2010年11月14日

フリーター、家を買う。 第4話

『お袋の、面倒みるのもう無理だ・・・』

武誠治(二宮和也)は、武家から出た家庭ゴミをアルバイト先の
大悦土木まで運び、会社のゴミと一緒に捨てさせてほしいと社長の
大悦貞夫(大友康平)に頼んだ。
大悦は、家庭ゴミと違い、事業所のゴミは有料で引き取ってもらって
いることを誠治に告げながらも、事情を察して特別に許可した。

千葉真奈美(香里奈)は、そんな誠治のことを心配し、声をかけた。
誠治は、努めて明るく振る舞いながらも、近所からのいじめが
母の病気に関係していることを彼女に打ち明ける。
そして誠治は真奈美に、自分にも夢・・・目標が出来たと報告する。

誠治の目標、それは、母・寿美子(浅野温子)のために、家を買う、
という目標だった。
寿美子がうつ病になってしまったのは、10年以上に及ぶ近所からの
嫌がらせが大きな原因だと知ったからだ。

しかし、父親の誠一(竹中直人)は、子どものころから目標を立てても
努力をしようとしなかった誠治には無理だと決めつけた。

「お前みたいなやつに家なんか買えるもんか。
 バイトじゃな、住宅ローンなんか組めないんだからな!」
「え・・・」
「え・・って。そんなことも知らないでバカかお前は!」
「・・・就職すればいいってことだろ。」
「就職したってな、何年か務めた実績がない限り、
 家なんて買えないんだ!」
「じゃあ引越しだっていいんだよ別に。
 一日も早くこの家から出れりゃ。
 大体何しに来たんだよ。」
「・・・寿美子の様子がおかしい。」
「おかしいって?」
「ちょっと、話しかけてみたんだ。」
「何言ったんだよ!?」
「・・・近所で、苛められてんのかって。」
「ふざけ・・・
 それ母さんが俺たちに一番隠したかったことだろ!?
 そんなの聞いてどうすんだよ。追い詰めるだけだろ!」
「イジメの原因を突き止めたかったんだよ。」

誠治は慌てて下に降りていくが、寿美子は家にいなかった。
外に出てみると、ふらふらと道路の真ん中を歩く寿美子の姿が。

後ろから車がクラクションを鳴らしながらやってくる。
誠治は寿美子の肩を抱えて道路の端に連れていく。
「母さん・・危ないよ。
 戻ろう、ね。」

翌日。
誠治は、寿美子がキチンと薬を飲んでいるかどうか確認する
ために、昼休みの間にアルバイト先から一旦家に戻ることにした。

家に帰ると、寿美子は薬を飲んだかどうかわからなくなって
しまったと困惑していた。
誠治は寿美子に、薬を分けるケースを買ってくると約束する。

バイトに戻った誠治は、仕事後にハローワークへ行く予定もあり
焦っていた。
アルバイト仲間の豊川哲平(丸山隆平)が誠治の作業を代わりに
引き受けてくれたお陰で、誠治は時間ギリギリにハローワークに
滑り込む。

居酒屋
「誠治も大変ですよねー。早く就職決まったらいいんやけど。」と哲平。
「本当にそう思ってんのかな。」と手島信二(井上正大)。
「思ってるよ。テッシは思わへんの?」
「誠治みたいな適当なやつに、他にも道があると思うと、
 むかつく時もあるっていうか。」
「誠治にもああ見えて、色々あるだろうし。
 最初に来た頃よりも、適当じゃないんじゃないかな。」と真奈美。
「わかってるけど、土木の仕事をやっていこうと決めていても、
 急に不安になって、気持ちがぐちゃぐちゃになる時があるっていうか。」
「ま、そういうもんだよ。」と大悦。
「俺は将来とか考えてへんけど、事故にあったらヤバイなーって
 ことぐらいは思う。」
「そういえば千葉さん、前から聞きたかったんだけど、
 2年前に木島建設で起きた事故って、原因は何?」
「・・・それは・・・」
「いや、作業員がさ、ゼネコンの人間の言うことを無視したんだよ。
 自分の判断で作業を続けて、落下した。
 つまり勝手に作業して、怪我をした、そういうことだよ。
 お前らも気をつけろよ。」と大悦。
「はい!」
「・・・いや、どんなことをしてでも、私が、作業を止める
 べきでした。」
「千葉ちゃんやったんや・・。」
「・・・」

「人生には、思いもかけない出来事が降りかかる。
 逃れたくても、逃れられない出来事が降りかかる。」


夜中、一階に下りていった誠治は、寿美子がソファーに腰掛け
不安そうに手をさすっている様子を見かける。
「母さん、眠れない?」
「・・・」
「手、どうかした?」
「ちょっと、ガサガサしているだけ。」
「ハンドクリームは?」
「・・・」
誠治はハンドクリームを持ってくると、寿美子の手にクリームを
塗りこみながら微笑んだ。

朝、ゴミをバイクの荷台に括りつけ、面接に向かう誠治。
そんな誠治を西本幸子(坂口良子)が見ていて・・・。

面接後、誠治は大悦土木に向かい、作業をこなす。

その日、豊川は好意を寄せている大悦土木の事務員・
星野あかり(岡本玲)が弁護士との合コンに出かけることを知る。

アルバイトを終えて帰宅した誠治だが、薬を入れるケースを
買い忘れていたことに気付き、薬局へ。
そこで幸子に声を掛けられる。
「誠治君。こんばんは。」
「・・・こんばんは。」
「探し物?」
「あ、いや、でも・・ないみたいなんで。」
「ねえ、就職、決まった?」
「・・・いや、まだです。」
「そう。どこも大変よね。
 弁護士の世界もね、新人は就職難で、大変みたいなの。
 うちの和彦がいる、大手の事務所でさえね、新人は採用
 していないみたいなの。」
「・・・」
「あ、お母様、お変わりない?
 最近朝のゴミだしで、お見かけしないけど。」
「・・・ええ。変わりないっすよ。」
「お元気なら安心だわ。じゃあね。」
「・・・」

その頃、あかりは弁護士との合コンに参加していた。
あかりの隣りに座っていたのは、西本幸子の息子・和彦(横尾渉)だった。
「どうして弁護士になろうと思ったんですか?」
「親みたいなセコセコした生き方、したくなかったからかな。」
「せこせこ・・」
「不相応な家買って、親父はローン返すためだけに働いてた。
 結局死んじゃってローン返済は免除になったけど。」
「・・へー。」
「正義感から弁護士になったとでも思った?」
「あ・・ちょっと。」
「仕事で重要なのは正義感でなく、クオリティーだよ。」
「クオリティーって何ですか?」
「・・・」
「私バカだから・・」
「いや、可愛いよ。」
二人はワインで乾杯する。

病院
「もし、薬を飲み忘れたらどうなるんですか?」と寿美子。
「飲んだり飲まなかったりすると、お薬の効果が安定せず、
 状態も悪くなってしまいます。」
「・・・入院ですか?」
「ちゃんと飲んでいれば大丈夫ですよ。
 飲み忘れることが、あるんですか?」
「・・・」
「いえ、大丈夫です。僕がちゃんと、確認していますから。」と誠治。
「それでは、ちょっと外で待っていてください。」
看護師が寿美子を外に連れていく。

「顔色、悪いですよ。」
「今日、熱がちょっと。」
「他にお母さんをサポート出来る方、いらっしゃらないんですか?
 お父さんとか。」
「ああ・・・父は、母の病気を、未だに認めてないような人なんで。
 僕がやるしかないんです。」

部屋で履歴書を書く誠治。
部屋の扉がノックされる。
「はい?」
寿美子が部屋に入ってくる。
「薬なんだけど・・・」
「飲んだ?」
「また、わからなくなっちゃって。」
「また薬のケース買ってくるの忘れちゃった。
 これ書いたらすぐ行くからちょっと待ってて。」
「・・・」
「これ書いたらすぐ・・あ・・間違えちゃったじゃねーかよっ。」
「・・・」
「わかった、行こう。」

翌朝
スーツに着替え、部屋を出る誠治。
「面接か。」と誠一。
「ああ。」
「なんだその顔は。自己管理がなってないからそういう顔になるんだ!」
「うるせーな。母さんのこと全部押し付けてくるからだろ。」
「こっちだって色々やってんだ!
 そんなツラでな、面接に行ったって無理だ!」
「這ってでも行ってやるよ。」

面接会場に何とか到着した誠治だったが、
無理がたたり、とうとう倒れてしまう。

ハローワーク
「結局、受けられなかったんですか?面接。」
「はい。」
「そんなお疲れなら、土木のアルバイト考えたほうが
 いいんじゃないんですか?
 日数減らすとか、他のアルバイトに変わるとか。」
「いやでも、そういう簡単な問題でもなくて、
 こっちにも、色々事情があるっていうか。」
「どんな事情が?」
「あ・・いや・・・それはいいですよ、別に。」
「ええ、どうでもいいです。
 どんな事情があろうと、そんなことは通用しませんから。」
「・・・わかってますよ。」

夜、ネットで職探しをする誠治。
そこへ寿美子がやって来た。
「どうした?」
「ハンドクリーム・・どこかな。」
「ないの?じゃあ、これだけ見たら、すぐ下に行くからさ。」
「・・・」
「これ見たらすぐ、下・・・」
「・・・」
「・・・わかった。行こう。」

寿美子の手にクリームを塗りこむ誠治。
不安な表情を浮かべていた寿美子だったが、政治の温かい手に
少し微笑む。

誠治はそれからもアルバイトを続け、面接の準備や寿美子の世話を続けた。
ふらつきながら作業を続ける誠治を見た真奈美は、それを止めようとする。
「誠治。今日はもう上がって。」
「あ?」
「なんか疲れてるみたいだから。」
「大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃないから言ってんの。」
「もうちょっとやらせてくれないかな。」
「やめた方がいい。」
「あのさ・・・俺が大丈夫だって言ってんだから。」
「責任者は私よ。」
「ゼネコンだからっていちいちうるせーな。
 こっちだって色々事情があんだよ!」
「やめて。」
「・・・」
「ねえ!」
「・・・」黙々と作業を続ける誠治。
「やめてって言ったらやめて!!」
「・・・」
真奈美の怒鳴り声に、誠治は作業を続けることを諦める。

大悦土木に戻った真奈美を、山賀亮介(眞島秀和)が注意する。
「現場を監督するはずのお前が、感情的になってどうするんだよ。」
「すみません。」
「・・・もうあの事故のことは忘れろよ。
 五十嵐さんだって、毎月見舞いにこられても困るだけだろ。」
「・・・」
「自分のせいで、五十嵐さんの人生が変わったと思っているのか?
 五十嵐さんはな、誰のせいだとも思っていない。」
「・・・わかってます。」
「だったら、」
「いやなんです。
 忘れるってことは、自分が楽になることみたいで。」
「・・・それは、お前の自己満足に過ぎないんだよ。」
「・・・」

真奈美は以前防げなかった事故を引きずっていて、
だからムキになって誠治を止めようとしたんですね。


帰宅した誠治はポストに二次面接の通知を見つける。
「二次面接・・よっしゃぁ!」

そこへ、隣の家の和彦が帰ってきた。
「あの!
 弁護士さん、ですよね。」
「はい。」
「ちょっと、相談があるんですけど。」
「そういうことでしたら、オフィスのほうで。」
和彦はそう言い名刺を渡す。

和彦からのメールを待つあかり。
「ほらな!メールなんて来うへんやろ?」と哲平。
「弁護士はめちゃくちゃ忙しいんだから!」

H.F.J.法律事務所
「で、ご相談というのは?」と和彦。
「・・・ご近所、トラブルと言いますか。」
「はい。」
「・・・ゴミ、なんですけど。
 あの、ゴミをゴミ出し場に出しても、ゴミを戻す人がいて。」
「・・・」
「あ、別に、その人のことを訴えたいとか、
 そういうことじゃないんですけど。
 ただ、円満に解決する方法はないのかなと思いまして。」
「うちの母のことですか?」
「え・・・ああ・・・。
 すいません。そう・・なんです。
 あ、いやでも、西本さんのことをどうこう言いにきたんじゃなくて、
 ただ、うちの母が、その、ご近所と、上手くいかなくなった
 原因を知りたくて。」
「あの人ならやりかねませんね。暇な人だから。」
「・・・は?」

小学校の母親たちとランチする永田亜矢子(井川 遥)。
「永田さんはいっつも、PTA活動に協力的で助かるわー。」
「いいえ。」と亜矢子。
「院長婦人でお忙しいのに。
 他の病院の院長婦人とのお付き合いもあったりするの?」
「ええ、まあ。」
「1万円のランチとか食べたりする?」
「ないですよ。今はどこの病院も、大変で。」
「知り合いの開業医の奥さんは、年収が2千万円に落ちたって、
 大騒ぎしてたわ。」
「落ちても2千万!悩みのレベルが違うわねー!」
主婦たちの話を笑みを浮かべて聞く亜矢子。
主婦たちが850円のランチを注文すると、1,050円のランチを
考えていた亜矢子もみんなと同じものを注文した。

その日、亜矢子は誠治からの連絡で実家に立ち寄る。
既に誠一も帰ってきていた。
寿美子が2階で裁縫を始めると、誠治は和彦から聞いた話をし始める。
「ここは、建売住宅で売り出したベットタウンだから、
 みんな高いローンを組んで苦労しているわけじゃない?
 でもうちだけはさ、会社借り上げの社宅だから、
 月5万で住んでるでしょ?
 例え持ち家じゃないにしろ、こんだけの家に、そんな安さで
 住んでいたら、ま、面白くないって思うやつは沢山いるわな。
 イジメはそのことから始まったらしい。」
「寿美子もバカなんだよ。
 そんなこと言わなければ誰にもわからないんだから。」
「母さんがそんなこと言うわけないだろ!」
「じゃあ誰がそんなこと言うんだよ。
 お前か!?」
「お母さんじゃなかったらあと一人しかいないじゃない。」と亜矢子。
「じゃあ誰だ。」
「親父が話したんだろ?」
「俺がか?」
「そうだよ。」
「いつ!?」
「引っ越してきたばかりの親睦会で。
 酔いに任せて喋ったんだろ!
 イジメはそのことから始まってんだよ!」
「・・・いや・・理由は何にせよ、大の大人がそんなちっぽけなことで
 イジメなんかするわけない!
 もっと別に他の原因があったはずだ。」

「ふざけんな!」と亜矢子。
「何を!?」
「いい?
 この国の人はね、横並びが大好きなの!
 みんな一緒が大好き!
 人と違えばすぐにはじき出されんの!
 それを家賃が5万だって得意げに話しただ!?
 ついでにこんないい家を社宅として提供してくれる自分の会社の
 自慢でもしたんじゃないの!?
 そんなことを得意げに話す空気の読めなさに
 みんなドン引き!
 一瞬で村八分よ!」
「うるさい!!」
「結局あんたは自分だけが可愛いのよ。」
「あんたとは何だ!」
「お母さんの病気を治すための引越し費用も出さないで、
 家賃5万の社宅にしがみついて!」
「・・・」

「自分の為だけにしか金を使わないなんて最低だよ。」と誠治。
「黙れ!」
「親父はな、母さんの人生すげー悲惨なことにさせてんだぞ。」
「黙れ!!」
「親父と結婚しなきゃ、こんなことにもなんなかったのに。」
「・・・」
「家族も守れない父親はな、結婚する資格も、家庭を持つ資格も
 なかったんだよ!!」
「うるさい!!」
誠一は誠治の頬を叩き、部屋を出ていこうとする。

だが、そこに寿美子が立っていた。
「お母さん・・・」

誠一は黙ったまま二階に駆け上がる。
部屋の前で少し振り返るが、自分の部屋に篭ってしまう。

振り返ったところをみると、
少しは気にしているのかな・・・。


母の手にクリームを塗る誠治。
「母さん。
 もう一人で、抱え込まなくていいんだからね。
 悪いのは全部親父だったんだから。
 しかし、最低だよね。
 なんであいつが悪いのに、母さんが全部我慢しなきゃいけないの?」
「・・・お父さんを責めないで。」
「え?」
「ああいう言い方しか出来ない人だけど・・・
 責めないで。」
「何でだよ。
 だって、悪いのは親父だろ?」
「・・・」
「え・・・俺は、母さんの為に、薬の確認とか、通院とか、
 引越しのお金だって俺必死で・・・」
「・・・」
「何であいつの・・・なんであいつの肩持つんだよ!」
「お父さんを責めないで・・・」
「・・・」

とある会社の一次面接を通った誠治は、二次面接を受けることに
なっていて、大悦土木での仕事後、スーツに着替える。
「これから面接?」真奈美が聞く。
「ああ、そうだけど。」
「じゃあ、就職決まったら教えてもらおうかなー。」
「は?」
「誠治の目標。」
微笑む誠治。
「今まで、お袋の為に頑張ってきたつもりだったけど、
 結局は自己満だったのかもしれねーな。」
「・・・」
「・・ああいや、ほら、今日、二次面接なんだよ。
 一次通ったことなんて初めてだったからさ。
 まあ、最後のチャンスのつもりで、行ってくる。」
「うん。」

「ああ、誠治。」と大悦。
「あ、すみません。お先に失礼します。」
「頑張れよ。」
「はい。」

その時、寿美子から電話が入った。
「はい。」
「薬がないの。」
「ない?」
「どこに置いたかわからなくなったの。」
「わかった。じゃああの、俺が帰るまで待ってて。」
「岡野先生に叱られて、入院になるかも。」
「ならないから待っててよ。俺今日面接なんだわ。」
「入院だけはしたくないの。」
「だから待ってて!」
「入院したら、お父さんは何も出来ないし、
 誠治だって困るし。」
「あのさ、お願いだから、今だけ待っててくんないかな。」
「・・・」
「頼む。」
「・・・」
「頼むから!
 ちょっと・・・今だけ邪魔しないでくれよ。
 ・・・じゃあね。」
「・・・」

「じゃあ・・・行って来ます。」
「・・いってらっしゃい。」と真奈美。
「誠治!」大悦が呼び止める。
「はい。」
「今晩、みんなで飲んでっから。」
「失礼します。」

誠治は、面接の順番を待っている間も、寿美子のことが気になっていた。
家に電話しても寿美子は出なかった。

「人生には、思いも掛けない出来事が降りかかる。」

大悦土木
あかりに、和彦からのメールが届く。
『会いたい』
そのメールに浮かれるあかり。
哲平は複雑な表情を浮かべ・・・。

「逃れたくても、逃れられない出来事が降りかかる。」

面接の順番を待ちながら、誠治は母に言った言葉を思い出していた。
「邪魔・・・」

結局誠治は、面接を受けずに家に戻った。
寿美子が家にいないことを知った誠治は、近所を探しまわるが
見つからなかった。
 
しばらくすると寿美子が戻ってきた。
「お帰り。」
「どこ行ってたの・・・」
「買い物。お店あちこち回って、ようやく見つけたの。」
寿美子は薬を入れるケースを見せる。
「いつも、誠治に頼ってばかりだから。」
「薬は?」
「あった。」
「どこに!?」
「ここに。」エプロンのポケットから薬の袋を取り出す寿美子。
「・・・」
「手伝ってくれる?」
「・・・」
「誠治手伝って。」
「・・・うんざりだよ。
 もう・・・親父や母さんに振り回されるのはうんざりだ。」
「・・・」

誠治は、飲んでいた大悦土木のメンバーと合流し、カラオケボックスに行く。
『津軽海峡冬景色』を熱唱する誠治。
そんな誠治を心配そうに見つめる一同。
「いやぁ、久々楽しいっすわ!」
「大丈夫なの?家。」と真奈美。
「いや、大丈夫大丈夫。
 そりゃ俺だってたまには息抜きしないとさ。
 いや、さっきもいなくなって大騒ぎでさ。
 あ、うちのお袋、あの、うつ病なんですよ。」
「・・・」
「いやあの別に、今すぐどうこうって話じゃないんですけど、
 でも、引っ越そうと思って。
 笑っちゃうかもしれないっすけど、あの、目標、家買う、とか
 思ったりして。
 アホな親父が、余計な事ばかりやって、頼りになんねーし。
 まあ俺がやるしかないんで。
 お袋・・・俺のこと頼ってるんで。
 ・・・俺が・・・俺がやるしかないんで。
 俺しか。
 ・・・もう無理だよ。
 ・・・お袋の面倒見るの・・・もう無理ですわ。」
誠治の瞳から涙があふれ出る。
「もし・・・本当にお袋がいなくなったら・・・
 俺・・・俺は多分・・・
 ほっとすると思う。」
誠治はそう言い、泣き崩れた。
 
帰宅した誠治は、寿美子の様子を伺った。
寿美子は、リビングのソファーに、不安そうな表情で座っていた。
「母さん。
 ハンドクリーム塗ろう。」
誠治は寿美子の横に座り、いつものように彼女の手に
ハンドクリームを塗り始める。

「人生には、思いも掛けない出来事が降りかかる。
 でも、人生は続いていく。」



体力のいるアルバイト、上手くいかない就職活動、
そして、寿美子の世話。
母の為に一生懸命なのに、その母親は誠一を庇うようなことを
言い出す。
母親思いの優しい誠治が追い込まれていくのを見ているのが
辛かったです。

「お父さんを責めないで。」
夫婦にしか理解できない愛がそこにあるのでしょう。

そんな母親に対して言ってしまった
「邪魔。」「うんざりだ。」、
そして、仲間に打ち明けた「ほっとする。」、
色んな意味で胸に来るものがありました。

親が子どもを育てるのは当たり前。
でも、その立場が逆転した時、どうなってしまうのだろう。
何年後、何十年後かに、自分もこのような立場になるのかな。
年老いて、息子に迷惑を掛けながら生きていくのかな。

誠治には溜め込んでいたストレスを吐き出せる仲間がいて
良かった。お酒の力もあるのだろうけれど、こうやって
泣く事が出来て良かった。愚痴れる仲間がいて本当に良かった。

そしてこのシーン、カラオケで演歌熱唱の場面から、
仲間に本心を涙ながらに訴える。
二宮さんの演技が素晴らしかったです。

その後、誠治は何事もなかったかのように、いつもの様に
寿美子の手にクリームを塗ってあげていました。
このシーンが素晴らしかった。
誠治の優しさを言葉でなく動作で説明していました。

小さい頃、いつもしっかりと繋いでいた小さな手。
母と息子はいつからか手を繋がなくなるもの。
そこで、息子が母親の手にクリームを塗る、というシーンに、
上手い、とも思いました。

寿美子にとっての幸せは、多分、誠治が家を買ってくれる
ことではなく、誠治が自立すること、
そして誠一と仲良く暮らしていくことなのかな。
誠一も本心では寿美子を心配しているよう。
寿美子のことを一番わかっているのは誠一で、
誠一のことを一番わかっているのは寿美子。
でも誠一にはもう少し素直になって欲しいです。



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キャスト
武 誠治(二宮和也)
千葉真奈美(香里奈)
永田亜矢子(井川 遥)
豊川哲平(丸山隆平)
手島信二(井上正大)
星野あかり(岡本 玲)
西本和彦(横尾 渉)
島田彰子(玄里)
大悦貞夫(大友康平)
永田則子(鷲尾真知子)
永田文也(七海智哉)
永田智也()
北山 雅彦(児嶋一哉)ハローワーク職員
山賀亮介(眞島秀和)
北山雅彦(児嶋一哉)
岡野忠志(田中壮太郎)
塚本 学(山本龍二)
真田勝也(嶋 大輔)
西本幸子(坂口良子)
西本和彦(横尾渉)
武 誠一(竹中直人)
武 寿美子(浅野温子)

スタッフ
原 作
 有川 浩
 「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)
脚 本
 橋部敦子
音 楽
 高見優
主題歌
 嵐「果てない空」
挿入歌
 西野カナ「君って」
編成企画
 瀧山麻土香
 水野綾子
プロデュース
 橋本芙美
演 出
 河野圭太
 城宝秀則  
制 作
 フジテレビ
 制作著作
 共同テレビ


二宮和也さんの主な出演作品




浅野温子さんの主な出演作品





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フリーター、家を買う。 #04
Excerpt: 『お袋の、面倒みるのもう無理だ…』
Weblog: ぐ〜たらにっき
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