2011年06月06日

JIN -仁- 完結編 第8話

『歴史に逆う命の誕生…』

1867年(慶応3年)秋。
天皇に政権を戻す、いわゆる「大政奉還」の実現に向け、坂本龍馬(内野聖陽)は
日々奔走していた。

幕府の上役(中原丈雄)に龍馬の動向を探るよう命ぜられていた
橘恭太郎(小出恵介)は、龍馬と仁友堂は今は関係は断っていると
嘘の報告をするが、引き続き動向を探るよう命じられる。

龍馬と仁の写真や手紙を燃やしてしまう恭太郎。
「お許しを・・・。」

「龍馬さんの暗殺は、大政奉還から、明治になるまでの間の、
 寒い時期だったイメージがある。
 大政奉還は今年、1867年。
 ということは、来年のどこかで明治。
 ということは、暗殺は、今年の終わり頃か、来年の頭頃のはず。」


「龍馬が亡くなったのは確か、」
未来の言葉の続きを必死に思い出そうとする南方仁(大沢たかお)。

そして仁も、龍馬の手紙を処分していた。
「やはり、燃やされるのですか?」と咲(綾瀬はるか)。
「勝先生に、そうした方がいいと言われて。」
「坂本様にも、事の次第をお知らせした方が良いかもしれませんね。」
「・・・」

船の中、筆を走らせる龍馬。
船中八策。でもそこにはなぜか、九の項目。
「これはすごいぜよ、先生!」龍馬がつぶやく。

その頃仁も、龍馬を思い筆を握り締めていた。
「出るなよ・・・。」
あの頭痛に耐えながら、必死に筆を走らせる。

『土の龍
 道に果てつる 寒き京
 ご注意を』

「届いてくれよ・・・。」
手紙を飛脚に託し、そう呟く仁。

そんな中、咲は野風(中谷美紀)のため、産婆のもとへ足を運び、
少しでも出産の手助けが出来るようにと努力の日々を過ごす。

「今は、他に動くことが出来なかった。
 十月に、野風さんの出産が控えている状態で、
 どこにいるか分からない龍馬さんを捜しに出るのは、
 あまりにもリスキーだった。
 来るべき時に備えて、出来るだけのことをしておくことが、
 龍馬さんに対して、今の俺に出来る、最大限のことだった。」


仁友堂
手術用のコットンシートを準備する仁たち。
「しかし恐ろしげな名ですな。呪いのシートとは。」と横松。
「ノイロシートです。」

「しかし、この鈍いシート便利でんなぁ。
 また何でノロイ、」と佐分利。
「ノイロシートです!」
「え?」

ノイロシート→呪いシート、鈍いシートに笑った!
何かと思って調べてみました。手術に使うコットンのようです。


「先生!久留米の田中久重様からお届け物が。」と八木。
「田中さんから!?」

以前仁が電球を渡した田中久重から、手紙と電灯が送られてきた。
「これは夜の手術が助かりまんな。」

龍馬を心配する仁。
「ご心配なら、もう一度文をお出しになられてみては?」と咲。
「手紙が届かないのも、歴史の修正力の気がするんですよね。」
「箱に触れても、よろしうございますか?」
「はい。」
未来の写真が入っていた箱を開ける咲。
「写真なるものは、消えたままでございますね。」
「はい。」
「やはり、私には、先生のご存じだった未来さんは、
 野風さんと、ご家門の大殿様との間の子孫であったから、
 消えてしまったのだと思われます。
 だとすれば、既に先生は、歴史を変えておられるのではないでしょうか。」
「・・・」
「薬や医療のことはもちろんですが、生き死にに関わることでも、
 歴史の修正力が働かぬことも、あるのではないでしょうか。」
「それは、そうかもしれませんけど。
 でもですよ。
 少し変えてしまったがゆえに、もっと悪くなることってないんでしょうか。
 例えば、野風さんの血筋が絶たれてしまったりとか。」
「なれど、修正力がどう働こうが、先生の望みは、変わらぬのでは
 ございませぬか?」
「・・・」

「俺の望む未来は・・・
 野風さんが子供を産み、
 未来が生まれ変われること。」


咲の部屋
「生まれ変わられた方と、先生は・・・
 出会わねばなりません。」
寂しそうにつぶやく咲。

「そして、」

海岸
「おーい!坂本ー!
 容堂公が、大政奉還を、建白してくださるそうじゃ!!」

「坂本龍馬が暗殺されない歴史を作ること。」

「守ってくれよ。未来。」
仁は写真を入れていた木の箱に、佐久間象山のお守り袋をしまう。

「自ら望む未来を、この手で作り出すだけだ。
 歴史は、変えられないと決まったわけじゃないんだから。」


野風が仁友堂にやってくる。

海岸
「もうじきぜよ〜!!先生ーーーっ!!」
海に向かって叫びながら、龍馬は『船中九策』を掲げ・・・。

仁友堂
「よろしゅうお願いしんす。」
「はい!」

「子は、順調でございます。
 母体の方も、異常は見受けられませぬ。
 衆参はこの具合だと、月の終わりほどになりそうですね。」と咲。
「岩も、さほど信仰してませんし、うまくいきそうですよ。」と仁。
嬉しそうにお腹をさする野風。

西洋医学所
「私を、奥医師にですか!?」と仁。
「上様から是非、南方先生をと、ご指名がございまして。」と良順。
「・・」
「上様には、捕えられた折に、ご一筆をいただいた
 ご恩もございましょう。」
「それはそうですけど・・・。」
「率直に申し上げますと、その恩を忘れ、反旗を翻しているご友人も
 おられるようで。」
「・・・」
「このご時世でございます。
 いかな疑いを受けるか分かりませぬ。
 江戸で仁友堂が苦境に置かれぬためにも、
 お考えいただけませぬか?」
「・・・はい。」

二人の話を盗み聞きしていた三隅が、仁に声をかける。
「南方先生ではございませぬか。」
「あ・・えっと・・・。」
「野風花魁のお調べに、ご一緒しました三隅でございます。」
「あ・・・あの、三隅先生尾、最近は医学所に?」
「私も今では、奥医師に取り立てられましてな。」
「そうなんですか。」
「すべて、南方先生のお陰でございますよ。」
「え?」
「あの折の見立て違いを、大殿にきつく戒められたからこそ、
 初心に帰り、医の道に励むことができました。
 これからも、ご指南いただければ。」
「はい。あ、じゃあ。」

立ち去る仁を、憎しみのこもった表情で見つめる三隅。
「もうじきすべてを失いますよ、南方先生。」

和宮様に毒を盛った人物。
今度は何を企んでいるのか・・・。


そんなある日、野風のお腹の子が逆子であるとわかり、
そのまま産むには危険な状態だと判明。
玄孝(佐藤二朗)は“整胎術”を試みる。

医師たちが集まり話し合う。
「こんな時期になって逆子になるなんて、滅多にないですよね。」と仁。
「まあ、そうですなあ。」と玄孝。
「戻らへんかったら、前に言うてはった、帝王切開っちゅう手術を、
 するんでっか?」
「いや。仁友堂にある麻酔は胎児には強すぎますから、
 それは出来ないんです。」
「では、その場合は・・・」
「・・・」
「とりあえず、灸を試みてみましょうか。」と玄孝。
「お灸、ですか?」
「逆子に効果があると言いますし、まだ日がございます。
 切羽詰まった顔は、よしましょう。」
「そうですね。」

お灸の治療を受ける野風。
「この子は生まれてきたくないのでおざりんしょうか。」
「逆子のまま、産むという方法もございますよ。」と玄孝。
「そりゃまことで?」
「案ずるより産むがやすし。
 お産は、何とかなるものでございます。」
「左様で。
 時に坂本様は、どうしておいでで?」
「あ、今はどこにいらっしゃるのか・・・。」と咲。

京都 永井玄蕃頭 屋敷
「なかなかのんでくれんのう、徳川は。」と中岡。
「大丈夫じゃ。最後は絶対にのむき。」と龍馬。
「その自信はどっからくるがじゃ。」
「坂本殿!!」
東(佐藤隆太)が龍馬を守ろうと、前に歩み出る。
龍馬たちの前に薩摩藩の武士たちが。
「おっ!おっ!」

錦小路 薩摩藩邸
「若年寄の、永井玄蕃頭の屋敷に出入りしていたそうじゃっどん。
 一体何をしちょいやったとな。」と大久保。
「そりゃあ大久保さん。敵の様子を探っちょったがじゃ。
 ねや。」と龍馬。
「・・・ねや!」と中岡。
「土佐は事もあろうに、大政奉還を建白したそうじゃなかか!
 土佐の十八番は裏切りか!」
「まあまあまあ!ちっくと話を聞いとうせ。
 これは壮大な茶番じゃき。」
「茶番?」
「考えてもみんかや。
 戦で負けちゃあせんがやに、政を返せっちゅう話を、
 徳川二百六十年がのむと思うかえ?」
「・・・」
「陰で、勅許をもろうて、武力で討幕をするっちゅうがは、
 ちっくと、聞こえもようないろう。
 それやったら、正面から建白し、それでも通らんがやったら、
 こりゃ、武力討幕も仕方あるまいし、そうなるがじゃろう。」
「・・・」
「どうせ断るがじゃ。ほいたら、じきに挙兵したらえい!」

「そげなお考えやったら、ないごておい達に、
 話をしてくれんかったとでごわすか?」と西郷。
「敵を欺くにゃあ、まず味方からち言うじゃろう。」
「じゃっどん、実は先ほど、おい達は、官軍になりもした。」
「・・・勅許が、下ったがかえ?」
「坂本さあのお心づかいはありがたかどん、
 兵を待たしては、士気が落ちもす。
 こんまま、挙兵したかち思いもす。」
「西郷さん!ちっくと考えとーせ。
 あと何日か待てば、」
「薩摩のこつは、薩摩が決めもす。」
「・・・」

「暴力は、暴力を生むだけなんです!」仁の言葉を思う龍馬。

「助けられたもんは、助けられた恩を感じる。
 力でねじ伏せられたもんは、ねじ伏せられた恨みを忘れん。
 戦は戦を呼ぶ。
 どっちが新しい国をつくりやすいと思うがぜよ!西郷さん!」
「やっぱい、そいが本心でごわしたか。」
「え・・ほいたら、勅許っちゅうのは・・・」
「茶番でごわす。」
「ああ・・・。」

「やっぱりそんつもりじゃったとか!幕府の犬が!」
「坂本ーー!!」

「みんなが一生懸命やっちょるがは、この茶碗の中の喧嘩じゃ!
 こんなもんは、ほれ、外から指一本で倒されてしまいぜよ。
 国中の戦が長引けば、列強に付け込まれ、
 植民地とされるがじゃ!
 倒幕はかなっても、属国になっては元も子もないろう!
 頼むき!まことの利は何たるか、」

「人は!利だけで生きる訳ではごわはん!
 人には、情ちゅうもんがごわす。
 己の裏をかいた相手を、信じるこつはできもはん!」
「・・・」
「ねじ伏せられんかったこつを、
 ありがたがるようには、できておりもはん!」
「わしの友人の南方仁は、南方仁は、
 幕府と長州が戦うちゅうがを見て、
 どっちがどっちやら分からんち言うたがじゃ!
 その意味を、もっぺん、考えてくれんかのう、西郷さん!
 西郷さーーん!!」
龍馬は屋敷から引きずり出されてしまう。

歴史の動きを感じさせる凄味のあるシーンでした。
龍馬役の内野さんの声のトーンが変わるとこ、好きだな〜。
西郷役の藤本隆宏さんも迫力ありました。


仁友堂
箱を見つめる仁。
「未来さんに、お願いしていらっしゃるのですか?」と咲。
「そのつもりだたtんですけど。
 これって未来的には、自分につながらない祖先が生まれるって
 ことじゃないですか。
 応援してくれるようなもんじゃないんじゃ・・・。」
「・・・」

「先生。咲様!
 始まったようでござりんす。」と野風。

「逆子はどうなって!?」と仁。
「少し、回り始めております。
 そのせいでお産が早まったのかと。
 陣痛の合間に回転させます。
 大丈夫ですよ、野風さん。」と咲。
「あい・・。」
「福田先生呼んできます!」

「もう少し回って下さい。楽に出られますよ。」
赤ん坊に語りかけながら、逆子を直そうとする咲。
「咲様は、真っ白でありんすなあ。
 あちきが子を産めば、先生の思い人を、もう一度、
 つくることになるやもしれんせんのに。」
「・・・やはり、ご存じで。」

「野風さん。私の心は、真っ黒でございますよ。
 いつもいつも、つまらぬ嫉妬ばかりで。
 その度に、己が嫌になります。
 野風さんには、いつも、とてもかなわぬと。」
「かなわぬ?」
「野風さんは、何も見返りを求めぬではないですか。
 私は、そのような気持ちには・・・。」

仁が玄孝を連れて戻ってきた。
「野風さんは!?」
「このとおり、大丈夫でおざんす。」
仁の表情に笑みが戻る。

部屋の前でうろうろする仁。
「うまくいってくれよ・・・。」

「お腹に力を入れて。」
「もう少しですよ。がんばってください。」
「はい、力を入れて。もう少しですよ。」

京都 近江屋
「大政奉還こそが本心やったとは!
 わしのことまで騙しちょったっちゅうことかーっ!」と中岡。
「・・・」
「おまんも、文句の一つも言わんか!
 こいつは、おまんのことも騙しちょったぜよ!」
「私は・・・大政奉還は悪くないと思いますが。」と東。
「ひがし〜。」と龍馬。
「おんしは!徳川がこれを受けんかったらどうするつもりじゃ!
 土佐を、徳川と心中させる気かと聞いちょるがじゃ!」
「徳川は絶対にのむ!!」
「・・・」
「と、思う。」
「・・・何を根拠に。」
「南方仁が、これが正しい道じゃち、言うたからじゃ。」
「はぁぁぁ!?」

「坂本さん!!
 在京四十藩の重臣が、二条城に招集されたようです!
 大政奉還について、評定がなされるものかと!!」
「きったーーーーーーっ!!」

仁友堂
「こ・・これは・・・。」と仁。
「子が横向きになり、そのまま出てこようとしてしまって、
 子供の片手だけが出てきてしまったのでございます。」
「え・・」と野風。
「ちょっといいですか?」
野風の脈を計る仁。
「先生?」
「・・・大丈夫です。手はあります。
 準備をしてきますので、福田先生、手伝ってください。」
「はい。」

「陣痛が始まってすでに15時間。
 母体の衰弱も激しいです。
 そもそも普通の体ではありませんし。
 子供は諦めて、野風さんの命だけでも助けましょう。」と仁。
「待ってください!野風さんは長くはない体と知ってはって、
 それでも産むと決めたんでしょう!?
 命を落としても産みたいんとちゃいますか?」と佐分利。
「ほかに方法がないんです!」
「そんな・・・。」
「たとえば、麻酔なしで帝王切開をすることにしたとします。
 母体がその途中で息絶えれば、胎児を無事に取り出すことも
 できなくなる可能性もあるんです。」
「・・・」
「どちらか一人でも、確実に助けるとするなら、
 それは母体しかないんです!」
「野風さんが耐えきれる方に賭けてみるってことは・・・」
「脈も呼吸も早くなっています。もう限界だと思います。」
「・・・」
「野風さんを手術室にお願いします。」

手術室
苦しそうな野風。
「何故・・こちらに?」
「こちらの方が、治療しやすいという話です。」と咲。
「野風さん。少し痛みが強いようなので、まず痛みを止める処置をします。」と仁。
「子に、害のない痛み止めは、なか、」
「ごく、軽いものなので、大丈夫です。」
野風は咲の不安そうな表情と、仁が笑顔を無理に作っていることに気づく。
「嘘が、下手でおざんすなあ。」
「・・・え?」
「腹を切っておくんなんし!」
「・・・」
「このまま腹を裂き、子を取り出しておくんなんし!!」
「切るのなら麻酔が必要になります。
 その麻酔は、子供は耐えることができませ、」
「ならば!!
 このまま切ってくんなんし!!」
「・・・」
「麻酔をせずに切るなど、痛みで死にまするぞ!」と山田。
「あちきは、郭の中の、かごの鳥でござんした。
 行きたいところにも行けず、会いたいお方にも会えず。」
「・・・」
「けんど・・・この子は違いんす。
 野山を駆け回ることも、
 愛しき方と、肩を並べ歩くことも、
 なにだってできんしょう。
 天かける、鳥のごとく、生きていけんしょう。
 どうかあちきの夢を奪わないでくんなんし!!」
仁をまっすぐ見つめ、涙ながらに訴える野風。
「・・・」

「帝王切開をいたしましょう。」と咲。
「・・・」
「大丈夫です。
 女子は子を守るためなら、どんな痛みにも耐えられまする!」
「・・・」

「あちきは死にんせん。
 この子を抱くまでは、決して死にんせん。」
「・・・帝王切開の準備を。」

京都 近江屋
「よう飲めるのう、こんな時に。」と中岡。
「こりゃあ、願掛けじゃ。」と龍馬。

仁友堂
「先生、準備ができました。」
咲が声をかけると、仁は目を閉じ意識を集中させようとしていた。
その手は震えている。
「・・・すいません。帝王切開は、実はほとんどやったことがないんです。」
仁の手に触れずに自分の手で包み込む咲。
「未来さんが、必ずお守りくださいます。」
「どうしてそんなことが分かるんですか?」
「先生を、お慕いしているからです。」
「・・・」
「未来さんは、たとえ己が消えようとも、先生の幸せを、
 願っておられるはずだからでございます。」
「・・・」
「野風さんと同じように。」
「・・・」
仁の震えは止まっていた。
「参りましょう。」
「はい!」

麻酔無しでの帝王切開。
痛みに必死に耐える野風。

京都の神社
地べたに座り込み、仁との写真を見つめながら一人酒を飲む龍馬。
「覚えちょるかえ?先生。
 初めて野風に会いに行った日んことを。
 襖の向こうで、野風と酒を飲んで待っちょったら、
 ゴリゴリゴリゴリ、頭に穴をあける音がしてのう。
 気づいたら、死にかけとったもんが、安らかに息をしちょったがじゃ。」

仁友堂
「膀胱と子宮下節の間の結合組織を切開します。」

京都
「ほうやき、わしは信じたぜよ。
 死にかけちゅうもんのことは、先生が一番よう知っちゅう。
 国も一緒じゃ。」

仁友堂
「卵膜が露呈したら、切開創 両示指をのちいて鈍的に拡大。」
「野風さん、もう少しですよ!」
「卵膜を破膜したら、広く開けた切開創から、
 胎児の先進部へ手を挿入。」
野風が悲鳴を上げる。

京都
「死にかけちゅう国を生き返らせるには、
 先生の言うことが、一番正しいがじゃろうと、信じたぜよ。」

仁友堂
「野風さん!頭が見えてきました。もうすぐです!」
「咲さん。胎児の娩出を。
 佐分利先生、娩出が終わったら、直ちに麻酔をかけます。
 いきます。」
「もう少しです。頑張ってください!
 もう少し・・・。」
赤ん坊が取り上げられる。
「生まれました!野風さん!!
 生まれて・・・」
「泣か・・・ぬ。」
「そんな・・・」

京都
「けんど、これでおうちゅうかえ?」

仁友堂
咲は赤ん坊をさかさまにし、尻を叩きはじめる。
「泣きなさい!」

京都
「こん国は、これで生まれ変われるがかえ?」

仁友堂
「泣いて!
 泣きなさい!
 泣いて!
 泣け!!」

赤ん坊が水を吐き出す。

京都
「わしはまた、道を間違うたがやないかえ!?
 先生!!」

仁友堂
赤ん坊が元気な産声をあげる。
野風の瞳から涙があふれ・・・。

「野風さん。可愛らしい女子で、・・・
 野風さん?野風さん!」
「先生!子宮から出血が!」
「・・・DIC。」
初に起きたが脳裏に浮かび・・仁は頭を抱えて倒れ込む。
「先生!」
「・・・佐分利先生、出血点探して下さい。
 咲さん、輸血の準備を!」
「はい!」
「どこだ・・・どこから・・・」
「脈が停止しました!!」
「・・・」帽子を脱ぎ捨てる仁。
「佐分利先生、お願いします。」
仁は野風の心臓マッサージを始める。
「子供を抱くんじゃなかったんですか!?
 歩くのを見るんじゃなかったんですか!?
 声を聞くんじゃなかったんですか!!
 ・・・絶対に死なないって、そう言ったじゃないですか!!
 神は・・・
 神は乗り越えられる試練しか与えないんじゃないのかーーっ!!」

野風が息を吹き返す。

「脈、戻ってきました!」と玄孝。
「出血点ありました!!」と佐分利。
「直ちに結紮止血してください。」
「はい!!」
「点滴を全開で投与して下さい!」
「はい!!」

京都の神社
「坂本さん!!後藤様からです!」
土佐藩の者が手紙を持ってきた。
そこには、大政奉還の文字。
「・・・やったぜよ・・先生。
 夜が明けたぜよ〜!!」


ぐっすりと眠る野風の横で赤ん坊を抱く咲。
「あなたはね、私の、恋敵をおつくりになる方なのですよ。
 私としたことが、大変な方を取り上げてしまいました。
 あなたに、一つだけ、お願いがあるのでございますよ。
 どうか、南方仁という方に、
 傷つくことが多いあの方に、
 誰よりも幸せな、今度は、誰よりも幸せな未来を、
 与えて差し上げてください。」

ここであの箱が映し出されました。
あの中に写真はあるのでしょうか?


地べたに大の字で眠る龍馬の喉元に、刀が付きつけられる。
刀を持つのは・・東だ。
「殺されちゃいますよ・・・坂本さん。
 ・・・」
刀をしまい、天を見上げる東。
「もう良いですよね・・・兄上。」
その表情は晴れやかで・・・。

赤ん坊を抱くルロン。
銀のスプーンには『安寿 Ange』と名前が彫られていた。
「日本語では幸い。フランス語では、天の使いにござりんすか。
 安寿。安寿さんでありんすと。」
我が子を抱き嬉しそうに微笑む野風。

「あの、何故、銀のさじを?」と山田。
「西洋では、子が一生豊かに暮らせるようにと、
 誕生の祝いに、贈るそうでありんす。」

その言葉に、仁はあることを思い出す。

(回想)
「今日、清でしまうなんて、この子、あれみたいですね。
 ほら、幕末の。」と父親。
「坂本龍馬と同じですね。
 龍馬が死んだ日も、確か・・・誕生日。」と未来。
(回想終わり)

「誕生日・・・誕生日だ!!」
仁が飛び出していく。

「勝先生!!・・・勝先生?」
「先の十五日に、大政奉還がなったんだとよ。」
「え!?」
「あいつやりやがったよ。
 徳川を、終わらせやがった。
 これが、大政奉還の建白の元となる龍馬の意見なんだけどよ、
 議員を置くこととか、天下の人材を顧問に据えるとか、
 八つ目まではまあ、おいらや一翁さんが教えたもんを
 そっくり頂戴しやがってさ。
 けど最後の一つ。この九つ目ってのがよ、
 おいらにゃとんと覚えがないんだよ。」
「皆が等しく必要なる医療を受けられ、
 健やかに暮らせる・・・保険なる仕組みを作ること!」
「知恵を付けたのは、先生かい?」

「いるはずもない俺の足跡が、
 歴史に刻まれていく。
 坂本龍馬の手で。
 歴史は、変えられないわけじゃない。」


「龍馬さんの、誕生日は・・いつですか?」
「確か、十一月十五日だったっけかな。」
「・・・あとひと月。」

「ええじゃないか ええじゃないか♪」
町の人々と一緒に楽しそうに踊る龍馬。

「してやられましたなあ。」と大久保。
「・・・」無言の西郷。

江戸の町を走る仁。

「おぬしとは別の密偵が飛脚より買い取ったものだ。
 坂本と通じ、我らをたばかったか!」
恭太郎に手紙を突きつける上役。
仁が龍馬に出した手紙は龍馬に届いていなかった。

仁友堂
「龍馬さんに会いに京に行きます。」
「今からでございますか?」
「・・・咲さん。龍馬さんはひと月後にあんさ、・・・」
頭痛に襲われ倒れ込む仁。
「先生!?」
「あ・・あ・・あんさ・・・」


いつも思うのですが、野風さんの膝を少し落としての挨拶が素敵。
自分の命が優先されると気づいた野風さんの目力、迫力、
このシーンにも見入ってしまった。
麻酔なしで帝王切開って、想像も出来ない痛みのはず。
だって、ちょっと指先切っただけでもヒリヒリするのに。

第1シリーズの時は、喜市の母親が麻酔無しで額を縫う手術を行いました。
その時、喜市は少しでも母の痛みが和らぐよう、おまじないを
唱え続けていましたっけ。

今回の野風の支えは、生まれてくる子、野風の希望。
自分の寿命を知っているからこそ、子を残したい、と強く願っている。
それは、最愛の人、仁がいつか未来に会えるため。

そんな野風の思いを知っていて、全力でサポートする咲もすごい。

そして、現代では医師として自信に満ち溢れていた仁先生は、
恋人の未来に手術を勧め、結果、植物状態にしてしまった。
未来と同じ顔を持つ野風。未来のご先祖様。
今回は、野風を救うことを優先させようとしました。
産婦人科として自信がないと、震える場面もありました。

二人の女性にまっすぐに愛される仁は、幸せ者ですね。

仁によって、『船中八策』が『船中九策』に変わり、保険制度が出来そうです。
歴史は変えられないわけじゃない。
仁は龍馬を助けることが出来るのか!?

今期の日9はTBS、フジ、両方とも違った魅力を持った秀作。
仁は肩凝りしそうなくらい、真剣に見入っていて、
マルモは目じり下がりっぱなしです。



美味しくいただきました!

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公式HP


B004P0A1H8いとしき日々よ
平井堅
DefSTAR RECORDS 2011-05-04

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4847019873日曜劇場 JIN -仁- オフィシャルガイドブック
TBSテレビ
ワニブックス 2011-04-22

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B004UNGJLW日曜劇場 JIN-仁- オリジナル・サウンドトラック~ファイナルセレクション~
TVサントラ
Anchor Records 2011-05-25

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B002QMMIBEJIN-仁- DVD-BOX
角川映画 2010-03-17

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主題歌
B002MS1SN6逢いたくていまMISIA BMG JAPAN Inc. 2009-11-18by G-Tools



サウンドトラック
TBS系 日曜劇場「JIN-仁-」オリジナル・サウンドトラック
TBS系 日曜劇場「JIN-仁-」オリジナル・サウンドトラック高見優 長岡成貢 高見優 HARBOR RECORDS 2009-12-02売り上げランキング : 115Amazonで詳しく見る by G-Tools




小説版
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原作
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第1話
・未来モノローグ
「私達は、当たり前だと思っている。
 思い立てば、地球の裏側にでも行けることを。
 いつでも、思いを伝える事が出来ることを。
 平凡だが、満ち足りた日々が続くであろうことを。
 闇を忘れてしまったような夜を。
 でも、もし、ある日突然、その全てを失ってしまったら。
 鳥の様な自由を。
 満たされた生活を。
 明るい夜空を、失ってしまったら。
 闇ばかりの夜に、たった一人、放り込まれてしまったら・・・。
 あなたはそこで、光を見つけることが出来るだろうか。
 その光を、掴もうとするだろうか。
 それとも、光なき世界に、光を、与えようとするだろうか。
 あなたの、その手で。」
・運び込まれた男
 年齢は、30代から40代、身長は180センチ程度。中肉。
 血液型はA型のRH+。
 患者の傷は、何か鋭利な刃物で頭部を切りつけられたもの。
 頭蓋骨骨折と、急性硬膜外血腫を起こし、緊急手術。
 顔面に無数の打撲傷。
 胎児の形をした腫瘍。
・未来の好きな言葉。
「神は、乗り越えられる試練しか与えない。」
・野口の言葉
「医者は患者の為にその恐怖と、戦うべきなんじゃないんですか?
 一緒にその恐怖と戦うから、尊敬されるんじゃないんですか?
 先生って呼ばれるんじゃないんですか?
 失敗して傷つかない人間なんていないですよ。
 先生は卑怯です。
 先生のやり方は、自分の代わりに他人に傷ついてもらっているような
 ものじゃないですか。」
・謎の声
「戻るぜよ、あん世界へ。」
・仁、文久2年(1862年)へタイムスリップ
・仁モノローグ
「あいつがいれば戻れるはずだ。
 あいつに連れてこられたようなもんなんだから。」
・斬られた恭太郎
「・・・それが私の、寿命なのです。」
・恭太郎の開頭手術、タエの額の縫合手術

第2話
・コロリ(コレラ)との戦い
・バタフライエフェクト、蝶の羽ばたきがさ、地球の裏側で台風を引き起こす。
・江戸の人々と触れ合うたびに、仁は本気でこの命を救いたいという思いを
 取り戻していく。

第3話
・文久2年(1862年)秋
・喜市や山田純庵をコレラから救う。
・仁がコレラに感染。咲の懸命な看病。
・タエは辻斬りに遭い亡くなってしまう。
・仁は拒んでいた髷を結い、江戸で生きていく覚悟。

第4話
・未来と仁の2ショット写真『2007.10.13』
・彦三郎の慢性硬膜外血腫の手術
・恭太郎、初音と出会う。
・野風の彦三郎への恩。
・揚げ出し豆腐

第5話
・野風、仁に夕霧の診察を頼む。
・痩毒(そうどく=梅毒)
・ペニシリンの製造過程を思い出したきっかけは咲の油落とし。
 製造方法を教えたのは大学時代の未来。

第6話
・医学館(漢方医学)VS医学所(西洋医学)
医学所(蘭方医)には松本派と弟子、緒方派と弟子。
医学館(漢方医)には多紀派と福田ら弟子たち。
・伊東派の首に痣がある医師。
・この時点で仁、江戸で半年以上過ごしている。
・「南方大明神」の札
・腑分け=解剖
・仁モノローグ
「俺の招いた歴史の混乱」
・仁モノローグ
「俺には、この世界に対する執着がない。
 だから、指針などないような、仏のようなことが出来るけど、
 だからこそ、きっと、何一つリアルに感じられないんだ。
 俺はもう本当に・・・死んでいるのかもしれないな。」
・命を狙われる仁。野風が咲に知らせ、咲が救う。
・平成二十二年の10円玉

第7話
文久3年(1863年)5月〜文久3年(1863年)6月
・天命
「ご判断を急ぐ必要はないのではないでしょうか。
 いつか、天命も参りましょうし。」
「天命?」
「人には、いかに生きるべきか、天命を授かる時が来るといいますから。」
「もし、いつか、本当に天命なんてものが空から降ってきたとして・・・」
 天命=あの胎児?
・ヤマサ
・1863年7月25日洪庵死去

第8話
文久3年(1863年)8月
・小さな盃、人の器、形見の器
・初音の敗血症、新しいペニシリン


第9話
・火事
・火消しの心意気、医者の心意気 
・新しい医術道具
・消えてしまう未来の写真。野風と未来の関係



【キャスト】

南方仁 …… 大沢たかお
橘咲 …… 綾瀬はるか
野風・友永未来 …… 中谷美紀 (特別出演)
坂本龍馬 …… 内野聖陽

橘恭太郎 …… 小出恵介

佐分利祐輔 …… 桐谷健太
山田 純庵 … 田口 浩正

松本良順(奥田達士)
福田玄孝(佐藤二朗)
多紀元琰(相島一之)

西郷隆盛 …… 藤本隆宏

佐久間象山 …… 市村正親
新門辰五郎 …… 中村敦夫

東修介 …… 佐藤隆太
中岡慎太郎 …… 市川亀治郎

橘栄 …… 麻生祐未
勝海舟 …… 小日向文世


【キャスト(第1シーズン)】

南方 仁 … 大沢 たかお
野風・友永 未来 (2役) … 中谷 美紀
橘 咲 … 綾瀬 はるか

橘 恭太郎 … 小出 恵介
佐分利 祐輔 … 桐谷 健太
山田 純庵 … 田口 浩正
タエ … 戸田 菜穂
喜市 … 伊澤柾樹

千葉重太郎 … 平山浩行
鈴屋彦三郎 … 六平直政

初音 … 水沢エレナ

緒方 洪庵 … 武田 鉄矢(特別出演)
濱口(石丸謙二郎)

新門 辰五郎 … 藤田 まこと(特別出演)

野口元 … 山本耕史
杉田 … 戸次重幸

伊東玄朴

松本良順(奥田達士)
福田玄孝(佐藤二朗)
多紀元えい(相島一之)

夕霧 … 高岡 早紀
鈴屋 彦三郎 … 六平 直政
橘 栄 … 麻生 祐未
勝 海舟 … 小日向 文世
坂本 龍馬 … 内野 聖陽


【スタッフ】

原 作
村上もとか『JIN−仁−』(集英社「スーパージャンプ」)
脚 本
森下佳子
演 出
平川雄一朗/山室大輔/那須田淳
プロデュース
石丸彰彦/中井芳彦
音 楽
高見優/長岡成貢
主題歌
「いとしき日々よ」平井堅
音楽プロデュース
志田博英
医療指導・監修
酒井シヅ(順天堂大学 医学部医史学 名誉教授)
冨田泰彦(杏林大学 医学部医学教育学 講師)
ペニシリン監修
花木秀明(北里大学 抗感染症薬研究センター センター長)
歴史監修
大庭邦彦(聖徳大学 人文学部日本文化学科 教授)
土佐弁監修
橋尾直和(高知県立大学 文化学部 教授)
時代考証
山田順子
製作著作
TBS


大沢 たかおさんの主な出演作品



中谷 美紀さんの主な出演作品



内野 聖陽さんの主な出演作品



タグ:JIN -仁-
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