2010年12月13日

フリーター、家を買う。 第8話

『おまえに親父さんの何がわかる?』

千葉真奈美(香里奈)は、入院中の豊川哲平(丸山隆平)のことを
心配していた。
哲平は、見舞いに来た誠治と真奈美の前では明るく振る舞っていた。

お見舞いの帰り道。
「哲平大丈夫かな。
 ほら、ああ見えてこの先のこと不安に思ってるだろうから。」
「ああ。
 ・・・いつからでも再スタートできる。
 って、お袋に、前に言われたことがある。」
誠治(二宮和也)は以前寿美子(浅野温子)に言われた言葉を伝える。
「うん。」

神社のおみくじを引く二人。
真奈美は大吉。誠治は・・・末吉。
「なんか、誠治ってさ・・末吉って感じだよね。」真奈美が笑う。
「は?うっせーよ。
 てか、末吉って何?吉よりいいの??良くないの?これ。」
 
誠治は、引っ越しの費用として、とりあえず100万円貯める
という目標を立てる。目標まであと少し。
大悦土木の社長・大悦貞夫(大友康平)は、そんな誠治に
会社の経費の見直しを依頼する。
誠治は日曜日も出勤し、パソコン一式をそろえ、さっそく
作業に取り掛かった。

寿美子は、病状も落ち着き、自分で薬のチェックもできるように
なっていた。

そんな中、亜矢子(井川遥)の姑・則子(鷲尾真知子)が
突然武家を訪れる。

「今日誠治さんは?出かけていらっしゃるんですか?」
「ええ。」と誠一(竹中直人)。
「就職活動、されているんですよね?」
「ええ、まあ。」
「大変ですわね。」
「ええ、まあ。いや、本人の努力が足りないだけなんですが。」
「智也には、そういう思いさせたくないわ。」
「もちろんです。」
「結婚前に、出来てしまった子とはいえ、
 永田家の跡取りですから。」
「ええ、もちろんです。」
「亜矢子さんなりに、頑張ってくれてはいるんですけどね・・。」
「何か、至らないことがありましたか?」

則子が帰ったあと、誠一は亜矢子に電話をする。
「お母さんがいらっしゃるならいらっしゃると、
 前もって連絡してくれなきゃ困るじゃないか!」
「お母さんそっちに行ったの!?」
「知らなかったのか?」
「どうせ、お母さんに対してムダに下手に出たんでしょう。
 やめてよね、みっともないから。」
「みっともないとは何だ。」
「本当にステータスとか権力に弱いんだから。
 医者の家だろうが、二流商社の家だろうが、どっちも
 変わらないでしょう?」
「二流商社でわるかったな。」
「ほら!そうやって卑屈になるのが悪いって言ってんの。」
「亜矢子。智也の教育に、手を抜いているらしいじゃないか。」
「は!?」
「いいか?亜矢子。お前は、永田家に嫁いだ人間なんだ。
 本来なら、結婚して、子供を授かるのが筋なのに、
 そんなお前を、受け入れてくださったんだ。
 これからは、永田のお母様の言うことを、ちゃんとよく聞いてな、
 ・・・どうした?」
誠一が寿美子の視線に気付くと、寿美子が受話器に手を伸ばし、
電話を変わる。
「亜矢子?
 気にしないでいいからね。」
寿美子はそれだけ言うと、電話を切る。

大悦土木
「これで、経費の見直しもしやすくなると思います。」と誠治。
「おい誠治、お前その作業終わるまでさ、ちょっと、
 それに専念してくれないか?」
「え?」
「いやもちろん、こっちが勝手にお願いするんだから、
 時給は土木と変わらねー、1700円。」
「いいんすか?」
「それからあれだ。家で出来る作業は家でやって、
 作業時間、申告してくれよ。」
「自分で時間、申告するんですか?」
「頼んだぞ。」
「はい!」

誠治が帰宅すると、誠一が無言で睨みつける。
「・・・何?」
「今日、永田のお母さんがいらっしゃった。
 いつまでも就職できないお前のことを、心配してくださった。
 それはつまり、俺が恥をかいたってことだ。」
「・・・」

「お帰り。」と寿美子。
「ただいま。」
「気にしなくていいから。」
「うん。」
「お味噌汁温めるわね。」

誠治は冷蔵庫に貼った薬チェック表を見てみる。
「母さんこれ自分でチェックしたの?」
「・・・いけなかった?」
「いやいや。すごくいいよ。」
寿美子は嬉しそうに微笑んだ。

食事のあと、誠治は亜矢子に電話をする。
「うつ病になっても、やっぱりお母さんはお母さんね。
 いつでも私や誠治のこと思ってくれてる。」
「うん。」
「あ、ちゃんと薬は飲んでる?」
「ああ、飲んでるよ。なんか今日は、自分で薬のチェック
 してたし、調子いいみたい。」
「すごく落ち着いてるみたいね。」
「あ、あとさ、100万貯まったらやっぱ引っ越そうと思って。
 もうちょっとで貯まるし。」
「ほんと?あんたにしてはやるじゃない。」
「ウルセー。
 じゃあね。」

「先の見えない毎日から、抜け出せる日がきっと来る。
 母さんに、本当の笑顔が戻る日が、いつかきっと来る。」


西本幸子(坂口良子)は訪問販売員の相沢(ムロツヨシ)に
ある場所に連れていかれる。
表札を受け取った際、幸子の背後に霊が見えるという霊能力者に
水晶玉を買うよう勧められ・・・。

永田家
「お母さん、体調が優れないとは聞いていたけど、
 まさかうつ病だったなんて。」と則子。
「すみません。ちゃんと話しておかなくて。」と亜矢子。
「そりゃうつ病となったら、隠したい気持ちもわかるけど。」
「隠す?」
「そうでしょう?だってうつ病よ。
 お父さんも大変ね。
 お母さんはあんな状態だし、誠治さんは就職が決まらないし。」
「うつ病になろうと、母は、私にとっては理想の母親です。
 いつだって、自分の子供を信じてる。
 私もそんな母親になりたいと思ってます。
 智也が医者になりたいと言えばそれでいい。
 なりたくないと言うなら、ならせません。」
「亜矢子さん!あなた何を言っているのかわかってるの?
 この永田家というのはね、」
「医者の家医者の家って仰いますけど、その医者の家の人間である
 お母さんが、うつ病に偏見を持ってる。
 医者の家の人間として、失格だと思います。」
「・・・失格?」

武家
自宅で経費の見直し作業をしていた誠治の元へ、誠一がやって来る。
「何やってるんだ?」
「何だっていいだろ。」
「やっぱり別のバイト始めたのか。」
「ちげーよ。」
「じゃあ何だ。」
「いいだろ、別に。」
「言えないことなのか?」
「そんなんじゃなけどさ。」
「じゃあ何だ。」
「だから、いつも世話になっている人がちょっと困ってたから、
 手助けになればいいなと思ってやってるだけだよ。」
「お前に、困ってる人を助ける余裕があんのか?」
「とにかくさ、今ちょっとやってっから黙っててくんないかな。」
「あのな、」
「何?ね、そんなに俺のこと信用できないの?」
「信用してもらいたかったら、それだけのことやってみせろ。」
「やってるよ!
 俺のこと信用してくれる人だっているんだからさ。」
誠治の言葉に誠一は鼻で笑う。
「これだってな、大悦土木の職長に任されてやってんだよ!
 作業だって家に持って帰ってやっていいって、
 その時間だって自己申告でいいって言われてんだからさ。」
「それは、信用されてるわけじゃないよ!
 そういうアバウトな会社なんだよ!
「・・・」
「下請けレベルの会社じゃ、よくあることなんだよ!」
「・・・そんなんだから部下にも見下されるんだろうよ。」
「・・・何だと?」
「俺知ってんだからね。
 親父、経理部長だかなんだか知らないけどさ、
 ただ出てきた書類にハンコ押してるだけなんだろ?」
「・・・」
「そんなんだから、誰にも頼りにされなくなるんだろうよ。」
「・・・」
「うちの職長とは大違いだよ。」
「・・・」
誠一は無言で部屋を出ていく。

あくる日、仕事を終えた誠治は、仲間たちと飲みに行く。
その席で、誠治は誠一のことを愚痴り始める。
「昨日も普通に喋ってたら、すぐ言い合いになっちゃって。
 すっげー頭にきて。
 多分本当だったらそんなこと親父に言っちゃいけないんだろうけど、
 言っちゃって。」
「何言ったの?」
「いや、たまたまさ、知ったんだけど、
 うちの親父経理部長なんですけど、部下から、頼りにされてないわ
 バカにされてるわでさ。」
「それ言っちゃったの?」
「ああ。だからガツンと言ってやったんですよ。
 うちの職長とは、大違いだって。」
黙って聞いていた大悦が、誠治にビールをぶっ掛ける。
「何様のつもりだ!」
「・・・」
「お前にとっちゃ、どんなに厄介な親父さんでも、
 親父さんいなけりゃ、お前この世に生まれてくること
 なかったんだぞ。」
「・・・」
「親父さんが会社で、本当にお前が言ったとおりだとしても、
 毎日会社行ってんだろ?
 どんなに居心地悪くてもよ、毎日毎日会社行ってんだろ?
 家族の為によ。
 親父さん言い負かして、勝ち誇ってんじゃねーよ!」
「・・・」
「謝れ。」
「・・すみません。」
「俺に謝ってどうすんだよ。」
「あ・・すみません。」
「親子だったら、言っちゃいけねーことがあるんだ。」
「・・・」

きちんと叱ってくれる大悦、素敵な大人ですね。

誠治が帰宅すると、誠一は一人ビールを飲んでいた。
「・・ただいま。」
「・・・」
「お母さんは?」
「風呂に入ってる。」
「・・・あのさ。」
「・・なんだ。」
「あれ・・いや・・
 親父は・・なんで今の会社に就職しようと思ったの?」
「・・・一流商社に入れなかったからな。」
「なんで、商社だったの?」
「・・・企画力、開発力で、勝負が出来る仕事がしたかった。」
「・・・なんか意外だな。」
「一生経理の仕事で終わりそうだからな。」
誠一が席を立つ。
「あ、あのさ。・・・ごめん。
 昨日、あんなこと言って・・・ごめん。」
「・・・」
誠一は静かに二階へ上がっていった。

翌朝、大悦土木
「おはようございます。」
「お、おはよう。」と大悦。
「あの、職長。昨日は、すみませんでした。」
大悦が笑う。
「あの、親父にも、謝ったんですけど・・」
「けど?」
「何も言わなくて。」
「照れてんだよ。
 いいか?中年親父ってのは素直になれない。
 これは、昔っから決まってんだよ。
 誠治。お前が頼ってやれよ。
 親父ってのはな、それが一番嬉しいんだよ。」

ハローワーク
「この会社、受けてみようかと思うんです。」
「医療機器メーカー?どうしたんですか?急に。」
「いや、ちょっと、興味を引かれまして。」
「うん、どんなところに?」
「いや別にそれはいいじゃないですか。」
「あーでもこれ500人規模の会社ですね。
 武さんにはちょっとハードルが高いんじゃないですかね。」
「でも、受けてみたいんで。」
「ま、思いつきでも何でも、チャレンジするのは悪くないですからね。
 応募するのは誰でも出来ますから。」
「・・・」

土手に座り、夕陽を見つめながら、誠治は大悦に
父親に頼ってやれと言われたことを考え・・・。

翌朝
「あのさ。ちょっと親父に頼みたいことがあるんだ。」
「何だ?」
「就職、のことなんだけど。」
「また誰かに、就職先頼んでくれとか言うんじゃないだろうな。」
「そういうことじゃ、なくてさ。
 その、就職が上手くくために、アドバイス・・もらえないかな。」
「・・・ご馳走様でした。」
「ダメかな。」
「・・・仕方ないやつだな。」
誠一の答えに、寿美子は微笑み、誠治に頷く。

西本家
テレビを見ていた幸子は、主婦が印鑑、表札、水晶玉など
合計200万騙された、と訴えるのを見て、自分も詐欺に
あったことに初めて気付く。

息子の和彦が突然帰宅し、慌てて水晶などを隠す幸子。
「和彦・・」
「高校のクラス会のハガキ、来てなかった?」
「ああ、あるわ。ここ。はい。」
「最近ほんと多いな。こういうの信じちゃうバカ。」
「・・・」

西本家に相沢が訪れる。
「こんにちは。」
「・・・」
「今日は更にお勧めなものをお持ちしたんです。」
「お帰り下さい。」
「ご覧になるだけでも結構ですから。」
「弁護士の息子を呼びますよ。」
「・・・」
「もう騙されませんから!
 本当に呼びますよ、弁護士の息子を!」
「呼べるんですか?」
「・・・え?」
「これまでのこと息子さんに知れたら、
 今まで以上に軽蔑されるんじゃないですかね。」
「・・・とにかく帰って下さい。帰って下さい!!」
相沢を追い出すと、幸子はその場に泣き崩れ・・・。

仕事帰りの誠一と真奈美。
「あれからお父さんとどう?」
「おぅ。まあまあ。就職活動のアドバイス、頼んでおいたよ。
 最初は、そんなこと親父には絶対言えねーって思ってたんだけど、
 まあ、言ってみたらさ、たいしたことなかったっつーか、
 親父も、引き受けてくれるみたいだしさ。
 思い切って言って良かったよ。」
「・・・」
「どうかした?」
「・・・付き合ってほしいとこがあるんだけど。」

居酒屋で話す大悦と山賀。
「真奈美のことでは、ご迷惑をお掛けしました。」
「いや、前の事故のこともあるから、ちょっと心配したけど。」
「はい。今でもまだ引きずっていると思います。」
「あとはもう、千葉の問題だからな。
 とにかく、今回戻ってきてくれて良かった。」

住宅街を歩く誠治と真奈美。
「私の現場で事故を起こした人。
 五十嵐さんっていうの。
 足を悪くして、土木の仕事出来なくなった。」
「みんなから聞いたよ。
 でもそれは、指示を無視して、現場で事故を起こしたって。」
「・・・」

アパートから五十嵐(でんでん)が出てくる。
「なんだいあんた。また来たと。」
「・・・今日で最後にします。」
「・・・」
「今まで、自分を責めてきました。
 あの日五十嵐さんに、もっと強く作業を中止するよう
 言うべきだったって。
 事故のこと忘れちゃいけないと思って、
 五十嵐さんのところへ来ることで、事故に向き合っている
 つもりでいました。
 本当は自己満足だったって気付いても、止められなくて、
 吹っ切ろうとしても、なかなか出来なくて。」
「・・・あの事故がなかったことにするっち、
 それは出来んばい。」
「・・・」
「あれで家族はバラバラになるし、わしの人生狂ってしまうし、
 それを吹っ切るっていうのは一生出来んばい。」
「・・・」
「ばってん、出来ん出来ん言うて腐っとっても、
 しょうがないったい。
 そしたらさ、田舎に放っぽりだした、かかぁから、
 あんたの足でも出来る仕事見つけたけん、
 帰ってきんしゃいっていって電話があったたい。」
「・・・」
「しょうがないから帰ってやることにした。
 だからもう、あんたも来なんな。
 自分ば、責めるのももう、やめんしゃい。」
そう言い立ち去る五十嵐に、真奈美は深く頭を下げ・・・。

「先の見えない毎日から、
 抜け出せる日がきっと来る。
 母さんに、本当の笑顔が戻る日が、
 いつかきっと・・・来る。」


その夜、誠一が誠治の部屋にやって来る。
「俺今なら時間あるぞ。」
「え・・」
「就職活動の相談に乗ってもらいたいと言ったのはどこのどいつだ。」
「あ・・いやあの・・俺も今丁度、頼もうとしてた。
 お願いします。」
「邪魔するぞ。
 応募先に出した履歴書、突き返されたんだろ?
 あるんだったら見せてみろ。」
誠治が履歴書を見せる。
「ふん。話にならん。」
「え?」
「字に全く気合が入ってない。」
「気合って。字が下手なだけでしょ?」
「字が下手でも、一生懸命書こうとする気持ちがあるかないかを
 見抜かれるんだよ。
 お前の字は、やっつけで書いてるとしか思えない!」
「そんなん字だけじゃわかんないでしょ。」
「履歴書に目を通された時に、どれだけ、相手の意識に
 残るか努力する。
 そこでまず一番に基本なのが、字だ。
 お前の字は、見ただけでふるい落とされる!」
「・・・」
「それと、この履歴書、何度も使いまわしてるだろ。」
「何でわかるの?」
「封筒に何度も出し入れしてるこの折り目、
 紙の、この端の擦り切れ方ですぐわかるんだよ!
 応募内容も、どこに出しても無難なことしか書いてない。
 こんな履歴書じゃ、応募先に、ゴミを持ち込んでいるようなものだ。」
「ゴミ!?」
「何度も突き返された履歴書を、使いまわして、
 何が就職活動だ!聞いて呆れる!」
誠一は誠治の履歴書をビリビリに破いてしまう。

それから誠治は何通も履歴書を書き直す。
「気合って何だよ・・。」

そして、書き直した履歴書を誠一に見せる。
「気合入れて書いてきたけど。」
「・・・まあいいだろう。」
「ふーっ。」
「問題は面接だ。
 前の会社を、3ヶ月でやめたことは、どう説明している?」
「えっとそれは、最初の新人研修の時が物凄い変で、
 それで会社になじめなかったって。」
「一つ鉄則を教えてやる。
 前の会社の悪口は、絶対に言うな。
 人事というものは、言い訳を一番嫌い。
 甘ったれた若造の分際で、業績を上げて、経営が成り立っている
 会社の批判など、100年早い!」
「じゃあ何て言うの?」
「社風に、なじめないところもありましたが、
 私の我慢が足りませんでした。
 今ではもっと、自分に、努力と忍耐が必要だったと、
 深く反省しています。」
「もう一回最初から言って。」
誠一の言葉をメモする誠治。
「いいか?丸暗記したことをただ言うだけじゃダメだぞ。」
「わかってる。」
「言葉に、自分の思いを乗せるんだ。」

寿美子は、そんなふたりの姿を笑顔で見つめていた。

朝、面接に出かける誠治のネクタイを直す寿美子。
そんな二人を幸子は憎々しげに見つめていて・・・。
 
誠治は、医療機器メーカー・ナミキ医療技研の面接試験を受ける。
「最初の会社を3ヶ月で辞めたのは、何故ですか?」
「社風に、なじめなかったところもありますが、
 自分の我慢が、足りなかったんだと思います。
 今ではもっと自分に、努力や忍耐が必要だったと、
 深く反省しています。」
「そのあとは、一年以上アルバイトばかりですが、
 再就職は考えなかったのですか?」
「もちろん、再就職しようという考えはありましたし、
 活動もしていました。
 ですが、なかなか決まらず、家に生活費を入れることを考え、
 アルバイトをしていました。」
「今やっておられる、工事のアルバイト。体力的にもきつい
 アルバイトだと思いますが、これが続いているのは何故ですか?」
「それは・・・
 その頃から、母が、うつ病になりました。
 母は、家族に心配させないように、その問題を一人で抱え込み、
 そういう状態になりました。
 情けない話ですが、そういうことになって、初めて、自分が、
 どれだけ甘い考えをしているのか、思い知りました。
 自分の食い扶ちも稼げない上に。
 その時に、時給がいいバイトということで、工事のバイトを
 始めました。」
「そうですか。それでは、」
「最初は、こんな所なんて思ってたんですけど。
 何ていうのかな。
 前の職場では、人間関係が、表面的っていうか。
 例えば、上司の機嫌を伺ったり、同期とは、本音を見せ合うことも
 出来なかったり、飲み会とかも、本当に苦痛で。
 でも今は、みんなと、心の底から、笑い合えたり。
 本気で、怒ってくれる人がいたり。
 挫折しそうになった時も、みんなで力をあわせたり。
 自分も必死になってて。
 何ていうか、自分でも、こんなに熱くなれたりするんだなって。
 あ、すみません。質問の答えになっているでしょうか。」

その日の夜
「今日どうだった?」と誠一。
「・・・」
「面接だったんだろ?」
「・・・」
「ちゃんと自分の言葉で喋れたのか?」
「喋れたけど。」
「けど何だ?勢い余って、脱線したか。」
「・・・」
「はぁ・・。」

西本家
「驚きましたよ。
 まさか、西本さんからお電話いただけるなんて。」と相沢。
「たとえインチキでも、そういうもので、心が救われる人が、
 いるんじゃないかって、思いまして。」と幸子。

寿美子が買い物から帰宅すると、相沢が声を掛ける。
「こんにちは。」
「・・・」
「どうも、はじめまして。
 幸せな人生が送れるようお手伝いさせてもらっている者ですが、
 何か、問題を抱えてはいらっしゃいませんか?」
「・・・」
「それが原因でご家族に迷惑をかけたりはしていませんか?」
「・・・」

誠治が帰宅する。
「おい誠治。お前が、面接受けた会社だろ?」
テーブルの上には、ナミキ医療技研からの通知。
「開けないのか?俺が開けてやろうか?」
「いやいい。自分でやるから。
 ・・・」
「どうだ?」
「・・・」
「ダメか。」
誠治が誠一に手紙を渡す。
『一次面接合格と決定致しました』
一瞬、嬉しそうに微笑みむ誠一。
「・・・たかが、一次面接に通っただけだ。
 合格しなければ何の意味もない。」
「うるっせーな。わかってるよ。」
誠治が二階に駆け上がると、誠一は小さくガッツポーズをした。

お父さん、可愛いなぁ。嬉しかったんですね!

誠治は真奈美に電話をする。
「あ、もしもし。誠治だけど。
 あの、一次面接受かってさ。
 ちょっとなんか嬉しくなっちゃって。誰かに言いたくてさ。」
「へー!でもまだ一次でしょ?」
「あ、あのさ、おめでとうとか言えないの?」
「今度の給料日にお祝いしよ。一次面接合格の。」
「お、お祝いしてくれんのか?」
「誠治のおごり。」
「え・・なんで俺が奢らなきゃいけないんだよ。」
 
給料日がやってきた。目標の100万円に到達し、大喜びする誠治。
真田勝也(嶋大輔)や塚本学(山本龍二)、手島信二(井上正大)ら
大悦土木の仲間たちも、自分ことのように喜び、誠治を祝福した。

「先の見えない毎日から抜け出せる日が、
 きっと来る。
 母さんに、本当の笑顔が戻る日が、
 いつかきっと。」


同じころ、武家には、訪問販売員の相沢が訪れていた。
幸子のときと同じように高額の印鑑を売りつけていた。
「これで、あなたの抱えている問題が、きっといい方向に
 向かうと思いますよ。」
寿美子は相沢にお金を差し出し・・・。
 
その夜、誠治は、真奈美と飲みに行く。
帰り道、酔った真奈美は、山賀亮介(眞島秀和)にふられたことを
誠治に告白すると、道端のベンチで眠りそうになりながら、
「辞めんなよ、誠治」とつぶやき…。


誠治の就職活動を通し、父と子の距離が少しずつ
縮まっていくのが嬉しかった。
お互い照れくさそうに歩み寄っていく。
誠一のガッツポーズが嬉しかったなぁ。
息子の力になれたこと、息子が一歩前進したことが
本当に嬉しかったんでしょうね。

幸子は酷い!酷すぎる!
寿美子に悪徳セールスマンを紹介するなんて。

せっかく貯めた誠治の100万円は、詐欺師の手に渡ってしまうのか?
でもきっと、武家はもう引越ししなくてももう大丈夫。
家族の絆を取り戻せた事が、寿美子には一番の薬となるはず。



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キャスト
武 誠治(二宮和也)
千葉真奈美(香里奈)
永田亜矢子(井川 遥)
豊川哲平(丸山隆平)
手島信二(井上正大)
星野あかり(岡本 玲)
西本和彦(横尾 渉)
島田彰子(玄里)
大悦貞夫(大友康平)
永田則子(鷲尾真知子)
永田文也(七海智哉)
永田智也(橋本智哉)
北山 雅彦(児嶋一哉)ハローワーク職員
山賀亮介(眞島秀和)
北山雅彦(児嶋一哉)
岡野忠志(田中壮太郎)
塚本 学(山本龍二)
真田勝也(嶋 大輔)
西本幸子(坂口良子)
西本和彦(横尾渉)
武 誠一(竹中直人)
武 寿美子(浅野温子)

スタッフ
原 作
 有川 浩
 「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)
脚 本
 橋部敦子
音 楽
 高見優
主題歌
 嵐「果てない空」
挿入歌
 西野カナ「君って」
編成企画
 瀧山麻土香
 水野綾子
プロデュース
 橋本芙美
演 出
 河野圭太
 城宝秀則  
制 作
 フジテレビ
 制作著作
 共同テレビ


二宮和也さんの主な出演作品




浅野温子さんの主な出演作品





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Posted by 藍色 at 2010年12月17日 19:12
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