2009年08月14日

任侠ヘルパー 第6話

『認知症患者の恋』

パソコンで認知症診断のチェック項目を試していく羽鳥晶(夏川結衣)。
『診断する』のボタンをクリックするのに迷っていると、
息子の涼太(加藤清史郎)に声を掛けられ、慌てて画面を消す。

タイヨウ
部屋を掃除する彦一(草g剛)と晴菜(仲里依紗)。
「ノリコはまだ来んのか?」
入居者の問いに
「まだですね。今日はお忙しいんですかね。」と答える晴菜。
彦一は二人のやり取りを聞きながら、ノリコの遺影を見つめる。

「奥さん、去年お亡くなりになられたんです。
 でも、ここに来てからずっと待ち続けちゃってて・・。」と晴菜。
「何も思い出せなくなるのか?」と彦一。
「・・え?」
「認知症だよ。」
「ああ・・症状も具合も、人によってそれぞれだそうです。
 幻覚を見たり、経験したことを忘れたり。」
「・・・」
彦一は最近の晶の言動を思い起こす。
「でも、感情は残っているんです。
 好きだとか嫌いだとか。」
「それ若いやつがなったりすんのか?」
「なることもありますよ。
 若年性認知症っていって、最近は増えているみたいです。」
「・・・」
「どうしてです?」
「いや。」夜、車椅子で女性の部屋に忍び込もうとする風間寛(ミッキー・カーチス)を
零次(山本裕典)が捕まえる。
「何してるんですか、風間さん!」
「いや俺・・部屋戻ろうと。」
「ここ風間さんの部屋じゃないでしょ!」
「・・あら。」
「あら、じゃありません!
 戻りますよ。」

その様子を見ていた彦一、
「エロじじぃが。」と笑う。

スタッフルーム
「入居して2週間で夜這い4回!
 女性ヘルパーや利用者さんへのセクハラもどんどんエスカレート
 しています。」と零次。
「でもまあ夜這いといっても、未遂だからね。」と園崎(大杉漣)。
「最初の2回は、相手の方がしっかりしてたから
 悲鳴を上げて事なきを得たんじゃないですか!」
「元気なのはいいことなんだけど・・」と松原。

その時、女性ヘルパーたちの悲鳴が。
みんな、風間に尻や胸を触られるというセクハラ被害に遭っていたのだ。
「クソジジィ!さっきから何回触ってんだよ!」とりこ(黒木メイサ)。
「イライラしないで。
 今日はあの日かな?」
「・・・テメー!!」
「リコさん、落ち着きましょう!」
間に入った晴菜の胸にタッチする風間。
「テメー、何するんだ!」怒る五郎(五十嵐隼士)。
風間は気にせず、歌いながら女性ヘルパーたちの尻をタッチし、
「恋せよ乙女♪恋すると人生はバラ色だ!アゥー♪」
上機嫌で車椅子をウィリー!

「わっかいですねー、風間さん。認知症でもないのに。」と二本橋(宇梶剛士)。
「ああいうのを色ボケっていうんでしょ。」と六車(夕輝壽太)。
「・・・うまいですね!」

「とにかく、これ以上他の利用者さんに迷惑掛けるようなら、
 ここを出ていってもらいますから。」と零次。
「私からも個人的に言っておいたほうがいいのかなー。」と園崎。
「明日から入居される方も女性なんですよ。
 ご家族も、ちょっと神経質そうな方でしたし。」

徳田家
その頃、百合(横山めぐみ)は翌日から施設に預ける義母・多恵子(木村夏江)の
入居の準備をしていた。
認知症の多恵子は亡夫の食事の準備をしようとしている。
「お父さんは、2年前に死んだでしょ?」と百合。
「・・・」
百合の娘はそんな二人を無視してテレビに大笑い。

多恵子が玄関の戸を開けようとする。
「お母さん、ご近所の方にご迷惑ですから。」
「いやよ!行くの!」
「うるさいよー、もう!」と娘のミカ。
「ミカ!手伝ってよ!」
「明日から施設だよね。やっと家に友達呼べる。」
「・・・」

タイヨウの寮
「ほんととんでもないですよ、あのじいさんだけは!」と三樹矢(薮宏太)。
「あの方、相当の遊び人だったそうですよ。
 女性から女性へと渡り歩いて。
 結局今も、独身だそうで。」と二本橋。
「落とした女の数なら、アニキの方が上っすよね!」と五郎。
複雑な表情で彦一を見つめるりこ。
「りこちゃん、俺は結構一途な方だよ!」と三樹矢。
「聞いてねーよ、バカ。」
「私には理解出来ませんね。
 愛する女性は、生涯ただ一人で十分ですから。」と二本橋。
「バツイチでしょ、二本橋さんは。」と六車。
「復縁、諦めてませんから。
 それに、もうすぐ娘に会えるんですよ。
 今夏休みだからって、この前急に電話がありまして。
 都合のいい日に会いたいって。」
二本橋は嬉しそうにリコに妻と娘の写真を見せる。
「へー。だから機嫌良かったんだ。」
「噂をすれば、娘から!」

携帯に出る二本橋。
「パパだよ。・・・え!?再婚!?ママが・・。」

落ち込む二本橋に風間が声を掛ける。
「どうした、デカいの。失恋でもしたか?」
「・・・」
「辛いよな、良く分かるよ。フラれた時の気持ち。
 そういう時はこう考えるんだよ。
 次はもっとおっぱいの大きい子と付き合うってな。ハハ。」
「失恋じゃありません!
 それに私はあなたと違うんです。」
「何言ってんだよ、同じもん付けててさ。」
「・・・」

風間は相変わらず、移動しながら女性のお尻をタッチ!
「キャッ!何するんですか!!」
お尻を触られて百合が怒鳴る。
「すみません、失礼なことしちゃって!」晴菜が慌てて謝る。
「いやあんたがあんまりべっぴんだから。ハハハ。」と風間。
「おい!エロジジィ!部屋戻るぞ!」
彦一は風間の首根っこを掴んでそう言うと、車椅子を押していく。

「何なんですか、あの方は!」と百合。
「すみません、申し訳ありません!」零次たちは平謝り。
「お待ちしていました、徳田多恵子さんですね?」と園崎。

その名前を聞いた風間は顔色を変える。
「ちょっと停めてくれ!」
「あ?」
「停めろ!!」
多恵子の元に戻る風間。
「・・何ですか?」と百合。
「・・・あんた・・多恵ちゃん?」
「・・・」

自動販売機でいつものブラックコーヒーを買う彦一。
受付前では園崎が百合に挨拶をしていた。
「では、責任を持ってお母さんの生活を支えていきますので。」
「あの、さっきのおじいさん、風間さんですか?
 なるべく、母に近づけないで下さい。
 母は認知症ですし、よそのおじいさんと変なことにでもなったら、
 やっぱり、あれですから。」
「いやあの・・そういうことは、」
「とにかく、お願いします。」
百合が帰っていく。

百合と入れ替わりに、涼太がやって来た。
彦一はうんざりした表情でコーヒーを飲み干す。

「アニキ、」
涼太の頬を掴む彦一。
「しょぼい顔してんじゃねーよ、オメー。」

控え室
ライターをカチカチさせながら涼太の話を聞く彦一。
彦一はひざを抱え、ポツポツと話し出す。
「ママ、変な病気なんだ。
 治るのかな・・。」
「本人に聞きゃいいだろ。」
「聞いても教えてくれないよ。
 病院も、本当は行ってないかもしれないし。
 ・・アニキ、ママに聞いてくれない?病気のこと。」
「何でそうなんだよ。ざけんなよ。」
「・・・」
「そんなくだらねーこと人に頼むんじゃねー。」

そこへりこがやって来た。
「また舎弟とサボってんのか。」
「うるせー。 
 ほらもう帰れよ!」
「・・・」
涼太がゆっくりと腰を上げる。
「アニキ・・ママのこと嫌い?」
「・・・いけすかないからな。」
「・・・」
涼太はしょんぼりと肩を落とし、帰っていく。

その夜、風間は自分の部屋にあったグラビア写真などを全て片付ける。
飾ってあるのは、モノクロの古い写真・・
女学生との2ショット写真、一枚だけ。
風間はその少女の笑顔を見つめ・・。

多恵子を笑顔で見つめる風間。

そんな風間を見つめるヘルパーたち。
「風間さん、今日は大人しいね。」
「そういえば今日は誰もされてませんね、セクハラ。」
「部屋にあったエッチな本とか、全部片付けたらしい。」

多恵子が風間の視線に気付き、笑顔を浮かべる。
風間は嬉しそうに微笑み会釈する。

風間の前を二本橋と彦一が通りがかる。
「おい、ちょっと頼みがあるんだ。」

風間は二人にリハビリの手伝いを頼んだのだ。
「初恋の相手!?」
二本橋はリハビリを手伝いながら聞き返す。
「ああ、学生の頃のな。」
「何年前の話だよ。」と彦一。
「片思いでよ。結局告白出来ずじまいだった。」
「それで、それっきり?」と二本橋。
「ああ、風の便りで、結婚して幸せになったって、話は聞いたんだけど・・
 どうしようもなかった。
 俺はな、この年まで、ずっとふらふら一人身で生きてきた。
 でも、こんな経ってから再会するなんて、なんかの縁だろ?」
「うん。」
「だから・・だから俺は多恵ちゃんをデートに誘って、
 きっちり告白したい。
 あの頃伝えられなかった思いを。」
「・・・」

「いいっすよね、風間さんの話。純愛って感じで。」と三樹矢。
「さんざん夜這い繰り返して今更純愛も何もないだろ。」と六車。
「あー、俺もりこちゃんデートに誘おうかな!」

その時、五郎が晴菜をデートに誘っていた。
「今度の休みは?」
「私の休みの日は、シフト入ってるでしょ、五郎さん。」
「あー、平気平気!一日ぐらいサボるから。」
「あ、じゃあ私が代わりに入ります、その日。」
「え・・それじゃ意味ねーし!」

「気合入ってるな、五郎さんも。」と三樹矢。
「バカらしい。」と六車。
「ひょっとして・・ゲイ!?
 あ、りこちゃん!今度の休み、」
「ない!」
「・・えーっ。」

洗濯物を干す晴菜とりこ。
「みなさん風間さんに影響されちゃってますね。」
「発情してんだよ。動物かって!」
「でも、彦一さんはそうじゃない。」
「・・・」
「なんか、恋愛って、難しい気がしますよね、タイミングとか。
 どういう風に距離を縮めていけばいいのか、とか。」
「・・・そういうもん?」
「私、実は、まだ1回しかお付き合いしたことなくって、
 だから、、彼氏とか、2年ぐらいいなくて・・。
 恋愛の仕方、みたいなの、忘れちゃったなーって、感じで・・」
「・・・」
「あ、りこさんって、彼氏さんいるんですか?」
「・・・いねーよ。」
「どれ位です?」
「ずっとだよ。」
「ずっと?」
「付き合ったことねーよ。」
「・・・一人も?」
「一人も。」
「・・ゼロ?」
「・・・何だよ。」
「あ・・いや・・すみません。」
「謝ってんじゃねーよ!」

後日、二本橋は別れた妻と暮らす娘・瑞穂と会う。
「よっ!元気そうだな。」
「・・何でその格好で来るわけ?」
スーツ姿で現れた二本橋の姿に、瑞穂は憤慨する。
「うん?」
「あり得ないんだけど。」
「・・ごめん。」
「別れる時、お母さんから言われたんでしょ?
 そんな仕事している人に、家族を幸せにすることなんか出来ないって。」
「・・・」
「このままだと、マジで再婚しちゃうよ!
 いいんだ・・それで。」
「・・・」
「ちゃんと考えるとか言ってて・・結局何も変わってないじゃん!
 私のことだって・・全然何も考えてないじゃん!」
瑞穂は二本橋の煮え切らない態度に怒り、席を立ってしまう。
「瑞穂・・・」

タイヨウに戻った二本橋は、一人で一生懸命リハビリに励む
風間の姿を見つめ・・。
「お。デートの帰りかい?」風間が二本橋に気付く。

「仕事辞めて、イチから出直せか・・。
 ヘルパーだって立派な仕事じゃねーか。」
「・・それはまあ・・そうなんですけど・・。」
「娘のことは気にすんな。
 肝心なのは、あんたがどういう人生を選ぶかってことなんだよ。
 あんたが選んだ人生なら、娘はわかってくれるよ。」
「・・・」妻と娘の写真を見つめる二本橋。
「嫁さんに惚れてんだろ?まだ。
 幸せだろうなー、心底惚れた女と、一生添い遂げるなんてよ。」
「・・・」

部屋に戻った風間は、多恵子との2ショット写真を見つめ・・。

病院
「先生・・病名はわかっているんです。
 進行状況だけ、教えていただければ結構ですので。」と晶。
「自己診断を?」
「多少の知識はありますから。
 それに・・・私の母も、同じでしたから。」

医師と話した帰り、ふらふらした足取りで廊下を歩く晶。
その時、彦一にしがみついた時に見た刺青を思い出し・・。

彦一が施設の外でタバコを吸っていると、晶がひとりで現れる。
「今日はお供いねーのかよ。」
「・・・」
「ガキが心配してんぞ、あんたのこと。」
「話があるの。そのことで。」
「・・・」
晶と彦一が外へ出ていくのを、洗濯物を干していたりこが気付き・・。

橋の上
「・・何だよ話っていうのは。
 こんなところで時間潰している場合じゃないだろ、あんた。」
「涼太は・・あなたのこと知っているの?」
「あ?」
「・・・刺青。」
「・・・覚えてたのかよ。」
「思い出せたの、さっき。病院で。」
「・・・」
「アルツハイマー型、認知症。
 これからどんどん進行していくの。」
「・・ガキには?」
「あなたがどういう人なのか聞かないし、
 このことは誰にも言わない。
 だから・・私の病気のことも言わないで。
 特に、涼太には絶対に!」
「・・・」
「あの子はまだ小さいから!
 だから・・・。」
「・・・あんた、」
「何も言わないで。
 ・・・くじけそうで怖いから。」
「・・・」
彦一は涙ぐむ晶を見つめ・・。

そんな二人の様子を見ていたりこは、そっと立ち去る。

その日、食事当番だった三樹矢はピザを注文。
「俺料理苦手なんですよ。たまにはいいでしょ?」
「あの・・ちょっとよろしいでしょうか。」と二本橋。
「何すか?」
「申し上げにくいことなんですけど・・私・・
 この研修抜けさせていただきます。」
「は!?」と五郎。
「何が理由か知りませんけど、カシラが許してくれますかね。」と六車。
「カシラには、時期を見て私から話しますから。
 皆さんには、ご迷惑をお掛けしませんので。」
「おい待てっておっさん! 
 今になって勝手な事言ってんじゃねーぞ!
 そんなことしたらあんた、組にいられなくなるぞ!」と五郎。
「ほっとけよ!!
 ・・・テメーの人生だよ。好きにすりゃいいだろ。」と彦一。
「・・・」
二本橋はみんなにヤクザスタイルで頭を下げ、部屋を出ていく。

部屋に戻った二本橋は、組員との記念写真を見つめ・・。

翌日、風間のリハビリに付き合う二本橋。
「なんだ、辞めちゃうのか?」
「風間さんのお手伝いが終わるまでは、いますよ。」
「そうか。まああんたが決めたことだ。頑張れよ。」

咳き込みながら多恵子が通りがかる。
「大丈夫かい?」と風間。
「大丈夫。ありがと!」笑顔で答える多恵子。

「足も大分良くなってきたし、そろそろ、誘おうかな。」
風間は嬉しそうに二本橋に言う。

海岸で考え込むりこ。
そこへ涼太がやって来る。
「・・アニキなら仕事してるよ。」
「・・・うん。」
「どうした。」
「・・・ママ、病院行ったみたい。
 悪いところ、何もなかったって。」
「良かったじゃねーか。」
「・・・嘘だよ、きっと。
 アニキに・・ママのこと守ってって、頼めないかな。」
「・・・」
「本当は僕が守ってあげたいんだけど・・」
「だから強くなりたかったのか。」
涼太が頷く。
「・・・お父さん、どんな人だった?」
「・・覚えてない。」
「じゃあ・・お父さん欲しいか?」
「ママのこと、守ってくれる人なら。」
「・・・そっか。」

掃除をしながら、彦一は考え込み・・。

多恵子の部屋の前
決心を固め、車椅子から立ち上がる風間。
「多恵ちゃん、ちょっといいかな。」
部屋から多恵子の咳が聞こえてくる。
「多恵ちゃん?大丈夫?」
部屋に入ると、多恵子は咳込み、苦しそうだった。
「大丈夫?あ、ちょっと、ヘルパーさん呼ぼう!」
「行かないで・・お願い。」多恵子が風間の腕を掴む。
「・・・着替えよう、ね。風邪引くといけないから。」
戸棚からパジャマを取りだし、多恵子の服のボタンを外そうとする風間。
「ありがとうね、父ちゃん。」
「・・・」

そこへ、百合がやって来た。
「お母さん・・・何してるんですか!?
 離れてください!
 ちょっと!誰か来て!!」
晴菜と零次が駆けつける。
「お父ちゃん・・」多恵子はそう繰り返し・・。

百合は多恵子を連れて帰ると言い出す。
「最初にお願いしましたよね?あの人を近づけないで欲しいって!
 母は、あの人を父と勘違いしているんですよ。
 70過ぎの女があんなおじいさんと・・汚らわしい!」
「汚らわしいって、風間さんは、多恵子さんが初恋の人だから
 それで・・」と二本橋。
「あなた!そんなことで、母とあのおじいさんとくっつけようと
 したんですか!?」
「いや・・そんな・・」
「母は連れて帰ります!
 どかないと警察呼びますよ。」
「あんた、何がそんなに気に食わないんだよ。」と彦一。
「私は家族です。こんなこと、我慢出来るもんですか。」
「年寄りは好きになったりしちゃいけねーってか?」
「・・いけないわよ。恥ずかしい!」
百合は多恵子を車椅子に乗せて連れ帰る。

そんな様子に落胆する風間・・。

「風間さんは悪くないですよ。 
 多恵子さんの体調が悪かったから服を。」と二本橋。
「そういうのはヘルパーの仕事です。」と零次。
「でもおばあちゃんが行かないでくれって言ったんでしょ?」と三樹矢。
「あのオバハン、ヒス起こして聞く耳持たねーだろ。」と五郎。
「家族の心情っていうのはそういうもんなんだよ。
 今後は、利用者の色恋なんかに、軽率に首を突っ込まないでくれ。
 それに、今回みたいな認知症の方は、厄介なんだから。」と零次。
「認知症だって感情はあんだろ?」と彦一。
「多恵子さんは風間さんを、亡くなったご主人と間違えてるだけなんだ。
 気持ちを受け入れたわけじゃない。
 大体、正常な判断能力のない人に言い寄ろうっていうのが
 どうかしてるんだよ。
 初恋の人だからって、あの年で純愛も何もないだろう。
 頑張ったところで、過去を取り戻せるわけじゃないのに。」と零次。
堪えきれずに零次を殴り飛ばす二本橋。
「ざけんじゃねー若造!!」
取っ組み合いになる二人を引き離そうとする三樹矢と五郎。
「年くってるやつが、恋しちゃいけないのかよオイ!!
 好きだった人を取り戻すのが、いけないのか!?」
二本橋はそう言いながら、三樹矢と五郎を振りほどく。
「やめろオラ!」彦一が飛び掛る。
「邪魔すんじゃねー!」二本橋のパンチが彦一に飛ぶ。
「テメーいい加減にしろ!」彦一は二本橋に再び飛び掛り、頭突き!
「何が・・いけねーんだよ・・。」
泣き出す二本橋に、彦一はその場を立ち去り・・。

風間の部屋
ベッドで写真を見つめる風間。
そこへ、二本橋が顔を出す。
「あれ?どうしたんだその顔は。」
「ちょっと。」
「ちょっとって。これから別れた嫁さんにアタックしようとしてるんだろ?
 そんな顔じゃカッコつかねーじゃないか。
 ・・俺なんか、デートに誘う間もなかった。
 こんなことなら、多恵さんの身体を触ってりゃ良かった。
 情けねーよな。散々遊び人気取っててよ。
 肝心な惚れた女には触る事も出来なかった。
 惚れた女と一緒になれりゃ・・それが一番幸せなんだ。
 でも・・その女が、別の幸せを見つけてくれたなら・・
 そりゃあそれで・・ありがたいと思わなきゃ・・。」
「・・・」

屋上
スーツ姿でタバコを吸う彦一。
「飲みに行くんじゃなかったのかよ。」りこが声を掛ける。
「・・・許されねーことばっかだな・・年寄りってーのは。」
「・・・」
「惚れた腫れたに年は関係ねーのによ。」
「・・・」
「誰だっているだろうが、好きなやつくらい。」
「・・・あんたは?」
「あ?」
「あんたもいんのかよ。」
「・・・アホか。」
「・・・」
彦一が加えるタバコを奪うりこ。
そのタバコをくわえると、咳き込み、
「マジー。」と言い、彦一の隣に置かれた空き缶を手に取り立ち去る。

缶コーヒーを買おうとする彦一。
だが、ポケットには30円しかなかった。
自動販売機を蹴飛ばし、立ち去ろうとすると、二本橋がやって来た。
「おい。」
「・・・」
「どこ行くんだよ。」
「・・・」

夜道を突き進む二本橋と彦一。

徳田家
大きな物音に、百合は母親の部屋を見に行く。
多恵子は押入れを開け、何かを探していた。
「お母さん、熱があるんですから、寝てて下さい。」
「・・・」
「何で化粧なんか!」
「お父さんと二人でね、お出かけするの。」
「・・・」
「お袋、親父はもう死んだんだよ、な!死んだの。」と百合の夫。
「もう、いい加減にして、」
多恵子をベッドに寝かせようとした時、多恵子の手から一枚の写真が落ちる。
その写真を見た百合は・・。

そこへ、二本橋と彦一が訪ねてくる。
「あの、タイヨウのヘルパーです。」
「迷惑です。帰って下さい!」
「お願いします。風間さんに、お母さんをデートに誘わせてあげて下さい。」
「ふざけないで!」

「お父ちゃん?お父ちゃんなの?」多恵子が出てきた。
「多恵子さん。」
「お母さん!
 奥に連れてって!早く!
 ご近所の人に見られたら・・」
「何で!何でそんなに恥ずかしいんですか?」と二本橋。
「何でって・・」
「お年寄りが恋をすることが、そんなに変なんですか?
 風間さんが、多恵子さんを思うのが、そんなにいけない事なんですか?」
「母は、認知症なんです。」
「認知症の人だって、人を好きになる気持ちはあるんです。
 風間さんのことを覚えてなくても、
 旦那さんと間違えていても、
 それでも多恵子さんには気持ちが伝わっているんです!
 だからこうやって、お化粧して・・」
「・・・」
「お願いします。
 人を好きになる気持ちを奪うなんて、誰にも出来ないんです。
 絶対にそんなことしちゃいけないんです!」
「・・・」
土下座をする二本橋。
「風間さんから多恵子さんに、ちゃんと気持ちを伝えさえてあげて下さい!
 お願いします!!」
「・・・」

彦一はそんな二本橋をただ見つめ・・。

タイヨウ
スーツに着替えた風間がやって来た。
「カッコイイですよ、風間さん。」と二本橋。
「あんたもいい顔してるよ。
 別れた嫁さんもなびくだろう。」
「・・・」
「お互い、惚れた女にきっちり男見せようや。な!」
風間の言葉に大きく頷き、二本木は彼が出かけていくのを見送った。

「おい。」彦一が二本木に声を掛ける。
「・・・」
「カシラには言ったのかよ。足を洗うって。」
「・・・」
二本木は彦一には答えずに、出かけていく。

すれ違う老夫婦と挨拶を交わす風間。
笑顔を浮かべ、多恵子との待ち合わせ場所へと、一歩一歩、進んでいく。

そして二本木も、ある決心を固めていて・・。

千葉中央美術館前
チケットを手に多恵子を待つ風間。

タイヨウの屋上
彦一が好きなブラックコーヒーを手に考え込むりこ。
コーヒーの苦味に顔をしかめる。

控え室
「りこちゃん最近つれないんですよ。
 何かあったんですかね・・」と三樹矢。
「知るかよ。」と彦一。
「吸い過ぎですよ。」
灰皿を差し出す三樹矢の頭を叩く彦一。

そこへ、ある電話が入り・・。

美術館前
「花束でも買って来れば良かったかな。」
風間が呟く。

公園
二本橋は男の車から降りてくる女性を見つめていた。
心配そうな男に、「大丈夫だから。」女性がそう言っている。
それは、二本橋の元妻だった。
その様子に二本橋は・・。

美術館前
時計を確認する風間。
そこへ、彦一が駆けつける。
「なんだい?デートの邪魔しに来たのか?
 多恵ちゃん来る前に、帰ってくれ。」
「・・・ばあさん・・・死んだ。」
「・・・」
「肺炎こじらせて・・朝にはもう・・。
 だから・・」
「・・・もう少し・・待つか。」
「・・・」
「昔から・・女の支度が遅いのはしょうがないんだよ。
 ・・・でも待ってる。・・それがモテる男だ。」
「じいさん・・」
「女は・・そういう男は誠実で心底自分に惚れてるって感じるんだ。
 お前も今からやっとけ!」
「・・・」
「・・・女はしょうがねーな・・。」
風間はそう言うと、帽子で顔を隠し涙を流し・・。

娘の待つカフェに、スーツに派手なシャツ、サングラスという格好で
姿を現す二本橋。
「その格好でお母さんと会ったんだ・・」
「これがお父さんの・・本当の姿だから。
 お父さんは・・嘘をついてまでお母さんと、」
グラスの水を父親に引っ掛ける娘。
「バイバイ。」
娘が去ると二本橋はサングラスを外し・・。

徳田家の葬儀に参列した零次と晴菜に、百合が駆け寄る。
「あの! 
 母が・・お世話になりました。」
「いたらぬぬことばかりで。」と零次。
「あのこれ・・母が持ってたみたいで。」
それは、風間と持っていたのと同じ、モノクロの卒業記念写真。
「これ・・風間さんと、多恵子さん・・」と晴菜。
「認知症だったので、てっきり、父とあの方を勘違いしているもの
 ばかりだと思っていたんですけど・・。」
「多恵子さんの真意は、誰にも確かめる事は出来ません。
 仕方ないですよ。」と零次。
「オカンに・・入れてあげようと思っています。」百合が涙ぐむ。

タイヨウの寮
「で?奥さん再婚決めちまったのか?」と五郎。
「ええ。」と二本橋。
「なんかあっさりしてんな。」と三樹矢。
「辞めるって言ってたのに、どういう心境の変化です?」と六車。
「次はもっとおっぱいの大きい子と付き合おうかと思いましてね。」
「は!?」
二階堂は穏やかな笑みを浮かべ・・。

介護・福祉情報掲示板の書き込みをチェックする零次。
『ハートフルバードは現代の姥捨て山』
『羽鳥晶は母親を殺した。』
『殺人者、羽鳥晶』



女性にセクハラしまくりの風間に、最初はどうしようもないなぁと
呆れて見ていましたが、どこか憎めない。
初恋の人との再会に、今度こそ気持ちを伝えようと
リハビリを頑張りだす。
そんな風間が可愛らしく思えてきました。

初恋の人と再会した風間。
妻の再婚に悩む二本橋。

この二人の男たちは、それぞれ、
『惚れた女にきっちり男を見せる』ために頑張りました。

悲しい事に、風間の初恋の相手・多恵子はデート当日に
肺炎をこじらせて亡くなってしまいましたが・・。

二本木は、恋をする風間の思いに心動かされ、
土下座するほど風間の為に一生懸命に・・。
そして、自分の家族のことでも大きな一歩を踏み出した。
それは、愛する人と添い遂げる、という道ではなく、
惚れた相手が見つけた別の幸せを応援する、という形で。

彦一はこの二人の『惚れた女にきっちり男を見せる』という姿に
どう影響されたのでしょうか。

涼太が強くなりたかったのは、イジメっ子に勝つことよりも、
母親を守りたい、という思いがあったんですね。
お父さん、というよりも、母親を守ってくれる存在が欲しいと願う涼太。
彦一はその存在になってあげられるのか?
りこはもしそうなったとしても、理解を示してくれそう・・。
というよりも、彦一に協力するりこの姿が目に浮かびます。

晶の母親は晶と同じ病気を抱えていました。
予告で晶は
「認知症の母を捨てて男と逃げた」
と言っています。
母親はその後、亡くなってしまったのでしょう。
『羽鳥晶は人殺し』
掲示板の書き込みは、そんな晶に対しての嫌がらせでしょうね。

晶の秘書の「機は・・熟したかと。」発言。
あの電話の相手は・・鷲津組?
掲示板に嫌がらせの書き込みをし、晶を追い込み、
会社を乗っ取ろうとしているのか!?
もしかして、書き込みをチェックしていた零次も関係している?

予想では、鷹山組長は晶の母親と関係があって
若年性アルツハイマーを患った晶の母親から、
娘を頼むと晶のことを頼まれているとか。
年齢から言って晶の父親は無理なので、母親を看取った恋人?
もしも晶が涼太を彦一に託せば、同じような関係になるのかな。

ミッキー・カーチスさん、子供の頃、とあるイベントで歌う姿を
拝見したことがあります。
風間の涙するシーンにやられました。



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公式HP

【CAST】

翼彦一 - 草g剛

四方木りこ - 黒木メイサ
和泉零次 - 山本裕典
鷹山三樹矢 - 薮宏太(Hey! Say! JUMP)
黒沢五郎 - 五十嵐隼士
美空晴菜 - 仲里依紗
六車雅人 - 夕輝壽太

羽鳥涼太 - 加藤清史郎

日野弥生 - 中別府葵
堀井皐月 - 安田美沙子
松原浩美 - 橘ユキコ
大島陽介 - 山田親太朗
古賀健介 - 高木万平
古賀康介 - 高木心平
戸川由香 - 甲斐まり恵
野村愛香 - 三浦まゆ

七海和樹 - 向井理

鷹山源助 - 松平健(特別出演)

二本橋賢吾 - 宇梶剛士
園崎康弘 - 大杉漣
羽鳥晶 - 夏川結衣


【スタッフ】

脚本 - 古家和尚
企画 - 後藤博幸
プロデュース - 牧野正
監督 - 西谷弘、石川淳一ほか
制作 - フジテレビドラマ制作センター


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草g剛さんの主な出演作品



黒木メイサさんの主な出演作品


13:58 | CM(1) | TB(4) | 任侠ヘルパー | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、やはり晶は若年性認知症でしたね!忙しさにかまけて病院に行かない晶、手術で治る脳腫瘍を予想していたのですがアルツハイマーだと晶の母親が亡くなった事実を考えると今まで考えてた妄想がひっくりかえりました!
普段穏やか二本木が風間のことを自分に置き換えて考え元の奥さんや娘のためにやり直そうとするする姿が素敵でした!老人が恋をしたらいけないのか!まだ未練の残る元妻の幸せそうな笑顔を見て考えたのは、やり直した自分と今の立場、本当に幸せを考えたときに選んだ衣装はヤクザチックでした、そこに込めた思いが伝わり百合の気持ちをかえたエピからのお葬式は上手かったかな〜

彦一をめぐる三人の美女たちの行方も含めこれからの展開に期待大です!
Posted by at 2009年08月14日 20:54
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