2011年05月08日

BOSS 2ndシーズン CASE 03

『悲しき暴力の連鎖』

GOJという雑誌を見てため息をつく野立(竹野内豊)。
「何?」絵里子(天海祐希)がやってくる。
「これを見ろ。」
「若き官僚、日本を支えるニューリーダー"
 これが?」
「今月号で俺が取り上げられる。もうすぐ取材が来る。」
「それが?」
「まずいんだよ。」
「何が?」
「ほかの省庁のやつらに比べてカッコ良すぎる。俺。」
「・・・」
「クオリティーが違いすぎる。
 こんなことで官僚同士が対決したらどうする?
 チッ。ったく〜。何て罪作りな、美形だ。」
「・・・」
「おい、ちょっと待てよ、絵里子。」
「忙しいの。寝言に付き合ってる暇ない。」
「この恰好どう?もう少し若い方がいいかな?」
「・・・」

「文英館の、佐神です。」
編集者の佐神公一(山本耕史)が二人に挨拶する。
「佐神さん、お待ちしておりました!さあ、参りましょう。」
「よろしくお願いいたします。」

対策室でインタビュー、写真撮影に応じる野立。

何て罪作りな美形の野立さん、バラの花をくわえてポーズ!
頼まれてもいないのに、拳銃かまえてポーズ!


「面白いな。
 トップの人があんなだから、下の人たちも生き生き仕事が
 出来るんですね。
 ・・あ、あのう、いい意味でですよ。」と佐神。
「ったく。」と絵里子。
「部下の人たちも面白そうですね。
 今度、対策室の方たちを取材させてもらえませんか?」
「ええ!?いやでも・・」
嬉しそうなチーム・BOSS!
「お願いします。
 面白くなりますよ、絶対。」

絵里子の携帯が鳴る。
「あ、ちょっとすみません。
 連続殺人事件?4人目の犠牲者!?」

佐神の携帯が鳴る。
「はい。
 ・・・社長が殺された!?」

「被害者は、蒼井雄介さん。35歳。
 上場企業の出版社、文英堂の社長。
 死亡推定時刻は昨日の午後5時から6時。
 自宅マンション、居間で、鋭利な刃物によって4か所刺されて
 殺害された。
 今までは捜査1課が担当してたけど、うちも手伝うことになった。
 この連続殺人事件、これまでに3人が殺されている。
 一人目は、45歳の税理士。
 二人目は、会社経営者。
 三人目は開業医。」と絵里子。
「ピッキングしてドアを開け、物取りではなく自宅で殺されていること。
 現場から見つかった足跡も一致していることから、
 この3件は同一人物による連続殺人だと思われます。」と片桐(玉山鉄二)。
「そしてとうとう、4人目が出た。」
「今の所、被害者同士の接点も見つかっていません。」と山村(温水洋一)。
「無差別殺人ちゅうことか。」と岩井(ケンドーコバヤシ)。
「可能性は高い。」と絵里子。
「犯人の遺留品はなし。唯一の手掛かりが、死の腕を名乗る人物が、
 一件目の後、犯行声明を新聞社に送り付けた。」と片桐。
「死の腕って・・・。」と花形(溝端淳平)。
「ヘンリー・ルーカスって知ってる?」と絵里子。
「羊たちの沈黙の!」と花形。
「レクター博士の、モデルの一人ですよね?」と幸子(長谷川京子)。
「そう。アメリカのシリアルキラー。
 彼が一時所属してたとされる殺人組織の名前が、死の腕。
 もっとも、この組織、本当にあったかどうかは怪しいけど。」と絵里子。
「それを真似てるってか。」と岩井。
「犯人は、犯罪マニアの可能性が高いですね。」と片桐。
「岩井は犯行声明を洗って。
 花形と田所は、4人目の犠牲者、蒼井さんの殺害現場に。
 山村さんは黒原を呼んで、犯人の行動パターンを解析してみて。
 私と片桐は、蒼井さんの交友関係を洗う。
 はい、行って!」
「了解!」

佐神が手掛けた本を泣きながら読む幸子、
そんな幸子に指示される花形!

ヤマム〜は理香に、自分が結婚できる確率の予測を依頼。
年齢、毛髪、洋氏、その他条件を数字に換算し、解析の結果、
『計算上だと、結婚まで3回死ぬことになってます。』
・・・ヤマム〜、結婚しない方がいいようです。


絵里子は片桐と、4番目の犠牲者・蒼井が社長を務めていた出版社を訪ねる。
社内が騒然とするなか、役員でもある編集者の佐神は
「いい本を一冊でも多く出すことが我々の最大の供養」と絵里子に笑顔で答える。

「うちの会社は、佐神さんが支えているようなもんですから。
 雑誌から単行本まで、手掛けるものは大ヒットしてるんです。
 うちは元々、学習雑誌の地味な出版社だったんですけど、
 それを劇的に変えたのが、佐神さん。
 このビルも、佐神ビルって呼ばれています。」と社員。

棚に飾られた『月刊少年時代』。その下には『文英館のオススメ!』の文字。
ショーウィンドーの中には『Love Story』『Feeling』『恋人たちの』『アドリアより愛をこめて』
『OL制服図鑑』に手を伸ばした片桐に、BOSSの一撃!


そこへ、山地智子(戸田菜穂)がやってきて、社員を厳しく指導する。
「佐神さんのライバル。
 佐神さんと話すだけでにらまれちゃうんです。」と社員。
「どこも大変だ。上司は。」と絵里子。
「出版社って人間関係どろどろなんですよね、結構。」

「ボス。」
片桐が、ヘンリールーカスの本を見つける。
「すいません。この本の担当の方、いらっしゃいますか?」
「猟奇シリーズね。これは小堀さんだな。
 うちでこんなのやるのは小堀さんぐらいですから。
 あ、、そこにいますよ。」
小堀慶介(野間口徹)は喫煙コーナーでタバコを吸っていた。

「対策室」に戻った絵里子は、片桐、山村、花形、岩井、幸子らと
事件を整理する。
犯行時間は昼の11時、4時、夜の9時、夕方の5時。
犯人は比較的時間に融通が利く仕事ないし学生か。
刺された個所は一人目が3か所、二人目、三人目が1か所、
4人目が4か所。
凶器のナイフは刃渡り7〜8p。

そこへ、野口という男が逮捕されたと連絡が入る。
野口は、「死の腕」を名乗り連続殺人を犯したと自供。
事件は解決かと思われたが、絵里子は野立に、野口の犯行は最初の3件で、
4件目は別の人物の犯行だと断言。
理香の分析でも、4件目が一致しないと出ていた。

取調室
「ヘンリー・ルーカスに憧れてるんだ。
 でもそれにしちゃ、殺傷方法がお粗末ね。」と絵里子。
「・・・」
「第一の被害者、横川さんは、3か所刺してる。
 二人目、三人目は1か所。
 なのに四人目だけ4か所。
 連続殺人犯ってさ、だんだん手口が洗練されていくもんでしょ?
 逆に手数増やしてどうすんの!?
 はい、怖かったんでしょ?この人ちょっと大柄だもんね。
 怖くてつい、4か所も刺しちゃった?」
蒼井の遺体の写真を見せる絵里子。
「粋がってるけど、本当は人を刺すのが怖くて怖くてしょうがないんでしょ!
 なにがヘンリー・ルーカスよ。
 ヘンリーもいい迷惑だわ!
 こんな臆病な殺人犯と、一緒にすんなっつうの!」
「こいつは・・俺じゃ・・」
「うん?」
「こいつは俺じゃねえよ!!」

対策室
「4人目の蒼井社長だけ、椅子に座ったまま刺されている。
 つまり、知り合いと話していた最中に刺された。
 見知らぬ人が入ってきたら、誰だって立ち上がる。
 それに、前の3人は体の左側に死傷痕が集中してる。
 ところが4人目は、右側を4か所刺されてる。
 おそらく、犯人は左利き。野口は右利き。
 さらに切創が多数あるのは、殺人に慣れていないため。」と絵里子。
「ピッキングは?」と片桐。
「終わったあと出るときに鍵穴に傷だけ付けた。」と絵里子。
「参ったな。振出しに戻るか。」と岩井。
「誰かが死の腕の犯行を真似、連続殺人犯の仕業に見せかけて、殺した。
 もう一度全員で、蒼井社長の交友関係を中心に洗いなおそう。」
「了解!」

佐神のインタビューに気取って答える花形に、ボスの一撃!

「殺された蒼井社長の評判は良くないですね。
 蒼井さんが三代目のボンボンで、苦労せず社長になり、
 出版経営のことは何も分からない。」と花形。

床屋で結婚話に盛り上がる山村に、ボス、ドライヤー攻撃!

「毎日毎日、会社の金で銀座を豪遊。愛人もいたとか。
 経営を大きく悪化させた張本人と見られます。」と山村。

ブティックで自分の好みのタイプを熱く語る岩井に、
ボス、ベルトを首輪代わりにひっかけて連れ出す!


「蒼井社長の放漫経営が原因で、いくつかの雑誌の廃刊や売却の話も
 あるらしい。
 殺したいやつは結構おったかもな。」と岩井。

佐神のインタビューに上司の不満をぶつけ、中途採用していないか聞く幸子を、
呆れ顔で連れ出す絵里子。お菓子は持ってく!

ピーポ君の着ぐるみを頭にかぶり、ケーキを食べる片桐。
「自分、不器用な、」
と言いかけた片桐にボスの一撃。
片桐さんはぶたないで〜。(笑)


「で、蒼井社長の下で有力な役員が、佐神公一さんと、山地智子さん。
 佐神さんは、文英館を支える稼ぎ頭。
 ただし、中途入社の佐神さんは、創業一族とは折り合いが悪く、
 会社を辞め、独立するのではとのうわさが絶えません。」と花形。
「一方、先代の社長にも気に入られ、生え抜きの役員なのが、
 この山地さん。
 蒼井社長の前に初の蒼井家以外の社長になるのではと目されていた。」と山村。
「あの人きついもんね。」と絵里子。
「あんたが言うな。」と岩井。
「もっとも、この山地さんも、先代の社長と寝ていたとか、
 とかく悪い評判の絶えない人です。」
「とにかくこの会社の中で、社長が殺されて得をするのは、
 この山地さんと、犬猿の仲だった佐神さん。」と絵里子。
「佐神さんは、蒼井社長が殺された時刻、こちらで打ち合わせをしてました。」と花形。
「これ。
 『社長が事件に巻き込まれ、多大なご迷惑、ご心配をおかけしました
 ことを心よりお詫び申し上げます』って書いてある。」と絵里子。
「雑誌は広告で成り立ってるっていいますから、スポンサーに
 配慮したんじゃないんですか?」と幸子。
「でもこれ、月刊誌よ。手回しよくない?」と絵里子。
「編集長は・・小堀慶介。」と片桐。
「彼、左利きだったよね。」と絵里子。

絵里子と片桐は、再び出版社で小堀に会うが、小堀は落ち着かない
様子で席を立つ。

その後、絵里子は、屋上で雑誌「少年時代」を読んでいた佐神に声をかける。
「こんにちは。」
「ああ。みなさん、取材ありがとうございました。」
「ホント。みんな捜査よりそっちに乗り気になっちゃって。」
「あとは大澤さんだけだ。いろいろ聞きましたよ。
 大澤さんはとっても優秀だが、仕事にはとても厳しい人だって。」
「佐神さんこそ。仕事が出来ない部下には容赦がないって。」
笑い合う二人。
「わが社の次に廃刊になる雑誌を、検討してたところです。」
「廃刊!?いい雑誌じゃないですか。
 私も子供の頃読んでた。」
「でも今は買ってない。」
「さすがに。」
「老舗出版社の悪い癖でね。
 売れない雑誌でも、伝統の名の下に、残そうとする。
 おかげで僕がいくら収益を上げても、全部持ってかれちゃう。」
「それだけ、ベストセラーを出し続けるコツは?」
「そうですね。
 簡単に言うと、ストーリーかな。」
「ストーリー?」
「作家、スポーツ選手、有名人。
 何であれ、人を感動させるのは、物語。
 ストーリーなんですよ。
 優れた人物には必ず、その人なりのストーリーがある。
 僕は単に、それを導き出すだけです。」
「それにしても、これだけの仕事量。すごい情熱。」
「情熱?かけらもありませんよ。
 ビジネスだからです。
 まあ強いて言えば、僕自身が平凡な人間でストーリーがない。
 だから、他人のストーリーに興味があるっていうのは
 あるかもしれませんね。」
「そうでしょうか。
 誰にでも、ストーリーはあるんじゃないんですか?」
「というと?」
「私の仕事も少し似ています。
 殺人事件は、犯罪の中で唯一、被害者から話を聞くことが出来ない。
 だから何故被害に遭ったのか、被害者に成り代わり、
 必死でストーリーを考える。
 被害者のストーリー。
 加害者のストーリー。
 それが捜査です。」
「なるほど。面白いですね。
 でも、今回みたいな猟奇的殺人の場合は?」
「どんな犯罪にも、ストーリーはあります。必ず。」
「・・・楽しみにしています。それが発表される日を。
 では。」

小堀の当日の行動を調べる岩井と山村。
パーティー会場から殺人現場に抜け出すことは可能だった。
そして、小堀の同級生に、佐神の別れた妻がいた、ということもわかった。
佐神は2年前に離婚したらしい。
そして佐神は、仕事のできない小堀を嫌っていたようだ。

小堀に任意同行が掛けられる。

取調室
「随分、ギャンブルがお好きだったようですね。
 その借金を埋めるために、会社の金を横領していたんじゃありませんか?」と片桐。
「噂だろう、それは。」
「それが社長にバレて、頭にきてやったんちゃうんか?」と岩井。
「だから知らないって・・・。」

そんな折、小堀が社内の金を横領していた証拠が挙がった。
さらに、蒼井の殺害現場で採取されたDNAが小堀と一致したため、
絵里子と片桐は小堀宅へと向かった。

しかし、小堀は浴槽で手首を切り、死んでいた。

検死の結果、小堀は酩酊状態で自殺したものとされたが、
絵里子はそれを否定。
酒に強くない小堀が、誰かに酒を飲まされ殺されたのだという。

理香とオセロをする野立。
「う〜ん。強いな、リカリン。」
「弱すぎ!次やります〜?
 チェスでも将棋でもなんでも。強いですけど。」
「うーん。」
「それよりこんなことしてていいんですか?
 被疑者死んじゃったんでしょ?」
「上の者はね、どんと構えて責任だけ取りゃいいの。
 後は下の仕事。
 白のものが、黒になる。
 黒のものが、白になる。
 ここからだよ。ストーリーは。」

カフェで佐神と会う絵里子。
佐神は携帯の電源をオフにする。
「取材のときや、大切な人と会う時は、必ず電源を切ります。
 目の前の人に、全精力を注ぐ。それがポリシーです。」
「・・・小堀さんの亡くなった夜のアリバイを聞かせて下さい。」
「・・・」
「そのために、今日は来ました。」
「自殺じゃないんですか?小堀さんは。」
「他殺の可能性もあります。」
「ほぅ。面白いな。僕も疑われてるのか。
 その日は仕事が早く終わったので、自宅に居ました。」
「それを証明する人はいらっしゃいますか?」
「一人暮らしですから、いませんね。」
「佐神さんの離婚された奥様と、小堀さんとは、同級生だとか。」
「ええ。偶然前の女房の同級生ではありましたが、それだけです。
 僕は、仕事が出来ない奴が何より嫌いなんでね。」
「あれからいろいろ聞き込みました。
 佐神さんは、人たらしの天才!
 だけど、利用できなくなったらすぐに見捨てる。」
「・・・だったら、こんな話も聞いているでしょう。
 それは私生活にも当てはまる。
 結婚は2年で破綻。
 別れた妻と子供には養育費だけ渡して、
 一切会おうともしない非道ぶり。
 否定しませんよ。
 僕はどこまでも仕事優先。
 家庭には向いていなかった。それに、気づいただけのことです。」
「そうですか。」
「ね?僕のストーリーなんてつまらないでしょ?
 それより大澤さんのストーリーを聞かせて下さい。」
絵里子が微笑む。

対策室
「佐神の過去を調べてきました。」と片桐。
「どうだった?」と絵里子。
「それが・・・もともとは裕福な家庭に生まれたんですが、
 7歳のときに父親が事業に失敗。
 その頃から父親は酒浸りになり、たびたび暴力を振るわれていたようです。
 結局母親も病死。間もなく父親も新で、祖母に預けられたとか。
 これがたった1枚、メディアに出た、彼が子供のときの写真です。」
「つまらない、ストーリーか・・・。」
自宅でチャンバラごっこをしていた父と息子の笑顔の写真・・・。

公園
「初めて見ました。こんな写真。
 あの人、家のこともほとんど話してくれなかったから。」と佐神の妻・弘子。
「そうですか。家ではどんなでした?」と絵里子。
「ほとんど家にいなかったですから。
 もともと忙しい人でしたけど、子供ができてからは特に。
 なんか、家の中・・いや、家族っていうものが、居心地悪いみたいで。
 わざと忙しくしている感じで。」
「それで離婚を?」
「ちょっとしたことで言いあいになって、殴られました。
 頬を平手で。
 それで終わり。
 嫌いだったんだと思います。家族ってものが。」
「佐神さんとはそれっきり?」
「去年の春に、少し話したきりです。」
「・・・」

その後絵里子は片桐とともに、山地に会いに行く。
山地も小堀の死よりも仕事優先。
「これから会議ですか?」と片桐。
「そう。年間計画を立てる大事な会議。
 雑誌の創刊、廃刊を検討するわけ。
 売れない雑誌抱えてる余裕なんてないのよ。」
リストには『少年時代』も入っていた。
「少年時代、廃刊になるんですか?」と絵里子。
「なりゃいいんだけどね。
 この手の雑誌、今厳しいから。
 ま、それはこれから。じゃっ。」

小堀の部屋を調べる花形と幸子。
幸子がメモ帳に気づく。

小堀のデスクから、子供の描いた絵を見つける山村。

対策室
「小堀の部屋にあったメモ用紙の圧痕。
 上の紙に何かを書いた跡ですね。
 それを科捜研のESDAにかけて、解析したものがこれです。
 月曜日、深夜まで銀座。
 火曜日、会合、7時には帰宅。
 これ、蒼井社長のあの週の行動です。」と幸子。
「誰かが小堀に教えていたのは、間違いないようです。」と花形。
「小堀の携帯とパソコンは、今、黒原に解析さしとる。」と岩井。
「会社の机回りのものも、一応全部指紋を採りました。
 どれも不明な指紋が多数で、特定できません。
 ただ、この絵から採取された指紋は、、小堀のもの以外2つだけで、
 そのうちの1つが、文様の構成、趨勢が、ここについている指紋、
 つまり、佐神さんの指紋と、きわめて似ています。」と幸子。
「同じなの?」と絵里子。
「まだ断定はできません。
 なんせ、紙についている指紋が極めて薄くて。
 しかも、一部分だけなんで。」
「当たってみよう。」と絵里子。
「はい。」

出版社
「さあ。その絵のことは知りませんが、僕は部下の企画書など 
 山ほど見ます。その時に付いたんじゃないんですか?」と佐神。
「そうですよね。」と絵里子。
「まだ僕が疑われてる?動機は何です?」
「仕事のできない小堀や、蒼井社長が許せなかった。」
「そこまでストイックじゃないですよ。」
「では、こういうのは?
 社長が死ねば、次期社長も視野に入る。
 あなたは、小堀の横領に気づき、社長への密告をちらつかせ、
 殺させた。
 そして口封じのために、小堀も殺した。」
「それが、大澤さんの作ったストーリーか。
 残念ながら、売れ行きは厳しそうですね。」
佐神は絵里子にある会社のパンフレットを渡す。
「2か月後、そこの社長に就任します。」
「・・・」
「知水出版はいずれ、文英館を吸収するとまで言われています。
 残念ながら、僕にはこの会社なんて、どうでもいいんですよ。」
「・・・」

そんな中、理香は押収された小堀の携帯のメールを復元に成功。
山村がそのことをボスに連絡する。
「分かった。すぐに任意同行。
 あと、家宅捜索の礼状も。」と絵里子。

「任意同行って、山地の?」と佐神。
「ええ。小堀が殺された日、彼と会ってたことが分かったんです。
 失礼。」
絵里子はそう言い、帰っていく。

取調室
「小堀の携帯メール解析してたら、こんなん出てきたんや。」と岩井。

『From 小堀慶介
 To 山口智子
 Date 2011.5.4

 今夜、8時、赤坂ダイニングバーでお願いします。』

「その日は映画を見ていたとおっしゃってましたよね?
 どういうことですか?」と片桐。
「・・・」
「それだけちゃう。これ!
 これそのダイニングバーの近くの防犯カメラの映像や。
 ここに映ってんの、あんたと小堀やな。」
「確かにその日、飲みに行った。」
「ほな何で黙ってたんや?」
「殺されたって聞いて、恐ろしくなって。」
「恐ろしくなって?そんな玉かな?あんたが。」
「あなたは自分は飲まず、小堀にだけ酒を勧めた。」と片桐。
「その日は体調が悪くて。
 ほんとよ。小堀が飲みに行こうって言ったの。
 どうしても相談したい企画の話があるからって。」
「小堀が企画?」
「強引に誘ってきたの、小堀の方なの!」

その様子を見つめる絵里子。

同じ頃、山地の自宅を捜索していた花形と山村は、クローゼット内の
多数の衣類やバッグなどから、山地の贅沢な暮らしぶりを知る。
また、蒼井社長と山地の親しげな写真が複数あった。

対策室
父親と映る幼い頃の佐神の写真を見つめていた絵里子は、
あることに気づく。

そこへ、山村、花形が戻ってきた。
山地は小堀と組んで金を横領していたが、それを蒼井に見つかったため
殺害し、その後、口封じのため小堀も殺したのではないか、との推測がされた。

カフェで新聞記事を読む絵里子。
『連続殺人犯野口、自供始める
 親と同い年ぐらいの大人が憎かった
 幼少期に受けた虐待が影響か』

「やっぱり幼少期に暴力を受けた子は、大人になったらそれを
 やり返すっていうのは、本当なんですね。」と佐神。
「そういう、傾向はあります。
 すいません、お呼び立てしまして。」と絵里子。
「いいんです。
 会社はもう、パニック。なかなか仕事にならなくて。」
「どういう人なんですか?彼女は。」
「出世の為に、魂を売った人間。
 最も出版社にいちゃいけない人ですね。」
「文英館の社長になるためには、手段を選ばない?」
「可能性はありますけど。
 本当に山地で間違いないんですか?」
「状況的には。
 バーで酒を何杯も勧めてるの目撃されてますから。」
「・・・」
「でも、決定的な証拠がまだないんですよね。」
「・・・」
と、カフェの外を青いバッグを持った山地が通り過ぎた。
佐神は、それを目で追っていた。
「だから今のところ、任意同行しかできなくて。」と絵里子。
「そうですか。」
「あと一歩なんだけどな・・・。」
「・・・」

そして、後日、山地が持っていた青いバッグのなかから、
小堀の血が付いたシャツが見つかった。

出版社の屋上
「見つかったそうですね。聞きましたよ。」と佐神。
「ええ。バッグから小堀の血の付いたタオルが発見されました。」
「なるほど。動かぬ証拠が。」
「そう。・・・あなたの。」
「・・・何の話です?」
「小堀に蒼井社長を殺させたのはあなた。
 どこからか小堀の、横領の件を知り、脅して追い詰め、
 社長を殺させた。
 そして、おそらくほろ酔いで帰ってきた小堀に、
 さらに酒を飲ませて、酩酊状態にさせ、
 手首を切って、殺害した。
 その際、山地に罪をかぶせようと、小堀に山地を誘わせたのも、あなた。」
「・・・何を言ってるんですか?」
「このバッグ、山地さんのバッグじゃない。
 私がニューヨークで買ったものです。」
「・・・」
「山地さん、たくさんバッグは持っているんですが、
 なぜか、青いバッグは持ってないんですよね〜。」
「でも・・」
「このバッグを山地さんが持っていたのは、私たちがカフェで見た
 ときだけなんです。」
「・・・」
「つまり、これが山地さんのだと思うのは、あなたしかいなかった。」
「・・・」
「最初から疑ってました。
 あなたは、大事な取材のときには、携帯に出ないといった。
 でも最初、蒼井社長が亡くなったとき、携帯に出た。
 殺害時のアリバイを、私たちに示すために。」
「・・・動機は?」
「そう。それが分からなかった。
 あなたのストーリーが。」
「・・・」
「最初は、社長が憎いからだと思っていたけど、
 だったら会社を辞めればいい。
 あなたなら引く手あまた。
 現にあなたは、知水出版での社長就任が内定していた。」
「そうですね。」
「だから、逆に考えた。
 何か、会社に残らなきゃいけない理由があると。」
「・・・」
「動機は、蒼井社長が、創刊40年になる雑誌、『少年時代』を
 他社に売ろうとしていたから。」
「・・・」
「あなたは焦った。
 知水出版の社長に就任して、文英館の吸収合併も視野に入れて
 いたのに、それより先に、社長が、ゲームメーカーに
 『少年時代』を売ってしまう。
 それを阻止しようと、社長を殺した。」
「・・・」
「山地も『少年時代』の廃刊をもくろんでいた。
 それで彼女に、罪をかぶせようとした。」
「何でこんな雑誌の為に?廃刊寸前の雑誌だ。」
「お父さんとの、思い出の雑誌だから。」
「・・・」
「最初気づかなかったけど、この本棚、画像を解析してみたら、
 ずらっと『少年時代』が並んでる。」
絵里子は佐神が幼い頃、父と撮った写真を見せる。
「あなた、近所の人に言ってた。
 よく寝る前、『少年時代』をお父さんに読んで聞かせてもらってたと。」
「・・・」
「その思い出を守るために、殺人を犯した。
 それがあなたのストーリー。」
「・・・甘すぎるな。単なる想像だ。」
「あなたが離婚したのは、自分のDVが怖かったからでしょ。
 DVを受けた子は、親になったとき、DVをする方に回る傾向がある。
 あなたはそう思い込んで、自分から家族を捨てた。」
「何を言ってるんだ・・・。」
「でも子供は忘れない。
 たとえどんな親でも、優しかった頃の思い出は。」
「何を言ってる!
「あなたの息子。
 4歳の直樹君が、あなたを忘れないように。」
「・・・え?」
「奥さん、弘子さん。
 同級生の小堀に、たびたびあなたへの手紙を託してた。
 あなたが破って捨てるから、小堀も渡さず捨てていたけど、
 さすがにこれは、捨てられなかったみたい。」
子供の描いた絵を渡す絵里子。
「直輝君が描いた、あなたの顔よ。」
「・・・」
「その絵に、指紋が付いてた。
 幼児の指紋は検出されにくいけど、文様の構成や趨勢が、
 あなたそっくりだった。」
「・・・」
「皮肉にもその絵が、あなたと犯行を結び付けるヒントになった。
 横に、棒のようなものが描いてあるでしょう?
 それね、桜の木よ。」
「・・・」
「去年の春、養育費を渡すために、一度だけ、たまたま直樹君にも
 会った。
 直樹君、そのこと覚えてる。」
「・・・」
「自分を捨てたはずのお父さんでも、子供は覚えてる。
 あなたと一緒。」
「・・・」
「子供の中じゃ、お父さんは、いつも笑ってるわ。」
「・・・」
直樹を抱き上げた日々、父に『少年時代』を読んでもらった記憶が
鮮やかによみがえる。
直樹の絵を見つめながら涙する佐神・・・。

警察
「あのう、少年時代、どうされるんですか?」
片桐が山地に尋ねる。
「本っていうのはね、結局、人の想いで出来てるの。
 それを大切にしなきゃ、出版社にいる意味がないわ。」
山地が帰っていく。

後日、野立とバーで飲んでいた絵里子は、携帯に一通のメールを受信する。
それは、木元真実(戸田恵梨香)からのメールで…。


被害者のストーリー。
加害者のストーリー。

佐神は大好きだった父親の暴力に深く傷つき、
自分も父と同じように子供に手を挙げてしまうのではと恐れ、
家族を捨て。
そして、父との思い出の『少年時代』を守るため、
殺人まで犯してしまった。

小堀と佐神の元妻が同級生、という設定に惑わされましたが、
元妻は小堀に佐神への手紙を託していたんですね。
絵に付着していた指紋と佐神の指紋を『完全一致』させず、
似ている、という表現にとどめたのは、それが佐神の子供のもの
だったからなんですね。

父との優しい想い出を守るために、大きな罪を犯してしまった佐神。
それをいつか自分の息子が知ったときのことを考えると、
複雑ですね。

木元からのメールには、何と書いてあったのでしょう。




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公式HP


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【キャスト】

大澤 絵里子(天海 祐希)特別犯罪対策室

野立 信次郎(竹野内 豊)
木元 真実(戸田 恵梨香)
花形 一平(溝端 淳平)
奈良橋 玲子(吉瀬 美智子)
岩井 善治(ケンドーコバヤシ)
山村 啓輔(温水 洋一)
片桐 琢磨(玉山 鉄二)

田所幸子(長谷川京子)
黒原理香 (成海璃子)

丹波 博久(光石 研)
屋田 健三(相島 一之)

池上 浩 (丸山 智己)
川野 昭夫(長谷川 博己)
森 政夫(HILUMA)

小野田 忠(塩見 三省)

黒原健蔵(西田敏行)

森岡博(大森南朋)



【スタッフ】

脚 本 … 林宏司
演 出 … 光野道夫 / 石井祐介
音 楽 … 澤野弘之 / 和田貴史 / 林ゆうき
主題歌 … 「My Best Of My Life」 Superfly
プロデュース … 村瀬健 / 三竿玲子
制 作 … フジテレビドラマ制作センター


天海 祐希さんの主な出演作品



竹野内 豊さんの主な出演作品


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