2010年02月27日

曲げられない女 第7話

『友情決裂! 孤独な決断、なぜ?』

『色々なものを失ったけど・・・
 大切な友も出来た・・・・・・
 2人がいれば、何があっても頑張れる。
 そう思っていたのに・・・・・・
 どうしよう?もし妊娠していたら。
 予定日はちょうど
 最後の試験の頃だ・・・』

曲げられない女”=早紀(菅野美穂)は、恋人と別れ、
仕事を辞め、母にも先立たれてしまったが、
璃子(永作博美)と光輝(谷原章介)という友人を得て立ち直り、
司法試験に向けて勉強を再開する。

が、その矢先、早紀は思いがけず別れた正登(塚本高史)の子を
妊娠したことに気づく。

病院
「もし産みたいなら、赤ちゃんの為にも、
 そんな生活していたら絶対にダメ。
 産むつもりないなら、今度までによく考えてきて。
 体にも相当負担かかるし。」
女医は早紀にそう告げる。

マンションのエレベーターホールで、
早紀は上の階に住む大学生とその母親と出くわす。
母親が、なぜ大学のゼミの講師を殴ったのかオロオロした様子で
子供に聞いている。
「うっせーな!
 だったら俺のことなんか産まなきゃ良かったじゃねーかよ!」
返す言葉を失う母。

そんな母に、早紀は聞いてみる。
「子供を育てるのは、やっぱり大変ですか?」

お母さんは何て答えたのでしょうね。

早紀が帰ると、光輝が料理をしていた。
璃子が話があると呼んだらしい。

夕食時、ため息の3人。
「どうしたの?2人とも。全然食べてないじゃん。」と光輝。
「なんか、久しぶりに食欲がなくて。」と璃子。
「そう。私も。」と早紀。
「何だよ、せっかく作ったのに。」
「コウちゃんだって大好物のチーズ手付けてないじゃない。」
「警察辞めるとき、人を取り締まるより楽しませる方がいいって
 啖呵切ったんだけどさ。
 具体的に何がしたいかさっぱり思いつかなくて。
 おまけに父親には勘当されるし。」
「お父さん警視庁のお偉いさんだっけ。
 それは怒るよねー。」
「俺も荻原みたいに、何かやりたい仕事が見つかるまで
 チーズ絶つことにするわ。
 お前らは、全然遠慮しないで食べて。」
チーズのにおいを嗅ぐ2人。
「ウェ。」

璃子は2人に、仕事を辞めたことを告白する。
「実はさ・・・三人目が出来たみたいで。」
「・・・嘘!!」と早紀。
「そ、そんな驚かなくたっていいじゃない。」
「な、何で!?気が付かなかったの?」と早紀。
「そうだよ。あえて触れなかったけど、この頃結構お腹出てたし。」
「だって、ただの食べすぎかと思ってたんだもーん。」
「で、誰の子?」
「旦那の子に決まってるでしょ!」
「え!?なんか思い当たることあるわけ?」
「いやほら・・男の人が浮気する時って、急に奥さんに優しくなって、
 久しぶりにそういうことするって言うじゃない?
 今考えれば、まさにその、パターン?」
「で、どうするの?」と早紀。
「・・・家に、戻ろうかな・・
 子供には、やっぱり、父親が必要だと、思うし。」
「おいおい、何弱気になってんだよ。」
「そんなことしたら又旦那さんやお母さんのことで、
 悩むだけだと思うけど。」と早紀。
「うん、でも・・あんた達にはわかんないのよ。
 子供を産むって本当に大変なんだから。
 保険利かないからお金掛かるし、
 出産の時なんて本当に痛くて、
 鼻からスイカ出すみたいだって言うでしょ?
 家族の助けもなしに、女が一人で出産するなんて、
 絶対に無理!」
「・・・」早紀は無言でメモを取っていた。
「ちょっと?何やってんの早紀?」
「他にはどんなことが?
 つわりって、いつ頃まであるんですか?」
「は?何そんなに真剣になってんの?あんた。」
「なんだか荻原も妊娠しているみたいだな。」
「・・・実は・・・そうなんです。」
「アハハハ。そんな冗談を。」
「そんなわけないだろ、お前がー。」
「・・・」
「その顔もしかして・・」「嘘!?そうなの!?早紀!?」
「今日病院に行ったら、間違いないって。」
「どうするんだよー!」
「もちろん、正登さんの子よね?知らせたの?」
「まだです。」
「何でよ?」
「・・産めって言うと思うから、正登なら。
 でもそうなると、・・・司法試験が!」
「何言ってんのよ。そんなの諦めて産むに決まってるじゃない!」
「そんな簡単に言うなよ!
 9年間の頑張りが無駄になるんだし!」
「じゃあ何?コウちゃんは、おろせって言うわけ?」
「弁護士になってから作ったほうがいいって考え方もあるだろ?」
「早紀はね、もう若くないの。
 それに、このまま永遠に、弁護士になれなかったら
 どうすんの?」
「俺は、今年こそ司法試験に受かって欲しいって思ってるだけで、」
「そんなこと言って。正登さんの子供だから産んで欲しくない
 だけなんじゃないの?」
「そっちこそ、妊娠してるから正当化したいだけなんじゃ
 ないの?自分をー。」
「・・・」

パソコンに何かを打ち込む早紀。
「ちょっと。何やってんの?あんた。」
「誰のせいで言い合いになってるかわかってる?」
「すみません。
 昔から、結論が出るのが難しい問題が起こると、
 考えを整理するためにこうやって文書にして、
 あとでじっくり検討することにしているんで。」
「何だそれ。」
「今までどんな時にやったわけ?それ。」と光輝。
「中学の時にいじめに遭った時とか、新潟を出て東京に行くって
 決めたときとか、正登と付き合うって決めた時とか。」
「・・・」
「あのすみません。良かったら続けてもらえませんか?
 さっきの続き。」
「出来るかそんなもん!」
「これ以上続けても煮詰まるだけだし。」
「煮詰まるというのは、時間を掛けて物事がもうじき
 結論が出る状態のことを言うので、
 今の使い方は間違っています!」
「えーーーっ!!」不機嫌そうな2人。
「・・・すみません。正確に言っておきたいので・・。」

中島法律事務所
相談者の赤ん坊をあやす早紀。
上手くあやせずに困っていると、中島が赤ん坊をあやし始める。
すると赤ん坊は泣き止み、笑い出した。
母親は、妻子ある男性の子を産んだものの、
男性は母子に手を差し伸べることをせず、
母親は疲れきっているようだった。
「一ついいですか?
 どうしてお子さんを産もうと思ったんですか?」と早紀。
「私が悪いって言うんですか!?」女性は泣き出してしまう。
「いえ、そういう意味では!」
「まぁまぁ、とりあえずね、相手の方ともう一度良く話し合って、
 その上で何かいい方法を見つけましょう。」と中島。

パソコンに向かって気持ちの整理をする早紀。
『やっぱり、女が一人で子供を育てるのは大変?
 赤ちゃんはあんなに小さいのに、なんだか重かった。』

中島が早紀のパソコンを覗き込む。
「あ・・ごめん。見ちゃった。」
「やっぱり、このまま司法試験を受けるのは、無理でしょうか?」
「大丈夫だよ。大きなお腹で、結構試験にチャンレンジしている
 人、いるから。」
「その方はどうだったんですか?結果は?」
「・・・」
「・・・やっぱり厳しいんですね、現実的には。」

璃子は、正登の事務所を訪れる。
「どうしたんですか?今日は。あんまり時間ないんですけどね。」
「あー、だから、旦那とお母さんに伝えてもらえないかなー。
 何ならお家に帰ってあげてもいいわよって。
 この間ちょっと言いすぎちゃってるしね。」
「何言ってるんですか。
 この前あんな啖呵切ったからお母さんはカンカンだし
 旦那さんはもう顔も見たくないって言ってるんですよ?」
「そこを何とか。もう一度会わせてもらえないかな。
 この前とは、ちょっと事情が変わったのよ、私。」
「無理ですよ、もう。」
「・・・いいのかな。早紀のすっごい情報教えてあげようと
 思ったのに。」
「もう、関係ないですから
 俺、彼女と真剣に交際しているんです。
 だから、もうほっといてもらえませんか?」
「え・・・後悔しても知らないからね。
 早紀、今までと違って本当に大変なんだから。」
「・・・」

パチンコ屋から出てきた光輝は、ベビーカーを押す元カノと
ばったり出会う。
「あれー!何やってんの?」と女性。
「久しぶり!何年ぶりだっけ?」
「あなたに捨てられたのが、3年前だからそれ以来?」
「結婚したんだ。」
「シングルマザーなんだ、私。」
「嘘!?女が一人で育てるって大変なんだろ?
 仕事の時は託児所とかに預かってもらえるの?
 経済的には?援助とかもらえるの?役所から。」
「前と違ってやけに優しいじゃん!」
「いや・・知り合いに似たようなやつがいてさ。」
「だったら父親になってあげたら?その子の。」
「え・・」
「冗談だよ。じゃあね!」
「・・・」

早紀の部屋
育児の本を読みながら、パソコンのキーボードを叩く早紀。
「何やってるの?また勉強?」
「いえ、早く考えをまとめたいので。」

『子供を産むか、司法試験を受けるかの選択肢』
 ケース1:子供を産んで、司法試験を諦める。
 ケース2:司法試験のため、子供を諦める。

 ケース1の場合(A)正登と結婚し子供を育てる
        (B)認知だけしててもらい、一人
        (C)正登には知らせず、』

「あんたさ、大学のレポートじゃないんだから・・」
「早く結論を出さないと、勉強も手につかないので。」
「・・正登さんには?まだ、言っていなの?」
・・・それについてはまだ、何がベストか検討中で。」
「勝手にすれば?じゃあ私お風呂に入るよ。」
「そっちは決めたの?どうするか。」
「・・・もちろん、産むわよ、私は。」
「じゃあ向こうの家に戻るの?」
「も・・もちろん、まあ、有力な選択肢として、
 ただいまそっちの方向に向けて検討中というか。」
「なんか、政治家の答弁みたいというか
 何か・・子供を餌に向こうの言えに戻ろうとしているみたい
 だけど。」
「あんたねー!
 子供一人育てるのにいくら掛かるか知ってるの?
 3千万よ!3千万!
 おむつ代だってミルク代だってバカにならないし、
 入院したらそれなりのところへ言ったら、
 2〜300万平気で掛かるんだからね!」
「節約すれば何とかなるんじゃないの?
 贅沢な生活に慣れすぎてるところあるし、蓮美。」
「何それ。一緒に住んでて、なんか、気に食わないことでも、
 あるかな?私のやることに。」
「別にそんなには。
 電気付けっぱなしで寝るくらい?」
「そーんなのついうっかりじゃない。」
「洗い物するときは無駄に水出しっぱなしだし、
 ゴミの分別はいい加減だし、アトムに餌をやりすぎだし、
 お風呂のお湯は洗濯に使うので抜かないでって言ってるのに
 忘れるし。」
「ハハハハ・・・それぐらいかしら。」
「あと、私の何倍もトイレットペーパーを使ってるし。」
「あー、貧乏臭い!!
 なら言わせてもらうけどね、あんたはトイレが長すぎるのよ! 
 いっつもコンセント抜きっぱなしだから、便座は冷たいし。
 大体ね、トイレが一つの生活自体、私には耐えられないのよ。」
「・・・」
「片付ければいいんでしょ、片付ければ。
 そうやって私のやる事を刑務所の監視みたいにじーっと
 見つめるのもやめてくれる!?」
「・・・」
「あー、もう最近まで女2人の共同生活は何て楽しいんでしょう
 って思ってたのに、一瞬先は闇よねーー!!」
「一瞬先ではなく、一寸先です。」
「・・・はぁ?」
「すみません、正確に、」
「あーーー、うるさい!!」
「・・・」

産婦人科
「身体のほうは何も問題はないわね。
 で、どうするか、決めた?」
「それが・・まだ・・。」
「もう、時間ないわよ。」
「先生は、どうすべきだと思われますか?」
「医者として言うなら、何も問題がないならば、
 産んだほうがいいと思いますけど。」
「じゃあ、人生の先輩としては?」
「難しいわね。
 今から振り返ると、女の三十代っていうのは、
 もう、失敗したくないじゃない? 
 だから、間違った選択をして、外れくじを引いちゃうのは
 嫌だし。」
「だからなかなか決断できないんですね。」
「あなたみたいに、9年も司法試験にチャレンジしているとなれば、
 尚更だろうけど。」
「・・・」

事務所
パソコンを使う早紀。

『総括
 以上のことを踏まえ、現状を
 を第一に考えて、子供の将来、今
 故に、結論としては・・・』

そこまで入力すると、早紀は自分のお腹に触れてみる。

昼休み、早紀は光輝といつものレストランへ。
「で?話って何?」と光輝。
「・・・」
早紀は分厚い資料をテーブルに置く。
『妊娠による今後の選択についての考察とその対応』

「何これ?」
「どうするか決めたの。」
「え?」
「最後のページに、結論が書いてある。」
ページをめくる光輝。

『現場の私の力では、子供は諦めるしかない。』

「・・・これでいいのか?」
「・・・」早紀が頷く。
「それから、、お願いがあるの。」
「何?」
「・・・これにサインしてくれないかな。」
『人口妊娠中絶による同意書』を差し出す早紀。
「・・・」
「こんなこと頼めるの、他に居ないの。」
「・・・わかった。」
「ごめんね。」

「冗談じゃないわよ!!」
「蓮美?」「何でここにいるの?」
「さっき事務所にいったら、多分ここでご飯食べて
 いるんじゃないかって言うから、ナカジマ先生が!」
「ナカシマ先生です。」
「あんたね、自分が何やってるかわかってるの!?
 コウちゃんもコウちゃんよ!
 何でこういうこと簡単に引き受けるのよ!」
「いや、俺は友だちだからさ。」
「大体さ、何で私に相談もなしに二人でコソコソ決めるわけ?
 私は友だちじゃないわけ!?早紀!」
「どうせ反対すると思ったから、蓮美に言っても。」
「だからまだ、長部だって!」
「私だって、・・・あなたが、長部の家に戻るのは反対だけど、
 でも最後に決めるのは、あなた自身でしょう?」
「・・・」
「私、今司法試験を諦めて子供を産んで、
 もし弁護士になれなかったら・・・
 一生子供のせいにするかもしれないって思ったの。
 そんなことだけは、したくないの。」
「・・・」
「ごめん。そろそろ戻らないといけないから。」
早紀は書類を手に帰っていく。

早紀が事務所にいると、璃子がやって来た。
「ごめん、早紀。」
「え?」
「どうしても納得できないからさ、私。」
璃子は正登を連れてきていた。
「どういうつもりだよ、早紀。
 父親は俺なのになんで知らせてくれないんだよ。」
「・・・」
「結婚しよう、早紀。」
「え!?」
「神様が言ってるんだよ。
 やっぱり俺たちは一緒になるべきだって。
 最初にプロポーズしたときに結婚してくれれば
 良かったんだよ。」
正登はそう言い、婚約指輪を差し出す。
「今度はYESって言うまで、テコでも解かないから。」
「・・でもこの間、秘書課の横屋さんと付き合ってるって
 いってなかった?」
「え・・いや・・彼女とはそういう関係じゃないっていうか。
 俺が好きなのは早紀だけだから。
 少しは俺の気持ちもわかってくれよ。
 3回もプロポーズする男が他にどこにいる。」
「・・・」
「子供は、父親と、母親と、2人で育てるべきだと
 思わないか?」
「・・・」
「弁護士になるのが夢だって、わかるけど、
 今年は諦めて、来年又司法試験受ければいいじゃないか。
 子育てなら、俺も協力するし。
 子供と、3人で幸せになろう、早紀。」
「・・・」

「何やってんの、あんた。」と光輝。
「またあんたかよ・・。何しに来たんですか?」
「忘れ物だ。」
光輝は早紀が纏め上げた資料を机に置く。
「あ、ありがとう。」
「それと印鑑持ってきた。
 早いほうがいいだろうと思って。」
中絶の書類に判を押す光輝。
「何やってるんですか?
 ・・・何でこんな男にこんな大事な物頼んでるんだよ!」と正登。
「藍田は友だちだし・・あなたには頼めない、」
「いい加減にしろよ!
 お前のエゴでこんなことしていいって思ってんのかよ!
 俺の子供なんだぞ!?
 産めよ!
 勉強なんかやめろよ!
 司法試験が何だよ!
 お前の夢なんかたいしたことじゃないだろ!?」
「・・・」
「・・・いや・・だから・・俺は・・」

「あんたいい加減、自分の立場で物言うのやめた方が
 いいんじゃないか?」と光輝。
「・・・」
「荻原がその中で、あんたの為に何ページ悩んで、
 何ページ苦しんだと思ってるんだ。」
「・・・早紀のことを救ってヒーロー気取りですか。」
「何言ってるんだよ。俺は友だちとして、」
「じゃあ本当に下心がないって早紀に言えるんですか?」
「・・・」
「何が友だちだよ。
 あんたがやってることは友情じゃないよ。慣れ合いだよ。
 結局まだ早紀のことが好きなんだろ?
 でも仕事も目標もないあなたに、
 早紀を幸せにすることが出来るんですか?」
「・・・」
「何だよこんなもん!!」
正登は早紀が作った書類を床に叩きつけると、
事務所を出ていく。

「あんたも面白がってあんなやつ巻き込むの、
 いい加減やめたらどうなんだ?」光輝が璃子に言う。
「面白がってなんかないわよ。
 私はもう本当に早紀が心配で!」
「・・・」
「あぁ。やめた。
 どうせこんなこと言ったって嘘だって思われるだけだし。」
璃子も帰ってしまう。

床に散らばった書類を拾い集める早紀。
「こんなことして意味あったのかな。」
「それだけ難しい問題ってことなんじゃないか?
 よく言うだろ?
 川で旦那と子供が溺れてて、自分が乗っているボートには
 あと一人しか乗れないとしたら、どっちを助けるかって。」
「そんなの決められない。」
「・・・なあ荻原。
 何なら俺が父親になってやってもいいけど。」
「・・・え?」
「・・・冗談だよ。楽しんでいただけました?」
「・・・」

早紀のマンション
携帯をチェックしていた璃子は、早紀がノックすると寝たフリ。
「もう寝た?」
「・・・何?」
「明日産婦人科に行ってくる。」
「・・・勝手にすれば。」

産婦人科
待合室、母のネックレスを握り締める早紀。
偶然、中島法律事務所に相談に来たシングルマザーがいた。
「ハギワラさん。」
「オギワラです。」
「すみません、ちょっとこの子預かってもらっていいですか?
 トイレに行きたくて。」
「構いませんが。」
母親は赤ん坊を早紀に抱かせると、トイレへ。

トイレから出てきた母親は、早紀や女医の目を盗み
病院から逃げ出してしまう。
早紀は赤ん坊を女医に託し、後を追いかけ・・・。

「どうして逃げるんですか!?お子さんを置いて!」
「彼に言われたんです。本当に俺の子かって。」
「え?」
「俺には妻子がいるから認知はしない。
 お前が勝手に産んだんだから一人で育てろって。」
「・・・」
「これから先、10年も20年も母親をやっていく自信がないんです。
 彼と同じ職場にいられないから仕事も辞めたし、
 実家の親には、もう顔も見たくないって言われるし。
 ・・・結局、女が損するように出来ているんですね、世の中って。」
「・・・行きましょう!」
早紀は母親の手を掴んで歩き出し・・。

会社
「誰ですか?相手の方は。」
「あそこで笑っているめがねを掛けた・・・」

「荻原早紀と申します。
 あなたが、あくまで彼女のお子さんの父親でないと言い張るなら、
 民事裁判で、認知と養育費を要求することも出来るんです!」
「何言ってるんだよこの人・・痛いし!」
「でも、法律よりも大事な事があるんじゃないんですか?
 それは人間として最低のルールです!」
「・・・」
「自分でやったことに対する責任です!!」
「おい、何やってるんだようちの警備は!」
「他人が不幸になっても、自分が幸せになればいいっていう
 考えはもうやめませんか?
 自分が傷ついたり、辛い目に遭ったりするのは仕方ないけど、
 子供たちに同じような目に遭わせない様にするのが、
 私たち大人の最低の責任なんじゃないんですか!?
 子供は親を選べないんです!!
 女が一人で生きていけないなんて思わないでよ!!
 男なんかいなくてもね!一人で生きていけるんだからこっちは!!」
警備員に連れ出されながらも叫び続ける早紀を、母親は見つめ・・。

警察に連れていかれた早紀を、中島が迎えに行く。
「すみません、身元引受人なんかお願いして・・。」
「ああ。
 早紀さんがやったことはね、弁護士としては、間違ってる。」
「はい。」
「でも、人間としては好きだな。」
「・・・」
「彼女、感謝していた。
 まあこれからは泣き言などは言わず、
 子供を幸せにするために、がんばるって。」
「そうですか・・。」
「それとね、こんなことも言ってた。
 30になるのが不安だったけど、
 早紀さん見たら、勇気が出たって。」
「・・・」

早紀が家に帰ると、璃子、光輝が待っていた。
「来てたんだ。」
「うん。」
「・・・」
「病院行ってきたんでしょ?早紀。」
「うん。」
「終わったの?もう。」
「・・・」
「どうしたんだよ、荻原。」
「前に話したよね。
 川で、旦那さんと子供が溺れてたら、どっちを助けるって。」
「何それ?」
「私は、2人をボートに乗せて、
 自分は泳いで、両方助けたい。」
「何言ってんの?早紀。」
「二つの選択肢があってどっちも選びたくない時は、
 3つ目を自分で作るってこと?」と光輝。
「はい。」
「司法試験も諦めないし、赤ちゃんも産むってこと?」
「はい。」
「正登さんは?どうするの?」
「彼に頼る気はありません。」
「・・・甘ったれたこと言わないでよ。
 子供を産むって大変なことなんだよ!
 健康管理だってちゃんとしなきゃいけないし、
 精神的にもすごく不安定になるの!
 司法試験だって、これだけ勉強しても9年間落ちてるのに、
 大きいお腹抱えていたら、受かるわけないじゃない!」
「覚悟してる。
 でも、・・・死に物狂いで頑張る。」
「そうやって何もかも背負って自分を追い込むなよ。
 万が一どっちもダメだったときどうすんだよ。」
「そうよ。絶対後悔するに決まってる。無理よ。不可能!」
「二人の言うとおりかもしれない。
 でも、私は本当に不可能だとわかるまでは、
 辛くても進んでいきたいの。
 諦めずにやってみたいの。」
「・・・奇麗事言わないでよ。
 結局あんたは、自分が正しいと思いたいだけなのよ。
 自分だけがちゃんとしてるって、そうやって人のこと
 見下してんのよ!
 そういうので、私たちがどんだけプレッシャー掛かってるか
 わかってんの!?
 毎日毎日、勉強勉強って日記に書いてりゃ、偉いってもんじゃ
 ないのよ!?」
「そりゃまずいって・・」と光輝。
「あ・・」
「・・・読んだの?私の日記。」
「いや・・ほら・・早紀がお母さん亡くして元気なくしているときに、
 ついね。」
「俺はやめたほうがいいって言ったんだよ。」
「裏切る気?」
「いや・・だからさ、俺たちは、お前の事が心配だったからさ。」
「そうよ。だって・・友だちだからさ。」

「これは私の人生なの!!
 あなた達には関係ない!!」


「・・・」

「友だち友だちって・・・
 勝手に日記を読んだり、余計なおせっかいをしたり、
 ・・・どうしても、私のことを理解してくれないなら・・・
 そんな友だちは・・・私には必要ありません。」
「・・・あ・・あっそう。・・・わかった。」
璃子は荷物をまとめ始める。
「何やってるんだよ。」
「決まってるでしょ。出てくのよこんなとこ。
 気詰って、うんざりだったしね。」
「おいちょっと待てよ。
 荻原、お前からも何か言えって。」
「・・・」
「あんたなんかに、友達だなんて思ってもらわなくて結構。
 いい年して、気持ち悪いと思ってたし。」
「・・・」
「早紀・・あんた、やっぱり不遜だわ。
 そうやって、今まで何手に入れてきた?
 32にもなって、結婚もしてなきゃ、弁護士にだって
 なってないじゃない。
 それなのに、ちょっと、自分の意見否定されたからって、
 人に、責任転換しちゃって。」
「責任転換ではなく、責任転嫁です。」
「すみません!正確に言っておきたいので!
 ・・・バカじゃないの!?
 死ぬまで言ってなさいよ!」
璃子が出ていく。

「俺ももう会わないほうがいいかもな。
 まだ本当はお前のことが好きだし、
 元カレの子供を産むお前の側にいるの、辛いからさ。」
「・・・」
「・・・俺さ、何が嫌いって、争いごとが一番嫌いなんだよね。
 だから、悲しいし、悔しかった。
 ・・・お前達がケンカして。」
光輝も出ていく。

早紀は震えながら母親のネックレスを握り締め・・・。
そして、中絶の書類を丸めてゴミ箱目掛けて放り投げた。

マンション外
「おい。これから行くとこあるのか?
 何なら、今晩俺と。」
「・・・」
「冗談です。」
「楽しめないけどねー。」
「・・・もう俺たちも会うことないか。」
「そうね・・。」
「ま、お達者で。」
「そっちもね。」

2人が別々の方向に歩いていくのを、早紀は部屋の窓から
見ていて・・・。

翌日、早紀は正登を訪ねていく。
「どうしたの?」
「正登。・・・私たちやっぱりもう、結婚できないと思う。」
「・・・」
「私たち、スタートは一緒だったかもしれないけど、
 もう目指しているゴールが違うんじゃないかな。」
「・・・」
「私、やっぱり諦めないことにした。
 この子も、・・・司法試験も。」
「もういいから。忙しいんで。
 お前は意地を張っているだけだ。
 自分に酔っているだけだ。」
「・・・」
「何が両方諦めないだよ。
 俺は早紀みたいな生き方がいつまでも通用するとは
 絶対思わない。」
正登はそう言い、その場を立ち去った。

事務所
早紀に渡すはずだった婚約指輪を、少し迷ったあと
ゴミ箱に捨てる正登。
そこへ、秘書がやって来た。
「おはようございます。」
「あ・・・
 サトミちゃん。」
「はい。」
「ボスに、仲人頼んでもいいかな。」
「え?」
「結婚しよう?俺と。」
「・・・」

パチンコ屋から出てきた光輝は、3人組の男とぶつかってしまう。
「気をつけろタコ!」
「おいちょっと待てよ。
 小学校の時に習わなかった?
 悪いことをしたら謝りましょうって。」
「何だとコラ!」
「俺争いごと嫌いなんだよね。」
と言いつつ男達に掴みかかる光輝。
だが男達に突き飛ばされ、何度も蹴られてしまう。

長部家に戻った璃子は、母親たちにひざを付いて頼む。
「お願いします。
 もう一度ここに置いて下さい。」
「何言ってんの、今更。」
「お腹の中に、赤ちゃんがいます。善隆さんの。」
「・・・」
「お願いします!」
「・・・」

早紀の部屋
母子手帳を見つめる早紀。

勉強を始めようとするが、涙が出そうになる。
いつものように音楽をつけるが、勉強する手が止まってしまう。
ふと、アトムと目が合う。
「何よ。
 寂しくなんかないわよ。
 一人はなれてるし。」

『私はバカだ。32になって
 やっと出来た、たった2人の友を、
 失ってしまった・・・・・・』

日記に挟んだ3人の記念写真を見つめ・・・。


「これは私の人生なの!!
 あなた達には関係ない!!」
友達にキレてしまった早紀。

友達にとって、この言葉はキツいですね。
もちろん、璃子や光輝が早紀の日記を読んでしまったのは
いけないことでしたが。

早紀は本当に"曲げられない女"なんだなぁとつくづく思いました。
それは早紀の長所であり、短所でもあり。
夢も、新しい命も諦めない。
友達がしたことも許せない。

でも、本心では自分で言ってしまったことを
後悔していたんですよね。
だから握り締めた拳が震えていた。

こうやって本気でぶつかっていけるのも、
友達だから。
次週予告、3人揃って踊ってるってことは、
すぐに仲直りできそうで、安心しました。

「お前の夢なんかたいしたことじゃないだろ!?」
早紀にとっては大切な夢でも、
正登にとってはそうではない。

それが、早紀が言っていた、
2人のゴールは違ってしまった、ということなのかな。

正登はサトミにプロポーズ。
でもその目はとても悲しそうで・・。

次週予告を見ると、正登はまた早紀にプロポーズ!?
何度断られても結局諦められないのは、
本当に早紀のことが好きなんだろうな、と思えてきた。
もしかして10回目のプロポーズで早紀からOKもらえたりして?




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キャスト
荻原早紀(32) - 菅野美穂
藍田光輝(36) - 谷原章介
坂本正登(29) - 塚本高史
今田健治(19) - 市川知宏
横谷里美(25) - 能世あんな
増野所長(55) - 西岡徳馬
荻原 光(56) - 朝加真由美
長部璃子(34) - 永作博美
長部 夢(7) - 松浦愛弓
長部 望(3) - 滝田匠
長部善隆(38) - 山口馬木也
長部富貴恵(60) - 高林由紀子
中島剛志(平泉成)

スタッフ
脚本: 遊川和彦
チーフプロデューサー: 櫨山裕子
プロデューサー: 大平太、山本由緒、太田雅晴
演出: 南雲聖一、吉野洋、木内健人
音楽: 池頼広
制作協力: 5年D組
製作著作: 日本テレビ


菅野美穂さんの主な出演作品





この記事へのコメント
ちーずさんこんばんは、司法試験と出産の時期がかさなった早紀の決断を不倫して出産し逃げ出した母親を使う脚本は良かったで!

早紀の部屋に集結する3人の友情が女同士男女関係として現実にはない本音の言い方に好感をもてます、

正登が早紀の妊娠を知ったときの態度は正直幻滅してしまいました、きっと自分も同じリアクションをとっていたかもしれませんが年齢を重ねてみると素敵な男にみえませんね!冗談風に言った光輝のプロポーズがかっこよかったです!

何回プロポーズを言っても信じられない相手より信じられるほうが良いのは女性なのかな?
Posted by けた at 2010年03月01日 20:40
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