクシーに乗り込む。
「ちょっとお話を聞かせて頂きたいんです。
 すみません。何かあったらあの、ご連絡下さい。
 お願いします。」
一馬はそう言い、若い社員の胸ポケットに名刺を差し込む。
「早く乗れ!」と上司。
「すみません、お願いします!」

走り去るタクシーを見つめるビトと一馬。
「何この慌てっぷり・・。」とビト。

町村フーズ前にはその日も多くのマスコミが押し寄せていた。

町村家
「原因は間違いなく帝国食品です!」とビト。
「やっぱり正義は勝つのよねー!」とみどり。
「そうは言っても、向こうは大企業だからな。
 そう簡単にボロは出さないだろうし。」と宗助。

その時、金太とブルは新聞に載っている週刊誌の見出しに気付く。
「最悪ですよ、これ!!」

『本誌独占スクープ
 町村フーズ
 元従業員が語る!
 毒食品会社社長は偽善者
 ・元犯罪者を安月給で使うあこぎな経営手腕
 ・社長は保護司の仮面を被った悪魔
 ・妊娠中の元女性従業員にセクハラも』

「元従業員って・・。」

検察庁
古瀬刑事が北川検事に週刊誌を持っていく。
「見ましたか?この雑誌! 
 世論も後押ししてくれていますよ。
 この町村って社長、ああいう連中雇って商売するから
 こんなことになるんだよ。」
「相変わらずすごい偏見ですね。」と北川。
「そんなもんないっすよ。」
「偏見持ってる人間に限って、本当に自覚がないもんだ。」
「とにかく、町村逮捕に、大きく前進したじゃないですか。」
「しつこいな。あなたは合同捜査のメンバーじゃないでしょう。
 協力も要請してないのに首突っ込んできて。
 素体の仕事だけやってて下さいよ。」
「ここで働く人間の責任も、きっちり追及した方がいいですよ。」
「早川ビトがどうとか私は全然関係ないんですよ。
 真実を明らかにすることだけが、私の仕事ですからね。」
「またまた。あの伊東一馬って弁護士を、ぶちのめすチャンスで、
 嬉しくて仕方がないんじゃないんですか?」
「・・・」

この二人、元々手を組んでいるわけでは
なかったんですね。


2015年 夏 面会室
「あの時、捜査陣は大喜びだったろ。」と柏木刑務官(勝村政信)。
「そりゃ。」と一馬。
「一馬先生目の仇にしてればね。」
「社長の書かれ方、ハンパじゃなかったからな。」
「面白いと思ったら、何でも書いちゃうんだもの。」とビト。
「一応仮にも、有名な出版会社だからな。
 読む方は信じちゃうんだよ。
 恐ろしいね。」と柏木。
「たった一つの、面白ろおかしく書いた文章で・・ね。」とビト。
「どれだけ人の人生狂わしてるかなんて、わかってねーんだよ!
 まあ・・それが飯の種なんだからな・・。」と柏木。
「みんながみんな、そういう人間ばっかりじゃないさ。
 ちゃんと使命感持って夢を持って、仕事している人間もいると思うよ。
 ・・そういえばさ、初めてビトの夢を聞いたとき、
 ちょっとグっときたね。」と一馬。
「そう?」
「I have a dream じゃないかって。」
「私には夢がある、か。」と柏木。
「あの時社長から貰った本、まだ持ってるか?」
「持ってるよ。もちろん!
 あれは僕の宝物だから。」
「いつもいつも同じ本眺めて飽きないのか?」と柏木。
「全然!」
「そうだ。お前が好きそうな本、見つけたんだよ。」と一馬。
「本当!?」
「今度差し入れしてやるよ。」
「ありがとう!」
「良かったな!」と柏木。
「うん!」
「やらしいヤツでしょ!」
「違うよ・・」
「やらしいヤツだ!」
「何でそうなるの・・」

面会室を出た一馬は、柏木に聞いてみる。
「実際のとこ、間近でビト見てて、あいつの本心どこにあると思う?」
「満面の笑顔は・・本当か、嘘か、ってこと?
 ・・・それが、本当の様な気がしてならなくてさ。
 シャバに戻っても、いいことなんかないって、
 本気で思っているんじゃないのかな。」
「・・花ちゃんのことは?」
「それは・・・どうなんだろうな・・。」

「そういえば、さっきの話だけど。」と柏木。
「ああ。」
「元従業員の、告白だったんだよね、あの暴露記事。」
「ああ。」
「誰かわからなかったの?どの従業員か。」
「・・・すぐにわかった。」
「それで?」
「あいつら即効で飛んでいったよ。」

2009年 初夏
ブルと金太は美奈子のアパートを訪ねていく。
怒り狂ってドアをノックするブル。
そこへ、林がやって来た。
「やかましーなー。何だお前ら。」
林の姿に怯える金太。
「どうした?金ちゃん。」
「・・・ややや!金太君?
 ハハハ。懐かしいなぁ。久しぶりじゃない。」と林。
「ご無沙汰してます・・」
「あれだろ?今ビトと同じところで働いてるんだろ?」
「はい。」
「今はこのカレと吊るんでるわけ?」
「はぁ!?おい金ちゃん。誰よこいつ。」
林のことを知らないブルは林の前に立ちガンを飛ばす。
次の瞬間、林はブルを階段から突き落としてしまう。
「ブル!!ブル!!」
「おい、少年。お前何俺にやる気になってんだよ!」
林はブルを蹴り飛ばし、側にあったベビーカーで殴りつける。
「林さん!林さん!すみません!!勘弁して下さい!!
 すみませんでした!!」
土下座をして謝る金太。
「・・・冗談だよ。」

ブルの怪我の手当てをする金太とビト。
「大丈夫?」とビト。
「おぉ・・いきなしだったからな・・。
 でもまあ・・何とか。」
「運が良かったよ、ブル。これで済んで。」と金太。
「え・・運がいい方?これで?」
「美奈子ちゃんのアパートに、林さんがいたのって偶然?」とビト。
「それなんだけどさ・・
 もしかして、何か、絡んでるっぽくねーか?林さん・・。」と金太。
「・・・」
「つーか、あの雑誌の影響って、どうなんだろうな。」
「・・・」

雑誌に告白した元従業員の写真。
目の部分だけ黒く塗りつぶされているが、明らかに美奈子だった。

雑誌の影響か、取引先の反応が変わり始めた。
掌を返したように、今後の取引を断ってしまう。

一馬の事務所
「いやいや、面白いものですね、世の中っちゅうもんは。
 あんなデタラメ信じるんだから。
 こっちは長い間ずーっと商売やってきてるって言うのに。」
宗助が笑い飛ばす。。
「冗談じゃない・・」としおり。
「社長と奥さんにあんだけ世話になったのに・・。」とブル。
「本当よ!誰のお陰であんな幸せな結婚できたと思ってんのよ!」としおり。
「やめなさい。美奈子の悪口言うのは。」と宗助。
「でも・・」
「あの子はあの子で、うちらの悪口言わなきゃならない何か、
 理由があるんだろ?」
「どんな理由よ!
 それがかつて世話になった会社が潰れて、
 かつての仲間たちが路頭に迷ってもしょうがないって言える気?」
「もうよしなさい!」とみどり。
「だって・・」
「みんな大丈夫だよ。心配いらないって。
 銀行に、当座の資金、援助してもらうから。」と宗助。
「でももし、銀行が、援助してくれなかったら・・」と金太。
「そりゃ大丈夫だよ。
 相手さんが困っている時、こっちは借りたくもない金借りたり、
 持ちつ持たれつ、二人三脚でやってきたんだから。」と宗助。
「そうよね。」とみどり。
「今はさ、あり得ない風が吹いているんだよ。
 謂れのないイジメにあっているようなもんだって。
 そりゃまあ、すぐ収まる。正義はこっちにあるんだからな!
 ハハハ!!」
「もうちょっとの辛抱よね!」とみどり。
「・・・ビト。」
「はい。」
「お前が味わってきた、屈辱ってーのは、こういう事だったんだろうな。」
「・・え?」
「ちっとはお前の気持ちがわかったって・・
 うちらはまだまだ甘いか。」宗助が笑う。
「いえ・・。」とビト。
「ビトはいつも笑顔だな!
 よし、ビトに見習って、こっちも元気出さなきゃな。
 おー!」と宗助。
「おー!!」と金太とブル。
花も元気に拳を突き上げる。

帰り道
「ビトは何でいつも笑顔なんだ?」一馬が聞く。
「そうですかね?」
「そうだよ。いつもニコニコして、昔からか?」
「・・・町村フーズに来る前は・・ディフェンスだったのかも。」
「ディフェンス?」
「笑ってるとね、何事もなく終わるんだよ。
 どんなに辛い思いさせられても、
 どんなに酷い事言われても、
 笑顔でいれば、それ以上にはなんなかったから。」
「先生にはわかんねーよなー。」と金太。
「頭も良くて、何の不自由もない人生の人には?」とブル。
「・・・わかってんだよ。」と一馬。
「え?」とビト。
「俺だって。・・なーんつってな。
 笑顔が自分を守ってくれる、か。」
その日、ビトはしおりの代わりに花のホテルに泊まることになる。
「ちゃんと花って呼んでやれよ、男なら。
 そういうの大事なんだよ。」
しおりはビトにそうアドバイスし、帰っていく。
ビトと花は照れ笑いし、歩き出す。

事務所で考え込む宗助。
買物から帰ったみどりはそんな夫を見つめ・・
「・・お父さん。」
「おぉ!明日、銀行行って融資頼んでくるよ。」
「・・うん。」
「大丈夫だよ、そんな顔すんなよ。」
「・・そうね。」

夜の街、携帯で仲間に連絡を取りながら歩く林と、花がすれ違う。

花はカフェで相模(吉沢 悠)と待ち合わせをしていた。
「この前ね、早川ビト君に、お父さんのこと話したんだ。」
花の表情が曇る。
「あ、でも、心配しないで。
 彼はね・・
 僕は、彼氏でも何でもありません、
 でも・・守りたいと思います。
 僕が、守らなきゃ。
 守らなきゃって。
 ・・・素敵な人に出会えたね、花ちゃん。」
花が嬉しそうに頷く。
「もう・・僕の役目は終わったかなと思って。
 もちろん、何かあったらいつでも相談して下さい。
 でももう・・定期的に、会う必要はないと思うんだ。
 彼と、素敵な未来を作っていくんだよ。」
花の頬に涙が伝う。
「いい笑顔だ!
 花ちゃんはきっと、もう大丈夫だよ。」
『ありがとう』

店を綺麗に掃除するビト。
そこへ、電話が入る。
「はい。」
「ビートちゃーーん。」
「え・・」
「何びっくりしてんの?
 金太から聞いたんだよ、番号。
 あ?金太と会った話聞いてないの?」
「・・聞きました。」
「そういやさ、甲斐が今何やってっかわかったんだ。
 あいつ、リュウメイ会ってところで、結構偉くなってんのな。」
「・・・ヤバイっすね、それ。」
「うん?つーかさー、ヤクザもんなら俺らがやっても
 俺らだって思わないだろうしー、本格的に殺しちまうか。
 なぁ、ビト。」
「・・・」

翌日、宗助は町村フーズを立て直そうと銀行に融資を頼みにいく。
応対に出たのは、担当の山根 (石井正則)と上司二人。

「冗談は止めて下さいよ!
 融資が出来ないっていうのは、百歩譲って、納得しますよ。
 だけど、今まで融資した額、全額返せって!
 あんたら鬼か!」
「うちはサービス業じゃないんですよ、町村さん。」
「今のうちの状況を知っていてそれを言うってことは、
 私に死ねって言ってんだぞ!
 私だけじゃない。家族や、従業員みんなに、
 死ねって言ってることと一緒だぞ!!」
「この社会情勢です。うち自身、他人に情けを掛けてあげる
 余裕がないんです。」
「他人!?あんたら銀行が困っているときに、
 散々力貸したじゃないか!
 ねえ、山根ちゃん!」
「はい、それは、ごもっともなんですが・・」と山根。
「町村さん!恩着せがましく言われますが、
 お宅が当行の為にしてくれた事など、正直当行にとっては
 たいした事ではないんですよ。
 今回のリスクを背負う程の事かと言われたら・・
 申し訳ありませんが。
 期日までに、全額返済願います。」
「・・・」
覚悟を決めて土下座をする宗助。
「お願いします!!
 この、急場をしのげば、必ず、必ず町村フーズは復活します!
 是非もう一度・・もう一度考え直して下さい!
 お願いします!!
 お願いします・・」
宗助は泣きながら拝むように頼み続けるが・・。

一馬の事務所に香苗 (羽田美智子) という女性が訪ねてくる。
「ご無沙汰です・・」
「ああ・・ご無沙汰です。」

喫茶店
香苗は毒物混入事件のニュースで一馬を見て、調べて訪ねてきたのだ。
「テレビ見てびっくりした。弁護士さんになったんだなーって。」
「いや。あのちっぽけな、小汚いところで細々とやってるって感じ。」
「でも・・立派。」
「ううん。」
「結婚は?」
「ううん。」
「ずっと・・独身?」
「そう・・だね。」
「・・・私のせい・・。」
「そうじゃないよ。」
「・・・」
「今俺さ、日本人なんだ。」
「・・・」

一馬を訪ねてきた香苗。
二人は元恋人。
きっと、彼の国籍が結婚をダメにしてしまったんですね。


公園の水道で顔を洗う宗助。
「・・・」辛そうに目を閉じたあと、
「よしっ!!」
笑顔を作り、歩き出す。
「あ、そうだ!!」
携帯を取り出し、電話をする。
「ああ、みどりか?」

レストラン
「どうしたんですか?いきなり!」と金太。
「うちだと花ちゃん来れないし、せっかくのお祝いだから。」と宗助。
「銀行との話上手くいった?」とみどり。
「銀行はなかなか厳しいわ。ハハハ。」
「それじゃあ何?」としおり。
「何だ。みんな忘れちゃったのか?
 今日はビトの誕生日だぞ。」
「5月19日!そうだった!!」とみどり。
「何だ何だ。知ってて来てんのかと思ったよ。」と宗助。
「ごめん、ビト!」としおり。
「いえ。この状況ですから。」とビト。
「ビトいくつになったんだ?」と一馬。
「26です。」
「さあみんな、グラス持って!
 ビトの26歳の誕生日を祝って、乾杯!」
「乾杯!!おめでとう!!」

ビトの隣に座る花は、ビトに『ごめんね』と語りかける。
「あ、いいのいいの!」
『悔しい!』
「悔しい?」
花がしおりを呼ぶ。
『教えてくれなかった!』
「え?私のせい!?」
『ううん。私のせい・・』花はとても悔しそう。
宗助がビトにプレゼントを渡す。
それは、何冊もの料理本。
その中の一つが、『世界の鍋』だった。
「ごめんなビト。ろくなもんプレゼント出来なくて。」
「いえ。・・・すっごく嬉しいです!」

「何だビト、店やりたいのか?」と一馬。
「多国籍の料理の店、やるんだよな!」と金太。
「多国籍料理の店?」
「はい。いろんな国の料理が、味わえる店を。」
「・・・」
「そこには、いろんな国の人たちが、一杯集まってくるんです。」
「で、お金を貯めるんだって、夜バイトしているんだよね。」とみどり。「I have a dream・・だね。」一馬が呟く。
「店の名前はもう決まったのか?」と宗助。
「いえ、まだそこまでは。」
「そうか。じゃあ、ビトはいつも笑顔だから、
 スマイルってどうだ?」
「えーっ。」と一同。
「来てるお客様はみんなスマイルだよ。」宗助が楽しそうに言う。
みんな、楽しそうに笑っていた。

その夜
新聞を読んでいる宗助にお茶を運ぶみどり。
「お父さん。今日はすみませんでした。
 あの子たちの誕生日とかそういうの、私が気遣う役目なのに。」
「いいんだよ、お前はいつも、よくやってくれてるから。
 謝られるようなことは一切ない。
 俺にとっては最高の嫁だ。」
嬉しそうに笑うみどり。
「何よ、どうしたの?」
「いやいや。苦労させて申し訳ないなと思ってね。」
「全然、苦労とは思っていませんから。」
「ありがとう、みどり。」
「何よ改まって。」
「俺はいつも思ってるよ。
 一緒になってくれて、本当に感謝してるんだから。」
「また、明日から一緒に、頑張りましょうね。」
「おー!」
みどりは宗助の肩に寄り添い・・。

一馬の事務所
「先生・・そう言えばなんですけどね・・」としおり。
「何?」
「誰なんですか?あの人。昨日の。」
「元カノ。」
「・・ああ!」
「もう25年も前のね。」
「へー!そう・・。」
「・・何?」
「え・・純粋に綺麗な人だなと思って。」

一馬の携帯が鳴る。
「はい。
 伊東一馬です。
 ・・・え!?」

仕事着に着替え、仕事場に立つ宗助。
腕組みをしながら笑みを浮かべ・・・。

一馬の事務所の前でビトと花が会う。
「どう?電話の人もう、来た?」
『まだ』
事務所に急ごうとするビトに花は封筒を差し出す。
「手紙?」
『プレゼント』
「誕生日のプレゼント?」
遅れたことを詫びる花。
「いいよいいよ。ありがとう!」
『開けて』
「うん。
 ・・・遊園地。」
中には富士急ハイランドのチケットが2枚。
恥ずかしそうに先を行く花。
「花ちゃん!!」
「!!」
「・・・ありがとう・・花ちゃん。」
初めて名前を呼ばれ、感激する花。
「休みの日、一緒に行けたら・・行こうね!」
二人は照れながら、事務所に急ぐ。

一馬の事務所に、帝国食品の佐原がいた。
タクシーに乗るとき名刺をポケットに入れた、若い社員だった。
「佐原さん。今日あなたは、何かを話すためにここに来てくれた。
 そういう、ことですよね。」
「私は・・」
「あなたの勇気が、何の罪もない人を救うんです。
 どうか、真実を全て話して下さい。」
「・・・」
『お願いします』と花が頭を下げて頼む。
佐原は花が入れてくれたコーヒーを一口飲むと、口を開く。
「あの事件は・・うちの会社が、帝国食品による、」
その時、電話が鳴り、佐原の話を中断させる。

しおりが電話に出る。
「はい、伊東一馬法律事務所。
 ・・お母さん?何?
 ・・・えっ!!」

町村家
「しおり・・しおり・・・私・・・どうしよう・・。」
みどりの背後には、首を吊った宗助の姿が・・。


宗助が自殺してしまうなんて・・。

お得意先に掌を返されて、一番悔しかったのは宗助でしょう。
でも家族や従業員を心配させないため、
「今は悪い風が吹いているだけ」と笑い飛ばし、
初めての屈辱に、ビトもこういう思いをしてきたのかと思いやり・・。

宗助は、最後の頼みの綱、銀行にまで裏切られてしまいました。
土下座して、拝むように手を合わせて・・。
家族たちに悟られまいと、公園でゴシゴシ顔を洗って
笑顔を作って見せる宗助。
この時の宗助の気持ちを想像すると辛いです。
宗助の姿に、身近な人達の姿が重なり、見ていて辛かった。

宗助の自殺。
それはきっと、家族や従業員を守るために決断したんだと思います。
保険金で店を守ろうとした?
それとも、仕事着に着替えて店で首を吊ったことから、
自分の潔白を死を持って証明したかったのでしょうか。

屈辱も笑顔で乗り切ってきたビト。
国籍のせいで大切な人を失い、多分その血を憎み、
日本人になる道を選んだ一馬は、
「いろんな国の人がいっぱい集まる多国籍料理のレストランを開く」
と夢を語るビトがまぶしく見えたのかな。
強いですよね、ビトって。

これ以上ビトたちに悪いことが起きてほしくない。
でも、彼は7年後、刑務所にいる。
彼はどんな罪を犯してしまったのでしょう・・。



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B001VEH35Oありあまる富椎名林檎EMIミュージックジャパン 2009-05-27by G-Tools



19??年
 伊東弁護士、高校時代に事件を起こす?
 その後伊東一馬と名前を変える。

2000年春、甲斐と林のグループ、乱闘。

2005〜6年
 花、声を失う。

2009年
 ビト、花と出会う。
 ビトの夢は、無国籍料理のレストランを開くこと。
 覚せい剤所持を疑われる。

2009年4月 第一回公判
 第二回公判
 第三回公判
 第四回公判
 第五回公判
 一週間後 判決 無罪


2010年
 ビトの刑が確定。

2015年春、ビト、拘置所に。

公式HP

【キャスト】
早川ビト … 松本 潤
三島 花 … 新垣結衣
町村しおり … 小池栄子
金太 (河井金太) … 徳山秀典
ブル (風間健児) … 鈴之助

美奈子(村上知子)

古瀬刑事 … 北見敏之
高柳刑事 … 池内博之
北川検事 … 甲本雅裕
裁判官  … 神保悟志


林 誠司 … 小栗 旬
近藤
甲斐

柏木啓介 … 勝村政信
山根(石井正則)
相模 陽太郎(吉沢 悠)


町村宗助 … 前田 吟
町村みどり … いしだあゆみ
伊東一馬 … 中井貴一


【スタッフ】
制作著作 … TBS
脚 本 … 宅間孝行
プロデューサー … 瀬戸口克陽
成麻畝子(高成麻畝子)
演 出 … 石井康晴
坪井敏雄
音 楽 … 山下康介
主題歌 … 椎名林檎 『 ありあまる富 』
2009年5月27日 (水) 発売
/ EMI ミュージック・ジャパン


松本 潤さんの主な出演作品



新垣結衣さんの主な出演作品


12:02 | CM(1) | TB(1) | スマイル | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、宗助の死は意外でした、保護士としてビトたちを信じ社会復帰に尽力をつくした宗助、もっと強い人間だと思っていたので残念、転がり始めた坂道で必至にブレーキを掛けようと銀行での土下座、思い出したようにビトの誕生日を祝い、みどりに礼を言う姿が蘇ります、従業員には悪くても店をたたんで家族だけでやり直すことも出来たはず!ビトたちの事を思っての決断だったのでしょうね…心ない週刊誌への死をもっての提言や保険金で当座をしのぎ、みどりに町村フーズや従業員を守って欲しいと考えたのかな!

林の悪ぶりがドラマを引き立てますね!路上で会ったビトへの威圧、ブルを欄干からいきなり突き落としベビーカーで殴る姿は暴走する悪魔、今回の事で警察に通報しても出所したときの報復のほうが怖いのがわかります!

美奈子を脅して嘘のコメントをさせたのは甲斐を憎むあまりにビトを仲間に引き入れるためだと判りましたが、金太たちがアパートに訪ねたときに林がアパートに来た理由がわかりませんね?美奈子の彼もグループに入っていたのかな?

一馬の過去が見えそうです!香苗は一馬との恋を国籍のせいで親に引き裂かれたのかな?そのときにヤケになった一馬が暴れてしまったとか?古瀬は名前を代えた一馬を覚えていないけれど不当な偏見をもった古瀬を一馬は覚えているのかな?

街中ですれ違った林と花、当然あれだけ可愛いのだから林の目にもとまりますが、嫌な予感だけが残りました!

刑務の柏木と一馬の話から想像するとビトが正当防衛であっても林を傷つけたと思えます、宗助だけではなく花にも林の魔の手が伸びるより、子供と一緒にビトの出所を待つ花ちゃんがみたいです!
Posted by けた at 2009年05月16日 20:25
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スマイル 第5回 感想
Excerpt: 『誕生日にもらった一生の宝物』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2009-05-16 17:44
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