2010年03月26日

コード・ブルー-2nd season- STORY#11

『卒業〜奇跡の定義』

「救命の世界に奇跡はない。
 そんなことはわかっている。
 奇跡を願わない医者はいない。
 それもわかっている。
 だが、世の中には確かにあるのだ。
 奇跡なんていう言葉が、虚しくなるような、
 絶望的な状況が。」



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フジテレビ 2010-07-14

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藍沢耕作(山下智久)は、墜落した飛行機に息子を置いてきたと
絶望と悲観にくれる北村(木下政治)を診ていた。
死なせてくれとまで言い出す北村を残して、藍沢は飛行機の
残骸を調べ始める。
すると、北村の座っていた席の近くに人影を発見。
それは、北村の息子、勇樹(一井直樹)だった。
藍沢の呼びかけに勇樹が反応する。

白石恵(新垣結衣)は、父の博文(中原丈雄)と患者の治療に
あたり始める。
2人は、残骸で初老の男性を手当て。
傍らには、娘の三咲(山田キヌヲ)が心配そうに付き添っていた。

博文は三咲が父親を心配しながらお腹をさすっていることに気付く。
「あなた大丈夫?お腹打った?」
「いえ・・・妊娠しているんです。」
「・・・」

緋山美帆子(戸田恵梨香)は、症状が良く分からない子供、
翔太(清水優哉)を診ていたが、見る間に危険な状態に陥っていく。
母親の知子(中村綾)に促された緋山は、橘啓輔(椎名桔平)に
援助を仰いだ。
しかし、橘も自分の現場を離れることが出来ない。
状況を聞いた橘は、開胸しての処置を急ぐよう伝えるのだが、
緋山は躊躇してしまう。

藤川一男(浅利陽介)は、知り合いの救急隊員で、
二次災害に遭った細井(永岡佑)を診ていた。
「細井君、この破片、頚動脈すれすれに刺さってる。
 少しでも傷ついたらアウトだ。
 今、ヘリ搬送の手配をした。
 この状態なら優先度は高い。
 そんなに待たずに乗れると思う。」
「こんな時に・・・怪我して・・・
 何のために俺・・」
「何言ってるんだよ。」
「戻りたくないんだ。
 腰抜けの自分には。
 先生も知っているでしょう?ビビってた俺。」
「・・・確かに、そうだった。
 でも、俺も、あの時、ビビってたよ。
 そりゃビビるって!あんな現場で、オペだよ。
 ワケわかんないって! 
 でも・・・最後には、助けたじゃん、俺たち!」
細井が微笑む。
「搬送・・・あとにしてもらっていいですか?」
「え!?」
「とりあえず、俺、大丈夫なんですよね。」
「・・・」
「だったら、もっと、重症な患者に、」
「いや・・」
「せめて・・それぐらい、やらせて下さい。」
「・・・わかった。
 絶対動くなよ。」
「1ミクロンも。」

細川から離れた藤川は、骨盤骨折で右足の血流を失った患者を
診ることに…。

病院で田所良昭(児玉清)の手術をしていた西条章(杉本哲太)は、
なんと撤退を宣言。
だが、それは処置時間を持たせるための手続きにすぎなかった。
西条は、慎重かつ緻密に田所を治療。
その手術も、無事に終わろうとしていた。
見守っていた黒田脩二(柳葉敏郎)も安堵する。

その黒田が看護士に呼び出された。
それは、次々に運ばれてくる患者を手当てする
森本忠士(勝村政信)の要請。

緋山は、知子に何週間もオペから離れていたことを告げ、
手術が出来ないと正直に謝る。
すると、周囲の医師不足の状況を見た知子は、それでも翔太を
助けられるのは緋山だけだと懇願する。
その言葉に、緋山は開胸を決意。応急手術を成功させた。

勇樹を診る藍沢。
「名前言えるか?」
「北村・・勇樹。」
「勇樹君か。
 藍沢だ。」
「お父さん・・・お父さん・・どこ?」
「お父さんは無事だ。生きてるぞ。」
「よかった・・。」

白石と博文は三咲と父親の手当て。
父を心配する三咲に、
「お父さんとは、旅行か何か?」博文が優しく声を掛ける。
「彼が東京で・・遠距離恋愛してて・・
 父がどうしても顔みたいって言うから・・」
「そう・・その帰り。」
「それが・・彼の仕事の事色々文句付け出したんです。
 それで・・ついカっとなって・・」
「ああ。
 父親は、娘の恋人はよく思わんよ。なかなか。
 お父さん、赤ちゃんのことは?」
三咲は首を横に振る。
「土いじりしか脳のない年寄りは黙れ!
 ・・・私そう言い返したんです・・。
 怒ってご飯も食べなかった・・。
 大丈夫ですよね?このまま死んだりしませんよね!?」
「出来る限りのことはします。」と白石。
「大丈夫だよ・・大丈夫だよ・・」と博文。

藤川の無線が鳴る。
「はい。」
「黒田だ。」
「・・・」
「手が足りんらしい。状況を説明しろ。」
「あ・・はい。
 25歳男性、骨盤骨折です。
 右足が粗悪になっていて、右膝下動脈が触れません。」
「受傷からどれ位だ?」
「1時間くらいかと。」
「オペ室までどれ位で運べる?」
「1時間は掛かると思います。」
「2時間血流がなかったらその足は無理だ。
 切り落とす事になる。」
「・・・」

子供の手当てをする緋山には、橘から無線連絡。
「遅くなってすまん、どんな感じだ?」
「今エコーを・・」
「何が見える?」
「見たこともない白い塊が肺の辺りに・・
 肺が見えません!」
「落ち着け。わかるように話せ。」
「肺エコーな部分と、ドウな部分が混在しているんです。
 エアも入りません。」
「横隔膜破裂だ。」
「・・・」
「サチュレーションは?」
「90切ってます。
 ヘリ搬送最優先でお願いします!」
「今出たばかりだ。往復で30分は掛かる。
 搬送してオペ出しのことを考えたら間に合わない。
 そこで切れ。腹を開けろ。」
「・・・」

「何なんだよ・・」と母親。
「横隔膜が破れ・・内臓が、上に上がってきてるんです。」
「ど、どういうことだよ・・」
「つまり・・胃や、腸や脾臓が上まで上がってきて、
 肺を圧迫しているんです。
 今すぐ、胃や腸を元の位置に戻す必要があります。」
「・・・」
「・・・」
「やってくれよ!腹、切るんだろう?
 それしか方法がないんだろう!?」
「・・・開腹の準備。」

藤川を指導する黒田。
「バイパスしろ。」
「バイパス?」
「左足の血流を右足にバイパスするんだ。」
「・・・FFバイパスですか?」
「その通りだ。何か使えそうなものあるか?」
「使えそうなもの・・」
「早くしろ。」
「点滴用の張り付き連結管があります。
 長さ60cm弱。」
「ちょっと細いがまあいい。
 左鼠径部に入れろ。」
「消毒してドレーブ!メス!」

藤川は、黒田の指示通りに処置をし、
患者の足を切断せずに搬送することに成功する。
「良くやった。」
黒田の言葉に藤川は誇らしげに笑みを浮かべる。

一方、メスを手に取った緋山だが、どうしても切ることが出来ない。
「私・・・何週間も、ちゃんとしたオペしてないんです。」
「え!?」
「ちょっと問題起こして・・」
「だから?」
「すみません・・出来ません・・
 私みたいなのに当たってしまって・・
 医者は他にもいるのに・・
 申し訳ありません。」
母親は子供を見つめ、そして辺りを見渡すが、
周りはまるで戦場のよう。
声を掛けられそうな医者などいなかった。
母親は、涙を拭い、ふーっと大きく息を吐くと、
緋山に掴みかかる。
「先生!・・・聞いて。」
「・・・」
「私も正直、他の医者呼びたい。
 でも、ぶっちゃけ無理でしょう!?それ。」
「・・・」
「先生に何があったか知らないし、そんなのどうでもいい!
 ただ・・私・・運が悪いとは思わない!
 だって、ここには、まだ医者に見てもらえていない人、
 いっぱいいる!
 でも、翔太は先生に見てもらえた!
 だけど!ここで先生に諦められると、可能性ゼロなんだよ!」
「・・・」
「先生・・今、翔太救えんの、先生だけなんだ!
 他にも医者はいるけど、翔太、見てくれてるの、
 先生だけなんだ。」
「・・・手をどけてもらえますか?
 橘先生。」
「何だ?」
「開腹します。」
「ただの臓器だ。ものだと思って切れ。」
「いえ。・・・出来ません。」
「何?」
「ものだとは思えません。
 人だと思って、切ります。
 メス。」

「橘先生、臓器を下ろしました。
 横隔膜、およそ8センチ破れてます。」
「タオル詰めろ。それでとりあえず腹を閉じろ。
 あとはオペ室だ。」
「はい。」

「サチュレーション上がってきました!」
「何?助かったってことか?」
母親の声に、緋山は頷いて答える。

勇樹の手当てをする藍沢。
「痛い・・先生、痛いよ・・。何やってるんですか・・」
「肺が破けて、胸に空気が溜まってる。それを逃がすためだ。
 でももう終わった。良く頑張った。」
勇樹の足に触れる藍沢。
「何か感じるか?」
「全然・・何も。」
「まずいな・・」
「何ですか?」
「・・・勇樹君、君の右足は、壊れたカートに挟まれている。
 骨が折れ、筋肉もちぎれている。
 ・・・完全に死んでる状態だ。
 しかもこれを放っておくと、そこから出た、
 ミオグロビンという毒素が、
 体中に回ってくる。
 そうすると君は助からない。」
「・・・」
「だから・・今から右足を切断しなければならない。」
「・・・え・・・」
「このままだと・・命に関わるんだ。」
「もういいよ、先生。」
「・・・」
「もういいよ。
 この上、足切るって・・
 足切られるのも・・痛いのも・・もう嫌だよ・・。」
「・・・」
「もう放っといて、先生・・」
そう言い泣き出す勇樹。

すると、藍沢は冴島はるか(比嘉愛未)にあることを頼み・・・。

白石と博文は、診ていた男性の容態が急変。
博文は、心破裂を指摘。
白石は博文の診断を疑いながらも開胸すると、指摘どおりだった。
博文の所見に感心しながら、すぐさま処置に入る白石。
動揺して泣き出す三咲の姿に、白石は処置を続けながら
父親に声を掛ける。
「娘さん、三咲さんは、あなたに伝えたい事がまだ
 一杯あるんです。
 嬉しい知らせや、謝りたい事。
 食事だってちゃんとしてない!
 一杯あるんですよ!
 だから・・・頑張って生きて。
 娘さんを見てあげて下さい。もう一度!」

白石の処置で、父親の容態が安定する。
博文は、処置を手伝いながら白石の成長を感じていた。

冴島は勇樹の父親・北村を探し、声を掛ける。
「北村さん!勇樹君生きています!」
「そんな・・」
「一緒に来て励ましてあげて下さい!」
「・・・最低の父親なんです、俺は。」
「北村さん、今そんなこと言ってる場合じゃ、」
「見捨てたんだ、あいつを!!
 ・・・火が回ってきて・・俺一人逃げる時・・
 勇樹は俺のこと見てたんだ。」
「・・・」
「逃げていく父親を・・ずっと・・」
「・・・あなたのことはどうでもいい。
 勇樹君は今、狭いところに閉じ込められ、
 全身傷だらけでいるんです!
 大人だって気が狂いそうな状況です。
 こんな所で何やってるんですか!」
「行ったところで、何もすることはない!」
「あります。
 ・・・側にいる事・・・です。」
「・・・」

冴島は、まだ息子を見捨てたと嘆き続ける北村を説得して
現場に戻る。
「勇樹・・・」
「勇樹君の右足は、カートに挟まれています。
 挫滅も酷く・・ぐしゃぐしゃです。」
「・・・」
「肺も破れて呼吸状態も悪い。
 もう待てません。
 今から、右足を切断します。」
「え!?」
「命を優先します。」
「・・・」
「勇樹君は諦めかけてる。
 そこで声を掛け続けて下さい。」
「・・・」
「人は・・・一人では命を大切にしない。
 一緒にいたい。
 悲しませたくないって人がいるから、
 人は自分の命を大切にする。
 勇樹君、俺に会って最初に聞いたことは、
 あなたのことです。」
「・・・」
「自分のことじゃない。
 あなたのことを聞いた。
 無事だと伝えると、笑顔を見せた。
 こんな状況で。
 あなたみたいな親でも・・
 この子にとっては大切な父親なんだ。」
「・・・勇樹・・ごめん。
 ごめんな勇樹・・・。
 ここに・・いるぞ。
 父さんここにいるぞ!勇樹!!勇樹!!
 許してくれ・・死なないでくれ!!勇樹!!」
父親は必死に勇樹の名前を呼び続ける。
そして藍沢は、勇樹の足の切断に成功して、残骸から助け出す。

墜落現場での乗客の救出は一段落しようとしていた。
藤川は、細井を診ながら病院に戻ろうとしていた。
「良く、耐えたね。勇気あるよ、細井君。」
「ただ・・動かなかった・・だけですよ。」
「いや、もう腰抜けなんかじゃない。」
その時、細井は咳をする。
「どうした?」
細井の首から大量出血。
「細井君!」
心停止。
心臓マッサージを始める藤井。
「細井君・・死ぬな!
 細井君!!」

橘は緋山に声を掛ける。
「よくやった。」
「・・・」
「どうした?」
「怖くてしょうがなかったんです。
 翔太君を・・。
 患者は、もっと怖いはずなのに。」
「・・・」
「医者失格ですね、私はやっぱり。」
「弱いんだよ、人は。」
「・・・」
「でも、医者は強くなきゃいけない。
 難しいな。」
「・・・」

勇樹をヘリに運ぶ藍沢たち。
「どうなりますか!?」と父。
「足の接合は難しいです。
 火傷した皮膚の移植もあるし、肋骨も折れてる。
 目を覚ましても、過酷なリハビリが待っています。
 彼の人生は確かに変わった。」
「・・・」
「この先辛い事もあると思う。
 あなたのことを恨むかもしれない。」
「・・ええ。」
「でも、支えになって欲しい。
 どんな父親でも・・・いないよりマシなはずです。」
「・・・」

患者のリハビリを手伝う藤川は、
テレビのニュースは、細田が亡くなったことを伝えていた。

白石は博文の病室を訪れる。
「おぉ、世話になるな。」
「折れてるのに気付かないってほんっとおかしい!」
「もういいだろう。母さんにも散々怒られたんだ。」父が笑う。

田所に付き添う妻。
そんな二人を見つめる橘と三井。

「早く部長に報告したいな。
 フェローたち、みんな良くやった。
 あんな過酷な状況で、目一杯頑張った。」と橘。
「そうね。」と三井。
「緋山も逃げなかったぞ。
 4週間の謹慎明けだっていうのに、現場で逃げなかった。
 右も左も分からない駆け出しじゃない。
 あそこで失敗する怖さを充分分かった上で、
 逃げなかった。前へ進んだんだ。
 ・・・立派だよ。」
「・・・」
「俺は・・4年前に、逃げ出したけどな。」
「え?」
「君じゃない。
 俺のほうだ。弱かったのは。」
「・・・」
「それを、ずっと誤魔化しながら、生きてきた。」
「・・・」
「・・・すまなかった。」
「・・・弱いか。
 あなたのいい所は、その弱いところよ。
 変わってないわ、昔から、ずーっと。」
三井はそう言いながら涙ぐみ・・・。

機材の補充をする差江島。
「・・・突然死ぬって・・どんな感じなんだろうな。」と梶。
「私と彼とは、まだ良かったのかもしれません。
 残りの時間を一緒に過ごせた。
 死んでしまうとわかったから、生きている時間が愛しいって
 思えた。」
「ちゃんとそれは、ここ(心)にしまっとけ。」
梶の言葉に頷く冴島。

帰り道、冴島は携帯に残した悟史のメッセージを聞いていた。
「春に、なったら、桜、見に行こう。
 去年も、結局、行かなかったもんな。
 すごく、いい場所が、あるんだ。
 そこに、遥、連れて、行きたい。
 あの桜、見せて、やりたい。」
メッセージを聞き終えた遥は、それを削除する。
「・・・来たよ、悟史。」
遥は笑顔を浮かべて桜を見上げる。

事故から数日が経過。
フェローの終了認定の日が来た。

藤川は、黒田に電話をする。
「まさか、お前がなるとはな。」
「これがもらえたら、どんなに嬉しいかと思っていました。
 でも・・・いざ貰うと・・あまり、嬉しくないですね。」
「フライトドクターが楽しい仕事とでも思ってたのか?」
「・・・」
「呼ばれる現場はいつも最悪だ。
 救うよりも死なせてしまう事の方が多いかもしれん。
 でもな、それがこの仕事だ。
 それが嫌なら・・やめろ。」
「でも・・救える人も、いるんですよね。
 ・・・だから、やめません。」
「相変わらず最低だ、お前は。」
藤川はその言葉に微笑み・・・。

廊下を歩く白石と藍沢。
「昨日はごめん。休み変わるって言ってたのに。」
「別に。今日の午後休み取った。
 墓参りなんていつ行っても一緒だ。」
「卒業後はどうするの?」
「最初に伝える人は決めてある。」
「・・・私も。」

藍沢、白石、藤川はフライトドクターに認定されたが、
緋山はフェローのままだった。

そんな緋山を、直美(吉田羊)が訪ねて来た。
「私の・・せいですよね。」
「いや・・あの事件だけが、理由じゃないんで。」
「私・・・同意書にサインしたかった。
 そうすれば、緋山先生守れたのに。」
「・・・」
「説明会でも私は何も・・
 私は・・大切な人を、二人も守れなかった。」
「・・・そうですね。」
「・・・」
「今は、サインしてもらえばよかったと思います。」
「・・・」
「直美さんのお兄さんは、お見舞いに来れないまま、
 翼君は亡くなった。
 あの時、書類一枚でもその状況を示すものがあれば、
 どれだけお兄さんの心のよりどころになったか。」
「・・・」
「どちらが正しかったんでしょうか。
 ・・・でも良かったです、こうして又話せて。
 それが、何より嬉しい。
 ありがとうございます、会いに来てくださって。」
「緋山先生・・・」

田所が意識を取り戻す。
「私が誰だかわかりますか?」と西条。
「・・・西条先生です。」
「そうですね。
 それじゃあ、この人が誰だかわかります?」
西条が緋山を指差す。
「緋山先生、残念、でしたね・・。
 フライトドクター、認定の件。」
「・・・ちょっと、遠回りすることになりました。」
「私と、一緒、ですね。」田所が微笑む。

墜落現場で、骨折していたにも関わらず白石と患者の救助に
あたっていた博文が退院することになった。
「もう、ここでいい。タクシー呼んである。」
「そんな慌てて行かなくても。」
「公演の、スケジュールがびっしりなんだ。
 次は、岡山だよ。」
「・・・お父さん。」
「うん?」
「私フライトドクターになった。」
「そう!おめでとう!」
「でもまだまだ。
 だから・・・ここの救命に残る。
 残って、腕を磨く。
 お父さんにも安心してもらえるように。」
「安心しているよ、とっくに。
 もう、何も言うことはない。
 言うことなさ過ぎて、寂しいくらいだ。
 でも・・何かあったら、いつでも、連絡するんだぞ。
 何か、なくてもな。」
父の言葉に頷く白石。
「じゃあ・・あまり、無理するなよ。」
「お父さんも、無理しないでね。
 ・・・私父さんみたいな医者になるから!
 お父さんみたいに、誰からも尊敬されて、
 でも、一人いい人ぶって病気のこと隠して、
 人の為に全国周って、
 怪我も忘れて患者さん治して、
 ・・・それで入院して家族に怒られて、
 そんな医者になるから!」
「・・・頑張れ!」
白石は目に涙を溜め、父を見送った。

その日の午後、藍沢は祖母の絹江(島かおり)と母の墓参りに
出かける。
「いつもこの辺で駄々こねてたなー。」
「ああ。」
「疲れたー、おんぶー、ジュースって。
 大変だったろ?俺。」
「そうだね。
 ・・・ごめんよ、耕作。
 あの頃から、ずーっと、ついてきたんだよ、嘘を。
 小さい、何も知らないあんたに。
 寂しい思いも、散々させた。
 ごめんよ。・・ごめん。」
「乗れよ。足疲れたろ?
 今度は・・俺がおんぶする番だ。」
「耕作・・・」
「早く乗って。」

祖母を背負い歩く藍沢。
「強い子にね、・・・強い子に育ってほしかったんだ。
 だから、随分厳しくした。
 一人でも強く生きていけるように。」
「・・・」
「あんたは・・強くて、優しい子に育ってくれた。
 ありがとう。」
「・・・俺、良かったと思ってる。
 危険な目に遭わないと、人はいつか死ぬってことに、
 気付けないだろう?
 それと一緒だ。
 当たり前に、親や周りの人に大切にされていると、
 それに気付けない。」
「・・・」
「でも俺は気付けた。
 両親のいない20年間があったから。」
「耕作・・・」
「それに、俺は孤独じゃなかった。
 礼を言うのは俺の方だ。
 ありがとう、ばあちゃん。」
「・・・」
「ばあちゃんちょっと痩せたな。」
絹江は耕作の背中で涙を流し・・・。

2人が墓前に着くと先客がいた。
それは、藍沢の父、誠次(リリー・フランキー)。
「・・・誠次。」
「・・・」

「毎年来てたんですか?」
「・・・顔合わしたら、嫌だろう?」
「毎年命日の次の日に来てたってことですか?」
「・・・」

墓前に手を合わせる藍沢。
「母さん・・俺フライトドクターになったよ。
 6歳の頃の俺よりは、少しはマシになったのかな。
 ・・・でも、まだまだだ。」
「・・・やっぱり、お母さんに似てるな。
 立ち止まらず、前に進み続ける。
 お母さんもそうだった。
 俺はもう、進歩がなくって。
 今でもそうだ。
 毎年毎年、塾で、学生相手に、同じ参考書の、同じページを
 教えてる。」
「・・・」
「変わらんのかな、人は。」
「・・・手見せてもらえますか?」
手のひらを見せる誠次。
「俺、病院の若手の中で、誰より手が器用なんです。
 この手は、俺にとって一番の誇りです。
 他はわからない。
 ただ・・この手だけは・・
 あなたに似たんだと思います。」
「・・・そう・・だといいけど・・。」
「来年は・・
 命日に来てください。」
藍沢は父のそう告げ、帰っていく。

翔北の春。

「救命の世界に奇跡はないl
 それは事実だ。」


森本は、轟木聖子(遊井亮子)とよりを戻し・・・

「でも、そもそも奇跡とは何だろう。
 自分や自分の大切な人が、健康であること。
 打ち込める何かがあること。」


橘と三井環奈(りょう)の関係も修復しつつある。

「間違いを正してくれる上司や仲間がいたり、
 負けたくないと思える相手がいること。
 そういうささやかな幸せを奇跡と言うのなら、
 俺たちの生きているこの世界は、
 奇跡で溢れているのかもしれない。
 ただ、それに気付かないだけで。
 ・・・そう。すぐ側にあるのだ、沢山の奇跡が。」


白石、藤川はフライトドクターとして勤務。
緋山も、やり直しの一年を翔北救命救急センターで始めていた。
フライトナースの冴島は、そんな彼らとのフライトを続けている。

藍沢は…。
藍沢は翔北脳外科、西条の下で働いていた。
将来は、心臓外科も経験してから救命に戻るつもりらしい。

「脳外科にコンサル頼む!」橘が白石に言う。
「掛けてます。
 あ、ちょっとコンサル頼みたいんだけど。」

「わかった。」と藍沢。
「どうした?」と西条。
「救命がコンサルをお願いしているんです。」
「また救命か。」
「また救命です。」

そんな翔北に、救命の要請が入る。
消えようとする命に、再び未来を…
炎をともすために、ドクターヘリは今日も飛び立って行く…。


飛行機の事故現場という絶望的な状況。

白石は、ケンカしたまま事故にあった父娘に
「娘さん、三咲さんは、あなたに伝えたい事がまだ
 一杯あるんです。
 嬉しい知らせや、謝りたい事。
 食事だってちゃんとしてない!
 一杯あるんですよ!
 だから・・・頑張って生きて。
 娘さんを見てあげて下さい。もう一度!」
と言葉を掛けました。
これは、博文への思いでもあったんですよね。

そして藍沢は、飛行機の中に子供を置いてきてしまった父親に
「あなたみたいな親でも・・
 この子にとっては大切な父親なんだ。」
「あなたのことを恨むかもしれない。
 でも、支えになって欲しい。
 どんな父親でも・・・いないよりマシなはずです。」
と言葉を掛けました。
これは、誠次への言葉でもあったはず。

フェローを無線で指導する黒田や橘。
的確な指示と、それに答えるフェローたち。
黒田に褒められた藤川の嬉しそうな笑みが心に残りました。

患者が怖いと言っていた緋山もやっと立ち直ることが
出来ました。
少年の母親はヤンキー風?ギャルママ風?でしたが、
いいお母さんでした。
二人の涙の演技も素晴らしかった。

藍沢が人と関わるようになったのも、
藤川と黒田が"一緒に"処置できたのも、
白石親子が一緒に患者を診ることが出来たこと、
緋山が患者と再び向き合えるようになったのも、
冴島が恋人の死から立ち直れたのも、
全てが奇跡。


第1シーズンよりも登場人物が魅力的に描かれていて、
フェローたちの成長と共に、俳優さんたちの演技力にも
磨きが掛かったなぁと思いました。
また新たなドラマが見てみたいです。



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公式HP


【キャスト】
藍沢 耕作(フライトドクター候補生) … 山下智久
白石 恵(フライトドクター候補生) … 新垣結衣
緋山 美帆子(フライトドクター候補生) … 戸田恵梨香
冴島 はるか(フライトナース) … 比嘉愛未
藤川 一男(フライトドクター候補生) … 浅利陽介

田所 良昭(救命センター部長) … 児玉 清(特別出演)

森本 忠士(フライトドクター) … 勝村 政信
轟木 聖子(救命救急センター内のCS) - 遊井亮子
梶 寿志(パイロット) … 寺島 進
西条 章(脳外科医) … 杉本 哲太

田沢悟史(平山浩行)

三井 環奈(フライトドクター) … りょう

橘 啓輔(フライトドクター) … 椎名 桔平


【スタッフ】

脚   本 … 林宏司
音   楽 … 佐藤直紀
主 題 歌 … Mr.Children「HANABI」(TOY’S FACTORY)
プロデュース … 増本淳
演   出 … 西浦正記
演   出 … 葉山浩樹


山下智久さんの主な出演作品




この記事へのコメント
ちーずさんお疲れさまでした!今期もありがとうございました。

見ながらコメントを考えていたら、ちーずさんの感想と重なってしまう程、感動できるラストでした!飛行機事故で担当した患者の人生に重ねて成長したフェローを描く脚本が無理がなく父親と息子、娘と父親の信頼関係や親子だから言いすぎた許せない言葉や行動を思い直す良いドラマでした!

豪華なキャストを使ったドラマでしたが、ちゃんとキャラを生かした作品になったのも良かったし、緋山の不合格、藤川が救おうとした救命士の死など全ての患者を治癒できる訳ではないというテーマもスーパードクターではない現実味が光ましたパート1では見れなかった気がします!

脳外科として残った藍沢が田所の手術をしたり再チャレンジする緋山の姿がSPで視聴できるといいですね!
Posted by けた at 2010年03月26日 20:14
藍沢たちに、とって、すごく大変だったと思うし、ひやまは、すごく辛い時に、手術は、とても辛かっただろうなって思いました。山ピーや、新垣結衣ちゃんなどの、迫真の演技が、とっても凄かったです。私は今、小学5年生です。将来、女優になりたいです。目標は、ガッキーみたいな女優になりたいです。
Posted by 上野ゆかり at 2010年03月30日 13:19
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コード・ブルー2 (最終回)
Excerpt: フジテレビ系列で毎週月曜よる9時から放送されていた連続ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 2nd season』は、今週、最終回(第11話)を迎えました。 ●あらすじと感想
Weblog: yanajunのイラスト・まんが道
Tracked: 2010-03-26 02:03
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