2011年01月10日

任侠ヘルパー スペシャル

夏のある日。
若い女性相手に楽しそうに電話で話す袴田静枝、78歳。
相手の女性・ミクは、ペンを右手でくるくる回し、静枝の登録情報を見ながら、
話に付き合う。
登録情報には電話があった日、時間、料金、対応者、話の内容などが記録されており、
静枝はこの『安心ふれあいコール』というサービスを週に3、4回利用。
ほとんどミクが担当していた。
「あ、静枝さん、ごめんね。時間になっちゃった。」
「もう時間?・・そう。いつもあっという間ね。
 ねえミクちゃん。明日も電話してもいい?」
「もちろんですよ。
 ・・あ、そういえば静枝さん、今月分のお支払いがまだでしたね。」
「はいはい、・・今から郵便局に行ってくるから。
 おいくら?」
「今月は、合計で19万2千円になります。」
「・・そう・・ねえ。随分お話させてもらったのね。」
「入金が確認できれば、また明日もお話できますからね。
 ご利用ありがとうございました。ミクが承りました。」

電話が切れると、静枝はゆっくりと椅子から立ち上がろうとする。
「通帳・・・通帳・・・」
静枝はそのまま倒れてしまい・・・。

一週間後
営業停止となっていた老人介護施設『タイヨウ』もをはじめ、元構成員だった
黒沢五郎(五十嵐隼士)や美空晴菜(仲里依紗)たちヘルパーを中心に
再開の日を迎えていた。
営業停止から1年。今までの利用者は既にほかの施設が決まっており、
五郎、晴菜はタイヨウのビラを配って回っていた。
「そんなに強く勧誘しなくていいからね。
 まずは再開のお知らせと、いつでも待ってますと、
 ぜひ。」と園崎康弘(大杉漣)。
「そうそう。
 そういえば、そういうのって男女の関係と同じだね。」とベテランヘルパー
松原浩美(橘ユキコ)。
「え?」
「任してくれよ!俺そういうの得意だから。」と五郎。
「いや・・そうでもないと思うけど。」と晴菜。
「え!?」
「じゃ、行ってきまーす!」
「行ってらっしゃーい!」
「晴菜ちゃん!ね、俺そんあしつこい!?ね!!」

「アハハ。・・・男女の関係って・・・。」と園崎。

相変わらずな五郎と晴菜。
園崎とベテランヘルパーさんもいい雰囲気!?


五郎たちは、静枝の住む団地を訪れる。
静枝も以前タイヨウを利用していたのだ。

静枝の部屋
ハエが飛び交う部屋の中、静枝は息絶えていて・・・。

シャッターの降りた店が並ぶかもめ通り商店街。
ラーメン屋の隣のゲームセンターで、クレーンゲームをして遊ぶ子供たち。
クレーンは人形をつかみ、持ち上げるが、ゴールの前に落ちてしまう。
「絶対おかしいよ、これ!」
「そうだよ!仕掛けでもあるんじゃねーの?」
子供たちが文句を言いながら機械を叩く。
すると、店の奥から翼彦一(草g剛)が出てくる。
「おい!ガキども!
 テメーら俺がいかさましてるとでも言いたいのか?」
「・・・違います。」
「だったらもうちっと楽しそうにして遊べ。」
「・・・」
「わかったか。」
「・・はい。」

一番左の男の子の、彦一に怯えながらも反抗的な表情がいい!

「アニキ、お待たせ!重りつけ終わりまし、」
奥の部屋から出てきた涼太(加藤清史郎)のほっぺをあわてて掴む彦一。

でた!ほっぺムギュっ。
視聴者が好きなシーン、スタッフはちゃんとわかっていますね。


「いかさま・・」と少年たち。

「バカヤロウおめー。出てくんじゃねーよ。」
「ごめんなさい・・」

「・・・サービスだ。」
少年3人に景品のぬいぐるみを差し出す彦一。
少年たちは、受け取ったぬいぐるみの中に石を発見。
「おい!」と少年たち。
「なんか文句あんのかコラ!あ?」

「任侠道。
 弱きを助け強きをくじき、
 命を捨ててでも義理人情を貫く。
 俺はそんな、本物の極道になりたかった。


キャストの名前が流れるバックに、彦一大立ち回りのシーン。
普段はとても穏やかな草なぎさんの、鬼の形相。
この役が本当にハマっています。


「けど・・・こんなことは・・・」

極道の世界から足を洗った翼一は『ラーメン道草』店長・米長敏夫(北村総一朗)に
隣の店舗を借り、このゲームセンターで生活していた。
店のシャッターを下ろしていると、米長が声をかける。
「おい。今から行くのかい?今日は早いな。」
「客もいねーしな。」
「お互い様だ。
 お!涼太君。今日も遊びにきたのか?」
「うん!」
「そうかそうか。はい。」
米長が手のひらに乗せた飴玉を見せると、涼太はUFOキャッチャーのように
「トゥットゥットゥットゥットゥー♪」
と歌いながら、手をクレーンのようにして飴をつかむ。
「ありがとう、おじいちゃん!」
「今度はな飯食っていけよ。」
「うん!」
「今度来るときまでに店がありゃいいけどな。」と彦一。
「バカヤロウ。つまんないこと言ってないで早く行けよ。」
「うるせーよ。」
「おじいちゃん、バイバイ!」
「母ちゃんによろしくな!」

ポケットに手を突っ込んで歩く二人の後姿がそっくり。

彦一は涼太と共に、若年性アルツハイマーと闘病中の羽鳥晶(夏川結衣)を
見舞いに行く日々を送っていた。
館山行きのバスを途中で降りると、緑色のシャツを着た人々がお年寄りにチラシを
配っていた。

「アニキー。」
「あ?」
「今日はママ、覚えてるかなー。」
「さあな。そんなんどうでもいいだろ。」

「絆の制度化を目指す市民の会です。」
米長さなえ(ミムラ)がチラシを渡そうとすると、彦一は右手を挙げそれを遮る。
後ろを歩く涼太も彦一の真似をする。

その頃晶は部屋で主治医・竹村(岩松了)と一緒に脳を刺激する体操をしていた。
ドアをノックする音。
「どうぞ。」
晶の声に、涼太と彦一がドアを開ける。
二人の顔を見つめる晶。
「涼太!」
「・・・」嬉しそうに彦一を見つめる涼太。
彦一が涼太のランドセルを押すと、涼太は晶に飛びつく。
「ママー!」
「お帰り。」
「ただいま!」

庭でだるまさんが転んだ、をして遊ぶ晶と涼太。
そんな二人を見つめながら、竹村が彦一に言う。
「正直驚いています。これほどまでに状態が安定するとは。
 記憶障害は、今後も続くでしょうが、コミニュケーションを取れる時間が
 あれば、ご家族にも、励みになるかと。
 一番の要因は、彼女の精神力の強さでしょうね。」
「だてに社長をやってなかったってことだよ。」
「すみません、たばこは・・。」
「わかってるよ。」
咥えたタバコを箱に戻す彦一。
「彼女には、強い思いがあるんです。」
「思い?」
「強い思いを持つことは、認知症治療には、とても大事なことです。」
「・・・」
「彼女が頑張れるのは、たぶん、あなたのおかげです。」
「俺が?」
「彼女いつも言うんです。あなたを、その・・まっとうな道、」
「あ?」
「・・・普通の道を進ませてあげたいって。」
「・・・」
「すみません。立ち入ったことを。
 ですが、その思いが、彼女に力を与えているんだと思いますよ。」
「・・・」

晶と涼太が楽しそうに体操するのを見つめる彦一。
「やってみる?」晶が微笑みかける。
「バカヤロウ。タバコ吸ってくるわ。」
施設の外に向かいながら、彦一は少し微笑みながらつぶやく。
「普通の道かよ。」

静枝の部屋
異臭のこもった部屋を、親戚(蛭子能収)立会いのもと業者が片づける。
「しっかし手際が良すぎじゃねーか?
 1週間も放っとかれたのに、発見されてからすぐ業者が引き取りに
 来るなんて。まるで死ぬのがわかってたみたいだな。」と五郎。
「ちょっと!」晴菜がたしなめる。

「全部、叔母が自分で予約しておいたんですよ。」
「ええ。遺品の整理だけでなく、団地の契約解除や仮想の手続き、
 無縁墓地の契約まで全部です。
 まあ、本人が気を使ったんでしょう。周囲に迷惑掛けないように。」
「あの・・差し出がましいことですが、」
 遺骨を引き取ってもらうことは出来ませんか?
 無縁墓地じゃ、静枝さんがかわいそうです。」と園崎。
「苗字も違うし。
 まあ本人が決めたことですから。」

「何だよあいつ本当に親戚かよ!」と五郎。
「ちょっと、いいから。」と晴菜。
部屋を見渡していた園崎は、一枚のちらしを見つける。
「安心ふれあいコール・・・。
 典型的な・・・孤独死ですね。」
園崎たちは、静枝が亡くなっていた場所に向かい手を合わせ・・・。

団地を歩いていた男・立花良平(ベンガル) が、落ちていた『安心ふれあいコール』の
ちらしを拾い・・・。

タイヨウ
「一人暮らしの、老人専門サービス?」と晴菜。
「そうです。
 静枝さんみたいな独居老人をこれ以上出してはいけないと思うんです。
 施設にも通えず、家族も友人もいない方を限定して、
 サービスを提供するんです。
 コミニュケーションを、電話だけで済ませるのではなくて、
 ちゃんと、面と向かって、」と園崎。
「いや、だけど、人手も予算も足りないし。」と浩美。

「その点はご心配なく。
 六車ケアマネージメントがサポートしますので。」
隼會・六車組 元組長・六車雅人(夕輝壽太)が事務所にやってくる。
「うわぁあ!」
「インテリ!てめー久しぶりじゃねーか!」
六車の肩を嬉しそうに思い切りたたく五郎。
「新しいサービスのことを相談したくて、連絡したんです。」と園崎。
「さっそくですが、ご紹介したい方を、お連れしました。」と六車。

「失礼します。
 絆の制度化を目指す会、米長と申します。」
米長さなえ(ミムラ)が園崎に名刺を渡す。
「園崎です。」
「米長さんは、孤独死、無縁社会の専門家です。
 今回の試みに賛同していただきました。」と弥生(中別府葵)。
「よろしくお願いします。」

「さなえさんですか。素敵な名前ですね。ひらがなで。」と五郎。
その言葉に晴菜はむっとし、五郎を蹴る。
「いてっ!!」

その頃、同じように蹴り飛ばされていえたのが、隼會・二本橋興業 組長・二本橋賢吾(宇梶剛士)。
蹴った相手・鷲尾組に土下座して謝る二本橋。
「お望みならば・・」
「いらねーんだよ、テメーの指なんかよ。
 金だよ金。」

そこへ、隼会若頭・四方木りこ(黒木メイサ)らが到着する。
罵声が飛び交う中、りこと鷲尾がにらみ合う。
「静かにしろ!」と久米武雄(田中哲司)。
「どういうことだよ、これは。」とりこ。
「どうもこうもありませんよ。
 二本橋さんとこの若いのが、うちのシマ内でシノギかけてたんですけどね。
 どういうことなんですかね。」
「本当か?」
「でもこのあたりは元々はうちのシマで、」
二本橋はそう言いかけると、また蹴られてしまう。
「おういいか!
 去年うちと、隼で手打ちして、ウチのシマってことで、 
 決着ついただろうが。」と鷲尾。
「・・・」
「で、うちの損害どうしてくれんですか?
 このまま戦争始めるわけにもいかないでしょ?
 ねえ、頭さん。」
「・・・分かった。金は出す。
 それで文句ねえだろ。」
「さすがは穏健派で知られる、頭だ。」

隼會の事務所
隼会若頭に選ばれた四方木りこは鷲津組の手段を選ばない攻勢を受け
統率力低下に悩んでいた。
会長は抗争は絶対に許さない、の一点張り。
りこの横に寄り添いながら二本橋賢吾も組の行く末に不安を抱えていた。
「ここのとこよく思うんですよね。
 彦一さんがいたらどうするんだろうって・・・。」
二本橋がつぶやく。
「二本橋!
 極道やめたヤツの名前出すんじゃねー。」

ゲームセンター
UFOキャッチャーで遊ぶカップルが取れないと文句を言うのを聞きながら、
控室にいた彦一は、就職情報誌に目を通す。
「・・・堅気の道も世知辛ぇなー。」

隣のラーメン屋から大きな物音。
「とっとと帰れ!!」店主の怒鳴り声。
「待ってください。こちらの話も聞いてもらえませんか?」
「タダで立ち退いてくれって言っているわけではないんです。
 もちろん生活も保障します。」
「金の問題じゃねーんだよ。」
「ですが、それではこの商店街の未来は、」
「そんなもん、とうの昔からねーよ。
 客はいねーし、跡取りもいねーんだ。
 残ってんのは年寄だけだ。
 だからってな、こんなチャラチャラしたもんに、協力する気ねーんだよ!」
米長はそう言い、ショッピングモールのパンフレットを投げ捨てる。
「また、伺わせていただきます。」
「二度と来んじゃねー!」
「失礼しました。」
男たちは丁寧に深々と頭を下げる。

その一人、樽川(北村有起哉)が、様子を見ていた彦一に気づく。
「間違っていたらすみません。
 六本木の、翼彦一さんじゃ。」
「・・・」

ゲームセンター内
「まさかこんなところで会えるとは思いませんでしたよ。」
「あんた確か新宿あたりの組にいたよな?」
「ええ。」
「それが今や大企業の社長かよ。」
『樽川コーポレート
 代表取締役社長 樽川 潤』と書かれた名刺を受け取る彦一。
「細々とやらしてもらっていますよ。
 じゃあ、いただきます。」
ビールで乾杯する二人。
「でも意外でしたよ。
 極道から足を洗ったなんて。
 六本木の彦一さんといえば、背中の彫り物見たやつが、
 三日三晩、桜の夢に魘されるってぐらいの人だったのに。」
「昔の話だよ。」
「でもなんか、嬉しいな。
 自分もチンピラから堅気になった口なんで。」
「おぉ、そうかい。」
「そういえば、このお店もお隣さんの持ち物では?」
「ああ。ラーメン屋広げようと思って買ったはいいが、
 跡取りの息子が死んでそのまま放置してたんだとよ。
 空いてっからねぐらにさせてもらってんだよ。」
「・・・彦一さん。ぶしつけなことで大変恐縮なんですが、
 それなら、ちょっと手を貸してもらえませんか?」
「あ?」
「立ち退きの件です。
 お隣さん、意地張ってますけど、実際にはお店も相当厳しいようですし、
 あともうひと押しだと思うんですよ。」
「・・・」
「説得してもらえませんか?
 謝礼もしっかり払いますし。
 何ならもっと、ましな住処ご用意します。」
「・・・帰んな。聞かなかったことにすんからよ。」
「・・・」
「家借りてる俺がよ、家主立ち退かせるなんておかしな話だろ。
 チッ。テメーそんなこともわかんねーで社長やってんのかよ。」
「・・・」
自分の頬を自分で叩いて笑う樽川。
「仰る通りです。ハハ・・・
 じゃ、自分は、これで。
 いや、毎日暑いですねー。」
「おう。」靴べらを貸す彦一。
「ああ、すみません。」
彦一は、樽川が切る真っ白なワイシャツに入れ墨が透けて見えることに気づき・・・。

真面目な社会人かと思っていたら・・・
一瞬表情をゆがめた樽川、そのあと、思い切り自分の頬を叩く行為。
危ない雰囲気かもし出してます〜。


安心ふれあいコール、コールセンター
「あの、すみません。袴田静枝さんのデータが消えてるんですけど。」
ミクが社員に聞いてみる。
契約者個人情報を調べる社員。

書類には株式会社樽川コーポレートと入っています。
ここも樽川の会社なんですね。


「袴田・・・あー、亡くなったみたい。」
「・・・え?」
「最終月の支払いが未払いになってる。チッ。やり逃げだよ。」
「・・・」
「電話。」

「ありがとうございます。
 安心ふれあいコールのミクが承ります。
 ・・立花さんですね。こんにちは。」
「あれ?どうしたの?ミクちゃん。元気ないみたいだけど。」
「・・え?大丈夫ですよ。
 立花さんは?元気にしていらっしゃいましたか?」

立花家
「うん。そうだね。
 今日は天気もいいし、ちょっとだけ散歩もしたから。
 うん。そうそう。それでね、」
インターホンの音に怯える立花。
「もしもし?立花さん?どうされましたか?」とミク。
「ごめんごめん。ちゃんと聞いてますよ。」
立花の部屋には枯れた花束。
立花はインターホンを無視し、ミクとの会話を続ける。

立花はまごころコールのチラシを拾っていましたっけ・・・。

立花家の前
インターホンを押していたのは五郎だった。
「留守かよ・・。」
五郎、晴菜、さなえらはこの団地にちらしを配って回っていた。

「マザー・テレサは、人生の99%が不幸だったとしても、
 最後の1%が幸せなら、」
さなえらの話を真剣に聞いてくれる老人はおらず・・・。

「皆さん、なかなかガードが固いですね。」と晴菜。
「こんなんでめげちゃダメよ〜。根気よくやりましょう。」とさなえ。
「晴菜ちゃん!」五郎が呼びとめる。
「うん?」
「これ・・」
五郎はポスト付近に落ちていた『まごころコール』のちらしを見せる。
「あー、心配ね。そういう無縁ビジネスとか貧困ビジネスって、
 最近は暴力団が介入するケースがあるみたいだから。」とさなえ。
「・・・暴力団?」

りこ、二本橋らは、隼会会長、鷹山源助(松平健)や隼会若頭補佐、
和泉零次(山本裕典)のもとを訪れる。
「何度も言わせるな。抗争は絶対に許さねー。」と鷹山。
「けど、このままじゃ下の者が収まりません。
 鷲津に潰されるの、指くわえて待ってろっていうんですか?」
「そん時は、お前に組織預けた、俺の見込み違いってこった。」
「・・・」
「会長、お言葉ですが、頭は必死で若い衆を収めているんです。
 若い衆も、頭の気持ちを組んで、苦しい中耐えているんです。」と二本橋。
「そうだよ親父!りこちゃんのせいじゃねーよ!」と三樹矢(薮宏太)。

「黙ってろ!下っ端が口はさんでんじゃねーよ。」と零次。
「あのな!俺は親父と会話してんだ!親子の会話してんだよ!」
「お前誰にもの言ってんだ?もっとよく考えてからしゃべろ!」

「とにかく、うちから仕掛けることはねえ。
 頭、そのこと、忘れんな。」
「・・・」

ラーメン屋
暴力団抗争の記事を読む彦一。
「どうした?景気の悪いツラしてよ。」
「何でもねーよ。
 ・・・なあ、普通の仕事ってなんだよ。」
「は?」
「普通の仕事だよ。」
「やっぱ、普通ってーのは、サラリーマンとか教師とか、
 警察官とかそういうんじゃねーか?」と常連客。
「サツのどこが普通なんだよ。バカヤロー!」
「何だよバカヤローって。」
「まあ、宮仕えしている連中と、俺たち自営業者とは、
 違うわな。」と別の客(沼田爆)。
「まったくだ。お上から何の補助もねぇんだよな。
 てめえの腕だけで勝負してんだからよ。」と米長。
「それでシャッター商店街じゃシャレにもなんねえな。」と彦一。
「バカヤロウ。」
笑いあう店主と客たち。
「あんたらも変わってるよなー。
 ここ売り渡しゃ、それなりに金貰って悠々自適だろ?」
「そんなもん望んじゃいねーよ。
 テメーの生まれた家でくたばって、なんか問題でもあんのかよっていうんだよ。」
「何の問題もねーよ。」彦一も微笑む。

テレビから孤独死という言葉が流れると、みんな無言で画面を見つめる。
『孤独死で多いのは、離婚したり、妻や家族と死に別れたりと、
 それぞれの理由で、一人暮らしをする高齢者。独居老人。
 今、なぜ孤独死なのか。
 隠された死に私たちが見るもの。』

「孤独で悪かったな。
 大きなお世話だよ!」客はテレビを消してしまう。
「本当だよ。」と米長。

「はい、チャーハン。
 愛情込めて作ったからよ。」ウインクする米長。
「やらしい顔するんじゃねーよl」
「ハハハハ。」

米長の作ったチャーハンを手に、彦一は晶のいる施設に向かう。
バスを降りると、リコが車から降りてきた。
「・・よう。」と彦一。
「おぉ。」

防波堤に腰掛け話す二人。
「あの人、調子どうなんだよ。」
「・・・ぼちぼちだな。」
「そうか。」
「・・・頭が直々に何の用だよ。」
「近くまで来たから寄っただけだよ。」
「・・・そっちの景気は?」
「・・・ぼちぼちだな。」
「上等じゃねーかよ。」
「・・・」
チャーハンの袋を取ろうとするりこ
「何だよ・・」奪い返す彦一。
「・・・変わるもんだな。人間てーのは。」
「あ?」
「昔はもっととがってたよ。近寄りがたい目してろ。」
「・・・」
「・・・邪魔したな。」
「おいなんか話あったんじゃないのか?
 ゴタゴタしてんだろ?鷲津と。」
「・・・だったらどうにかしてくれんのかよ。」
「・・・」
「早く持ってってやれよ。飯冷めちまうぞ。」
りこはそう言い、彦一のもとから立ち去った。
「バカヤロウ。もう冷めてるんだよ・・。」

彦一が施設に到着すると、安定していたはずの晶が暴れていた。
タイヨウの家の写真を見た晶は、家に連れて行ってほしいと騒いでいた。

タイヨウ
「さなえさんって、ヘルパーの経験あるんですか?」と晴菜。
「ううん。ずっとホームレスの支援をしていたの。」
「それから孤独死の問題に?」
「うーん、天涯孤独の路上生活をしている人の中にも、最後ぐらい誰かに
 看取られて死にたいっていう人がたくさんいてね。」
「うん。」
「それに・・・同じように孤独に生きている人が身近にいるからかな。」
「・・・それって、」

車のクラクションの音。
「誰だろう。」

彦一は晶と涼太を連れ再開したタイヨウに戻ってくる。
「あ!彦一さん!」驚く晴菜。
「おぉ。やってるみてーだな。」
「どうしたんですか?
 涼太君!」
「おぉ、やってるみてーだな。」
「いいから早く下ろせ。」
「どうしたんですか?急に。」
「着いたぞ。
 ほら、家に連れてきてやったぞ。」
彦一は後部座席から晶を下ろす。

「お帰りなさい。羽鳥さん。
 さあ、行きましょうか。」
事情を察した晴菜は笑顔で晶の声をかけ・・・。

タバコを吸おうとする彦一に、さなえが声をかける。
「あの、全面禁煙ですよ、ここ。」
「あ?
 あんたここの新しいヘルパーか?」
「いえ。あ、申し遅れました。
 私、絆の制度化を目指す市民の、」
「そういうのめんどくせーからいいわ。」
「・・・」

タイヨウ
「ティッティッティッティッティー♪」
鼻歌を歌いながら(UFOキャッチャーの音楽)母の車いすを押す涼太。
「ママ、お部屋だよ。降りる?」

食堂
「悪いな。ここが家だって言いだしやがってよ。」と彦一。
「いいんですよ。
 あれからずっと、羽鳥さんのお世話を?」と園崎。
「まあ・・そんなとこだよ。」
「そうですか!」

五郎がビールを買って戻ってきた。
「なあ兄貴!今夜は泊ってってくれよな。」
「バカヤロウ。お前、ガキみたいなこと言ってんじゃねーよ。」
「でも、羽鳥さん喜ぶと思いますよ。」
「どうせ入居者もいないから部屋がらがらだし。」と浩美。
「それに、ヘルパーさんも足りてませんしね。」と園崎。
「・・・何だよそれ。
 俺やんねぇからな。」
「ああ・・まあ固い話は抜きにして、どうでしょう、歌でも。」
「何でだよ・・。」
「所長・・」
園崎、ギターを手に『おらは死んじまっただ』を歌い始める。
久々に懐かしい顔ぶれがそろい、流れていく平穏な時間。
園崎の歌を聴きながら彦一はここに来た時のこと、ここで働いていた時のことを
思い起こす。

翌朝
五郎のいびきで目覚める彦一。
彦一の服にはネームプレートがつけられいていた。
彦一は五郎のまくれ上がったシャツの下に見える入れ墨をしばし見つめたあと、
それをシャツで隠す。

「おはようございます!よく眠れました?」と晴菜。
「あ?おめーのコレのいびきで眠れたもんじゃねーよ。」
「すいません。」
「お前よくあんなヤツと毎晩寝れんな。」
「・・・何言ってんですか!寝てませんよ!!」

「あのー、すみません。
 袴田静江さんのお焼香がここで出来るって聞いたんですけど。」
タイヨウにやってきたのは、『安心ふれあいコール』のミクだった。

静枝の遺影に手を合わせるミク。
彦一はミクのカバンにUFOキャッチャーの景品と同じ人形の
キーホルダーがついていることに気づく。

晶の部屋
「あ、起きたか?
 のど乾いたろ?
 体起こすか?」彦一が晶に声をかける。
「・・・」
「お、こぼすなよ。」
「・・・」
「コーヒーとかジュースがよかったら持ってきてやっから。
 なんでも言えよ。」
「フフ。ふふふふ。」晶が笑いだす。
「あ?」
「随分優しくしてくれるのね。」
「てめえ!記憶戻ってんだったら言えよ・・」
「ごめんなさい。」幸せそうに笑う晶。
「ふざけるなよ・・」
「・・・私・・またわがまま言ったみたいね。」
「気にすんな。いつものことだろ。」
「フフッ。
 ・・・ああ、今日は気分がいいわ。頭もすっきりして。
 ねえ。もう一つ、わがまま言っていい?
 しばらく、ここにいてもいいかな。」
「あっ?」

かもめ通り商店街『ラーメン道草』
「そうか。良かったじゃねーか。そこなら一緒に住めんだろ?」と米長。
「まあ次いつ気が変わるかわかんねーけどな。
 これよ、今までの家賃と世話になった分だ。」
彦一はそう言い、封筒をカウンターに置く。
「おい。貸すとき言ったろ?
 商売じゃねーんだからいらねーって。」
「そういうわけにはいかねーんだよ。」
「いらねーって。何度も言わせんなよ。
 あーあ、ホントにもう。」
「おっさん、どうしたんだよ。」
「いや・・ただの寝不足だよ。
 無言電話ってやつが、夜中にひっきりなしに掛かってきやがってよ。
 出ると、すぐに切りやがるんだよ。」
「・・・」
店のガラスは割られ、ガムテープで塞がれていた。
彦一の脳裏に樽川の姿が浮かぶ。
「地上げ屋か?」
「さあな。ハハ。知ったこっちゃねーよ。
 まあ黙ってりゃ、そのうち収まるだろうよ。
 おい、それよりよ、これさっさとしまえよ。
 こんな金があるんならよ、コレに何か買ってやんなよ。え?」
「やらしい顔するんじゃねーよ。」
「アハハハハ。」

「いろいろ世話になったな。」
「また、いつでも来いよ。」
「店がありゃな。」
「バカヤロウ。」

そこへさなえがやってきた。
「何か用かい。」と米長。
「話をしに来ただけよ。」
「いや・・俺の、娘だよ。」米長が彦一に言う。
「え?息子だけじゃなかったのかよ。」
「こいつは、そりが合わなくてな。」
「・・・」

二人が店の中に戻ると、彦一は商店街を見渡し、立ち去った。

店の中
「東京にね、マンション買ったの。
 小さいけどお父さんの部屋もあるから。」
「俺なんか気にする前にな、亭主でも見つけたらどうだ。」
「病気にでもなったらどうする気?」
「そんなに、同居してーんならよ、お前がここに帰ってくりゃいだろ。」
「私が仕事辞めて、客もいないこの店継げばそれで満足?」
「そうだよ。
 昔っから家ってーのはな、そうやって守ってきたんだ。」
「違う。お父さんは家族よりも家が大事なのよ。
 だからお兄ちゃんも戻ってきた。それで事故・・」
「うるせー!」
「・・・」
「俺はな、ここを離れる気はないんだよ。
 話終わったら、とっとと帰れよ。」
「・・・」

彦一は樽川の会社・桝川コーポレイトを訪れる。
「無言電話?変な言いがかりつけんのやめて下さいよ、彦一さん。
 うちはこうやって、表通りで堂々と商売させてもらっているんですよ。
 いくらなんでも、そんな姑息なマネはしませんよ。
 それに、もし仮に、うちがやっていたとしても、
 彦一さんにとやかく言われる筋合いはないと思いますけどね。」
「・・・」
「だって、彦一さん、足洗ったんでしょう?
 足洗った次点で、あんたの背中の桜は、子供のお絵かきと変わらないんですよ。」
「・・・頼むよ樽川さん。
 とにかく手荒な真似だけはしねーでくんねーか?」
「頭あげて下さいよ、彦一さん。
 これは数百億のビジネスなんです。
 落ちぶれたやくざさんに頭下げられても、どうにもならないんですよ。」
「・・・」
頭を下げながら、彦一は目の前にある灰皿を見つめる。
それをつかみ、桝川らを殴りつける自分を想像する。
以前の自分なら間違いなくそうしていた。
だが彦一は、そうしなかった。
そうしない代わりに、土下座をして頭を下げる。
「・・・頼む!」
樽川はそんな彦一を無視し・・・。

社長室を出た彦一は、キーホルダーからミクに気づく。

喫茶店
「最初は・・軽い気持ちで始めたんです。
 時給も良かったし。
 相手の顔は知りません。
 その方が、感情移入しないで済むからって経歴だけ渡されて・・
 だから・・・昨日初めて見たんです。静枝さんの顔。
 最悪ですよね。年金生活している人から毎月高い料金取って、
 平気な顔してたなんて。
 バイトは、今日で辞めるつもりです。」
「あのよ・・・
 辞める前にちょっと頼まれてくんねーか?」

その夜、二本橋は若い衆を早く帰すと、鉄パイプを手に事務所内を荒らしまくる。
そして酒瓶で自らを殴りつけ・・・。

事務所にりこがやってくる。
「・・・」
「頭。お願いします。」
「・・・二本橋。これぐらいにしとくか。」
「何言ってるんですか。
 あんた隼会の若頭だろ。
 みんなあんたを・・・」
「・・・」
「頭ー!!」
二本橋の言葉に、リコは木刀を振り上げ・・・。

タイヨウ
『安心ふれあいコール』の契約者個人情報リストを見せる彦一。
「こいつらならここの新しいサービス受けるんじゃねーか?」
「・・・」
「この会社、電話でぼったくった挙句に、葬儀の手配までしてやがる。」
「無縁ビジネスを悪用した典型的なケースですね。」とさなえ。
「少しくらい顧客引き抜いてもバチ当たんねーよ。」
「さっすが兄貴!」
「ほんと助かるね。アニキもヘルパーに戻ってくれて。」と園崎。
「テメー何すっとぼけたこと抜かしてんだよ。」
「・・・」

従業員控室で黄色いTシャツに着替える彦一。
「チッ。相変わらずいけてねーな・・。」

彦一とさなえはゲートボール場のお年寄りに声をかけ、ちらしを配る。
「おぉ、ちょっとこれ読んでくれ。
 詳しいことは、あの緑の姉ちゃんに聞いてくれ。」

『「タイヨウ」と「絆」の両輪で支えます。
 「タイヨウ」と「絆」が
 新しい家族の形をつくっていきます。』

個人宅を回る晴菜。
「1時間の通話に、6000円も支払っていますよね。」
「楽しくてね。つい時間経つのを忘れてしまってね。」
「うちなら、その3分の1の料金で。」

五郎も絆の会のスタッフと一緒に名簿に乗っていた老人の家を訪れ
丁寧に説明する。

そしてミクも、今まで自分が担当していた立花にタイヨウを勧めていた。

安心まごころコールに解約の電話が殺到する。
解約の理由は、使用料金への不満、取り立ての厳しさ。
「でも一度にこんな大量にやめるわけはないだろう。
 何か原因があるはずだ。すぐ調べろ。」
樽川は部下に指示を出す。

町でちらしを配っていた彦一は、ふとジュエリーショップの前で足を止める。
「私指が男並みなんだよねー。」と浩美。
「え?」
「でも・・羽鳥さんなら・・どう?」
婚約指輪を指さす浩美。
「・・・いやらしい顔してんじゃねーよ。」
「ヒッヒッヒ。」
「・・・」

隼會の事務所
「道具はそろったか!」と久米。
「おす!」
「お前らも知ってのとおり二本橋の兄貴んとこがやられた!
 これ以上黙ってても埒が明かねー。
 鷲津を徹底的にぶっ潰す!覚悟決めろよ!」
「おす!」
久米が部下たちに指示を出すのを、りこは複雑な表情で聞いていて・・・。

タイヨウ、絆の説明会
「あの・・そのタイヨウには、入居することも可能でしょうか。
 一人だと、何かと不便なもので。」
ミクから紹介された立花が質問する。
「ご安心下さい。タイヨウは高齢者専用賃貸住宅の登録もしておりますので、
 入居することも、可能です。
 何か困ったことがございましたら、ヘルパーの皆さんが、
 お手伝いさせていただきます。」
六車はそう答えると、五郎にウインク!
五郎、それを避ける!

「親きょうだいの面倒が見られない。
 そのような家族は増えています。
 でも、まだまだ新しい出会いはたくさんあります!」とさなえ。

ラーメン道草
「申し訳ねーな・・」と店主。
「気にするなよ。
 良かったじゃねーか。息子と東京で一緒に住めるんならよ。」と米長。

その夜、隼會は鷲津組に殴り込みをかけ・・・。

鷲津組の事務所
「隼の報復か?上等じゃねーか。
 誰が勝手に二本橋んとこにかちこみやがった!」
「・・・」
「あ!?」
「カシラ。うちにはいませんよ。
 うちは十分潤っていますし、ケンカする意味ないでしょう?」と鷲尾。
「そうっすね。戦争して得するのは、やつらの方ですから。」
「どういうことだ?シマ内を荒らしたのはやつらの芝居ってことか?」

「カシラ・・・このままやり返しても、やつらの思うつぼです。
 ここは自分に任せてもらえますか?」
樽川がカシラに歩み寄る。

タイヨウに利用者が戻り、にぎやかになる。
その中に、立花もいた。
たくさんの名刺をヘルパーに見せる立花。
「サラリーマン人生の、証みたいなものです。
 ずっと仕事一筋で、やってきましたから。」

庭では涼太が紙コップで作ったUFOキャッチャーで、涼太と晶が遊んでいた。
二人の様子を笑顔で見守りながら、彦一はポケットの中の指輪を手に取る。
晶が彦一に気づくと、指輪をポケットにしまう彦一。
晶が微笑みかけると、彦一も笑みを返した。

海岸
晶を乗せた車いすを押す彦一。
「少し歩きたい。」
「ああ。」
晶が手を伸ばす。手をつないで歩く二人。
「不思議ね。」
「あ?」
「最近、どうしてこんなに気持ちが穏やかなんだろう。」
「良かったじゃねーかよ。」
「その黄色いシャツのおかげかも。」
「・・・」
「お似合いね。そのシャツ。」
晶の言葉に微笑む彦一。
「そうかい。
 じゃあ着続けるか、ずっと。」
彦一の言葉に晶は幸せそうに笑う。
「・・・あのよ。」
「うん?なあに?」
ポケットの中の指輪を取り出す彦一。

その時、一台の車から、桝川達が降りてきた。
「おい!もう帰るぞ。」
晶の手を引き歩く彦一。
「え?何?」
「いいから!」

「探しましたよ、彦一さん。随分舐めた真似してくれましたね。」
「何のことだよ。」
晶を車いすに座らせながら答える彦一。
「誰?」と晶。
「大丈夫だ。」
「大丈夫じゃねーだろうが!とぼけやがって!
 うちの客隼に流しやがって!」
顧客ファイルで彦一の頭を叩く樽川。
「おめー何のこと言ってんだよ。」
「何よあなた達!」と晶。
「いいから座ってろ。」彦一が晶を車いすに座らせる。
「何が堅気になっただ。テメーまだ看板背負ってんだろ。」
彦一の頭をファイルで叩く樽川。
「待てお前。組は関係ないんだ。」
「おめーも隼も、まとめてぶっ潰してやるよ。」
にらみ合う二人。
「・・・付き合ってらんねーな。」
彦一が車いすのストーパーを外そうと屈んだとき、組員の一人が
彦一を蹴り飛ばす。
「やめて!やめてよ!!」
「すぐ済みますから」
樽川は晶を足で押さえつける。
「やめて!やめなさい!!」
彦一の元へ行こうとする晶の頬を殴る樽川。
倒れた晶は石に頭をぶつけ・・・。

「樽川てめー!!」
部下たちを倒し樽川に飛び掛かる彦一。

「おい、大丈夫か?」
彦一の手を払いのける晶。
「・・・誰?あなた。」
「お前・・・」
「誰!?」
「おい・・・」

タイヨウでは、タイヨウの会交流会が開かれているが、参加者はゼロ。
一人でいるのが不安でここに来たのに、他人と仲良くするのは別ということなのか。

入居した立花にさなえが声をかける。
「立花さん、お願いです。
 今日はあいさつ程度ですぐに済みますので、交流会に出てきて
 くれませんか?」
「私は、遠慮します。」
「・・・それだと、この施設に来た意味がなくなってしまうと思うんですよ。
 少しだけでもいいので、顔を見せて・・」
部屋の中から声が聞こえる。
「立花さん、入りますよ!」
さなえが部屋に入ってみると、立花は『ふれあい安心コール』に電話をしていた。

傷だらけの彦一は、米長の店に立ち寄る。
「おい、ビール。」
「どうしたんだ、その顔。」
「いいからビールだよ!」
「・・・おいおいおいおい・・」

けがの手当てをする彦一。
「年は、36だったな。」と米長。
「あ?」
「せがれが生きてりゃ同い年だよ。ハハ。
 うちのもあんたと同じだよ。悪さばっかりしてな。
 ガキの頃から、出来のいい妹とは違って、せがれの方はどうしようもなくてよ。
 そんなバカがな、急にこの店継ぐって言いだしやがったんだよ。
 こんな商店街さ、誰がどう見たってお先真っ暗だっていうのぬい、
 バカだからそんなことに気づきもしないんだよ。
 でもな、嬉しかったよ。
 ちゃんと家のこと考えていたと思ってな。
 そんで、母ちゃんの生命保険はたいて、隣のゲーセン買ったんだよ。
 まっ、すぐ死にやがったけどよ。
 へましてもなあ、いきてりゃ、どっかで取り返しがつく。
 あんたも、命粗末にするんじゃねえよ。うん?」
米長はそう言い、彦一のために作ったお粥をカウンターに置く。

その時、店の外に一台の車が止まっていた。
彦一に殴られた樽川の部下たちが、隼會の若い衆を拘束していた。
「わかってんな?下手なこと言うんじゃねーぞ。」
「ふざけんなこら!」
樽川が銃を突きつける。
「・・・」

電話の呼び出し音。
「兄貴。鷲津の兵隊が詰めてるヤサを見つけました。
 かなりの数、集めてるみたいっす。」

「おぉ、わかった。すぐ動けるように準備しておけ。」と久米。

「組長、鷲津が動きだしました。
 兵隊集めてうちにかちこむ準備をしているようです。」久米がりこに報告する。
「ヤサはわかってんのか?」
「突き止めました。」
「・・・」
「どうしますか?」
「今夜一気にたたく。
 そのシマ丸ごと、ぶんどってやるよ。」
「すぐ手配します。」

ミキサー車が乱暴に走り出し・・・。

タイヨウの交流会
「今まで一人暮らしだったみなさんが、他人との交流に抵抗を感じる気持ちは
 わかります。電話で話す方が気が楽だと思う方もいらっしゃるでしょう。
 でも私は、まず勇気を出して、一歩踏み出してみてほしいんです。
 マザーテレサは、人生の99%が不幸だったとしても、最後の1%が幸せなら、
 その人の人生は幸せなものに変わる、と言いました。
 その、最後の1%を充実させるために、孤独から抜け出して、
 人と絆を結ぶ必要があるんです。」とさなえ。
「・・・」
「立花さんは、たくさんの名刺をお持ちですよね。」
「・・・」
「高い料金を払って電話サービスを利用するより、かつての仲間やお知り合いに
 勇気を出して、連絡してみるのはどうでしょう。」
「・・・」

晶の部屋
「おうちの人が心配するから早く帰りなさい。」
「もう少ししたら帰るから。
 アニキが帰ってきたら。」
洗濯物を畳みながら涼太が答える。
「パパとママはどうしたの?僕がいつまでもここにいたら、
 警備員さん呼ばなきゃいけないの。」
「・・・大丈夫だからね、ママ。
 そのうち思い出すから。」
「だから、私はあなたのママじゃないの
 お願いだから帰って。」
「わかったから。心配しないで、ママ。」
「誰か!誰もいないの?」
「大丈夫だから。」
「誰かー!」
「ママ。」
「帰って!お願い、帰って。」
「落ち着いて、ママ。」
「誰かー!」
「大丈夫だから。」

彦一は二人の様子を部屋の外で聞いていて・・・。

その頃、ミキサー車がかもめ通りを暴走し・・・。

タイヨウ
彦一が外でタバコを吸っていると、立花が荷物を手に施設から出てきた。
「立花さん!待ってください!」さなえが追いかける。
立花が転んでしまう。
「大丈夫ですか!?
 どこに行くんですか、こんな時間に。」
「もういいんです。私、出ていきます。」
「出ていくってそんな・・」
「私、ああいうの苦手なんです。一人の方が楽なんです。」
「危ないです。こんな夜中に。
立花はさなえからカバンを奪い返そうとした際、名刺をばらまいてしまう。
名刺を拾い集める立花とさなえ。
「手伝ってください!」
「・・・もういいだろ、おっさん。
 こんなのただの紙切れだろ」
「・・・そうですよ。
 こんなもん・・ただの紙切れですよ。
 ・・・私は、仕事一筋で生きてきました。
 妻も家庭も、一切顧みず、40年間、会社に尽くしました。」

退職の日、立花は社員たちから花束のプレゼントをもらった。
その際立花は、これからは女房孝行する、と話ていた。

「でも、退職したその日に・・・
 妻は離婚届を置いて、いなくなっていたんです。」

帰宅した立花が見つけたのは、離婚届と小さなメモ。

『退職おめでとうございます。
 本日で、私も妻としての務めから
 退職させていただきます。
 長い間お世話になりました。
 香織』

「それからの私には、話をできる相手なんて一人も居ませんでした。
 親しい友人もいないし、仕事でつながっていた人たちは、
 私のことなんてもう忘れていますよ。」

「だから、立花さんには絆が必要なんじゃないんですか?
 奥さんでもなく、仕事先の人でもない、新しい絆が。」とさなえ。
「うるせーな、お前は。
 望んでもいねえやつに無理やり絆を押しつけて、
 本当にそんなもんが幸せなのかよ。」
「・・・」
「最後の1%かなんだか知んねーけど、そんなんでお前の人生
 幸せだって言われても納得いかねーよ。」
「たった一人で孤独に死を迎えるよりマシよ!!」
「それはこいつが決めることだろ?
 他人と関わって煩わしい思いをするより、一人でいた方が楽だって
 コイツは思っているんだろ?」
「・・・」
「だからあんな電話にすがってんだよ。
 そんなヤツは一人で死んで当然じゃねーのか?」
「・・立花さんは望んで一人になったわけじゃないです!
 やむにやまれぬ事情があって、」
「孤独に理由なんかねーよ。・・・孤独は選ぶもんだろ?」
「・・・」
「あんたの親父みたいに」

「さなえさん!!大変!!
 あなたのご実家が・・・」浩美が駆けつける。
「え?」

ラーメン道草にミキサー車が突っ込み、店は大破。
店の中から米長が救出された。
さなえは米長と一緒に救急車に乗り込む。
「樽川!!」彦一はそう叫び・・・。

隼會・事務所
組員からの報告に、リコは囲碁の白い石を地図の上に置く。

タイヨウ
「飯の時間だ。ホールに行きな。」
彦一は退院した米長に声をかける。
「・・・」
「骨折もしてなかったんだからよ。
 そんなしょぼくれてるんじゃねーよ。」
「・・・」

部屋を出ると、さなえが立っていた。
「・・・しばらく放っておくしかないな。」
「兄貴!今、三樹、・・
 ちょっといいっすか?」
五郎はさなえを気にして彦一を連れ出す。
「何だよ・・」
「今、三樹矢のやつから聞いたんすけど・・
 ダンプで突っ込んだの、鷲津組じゃないらしいんすよ。」
「あぁ!?」

隼會・事務所
「てめー、自分が何やったかわかってんのかよ!」と彦一。
「いきなり入ってきて何言ってんだ、テメー。」
「てめえらがかちこんだのはな、鷲津組のやつでもなんでもねーんだよ!!
 てめーら嵌められたって言ってんだよ!!」
「え・・」
「鷲津にいいように踊らされて、やつの地上げ手伝っただけの話だ。
 わかってんのかこのヤロウ!!」

「いくら彦一さんでも、うちのカシラには手を出させねー!」と三樹矢。
「ガキはすっこんでろ!」
三樹矢を殴りつけた彦一を、りこが殴り飛ばす。
「ガタガタうるせーんだよ!
 もうサイコロ振っちまったんだ。
 怪しいと思ったヤツは全部ぶっ潰すまでだ。」
リコに掴みかかろうとする彦一。

電話が鳴る。鷹山会長からだった。
「話は全部聞いた。
 堅気のやつを巻き込んじまったからには仕方がねー。
 四方木、二本橋、てめーら臭い飯食ってこい。」
「てめえらのシマ、全部鷲津組に譲って手打ちにする。
 ムショから帰ってきたら、何も残ってねーもんだと思え。」
「・・・」

鷹山は鷲津組の会長と食事の席についていた。
鷲津組会長は樽川らに食事や酒をふるまっていて・・・。

二階堂、リコが警察に連行されていく。
彦一はそんな二人を見送り・・・。

彦一の携帯が鳴る。
「チッ。
 何だよ。
 ・・・」

タクシーで病院に駆けつける彦一。
「おい俺だよ!着いたぞ。どこだよ!あ?どこだ!?二階!?
 早く言え、バカヤロウ!」

手術室前に、園崎、晴菜が待っていた。
「彦一さん!」
「おい!どうなんだよ!!」
「急性硬膜下血腫です。」
「あ?」
「先生の話では・・かなり厳しい状況です。
 応急処置が終わったら、以前の本人の意思を尊重して、
 うちの方で、看取り介護に入ろうと思っています。」
「・・・もう・・・手遅れってことかよ・・。」
「・・・」
「・・・がきには?」
「・・・まだ。」

涼太は病院の待合室にいた。
「・・・おい。」彦一が声をかける。
「・・・」
「・・・男だろおめー、こっち向けよ。」
「やだ。」
涼太と背中合わせに座る彦一。
「・・・お前の母ちゃんな・・・
 もう死んじまうよ。」
「・・・」
二人は背中合わせのまま涙を流す。
「悪かったな。俺のせいだよ
 バカヤロー!」
彦一が立ち去ると、涼太は声を上げて泣くのだった。

翌日、晶は意識の戻らないまま、タイヨウに戻ってくる。
浩美たちスタッフは、晶の知り合いに会いに来るよう電話をするが、
いい返事はもらえない。

さなえは父に、兄と父の2ショット写真を無言で渡す。

晶の病室で洗濯物を畳む涼太と彦一。
「なあ。」
「うん?」
「お前の母ちゃん、倒れる前記憶どうだった?」
「・・・泣いてた。
 何でか分からないけど、ママ、泣いてた。」
「・・・そっか。」

洗濯物を棚にしまおうとしていた涼太が転ぶ物音。
「おい、何やってんだよー。」

「涼太。学校は?」
晶の意識が戻ったのだ!
「宿題、終わったの?」
「・・・」
「どうしたの?二人とも。」
「・・・」
「何?涼太。泣いてるの?」
晶は自分が点滴をしていることに気づく。
晶の布団の潜り込み母を抱きしめる涼太。
「ずっとそばにいてくれたの?」
「うん。ずっと。アニキと一緒。ずっと。」
晶が彦一を見つめる。
「・・・喉、乾いたんじゃねーか?」
晶が手を伸ばす。その手をしっかり握る彦一。
「ありがとう。
 涼太、彦一さん。」
「・・・」
「すごく幸せよ。」
「うん。
 みんな呼んでくるわ。
 なんかちょっとお前飲ませてやれよ。」
病室を出た彦一は、みんなに知らせようと走り出す。

「ママ!ママ・・」
ぎゅっと抱きしめあう母と子。

「おい!あいつ意識取り戻したんだ!生き返りやがった!!」
「え!?」「マジっすか!?」
「早く行ってやってくれ!」

彦一はみんなに知らせると、ロッカーの中から指輪を取り出し、
晶の部屋へと急ぐ。
部屋に着くと、涼太が号泣していた。
「いつまで泣いてんだよ!」
涼太の頭をはたいたあと、心電図の警告音に気づく。
「ママー・・ママー・・・」
「・・・」
晶の瞳は涙で濡れていて・・・。

葬儀の日。
鼻歌を歌いながら手作りのUFOキャッチャーで遊ぶ涼太。
その日朝から何も食べようとしない涼太を大人たちは心配するが、
涼太はそんな大人を無視していた。

そんな中、派手なスーツに黒いサングラスを掛けた彦一が、晶の棺の前に立つ。
「・・・」
棺を暫く見つめた彦一は、その上に指輪を置き、立ち去ろうとする。
「ちょっと兄貴!どこ行くんすか?」と五郎。
「まさか彦一さん、樽川のところに・・」と三樹矢。
「・・・」
「そっちはもう会長が手打ちにしている。」と零次。
「・・・売られたケンカ買わないわけにはいかないだろ。」
「リコちゃんが何でパクられたかわかってんすか!?」
「・・・どけよ!」
「おい!堅気がいきがってんじゃねーよ!」
零次はそう言い、彦一のサングラスをもぎ取る。
零次たちに飛び掛かる彦一。
園崎たちが必死に止めようとする。

「やめて!!やめて下さい!!
 晶さんが亡くなったんですよ!!
 そんな大事な時に、ケンカなんてやめて下さい!!」と晴菜。
「そうですよ。
 ずっと看病してきた、大事な人が亡くなったのに。」とさなえ。

「・・・あいつよ、死ぬ前に・・・
 幸せだって言ったんだ。」
「・・・」
「あんた言ったよな。
 人生の99%が不幸でも、
 最後の1%が幸せだったら、そいつの人生幸せだって。」
「・・・」
「それよ・・・ホントかもしれねえな。
 ・・・最後の1%は・・・こいつ・・・
 こいつ幸せだって思ったんだったら・・・
 それで御の字じゃねえか。
 ・・・もう俺さあ・・俺できること何もねえんだ。」
零次の手からサングラスを奪い返し、歩き出す彦一。
その前を、車いすに乗った米長が立ちふさがる。

「幸せなわけねーよ。」
「あ?」
「こんな若いのに病気になって、
 家庭や仕事を捨てて、小さい倅残して死んじまうなんて、
 幸せなわけねーよ。
 それでも、もしこの人が、幸せだってあんたに言ったんならな、
 それはな、あんたがしてきたことを、覚えていたからだよ。
 毎日、ゲーセン閉めて、施設に通って、
 あんたが必死になって、堅気になろうと努力したことを、
 この人は、覚えていたからだ。な?
 だから幸せだって言えたんだ。」
「・・・」
「幸せなんてものはなあ、そうやって必死になって、
 ようやくわかるんだ。
 死ぬ前に、ちょっとばかりいい思いしたからって、
 わかってたまるかよ。
 うん?」
「・・・」
「決めたんだろ!?この人の為に堅気になるって!!」
「・・・」
「死んだからって、その思い無駄にしていいのか!?」
「・・・思いか・・・。どけよ。」
「あっ。」
彦一に払いのけられて転ぶ米長。
「・・・そんなのよ、糞くらえだ。
 ・・・てめえらの孤独ごっこに付き合ってる暇ねーんだよ!」
「・・・」
「いいか!?俺は俺が好きなように生きてな、
 好きなようにくたばるだけだよ!!」
彦一の言葉に、五郎が、六車が、三樹矢が、零次が後を追う。

「ったく懲りねぇ奴らだ。
 わかった。後のことは全部俺がケツをふく。
 だがな、いいか和泉。
 くれぐれも、堅気のやつらに、無茶させるんじゃねーぞ。」
零次から報告を受けた鷹山が電話を切る。

タクシーの中から電話をする彦一。
「今から行くからよ、社長にいるように言っとけ。」

「あ、あの、お客さん。禁煙なんですけど。」
「あ?」
素直にタバコをしまう彦一。

彦一が単独、樽川コーポレートに乗り込む。
「わざわざお電話までいただいて、何の用ですか?」と樽川。
「ああ。
 隼から奪い取ったシマ、全部返してもらおうと思ってよ。」
「冗談でしょう?」
「それが冗談じゃねーんだよ。
 つーかよ、力づくでも返してもらわねーと困るんだよ。」
「一人で勝てるとでも思ってんのかバカ!」
振り返ると、樽川の部下が大勢立っていた。
「樽川。
 俺がここに何しに来たか分かるか?」
「興味ねーな。」
「俺はな、ここに死にに来たんだよ。」
「あぁ?」
微笑みを浮かべる彦一。
「最後の1%。楽しませてもらうぜ。」
「殺せ!」
樽川が叫ぶと同時に、彦一がライトを蹴りあげる。
「おらっ!!」
「兄貴ー!!」

見覚えのある天井。聞き覚えのある声。
目を覚ました彦一は、タイヨウの部屋にいた。
「お父さん!」とさなえ。
「うん?
 ・・・起きたか?」
「・・・」
「死ねなかったみてーだな。」
全身包帯で覆われた彦一。起き上がろうとすると激痛が走る。
「おい、心配するな心配するな。
 あんた助けに行った仲間もな、みんな部屋で、ウンウン唸ってるよ。
 ありゃあまるで、野戦病院だ。」
「・・・」
「まあ、あれだな。
 あんたの人生はまだたっぷり残ってるってことだよ。うん?」
「・・・」
「さなえと、暮らすことにした。
 まあそれも、悪くねー気がしたからよ。
 先に死んだやつらの分までさ、たっぷり生きてな、
 最後に幸せだって自慢してやらなきゃな。」
「葬式・・」
「うん?」
「葬式、済んだのかよ。」
「ええ。立花さんたちがずいぶん手伝ってくれたんですよ。
 孤独死が嫌なら、必死になって生きるしかないって。
 立花さんほかの入居者にまで声をかけてくれて、」
「・・・」
「あなたのおかげです。
 私、どんな死に方が幸せかって、そればっかり考えていた気がします。
 まず、どんな風んだからさ、いまだに旦那もいねーんだよ?」
「ちょっと、今それ関係ないでしょう?」
「あるんだよ、バーカ。」
「バカって・・」
「お前どうしていつも辛気臭い、」
「辛気臭いって・・」

「おい・・おいバカヤロー・・」
「うん?」
「うるせーんだよ。あっちでやれよ。」
「ごめんなさい。」

怪我だらけの体で警察署を訪れる彦一。
警官が心配して彦一を手伝おうとするが、彦一はかたくなに拒否!
「歩けてないじゃないですか。持ちますよ。」
「・・・もってこい、おっちゃん。」

面会室にりこがやってくる。
「・・・」
「・・・よう。」
「おう。
 重症だな。」
「世話ねえよ。」
「・・・残念だったな、あの人。」
「・・・知ってたのかよ。」
「三樹矢のバカが来やがるからよ。」
「そうか。」
「・・・すまねえな。」
「あ?」
「あの人の記憶が戻んなきゃいいって、ずっと思ってたよ。」
「・・・」
「けど・・・あんたにはそんなことどうでもよかったんだよな。」
「・・・」
「かなわねえよな。それに比べて・・・
 わたしはどんだけちっせえんだよ。
 はぁ・・。そんなやつに、組束ねられるわけねーよな。」
「・・・みんなちいせえんだよ。
 けどよ・・・
 何とか必死になって生きてくしかねえだろ。」
「・・・」
「・・・大事なもん失ってもよ、
 生きてくしかねえだろ。」
「・・・」
「極道だろ?諦めんなよ!!」
「・・・堅気に言われたくねえな。」
りこの言葉に微笑む彦一。

タイヨウでは、交流会が開かれる。
立花もけんちん汁を作り参加。
おいしく食べる秘訣を聞かれた立花は、
「みんなと食べること。」と答えた。

バス停
「・・・どこへ行くの?」涼太が聞く。
「知らねーよ。」
「・・・また・・・会える?」
「分かんねえよ。いちいち聞くなよ。」
「・・・ついて、いっちゃおうかな。」
彦一がいつものように涼太のほっぺを掴もうと手を伸ばす。
涼太は手のひらでそれを阻止。
「・・・くそがき。」

バスが見えてきた。
「・・・」泣きそうな涼太。

さいのめ港行きのバスが止まる
彦一が立ち上がると、涼太は彦一にカバンを渡す。
「・・・寂しくなったら、いつでも会いに来てもいいからね。」
「あ?」
「待ってないよ。
 一人でも・・・大丈夫だから。」
「・・・分かったよ。
 じゃ寂しくなったらよ、お前んところに真っ先に
 逃げこましせてもらうよ。」
泣き出す涼太。
「バカヤロー。最後まで我慢しろよ。」
「ごめん。」
彦一がバスに乗り込む。
「じゃあな、涼太。」
彦一を乗せたバスが走り去る。
涼太は泣きながらバスを見送り・・・。

ベンチに、UFOキャッチャーの景品のぬいぐるみが置いてあった。
BGMを歌いながら、UFOキャッチャーのクレーンのように人形をつかむ。
「あっ。」
ぬいぐるみを落とすと、中に入っていた石が出てきて・・・。


ドラマ終了後、彦一は、晶はどうなったのか気になっていました。
彦一は晶のいる施設のそばに引っ越し、涼太と一緒に晶の世話をしていた。
晶の状態はとても落ち着いていた。
それは、彦一をまっとうな(普通の)道に進ませてあげたい、という強い思いから。
そんな晶の思いに答えようと、就職情報誌を眺める彦一。
成り行き上ですが、再び黄色いシャツを着ることになりました。
黄色いシャツを着た彦一と手をつないで歩く晶はとても幸せそうだった。

晶の死が描かれると思っていなかったので、ショックでした。
愛する人にありがとうと伝えることが出来て、
最愛のわが子に看取られて・・・。
どんな状況でも、愛する人たちと永遠に分かれるのはつらく寂しい。
彼女の死が、孤独でなかったことだけが救いです。

孤独死は大きな問題ですが、まずは死ぬ時のことよりも
残された時間をどう生きるか。
大切なのは死ぬその瞬間にどう思うのか、ということだけでなく
自分の思いをどれくらい相手に伝えることが出来るのか。
そちらの方が大きな意味を持つんですよね。

涼太はこれからどこで暮らしていくのかな。
ぬいぐるみの中にあった石には、彦一の携帯の番号でも書いてあったり
するのかな?
晶がいなくなってしまったから二人の絆も途切れてしまのでは
寂しすぎます。
またスペシャルで会えると嬉しいな〜。


色々なドラマで熱演、好演されている草なぎさん。
私はこのドラマが一番好きかなー。
こちらでは『僕と彼女と彼女の生きる道』の再放送が明日から始まります。


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☆マイ・ベストシーン☆

第1話:
自分を息子と間違えて小遣いを与えるチヨ。
最初はカモぐらいにしか思っていなかったチヨの危機に、
「ばあさんを頼む!ばあさんを頼む!頼む!」
りこに託してチンピラを自分の方にひきつけ、
海岸でチンピラの暴力に手を出さずに耐える彦一。

「あのさ、おじさんってヤクザ、」
慌てて涼太の両ほっぺをギュっと掴む彦一。
「あ?」
「こにょあいだイレジュミ見たんだけど・・」

第2話:
「弟子にしてくれる?」と涼太。
「弟子じゃねーよ。舎弟って言うんだよ。」と彦一。

諦めてオムツに頼ろうとする本村に
「あんた、いいのかよこれで!」

苛められていた涼太に
「強くなりてーんじゃないのか!?
 プライドねーのかよ!!」

本村との柔道勝負に負けたあと、
「ふざけんな、じじい!
 ・・・そんな元気ならいらねーだろ?オムツ。」

涼太とのやり取り。
「小銭出せよ。」
「え!?」
「舎弟だろうが。」

第3話:
りこが虐待孫に暴力振るわれている時、助けに入った彦一、
「研修メンバーが欠けたら、連帯責任だろ。」

お年寄りに鼻を何度も摘まれた時の「やめろ!」もツボでした。

第4話:
お年寄りを騙す女詐欺師への言葉
「詐欺師が感謝されたまま逃げるんじゃねーよ!
 騙して逃げるんなら憎まれろ!
 許して欲しいと思うんだったら・・きっちり筋通せ!」

リコと彦一の会話、
「好みなわけ?」(玲子のこと)
「ドンピシャ。」もツボでした。

第5話:
母親の再婚相手にドア越しに伝えた感謝の言葉、
「ありがとうございます。
 お袋を・・・お袋を支えてくれて。
 ・・・これからもよろしくお願いします。」

第6話:
風間に初恋の人の死を告げる時の表情。

第7話:
包丁の刃を掴んで無言で首を横に振る彦一の表情。

第8話:
「テメーを捨てたのはコイツらじゃねーだろう!!」
と鷲津に怒鳴りつけたあとの優しい「帰んぞ」

「テメーらの都合で人の寿命決めるんじゃねーよ・・。」

第9話:
「その位の覚悟出来てねーと思ってんのかよ。
 鷲津の内輪もめなんざ興味ねー!
 カシラが手打ちすんのも勝手だよっ。
 だけどな!仲間やられて動かねー極道なんざいねーんだよっ!」


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「任侠ヘルパー」主人公使用モデル。



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任侠ヘルパー オリジナル・サウンドトラック
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公式HP

【CAST】

翼彦一 - 草g剛

四方木りこ - 黒木メイサ
和泉零次 - 山本裕典
鷹山三樹矢 - 薮宏太(Hey! Say! JUMP)
黒沢五郎 - 五十嵐隼士
美空晴菜 - 仲里依紗
六車雅人 - 夕輝壽太

羽鳥涼太 - 加藤清史郎

日野弥生 - 中別府葵
堀井皐月 - 安田美沙子
松原浩美 - 橘ユキコ
大島陽介 - 山田親太朗
古賀健介 - 高木万平
古賀康介 - 高木心平
戸川由香 - 甲斐まり恵
野村愛香 - 三浦まゆ

七海和樹 - 向井理

鷹山源助 - 松平健(特別出演)

二本橋賢吾 - 宇梶剛士

久米武雄 - 田中哲司

園崎康弘 - 大杉漣
羽鳥晶 - 夏川結衣


スペシャル版ゲスト
米長 さなえ - ミムラ
樽川 潤 - 北村有起哉
立花 良平 ‐ ベンガル (俳優)
竹村 ‐ 岩松了
米長 敏夫 - 北村総一朗






【スタッフ】

脚本 - 古家和尚
企画 - 後藤博幸
プロデュース - 牧野正
監督 - 西谷弘、石川淳一ほか
制作 - フジテレビドラマ制作センター


草g剛さんの主な出演作品



黒木メイサさんの主な出演作品




18:17 | CM(2) | TB(2) | 任侠ヘルパー | Edit | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして(^ω^)
いつも読ませてもらってます☆

任侠ヘルパーのスペシャルは
とても楽しみにしてたし期待してました!!
彦一&晶&涼太の関係が好きです。
なのに,,樽川のせいで
晶が亡くなるという展開はあまりにも悲しすぎて号泣でした…
彦一と一緒にいる時の晶はとっても
穏やかで幸せそぉだったのに…
ショックが大きすぎて引きずってます…
私的には、連ドラの終わり方のままが良かったです(´⌒`)だけどスペシャルの終わり方だとまだ続くのかな??
長々とすみません…
Posted by ありんこ at 2011年01月11日 01:22
ありんこさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

晶が亡くなってしまったのは本当に残念。
そして、彦一が涼太を置いて行ってしまったことも寂しかった。
だけど、ファンタジーのような結末にならなかったのは良かったのかな。
彦一と涼太の再会をまた見たいですね。
涼太はどんな大人になっていくのでしょう。
まさか任侠道!?いやいや、きっと介護の道かな。

草なぎさんの新ドラマも良いですが、やっぱり彦一を演じる草なぎさんが一番好きだなーと思いました。

Posted by ちーず at 2011年01月17日 19:26
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