2009年08月23日

任侠ヘルパー 第7話

『非婚アラフォーのシングル介護』

地味なスーツ姿で同窓会に駆けつける長岡初美(西田尚美)。
会場のホテルには、美しく着飾った人たちで溢れていて、
初美は少し気後れしながら友達の輪に入る。
「初美!」
「孝江先生は元気?」
華やかなドレスに身を包んだ同級生たちは、初美の母であり
教師でもあった孝江の様子を聞く。

その頃、翼彦一(草g剛)は美空晴菜(仲里依紗)とともに、
長岡孝江(江波杏子)の自宅で訪問介護を行っていた。
孝江は初美の母親で、同窓会に出席する初美がタイヨウに
依頼したのだ。
白内障で視力がきかず気難しい孝江は彦一らの対応が気に入らず
文句ばかり。
そんな孝江の態度に、彦一も辟易とする。同窓会会場
履き慣れないヒールに疲れソファーに腰掛ける初美に、
滝本誠一(小市慢太郎)が声を掛ける。
「初美ちゃん、どうしたの?こんなところで。」
「なんか、気後れしちゃって。こういうの久しぶりだし。
 みんなはほら、結婚して子供も何人もいるし。」
「何言ってんの。俺なんかバツイチだけど気にしないよ。」
「滝本君はいいだろうけど。」
「酷いな、その言い方。 
 ・・・ちょっと聞いたんだけど・・孝江先生大丈夫?」
「もう、年だから。
 白内障でほとんど見えないし、軽い麻痺もあるから、
 何するにも手を貸さないと。」
「そりゃ大変だ。」
「本当は、今日も来るのよそうと思ってたの。
 でも、代わりにスピーチしてこいって言われて。」
「みんな喜ぶよ。孝江先生慕われてたから。」
「うん。」

その時、初美の携帯が鳴る。母からだった。

秘書とともに歩く羽鳥晶(夏川結衣)に、雑誌記者が駆け寄る。
「どうも週間芸能の者です。
 最近ネット上などで増えているハートフルバードへの批判について
 一言!
 釈明しないってことは事実なんですか!?
 いいんですね!?書いちゃいますよ!あなたのお母さんのこと!」
晶は記者を睨みつけ・・。

長岡家
初美の部屋からいくつものアラームが鳴る。
「うるせーな。」
彦一は文句を言いながらアラームを消そうと部屋に入る。
夜の7時半に目覚ましが3個掛けられていた。
彦一はそれを消している時、初美の部屋にレンタンと錠剤の薬がある
ことに気付き・・。

そこへ初美が戻ってきた。
「ただいま。」
「大変だったのよ、初美!酷い目に遭わされて・・」
娘に抱きつき愚痴をこぼす孝江。

「お食事もお風呂も要らないって言われまして・・。」
晴菜が申し訳なさそうに初美に報告する。
「何言ってるの!わざと不味い料理作ったくせに!」と孝江。
「ごめんね、お母さん。今帰ってもらうから。」
「俺らはこれで。」と彦一。
「ご迷惑をお掛けしました。」と初美。
「迷惑したのはこっちの方でしょ!
 特に男の方は、最低!」
「あ?」
「あの、今日は本当にお役に立てなくてすみませんでした。」と晴菜。
「警察呼んだほうがいいかも。
 もしかしたら・・うちの中のもの何か盗られているかも。」と孝江。
「だったらヘルパーなんか頼むなよクソババァ!
 黙って聞いてりゃガタガタ好き放題抜かしやがってよ!
 テメーの世話なんか誰がやるかバカヤロウ!」
「彦一さん!」

玄関
「申し訳ありませんでした。失礼な事言っちゃって。」
「こちらこそ。
 母が失礼なこと言っちゃって、すみません。」
初美はそう挨拶し、戻っていく。

「もう!所長に叱られちゃいますよ!」
「くだらなえーなっ!」

長岡家
「やっぱりダメね。ああいうの家に入れると。」
「・・もうヘルパーさん頼んだりしないから。」
「安心したらお腹空いちゃった。」
「わかった。すぐ作るから待ってて。」
「同窓会どうだった?スピーチしてくれた?」
「うん。みんな喜んでた。」
「そう!」

初美の携帯に友達からメッセージが残されていた。
「初美?どうしたの急にいなくなっちゃって。
 今ね、二次会でカラオケしてるんだけどさ、
 もし来れそうならおいで、」
初美はメッセージを最後まで聞かずに切り、食事の支度を始める。

「タイヨウ」に戻った晴菜は、孝江の件を報告する。
「本当に、すみませんでした。」
「難しい人だってことは事前に聞いていたからね。」と園崎(大杉漣)。
「人選ミスですよ!
 まともなヤツに行かせるべきでした。」
零次(山本裕典)は彦一を見ながらそう言う。
「うるせー。」
「それにしても大変そうね、その家。
 そんな性格のお母さん一人で対応しているなんて・・」
「中学の校長を務めた経験もあるそうですから、プライドが高い
 みたいなんですよ。」と零次。
「典型的なシングル介護だし、心配だね。」と園崎。
「クソババァがよっ!」

そんなところへ、二本橋賢吾(宇梶剛士)が来て、
ホールに利用者の家族が来ていると告げる。

家族らは、あんな記事が出て大丈夫なのか、と雑誌を指差す。
そこには、
『ハートフルバード社長「羽鳥晶」
 高齢者たちの救世主にまさかの過去!?
 母殺しの許されぬ罪』
との衝撃的な記事が書かれていた。

その頃晶も秘書達に週刊誌を見せられていた。
「この件に関しましては、直ちに法的手段をとります。
 ただ、状況はかなり悪化しています。
 ネット上での批判も留まる気配がありませんので。
 今週に入って利用者の契約解除が38件、
 フランチャイズ契約を打ち切りたいという声も。
 これだけ中傷が加速したのは、我が社の組織的な
 ネガティブキャンペーンの可能性もあるかと思いますが。」
「・・だったらその相手を特定しなさい。」
「マスコミからの問い合わせが、」
「マスコミの対応くらいあなた達でも出来るでしょう!?」
「・・・」

秘書たちが立ち去ると、晶は慌てて手帳を取り出し記入していく。

タイヨウ
掲示板をチェックする園田、零次らヘルパーたち。
「フランチャイス施設一覧にうちの名前が載っています。
 名指しの批判はまだありませんが。」と零次。
「どうりでねー。最近、入居希望者が減ったと思ってたのよ。」
「本当なんでしょうか。羽鳥顧問のこと・・」と晴菜。
「本当かどうかということより、批判が広がることの方が問題だよ。
 どうしますか?所長。」と零次。
「ああ・・うちはうちのやり方でやっていけばいいから。
 皆さんにはそれでご理解していただけるでしょう。ね?」
「・・・」
「何か意外よねー。」
「羽鳥顧問のこと、尊敬してたのに・・。」
その側を涼太(加藤清史郎)が通りがかり・・。

控え室では、四方木りこ(黒木メイサ)、鷹山三樹矢(薮宏太)、
黒沢五郎(五十嵐隼士)、六車雅人(夕輝壽太)ら“任侠ヘルパー”たちが
昼食をとりながら週刊誌の記事を読んでいた。
「認知症の母親捨てて男と逃げて、結局死なせた。
 これ本当だったら酷い話ですよね・・。」と二本木。
彦一はピラフのニンジンを除けながら黙って話を聞いている。
「つーか何でそんな過去があんのに介護事業なんかやってんですかね?」と三樹矢。
「そりゃお前、儲かるからに決まってんじゃねーか。ね、アニキ?」と五郎。
「どうでもいいよそんなこと。 
 それより・・どうするんですこれから。」と六車。
「あ?」
「こういうスキャンダルは僕らにとってもマズいでしょ?
 世間の目が集まると、何かの拍子に正体を知られるかもしれない。」
「今まで以上に大人しくしていたほうが良さそうですね、確かに。」と二本橋。
「むしろ・・こうなったら潮時かもしれません。」と六車。
「研修辞めるってことかよ。」とりこ。
「ヘルパーとしてのノウハウは学んだ。
 もうカシラに決断を迫る時期ですよ!
 この中の誰を幹部にするのか。」
「・・・」

そこへ涼太がやって来た。
「アニキ・・。」
週刊誌に気付き駆け寄る涼太。
彦一がそれを取り上げる。
「相変わらず辛気クセー顔してんなお前は。
 大人の話してんだよ。外に出ろ」
涼太の首根っこ掴んで一緒に部屋を出て行こうとする。 
「話の途中ですよ。」と六車。
「勝手にやってろ。俺はカシラの指示待つだけだ。」
そう言い、涼太を連れて立ち去る彦一。
「アニキ、靴・・」と涼太。

「何か・・アニキ変わった気がすんな・・」と五郎が呟き・・。

万福フーズで働く初美は、社長(不破万作)に配達を頼まれる。
「悪いんだけどさ、どうしても手が足りなくて。」と上司。
「でも私・・母の介護のこととかあるので・・。」
「初美ちゃんの事情はよくわかるんだけどさ。
 新しい人が入るまで、頼む、この通り!」
「・・・」
そんな様子を同僚が険しい表情で見つめていた。

配達前、母親に電話をする初美。
「自分で出来ない?・・うん。
 わかったから。」
「初美ちゃん!配達行くよ!」配達の男性が声を掛ける。
「あの・・悪いんですけど、ほんの少しだけ家に寄ってもらったら
 いけませんか?」
「お母さんか。・・いいよ、ちょっとだけなら。」
「本当ですか!?ありがとうございます!」

タイヨウ
涼太は缶ジュースと缶コーヒーを手に、外のベンチに腰掛ける彦一の元へ。
「おぉ。」
コーヒーを一口飲んだ彦一は、元気のない涼太を優しい目で見つめる。
「・・・しょぼくれた顔してたって何も変わんねーぞ。」
「・・・あ!」
二人はお年寄りが自転車におしっこしてしまっているのに気付く。
「おいジジィ!お前そこでションベンするなって言ってんだろ!」
「エヘヘ。終わった!アハハ。」
「バカヤロウが!おいフリフリしろよフリフリ。」
「フリフリ!フリフリ!」
「クソッ!掛かってんぞ!!」

パシリにされているんだけど、
ちゃんと涼太にジュースを買ってあげている彦一が可愛い!
怖い顔して「フリフリ」にも大笑い!


そこへ、万福フーズの車が到着する。
「万福フーズです。すみません、遅くなりまして!」
彦一と初美はお互いに気付き・・。

「困りますよ、20分も遅刻されると!」と零次。
「申し訳ありません。ちょっと・・道が混んでしまって。」と男性社員。

「あの・・お母さん、今、家でお一人なんですか?」晴菜が初美に聞く。
「・・ええ。」
「でも、目が見えないのにそれじゃ大変じゃ・・」
「普段は内勤で、呼び出しがあったら戻っています。」
「大変ですね。」
「社長も同僚も理解してくれています。
 母の世話は人任せには出来ませんから。」

「あのおふくろさんじゃな。」と彦一。
「おい。」とりこ。
「母を悪く言うのはやめてください。
 ご迷惑掛けたと思いますけど、母だって嫌な思いしたんですから!」
「は?」

「すみません、長岡さん。」と晴菜。
「・・失礼します。」

食品のケースを車に戻すのを手伝う彦一は、
初美が携帯で話している姿を目撃する。
「もうすぐ帰るから。
 違うよ、そんなことないって。
 うん。
 本当だよ。
 待ってて、お母さん、ね!」
彦一はそんな初美の様子を見つめ・・。

羽鳥家
涼太の姿に晶はハガキをバッグに隠す。
「お帰り、涼太。」
「ただいま。」
「ご飯ちょっと待っててね。ママも今帰ったとこだから。」
晶がキッチンへ向かうと、涼太は母が隠した手紙を見ようとし
バッグを落としてしまう。
その時バッグから晶の手帳が落ちてしまった。
そこには、何時に何をしたのか、
仕事のことから食事のメニューまで事細かく書かれていて・・。

タイヨウ 控え室
「万福フーズさんがお詫びにって。」
差し入れのケーキをりこと彦一に持っていく晴菜。
「でも、長岡さんすごいですよね。
 頑張って、介護と仕事両立させてる。」
「ここに放ったらかしにしてるヤツらよりマシだろ。」とりこ。
「・・どうだかな。」と彦一。
「あ?」

羽鳥家
一通のハガキを見つめる晶。
それは、身内の十三回忌を知らせるハガキだった。
『晶ちゃん、元気ですか?ずいぶん会ってないけど代わりはないですか?
 忙しいとは思うけど、たまにはお母さんに会いに来てね。
 敦子』

長岡家
内職をしたまま眠ってしまった初美は、アラーム音に目を覚ます。
午前1時、鳴り響く目覚まし3つを消し、母親の部屋へ。
「お母さん、おむつ変えるよ。」
「・・ごめんね、初美。」
「うん?ナインが?」
「いつもいつも世話掛けて・・」
「大丈夫。
 母さんこそ、おむつ我慢してくれてありがとう。」
「ごめんね・・」
「いいから。」

タイヨウ
自動販売機に120円入れたがいつものコーヒーが出てこない。
思い切り自動販売機を蹴飛ばす彦一。

振り返ると、涼太がお年寄りに靴を履かせていた。
ヘルパーとお揃いの黄色いシャツを着ている。

「夏休みの間ここで働くってさ。
 変わったよな、あの子も。」りこが彦一に言う。
「・・・"も"って何だよ。」
「別に。」

その日、万福フーズのミスで利用者の食事が届かず、
零次は彦一達に取りに行くよう指示する。
配達担当が初美に変わってから、万福フーズはミスが多くなり、
零次は業者を変える事も検討すると言い出す。

万福フーズの社長は、弁当を取りに来た彦一と五郎に平謝り。

弁当を車に積もうとしているところへ、初美たちが帰ってきた。
彦一は五郎に託し、初美の元へ。

「・・・何ですか?」
「苦情だよ!あんたの店で迷惑してるからよ。」
「ご迷惑を掛けてすみません。
 でも・・今日は急ぐので。」
「追い詰められてんじゃねーか?」
「・・・」
「出来てねーだろ、一人で介護なんてよ。」
「・・・だからって、ヘルパーさんには頼めません。
 5年前に死んだ父は、認知症でしたけど、
 母は、一人で介護をやり遂げました。
 何度かヘルパーさんに頼んだけど、折り合い悪かったし、
 今後もお願いするつもりないですから。」
「筋金入りのヘルパー嫌いかよ。」
「もうご迷惑を掛けませんからこれ以上は、」
「自殺されちゃ夢見が悪いんだよ!」
「・・・」
「レンタンと睡眠薬。いつでも死ねるってとこだろ。」
「・・・見たんですか?私の部屋。」
「・・・」
「・・バカなこと言わないで下さい。
 母がいるのにそんなことするわけないじゃないですか。」
「さあな。ただ・・あんた見てっと、介護が必要なのは
 あんたの方じゃねーかと思うぜ。」
「・・・失礼します。」

夜、初美が部屋で内職をしていると、滝本から電話が入る。
「この間、同窓会でゆっくり話せなかったから。」
「うん。ごめんね、この間は。」
「いいよいいよ。孝江先生のことでしょ?」
「・・うん。」

「初美!初美ちょっと来て!」孝江の声。
「待って、今行くから。
 滝本君、ごめん。」
「あ、じゃあ用件だけ。」
「うん?何?」
「今度、食事でも行かないか?」
「・・・」

羽鳥家
「お帰りなさい。」と涼太。
「ただいま。まだ起きてたの?」
「うん。」
「最近タイヨウで、お手伝いしているんだって?
 所長さんが押してくれたの。」笑顔で語りかける晶。
「うん!
 ・・・」
「何?」
「・・ママ・・・本当に、おばあちゃんのこと捨てたの?」
「・・・」
「・・・おばあちゃんのこと・・嫌いだったの?」
「大好きだったよ・・。
 でも・・ママはダメな子だったから・・。」
「・・・」

タイヨウ
健気に働く涼太は、利用者の癒し的な存在となっていく。
「涼太君、こっちのも頂戴?」
「はーい!」
「おい、こっち俺やるからよ。」と彦一。
「涼太君の方がいい!」と利用者の女性。
「あ?」
「だってー、涼太君可愛いんだもんねー!」
恥ずかしそうに笑う涼太。
そんな涼太のホッペをギュっと掴む彦一。
「何笑ってんだよっ。」
「すみません・・。」

このアヒル口がもう一度見られて嬉しかった!可愛い〜。

お寺
「晶ちゃん!来てくれたのね!」
「ご無沙汰しています。」
「立派になって。翔子さんもきっと喜ぶわ。」
「・・・」

「おい!何しに来たんだ!」男の声。
「・・・」
「敦子さん、あんた何でこんな女呼ぶんだ!」
「何でって・・晶ちゃん翔子さんの娘でしょうに!」
「何が娘だ!母親見捨てて殺したくせに!
 ようものうのうとこんな所に顔出せるな!
 雑誌にもデカデカ出とったろ?
 自分の親の面倒も見れん者が、偉そうに商売するから
 こんなことになる!自業自得だ!
 目障りだからさっさと帰れ!!」
「・・・」
晶は敦子に一礼し、帰り際、その男性にこう言い捨てる。
「おじさんが寝たきりになったら、うちで面倒見ますよ。
 料金も勉強しますから。」
「・・・」

法事のあとタイヨウに立ち寄った晶は、
甲斐甲斐しくお年寄りの世話を焼く涼太の姿を見つめ・・。

「涼太、邪魔になってない?」晶が彦一に聞く。
「年寄りはガキの方がいいみてーだからな。」
「そう。良かった。」
「・・・」
「あの子、強くなった気がする。」
「・・だったら、話していいんじゃねーか?」
「・・・話すわよ、時期がきたらね。」
「・・・」
「でも、私が何もわからなくなったら、あの子どうするかしらね。
 嫌いになるかしら。私がそうだったみたいに。」
「あの記事・・どこまで本当なんだ。」
「・・全部よ。」
「・・・」
「認知症の母を捨てて男と逃げた。
 そのせいで母は死んだ。
 記事に書いてあった通り。」
「・・・」
「逃げたのよ。
 そうしないとこっちまで壊れそうだった。
 何かのきっかけで、母を殺してしまいそうだった。
 だから逃げたの。
 結局、いくら逃げても逃げ切れなかったけど。」
「・・・」

仕事と介護を両立させようと頑張っていた初美だったが、
職場の仲間は必ずしも快く思っていたわけではなかった。
ある日、女性社員の不満が爆発してしまう。
「あんたが無断で職場放棄したお陰で、みんなが偉い迷惑してんのよ!
 取引先からも苦情来てんでしょ?社長!
 これで解雇されないなんてさ、バカバカしくて私らやってられませんよ!」
「そうは言っても初美ちゃんは・・」と男性社員。
「あんたも陰で言ってたでしょ!
 社長の遠縁だからって、あんな勤務態度許されるのおかしいって!
 みんなも変だと思ってんでしょう!?」
「・・・」
「初美ちゃん、ちょっと奥行って話そうか。」と社長。
「社長、私・・」
「悪いけど、これ以上はもう、庇いきれないよ。」
「・・・」

帰り道、初美の携帯に母親からの着信が入るが、
初美は電話を無視してしまった。
携帯を投げ捨てようとするが、それも出来ず、
携帯を握り締めて泣き出す初美・・。

レストラン
「びっくりしたよ、こんなすぐ連絡来ると思わなかった。」と滝本。
「ごめんね、突然。
 それに・・こんな格好で・・。」
「いや、全然。
 それより、孝江先生大丈夫なの?」
「・・うん。」
「そっか。
 じゃあ、今日はゆっくり楽しもう。」
「はい。」

服装のことを気にする初美に、
滝本もジャケットを脱ぎポロシャツ姿になったところに
彼の優しさを感じました。


滝本と楽しい時間を過ごす初美。
だがふと、母親のことを考えてしまう。
携帯を開いてみると、着信が43回。全て母からだった。
「・・滝本君、ごめん。私やっぱり・・」
「どうしたの?」
「ごめんなさい!」
食事を中座した初美は、急いで自宅へ戻る。

万福フーズの社長がタイヨウに謝りにやって来る。
「本当に、申し訳ありませんでした。」
「他の業者にすることも検討しますので。」と零次。
「そう言わずに、今回だけはどうか!
 問題の従業員は、本日解雇しましたんで。」
それを聞いた彦一は・・。

長岡家
息を切らせて家に入ると、孝江は玄関に座り込んでいた。
「お母さん・・」
「遅いじゃないの初美、何やってたの・・」
「ごめんなさい、ちょっと色々あって。
 それよりどうしたの?何度も電話してきて。」
「リモコン、リモコンよ。
 テレビのリモコンがないの。」
「・・・それだけ?」
「どこ探してもないのよ。
 もう困っちゃって・・」
「・・・」

仕事後、スーツに着替えて五郎たちと町に繰り出す彦一だったが
突然立ち止まる。
「どうしたんですか?彦一さん。」
「・・・」

長岡家
「あったよ、ベッドの下。」
「ほーんと。なんだバカみたい。」
「・・・」
「貸して初美。初美?」
「バカみたい。」
「え?」
「バカみたいですって!?
 ふざけないでよ!!
 何がバカみたいよ!!」
「初美・・」
「いい加減にして!
 私を何だと思ってんの!・」
初美はそう叫び、リモコンを孝江に投げつける。
「もういいよ・・。
 もう・・疲れたよ・・。
 楽になろう、母さん・・。
 いいよね?」
「・・・何してるの?初美・・」

初美は台所から包丁を持ち出すと孝江に向かい始める。
娘の突然の豹変に、孝江はおびえて床に座ったままなす術がない。
「・・・ごめんね。ダメな娘で・・。」

そこへ、彦一が駆け込んできた。
初美はとっさに彦一に向かい包丁を構え、気づくと包丁を突き出していた。
彦一が歩み寄ろうとすると、初美は包丁を振りかざす。
彦一はひるむことなく、ゆっくり初美に歩み寄り・・
その時、初美は目を閉じ、包丁を彦一に向けて押し出す。
ブスっという鈍い音と、血が床に滴り落ちる音。
目の見えない孝江も何が起きたのかと驚く。
彦一は、包丁を素手で受け止めていた。
痛みに耐えながら、事態を孝江に気づかれないよう
無言のまま、「しゃべるな」とばかりに初美に向かい首を横に振る。
初美はその場に座り込み、泣き出す。
「初美?誰かいるの?
 どうしたの?初美・・。」
「・・・」

やがて、連絡を受けたりこと晴菜がやってきて、
りこは彦一の手当てを、晴菜は孝江の世話をする。

初美の部屋で彦一の怪我を手当てするりこ。
「イテーぞ!」
「・・無茶するからだよ。」
「うるせー。」

「ごめんなさい。こんなことになって・・。
 ちょっと・・イライラしてて・・
 治療代もお支払します。
 ・・母には言わないで下さい。
 私・・・これからも母を支えていかなきゃいけませんし。」
「・・・明日、ばあさん連れていくよ。」
「え?」
「暫くうちで預かるんだよっ。」
「何言ってるんですか?ダメです!母は私が、」
左手で初美の首根っこを軽く掴む彦一。
「そんなにいい娘でいてーのかよ。」
「・・・」
「そのままテメーの人生棒に振んのかよっ!」
「・・・」

「初美?いるんでしょ?初美!?」孝江の声。

「毎日・・・毎日・・辛くて・・。
 何度も思っていました。
 一緒に死のうって。」
緊張の糸が切れた初美は、涙ながらにそう明かし・・。

後日、孝江は1週間のショートステイで「タイヨウ」にやってくるが、
すべてが気に入らずヘルパーらに当り散らす。
それを見た初美は気が気ではないが、手を差し伸べることを彦一に
止められる。

そんななか、彦一は孝江の部屋に涼太をやる。
「・・誰?」
「・・・」
「何こそこそしてるの?」
「ごめんなさい。僕・・」
「どこの子?誰かのお孫さん?」優しく語り掛ける孝江。
「・・・ヘルパーの羽鳥涼太です。」
「・・・ずいぶん可愛いヘルパーさんがいるわね。」
「おばあちゃんのお名前は?」
「孝江先生って呼んで頂戴。」
「孝江先生は、何の先生なんですか?」
「うん?何でも。」
孝江は涼太に少しずつ心を開いていく。

その頃、初美は職探しを始めるが、孝江の介護のことを話したとたん
断られてしまう。

タイヨウ
涼太の勉強を見る孝江。
「出来た?」
「全問正解!」
「私教えるの、上手でしょう?」
「うん!」
「涼太君はいい子ね。
 うちの娘と大違い。
 娘は私のこと嫌っているみたいだから。
 こんな所に押し込められて・・。
 ずーっと二人で暮らしてきたのに・・。」
「・・・」
「捨てられたのよ、私は・・。」
「・・・孝江先生は・・嫌いなの?」
「うん?」
「先生の子供は、ダメな子なの?」
「・・・」

二人の会話を彦一はすぐ側のベンチに横になりながら聞いていて・・。

長岡家に滝本がやって来る。
「初美ちゃん!」
「帰って。
 お母さん人に押し付けて、自分だけフラフラ出来ないから。」
「いいんじゃないかな、たまにはフラフラしても。」
「・・・」
「また、来るよ。」
「・・・」

タイヨウ
娘の名前を寂しそうに呟く孝江。
そこへ、彦一が食事を運んでくる。
「又飯食わねー気かよ。」
「・・・」
「ま、娘の飯が一番うめーんだろうけどな。」
「・・・」
「あんた立派な先生だよなー。孝江先生。
 あんなに一生懸命親の面倒を見る生徒がいてよ。」
「・・・」
「でもいい加減・・娘さん卒業させてやったらどうだ。」
「・・・」
「いい年こいてずっと生徒のままじゃ、たまんねーだろ。
 ・・先生も生徒もよ。」
「・・・」
孝江は、それを静かに聞いていて・・。

その後、孝江はそれまで拒んでいたヘルパーの助けを借りて、
食事をとり始める。
そんな孝江を、彦一とりこが見ていた。

同じ頃、自分を取り戻そうと決意した初美は、自殺用に持っていた
練炭と睡眠薬をゴミ捨て場に捨てる。
その帰り、夜空に上がる花火を初美は見つめ・・涙する。

1週間の滞在を終えた孝江が自宅に戻り、
長岡家ではまた通常通りの生活が始まった。
しかし、これからは必要に応じてヘルパーが手伝いに行くことができる。
孝江は、その際は、彦一に来てほしいと指名までしてきた。
「言葉遣いは荒いけど、いいヘルパーだって。」園崎が嬉しそうに言う。

その言葉を聞いていたりこは、涼太と一緒に洗濯物を干す彦一を見つめ、
「ヘルパーか・・。」と呟く。

その日の夜、「ハートフルバード」の片隅で、人目を避けて誰かと
電話をする晶の秘書・日野弥生(中別府葵)の姿があった。
「はい。その方は全く問題ありません。
 ええ。アルツハイマー型認知症です。
 機は・・・熟したかと。」

その頃、怪しい男たちを乗せた黒塗りの車が「タイヨウ」の前で停まった。
男たちは、窓を開け施設をうかがい見ていた。

一方の彦一は、涼太に手を引かれホールにやってくる。
そこには、彦一の誕生日を祝おうと、職員たちだけでなく、
利用者までが集まっていた。
ケーキを差し出され、ローソクを吹き消せ、と迫られる彦一。
嫌々ながらも、一息でそれを吹き消し……。


ローソクを吹き消した瞬間と、タイトルバックの斬撃音が
重なっていたのがカッコイイ!

非婚アラフォーのシングル介護。
長岡孝江と初美を見ていて、故・清水由紀子さんを思い出しました。
頑張り屋で、真面目で、人に甘えられないタイプで・・。

「あんた見てっと、介護が必要なのは
 あんたの方じゃねーかと思うぜ。」
「そんなにいい娘でいてーのかよ。
 そのままテメーの人生棒に振んのかよっ!」
彦一のこの言葉を、初美は誰かに言ってもらえるのを
ずっと待っていたのかもしれない。
彦一の言葉にグっと来ました。

初美は彦一に救われましたが、
孝江は娘に捨てられたと嘆いていて・・。
そんな孝江の姿に、母と祖母のことを重ねる涼太。
羽鳥家の話と長岡家の話が上手くシンクロさせられていました。

晶だって差し伸べてくれる手があったら、
母親を捨てずに済んだのかもしれません。
法事の席で文句を言ったおじさんは、きっと、手は出さずに
口だけ出すタイプ。そう思うと腹がたってきます。

初美と孝江は親子であり、先生と生徒でもあったんですね。
孝江先生と生徒の初美を一度褒めておいて、
「でもいい加減・・娘さん卒業させてやったらどうだ」と諭す彦一。
上手いなぁ。これで心が動かないわけんがない。

練炭を捨てたあと、偶然見かけた花火。
初美のセリフがなかった分、彼女がどんな思いで涙しているのか
考えさせられました。
多分、今まではいつも心のどこかに「死」があった。
でも、そんな思いを吹っ切った時、あの花火が上がった。
今までの初美だったら、花火にも気付かなかったかもしれません。
美しいものを見て、美しいと思える。
改めて生きる喜びを感じていたのかもしれません。

彦一のぶっきらぼうな優しさが周りの人たちにジワジワと
広がっています。
今まで、彦一のお母さんの話はラストに持ってきた方が
感動出来たんじゃないのかな、と思っていたのですが、
彦一が変われたのは、母親との和解があったから。
だから今、こうして周りを思えるようになったんですよね。


次週、鷲津組の組長がタイヨウに。
あの人が零次の父親?
タイヨウを見張っていた男たちは?

零次、彦一、二本橋、三樹矢、四方木、五郎、六車、七海
名前に数字がついている人物は全て任侠絡みとすると、
弥生、皐月も数字と考えていいのかな。
弥生を雇っているのは鷲津組なのか、それとも鷹山組なのか。


今回は包丁の刃を掴んで無言で首を横に振る彦一の表情に
やられました。
何だか最近SMAPがテレビに出ていると草なぎさんばかり
見てしまっているような気がします。(笑)



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公式HP

【CAST】

翼彦一 - 草g剛

四方木りこ - 黒木メイサ
和泉零次 - 山本裕典
鷹山三樹矢 - 薮宏太(Hey! Say! JUMP)
黒沢五郎 - 五十嵐隼士
美空晴菜 - 仲里依紗
六車雅人 - 夕輝壽太

羽鳥涼太 - 加藤清史郎

日野弥生 - 中別府葵
堀井皐月 - 安田美沙子
松原浩美 - 橘ユキコ
大島陽介 - 山田親太朗
古賀健介 - 高木万平
古賀康介 - 高木心平
戸川由香 - 甲斐まり恵
野村愛香 - 三浦まゆ

七海和樹 - 向井理

鷹山源助 - 松平健(特別出演)

二本橋賢吾 - 宇梶剛士
園崎康弘 - 大杉漣
羽鳥晶 - 夏川結衣


【スタッフ】

脚本 - 古家和尚
企画 - 後藤博幸
プロデュース - 牧野正
監督 - 西谷弘、石川淳一ほか
制作 - フジテレビドラマ制作センター


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草g剛さんの主な出演作品



黒木メイサさんの主な出演作品


17:24 | CM(1) | TB(3) | 任侠ヘルパー | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、今回も練られた脚本に関心させられっぱなしでした、晶と母親の関係を週刊誌で知った涼太に子供ならではストレートな聞き方をさせ母親を大好きだった、だめな娘だったと晶に答えさせ、孝江と初美の関係を持ってくるのは上手い!

亡くなった父親を一人で介護していた母親、学校の校長もしていた孝江に自分がこなせないのは自分の能力不足だと追い込んでしまった初美、息抜きのために同級生の滝本と食事する初美が受けた留守電に急いで帰ると視力を失いかけている孝江の用事はTVのリモコンが見あたらないでした、もちろん連絡がつかない不安も分かるけれど数年の間に甘えすぎたのでしょうね!家を訪ねてきた滝本とのその後は描かれませんでしたが、あの優しさが初美を支えてくれるのかな?

初美の部屋で練炭と睡眠薬を見つけた彦一、ミスをする初美に介護が必要なのはあんただと口は悪いけれど人一倍人の痛みが分かるのですね〜刃を素手で受け孝江に気づかれないようにクビを振る彦一がカッコイイ〜涼太の老人を癒す能力をしり小さなヘルパーさんを孝江の部屋に送り込んだり娘さん卒業させてはジーンときました!

ここで逆にこの親子を晶に重ねる脚本も好きです!子供ながらに母親の晶を守ろうとヘルパーの仕事を体験する涼太も上手く繋がりそうですね〜

予告は見ていませんが来週は任侠の世界が中心になるのかな?車の男たち秘書の電話、涼太の本当の父親とまだまだ盛りだくさん!来週もたのしみです。
Posted by けた at 2009年08月23日 20:23
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