2010年06月20日

同窓会〜ラブ・アゲイン症候群 最終話

『私たちの、愛と死…最後の選択』

「もう一度、せめてもう一度だけでも会いたい。
 私は遠ざかる彼の車を夢中で追った。
 最後の恋を、愚かな行き違いで終わらせたくなかった。」


朋美(黒木瞳)に気付いた杉山(高橋克典)は、車を停め・・・
そして朋美の元へと歩き出し、二人はきつく抱きしめあう。


失踪していた福島(尾美としのり)が、遂に真実を語ることを
決意し、さっそくテレビニュースでの独占会見をセッティングした
大久保(三上博史)だったが、まさに生放送が始まろうとしている
最中に意識不明の状態で倒れ、そのまま病院へと運ばれてしまう。

「私たちは、まだ知らなかった。
 大切な友に、命の終わりが迫っていることを。」


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大久保が重体と聞き、慌てて搬送先の病院へと向かう陽子(斉藤由貴)。

車の中
「もう迷わない。
 帰って、主人と話します。」と朋美。
「送っていくよ。」
車のエンジンをかけると、カーラジオから福島の会見を報じる
ニュースが流れてきた。
二人は顔を見合わせ・・・。

病院
「主治医の寅田です。
 治療の方針についてお話したいんですが、お身内の方ですか?」
富士子(高橋ひとみ)が駆けつけた麻美(芳本美代子)と陽子に聞く。
「大久保の、家内です。」と麻美。
「友人です。」と陽子。
「それでは奥様、お願いします。」
「はい。」

今は陽子の方が大久保に近い存在なのに、
取り残されてしまい、辛かったでしょうね。


陽子の携帯が鳴る。電話は朋美たちからだった。
「もしもし、陽子?」
「朋美・・」
「今、ニュースで福島君のことを知って。」
「何言ってるのよ今頃!!」
「・・・」
「どこで何してたの!?
 どうして一番大事なときにいないのよ!!」
「もしもし?陽子?」
その場に泣き崩れる陽子。
「ねえ、もしもし、陽子?何があったの?陽子?」
真奈(熊田聖亜)は涙する陽子に寄り添い・・・。

やがて生放送が始まった。
福島は、失踪の裏に隠された真相のすべてを赤裸々に語り出す。
「全てをお話します。」
「福島さん、あなたはなぜ、失踪という道を選ばれたんですか?」
「それは・・・生きたかったからです。」
「生きたかった?」
「昨年の秋、私は、国交省の菅原大臣より、
 中央高速道路に新しいインターチェンジの設置を、
 許可するよう命じられました。」
それは明らかに、新設されるアウトレットの為だけのもの。
そしてそのアウトレット業者は大臣の後援者だった。
「癒着が表沙汰になれば、大きな政治不信に繋がります。
 私は告発を考えました。
 が、そのことを知った企業側から、悪質な嫌がらせを
 受けるようになったんです。
 命の危険を感じました。
 妻からは離婚を言い渡され、職場の人たちは、
 私に近づかなくなりました。
 精神的に追い込まれた私は、同窓会の夜・・・」

(回想)
「乗り換えるよ。」
大久保たちにそう告げ、自宅とは違う方向に向かった福島。
彼は、電車に飛び込もうとし・・・
「福島君!」真理子(宮地雅子)がそれを阻止する。
「真理ちゃん・・」
「何か様子がおかしいと思って戻ってみたら・・
 ダメよ死ぬなんて!!」
「・・・ほっといてくれよ。何で止めたんだ。」
「甘えないで!!
 誰だって・・悩んでんのよ!!」
(回想終)

「彼女も、家族の事で悩んでいました。
 私たちは、お互い救いあうように、一緒に逃げました。
 彼女の家族を始め、省内の方々、数え切れないほど
 多くの方に、ご迷惑をお掛けしました。
 今日を持って、私は国土交通省を退職しますが、
 真実を話したことは、後悔しておりません。
 この場でお話する勇樹を持てなければ、
 恐らく、一生逃げ回る生活をしていたでしょう。
 身勝手な理由でいなくなった私を心配し、
 この場に送り出してくれた友人達に、
 感謝したいと思います。」

「同窓会の夜始まった私たちの旅は、
 終わりを迎えようとしていた。
 恋に落ち、道に迷い、人生を見つめ直した旅の終に、
 私たちに見えるのは、一体、どんな景色なのだろう。」


数時間後、朋美と杉山は大久保が運ばれた病院に到着する。
そこには、陽子、そして大久保の妻・麻美がいた。
一同が見守る中、大久保が目を覚ます。
「・・・うん?・・・あれれ?
 うそ・・・。」
「な、何よ?」と陽子。
「やっと、天国に行けるかと思ったのに・・
 お前らがいるってことは・・まだ、汚れた大地かよ。」
「もう、心配掛けといて、よくそんな憎まれ口叩けるわね。」
「そうよ。陽子泣いてたわよ。」と朋美。
「はー?( )みたいじゃないの?」
「おい、無理して喋るな。」と杉山。
「福島さんなら、会見を終えたわよ。
 立派に真実を話せたわ。」と麻美。
「そうか。」ほっとして微笑む大久保。
「二人には、うちの政治部がホテルを用意するわ。
 暫くはメディアが追っかけまわすと思うから。」
「悪いな。」
「お気遣いなく。私は私の仕事をしたまでよ。」

そこへ、主治医がやってきた。
「賑やかですね。
 お目覚めですか?
 顔色、戻りましたね。」
「先生。俺、まだ生きてますか?」
「・・ええ。まだまだ。」
「・・・それって、奇跡が起こったってことですか?」
「ええ。」
「助かった。」
「良かったね、陽子。」と朋美。
「悪運強いんだから。」陽子が涙ぐむ。
「ただし、今の状態を保つためには、入院が必要です。
 そうね。最低でも、3ヶ月は療養してもらいますよ。」
「3ヶ月も?」
「助かったんだからわがまま言うな。」と杉山。
「しかし、3ヶ月は長いよ。
 先生?せめて、一日だけ、外出を許可してもらえませんか?
 ・・行きたいところがあるんです。」
「どこ?」と陽子。
「内緒。」
「わかりました。
 では、注意事項をお伝えします。
 奥様、ちょっと来ていただけますか?」
「・・・あんたが行ったら。」と麻美。
「え?あ、私?」驚く陽子。
「一緒に住んでるんでしょ?
 このバカ、この間私に、籍抜いてくれって言ったの。
 どうぞ、熨斗つけて差し上げますから。
 先生、この方が、新しい奥様です。
 じゃ、私、原稿書かなくちゃ。」
麻美はそう言い、病室を出ていく。

「でも・・いいのかな・・私で・・。」戸惑う陽子。
「そんなに、俺が好きなら、どうぞ。」と大久保。
「自惚れるのもいい加減にしなさいよ。」

麻美の態度、立派でした。

主治医に話を聞く陽子。
「事実をおつたえします。」
「はい。」
「大久保さんの命は、もう長くありません。」
「・・・」
「私はこれまで、大久保さんに、全てを、ありのままに
 伝えてきました。
 それは、彼の希望でもあったからです。
 ・・・でも、みなさんの中にいる幸せそうな彼を見てたら、
 一度だけ、嘘をつきたくなりました。」
「・・・」
「嘘をつくことを、許可していただけますか?」
「・・・先生。言い通して下さい。
 あいつはああ見えて・・・すっごく弱虫で怖がりなんです。
 私30年前から良く知ってるんです。
 うんざりするくらい、よく知ってるんです。」
陽子は涙をこぼしながらそう告げ・・・。

大久保の病室
「お前ら、これから、どうするんだ?」と大久保。
「一緒になる、つもりだ。」と杉山。
「時間は、掛かるかもしれないけど。」と朋美。
「あれ?
 ちょっと待ってよ。
 お前らまだ、そういう仲じゃないの?」
「え・・」
「くだらないこと言うな。」と杉山。
「ハハハハハ。海まで逃避行しておいて、それかよ!
 ったく、クソが付くほど真面目だな。」
「悪い?」と朋美。
「・・・いや。羨ましいよ。」
「・・・」
「俺は、そんな風に真っ直ぐにはなれない。
 いつでも斜に構えて、カッコつけちまう。
 でも本当は、真面目が、一番カッコいいんだよな。」
「どうしたの?人のこと褒めない大久保君が。」
「なあ!
 本当に、一緒になれよ。」
「・・・」
「いい年こいて、恋に必死になってるお前ら、
 悪くないよ。
 不倫は不倫でも、通せば、純愛だ。」
「・・・何を言ってるんだ。」と杉山。
「家族持ちが一緒になるのは、口で言うほど簡単じゃない。
 それこそ奇跡だ。
 でも・・・お前らが本当に結ばれたら・・・
 俺も、自分の奇跡を・・信じられる気がする。」
「・・・」

陽子が戻ってきた。
「お待たせ!
 外出の許可、下りたわよ!
 血圧がもう少し落ち着いたら、一日自由にしていいって。」
「やったぁ!」
「大久保君の身体は、奇跡を通り越して脅威だってさ!」
「日頃の、行いがいいからなぁ。」
「なーに言ってんのよ。嘘つきの、女ったらしが。」

「確かに、家族のいる私たちが結ばれるのは、
 奇跡に近いことなのかもしれない。
 私は、改めて自分の出した答えの重さを、かみ締めた。」


それぞれの家へと戻った朋美と杉山は、家族と真正面から
向き合い、今の正直な思いを打ち明ける。

宮沢家
「ごめんなさい。
 昨日は心配掛けました。」
ふて寝する誠一郎(吹越満)に謝る朋美。
「謝ればいいってもんじゃないし。」と娘・彩(大平うみ)。
「でもさ、お姉ちゃんが出て行けって言ったんじゃん。」と達也(嘉数一星)。
「子どもが言ったからって、マジで出てく母親なんて
 いないって。」
「彩の言う通りね。ママが悪かった。」
「もういいよ。
 私たちより、パパと話したら?
 親が冷えた関係のまま、一緒にいるほうが辛いよ。」
「彩・・ごめんね。ごめんね、彩。
 達也もごめんね。」
朋美は彩、そして達也をぎゅっと抱きしめる。
「行って来ます。」
「行ってらっしゃい。気をつけてね。」

「子どもを味方にしようっていうわけだ。」と誠一郎。
「パパ・・」
「お前も段々、したたかになってきたな。」
「・・・話があるの。」
「僕、あなたのパパじゃないんですけど。夫です。
 これって女のセリフか。」
誠一郎はそう言い、トイレへ。
「待って。」
「おしっこ。」
「ねえ出てきて。」
「トイレにも行かせてくれないのかよ。」
「さっきトイレに行ったばっかりじゃない。」
「・・・」
「・・・私、お願いが、」
朋美の声を遮ろうと水を流す誠一郎。
「・・・私、あなたとは、」
「じゃーーーーーーーっ!!」
「お願い、聞いてよ。
 私、あなたとはもう、」
誠一郎がトイレから出てくる。
「でかい声出すなよ。隣に聞こえるだろ。」
「・・・」
「そんなにあいつが好きなんですか。」
「・・・」
「どうなんだよ、答えろよ。
 杉山君を愛しているんですか?」
「・・あなたには、申し訳ないけど、私・・・」
「わかったよ。
 好きにすればいいじゃない。」
「・・・」
「好きなだけ会って、仲良くして下さい。」
「・・・」
「ただし、離婚はしない。一生。
 お前とあの男は、永遠に薄汚い不倫関係だよ。
 愛し合っているんだから籍なんか関係ないよな?」
「・・・」
「お前は一生俺の女房だよ!」
「・・・」

杉山家
「大地ね、この間の模試で6番だったんだって!
 志望校の判定もAなのよ。褒めてあげてよ。」
「いいよ、その話は。
 もっと大事な話があるんじゃない?」と大地。
「生意気ね。大人ぶっちゃって。」
「じゃ、行って来ます。」
「いってらっしゃーい。」

「佳奈子、昨日は勝手をしてすまなかった。」
「傷、どうなの?病院行かなくていいの?」
「・・・」
「今月一杯休暇でしょ?
 多摩川西署に行くまでに、ちゃんと治しておいた方がいいわよ。
 もう若くないんだし。あとが残っちゃうかも。」
「すまない、佳奈子。」
「あなたって、いっつも無理しちゃうのよね。
 ほら、覚えてる?結婚したばっかりの時、
 北田一家の手入れで、銃弾を受けた時があったでしょ?
 あの時も大丈夫だ大丈夫だって言って無理して、
 お腹に、破片が残ってたのよ。」
「俺はお前を傷つけた。本当にすまないと思って、」
「そうだ!大地が生まれた日も、あなた、血だらけで
 産婦人科に来て、看護師さんたち、悲鳴あげてたわよね!
 おかしかったわよね、あの時。」
「・・・」

「覚悟はしていた。
 でも、自分で作った家庭を自分で壊すのは、
 想像以上に罪深いことだった。
 子ども達の心を思うと、胸が痛んだ。」


陽子は元夫の正隆(神保悟志)と愛人の早苗(野波麻帆)の
もとに、真奈を帰すことに。
「長い間、世話になった。」と正隆。
「ありがとうございました。」と早苗。
「随分急じゃない?今までほったらかしておいて。」
「あの男が病気だと聞いて、一日も早く引き取らなきゃって
 思ってな。」
「育てられる環境は整ったの?」
「最後の処理が終わったよ。
 君といた頃みたいに贅沢は出来ないが、
 親子3人、やり直そうと思ってる。」
「陽子さん、色々すみませんでした。
 私、やっぱり正隆さんについていきます。」
「真奈ちゃん。
 パパとママが、一緒に暮らせるようになったって。
 言ったでしょ?迎えに来てくれたんだよ。
 パパのお仕事ももう大丈夫になったから、
 安心して、ママのところに行きなさい。」
早苗の方に真奈の背中を押す陽子。
「・・・お母さんは?」
「又会いにいくよ、いつか。」
「おじちゃん、病気なのに・・大丈夫?」
「大丈夫!
 おじちゃん、不死身だから。」
陽子はそう言い、3人に背を向け歩き出す。
「おい。」と正隆。
「・・何?」
「頑張れよ。」
「・・・」
「こんな、月並みな言葉しか言えなくて、申し訳ない。」
「ううん。
 今までもらったどーんな高いプレゼントより良かったよ。
 ありがとう。」

「ある日、森の中、熊さんに、出会った、
 花咲く森の道、」真奈が歌いだす。

「熊さんに、出会った。」陽子が続ける。

早苗と真奈が一緒に歌い、そんな二人をしばし見つめ、
陽子はまた歩き出す。

「そして、私たちにとって忘れられない、
 あの日がやって来た。」

 
大久保の一時退院許可が下りたある日、朋美たち同窓生7人は、
卒業し廃校が決まった牧ノ台中学校に集まる。

30年前、共に過ごした校庭や教室を懐かしむ仲間たち。
「大久保君が来たかったのって、ここだったのね。」と朋美。
「もうすぐ取り壊しだって聞いて、見とくのもいいかなって。」
「取り壊しか。」
「なーんか悲しいよね。」と陽子。

校庭でバスケットボールで遊ぶ大久保と亀村(六角精児)。
「大丈夫なの?大久保君。運動して。」
「・・・」
「え・・」

「正式に国交省を退職したよ。」と福島。
「家族どうした?」と杉山。
「離婚が成立した。何もかもきれいさっぱり失くしたよ。」
「私も、家を出ることになったわ。」と真理子。
「辛くない?」と朋美。
「私、誰にも話せなかったけど、何年も夫の暴力に
 悩んでたの。
 福島君が救い出してくれたって思ってる。」
「みんな言えないこと抱えて同窓会参加してたんだな。」と杉山。
「で、180度人生変わっちゃった。」と陽子。
「悪夢の同窓会ってわけだ!」と大久保。
「悪夢なんかじゃないわ。
 こうやってみんなに、会えたんじゃない。」
「何だよ、何で俺にパスしてくれないんだよ!」と亀村。
「だってお前下手くそだからなぁ。」と杉山。
「そんなことないよー。」
中学の頃と同じように楽しい時間を過ごす7人。

「誰もが思っていた
 そして、口に出さなかった。
 あの頃の夢を、叶えられただろうか。
 思い描いていた大人に、なれただろうか。」


3年3組の教室
「実は、あの同窓会は、僕が仕組んだものだったんだ。」と福島。
「仕組んだ?」と大久保。
「僕は出世の為だけに生きてきた。
 結婚も出世の為にした。
 でも今回の事件で死を覚悟した時、自分でも信じられないくらい、
 寂しくなった。
 最後に誰かと心置きなく話したい、そう思った。
 その時ふと、お前達の顔を思い出したんだ。」
「今までずっと会ってなかったのに?」と陽子。
「会ってなかったからだよ。
 汚れた大人になった自分じゃなく、夢を持っていたあの頃の
 自分を知ってる仲間に会いたかったんだ。」
「それで同窓会の幹事、買って出たのかよ。」と亀村。
「同窓会が終わったら、すぐ死ぬつもりだった。」
「・・・」
「でもお前達に会えて、この30年、無駄じゃなかったと思えた。
 もう、死ぬなんて考えたりはしないよ。
 この先何があっても。
 改めて言うよ。
 ・・・ありがとう。」
「ううん。良かった。悲しいことにならなくて。」と朋美。
「悪夢の同窓会も、意味があったってわけね。」と陽子。
「何が良かっただよ!」と大久保。
「え?」
「お前ら人が良すぎるんだよ!
 あの同窓会のせいで人生変わっちまったって、
 話したばっかりじゃねーか。
 福島のエゴの犠牲になったんだぞ!」
「犠牲?」と朋美。
「頭に来ないのかよ!
 同窓会さえなけりゃ、みんな元の生活送ってたんだ。
 波風なく暮らしてたんだぞ?」
「俺は、そうは思わない。」と杉山。
「は!じゃあお前は、同窓会が無くても、左遷されたのか?
 女房と別れること考えたのか!?」
「よせ。」
「同窓会がなけりゃ、お前は出世して、あの大人しい女房と、
 多少の不満は抱きながらも、一生静かに暮らしてたんだよ。」
「・・・」
「お前だってそうだよ!
 同窓会でこいつと再会しなきゃ、不倫で悩むことなんか
 なかった!
 職のない亭主を嬉々として支えて、優等生面して、
 子どもを育ててたんだよ!」
「大久保君。」と陽子。
「お前もだ!
 お前も同窓会がなきゃ、こんな最低な男と寝なかったはずだよ。
 違うか?」
「・・・」
「福島が、みんなの人生ぶち壊したんだよ!」
「それは違う!」と杉山。
「そう。たとえ、同窓会がなくても、みんな、考える時期に
 来てたのよ。福島君のせいじゃないわ。」と朋美。
「私も、悔いは無いわ。」と真理子。
「悪いけど私も後悔してないから。」と陽子。
すると大久保が笑い出す。
「・・・だったら、いいんだよ。」そう静かに語る大久保。
「どういうこと?」と陽子。
「お前らに、覚悟があるかどうか、見せてもらったんだ。」
「覚悟?」
「たかが同窓会だけど、もう、あの同窓会の前には誰も戻れない。
 望まない人生だったとしても、時間は戻せない。
 絶対に。」大久保の瞳には涙が。
「・・・なんだ、要するにお前、俺たちを試したってわけか?」と杉山。
「そういうこと!」
「なめんなよ、お前!」
杉山が大久保に掴みかかり・・・そして二人は笑い出す。
「誤解したよ。」と杉山。
二人は中学生の頃のように大笑い!
そして、みんなも大笑い!

教室
窓際の席に座り、空を見つめる大久保。
席に着いた同級生に向かい、亀村が教壇から文句を言う
「俺はお前らに文句がある!」
「何でも言ってくだちゃい!ちぇんちぇーい!」と大久保。
「お前らいやらしいよ!
 勝手にカップルになりやがって。
 俺だけ仲間はずれじゃないか。」
「仕方が無いじゃない、そういうことになっちゃったんだから。」と陽子。
「そもそも贅沢なんだよ。みんな結婚してるくせに。
 俺なんか、一度も結婚したことないのに!」
「ごめんね。亀村君の気持ちも考えないで。」と真理子。
「そうだよ。みんな謝れ!
 寂しい俺に謝れよ、ほら!」
「え?俺?ああ、すまない。」と福島。
「ほら!そこの色男も。」
「いや、申し訳ない。」と大久保。
みんな大笑い。
「女ったらしも!」
だが、亀村の問いに大久保の返事はなかった。
机に突っ伏したままの大久保。
「おい、寝てんのかよ。」
「あいつ授業中いっつも居眠りしてたなぁ。」と杉山。
「ああ、覚えてる!なのに結構、勉強できるのよね。」と朋美。
「要領だけなのよ!そこが嫌いだった。」と陽子。
「今は?」と朋美。
「どうだろ。」そう言い笑う陽子。
「大久保君。彼女が聞いてるわよ。」
「おい、真!起きろよ。」
「・・・」
大久保の席にゆっくりと近づく陽子。
「・・・おい!!大久保!!
 ・・・居眠りは、減点だぞ。」
陽子は泣きながら声を掛けるが、
大久保はそのまま目を覚ますことなく・・・

「友はそれから7日間、眠り続けた。
 そして、ある初夏の朝、息を引き取った。」


ここで、30年前の大久保達の教室でのシーン。
窓際の席で居眠りしていた大久保を笑う友達。
「寝てるから悪いんでしょ。」と先生に言われ、
「はーっ!?」ていう態度が大久保そのもので、
余計に悲しくなりました。


教会で、大久保の葬儀が行われる。

「友の早過ぎる死は、私たちに新たな運命を
 もたらそうとしていた。」


葬儀の帰り。
「やっぱり最低の男だった。
 こんな可愛い恋人残して死んじゃうなんて最低でしょ。」と陽子。
「ああ、最低だ。早すぎる。」と杉山。
「泣いていいよ。」と朋美。
「・・・泣かない。泣いても時間は元に戻せないから。」
「・・そうか。そうだったね。」
「同級生って不思議だね。
 一緒にいたのは1ヶ月足らずなのに、まるで30年分一緒に
 いたような気がする。」
「うん。」
「私、心から思う。
 同窓会があって良かった。」
「ああ。」
陽子はそう言うと、かつて大久保がしていたスカーフを翻し、
去って行くのだった。

「私たちも、言えるかな。奇跡だったって。
 私は、杉山君と会えて本当に良かった。
 だから・・・」
「無理するなよ。」
「ごめん。子ども達の事考えると、今はまだ・・・」
「いや。子どもなんかどうでもいいって言う女だったら、
 こうはなってないよ。
 それに・・・」
「それに?」
「俺も同じだ。
 今はまだ、会えたことを手放しでは喜べない。」
「・・・別れましょう。お互い、大人の恋を充分に楽しんだわ。
 この辺が潮時よ。
 ・・・って言えたら楽なんだけど。」
「・・・いや・・別れよう。」
「・・・」
「そして・・また会おう。」
「・・・」
「このまま突き進んだら、周りをもっと傷つける。
 俺たちの気持ちもすさんで、こうなったことを、
 恨むかもしれない。」
「・・・」
「けど・・・嘘をついて、こそこそ会うような真似はしたくない。
 いつか、お互いの家族が本当に許してくれる日が来るまで、
 待とう。」
「辛いけど・・・そうするしかないのかもね。」
「俺は、辛くないよ。
 だって、いつになるかわからないけど、
 必ず一緒になれると信じてるからな。」
「今はそう言ってても、心変わりするかもしれないじゃない。」
「結局俺のこと信じられないか。」
「ええ。信じられない。
 もう全然信じられない。 
 会えなくなるのに辛くないなんて、信じられるわけが
 ないじゃない。」
「バーカ。
 辛いけど辛くないって言ってんだろ。」
「じゃあ最初からそう言ってよ。」
「言わなくたって分かれよ。」
「分かってても言ってよ。」
「・・・たく。すぐムキになって。15のまんまだな。」
「ったく。そっちだってカッコつけちゃって。
 15歳の時から変わってないじゃない。」
笑い合う二人。
「1年後。」
「1年後?」
「もし、一緒になれることが許されるなら、
 この時間に、ここに来てくれ。
 俺もそうする。」
「・・・」
「1年じゃ無理なら、2年後。
 2年で無理なら3年後。
 ここで会えた時が・・一緒になるときだ」
「何だか古い映画みたい。」
「いいじゃないか。
 俺たちは新しがる必要はない。」
「そうね。15歳の時から知っているんだものね。」
手を繋ぐ二人。
「・・ねえ、同窓会がなかったら、私たち、会ってなかったかな。」
「いや。きっと、どこかで会っていたさ。」
その言葉に思わず涙ぐむ朋美。
「・・・じゃあ、1年後、この時間に、この場所で。」
「日にち間違えんなよ。」
「間違えるわけないでしょ。」
別々の方向へと歩いて行く二人。
「相川!」
杉山の声に、二人は再び駆け寄り、もう一度抱きしめ合う。
そして、それぞれの家へと帰って行くのだった。

「私はもう振り返らなかった。
 もう一度振り返ったら、二度と会えない。
 そんな気がしたから。」
 
その頃、彩と大地は公園で会っていた。
「どうなるのかな。ママとお宅のお父さん。」
「どうでもいいよ。
 親は親だよ。どうなっても生きていけるように、僕は勉強する。」
「なんか成長したじゃん。」
「今まで甘えていたから。親にも・・自分にも。」
「私は、まだ許せないかな。
 でも、ママの気持ちもちょっとだけわかるようになった。
 何歳になっても、人を好きになることってあるんだよ。」
「成長したじゃん。」
「大人って大変だね。」
「俺たち、どんな大人になるんだろう。」
「さあ。
 いつか会おう?」
「うん、いつか、ね!」
大地はそう言うと、笑顔で一歩踏み出した。

宮沢家
腹筋運動に精を出す誠一郎。
「達也!!」
「何?」
「パパは、カッコイイか?」
「・・え?」
「どう思う?カッコいいか正直に言ってみろ。」
「・・あんまりカッコよくないと思う。」
「・・うん、そうか。」
誠一郎は再び腹筋を始めると、
畳の上に大の字になり、電球を見つめ・・・。

杉山家
たまねぎを刻んでいた佳奈子は、ふと、窓の外の夕焼けを見つめ・・・。

大久保の家で荷物を片づけていた陽子は、大久保が遺した
未発表の原稿を見つける。
そこには 
「ラブ・アゲイン症候群についての考察
  ―― なぜ人は愛を求めるのか?」
というタイトルと共に、こう書かれていた。
それを読んだ陽子は、泣き叫びながら大久保の名前を呼び続け・・・。

『エリート官僚失踪シリーズ、最終弾。
 ラブ・アゲイン症候群についての考察
  ―― なぜ人は愛を求めるのか?」

 ラブ・アゲイン症候群に落ちたのは、F君だけではない。
 地位も家庭も全て投げ打って、愛に走る中年男女は、
 多数存在する。

 だがなぜ、そうまでして、人は、愛を求めるのだろうか。
 
 それは、愛は幸せの原点、生きた証だからだ。
 
 誰かを愛する時、人は、これまでと違う自分に出会う。
 一度きりの人生に、意味を見出す。

 何故生まれてきたのだろう。
 何故、生きているのだろう。

 この問いに答えることが出来るのは、
 愛、だけなのだ。
 愛する人と抱き合う時、その瞬間だけ、
 人は、永遠の命を得る。
 愚かな私たちは、愛によって、生かされているのだ。
 
 なぜなら、』

数ヵ月後、所轄でも意欲的に働く杉山の姿と、
変わらず食堂で懸命に働く朋美の姿があった。

そして ―― 数年後。
杉山との約束の場所へと向かう朋美。
しかし、そこには待ち人はいなかった。

と、そのとき、朋美の瞳が遠くからやってくる人影をとらえた……。


同窓会で再会した7人。
最初はみんな幸せの殻をかぶっていましたが、
その中には様々な悩みが隠されていました。

福島の、「乗り換えるよ。」というセリフ。
意味深な表情だったのが気になってはいましたが、
まさか死のうという意味だったとは。
最後に友と話したかった。

友に救われた福島。
福島に救い出された真理子。
友に背中を押され、恋に走った杉山と陽子。
そして、友を愛した陽子。

杉山と朋美が、家族が納得するまで別れる、というのも
真面目な二人らしいと思いました。
何年も離れていてもお互いへの思いを失うことなく、
やっと再会できた二人。
中学生のようにケンカをしながら仲良く暮らしていく
様子が目に浮かびます。

大久保は最後の最後まで友人達の幸せを思っていました。
残された人生、悔いのないように生きろとみんなの背中を
押した大久保。
その大久保は、陽子に何を残していったのでしょう。
陽子の最後の号泣が悲しかったけれど、
素敵な恋愛・友情ドラマでした。



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公式HP


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阪井あゆみ
EMIミュージックジャパン 2010-05-12

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B003EIJ4IE同窓会 ~ラブ・アゲイン症候群~ (黒木瞳、高橋克典、斉藤由貴、三上博史 出演) [DVD]


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キャスト
宮沢朋美 - 黒木瞳 (幼少期:篠原愛実)
杉山浩介 - 高橋克典
西川陽子 - 斉藤由貴
大久保真一 - 三上博史
宮沢誠一郎 - 吹越満
亀村太一 - 六角精児
福島和彦 - 尾美としのり
板倉真理子 - 宮地雅子
杉山佳奈子 - 須藤理彩
江川麻美 - 芳本美代子
西川正隆 - 神保悟志
菊川早苗 - 野波麻帆
竹原俊太 - 八神蓮
高村亜紀 - 眞野裕子
宮沢彩 - 大平うみ
杉山大地 - 竹内寿
宮沢達也 - 嘉数一星
西川真奈 - 熊田聖亜
大野真弓 - 大島蓉子
島田珠恵 - 佐藤詩子
浩太 - 鈴木勝吾


スタッフ

脚 本
 井上由美子
音 楽
 神坂享輔
演 出
 藤田明二、高橋伸之、秋山純
プロデューサー
 黒田徹也(テレビ朝日)、清水真由美(MMJ)
制 作
 テレビ朝日、MMJ
主題歌 
 阪井あゆみ 「ex-lover」(EMIミュージック・ジャパン)



黒木瞳さんの主な出演作品



高橋克典さんの主な出演作品



斉藤由貴さんの主な出演作品



三上博史さんの主な出演作品





この記事へのコメント
いつも楽しみに読ませて頂いています。
このドラマはどうにも主役の方が苦手で…
こちらでストーリーを読んだあとで
某人の部分は早送りで見るという
申し訳ないドラマの見方をしています。(汗汗)

そのお礼といっては何ですが
意識を回復した三上さんの台詞
「はー?嬉し涙じゃないの?」と言って
いるようです。
差し出たことして失礼しました。
今後ともよろしくお願いします。
長く続けて頂けると嬉しいです。
Posted by まこと at 2010年06月21日 14:31
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