2009年06月13日

スマイル 第9話

『運命の裁判員裁判はじまる!』

ビト (松本潤) の運命を左右する裁判が始まった。
裁判員裁判、一日目。ビトを裁くのは6名の裁判員と3名の裁判官。
裁判員に選ばれた6名は、私立高校教師の 冷牟田 (浅野和之)、
トラック運転手の 叶 (モロ師岡)、
海外生活の経験があるエリート商社マン・真田 (忍成修吾)、
専業主婦の 徳島 (大島蓉子)、
出版社勤務のキャリアウーマン・掛井 (櫻井淳子)、
妊娠5ヶ月で専業主婦の 柴田 (酒井若菜) だ。

検事は 一馬 (中井貴一) をねたむ 北川 (甲本雅裕) が担当することに。

一馬は、裁判前のビトとの面会でビトが残虐極まりない犯罪者だと
思われているのが現状だと伝える。
凶悪な外国人犯罪者というレッテルを貼り、面白おかしく事件を
書き立てるマスコミの影響もあり、ビトには不利な状態だ。

裁判所の傍聴席には、花 (新垣結衣) や みどり (いしだあゆみ)、
金太 (徳山秀典)、ブル (鈴之助) が見守っていた。人定質問、起訴状朗読、そして、罪状認否。
「僕は、林さんを・・・殺しました。
 僕の、大切な人が、目の前で暴行を受けて・・
 それで銃を発砲してしまいました。
 交番を襲って拳銃を奪ったのは、僕ではなくて、
 林さんです。
 旅館に、立て篭ってもいません。」
ビトは静かに訴える。
「いかなる理由があろうと、人が人を殺すということは
 許されない行為です。
 被告人は、それ相応の刑罰を受けねばなりません。
 しかし、その刑罰を決めるに当たって、
 今回の事件の背景には、被告人がそこまで追い込まれた
 事情があったことを、皆さんに知っていただきたいんです。
 つまりこの事件は、正当防衛なんです。 
 以上が、弁護人の意見です。」と一馬。

裁判員が求められている判断は、極刑か否か…。

初日裁判終了後
東京地裁 第5評議室
「ねーね!あの犯人の子、凶悪な外国人犯罪者って週刊誌で読んだけど、
 全然そんな風に見えなかったよね!」と徳島。
「はあ・・」と柴田。
「彼日本人ですよ。」と掛井。
「けど、フィリピン人とのハーフでしょ?」と冷牟田。
「それって偏見だと思いますけど。」と掛井。

「一日目を終えて、みなさん、いかがでしたか?」と青木裁判長 (本田博太郎)。
「いや何だかいろんな人が難しいことばかり言うからさ、
 頭悪いから途中でワケわかんなくなっちゃったよ。」
叶が笑う。
「あの、もう少し真面目にやるべきじゃないんですか?
 仮にも、被害者は無残にも殺され、被告人の今後の人生だって
 全てここで決まるんですよ!」と掛井。
「今後の人生も何も。」と冷牟田。
「あの、これ最後はどうやって決めるんですか?」と柴田。
「基本的には全員一致を目指します。
 が、皆さんの意見がまとまらない場合には、
 多数決になります。」と裁判長。
「多数決!?学級会かよ・・。」と叶。

評議一日目
「皆さんには、明後日の夕方には一つの結論を導き出して頂くことに
 なります。」と裁判長。
「そんなことしなくても、一目瞭然で死刑でしょ、
 あんな人間は。」と冷牟田。
「そう決め付けないで、きちんと3日間、審議を終えた上で
 判断するべきだと思います。」と掛井。
「所詮、チンピラ同士のよくある抗争でしょ。
 こんな事件で貴重な時間を取られるなんて。」と真田。
「裁判は、午後5時には終わりますから。」と裁判長。
「たった3日で人が裁けるかよ。
 お役所の考えることはよ・・。」と叶。
「公判前に、きちんと整理していますから。」と裁判官。
「それでは、よろしいですか?
 本日の公判での最大のポイントは、検察側と弁護側の
 冒頭陳述に大きな開きが、あるということです。」と裁判長。

それは、ビトが過去に起こしたとされる事件のことを差していた。
一馬はその事件は林に罪を擦り付けられたと主張する。

「双方の主張を聞いてみなさん、どう思われましたか?」と裁判長。
「うーん・・弁護士さんも、昔の事件持ち出して、
 今更冤罪なんて言われたって・・言い訳臭いんだもの。」と徳島。
「やってないなら、その時の裁判でちゃんと無罪を主張して
 いるでしょう。」と冷牟田。
「2000年のことはもういいじゃないですか。
 さっさと今回の話をしましょうよ。」と真田。
「でも・・」と柴田。
「何ですか?」と真田。
「いえ・・すみません。」
「でも、2000年の事件の犯人が被告人じゃなかったとしたら、
 今回は再犯じゃなくて初犯ってことになるんですよ。
 それは、被告人の了見に関わってくることですから。」と掛井。
「だったら、弁護側もそこに焦点を絞ってくるでしょ。」と冷牟田。

面会室
「疲れたか?」と一馬。
「ううん。」とビト。
「どうした?」
「裁判員の人たち、どう思ったかな。」
「焦るな。裁判はまだ始まったばっかりだ。
 明日からの証人尋問で、ちゃんと流れ変えてみせるから。」
「証人尋問・・・。」

屋上
ブタのマスコットを二つ握り締めて祈る花。
「花ちゃん。ちょっといい?
 一馬先生がお話したいって。」としおり (小池栄子) 。
「証人尋問のことでね。
 引き受けてくれたことはとても感謝をしている。
 でも今日、見てわかったと思うけど、
 法廷にはマスコミも沢山いるし、証人として証言台に立つって
 いうのは、とてもプレッシャーが掛かることでね。
 君への不安を考えると・・。
 もし君に、不安や迷いがあるなら、今からでも断ってくれて
 構わないから。」
花はノートに思いをつづり始める。
『たしかに怖いです』
「そうだよね。」
『でも証言させてください
 彼の力になりたいんです』
「・・・」
『私のきもちは変わらない
 ぜったいに』
「・・・わかった。」
花は笑顔でお辞儀をする。
「ありがとう。」

拘置所
林を殺してしまった時の夢に叫びながら飛び起きるビト。
「どうした?」と刑務官。
「あ・・いえ・・。お騒がせしました。」
「・・うん。」
「もう、大丈夫です。」
「お前・・今裁判中の、早川ビトだよな?」
「・・はい。」
「俺は、刑務官の柏木。柏木啓介だ。」
「あ・・よろしくお願いします。」
「うん。早く寝ろ。」
「はい。」

柏木とビトの出会いのシーンでした。

「これは、壮絶な生き様を見せた男の、
 愛と正義の、物語だ。」


東京地方裁判所
裁判員裁判二日目
証拠調べ

検察側は、人生をやり直そうとしていた林にビトが交番を襲うよう
強要、それを断られ、怒りと口封じの為に林を殺害したと主張。
「被告の犯行に、計画性があった証拠として、
 まず、殺害現場の写真をご覧下さい。」
林の遺体の写真が映し出される。
「被害者は、被告人によって、拳銃で心臓を撃ちぬかれて殺害されて
 います。使用された弾丸はただの一発。
 威嚇の為に撃ったわけでもなく、無我夢中で乱射したのでもなく、
 このように、急所に直接銃口を押し当て、ドン!!と、
 発射しているのです。
 被告人が言うように、正当防衛に近いものであったのなら、
 このような撃ち方をするでしょうか。
 しかも、犯行に使用された拳銃は、事前に交番を襲撃して
 警察官から強奪したものです。
 この状況から考えて、きわめて周到な計画性があり、
 被告人には明確な、強烈な、殺意があったと、断言せざるを得ません。
 被告人は非情にも、立ち直りたいと願っていた昔の仲間の命を、
 実に身勝手な理由で、奪ってしまったのです。」

辛そうにうつむくビトに、花は両手にブタのマスコットを握り締めて
見つめていた。

(回想・面会室)
「ブタ?それがサイン?」
ピンクのブタを手に取る花。
「それが?」
『大丈夫』
「大丈夫?
 黄色は?」
『いいぞ!』
「いいぞ?
 二つ?」
『ガンバレ』
「・・・がんばれ。」
(回想終わり)

ブタを二つ掲げてガンバレとエールを送る花に、
ビトは頷く。
そんな二人のやり取りを一馬は微笑みを浮かべて見つめ・・。

検察側証人 佐藤巡査の証人尋問。
「あなたは殴られた時、被告人の姿を見ましたか?」
「いえ。でも殴ったのは被告人です。
 交番の中で彼と二人きりでしたから。」
「交番の入り口は、開いていましたか?閉まっていましたか?」
「開いていました。」
「ではあなたが後ろを向いている間に、誰かが入ってくる可能性は
 あったわけですね。」
「それは・・」
「異議あり。証人に単なる推測を求めるものです。」
「弁護人、ご意見は?」
「では既に取調べ済みの診断書と、写真を証人に示します。
 この写真はあなたですね?」
「はい。」
「証人の身体の左側が、酷く腫れあがっています。
 裁判長、事件の状況を確認しつつ尋問したいのですが、
 よろしいですか?」

「いいですか?」裁判長が北川に聞く。
「しかるべく。」と北川。

「彼女(しおり)が、佐藤巡査、私が被告人です。
 佐藤巡査は地図を見るために、被告人に背を向けた。
 被告人はその隙に、棒の様なもので背後から、
 佐藤巡査の頭部に一発。
 そして更に、佐藤巡査を机に押し付け、身体を何度も、
 何度も、殴打した。
 被告人は右利きなので、私も右手を使っているんですが、
 そうするとこの棒の様なものは、主に身体の、
 右側に当たってしまいます。
 こちら側です。
 ところが、この写真を見ると、左側が腫れている。
 つまり、この状況で右手でこちらを叩くとすると、
 このような、無理な状態になり力が入りません。
 ではこの棒を、左手に持ったらば・・
 普通、人を殴って気絶させる時、利き腕とそうでない腕、
 どちらを使うと思いますか?」
「それは・・・利き腕だと思いますが。」
「ありがとうございます。
 ちなみにですが・・
 被害者である林さんの利き腕は・・左でした。」

「異議あり!証人に単なる推測を求めたに過ぎません!」

「以上です。」

弁護側証人・タクシー運転手の弁護側主尋問。
「林さんは、女性と二人で乗車してきました。
 けど、女性が嫌がっていたようなので、発車しませんでした。」
「結果あなたは、全治2週間の怪我を負わされた。」
「はい。」
「相当な暴行を受けたわけですね。」
「はい。異常なくらい、凶暴な印象を受けました。」

「酷いヤツだったんだね〜。」と裁判員。

検察側反対尋問
「林誠司さんの顔は、覚えていますか?」
「はい。金髪でしたし。」
「金髪の人は、この世の中に、沢山いますね。
 本当に、林さんですか?その人は。」
「そうです。」
「ここに2枚の写真があります。
 どちらが林さんですか?」
「右側の方です。」

「何度も確認させておいて良かったですね。」
しおりが小声で一馬に言う。

「それでは、こちらなんですが。
 林さんと一緒に乗ってきたのは、どちらの女性ですか?
 もし記憶にあるのなら、どちらかなと思って。」
「・・・右側の方です。」
「残念ながら、左の女性です。」
「・・・」

弁護側証人、町村みどり。
「ご主人の町村宗助さんは、被告人の会社の社長であり、
 被告人の保護司でもあったわけですね。」
「はい。」
「非情に残念ながら、ご主人は、4ヶ月前に亡くなられてしまいました。
 なぜ亡くなられたのか、理由を聞かせていただけますか?」
「はい。主人は、帝国食品の、もち米毒物混入事件に巻き込まれまして、
 ある雑誌の、中傷記事が元で、銀行の融資が受けられなくなり、
 ・・・自らの命を、絶ちました。」
「中傷記事の出所は、わかったんですか?」
「ある人間が、うちの元従業員を買収して、書かせたんです。」
「ある人間とは、誰ですか?」
「被害者の、林、誠司さんです。」

「意義あり!本件と関連性がありません。」

「被告人と加害者の関係を知る上で重要な点です。」

「意義を、棄却します。」

「被害者は兼ねてから、被告人を暴力によって心理的に支配し、
 自分の手足として、利用していた経緯があります。」と一馬。

検察側反対尋問
「被害者のせいで、あなたのご主人は自殺をしたということですね。」
「間接的には、そういうことかもしれません。」
「少なくても、あなた方は被害者を恨んでいた。
 被告人はその恨みもあって、被害者を殺害したのだと思いませんか?」
「あなたは、お気の毒な方ですね。」
「は?」
「誰かに傷つけられたといえば、仕返しをしたに違いないと
 思わずにはいられない。
 そういう基準でしか、人間を見られない方だから、
 お気の毒だと申しました。」
「・・・」
「この世の中には、そういう感情とは無縁に、
 一生懸命、生きている人間がいるんです。
 ビトも、そういう人間の一人です。
 ビトの夢は、多国籍料理のお店を持つことです。
 世界中の人が分け隔てなく、笑顔で食べに来られるお店。
 いつの日か、そういうお店を作りたいと、
 ビトは、一生懸命働いていました。
 どんな不幸な環境に生まれても、どんな酷い目にあっても、
 決して人を恨まず真っ直ぐに、自分の力で幸せになろうと、
 必死の笑顔で、ビトはがんばっていました。
 ビトはそういう子です。
 そういう子なんです。」

ビトはみどりの言葉に涙を流し・・。

評議 二日目
「私・・やっぱりあの子が悪いようには思えない。
 すごい健気な子じゃないの・・。」と徳島。
「だから、最初っから言ってんだろ!
 昔悪かったヤツだって、その気になりゃ、やり直せるんだよ。」と叶。
「それなら、悪かった被害者もやり直そうって頑張っていたかも
 しれないですよね。」と冷牟田。
「・・・」
「それにしても・・死刑は酷すぎかもな。」と叶。
「私も、そう思います。」と掛井。
「僕も、今のところそっち。」と真田。
「私も、それに一票!」と徳島。
「あなたは?どうですか?」裁判官が柴田に聞く。
「・・・私も同じです。」
「本当にご自分の意見ですか?それは。」と冷牟田。
「・・私は・・あの被告人の言葉が、忘れられなくて・・。」

(回想)
被告人質問
「あなたは被害者とどのようにして知り合ったんですか?」と一馬。
「林さんは、最初僕のことをバカにしてきた人たちから、
 助けてくれて・・。」

2000年春
ビトをフィリピンとからかう男を、林は叩きのめす。
「お前さ、名前なんて言うの?」
「え・・」

「お前さ、実際、フィリピン人なのか?ビト。」
「いえ。ハーフですけど、国籍は日本です。」
「だよな?
 別に何人でもいいじゃんって感じだよな。
 お前さ、俺らの仲間に入れよ。」
「・・・」
「あ?
 俺と一緒にいりゃ、お前のことバカにするヤツはいなくなるぞ。
 うん?」
林がビトに微笑みかえる。
ビトはその笑顔に嬉しそうに微笑み・・。

「この人は、偏見とかない人なんだなって思いました。
 林さんは、確かに僕を守ってくれました。
 林さんと一緒にいると、誰も僕をバカにしなくなったんです。
 僕はそれで、ちょっと強くなった気がしてしまいました。
 あの人は、逆らわなければ、笑っていました。」
「逆らうと、暴力ですか?」
「・・はい。」
「そんな酷い男なら、何もかも投げ捨てて逃げ出せば良かったじゃ
 ないですか。」
「・・・できませんでした。」
「どうしてですか?暴力が怖かったからですか?」
「それもありますが・・信頼みたいなものがあって。」
「信頼?」
「どんなに酷い目に合わされても、この人だけは、僕を差別しないで
 接してくれるっていう信頼っていうか。
 だから、関係断ち切れないでいたんだと思います。
 でも・・大切な人が・・
 目の前で暴行を受けて・・
 僕が守るって、約束したのに、何も出来ないのか・・。
 悔しくて・・情けなくて・・。
 彼女を助けるために、それしかなかった。」
「なるほど。
 あなたが、被害者の心臓に向けて発砲したのはその直後ですか?」
「・・いいえ。」
「そこから、発砲までの状況を教えて下さい。」
「林さんは、僕を見て、いきなり銃口を掴んで・・」

「お前みたいなヤツはな、俺と一緒にいればいいんだよ。
 このフィリピン野郎が。」


「その瞬間、何かが、崩れた気がしました。
 この人が生きている限り、僕の人生は・・踏みにじられ続ける。
 そう思ったら・・・」
(回想終わり)

「早川ビトの中で、林誠司を許していたたった一本の糸が
 その瞬間切れた・・。」と掛井。
「私は、何となく、彼の苦しかった気持ちがわかるような気がして。」と柴田。
「そんなこと言い出したら、世の中犯罪者で一杯だ!」と冷牟田。
「どんな理由であれ、人を殺すのは、いけないことです。
 でも、早川ビトの場合は、情状酌量の余地はありそうですね。」と掛井。
裁判員たちのほとうんどが頷く。

面会室
「いいか?今の状況は決して悪くない。
 油断は出来ないけど、きちんとビトの人間性がみんなに伝わってると
 思うから。」と一馬。
「・・・明日、花ちゃんが、証人として立つんだよね?」
「彼女は本当のことを喋るだけだから。」
「本当に、大丈夫かな。」
「彼女の意思は固いよ。」
「いつも彼女に助けられてる。」
「ここ出たら、一生大事にしてやれよ!」
「はい。出られたら、必ず。」
花のようにガッツポーズを交わす二人。

その日の夜、寝付けないビトは、人を殺してしまった手を見つめながら
花との面会のことを思い出していた。

(回想)
「花ちゃんの力で、僕を救う?」
花が嬉しそうに頷く。
「ね、検察官って、本当に色々容赦なく、聞いてくるんだってよ。」
『大丈夫!』
「絶対無理しないで。」
花が頷く。
「・・花ちゃん。
 ありがとう。」
頭を下げるビト。
『諦めないで』
「諦めないで・・」
『何があっても
 諦めないで』
花はそう言うと、小指を差し出す。
「約束?」
二人はガラス越しの指きりを交わし・・。
(回想終わり)

ガラス越しに指きりした小指を見つめながら自分が犯した罪に苦しむビト。

同じ頃、花も自分の小指を見つめ・・
ブタのマスコットを握り締めて祈り続ける。

護送車の中
「今日で、最後だな、裁判。」と柏木。
「・・・」
「いい結果になるといいな。
 俺には、あの事件を起こした犯人が、あんただとはとても
 思えねーや。」
「・・・」
「人生が、たった3日間の審議で決まっちまうんだもんな・・。」
「・・・」

2015年 夏
「そもそもあのタイミングであんなこと言う刑務官いないよ!」
「俺だって初めてだよ。」
「ね、何で、そんな簡単に信じられたの?」
「まあ・・ここで沢山の人間を見てきた、俺の感覚だろ。」
柏木の言葉にビトが笑う。

面会室
「あの出会いからもう5年か。」と柏木。
「なんか、もっと長くいるような気がする。」とビト。
一馬も頷く。
「ね、一馬さん!」
「うん?」
「また、キング牧師の本、差し入れしてくれない?」
「了解。」
「お願い。」
「俺も探してやるよ。冊子でもいいか?」と柏木。
「もちろん!本当に?」
「うん。」
「キング牧師の生き方ってすげーだろ?」と一馬。
「本当にすごいよね。
 差別問題にも真っ向から取り組んで、最終的に、黒人の差別撤廃した
 方民刑法まで作らせちゃったんだからさ。」
「勉強したな、ビト!」
「あっという間に読んだよ。」
「一馬さん、そういえばあの裁判の時だったよね。
 アメリカで初の大統領が誕生したの。」
「そうそうそうそう。」
「でもその一歩は、キング牧師から始まったってことなんだよね。」
「あの演説を生で聞いた人は、興奮しただろうな。」
「リンカーン広場か・・。行ってみたいな。」とビト。
「キング牧師が、あの有名な演説をやった場所な!」と柏木。
「そうそう!勉強したね。」とビト。
「おぉ。全部読んだ。」
「行けばいいじゃないか。 
 行きたいって気持ちから、すべてが変わるんだよ。」と一馬。
「全てが変わる・・か。」とビト。
「ああ。」
「あの日の朝さ、」
「うん?」
「あの裁判最終日の朝。
 ・・・どんな気分だった?」
「・・・」

「あの日の朝、澄み切った青空が広がっていた。
 少なくても、自分にはそう思えた。
 裁判最終日に、何が待ち受けているかを知らなかったからかもしれない。」


裁判員裁判 最終日 証人尋問
「証人は、叱声症で声が出ないため、筆談で証言してもらいます。
 では、よろしいですか?」
裁判官の言葉に花が一礼する。
「それでは、事件当日のことについてお聞きします。
 あなたはその日、被告人が被害者から呼び出されたと聞いて、
 心配になって、被告人を探しに行った。
 そういうことですね?
 なぜ心配になったのですか?」と一馬。
『何かされるんじゃないかと思ったからです』
「何かされる。被害者はそういう危険性を持った人間だったという
 ことですか?」
花が頷く。
「なるほど。
 そこであなたは、事件現場となったアパートから被告人を
 連れ戻そうとした。
 するとどうなりましたか?」
『林さんに見つかって膀胱されました』
「被害者は、あなたが気を失うまで、何度も何度も蹴り続けた、
 そうですね?」
花が頷く。
「被害者は、人生をやり直すための相談をしていたんじゃないんですか?」
花は首を横に振る。

「あの彼女の話は聞いてられなかったなー。」と掛井。
「やっぱり相当なワルだったんだわね、被害者は。」と徳島。
「僕も、裁判の始まる前に抱いていた事件のイメージが
 ずいぶん変わってきてて・・。」と真田。
「それがいわゆる弁護側の作戦でしょ。」と冷牟田。
「被害者が共謀な人間ということは間違いなさそうですね。
 被告は、更正しようとずいぶん頑張っていたみたいだし。」と掛井。
「やっぱり、計画的殺人ではなくて、弁護側の言うとおり
 正当防衛だったんでしょうか。」と柴田。
「あの姉ちゃんが証明出来んじゃないのか?」と叶。
「え?だって気を失ってたんでしょ?」と徳島。
「全ては検察側の反対尋問を聞いてから、判断すべきだと
 思いますが。」と冷牟田。

検察側反対尋問
「被害者は危険な人間だった。あなたはそう言いましたね?
 そんな危険な人間のところに、なぜあなたはたった一人で
 行ったんですか?
 暴力を受ける危険性があったのなら、誰かに相談をして
 一緒に行くはずではないですか?」と北川。
『助けようと夢中だったので』
「あなたは、恋人である被告人が被害者を殺そうとしていることを
 知っていた。それを止めるために、だから、誰にも知られないように 
 一人で行ったのではないですか?」
『ちがいます』
「あなたは被告人を止めようとして逆に被告人に蹴られ気を失った。」

「異議あり!検察官は自分の意見を押し付けようとしています。」と一馬。
「異議には理由がありません。
 これは重要な部分ですから、このまま尋問を続けさせて下さい。」
「異議を棄却します。進めて下さい。」

「そのあと結果的に、殺人を犯した彼の逃走の手助けをした。」
首を横に振る花。
「あなたは、被告人が怖くて、真実を話さないんじゃないんですか?」
花は、違う・・と口を動かしながら悔しそうに首を横に振る。
「あなたが恐れている被告人は本当は凶暴で残酷な人間なんじゃ
 ないんですか!?」
「違います!!」
花が喋った!
そのことに、ビト、一馬、北川、そして花自身が驚く。
「・・・
 彼は、本当に、心の優しい人です。」
「優しい人、ですか。」
「全ては・・私を守るために、やってしまったことなんです。
 どうか・・彼の言葉を信じて下さい。」
花はそう言い頭を下げる。
「ちょっと話を変えます。
 最後に、一つだけ教えて下さい。
 あなたの父親は、柏原政権ですよね。」
「・・・」

「詐欺師の!?」
傍聴席が、裁判員たちがざわめく。

「異議あり!!」と叫ぶ一馬。

「以上です。」

「静粛に。静粛にして下さい。」

花は苦しそうに胸を押さえて座り込んでしまう。
「花ちゃん!!」
駆け寄ろうとするビトを警備員が押さえつける。

そんな中、裁判員の一人、掛井は複雑な表情を浮かべ・・。

シーソーゲームのように進んでいく裁判。

佐藤巡査の身体の傷を指摘した一馬。
説得力がありましたね〜!

と思ったら、北川もタクシー運転手に花の写真までテストするとは。
きっと一馬たちが林の写真をタクシー運転手に確認させていると
しっかり読んでいたんですね。

みどりさんの言葉がまた素敵でした。
「あなたは、お気の毒な方ですね。」
北川の心にこの言葉は突き刺さったのでしょうか。

裁判中に明かされた林とビトの出会い。
林はビトを庇ってくれたんですね。
差別せずに真っ直ぐビトに微笑みかけた。
ビトがずっと待っていた笑顔だったのかも。

事件の時、林はビトに言いました。
「フィリピン野郎」
差別しないと思っていた林の言葉に、ビトはショックを受けたのでは。

「違います!」
花が突然、声を取り戻しました。
ビトを守るため。北川に責められて悔しさから、強い大きな声で。
ここで喋るとは思わなかったので、驚きました。

ビトの周りには、優しい人ばかり。
みんな、ビトの無実を訴えています。
この状況でどう裁判がひっくり返るのかと思ったら・・
花ちゃんの過去がここに絡んできたか!

裁判員の中で一番公平に、冷静に物を考えそうだった掛井、
あの表情を見ると、彼女も詐欺の被害者のようです。

自分の過去のせいでビトが有罪になってしまったとしたら
花ちゃんは辛すぎますね。



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19??年
 伊東弁護士、高校時代に事件を起こす?
 その後伊東一馬と名前を変える。

2000年春、甲斐と林のグループ、乱闘。

2001年夏、林、復讐にきた甲斐の仲間をボコボコにし、現行犯逮捕。

2005〜6年
 花、声を失う。

2009年
 ビト、花と出会う。
 ビトの夢は、無国籍料理のレストランを開くこと。
 覚せい剤所持を疑われる。

2009年4月 毒物混入
 第一回公判
 第二回公判
 第三回公判
 第四回公判
 第五回公判
 一週間後 判決 無罪

2009年9月 林殺人事件 
 第一回公判

2010年
 ビトの刑が確定。

2015年春、ビト、拘置所に。

公式HP

【キャスト】
早川ビト … 松本 潤
三島 花 … 新垣結衣
町村しおり … 小池栄子
金太 (河井金太) … 徳山秀典
ブル (風間健児) … 鈴之助

美奈子(村上知子)

古瀬刑事 … 北見敏之
高柳刑事 … 池内博之
北川検事 … 甲本雅裕
裁判官  … 神保悟志


林 誠司 … 小栗 旬
近藤
甲斐

柏木啓介 … 勝村政信
山根(石井正則)
相模 陽太郎(吉沢 悠)

下平香苗(羽田美智子)
佐原明夫(高橋洋)



町村宗助 … 前田 吟
町村みどり … いしだあゆみ
伊東一馬 … 中井貴一

 
叶 陸夫(モロ師岡)
 48歳。職業トラック運転手。バツイチ。
 前科こそないが、昔は相当なワルだったらしい。

掛井夕貴(櫻井 淳子)
 39歳。出版社勤務。独身。
 正義感に溢れるが、神経質な面あり。
 プライド高い、キャリアウーマン。

柴田佳代(酒井若菜)
 31歳。専業主婦。現在妊娠5ヶ月。
 妊娠を理由に辞退することも出来たが辞退せず。
 気の弱い、事なかれ主義。

真田 仁(忍成修吾)
 28歳。大手商社勤務のエリート。
 幼少の頃より、海外経験も長い。

徳島のりこ(大島蓉子)
 55歳。専業主婦。
 とにかく色んな事に首を突っ込みたがる、ゴシップ好き。

冷牟田貞二(浅野和之)
 62歳。
 私立高校教師。冷静でドライ。
 教育者というより、研究者に近い。

青木裁判長(本田博太郎)
堀川裁判官(青木鉄仁)
波多野裁判官(川先宏美)



【スタッフ】
制作著作 … TBS
脚 本 … 宅間孝行
プロデューサー … 瀬戸口克陽
成麻畝子(高成麻畝子)
演 出 … 石井康晴
坪井敏雄
音 楽 … 山下康介
主題歌 … 椎名林檎 『 ありあまる富 』
2009年5月27日 (水) 発売
/ EMI ミュージック・ジャパン


松本 潤さんの主な出演作品



新垣結衣さんの主な出演作品


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この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、ビトを守ってくれた林、国や生い立ちに関係なく付き合ってくれた事に感謝していたビトに対する裏切り「このフィリピン野朗!」の言葉…自分はまだ林がビトに引き金を引かせて命を絶ったような気がしてます、ビトを囲む優しい人々母親だと思われる女性に電話を断られビトたちからも電話に出てもらえない孤独感からビトを巻き込んでの自殺だったと…

巡査への暴行をビトではなく林の犯行ではないかと北川の意見をひっくり返した一馬、色々な証言からビトの心象よく思う裁判員たち、証言台に立った花がビトを守るために声を戻した喜びの中、北川の花が詐欺師柏原政権の娘だとの一言、波乱を巻き起こしそうですね!掛川の表情は…政権に騙されたことがある家族でしょうか?裁判員のなかで一番冷静に他の裁判員の気持ちを引き出してきた掛川、ここにも偏見という文字が現れてくるのでしょうか!
Posted by けた at 2009年06月14日 14:32
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