2009年05月28日

アイシテル−海容− 第7話

『僕は死刑になるの?』

病院から退院したさつき(稲森いずみ)は、小沢家への二度目の手紙を
富田(田中美佐子)に託す。
「1通目の手紙も受け取ってもらえなかったのに、
 また無神経だと思われるかもしれませんが、
 病院のベッドで考えたんです。
 私が生きていることの意味って、何なんだろうって。」
「はい。」
「智也が犯した罪を一緒に背負い、
 共に生きていくことだと、
 そう思いました。
 私達に出来るのは、ご遺族の苦しみを、思い続けること。
 それだけです。
 そのために生きていくことを許していただきたくて、
 この手紙を書きました。」
「・・・わかりました。
 私から渡しておきます。」
「よろしくお願いします。
 ・・・私、これから智也に会いにいきます。」
「お母さんの思い、智也君に伝えてあげて下さい。」
「はい。」和彦(山本太郎)からさつきが入院していると聞かされていた智也は、
面会に訪れたさつきを受け入れる。
久々に智也に会うことのできたさつき。
「智也・・・
 智也・・・体の具合、悪くない?
 ずっと一人で・・寂しいね・・。
 ご飯は?ちゃんと食べてる?」
「・・・お母さんは・・・体、大丈夫なの?
 入院したって、父さんが。」
「・・大丈夫。もう全然大丈夫だよ。」
「そうか。」
「智也・・・ごめんね。
 お母さん・・ダメだね・・。」
思わぬ智也からの気遣いの言葉に胸がいっぱいとなり、
涙があふれ何も言えなくなってしまう。
担当者は、智也を動揺させない為にも、さつきに日を改めて
来るよう促す。

帰り道、さつきは夫・和彦(山本太郎)に智也と会えたと電話で話す。
「良かったな!
 話、出来たか?」
「うん。でも私、結局上手く話せなかった。」
「そうか・・。
 悪い、続きは帰ってから聞くから。
 じゃあな。」

小沢家に、清貴の担任がやってくる。
「今日は、これをお届けに。」
「清貴が、話してくれたのを覚えています。
 学校で、じゃがいもを植えたって。」と聖子(板谷由夏)。
「清貴君、収穫するのをすごく楽しみにしていたんです。
 今日クラスで、このじゃがいもを使って、カレーを作ったんですけど、
 みんなが、清貴君にも届けてあげたいと言って。」
「そうですか・・。ありがとうございます。」嬉しそうに頭を下げる聖子。
「そういえば、お母さんが作るカレーの話を、
 清貴君が嬉しそうにしてくれたことがありました。
 レストランで食べるより美味しいんだよって!
 そういう話をする時の、清貴君の笑顔が私は大好きで。」
担任はそう言いながら涙ぐむ。
「すみません。お母さんの方が辛いのに・・。」
「いいえ。」
「清貴君って、本当にそこにいるだけで、周囲をぱっと明るくする
 ようなお子さんでした。
 それに結構、しっかりしている所もあって。」
「そうでしょうか。うちではすごい甘えん坊で。」
「いえ、学校ではどちらかというと、逞しい感じでしたよ。」
「そうですか?」
「私なんか新任で、失敗ばかりしちゃって。
 落ち込んでいるとよく怒られていました。
 先生、泣いちゃダメ、弱虫だ、なんて。」
担任の言葉に驚く聖子。

家庭裁判所
「富田主任、書記官がそろそろ、野口智也の審判期日を決めるから、
 捜査表を早く出すようにって、催促してきましたよ。」と宮本(山崎画大)。
「気にしない気にしない!ストレスは身体に悪いからね。」
「そうは言っても・・・」
「まだ調査は終わってないんだから。」
「やっぱり、あのホームレスのおばあさんの一件が、
 智也君の今回の犯行の、引き金になってるんですかね。」
「でも最後の扉を開けない理由は・・それとは別にあると思う。
 それはきっと、お母さんにしか開けられない。」
「お母さん・・どういうことですか?」
「智也君が、守りたかったもの・・。」

家に戻ったさつきは、玄関に嫌がらせの張り紙を見つける。
『人殺しは出て行け』『早く出ろ!消えろ!!』『ここから出てけ!近所迷惑だ!』

そこへ、大家がやって来た。
「お宅のご主人が借りに来た時から、訳ありとは思っていたけど、
 まさかそういうこととは・・。」
「すみません。」
「悪いけど、出てってもらえませんかね。
 まあ・・住み辛いみたいなことを言う住民の方が
 いるわけですよ。
 お宅のほうも、知られちゃったら居心地悪いでしょ?
 今はネットだ何だってすぐ広まるし・・
 一週間ぐらいを目処にね。お願いしますよ!」
「・・・」

その日の小沢家の夕食は、清貴のジャガイモで作ったカレー。
「きよたん、いただきます!」「いただきます!」
「うーん。じゃがいもをこんなに味わって食べたのは
 初めてだな。」と秀昭(佐野史郎)。
「美味しい!
 ・・きよたんにも食べさせてあげたかったな。」と聖子。
「ねえ、お供えしたジャガイモ、庭に植えたら又収穫出来るかな?」と美帆子。
「出来るんじゃないか?やってみるか!」と秀昭。
「そしたら毎年、きよたんのじゃがいもが入ったカレー
 食べられるじゃん!」
「そうだな!」
「きよたんみたいに、逞しく育つよ、きっと。」
「先生も今日言ってたんだけど、きよたんが逞しいって
 私ちょっと意外だった。」と聖子。
「逞しいって言うより、甘えん坊って感じだよな。」と秀昭。
「私は、わかるけどな。
 きよたん、ケンカとかすると絶対に引かない所があったし、
 結構強情だよ。」と美帆子。
「確かにそう言われると。」と秀昭。
「そうかなー。」
「ママの前ではいい子だったんだよ。」
「やっぱり私、きよたんには甘かったのかな。」
「今更気付いた!?」
「美帆子、週末に家庭菜園の道具、買いに行くか?」
「うん!」

野口家
「どこへ行ってもこういうことは起きるってことだよな。」と和彦。
「一生続くんだってこと、受け入れるしかない。」
「・・でも、一週間で新しいとこなんか見つかるかな。」
「このアパートに移った時は、マンションを出ることで
 頭がいっぱいだったけど、
 今度はちゃんと智也のことも考えないと。
 あの子がいつか帰ってきて、また一緒に暮らせるなら。
 出来るだけ穏やかに暮らせる場所がいいから。」
カブトムシの箱を抱えてそう呟くさつき。
「・・そうだよな。」

夕食時
「・・どうした?」
「智也・・少し痩せたみたいだった。
 壁に囲まれた狭い部屋で・・毎日一人で、
 質素な食事食べてるのかと思うと・・。」
「・・・」
「智也の大好物、作って食べさせてあげたいなって・・。
 ・・ごめん、和君。
 和君は沢山食べてね。」
「・・うん。」
「私達、生きていかなきゃならないから。」
「・・・」

翌朝
仕事に出かけていく和彦に、さつきは今日も智也に会いに行くと
告げる。
週末は一緒に行こう、と和彦は約束する。

カブトムシの箱を手入れしていたさつきが微笑む。

富田はさつきから預かった手紙を渡すべく、小沢家を訪れていた。
「これは・・」と聖子。
「少年の母親が、渡して欲しいと、預かって参りました。」
「・・・」
「もちろん、無理にとは申しません。」
「・・・あの子は・・もう、この世にはいませんけど・・
 7年間生きてきた証しは、いたる所に残っていて、
 今でも、ただいまって、帰ってきそうな気がしているんです。」
「はい。」
「清貴の、笑顔の思い出だけを大切に生きていきたいって、
 そう思っています。」
「・・・」
「なのに・・こういう手紙を頂くと・・清貴は・・
 殺されて死んだんだっていう、現実を・・突きつけられるんです。
 ・・・ただ・・
 読んではみます。
 この手紙を書いたお母さんも、きっと、苦しんでいるんだと思うんです。
 同じ母親として、その、気持ちを知りたい。
 でも、これで最後にして欲しいと、お伝えいただけますか?」
「わかりました。」

一人になると、聖子は封筒を開けてみる。

『小沢清貴君の、ご家族の皆様
 二度目の手紙となります。
 前回の無礼な手紙を、心からお詫び申し上げます。
 あの時の私達は、息子が罪を犯してしまったということばかりに
 囚われ、そのことで、自分自身が落ち込んでしまったり、
 動揺してばかりいました。
 ご家族のお気持ちも考えず、本当に、申し訳ございませんでした。
 今、はっきりと言えます。
 息子があのような罪を犯したのは、私たちのせいであると。
 子供を産み、育てるという、親にとって最高の幸せを与えられながら、
 私達はそのことの本当の意味を、考えずに生きていました。
 母親である私は、長い時間息子と一緒にはいましたが、
 大切な時に、何も気付いてあげられませんでした。
 母親として必要なことは全てしていると思い込み、
 してあげてないことの方が多かったことには、思いも及びませんでした。
 息子が人を殺めるという重大な事が起きるまで、
 私達は、自分の愚かに気付きませんでした。
 尊い清貴君の命を奪ってから、そのことを知るという事態に、
 ただただ、陳謝申し上げるのみでございます。
 息子のしたことを許していただけるとは、毛頭、考えてもおりません。
 ただ、一生を賭け、息子に罪の重さ、その過ちの重さを
 気付かせるために、私達が生きていくことを、
 どうか、お許しください。
 かけがえのない清貴君の命を奪ってなお、
 私達が生き、息子が生きていくことを、
 心の底から、申し訳なく思います。』

聖子のこぼした涙で手紙の文字が滲んでいく。

智也と面会するさつき。
「智也、ごめんね。
 お母さん、智也のこと何もわかってなかった。
 これからは、苦しい事も辛い事も全部、
 智也と一緒に受け止めたいの。
 お母さんと一緒に、歩いていこう。」
「・・・」智也がさつきを見つめる。
「そうだ!今朝ね、カブトムシの幼虫が、さなぎになっていたの。
 本物のさなぎ見たの初めてだったから、嬉しくて、
 ちょっと触ってみたんだけど、」
「ダメだよ。」
「ダメ?」
「触っちゃダメなんだよ、さなぎの時に。」
「そうなの?」
「餌も、水もいらないんだ。」
「・・そっか。
 さすが、詳しいね!」
「それで、成虫になったら、・・・」
「何?成虫になったら?」
「・・・何でもない。」
「楽しみだな、成虫になるの。
 これからは、智也も一緒に、カブトムシを、」
突然智也が立ち上がる。
「智也?」
智也は部屋を出ていってしまう。
「智也お願い、もう少しだけ!智也!!」

部屋に戻った智也は、さつきの言葉を思い浮かべる。
「楽しみだな、成虫になるの。
 これからは、智也も一緒に・・」


家庭裁判所
「急に、席を立ってしまって。
 なぜなのか、わからなくて。」とさつき。
「・・実は、智也君、ここ何回か、私の面談を拒んでいて。
 最後の扉を開けられるのを、恐れているんだと思います。」
「最後の・・扉?」
「事件の日の大部分を話してくれたのに、
 その最後の扉が・・私にはどうしても開けられなくて。
 その瞬間を思い出すのが怖い。
 そういった気持ちもあると思います。
 でも、どんなに苦しくても、扉を開けて、
 辛い真実ともう一度向かわなければ、
 智也君は前には進めません。
 お母さんはもう、その扉を開きかけている気がするんです。」
「・・そうでしょうか。」
「自信を持って下さい!
 お母さんと智也君の距離は、確実に近づいてきているんですから。」
「・・はい。」

仕事を終えた秀昭は、一人居酒屋に立ち寄る。
店内に、野球中継が流れていた。
「お客さん、巨人ファン?」
「僕より、息子が。」
「そうかい。いいねー。俺みたいな独り者には、
 息子と野球の話が出来るなんて夢だね。」
「夢か・・。
 僕の夢はね、息子が二十歳になったら一緒に酒を飲む事でね。」
「息子さんいくつ?」
「七歳。」
「そりゃぁまだ、大分かかる。」店主が笑う。
「大分どころか・・永遠に叶わない夢です。」
秀昭はそう言いビールを飲み干す。
「大きな幸せなんか望んでたわけじゃない。
 普通に暮らして、普通に子供達が成長して、
 息子と酒を飲み、娘を嫁に出して、
 そんなささやかな、普通の、幸せでよかったのに。
 どうして・・守ってやることも出来ずに・・・。」
ビールをグラスの注ぎながらそう呟く秀昭。
グラスからビールがあふれ出す。
「申し訳ない。
 暗い気持ちはうちに持ち帰りたくなくて。」
「これくらいしか、出来ないけど。」
店主はグラスに日本酒を注いで供える。
秀昭はそのグラスに手を合わせ・・。

小沢家
「ただいまー!」秀昭の明るい声が響く。
「お帰りなさい!
 飲んできたの!?」と聖子。
「ああ。ちょっと断りきれなくてね。
 美帆子は?」
「マイちゃんちで勉強してきて、食事も頂いてくるって。」
「そうか。」
秀昭はテーブルの上の封筒に気付き・・。

「また性懲りもなくこんな手紙を!
 何でお前も受け取ったりしたんだ?」
「・・・」
「この手紙を受け取るってことはな、犯人を許すってことなんだぞ?」
「許すつもりなんてないけど・・」
「当たり前だ!」
「でも・・この手紙を書いたお母さんが、本当に苦しんでいるんだって
 ことだけは伝わってきた。」
「そんな・・俺達の苦しみに比べたら。
 俺な、聖子。俺なりに、お前や美帆子を守ろうとしてきたんだ。
 きよたんを守れなかった分も。
 もうこういうことに振り回されたくないんだ。
 納骨もして、前に進もうって決めたじゃないか。
 事件のことは忘れようって。」
「本当にそれでいいの?
 やっぱり、私は知りたい!
 何できよたんが死ななきゃならなかったのかって。」
「知ったところで、救われるのか?」
「今より、もっと辛いだけかもしれない。」
「だろ?だから、」
「でも!
 でも私達は、全部を知って、受け入れることでしか、
 前へ進めないのよ。」
「そんなことはない!」
「私はそう思う!
 この手紙を書いた、犯人のお母さんは、
 自分の子供が犯した罪と、ちゃんと向き合おうとしているように。」
「あ、美帆子、お帰り!」
「何?手紙って。」
「美帆子が読む必要はない。
 お前は何も気にしなくていいから。」
秀昭はそう言うと、手紙を持っていってしまう。

翌朝
「手紙は俺が返してくるから。」
「パパ・・」
「こんなもの、うちに無い方がいいんだ。
 行ってきます。」
「・・・」

面会室
「良かった!今日も振られたらどうしようかと思っちゃった!」と富田。
「おばさん。」と智也。
「何?」
「僕・・いつまでここにいるの?」
「・・智也君が、全部話してくれるまでだよ。」
「全部・・」
「智也君も辛いけど、お父さんとお母さんも同じくらい辛い気持ちで、
 智也君が話してくれるのを待っているんだよ。」
「僕が話せば、辛くなくなるの?」
「それは・・ちょっと違うかな。
 お父さんとお母さんが望んでいるのは、辛い事が無くなることでは
 ないから。
 智也君の苦しみを、一緒に背負っていくことだから。」
「一緒に・・だけど・・」
「だけど・・何?」
「僕は・・死刑になるんでしょ?」
「・・・智也君は、これからも生きていくんだよ。」
智也が顔を上げる。
「どうしてだかわかる?
 智也君には、まだ知らなきゃいけないことが、一杯あるから。
 人と、出会うことの大切さ、とか、
 勉強や、スポーツ、読書することの意味、とか。
 世界の広さとか。
 命はなぜ重く、かけがえの無いものなのか・・とか。
 その答えを探すために、智也君は生きていくの。
 お父さんと、お母さんと、一緒にね。」
「・・・」
「苦しいかもしれないけど・・
 智也君なら出来るよ。」
「・・・」
「おばさんに、全部話してくれないかな。」
「・・・」

さつきがマンションから出てくると、近所の主婦たちがヒソヒソ
噂をする。
「まだ出ていかないのかしら!」
「ほんとよねー!怖いったらありゃしない!」

面会室
その日、智也は姿を現さなかった。
「今日は、お母さんには会いたくないそうです。」と担当者。
「・・・」

秀昭は、野口家のマンションにやってくる。
玄関には誹謗中傷の落書きや張り紙がされていて・・

小沢家
「ただいまー!」秀昭が帰宅する。
「お帰りなさい!」
「手紙・・どうした?」と聖子。
「ああ・・いなかったから・・」
「そう。」
「聖子、美帆子。
 もう、手紙のことは忘れよう。」
「・・・」

野口家
「今日は会えなかったか。
 でもこの間、智也は嬉しかったんじゃないのかな。
 お前と一緒に、昆虫の話できてさ。
 俺さ、子供の頃、初めてサナギ見たとき、死んじまったと思って
 大騒ぎしたことあるよ。」と和彦。
「私も。
 智也の自由研究見てなかったら、そう思ったかも。」
「おもしろいよな。こうやって大人になる準備してるんだもんな。」
「・・・」
「智也が言えずにいることって・・何なんだろう。」
「わからない。でも智也、すごく苦しんでると思う。
 変われるものなら変わってあげたい。」
「そうだな。
 でも、その真実がどんなに辛いものであっても、
 俺達は受け止めよう、一緒に。」
さつきが頷く。

夜、美帆子は秀昭がゴミ袋に何か入れるのを目撃する。
それは、さつきの手紙で・・。

美帆子はその手紙を部屋に持ち帰り、読んでしまった。

「一生を賭け、息子に罪の深さ、その過ちの重さを気付かせるために、
 私達が生きていくことを、どうか、お許しください。」


美帆子は部屋の窓から満月を見上げ・・。

母の言葉、富田の言葉、そしてあの日のことを思い浮かべる智也。

「僕もう帰る!ママ、待ってるから。」
「お母さん、まだ帰ってないよ。」
「え?」
「待ってなんかない。」
「お兄ちゃんすげーヤなやつ!だいっきらい!」
「・・・」
「おにいちゃんはすごく悪い子なんだ!
 だからみんなお兄ちゃんをだいっきらいなんだ!!」
「・・・」

智也は叫び声を上げ続け・・。

鑑別所から連絡を受け、富田は家庭裁判所を飛び出していく。

野口家に彩乃(田畑智子)がやってくる。
「私ね、頭冷やして色々考えてみたんだけど、
 私がうめちんとダメになったのは、智也のせいでも、
 お姉ちゃんのせいでもないよ。
 要するに、それだけの関係だったってことだよね。」
「彩乃・・」
「お姉ちゃんにも、酷い事言っちゃってごめんね。」
さつきは首を横に振る。
「結局、私は昔っから、中途半端な自分をお姉ちゃんのせいに
 してただけなのかも。その方が楽だし。
 でも・・もう少し、生きてるってことを大切にしようかなって、
 そういう風に思ってさ。」
「うん。」
「で、実はね、私家を出ようと思って。
 前からやってみたかったこともあるし。」
「そうなの?」
「うん。
 それで提案なんだけど、お姉ちゃんたちさ、うちに住まない?」
「え?」
「お母さんが一人になることだけが気がかりなの。
 最近腰が痛いとか言うし、年も年だし。
 お姉ちゃんたちが一緒に住んでくれたらさ、
 私は、心置きなく夢に突き進む事が出来るんだけどな。」
「でも・・」
「お願い。智也と一緒にさ、うちに住んでよ。」
「彩乃・・」
「お姉ちゃん、諦めないでね。
 自分の人生も、智也の人生も。
 私も、諦めないからさ。」
妹を見つめるさつき。

そこへ、富田から電話が入る。
「え・・今からですか?」とさつき。
「はい。扉、開いてくれるかもしれません。」
「私も、私もすぐに行きます!」

鑑別所
「呼んでくれて、ありがとう。」富田が智也に言う。
「・・・僕、全部話すよ。」
智也はそう言い、富田を見つめる。

「智也・・」
さつきは鑑別所へと急ぎ・・。


カブトムシが成虫になったら・・
智也はどうしてその続きを言えずに黙ってしまったのでしょう。

智也は自分が死刑になると思い込んでいたんですね。
自分が犯した罪の重さを、彼なりに受け止めていた・・。

さなぎは、母親の子宮の中の胎児のようにも見ます。
成虫は、大人?将来の自分と重ねたのでしょうか?
最後の扉の向こうには、母親への愛が隠されているような気がします。

一家の主である秀昭が、家族の前ではなく、通りがかりの居酒屋で
寂しい気持ちを紛らわすのが泣けました。
店主も察して日本酒を供えてくれていましたね・・。

第6話に下さったマンデリンさんのコメント、
『智也ときよたんはお互いに、会ってはならない
 悪魔だったんだと思います。』
本当に、そうですね。

智也と清貴は特別な子ではなく、
誰の心にも悪魔はいて、
誰もがさつきや聖子になり得る。

その時、自分は・・
さつきのように子の罪の全てを一緒に背負うことが出来るのか。
聖子のように、加害者と向き合おうとすることが出来るのか。


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公式HP

海容=海のように広い寛容な心で、相手の過ちや無礼などを許すこと。


原作
4063722724アイシテル~海容 前編 (1) (KCデラックス)伊藤 実講談社 2007-03-06by G-Tools


4063722732アイシテル~海容 後編 (2)伊藤 実講談社 2007-03-06by G-Tools



主題歌
アイシテル
アイシテルMONKEY MAJIKbinylrecords 2009-06-10売り上げランキング : 5828Amazonで詳しく見る by G-Tools



挿入歌
B001VOD50Gうつし絵新垣結衣ワーナーミュージック・ジャパン 2009-05-27by G-Tools



「Forgiving」アイシテル~海容~オリジナル・サウンドトラック
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B0023B15U8アイシテル ~海容~ (稲森いずみ 主演) [DVD] by G-Tools



【キャスト】
野口 さつき - 稲森いずみ
野口 和彦 - 山本太郎
野口 智也 - 嘉数一星

小沢 聖子 - 板谷由夏
小沢 秀昭 - 佐野史郎
小沢 美帆子 - 川島海荷
小沢 清貴 - 佐藤詩音

富田 葉子 - 田中美佐子
富田 健太 - 吉川史樹

宮本(山崎画大)

森田 彩乃 - 田畑智子
森田 敏江- 藤田弓子

佐伯 正志 - 高山猛久
小泉刑事 - 小松和重

麻衣子 - 志村玲那
宏美 - 折山みゆ
野口真緒
猫背椿
ダンカン

【スタッフ】
脚本 - 高橋麻紀・吉本昌弘
原作 - 伊藤実 「アイシテル〜海容〜 前編・後編」
プロデューサー - 次屋尚・千葉行利
演出 - 吉野洋・国本雅広
音楽 - S.E.N.S. 「Forgiving」
制作協力 - ケイファクトリー


稲森いずみさんの主な出演作品



板谷由夏さんの主な出演作品


この記事へのコメント
きよたんの性格を話す新米教師、智也の回想でのきよたんの発言、二つの家庭事情がもたらした子供への躾や道徳感の違いから生まれた悲劇、智也の心情が気になりますね!

さつきからの手紙を読んだ聖子、手紙を返しに行った秀昭が見た加害者家族の現状が題名の海溶につながるのかな?
Posted by けた at 2009年05月28日 20:39
いつもいつもありがとうございます
「チャプターがいっぱい」で録画しそこね
もやもやしていた気持ちが救われました。

見て楽しいドラマではないけど
真剣に考えながら見ています。
折りしも
このドラマを髣髴とさせる事件の加害者の少年が
自殺するつもりで少しの間行方不明になっていたという報道を聞きました。
このドラマはこれからどのようになっていくのか・・。
最後までしっかり見届けようと思います。
Posted by すこべえ at 2009年05月29日 18:53
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アイシテル〜海容〜 第7回 感想
Excerpt: 『僕は死刑になるの?』
Weblog: ぐ〜たらにっき
Tracked: 2009-05-28 19:02
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