2010年11月22日

フリーター、家を買う。 第5話

『生きてる世界が違うって何だよ・・・』

武誠治(二宮和也)は、大悦土木社長の大悦貞夫(大友康平)や
先輩作業員の真田勝也(嶋大輔)、塚本学(山本龍二)らに、
母・寿美子(浅野温子)のうつ病のことを泣きながら告白した。

翌日、大悦土木。
「すみません、昨日ちょっと飲み過ぎちゃって。」と誠治。
「うちはな、二日酔い出入り禁止なんだよ。
 お前大丈夫だろうな?」
「大丈夫です。」
「ま、大変だろうけど、一人で全部抱え込まないでよ。」と大悦社長。
「あ・・でも俺、あの人には頼りたくないんで。」

昼休み
「そうか。親父さんと上手くいってないのか。」と大悦。
「ああ・・口開いたらケンカばっかりで、
 何でそういう言い方しか出来ないのかなって思って。」
「そういう言い方しか出来ないんじゃねーか?」
「え?」
「特に、家族に対してはな。」

「俺も昨日やっちまったなー。」と真田。
「何をですか?」
「嫁に、俺間違ったビデオ渡しちゃってて。
 絶対に消したくない番組消えてて。」
「逆切れ、したんですか?」
「机・・ひっくり返した。」
「ひっどー。」「奥さん臨月なのに。」
「塚さんだってあるでしょう?」
「嫁によく言われるよ。あんた、肝心なことは何も喋んないって。」
「例えば?」
「四国の現場に2年、一人で行くこと、出発の前日に話した。」
「ひっどー。」
「しかも、一人目が生まれて、1ヵ月後のことだ。」
「俺よりひでーや。」

「誰だってそんなもんだ。
 不器用な人だったら、尚更じゃないか?」とお嗚咽。
「・・・」

そんな中、大悦土木が作り上げた道路が地図に載り、
作業員たちは大喜び。
誠治も嬉しそうに微笑みながら、
「俺らの作った道路やで。」「この道、いつ地図に載るんですか?」
と言っていた作業員たちの言葉を思い出していた。
 
その夜、事務員の星野あかり(岡本玲)は、合コンで知り合った
弁護士・西本和彦(横尾渉)とデートに出かける。
あかりに思いを寄せている豊川哲平(丸山隆平)は、
誰とデートしようとあかりのことは諦めない、と明るかった。

が、西本とデートしたあかりは、そのまま彼と一夜を明かしてしまう。

武家
夕食後、誠治は誠一(竹中直人)に声を掛ける。
「あのさ・・・ちょっと、頼みたいことあるんだ。」
「何だ?」
「俺が遅くなる日とかさ、母さんの、薬・・
 ちゃんと飲んでるかどうか、確かめてほしいんだけど。
 それと・・・」
「まだあるのか?」
「面接の日と、通院日が重なったら、
 ちょっと・・病院に付き添ってもらってもいいかな。
 頼める?」
「それを俺がちゃんとやったら、就職すんのか?
 いつまでも無職じゃな、俺も肩身が狭いんだよ。」
「無職じゃねーだろ。」
「無職だろ!」
「バイトだって働いてんだよ!」
「無職って言うんだよ!」

二人の大声に、寿美子が2階から降りてきた。
「母さんどうした?
 ハンドクリーム塗ろうか?」
「うん。」
誠一は部屋を出ていってしまう。

寿美子にハンドクリームを塗る誠治。
「母さんってさ、親父とどうして結婚したの?」
「・・・」
「いや。・・・いいんだ、別に。」
穏やかな笑みを浮かべる寿美子・・・。

「誰にでも歴史がある。
 歴史があって、今の俺がある。」


寿美子は誠一との思い出を思い出したのでしょうか。
とても温かな笑みでした。


千葉真奈美(香里奈)は、密かに思いを寄せている
山賀亮介(眞島秀和)から食事に誘われる。
「そろそろ、設計部門に来ないかと思ってさ。」
「ありがとうございます。でもまだ早いかなと思うんです。」
「いや。俺の下でやらないかなと思ったんだけど。」
「山賀さんが言ったんじゃないですか。大悦さんのところで修行してこいって。」
「うん。・・・事故を乗り越えるために必要だと思ってたけど、
 かえっていつまでも囚われることになるんじゃないかって。」
「・・・」
「ま、ゆっくり考えて、設計部門の来る気になったら
 いつでも言えよ。」
「ありがとうございます。」
真奈美は山賀の結婚指輪を見つめ・・・。

そんな折、亜矢子(井川遥)が息子の智也(橋本智哉)とともにやってくる。
川原で遊ぶ智也を見ながら、誠治は亜矢子に報告する。
「一応さ、親父のやつ、俺が忙しいときは、
 薬見てくれたりとか、通院の付き添いしてくれるとは
 言ってたけどね。」
「信用しちゃダメだからね。」
「わかってるよ。」
「何やらかすかわからない人なんだから。」
「・・・そういえばさ、お姉ちゃんなんで、文也さんと
 結婚したの?」
「何よ急に。」
「医者だから?」
「智也が出来たから。」
「ああ。
 やっぱり医者の子供を妊娠して、結婚に結びつける
 作戦成功したってわけだ。」
「ふざけるな。
 そういうのは姑と病院のスタッフだけで充分なの。」
「じゃあ何でよ。」
「私はまだ・・文也と結婚を意識してなかったんだよね。
 だから、妊娠した時はどうしようって、一人ですごい悩んだんだから。」
「それで?」
「思い切って文也に話したら、ありがとうって
 すごい喜んでくれたんだ。
 その時初めて、あー、この人と結婚したいなって思ったわけだ。」
「はーーー。」
「あんた、もしかして就職もしてないのに結婚したいわけ?」
「ちょ・・ちげーよ。」
「じゃあ何よ。」
「だから、何で母さんは親父だったのかなーと思ってさ。」
「そうねー。武家最大の謎よね。」

誠治は、亜矢子たちと一緒に買い物をして家に戻った。
すると、寿美子が、頼んでもいない10人前のラーメンが出前され、
困惑していた。
「母さん・・これ、頼んだの?」
「・・・」
「頼んでないの?」
寿美子が頷く。
「じゃあ、どうして?」
「・・・」
「注文してないのにうちから注文があったって言われたの?」と亜矢子。
寿美子が頷く。
「母さんこれ、全部払ったの?」
寿美子が頷く。
「誰かが悪戯したのかな。」と智也。
「・・・」

誠治の部屋
「絶対西本のおばさんよ。」と亜矢子。
「それしか考えられないけどな。」と誠治。
「どうして父さんがいながらこんなことになるのよ!」
「俺は2階にいて色々やってたんだよ。聞こえなかったんだよ!
 大体な、注文してなけりゃ注文してないってはっきり
 言えばいいんだよ!お金だって払う必要なかったんだ!」と誠一。
「そうやって母さんを責めるなよ!」と誠治。
「別に母さんを責めてるわけじゃないよ!
 俺を責めるなよ!
 文句言うんだったら隣の西本に言え!」
「証拠がないのに、そんなこと出来るわけないでしょ!」と亜矢子。
「大体いくら払わされたんだ!」
「そんなことどっちだっていいことでしょ!」
「・・・」

亜矢子と智也が帰ろうとすると、隣人の西本幸子(坂口良子)が
花に水を与えていた。
「・・・亜矢子ちゃん。こんにちは!」
「こんにちは。」
「最近よく来てるのね。」
「はい。
 あ、そうそう聞いてくださいよ。
 注文もしてないのにラーメン10杯も出前されちゃって。」
「注文してないのに?」
「ええ。でもどうしようもないから食べて下さいって、
 ただでラーメン10杯いただいちゃったんです!」
「・・タダで!?」
「美味しかった!すごく得した気分で。」
「そう・・良かったわね。」
「ええ。じゃあ失礼します。」
「気をつけて。」
「はーい。どうもー。」

亜矢子の車を笑顔で見送ったあと、険しい表情を浮かべる幸子だった。

永田家に帰ると、則子(鷲尾真知子)が待っていた。
「お母さん、いらしてたんですか?」
「あちらのお母様が大変なのはわかるけど、
 創立記念日の会食の件、どうなってるの?」
「ちゃんと勧めていますんで。」
「計算外だった?」
「え?」
「あなたはただ医者の妻になれれば良かったんだろうけど、
 楽じゃないでしょ?院長婦人も。」
「・・・」

別の日、あかりは、面接を終えてスーツ姿のまま出勤してきた誠治を
レストランに誘った。
そのレストランは、あかりと西本が合コンをした店だった。
「何で、ここなの?」と誠治。
「和彦さんと、合コンした場所。」
「ああ、弁護士の?」
「ここに来れば、会えるかもしれないと思って。」
「え?会ってないの?」
「・・・」
「あれから1回も?」
「メールしても、返信がない。」
「電話は?」
「出てくれない。」
「え・・・じゃあ・・会って、どうすんの?」
「わかんない。」
「え?」
「わかんないけど、じっとしてられないから。」
「いや、だからって・・・」

ほどなく西本が現れ、合コンをしていたグループと合流した。
誠治は、あかりの相手が、幸子の息子だったことを知って驚く。

誠治は、ショックを受けているあかりに、店を出ようと告げた。
そのとき、西本は誠治に気づき、声を掛けてきた。
「こんばんは。」
「・・・こんばんは。」
「知り合いだったんだ。」
「・・・はい。」
「あ、もしかして付き合ってるの?二人。
 こっちは合コンなんだ。」
「・・・」
「じゃあね、あゆみちゃん。」
悲しそうに立ち去るあかり。

「・・・あかりです。あゆみじゃなくて。」
「あの子似てるんだよ。俺が軽蔑するお袋に。
 自分に何もないから、価値のある夫、価値のある息子を持つ
 ことで、自分の価値を上げようとするところが。」
「・・・」

あかりを追う誠治。
「来ないで。」
「送るよ。」
「来ないで!!」
あかりは泣きながら帰ってしまう。

武家
「ただいま。」
「薬ちゃんと飲ませておいたぞ。」と誠一。
「おぅ。」
「いちいち確認なんかするな。」
「隣の家の息子、あの弁護士の。」
「どうした?」
「あいつがうちの会社の女の子に酷い事したんだ。」
「うちの会社?まるで社員みたいな言い方だな。」
「西本家は最低だ。親も親なら子も子だ、あれ。」
「何だお前、その女性に惚れてんのか?」
「ちげーよ。ふざけんな。」
「お前も気をつけろよ。親も親なら、子も子だって言われないようにな。」
「は?」
「は?じゃないよ。
 この近所じゃ、俺は最低な父親なんだろ。
 この家に、たった5万の家賃で住んでるって言いふらして。」
「茶化すなよ。
 そのせいで母さん苛められてうつ病になったんだろ?
 母さんだって、親父と結婚してなけりゃ、」
「こうならなかった!
 家族も守れない父親に、結婚する資格も、家族を持つ資格もない!
 前に聞いた!」
「茶化すなって。」
「言っとくけどな、俺が結婚してなきゃ、
 お前はこの世に生まれてこなかったんだ!」
「・・・父親が親父だったらな、別に生まれてこなくても
 良かったよ。」
「・・・」

あくる日、あかりは、昨日のことは誰にも言わないでほしい、
と誠治に頼んだ。
 
亜矢子は、夫・文也(七海智哉)とともに、永田病院の創立記念会
食会に出席する。
姑の則子は、病院のスタッフたちを回って挨拶をする亜矢子を
尻目に、ベテランスタッフたちに向かって、
「母親の意識が低いから跡取りの智也がのんびりしていて困る」
と陰口を叩く。

仕事を終えた誠治は、真奈美と一緒に帰路についた。
「ねえ、あのさー、親と仲いい?」誠治が真奈美に聞く。
「うーん。会わない。」
「え?いやほら、休みの日とかさ、実家の方帰ったりするでしょ?」
「ううん。」
「何で?」
「母親の再婚相手と仲良くするの白々しいから。」
「・・・」
「3人でご飯食べるとまるで家族ごっこ。
 義理の父親は、私に理解のある父親を演じ、
 私は義理の父親を慕っているふりをして、
 ケンカもしないし本音も言わない。」
「・・あ・・でも、お父さんとは会うんだろ?」
「会えない。」
「何で?」
「死んじゃったから。」
「・・・いや・・・でもほら・・小3の時に・・
 お父さんと新しい橋、見に行ったって言ってたじゃん。」
「それから10年後、大学の土木課に晴れて入学した年に。」
「・・・ごめん。」
「何が?」
「あいや・・・ファザコンとか言って。」
「ほんと。ふざけんなって感じ!
 人の気も知らないで。
 私も言わせてもらうから。
 ・・・誠治が、羨ましい。」
「・・・ふざけんな。人の気も知らないで。」
誠治の言葉に微笑む真奈美。

スーパーで買い物をするあかり。
その時、あかりの携帯が鳴る。電話は哲平からだった。
「あかりちゃん?俺。今何してんの?」
「メイクしてる。これから和彦さんとデートだから。
 今夜はおしゃれなイタリアンなんだー。」
「一緒一緒!俺もイタリアん。」
哲平の買い物籠にはスパゲッティー。
「ちょっと一緒にしないで。
 哲平さんはどうせコンビニ弁当のスパゲッティーでしょ?」
「プリン付きな。」
「・・・」
自分の買い物籠のスパゲッティーとプリンを見つめるあかり。
「・・・もう、出かけるから切るね。」

別の日、誠治が大悦土木で作業をしていると、妻の体調が
急に悪くなったという真田が慌てた表情で帰宅しようとする。
真田の代わりに残って作業をすることになった誠治は、
誠一に電話して、寿美子に薬を飲ませてほしいと頼んだ。

誠治に頼まれた誠一、帰り道、ワインショップに立ち寄り・・・。
 
武家
夕食後、食器を片付ける寿美子に、誠一が声を掛ける。
「寿美子。薬飲んだか?」
「はい。」
「そうか。
 ・・・なあ。
 ・・・たまにはどうだ?一緒に。」
「・・・」
「気分転換だ。」

ワインをグラスに注ぐ誠一。
「お前も、色々、大変だろうけどな。」
二人は乾杯し、ワイングラスを傾ける。

公園
たこ焼きを食べながら話す誠治と真奈美。
「うちの親父誠一っていうんだけどさ。
 誠一の誠の字っていうのがさ、誠実の誠なんだけど、
 全然誠実の欠片もないっていうか。」
「ふーーーん。
 じゃあ誠治の誠っていうのは、お父さんから貰った名前なんだ。」
「まあそうなんだけど。言うなよそれ、むかつくから。」
「私の分までマヨネーズ掛けないで。」
「掛けないの?」
「当たり前じゃん。」
「掛けるだろ?普通。」
「子供の時は掛けてたけど。」
「どうせ俺はガキだよ。」
「うん、美味しい!」
「うん。」
「・・・本当はお父さん誠治と仲良くしたいんじゃない?」
「うん?」
「男同士でお酒一緒に飲むみたいな。」
「親父と二人で酒飲むなんてあり得ないだろ。
 想像したこともないけど。」
「まあうちの母と娘も仲良くショッピングなんてのも
 あり得ないかな。」
「何で?」
「ほら、一応うちの母新婚みたいだし、
 旦那と一緒にショッピングしたほうが楽しいんじゃない?」
「お母さんの再婚って、反対したの?」
「ううん。どっちでもない。
 母の人生だし。」
「おぉ。なんか、反対っぽいな。」
「ね、今度お父さん誘ってみなよ。」
「無理だろ。そんな誘ったところで、お前なんか熱でもあるのか
 って言われて終わりだよ。話すこともねーしさ。
 そっちこそ誘ってみればいいじゃん。」
「いいよ、私は。」
「だったら俺だっていいよ。」

誠治が帰宅すると、キッチンで寿美子が倒れていた。
寿美子の手首にはナイフで傷つけたらしい傷があった。
「母さん?・・・母さん!
 親父!!おい、親父!!」
「どうした。どうした!」
「何があったんだよ!」
「いや・・。」
「何があったって聞いてんだよ!」
「いやわからんよ!」
「電話!」
「寿美子!寿美子!しっかりしろ、寿美子!」

病院
幸い、寿美子は大事には至らなかった。
寿美子が目を覚ます。
「母さん!」
「ごめんなさい・・。」
「大丈夫ですよ。
 お酒と薬の相互作用で、うつ状態が悪化して、
 一種の意識障害になってしまったようです。」と医師。
「・・・」
「自分を傷つけることで、安心しようとしたのでしょう。」
「ごめんなさい・・・。」
「このまま入院して、様子を見ていきましょう。」
「もう・・大丈夫です。」起き上がろうとする寿美子。
「あ、母さん母さん。
 ね、入院しよう。」
「でも・・・家を開けたら、お父さん困るし、
 誠治も大変だし。」
「大丈夫だから。今は母さん、一番に自分の体のことを考えて。」
「でも・・・」
「そうしてくれるのが、一番安心だから。
 俺も、親父も。」
「・・・」

診察室
「何でワイン飲ませたんだよ!」と誠治。
「お酒がいけないなんて知らなかった。」と誠一。
「それは知ろうとしなかったからだろ。」
「そんなことはない。」
「だったら何で今まで来なかったんだよ。
 何で先生の話聞こうと想わなかったんだよ!」
「そりゃ聞こうと思ったよ。」
「言い訳すんなよ。どんだけ時間があったんだよ。」
「・・・」
「言い訳すんなよ・・」
「先生の前でみっともない!」
「・・・」
「・・・先生、夜分に対応していただき、ありがとうございました。」
「いえ。」
「妻を、よろしくお願いします。」
「はい。」
「失礼します。」
「おい、何してんだよ。おい!逃げんなよ!なあ!」
誠一は誠治が止めるのを聞かずに帰ってしまう。

「お父さん、怖いのかもしれませんね。」
「・・・はい?」
「お母さんのうつ病と向き合い、受け入れるのが。」
「・・・怖い?」
「はい。」
「・・・冗談じゃないっすよ。
 親父は・・・父親なんですよ。
 父親なんですよ・・・。」

翌日
作業中、真奈美が元気のない誠治に声を掛ける。
「誠治、大丈夫?」
「俺がバカだったよ。
 一緒に酒でも飲もうとちょっとでも思った、
 俺がバカだった。」
「お父さん?」
「・・・」

仕事を終えた誠治は、大悦土木の面々と飲みに行く。
珍しくあかりも参加していた。
「デートの予定があったんですけど、彼、急な仕事が
 入っちゃったから。」
「デートの穴埋めか。」と哲平。
「本当は今日は、フレンチに連れていってもらうはずだったから。」
「どうりで、お洒落してると思った。」と哲平。
「でしょ?」
「店構えとか値段とか関係ねーんだよ。
 この店はほっと出来る味があるんだ。
 うめーぞ。」と大悦。
「はぁっ。こういう店もいいかな。たまには。」

哲平が絞ったレモンが、あかりの服に飛んでしまう。
「ちょっと嫌だ!お洒落してきたのに。」

「じゃ、帰れよ!」と手島信二(井上正大)。
「・・・」
「前から思ってたんだけど、僕らを馬鹿にするのも
 大概にしてくれ。」
「え・・」
「弁護士が上で、僕らのことを下の人間だと思っている
 のかもしれないけど。」
「・・ほら、あかりちゃん別にそういうつもりで言ったわけじゃ
 ないと思うから。」と誠治。
「誠治もあかりちゃんと同じだから。」
「・・・」
「誠治も下に見てるだろ?
 今いる場所、誠治にとっては一時的な場所かもしれないけど、
 僕にとってはずっといる場所なんだ。
 バカにするな。」
「・・・」

「自分が良かったら関係ないやん。人にどう思われたって。」と哲平。
「本当にそう思ってんのか?
 あかりちゃん庇いたいだけだろ?」
「関係ないって言ってるやろ!
 さっきからしょうもないことゴチャゴチャ言ってんあよ!」
にらみ合う哲平と手島。

「やめて。一番くだらないのは私なの。
 千葉さんの、言ったとおり。
 私は、あの人の彼女でも何でもなかった。」
「・・・」
「弁護士の彼氏が出来たって、みんなに言いふらして、
 自分が、違う世界の人間になったような気になって。
 でも、遊ばれただけで・・・いい笑い者だよね。」
「・・・」
「馬鹿過ぎて・・・」
「・・・」
「私、頭良くないし、今の仕事もやりたくてやってるわけじゃないし。
 私には、何もない。
 ほんと、くだらない。」
「・・・意味わからん。
 上とか、下とか、違う世界とか!
 あかりちゃんはあかりちゃんで、何があかんねん!
 俺があかりちゃんのこと好きやのに、
 何であかりちゃんは自分のこと好きとちゃうねん!」
「・・・」
「意味わからん・・。がっかりや・・。」
哲平は涙ながらにそう訴え・・。

「上とか下とか、違う世界とか、
 いつから、人と比べるようになったのだろう。
 いつから俺は、比べるようになってしまったんだろう。」


するとそこに真田から電話が入った。
「嫁が・・嫁が・・・緊急手術になっちゃって・・。」

誠治たちは病院に駆け付けた。
「俺のせいだ。
 撮った番組消されて逆切れして・・・
 テーブルひっくり返したから・・。」
「関係ねーって。」と大悦。
「ストレス掛けちまったんだ。絶対。
 もし何かあったら・・・
 何もいらねー。
 ちゃんと生まれてくれば、何もいらねーから。
 頼む・・・頼む!」
必死に祈る真田。

そこにやってきた看護師が、手術の成功を告げる。
生まれたのは男の子で、母子ともに無事だった。
「良かった・・良かった・・」
「しっかりな、お父ちゃん。」と大悦。
「どうぞ。」

赤ん坊を抱く真田。
「母ちゃん。よく頑張ったな!」

「可愛い!」とあかり。
「マサさんそっくり!な?」と哲平。
「ああ。」と手島。
「可愛いお目目がそっくりだ。」
みんな笑顔で赤ん坊を見つめる。

「無事に生まれてくれるだけでいい。
 最初は、それだけを望まれて生まれてくる。
 それだけを望まれて。
 それだけを・・・親に望まれて、生まれてくる。」


あくる日、誠治と亜矢子は、入院中の寿美子を見舞った。
すると、病室には誠一の姿があった。

「ごめんなさい。何日も入院になっちゃって。」と寿美子。
「お前がいけないんだぞ。ワインなんか飲むから。」
「あのワイン・・・プロポーズしてくれた時の。」
「・・・そうだったかな。」
「ありがとう。」
「とにかくもう、ワインなんか飲むな。
 俺のせいにされたらたまったもんじゃない。」
「ごめんなさい。」

「夫婦にも歴史がある。
 家族にも歴史がある。
 歴史があって、今の家族がある。」


永田家
「遅くなりました。」
亜矢子が帰ると、姑の則子は智也の勉強を見ていた。
「しっかり勉強するのよ。」
「はーい。」
「わかっているのかしら。跡取りだってこと。」
「・・・お母さん。
 私が文也さんと結婚したのは、医者だからではありません。
 文也さんと結婚したいと思ったからです。」
「・・・」

母に電話をする真奈美。
「もしもしお母さん?
 うん。元気。
 いや、別に用はないんだけどさ。
 ・・・うん。元気?」

そして誠治は、誠一を飲みに誘おうと思い、誠一の会社近くの駅で
待っていた。
「あのさ親父・・ちょっと、飲みに行こうか、
 違うな・・
 あーーー。親父・・何か美味いもんでも奢ってくんない?
 ・・・違うな。」
練習しながら待っていると、誠一の姿が見えた。
誠一が笑顔を浮かべて手を振っている。
不思議に思いながらも父に歩み寄ろうとした誠治。
ところが、誠一が手を振っていたのは、見知らぬ若い女性で…。


「夫婦にも歴史がある。
 家族にも歴史がある。
 歴史があって、今の家族がある。」

誠治と亜矢子は、父と母にしかわからない夫婦の絆に
気付いたようです。
誠一は本当は寿美子のことをとても心配していて、
思い出のワインで元気付けたかったんですね。

こんな不器用な人が浮気しているとは思えない。
あの女性はやっぱり、誠一の就職関係か、不動産関係か?

亜矢子も姑にきっぱり言うことが出来て良かった。
則子も少しは変わっていくのでしょうか。

「上とか下とか、違う世界とか、
 いつから、人と比べるようになったのだろう。
 いつから俺は、比べるようになってしまったんだろう。」

「無事に生まれてくれるだけでいい。
 最初は、それだけを望まれて生まれてくる。
 それだけを望まれて。
 それだけを・・・親に望まれて、生まれてくる。」

自分が親になった時、子供が生まれた時のことを思い出しました。
最初は子供の無事だけを祈っていて、
でも子供が大きくなるにつれ、周りに置いていかれないよう、
追いつくよう、追い越すよう、願ってしまう。
それも親の愛情なのかもしれないけれど・・・。

子供の人生は子供のもの。
子供がいくつになっても、そのことだけは忘れずにいようと思います。



ランキングに参加中!応援クリックよろしくお願いいたします。
人気blogランキング    TV Drama Ranking


公式HP

4344017226フリーター、家を買う。
有川 浩
幻冬舎 2009-08

by G-Tools



B0044KMYGA果てない空(初回限定盤)(DVD付)
QQ 嵐
ジェイ・ストーム 2010-11-10

by G-Tools



B00409HC8A君って
西野カナ
SE 2010-11-03

by G-Tools



B0045UADW6フリーター、家を買う。 (二宮和也、香里奈 出演) [DVD]


by G-Tools




キャスト
武 誠治(二宮和也)
千葉真奈美(香里奈)
永田亜矢子(井川 遥)
豊川哲平(丸山隆平)
手島信二(井上正大)
星野あかり(岡本 玲)
西本和彦(横尾 渉)
島田彰子(玄里)
大悦貞夫(大友康平)
永田則子(鷲尾真知子)
永田文也(七海智哉)
永田智也()
北山 雅彦(児嶋一哉)ハローワーク職員
山賀亮介(眞島秀和)
北山雅彦(児嶋一哉)
岡野忠志(田中壮太郎)
塚本 学(山本龍二)
真田勝也(嶋 大輔)
西本幸子(坂口良子)
西本和彦(横尾渉)
武 誠一(竹中直人)
武 寿美子(浅野温子)

スタッフ
原 作
 有川 浩
 「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)
脚 本
 橋部敦子
音 楽
 高見優
主題歌
 嵐「果てない空」
挿入歌
 西野カナ「君って」
編成企画
 瀧山麻土香
 水野綾子
プロデュース
 橋本芙美
演 出
 河野圭太
 城宝秀則  
制 作
 フジテレビ
 制作著作
 共同テレビ


二宮和也さんの主な出演作品




浅野温子さんの主な出演作品





この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。